JPH04212060A - 全血の分離及び検定のための装置及び方法 - Google Patents

全血の分離及び検定のための装置及び方法

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JPH04212060A
JPH04212060A JP1261491A JP1261491A JPH04212060A JP H04212060 A JPH04212060 A JP H04212060A JP 1261491 A JP1261491 A JP 1261491A JP 1261491 A JP1261491 A JP 1261491A JP H04212060 A JPH04212060 A JP H04212060A
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ブライアン・アール・バークス
Helen M Clements
ヘレン・エム・クレメンツ
Thomas A Magers
トーマス・エー・メジャース
Margaret F Means
マーガレット・エフ・ミーンズ
A Christopher Skjold
エー・クリストファー・スキヨルド
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全血の血球成分を血漿
又は血清と分離し、そして特定の可溶性成分に関して血
漿又は血清を検出する装置及び方法に関する。さらに、
本発明は、レクチン、トロンビン又はその組合せを任意
に混和する適当な担体マトリックスを包含する濾過パッ
ドを用いて全血から血球成分を除去する改良型方法に関
する。事実上血球を含有しない血漿又は血清は、未希釈
及び未変化形態で、濾過パッドと剥離可能的に接触する
試薬含浸試験パッドに浸み込む。未希釈血漿又は血清が
試験パッドに浸み込んだ後、全血の血球成分で汚れた濾
過パッドを試験パッドと分離して、試験具から引き剥が
す。露出された試験パッドを、つぎに血漿又は血清の1
つ又はそれ以上の可溶性成分に関する迅速かつ正確な定
性又は定量的検定を提供するための反応に関して検査す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、特定の可溶性成分の存在又は非存
在に関して簡単かつ迅速に体液を分析するために、多数
の試験具が用いられている。例えば、尿中のグルコース
、尿酸、又は蛋白質を検出するために、あるいは血中の
グルコース、トリグリセリド、カリウムイオン又はコレ
ステロールを検出するために、種々の試験が用いられる
。歴史的に、特定の可溶性成分に関する全血試料の検定
は、企画するのが最も難しい試験である。
【0003】全血の血球成分、特に赤血球は、全血の可
溶性成分に関する分析の際の主な妨害物質である。最も
簡単な血液試験は、呈色試験であって、それにより全血
の可溶性成分は特定の試薬と相互作用して、その成分の
存在又は非存在の定性的指標として独特に着色する錯体
又は誘導体を生成するか、もしくはその成分の存在の定
量的指標として種々の発色度を有する着色錯体又は誘導
体を生成する。全血試料の濃赤色は、これらの呈色試験
を実質的に妨害し、したがって濃く着色した赤血球は、
通常、特定の可溶性成分に関して血液試料を検定する前
に、血漿又は血清から分離する。
【0004】赤血球の存在はまた、種々の非呈色血液検
定を妨害する可能性があるし、それによって、検定結果
は一貫しないか、あるいは一貫している場合には不正確
である。さらに、白血球を含めた他の血球成分も、標準
呈色血液検定を妨害し得る。したがって、全血の可溶性
成分に関する信頼できる検定を成し遂げるためには、可
溶性成分に関して全血試料を分析する前に、血清又は血
漿を全血の血球成分と分離することが不可欠である。
【0005】慣用的には、血漿又は血清は、遠心分離に
よって全血の血球物質と分離する。血球物質を遠心管の
底部に集積し、上澄の血漿又は血清をデカントする。こ
のようにして、全血の妨害血球成分を、実質上のバック
グラウンド妨害が回避されるように十分に除去する。し
かしながら、遠心分離法は、通常約0.1ml〜約5m
lの相対的に多量の血液試料と、約5〜10分の長い遠
心分離時間を要するという大きな欠点を有する。さらに
、遠心分離法は、いつくかの操作工程を要する。その結
果として、実験室の専門技術者は、おそらく、感染する
恐れのある血液試料、又は相対的に多量の血液試料によ
って汚染された実験室設備に接触し、そして疾病に罹患
する可能性がある。
【0006】全体的に、遠心分離法は、多数の血液試料
を検定する大きなオートメーション化された研究所と、
そして病院のような、分単位の検定結果を必要としない
機関に最も適している。しかしながら、多数の小さな研
究所及び私立病院は、現場にこのような血液分離者を有
していない。したがって、簡単な呈色試験を現場で迅速
、安全、かつ容易に実行できず、効率よく安全に分離、
検定するためには、外部の研究所に全血試料を送らねば
ならない。その結果、検定結果は数分では手に入らず、
数時間あるいは数日かかる。
【0007】したがって、血漿又は血清中の可溶性成分
の素性及び濃度が変化しないように、全血の基本的にす
べての妨害血球成分を血漿又は血清から迅速、安全かつ
容易に分離する装置及び方法を、研究者は絶えず探究し
てきた。その結果として、血漿又は血清の粒状成分に関
する検定は、信頼でき、正確で、そして全血の血球成分
による妨害のないものとなる。研究者は、全血の妨害血
球成分と血漿又は血清とを分離するためのいくつかの方
法及び装置を提供してきた。しかしながら、おのおのの
方法及び装置は、特定の可溶性成分に関して全血試料を
検定するに際して、その方法又は装置を不正確な、扱い
難い、又は実際的でないものにする少なくともひとつの
欠点を有する。
【0008】遠心分離以外の方法が、全血試料中の血球
成分と血清又は血漿とを分離するために用いられてきた
。米国特許第3,092,465号においてAdams
 等によって開示されているような簡単な方法のひとつ
は、呈色試験試薬を含浸し、半透性遮断層で被覆される
吸水性又は吸湿性マトリックスを使用する。半透性遮断
層は、全血試料の血球成分を保持し、そして小分子及び
イオンを通過させて、吸水性マトリックスに含浸された
呈色試験試薬と接触させる。陽性試験の場合には、本来
無色の血漿又は血清が呈色試験試薬と相互作用して、吸
水性マトリックス中で発色する。色は、半透性遮断層上
に保持された血球物質を水洗し、あるいは拭い取って観
察する。しかしながら、水洗又は拭い取り法は厄介で労
力を要し、そして赤血球が半透性遮断層から完全に拭い
取られてなかったり又は水洗されていない場合には検定
妨害が生じ得る。さらに、技術者が感染の可能性が高い
血液試料と接触する恐れがある。
【0009】Fetterは、米国特許第3,552,
925号及び第3,552,928号において、可溶性
成分に関して少量の全血試料を検定するための別の方法
及び装置を開示した。Fetterは、マトリックスの
第一領域で非揮発性無機塩又はアミノ酸を含浸し、マト
リックスの隣接する第二領域で試験試薬を含浸する吸水
性マトリックスを有する試験具を記載した。全血試料が
最初に無機塩又はアミノ酸を含有する吸水性マトリック
スの第一領域と接触するように、全血試料を吸水性マト
リックス上に導入する。該塩又はアミノ酸が血液から血
球成分を沈殿させると、血漿又は血清は試験試薬との呈
色相互作用のために吸水性マトリックスの試験試薬含浸
第二領域に移動する。この工程に用いられる塩又はアミ
ノ酸は、赤血球を全血試料から効率よく分離するが、し
かし血漿又は血清中に汚染イオン又は分子をも導入し、
可溶性血漿又は血清成分の一部を沈殿させる。したがっ
て、血漿又は血清の可溶性成分に関する定量検定は信頼
できないものとなる。Fetter法は、全血の血球成
分と血漿又は血清との分離における独特の操作工程を省
いている。しかしながら、この方法は、血漿又は血清が
関連の可溶性成分の真の濃度をもはや含有し得ないとい
う欠点がある。
【0010】全血の血球成分と血漿又は血清とを分離す
る別の従来技術の方法は、Vogel 等が米国特許第
4,477,575号に開示している。その明細書には
、限定された平均直径及び密度を有するガラス繊維の層
を用いた、全血から血漿又は血清を分離するための方法
及び組成物が記載されている。限定ガラス繊維パラメー
タに加えて、分離され得る血漿又は血清の量が、ガラス
繊維の吸収容量のほぼ50%、好ましくは30%未満に
限定される。そうでなければ、約50%の濾過可能血球
物質を含有する全血はガラス繊維層を有効に妨害する。 したがって、この方法は、全血容量に対して高い比率の
疎水性ガラス繊維を要する。
【0011】さらに、多くの従来技術においては、全血
は、可溶性血漿又は血清成分に関する検定の前に希釈す
る。全血の希釈は、特別な操作工程が必要であるために
厄介であり、そして希釈は、血液試料の不正確な希釈の
ために検定誤差をもたらす可能性がある。技術者が感染
の恐れがある血液試料と接触する可能性も増大する。例
えば、西独特許第3441149号には、検定を実施す
る前に血漿又は血清を希釈するために希釈剤で繰り返し
すすがれるレクチン含浸マトリックスに全血を通すこと
によって、全血から血漿又は血清を分離する方法が開示
されている。しかしながら、不精確な希釈の可能性は、
関連の血漿又は血清成分に対する不正確な検定を引き起
こし得る。
【0012】少量の全血試料を分離及び検定するための
方法及び装置の開発に際して、考慮すべき主な問題は、
検定を実行する技術者の洗練の度合いである。ルーチン
検定を実行し、正確な定量的結果を得る相対的に未熟練
の職員を有することが、しばしば望まれている。したが
って、検定法が最小度の操作工程を含み、考えられる妨
害又は汚染がなく、研究所の職員が血液試料に物理的に
接触する可能性を最小限にするか又は排除し、そして容
易な測定を提供することが重要である。例えば、いくつ
か考えられる操作工程の中で、実際の検定の前の全血、
もしくは血漿又は血清の希釈は、検定過誤や職員が血液
試料に接触することに対して最も可能性のある工程とな
る。別の一般的操作過誤は、血球成分を全血の血漿又は
血清から分離するために血球不透性膜を用いる装置の表
面からの全血の血球成分の拭い取り又は洗浄が不完全な
ことである。
【0013】したがって、少量の全血を能率的に分離し
、正確に検定するための方法及び装置に対する必要性が
存在する。その方法は、好ましくは検定前に血球成分を
血漿又は血清と分離するための独特の操作工程を避ける
。さらに、希釈過誤を避けるために、その方法は、未希
釈血漿又は血清を検定できることが好ましい。さらに、
その装置は、複雑で高価な多層試験ストリップを使用し
ないのが好ましい。さらに、技術者が血液試料に接触し
ないようにし;当該方法の時間遅延を避け;そして正確
で再現可能な結果を生じる血液分離及び血液検定方法を
有することが望ましい。
【0014】理想的方法としては、ピンで突いた一滴の
ような“非侵襲性”量で全血試料を取り出し、そして直
ちに単一の分離−分析装置に未希釈全血を入れ、それに
よって血球成分を未希釈血漿又は血清と分離して、血漿
又は血清成分の存在又は濃度を数分以内に測定する。あ
るいは、分離−分析装置は新しい刺し傷と接触し、それ
によって、分析のために創傷から血液試料を採取し得る
。このような分離及び検定の方法及び装置によって、よ
りルーチンなそしてより信頼できる条件で、医務職員は
全血分析を実施できる。
【0015】その結果として、研究者は、全血の血球成
分を分離し、収集し、そして保持するための要素を含有
する試験具を開発しようとしてきた。さらに、血球分離
要素が試験具から物理的に離れ、そして特定の成分に関
して血漿又は血清を検定する前に捨てられるいくつかの
試験具が開発された。例えば、前記したVogel 等
の米国特許第4,477,575号は、ガラス繊維血球
分離層が、その分離層が反応層から除去され得るように
反応層上に配置される装置を開示した。その後、反応層
を、特定の血漿又は血清成分に対する反応に関して検査
し得る。しかしながら、Vogel の装置のガラス繊
維分離層は、上述の、血液に対して不利益に高い比率の
ガラス繊維を必要とする。その結果、特定の容量の血液
を試験具上にピペットで加え、それによって、オペレー
タの過失や誤った検定を生じる可能性のある時間のかか
る操作工程を加えねばならない。このような操作工程は
また、オペレータと血液試料とが物理的に接触する可能
性があるために、オペレータの安全性低下を引き起こし
得る。
【0016】同様に、Rothe 等は、米国特許第4
,223,089号に、反応層を被う多孔質膜に血漿又
は血清を塗るアンモニア検定用の乾相試験ストリップを
記載した。血漿又は血清に接触すると、反応層中の試薬
は、血漿又は血清中の尿素をアンモニアに転化させる。 気体アンモニアは、反応層の下の多孔質スペーサーを通
って、発生したアンモニアの量に反応して変色する指示
薬層を透過する。この装置は、アンモニアに対する反応
に関して指示薬層の検査を可能にするために、上部反応
層を指示薬層から物理的に分断させる。
【0017】Rothe 等はさらに、米国特許第4,
604,264号において、蝶番式検定具におけるRo
the 等の米国特許第4,223,089号及びVo
gel 等の米国特許第4,477,575号の特徴の
変形例を開示した。Rothe 等のこの特定の装置に
は、ガラス繊維フリースからなる分離層が含まれるが、
この場合は、全血を装置の蝶番領域から離れた分離層の
末端付近に塗る。血液が分離層を透過する時、血球成分
は血清又は血漿から分離される。つぎに、血清又は血漿
は、装置の蝶番に向かって、分離層の上に配置され、蝶
番によって分離層に固定される反応/指示薬層の真下の
分離層領域に移動する。反応/指示薬層に押し当てるこ
とにより、反応/指示薬層の下面と分離層との接触が、
反応/指示薬層中の試薬との反応のために反応/指示薬
層に血清又は血漿を吸収させる。変色のような検定検出
は、反応/指示薬層の上面に配置した透明フィルムを通
しての観察によって達成する。
【0018】Kennedy 等は、PCT出願/US
86/02192において、半透膜に被われた反応領域
を有する使い捨て乾相試験スティックを開示した。半透
膜は全血から血球及び粒状物質を分離し、血漿又は血清
を反応領域に接触させる。半透膜は、反応領域から剥が
されて、血球成分及び粒状物質を装置から除去し、特定
の分析対象物に対する反応の検査のために反応領域を露
出させ得る。半透膜は、界面活性剤又は石けん様浸潤剤
で親水性にされたポリテトラフルオロエチレン物質であ
る。しかしながら、界面活性剤又は石けん様浸潤剤は、
カリウムイオンのような特定の非血球成分を血漿又は血
清から除去し、あるいは血漿又は血清を汚染する可能性
がある。
【0019】全血の血球成分と血漿又は血清を分離する
ことを包含する従来技術の別の特許としては、Rapk
in等の米国特許第4,678,757号が挙げられる
が、ここでは、全血の血球成分と血漿又は血清とを分離
するために、炭水化物処理を行った透過性担体を用いる
。つぎに、全血の血漿又は血清を、特定の血液成分の検
定のために試薬処理透過性担体に接触させる。この装置
においては、血球成分は炭水化物処理担体の底縁に集積
し、保持され、そして、血漿又は血清は炭水化物処理担
体を透過して、検定に必要な試薬と接触する。検定結果
は、透過性層を被う透明物質を通しての観察によって測
定される。Rapkin等の装置においては、血球成分
を収集し、保持する層は、特定の血液成分に対する反応
に関して装置を調べる前に、装置から物理的に分断され
る。
【0020】それに加えて、Terminiello 
等は、米国特許第4,774,192号において、全血
の血球成分が低気孔率を有する膜の領域に保持されるよ
うな気孔率勾配を有する多孔質膜を開示した。血清又は
血漿は低気孔率の領域を通って流動して、高気孔率を有
する膜領域中に混和された検定試薬成分と接触し得る。 さらに、G.Rayman とJ.L. Dayは、 
”New Device to Improvbe t
he Accuracy of Bedside Bl
ood Glucose Test” (The La
ncet Nov. 12, 1988, pp 11
07 〜1109)に、グルコース用の使い捨て試験ス
トリップを記載した。この場合、ストリップから全血の
血球成分を一掃するために、ストリップの表面を拭う。 いずれの装置も、全血の血球成分を保持し、その後、物
理的に分断されるエレメントは組み込まれていない。T
erminiello 等の装置においては、コレステ
ロールのような高分子の可溶性血漿成分は膜の低気孔率
領域を完全には透過しないかもしれないし;Rayma
nとDay の装置においては、血球成分がストリップ
表面から完全には拭い取られない可能性がある。したが
って、各装置においては、不正確で信頼できない検定に
終わる可能性がある。
【0021】
【発明の要約】したがって、上に引用した従来の技術の
方法及び試験具中に存在する欠点のために、ほとんど血
球を含まない、不変で、かつ未希釈の血漿及び血清を提
供するための全血の血球成分を分離する簡単で、有効な
方法が必要であることは明らかである。それゆえに、本
発明の方法及び装置は、全血の血球成分と血漿又は血清
とのほとんど全体的な分離を達成するために、試薬含浸
試験パッドと剥離可能的に接触する濾過パッドを用いる
ことによって、特定の可溶成分に関する全血又はその他
の生体液試料の、安全で、正確で経済的な検定を可能に
する。本装置は、時間及び経費のかかる湿相検定に頼ら
ずに、そして複雑で費用のかかる多層試験ストリップを
用いずに、全血を検定できる。さらに、試験パッドに浸
透している血球を含有しない血漿又は血清を変化させた
り希釈したりせず、それによって、可溶性成分に関する
正確で信頼できる検定が可能になる。本発明の方法及び
装置はさらに、ヘマトクリット感度、試験具からの血球
成分の拭き取り又は洗浄、そして血球成分の廃棄の欠点
を排除する。
【0022】さらに、本発明の方法及び装置によれば、
全血試料を濾過パッド及び試験パッドに浸透させた後、
装置から濾過パッドを剥離し、引裂き、又は折り取るこ
とによって、血液の血球成分を保持する濾過パッドを試
験具から物理的に分断し、それによって本装置の試験パ
ッドを露出する。未希釈、未変化血漿又は血清を浸透さ
せた試験パッドを、つぎに、標準乾相化学試験ストリッ
プ操作によって特定の血漿又は血清成分に対する反応に
関して調べる。
【0023】本発明の別の重要な特徴によれば、本装置
は、事実上、技術者と血液試料との接触を防止する。血
液試料を、過剰の血液試料が本装置の外表面上に残留し
ないような方法で濾過パッドに吸収させる。さらに、血
球成分を、ある反応に対する装置の検査前に、本装置か
ら拭い取り又は洗浄してはならない。その結果として、
本装置は、事実上、技術者と感染の恐れのある血液試料
との接触の可能性を排除する。
【0024】結果的に、濃色の血球成分が関与する妨害
が事実上排除されるために、特定の可溶性成分に関する
血漿又は血清の検定は正確で信頼のおけるものになる。 従来技術の方法及び装置は、分析対象物検出装置の表面
から血球成分を拭い取るか、もしくは通常、複雑な多層
試験ストリップ中の、実際の検定領域から離れた分析対
象物検出装置の領域中に、物理的又は化学的に血球成分
を固定することに依っている。本明細書中でさらに詳し
く後述するように、本発明の装置は、まず、全血の血球
成分を血漿又は血清と分離する正確で経済的な方法を提
供する。つぎに、妨害血球成分を保持するエレメントを
試験具から完全に分離して、血漿又は血清の特定の成分
に対する反応に関する本装置の露出検定領域についての
検査を可能にする。検定は、全血の血球成分の妨害効果
を排除するのを助けるために多層化装置にしばしば包含
される不透明又は透明層を付加せずに、慣用的検出法に
よって、目で見て、もしくは計器を用いて、検出する。 さらに、血清又は血漿を試験パッド全体に均一に分布さ
せるので、そこで、検定反応は本装置の試験領域全体で
均質である。その結果として、試験領域の任意の位置で
、簡単で正確な検定検出を行い得る。さらに、本装置の
分離された濾過エレメント及び試験領域は、使用後廃棄
し、それによって技術者と血液試料との接触を防止する
【0025】要約すると、本発明は、全血から血球成分
を分離し、付加的操作工程を用いずに、特定の1つ又は
それ以上の可溶性成分に関して、未希釈及び未変化血清
又は血漿を検定することを包含する。本発明の方法及び
装置による全血の血球成分と血漿又は血清との分離は、
特定の可溶性成分の直接検定のための、事実上血球を含
有しない未希釈及び未変化血清又は血漿試料を提供する
、ということが判明した。本分離法及び装置は、汚染源
を血清又は血漿中に導入せず、そして血漿又は血清の組
成を変えない。さらに、本発明の方法及び試験具は、特
定の可溶性成分に関する検定を妨害する血球又は粒状物
質を有するその他の生体液と検定するためにも用い得る
。さらに、本装置は、本装置から取り外せる、全血の血
球成分と血漿又は血清とを分離し、それによって血球成
分による血清又は血漿の不注意による汚染を防止し、特
定の成分に関する血清又は血漿の検定を促進するための
エレメントを包含する。本方法及び装置はさらに、技術
者が感染の恐れのある血液又はその他の生物試料と接触
するのを事実上防止する。
【0026】本発明の重要な特徴によれば、本装置は、
全血の血球成分を血清又は血漿と分離し、特定の可溶性
成分に関して血清又は血漿を検定する試験パッドと剥離
可能的に接触する濾過パッドを含有する。濾過パッドは
、適当な担体マトリックスを包含する。さらに、担体マ
トリックスは、血球成分と血清又は血漿との分離を促進
するために分離試薬を含浸し得る。本発明によれば、全
血試料の血球成分で汚染された濾過パッドは血漿又は血
清浸透試験パッドから引きはがすことができ、それによ
って血球成分が血液又は血漿の可溶性成分に関する検定
を妨害するのを防止する。血清又は血漿を、未希釈及び
未変化形態で、試験パッド中に混和された特定の指示試
薬組成物によって、特定の可溶性成分に関して検定する
。濾過パッドを本装置から引きはがすことによって、全
血の特定の可溶性成分に対する、変色のような反応に関
して露出試験パッドを調べることができる。さらに、本
発明は、多層試験装置から血球成分を拭い取る又は洗浄
する操作工程を排除するといったような検定の技能依存
性を排除するだけでなく、適正な容量の血漿又は血清を
本装置の試験パッドと接触させることを保証する。さら
に、技術者と感染の恐れのある血液又はその他の生物試
料との接触を、事実上防止する。
【0027】本方法は、まず、全血試料を、適当な担体
マトリックスを含有し、任意に分離試薬を含浸する濾過
パッド、及び指示試薬組成物を混和する適当な基質物質
を含有する試験パッドを包含する試験装置に接触させる
ことを含む。本明細書中で使用する場合、“分離試薬”
という用語は、全血の血球成分と残りの可溶性血液成分
との分離を生じる化学物質又は化学物質の混合物と定義
する。同様に、本明細書中で用いる“指示試薬組成物”
という用語は、検出される物質との接触時に観察可能な
又は検出可能な相互作用を引き起こす化学物質又は化学
物質の混合物と定義する。全血試料は、最初に試験装置
の濾過パッドとのみ接触し、濾過パッドを透過するが、
この場合、赤血球、ならびに全血試料の血球及び粒状成
分は、担体マトリックス及び存在する場合は分離試薬の
作用によって、血漿又は血清と分離される。未希釈及び
未変化血漿又は血清は濾過パッドを透過し続けて、濾過
パッドと剥離可能的に接触する試験パッドに接触する。 血漿又は血清が試験パッドに浸透した後、本装置から濾
過パッドを剥離し、引裂き、又は折り取ることによると
いった方法で、濾過パッドを試験パッドから物理的に分
断又は分離して、廃棄する。
【0028】関連の検定は、本装置の試験パッドによっ
て実行する。未希釈血漿又は血清は、試験パッド中にあ
らかじめ一緒に混ぜ合わせた指示薬組成物と相互作用し
て、試験パッドの変色のような検出可能な変化を生じ、
特定の可溶性成分の存在又は非存在を示すか、もしくは
特定の可溶性成分の定量的測定を可能にする。本装置か
ら濾過パッドを分離後、関連の特定の可溶性成分に対す
る定性的又は定量的反応に関して、目で見て又は計器を
用いて検査する。ある反応に関して検査した後は、本装
置の試験パッドも廃棄する。その結果として、関連する
特定の可溶性成分に関する検定は、多重スクリーニング
及び濾過層を必要とせず、そして技術者の過失又は感染
の可能性のある血液試料との接触を引き起こし得る拭き
取り又は洗浄といった操作工程を用いずに、妨害血球及
び粒状成分を試験試料から有効に分離する簡単で経費の
かからない試験装置を用いることによって成し遂げられ
る。
【0029】したがって、本発明は、未希釈全血の血球
成分と血漿又は血清とを分離し、特定の可溶性成分に関
して血漿又は血清を検定することを包含する。さらに、
本発明の重要な特徴によれば、1つ又はそれ以上の、未
処理又は化学的に処理した濾過パッドは、全血から血球
成分を分離するために、そして剥離可能的に1つ又は複
数の濾過パッドと接触する1つ又はそれ以上の試験パッ
ド上を血漿又は血清が通過できるように配置する。試験
パッドに血漿又は血清を浸透させた後、濾過パッドを試
験パッドから分離して、可溶性血清又は血漿成分に対す
る定性的又は定量的反応に関して露出試験パッドを検査
する。したがって、全血の血球成分が関与する検定妨害
は排除され、それによって、より正確でより信頼のおけ
る血清又は血漿検定が達成される。
【0030】好ましい実施態様においては、全血を、ト
ロンビンで含浸した適当な担体マトリックスを含有する
濾過パッドを包含する試験具に接触させる。本発明の十
分な利点を達成するには、全血を、レクチンで含浸した
適当な担体マトリックスを含有する濾過パッドを包含す
る試験具に接触させる。トロンビン又はレクチン含浸濾
過パッドは、全血の血球成分と血漿又は血清との分離を
促進し、汚染イオン又は分子を付加せず、血清又は血漿
から可溶性成分を除去しない。濾過パッド中に含まれる
レクチンの量は、濾過パッドを構成する担体マトリック
ス物質1cm3 当たり約55〜約40,000単位の
範囲であって、この場合、各“単位”は、25℃で1時
間以内のインキュベーション中に赤血球の2%溶液を凝
集させるのに必要なレクチンの量と定義する。濾過パッ
ド中に含まれるトロンビンの量は、濾過パッドを構成す
る担体マトリックス物質1cm3 当たり約90〜約9
00NIH(National Institute 
of Health)単位の範囲である。 未希釈血清又は血漿は、ほとんど妨害を受けずに装置の
濾過パッドを通り抜けて、本装置の試験パッドに浸透し
、関連の検定が実行される。本装置の試験パッドは、濾
過パッドと剥離可能的に接触し、適当な基質物質中に均
質に混和された指示試薬組成物を包含する。本発明の重
要な特徴によれば、関連の特定の血漿又は血清成分を、
血漿又は血清を希釈せずに、そして試験具を任意に拭き
取ったり洗浄したりせずに、もしくは任意のその他の操
作工程を実行することなく、検出又は測定する。
【0031】
【発明が解決すべき課題】したがって、少量の全血試料
又はその他の生物試料の血球及びその他の粒状成分を血
漿又は血清から迅速かつ有効に分離するための方法及び
装置を提供することが、本発明の目的である。
【0032】さらに、本発明の目的は、未希釈及び未変
化血漿又は血清と全血の血球成分との迅速で、容易で有
効な分離のための方法及び装置を提供することである。
【0033】本発明の別の目的は、全血の血球成分と血
漿又は血清を分離し、つぎに、付加的操作工程を用いず
に、特定の可溶性成分に関して血漿又は血清を検定する
ための方法及び装置を提供することである。
【0034】本発明のさらに別の目的は、可溶性成分に
関して未希釈及び未変化血漿又は血清を検定するに際し
て、全血の血球成分が関与する妨害を排除するための方
法及び装置を提供することである。
【0035】本発明のいま一つの目的は、技術者と感染
の恐れのある全血又はその他の生物試料との接触を排除
するための方法及び装置を提供することである。
【0036】本発明の別の目的は、凝集性化合物、凝固
性化合物、又はその組み合わせを用いて全血から血球成
分を分離する方法を提供することである。
【0037】さらに本発明の別の目的は、レクチン、ト
ロンビン、又はその組み合わせを用いて全血から血球成
分を分離する方法を提供することである。
【0038】本発明の別の目的は、全血の少容量試料の
定性的又は定量的分析のための、新規で改良された試験
具を提供することである。
【0039】本発明の別の目的は、全血試料の血球成分
が関与する検定妨害を事実上排除する全血を定性的又は
定量的に検定するための、新規で改良された試験具を提
供することである。
【0040】本発明の別の目的は、特定の可溶性成分に
関して血漿又は血清を検定するための、指示薬組成物を
混和する試験パッドと剥離可能的に接触した、全血の血
球成分を除去するための濾過パッドを包含する、特定の
可溶性成分に関して未希釈全血試料を検定するための試
験具を提供することである。
【0041】本発明のさらに別の目的は、全血の血球成
分と相互作用する分離試薬組成物を均質に混和できる適
当な担体マトリックスを包含する濾過パッドと剥離可能
的に接触する、血清又は血漿中の当該成分と相互作用す
る指示試薬組成物を均質に混和し得る基質物質を包含す
る試験パッドを含有する乾相試験ストリップ装置を提供
することである。
【0042】本発明の別の目的は、全血中の化学化合物
の存在を感知するための試験具を製造するための、新規
で改良された試験具及び方法を提供することであって、
この場合、試験具は、濾過パッドと接触する全血試料が
、まず血球成分と未希釈血漿又は血清とに分離されて、
血球成分は濾過パッド中に残留し、未希釈血漿又は血清
は濾過パッドを透過して;つぎに、未希釈血漿又は血清
を試験パッドに十分に接触させて検出可能な又は測定可
能な反応を生じさせた後、濾過パッドを試験具から取り
外して、当該化学化合物に対する反応に関して、露出試
験パッドを目で見て、又は計器を用いて調べることがで
きるように、試験パッドと剥離可能的に接触する濾過パ
ッドを包含する。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明の方法によれば、
全血試料の血球成分を、まず血漿又は血清と有効に分離
し;つぎに、さらに任意の操作工程を用いずに、特定の
1つ又は複数の可溶性成分に関して、未希釈及び未変化
血漿又は血清を検定する。本発明の方法及び装置によれ
ば、通常はピンで刺したような量の、少量の血液試料は
、血球成分を分離し、血漿又は血清を検定するのに十分
であるが、これに対して遠心分離法では何ミリリットル
もの量の血液試料を要する。さらに、本発明の方法及び
装置は、技術者と感染の恐れのある血液試料との接触を
引き起こし得る操作工程を排除する。
【0044】意外にも、そして予期せぬことに、本発明
の試験具は、濃色の妨害赤血球と血漿又は血清とをほと
んど完全に分離し、ついで、遠心分離、デカンテーショ
ン、あるいは血漿又は血清の希釈といった、時間がかか
り、非衛生的になる恐れのある付加的操作工程を用いず
に、数分以内に、特定の可溶性成分に関して血漿又は血
清を検定する。本発明の方法は、簡単な、そして費用の
かからない試験ストリップ装置を用いて、未希釈、未変
化、及び未汚染血漿又は血清試料に関して、迅速で信頼
できる全血検定を提供する。全体的に、本発明の方法及
び装置は、理想的には、家庭、小研究所又は私立病院で
のルーチン血液検定に適しており、この場合、検定数は
通常、相対的に少ないが、しかし、それにもかかわらず
短期間に正確な結果が必要とされる。
【0045】以下に示す本発明の詳細な説明から明らか
なように、本発明の方法及び装置は、全血の種々の可溶
性成分の存在又は濃度を測定するための呈色反応を用い
る血液検定に特に適している。したがって、呈色反応の
正確で信頼できる検出及び測定を成し遂げるためには、
全血試料から濃色の赤血球を除去することが、まず重要
である。さらに、全血の血球成分と血漿又は血清を分離
するための任意の方法又は装置は、迅速かつ有効に血球
分離を達成し;血球成分のみを除去して可溶性の血漿又
は血清成分は除去せず;可溶性の妨害イオン又は分子に
よる血漿又は血清の汚染を避け;そして赤血球が破裂し
てその濃色成分を血漿又は血清中に放出する溶血を最小
限にするか、又は排除すべきである。
【0046】本発明の重要な特徴によれば、適当な分離
試薬を任意に含浸しているか、又は他の方法で含有して
いる適当な担体マトリックスを含む濾過パッドに全血試
料を接触させ、透過させることによって、全血の血球成
分を、ほとんど無色の血漿又は血清と有効に分離するこ
とが判明した。全血試料の濃色の血球成分の除去に際し
て、分離試薬は担体マトリックスを助けて、可溶性成分
を簡単で正確に測定できる血漿又は血清を生成する。
【0047】本発明の別の重要な特徴によれば、本試験
具の濾過パッドは、本試験具の試験パッドと剥離可能的
に接触する。全血が濾過パッドを透過する時、血球成分
が全血から分離されて、濾過パッド中に収集及び保持さ
れる。つぎに、未変化血清又は血漿は、濾過パッドと剥
離可能的に接触する試験パッドに進み、浸透する。試験
パッドは、当該血漿又は血清成分と相互作用して検出可
能な又は測定可能な反応を生じる指示試薬組成物を混和
する適当な基質物質を包含する。試験パッドを血漿又は
血清で飽和させた後、血球で汚れた濾過パッドを試験パ
ッドから分離し、本試験具から引きはがして、それによ
って露出試験パッドを、特定の血漿又は血清成分に対す
る呈色反応のような反応に関して、目で見て又は計器を
用いて検査可能にする。
【0048】一般的に、本発明の濾過パッドは、全血試
料から血球成分を濾過し得る適当な担体マトリックスを
含む。担体マトリックスは、一般に、全血の血球成分と
血漿又は血清とを分離できる親水性マトリックスである
。好ましくは、担体マトリックスはさらに、分離試薬を
混和して全血からの血球成分の除去を促進することもで
きる。分離された血球成分の収集及び保持に加えて、分
離試薬で処理されない又は処理された担体マトリックス
は、血漿又は血清が担体マトリックスを透過して、事実
上妨害されずに試験パッドと接触するようにする必要が
ある。
【0049】担体マトリックスはさらに、赤血球を能率
的に分離し、相対的に迅速に血液検定がなされるのに十
分な速度で、全血試料が濾過パッドを透過するようにす
る必要がある。さらに、担体マトリックスは、溶血を促
進したり、担体マトリックスの成分を血清又は血漿が抽
出することにより血清又は血漿を汚染したり、化学的又
は物理的相互作用によって血清又は血漿の成分を除去し
たり、あるいはその後の血液検定を、要領を得ない、不
正確な又は疑わしいものにするような仕方で未希釈血漿
又は血清を明らかに変えるようなことはすべきでない。
【0050】したがって、本発明の濾過パッドは、一般
に、担体マトリックスを通して、毛管力に対して、血液
を移動させる上記特性を有する親水性担体マトリックス
を含む。血球成分は血漿又は血清と分離されて、担体マ
トリックスによって保持される。つぎに、事実上未変化
の血清又は血漿は、担体マトリックスを通ってさらに進
み続けて、濾過パッドと剥離可能的に接触する試験パッ
ドに接触し、浸透する。
【0051】担体マトリックスは、事実上血球を含有し
ない血漿又は血清のみが濾過パッドを通り抜けて、特定
の可溶性置換基の分析のために試験パッドと接触できる
ようにする任意の親水性物質であり得る。適当な親水性
担体物質としては、シリカゲル、アルミナ、ケイ藻土等
のような親水性無機粉末;スポンジ物質;粘土質物質;
布;親水性天然高分子物質、特にセルロースビーズのよ
うなセルロース物質、とくに濾紙又はクロマトグラフィ
紙のような繊維含有紙;そして酢酸セルロース、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポ
リウレタン、架橋デキストラン、アガロース、ならびに
その他のこのような架橋及び非架橋水不溶性親水性ポリ
マーのような合成又は変性天然生成ポリマーといった吸
水性及び非吸水性の、繊維質又は非繊維質マトリックス
が挙げられる。同様に、その他の適当な担体マトリック
スとしては、ガラス繊維マトリックス;そして、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリ
デン及びポリスルホンのような繊維質及び非繊維質マト
リックスが挙げられる。
【0052】担体マトリックスは、血球成分の能率的分
離を達成し、そして血清又は血漿を濾過パッドを通過さ
せるためには、約0.1μm 〜約50μm 、好まし
くは約0.3μm 〜約10μm の細孔サイズを有し
得る。本発明の利益を十分に達成するためには、担体マ
トリックスは約0.5μm 〜約8μm の範囲の細孔
サイズを有する。
【0053】本試験具の濾過パッドは、1つ以上の担体
マトリックスを含有し得るし、その担体マトリックスは
異なる物理的特性を有し、異なる化学的組成又は化学的
組成物の混合物であり得る。濾過パッドの1つ又は複数
の担体マトリックスは、平滑性及び粗さに関しては、硬
度及び柔軟性と結びついて変化し得る。しかしながら、
すべての場合において、濾過パッドの1つ又は複数の担
体マトリックスは、全血の血球成分を分離し、収集し、
そして血漿又は血清が濾過パッドを通り抜けて試験パッ
ドに移動して、変化を受けずに、事実上妨害されないよ
うにする。したがって、1つ又は複数の担体マトリック
スの正確な組成にかかわらず、主に考慮すべきことは、
全血の血球成分の分離、収集及び保持と、そして実質的
に未変化、未希釈の血漿又は血清の送達である。
【0054】本発明の十分な利益を達成するためには、
担体マトリックスは、紙、好ましくは濾紙のようなセル
ロース系物質;又はガラス繊維マトリックスを含む。濾
紙及びガラス繊維マトリックスはともに、本発明の適当
な担体マトリックスに必要な特性、それに加えて十分に
供給され、経済的に好ましく、種々の好適な等級のもの
があるという利点をも有する。さらに、濾紙及びガラス
繊維マトリックスは、濾過パッド中に分離試薬を均質に
混和し、全血から血球成分を能率的に分離し得る。
【0055】当業者には公知のように、濾紙及びガラス
繊維マトリックスは、種々の厚さ及び気孔率で利用でき
る。担体マトリックスの厚さ及び気孔率は、つぎには分
離工程の効率に影響を及ぼす。担体マトリックスの厚さ
と気孔率は、血球成分と血漿又は血清を分離する担体マ
トリックスの能力、そして全血試料が担体マトリックス
を透過して、全血試料から血球成分を分離するのに要す
る時間に直接関連する。したがって、高気孔率の担体マ
トリックスを用いる場合は、担体マトリックスの厚さは
、全血の血球成分の有効な分離を達成するために、全血
と濾過パッドとの最小有効接触時間とするのに十分であ
る必要がある。逆に、低気孔率の担体マトリックスを用
いる場合には、相対的に薄い層の担体マトリックスを用
い得る。担体マトリックスの気孔率と厚さとの適正な平
衡、そして、担体マトリックス中に含浸される分離試薬
の種類及び濃度の賢明な選択は、十分、本明細書中に記
載された本試験具の製造に関して当業者に用いられる実
験技術の範囲内である。
【0056】十分な厚さと十分低い気孔率を有する担体
マトリックスは、分離試薬を担体マトリックス中に混和
せずに、血球成分と血漿又は血清とを分離し得る。例え
ば、全血試料からの血球成分の有効な分離は、十分な厚
さと十分低い気孔率を有する未処理担体マトリックスを
血液が透過する場合に観察されている。しかしながら、
全血の血球成分と血漿又は血清の分離は、担体マトリッ
クスが薄過ぎたり又は多孔質であり過ぎる場合には観察
されない。したがって、薄い又は多孔質の担体マトリッ
クスを適当な分離試薬で含浸する場合には、血液試料が
担体マトリックスを透過し、血漿又は血清が担体マトリ
ックスを通り抜けて本試験具の試験パッドに接触する時
に、血球成分は有効に除去され、担体マトリックス中に
固定される。
【0057】少なくとも約1mm、好ましくは約1.5
mmの厚さを有する未処理担体マトリックスは、全血試
料から血球成分を有効に分離する、ということが判明し
ている。しかしながら、血球成分の血漿又は血清からの
除去を助けるために担体マトリックス中に分離試薬を混
和する場合、担体マトリックスは約0.2mm、好まし
くは少なくとも0.3mmの厚さを有し得る。本発明の
十分な利益を達成するために、濾過パッドは例えば約0
.25cm×1cm〜約0.5cm×2cmの寸法で、
約0.2mm〜約2mmの厚さを有するパッドの形態の
担体マトリックスを包含する。このような寸法の濾過パ
ッドは、血液が濾過パッドの一端又は上面に接触した後
、理論的に短時間内に有効に血球を除去するのに十分な
長さ、幅及び厚さを有する。
【0058】本発明の試験具が上述の寸法の濾過パッド
を有する場合は、通常は、約0.02mlといったピン
で刺したような量の血液が、特定の可溶性成分に関する
迅速で正確な検定を提供するのに十分な試料量である。 血液試料は、滴下して、又はピペットを用いて、本試験
具に適用し得るし、あるいは、好ましくは本試験具は、
新鮮な刺し傷を接触させて、毛管作用によって血液試料
を本試験具中に吸い込む。濾過パッドの大きさが容易に
わかるほどに増大すると、分離時間は実質的に増大し、
多量の血液試料を必要とする。さらに、相対的に多量の
血液試料を用いると、血清が移動して試験パッドに浸透
する速度が増大する。本発明の別の特徴によれば、本試
験具に接触する全血試料の量は、正確に測定する必要は
ない。しかしながら、全血の一部が本試験具の試験領域
に接触するといったように、濾過パッドに過剰量の血液
試料が過負荷されないよう、注意する必要がある。
【0059】本明細書中でさらに詳しく後述するように
、濾過パッドは、血漿又は血清から全血の血球成分を事
実上すべて除去するために、好ましくは、分離試薬を混
和する担体マトリックスを含む。しかしながら、Fet
ter等が米国特許第3,552,925号及び第3,
552,928号に開示した無機塩及びアミノ酸のよう
な従来技術の分離試薬は、汚染イオン又は分子が血清又
は血漿中に混和され、そして検定可能な血漿又は血清成
分も血漿又は血清から分離されるために、欠陥があるこ
とが立証された。
【0060】したがって、本発明の重要な特徴によれば
、凝集剤、凝固剤、又はその混合物を含む分離試薬を、
全血の血球成分が担体マトリックスによって凝集するか
、あるいは血液試料クロマトグラフのようにトラップさ
れるように、担体マトリックス中に混和する。凝集され
、トラップされた血球は固定され、そして担体マトリッ
クス内に収集され、血漿又は血清は引き続き濾過パッド
を通り抜けて、結局、本試験具の試験パッドに接触し、
浸透する。
【0061】本発明の以下の詳しい説明で明らかにされ
るように、独立に又は組み合わせて用いる種々のレクチ
ン又はトロンビンは、全血の血球成分を凝集又は凝固し
て、担体マトリックス内に血球を固定し、未希釈血清又
は血漿を通して、未変化かつ事実上妨害されないで、本
試験具の試験パッドに移動させる。さらに、分離試薬の
レクチン及びトロンビンは、過剰の溶血を促さない。し
たがって、赤血球は破裂せず、そしてその濃色成分は呈
色検定を妨害したり遮蔽したりはしない。
【0062】レクチンは、血球を凝集又は凝固し、複雑
な炭水化物を沈殿させることが知られている蛋白質又は
糖蛋白質である。レクチンは、種子、植物の根、樹皮、
真菌、細菌、海藻、海綿、魚卵、無脊椎動物及び下等脊
椎動物の体液、ならびに哺乳類の細胞膜を含めた広範な
天然資源から単離される。レクチンは、しばしば血液型
特異性であって、血液型分類、多重凝集試験、そして通
常及び病的状態の種々の組織化学的試験に用いられてき
た。本発明に用いるレクチンは、好ましくは特定の血液
型に特異的でなく、さもなければ、本発明の方法及び装
置の全般的実用性は限定されることもある。したがって
、レクチンの中で血液型特異性を示さない、そして本発
明に用いるのに適したレクチンとして、Abruspr
ecatorius(トウアズキ、アブリン)、Bau
hinia purpurea(ハカマカズラ)、Ca
ragana arborescens(シベリヤマメ
ノキ)、Codium fragile(海生緑藻)、
Canavalia ensiformis(タチナタ
マメ、ConA、コンカナバリンA)、Glycine
 max(ダイズ)、Lathyrus odorat
us(スイートピー)、Lens culinaris
(ヒラマメ)、Limulus polyphemus
(カブトガニ、リムリン)、Lycopersicon
 esculentum(トマト)、Maclurap
omifera(オセージオレンジ)、Mycopla
sma gallisepticum, Persea
u americana(アボカド)、Phaseol
us coccineus(ベニバナインゲンハナササ
ゲ)、Phaseolus vulgaris(アカイ
ンゲンマメ)、Phytolacca america
na(アメリカヤマゴボウ)、Pisum sativ
um(ニワエンドウ)、Psophocarpus t
etragonolobus(ツバサマメ)、Rici
nus communis(トウゴマ)、Solanu
m tuberosum(ジャガイモ)、Tritic
um vulgaris(コムギ)胚芽、Vicia 
faba(ソラマメ)、Vigna radiata(
ブンドウ)、Viscum album(ヨーロッパヤ
ドリギ)、Wisteria floribunda(
フジ)からのレクチン、及びその他の非血液型特異性レ
クチンが挙げられる。
【0063】さらに詳しく後述するように、濾過パッド
の担体マトリックス中に混和される好ましいレクチンと
しては、コンカナバリンA(タチナタマメからのレクチ
ン)、Solanum tuberosum(ジャガイ
モ)からのレクチン、Triticum vulgar
is(コムギ)胚芽からのレクチン、Bauhinia
 purpurea(ハカマカズラ)からのレクチン、
及びPhytolacca americana(アメ
リカヤマゴボウ)からのレクチンが挙げられる。本発明
の利益を十分達成するためには、濾過パッドの担体マト
リックスをジャガイモからのレクチン又はアメリカヤマ
ゴボウからのレクチンで含浸する。
【0064】上記レクチンに加えて、あるいはその代わ
りに、全血の血清と血球成分とを分離させるために凝固
剤を用いてもよい。特に、ウシの血漿からの酵素トロン
ビンを、本発明の濾過パッドの担体マトリックスと組み
合わせて、全血試料から血清を首尾よく分離した。ウシ
のトロンビンは、血液凝固を有効に促進して、血液が含
浸担体マトリックスを透過する時に、全血から赤血球を
除去する。本発明の方法によるその他の有用なトロンビ
ンとしては、ヒトのトロンビン、ヤギのトロンビン、ブ
タのトロンビン、及びヒツジのトロンビンが挙げられる
。トロンビン又はレクチンを担体マトリックス上に固定
する必要はないし、そしてレクチン、トロンビン、又は
その組み合わせを用いて全血からの血球成分の有効な分
離を達成し得る、ということも判明した。
【0065】前述のように、本発明の装置は、未希釈全
血から可溶性の血清又は血漿成分を分離するために、分
離試薬で処理する場合もある1つ又は複数の担体マトリ
ックスを包含する1つ又はそれ以上の濾過パッドを含有
する。本発明の利益を十分に達成するためには、濾過パ
ッドは、血液型特異性でないトロンビン又はレクチンの
ような血液分離試薬を含浸した担体マトリックスを包含
する。全血試料を本試験具の濾過パッドに接触し、それ
によって、血液試料が濾過パッドを通り抜ける時に、全
血の血球成分を血清又は血漿と分離する。本発明の重要
な特徴によれば、つぎに血清又は血漿は濾過パッドを通
り抜けて、濾過パッドと剥離可能的に接触する試験パッ
ドに接触し、浸透する。本発明の試験具の試験パッドは
、当該の特定の検定に適した指示試薬組成物を含有する
適当な基質物質を含む。試験パッドが血漿又は血清で浸
透された後、濾過パッドを試験パッドから分離し、試験
具から濾過パッドを剥離し、引裂き、又は折り取るとい
った方法で、試験具から引き離す。つぎに、露出試験パ
ッドを、特定の当該分析対象物に対する反応に関して、
目で見て、又は計器を用いて検査する。
【0066】特に、本発明の試験具、そして試験具上の
濾過パッド及び試験パッドの配置は、図1〜図9を参照
するとよく理解できる。図1は、試験パッド26と剥離
可能的に接触する濾過パッド24を含有する試験具20
を示す。濾過パッド24と試験パッド26はともに、支
持ストリップ又はハンドル22にしっかりと付着される
。試験試料を、試料受口28を通じて試験具20の弯曲
端に矢印の方向に試験具中に導入して、まず濾過パッド
24に接触させ、透過させる。濾過パッド24は全血試
料から血球成分を分離し、そして血漿又は血清は濾過パ
ッド24を通り抜けて、試験パッド26に接触する。 血漿又は血清が試験パッド26に浸透した後、支持スト
リップ又はハンドル22の上部自由縁30を引いて、試
験パッド26から濾過パッドを分離する。上部自由縁3
0をさらに引くことによって、支持ストリップ又はハン
ドル22はノッチ32で引き離されて、試験具20から
濾過パッド24及び上部自由縁30を引きはがし、特定
の当該分析対象物に対する反応を目で見て又は計器を用
いて調べるために試験パッド26を露出する。図2は、
図1の右側の方向から見た試験具20の末端図であって
、血液試料を試験具20に導入するための試料受口28
をさらに明らかに示す。
【0067】図3及び図4は、支持ストリップ又はハン
ドル22を配列して、濾過パッド24及び試験パッド2
6を剥離可能的に配置する前の試験具20の、それぞれ
側面図及び上面図である。さらに詳しく後述するように
、血漿又は血清成分の定量的測定を促すためには、支持
ストリップ又はハンドル22は、疎水性で非吸収性の物
質から製造するのが好ましい。さらに、支持ストリップ
又はハンドル22の製造に用いる物質は、十分に可撓性
であって、試験パッド26を濾過パッド24に剥離可能
的に接触させるものである必要がある。本発明の利益を
十分達成するためには、図1〜4に説明された実施例に
関して、濾過パッド24及び試験パッド26が支持スト
リップ又はハンドル22にしっかり固定される前に、濾
過パッド24及び試験パッド26をそれぞれ分離試薬及
び指示試薬組成物で含浸するのが好ましい。あるいは、
分離試薬及び指示試薬組成物は、濾過パッド24及び試
験パッド26が支持ハンドル22に接着剤で固定された
後ではあるが、濾過パッド24及び試験パッド26が剥
離可能的接触で配置される前に、濾過パッド24及び試
験パッド26中に混和してもよい。
【0068】図5及び図6は、図1に示した試験具と同
様の別の実施例の試験具である。図5では、試験具40
の疎水性プラスチックハンドル42を試験パッド46に
接着剤で固定する。濾過パッド44はタブ48に接着剤
で固定する。タブ48は、試験パッド46が濾過パッド
44に剥離可能的に接触するよう、ハンドル42に接着
剤で固定するが、このようなタブ48は、ハンドル42
及び試験パッド46からタブ48及び濾過パッド44を
分断するために引くことができる、固定されない自由縁
を有する。濾過パッド44は、矢印の方向に投入される
試験試料が濾過パッド44に接触できるよう、疎水性プ
ラスチックハンドル42の縁及びタブ48の縁を越えて
広がるよう配置される。試験試料が濾過パッド44を透
過し、そしてほとんど血球を含有しない未希釈血漿又は
血清が試験パッド46に接触して浸透した後、タブ48
を引いて、タブ48及び濾過パッド44を剥離可能的に
接触する試験パッド46から引き離して、当該分析対象
物に対する反応に関する試験パッド46の検査を可能に
する。
【0069】図6に示す試験具60は、図1に示す試験
具と同様であるが、しかしながら試験具60の試料口6
8は濾過パッド64の上に位置し、それによって、矢印
の方向に試験具60中に血液試料を滴下付加できる。血
球成分と血漿又は血清の分離は、全血試料が濾過パッド
64を通り抜ける時に達成される。つぎに、ほとんど血
球を含有しない血漿又は血清を、特定の当該可溶性成分
の検定のために試験パッド66に接触させ、浸透させる
。濾過パッド64を試験パッド66から分離し、図1に
示す試験具から濾過パッドを分離し、引きはがすのと同
一の方法で、試験具60からはがす。
【0070】図7及び図8は、図6及び図1に示す試験
具と同様の試験具の別の立体構造を示す。図7では、試
験具80は複数の試料口88、複数の濾過パッド84、
及び複数の試験パッド86を含有し、それによって単一
試験具80がいくつかの可溶性血漿又は血清試料に関し
て全血試料を検定できるようにする。図7に示す試験具
によれば、各試験パッド86はそこに、特定の当該可溶
性血漿又は血清成分に関して検定し得る異なる指示薬組
成物を組み合わせている。図7に示す実施例では、各試
験パッド86は、特定の試験パッド86を飽和する血清
又は血漿が第二の試験パッド86と接触しないように十
分に間隔を空けるか、あるいは各試験パッド86の間に
バリア82を含有せねばならない。さもなければ、各試
験パッド86中の異なる指示試薬組成物は、混ざり合っ
て、誤った検定がなされる。図8に示す試験具100は
、図1及び図7の試験具と同様であるが、図8の試験具
100は、バリア120で分離されたすべての試験パッ
ド160上に、剥離可能的に接触して配置された単一濾
過パッド140を含有する。
【0071】図9は、本発明の試験具の好ましい実施例
を示しており、この場合、試験具200の試験パッド2
20は、接着剤層230によって疎水性支持ストリップ
210の上面240にしっかりと固定される。同様に、
濾過パッド270は、接着剤層280によって、剥離可
能な外被ストリップ250にしっかり固定される。濾過
パッド270は、試験具200の試料口260と試験試
料との接触により試験試料をまず濾過パッド270に接
触させるように、試料口260に十分に近くの、剥離可
能な外被ストリップ250の上に配置する。さらに、試
験具200においては、試験パッド220は、試験試料
がまず濾過パッド270のみに接触し、つぎに、全血試
料の血球成分が濾過パッド270によって除去された後
に試験パッド220に接触するように、試料口260か
ら十分に離れて配置する。
【0072】接着剤層230及び接着剤層280に用い
る接着剤組成物は、剥離可能な外被ストリップ250を
試験具270からはずした場合に、濾過パッド270が
剥離可能な外被ストリップ250とともに除去されるよ
うに、そして試験パッド220が支持ストリップ210
の上面240に付着したままであるように、疎水性支持
ストリップ240と試験パッド220との間、ならびに
濾過パッド270と剥離可能な外被ストリップ250と
の間のしっかりした接触が維持されるのに十分な粘着力
を有する任意の接着剤組成物であり得る。その結果とし
て、接着剤層230及び接着剤層280は、血清又は血
漿との接触によって、あるいは全血試料との接触によっ
て悪影響を受けるべきではないし、また試験試料を汚染
し、したがって不正確な又は信頼できない検定結果を生
じ得る抽出可能な成分を含有すべきでない。接着剤層2
30及び接着剤層280に有用な適当な接着剤組成物と
しては、シリコーンをベースにした接着剤、ゴムをベー
スにした接着剤、そしてアクリル系接着剤が挙げられる
が、これらに限定はされない。このような接着剤は市販
されており、乾相試験ストリップを意図する当業者には
十分公知である。
【0073】つぎに、取り外し可能な外被ストリップ2
50を、ほとんど試験パッド220の真下の底面290
上の位置で、支持ストリップ210の底面290に固定
する。取り外し可能な外被ストリップ250を支持スト
リップ210の底面290に固定するために用いる接着
剤組成物の層300は、接着剤組成物が、支持ストリッ
プ210の底面290と接着する取り外し可能な外被ス
トリップ250を保持するのに十分な接着強度を提供し
、取り外し可能な外被ストリップ250の上部自由縁3
10を引いた場合に支持ストリップ210の底面290
から取り外し可能な外被ストリップ250を分離させる
のに十分な、弱い接着強度を有する場合にのみ、限定さ
れる。
【0074】支持ストリップ210の上面240も、接
着剤層320が試験パッド220、全血試料、あるいは
血漿又は血清と接触しないように、取り外し可能な外被
ストリップ250の上部自由縁310の底面325と濾
過パッド270に塗布される接着剤層320によって、
取り外し可能な外被ストリップ250及び濾過パッド2
70に接着剤で固定される。接着剤層320は、任意の
過剰量の血清又は血漿、もしくは任意の過剰な全血試料
が濾過パッド270を透過して疎水性支持ストリップ2
10の上面240に接触するのを防止し得ることにも留
意すべきである。したがって、試験パッド220のみに
血漿又は血清は浸透し、疎水性支持ストリップ210の
上面240は、技術者に滴下したり接触し得る、あるい
は検定を妨害する恐れのある血清又は血漿が存在しない
。その結果、より正確で信頼のおける検定がなされるし
、感染の恐れのある血液又はその他の生物試料に技術者
が接触することも防止される。
【0075】前述のように、当該検定のための特定の指
示試薬組成物は、通常、試験パッド220を支持ストリ
ップ210の上面240に接着剤で固定する前に、試験
パッド220中に混和する。したがって、試験パッド2
20は、当該可溶性血漿又は血清成分の検定に適した指
示試薬組成物を含浸した基質物質を含む。試験パッドの
基質物質は、乾相診断試験ストリップを意図する当業者
に公知の任意の吸水性又は非吸水性物質を含有する。同
様に、濾過パッド270がレクチン、トロンビン又はそ
の組み合わせを含有する場合、濾過パッド270の担体
マトリックスを、通常、濾過パッド270が取り外し可
能な外被ストリップ250に接着剤で固定される前に、
レクチン及び/又はトロンビンで含浸する。しかしなが
ら、その代わりに、試験パッド220を支持ストリップ
210の上面に接着剤で固定した後に、指示試薬組成物
を試験パッド220中に混和してもよく;あるいは、濾
過パッドを取り外し可能な外被ストリップ250に接着
剤で固定した後に、レクチン及び/又はトロンビンを濾
過パッド270中に含浸してもよい。任意の場合に、取
り外し可能な外被ストリップ250を支持ストリップ2
10の底面290に接着剤で固定する前に、指示試薬組
成物を試験パッド220中に混和し、そしてレクチン及
び/又はトロンビンを濾過パッド270中に含浸する。
【0076】
【実施例】
実施例1    濾過パッドの担体マトリックスの含浸
ウシのトロンビン、Solanum tuberosu
m からのレクチン、レクチンのコンカナバリンA、又
はPhytolacca americanaからのレ
クチンのような凝集剤、凝固剤、又はその組み合わせを
、標準、又は等張食塩水中に溶解した。 ついで、濾紙、例えばWHATMAN CCP500濾
紙、又はガラス繊維マトリックス、例えばWHATMA
N PD107(英国、ケント州、Maidenshe
ad のWhatman Ltd.から販売されている
)のような担体マトリックスを、食塩溶液に浸漬して、
あるいは食塩溶液を担体マトリックスのシート上又は予
め切断したストリップに噴霧することによって、レクチ
ン−及び/又はトロンビン−含有食塩溶液で含浸する。 つぎに含浸担体を約50℃で約20〜約40分間、使用
前に乾燥する。
【0077】実施例1のように担体マトリックスを含浸
する場合、トロンビン又はレクチンを固定する必要はな
い。全血から血球成分を分離するために担体マトリック
ス内の適所に保持するには、簡単な乾燥法で十分である
。担体マトリックスを適当な大きさ、例えば0.5cm
×1.0cmにした後、図1の支持ストリップ又はハン
ドル22、あるいは図9の取り外し可能な外被ストリッ
プ250のような、透明又は不透明の疎水性プラスチッ
クハンドルに固定する。
【0078】血液を凝集又は凝固させる凝固剤であるウ
シトロンビン、及び凝集剤であるコンカナバリンA、s
olanum tuberosum レクチン、tri
ticum vulgaris レクチン及びphyt
olacca americanaレクチンの能力を測
定する試験を、90〜900NIH 単位/トロンビン
1cm3 ;140〜9,200単位/コンカナバリン
A1cm3 ;4,000〜40,000単位/sol
anum tuberosum レクチン1cm3 ;
115〜1,150単位/triticum vulg
aris レクチン1cm3 ;及び57〜570単位
/phytolacca americanaレクチン
1cm3 の範囲の濃度で実施した。各々の場合、担体
マトリックスは実施例1の方法に従って分離試薬で含浸
し、担体マトリックスをプラスチックハンドル又は支持
体にしっかり固定した。濾紙の未処理パッドを含浸担体
マトリックスに隣接して、そして接触して付着した。各
試験に関しては、全血から分離された血漿又は血清の量
を測定し、分離時間を書き留めた。全血を分離試薬含浸
担体マトリックス上に置き、クロマトグラフィー的に含
浸担体マトリックスを通って未処理濾紙支持体に移動さ
せた。表1は、各分離試薬に関して判明した最適濃度範
囲、及び濾紙の未処理パッドに移動した分離血漿又は血
清のパーセントを示す。
【0079】
【表1】
【0080】血液凝固促進剤として提案されている塩化
カルシウム又は硫酸マグネシウムを存在させて、同一試
験を実施した。しかしながら、レクチン又はトロンビン
分離試薬とともに、0.5%、1.0%及び3.0%の
濃度で塩化カルシウム又は硫酸マグネシウムを用いた場
合、分離時間又は分離効率の改良は認められなかった。 同様に、担体マトリックスの浸潤を改良するために、陰
イオン界面活性剤であるα−オレフィンスルホン酸ナト
リウムを、分離試薬に加えて、約0.1重量%で担体マ
トリックスに含浸した。それによって担体マトリックス
の浸潤は改良され、血漿又は血清分離のための時間は低
減した。しかしながら、分離される血漿又は血清の量は
増大しなかった。同一の結果は、塩化カルシウム及びα
−オレフィンスルホン酸ナトリウムをトロンビン又はレ
クチン試薬とともに含入した場合に観察された。したが
って、無機塩又は界面活性剤を分離試薬中に含入した場
合には明らかな利点は観察されず、それに加えて、無機
塩又は界面活性剤は血漿又は血清を汚染する可能性があ
り、そのため不正確な検定を提供するという欠点を有す
る。
【0081】本発明の別の重要な特徴によれば、本試験
具の濾過パッドは、濾過パッドがレクチン、トロンビン
、又はその組み合わせを含む分離試薬を含有する場合、
凝固防止剤の存在下でさえ、全血の血球成分と血漿又は
血清とを有効に分離した。特に、ヘパリン又はエチレン
ジアミン四酢酸(EDTA)のような凝固防止剤を含有
する全血は、本発明の分離及び試験方法、ならびに装置
によって容易に取り扱い得る。したがって、新鮮な血液
試料を凝固防止剤で処理し、それから、後日に、本発明
の方法及び装置によって検査できる。本発明の別の重要
な特徴によれば、溶血は、レクチンを用いた分離におい
ては事実上排除され、トロンビンを用いた分離において
は最小限であった。トロンビンを用いる実施例における
溶血の程度は、濃色の赤血球による呈色が、血漿又は血
清の可溶性物質に関する任意のその後の検定を物質的に
妨害しないようなものであった。
【0082】赤血球と血漿又は血清との予期せぬ有効な
分離に加えて、本発明の方法及び装置は、十分に多量で
検定可能な量の血漿又は血清を本試験装置の試験パッド
に到達させる。さらに、血漿又は血清は、ほとんど未変
化の形態で、試験具の試験パッドに達する。一般に、試
験パッドを血漿又は血清で飽和した場合、適正量の血漿
又は血清が試験パッドに達する。これは、試験パッドの
血漿又は血清による飽和を保証するために十分多量の全
血試料を用いることによって、あるいは、好ましくは試
験パッドが血漿又は血清で飽和されるように濾過パッド
と試験パッドの相対的サイズを調節することによって、
達成される。一般的に、濾過パッドのサイズは、あらか
じめ定められた血液試料サイズと、存在する場合には用
いられた分離試薬とに、直接に関連する。全血試料容量
は、正確に測定する必要はない。この工程により、ほぼ
一定量の血漿又は血清が試験パッドに達し、より正確な
可溶性成分測定がなされる。血液試料サイズ、濾過パッ
ドサイズ、試験パッドサイズ、ならびに試験領域中に容
易に含浸される指示試薬組成物の量の変数は、特定の凝
集剤、凝固剤又はその組み合わせが濾過パッド中に混和
するための分離試薬として選択され、その分離効率が測
定された後は、当業者には容易に決定できる。
【0083】本発明の別の重要な特徴によれば、全血試
料の血漿又は血清の可溶性成分のうち血球成分と一緒に
血漿又は血清から分離されるものは全くないし、血球内
成分で分離された血漿又は血清を汚染するものもない。 本発明の実用性を立証するために、血球成分が濾過パッ
ドによって分離された後、試験パッドを透過するほぼ透
明な液体に関して検定を実施した。本発明の方法及び装
置は血漿又は血清を血球成分と分離したが、驚くべきこ
とに、カリウムイオンの増加又はコレステロールの損失
は観察されず、赤血球も立証されなかった。さらに、白
血球も全血試料から分離された。表2は、赤血球分離後
に得られた血清又は血漿に関するカリウムイオン、コレ
ステロール、赤血球及び白血球の結果を要約したもので
ある。白血球及び赤血球は、白血球エステラーゼ及びヘ
モグロビンの過酸化活性に感受性の試験パッドを用いて
検定した。一方、コレステロール感受性及びカリウム感
受性試験パッドは、それらの特定の成分を検定するため
に用いた。検定は、分離試薬としてトロンビン、sol
anum tuberosum からのレクチン、Ph
ytolacca americanaからのレクチン
、又はFetter等の米国特許第3,552,925
号に用いられた薬剤、すなわち硫酸ナトリウムを本発明
の濾過パッド中に混和して、新鮮な全血試料から得られ
た血漿又は血清に関して実施した。
【0084】
【表2】
【0085】表2に要約したデータから、Fetter
法で用いる塩はコレステロールのような血漿又は血清の
高分子成分を沈殿し、したがってこのような成分を本試
験具の試験パッドでの検定に利用できなくする、という
ことが認められる。しかしながら、レクチン及びトロン
ビン分離試薬は、血漿又は血清の高分子成分の沈殿を促
進しない。トロンビンは、血清中のコレステロールの検
定を遮断するのに十分な溶血を促進したけれども、担体
マトリックスをトロンビン分離試薬溶液で含浸した場合
、リン酸塩緩衝食塩液に対照するものとして、標準食塩
水を用いて溶血を制御できる。溶血阻止剤を、本発明の
濾過パッド中に用いる担体マトリックス中に混和しても
よい。 したがって、血漿又は血清の高分子成分は、任意のレク
チン又はトロンビン分離試薬を用いて検定し得る。さら
に、溶血又は血液汚染は、ある場合、すなわち、赤血球
内に存在する成分に関して検定が行なわれる場合には望
ましいこともある。
【0086】血清又は血漿と全血の血球成分との迅速か
つ有効な分離、ならびに未変化血漿又は血清の試験パッ
ドへのほとんど妨害されない移動に加えて、本発明の方
法及び装置は、全血又は血漿を希釈せずに、そして濃色
の赤血球の妨害を受けずに、血漿又は血清の可溶性成分
の定量的検定を可能にする。未希釈血清又は血漿の試験
は、操作工程を省くとともに、さらに重要なことに、技
術者の過失ならびに感染の恐れのある試験試料と技術者
との接触の可能性を排除する。
【0087】適当な呈色性指示試薬組成物を、新たに分
離された未希釈血漿又は血清と事実上即時に相互作用さ
せ得るに十分な量で試験パッド中に含浸する。呈色反応
の程度、したがって可溶性成分の定量的量を、つぎに、
当業界で公知の呈色検出法によって、目で見て、又は計
器を用いて測定する。さらに、血球で汚染された濾過パ
ッドを試験具からはずして、血球成分が血漿又は血清を
汚染するのを防止し、したがって血清又は血漿の正確で
信頼できる検定を提供する。したがって、本方法及び試
験具は、複雑で費用のかかる多層試験ストリップを用い
ず;技術者は分離血球成分を装置から拭き取る必要がな
く;それによって一つの操作工程を省き、技術者が犯す
恐れのある過失が回避され;技術者は血液試料と物理的
に接触しなくて済むために、従来技術の方法及び装置を
上回る明らかな利点を示す。
【0088】本発明の方法及び試験具の利益及び利点を
さらに明らかに示すために、全血試料中の総ビリルビン
、クレアチニン及びコレステロールの濃度に関する定量
的検定を実施した。検定は、図9に示す試験具を用いて
、図10(a)〜(c)に示す方法によって実行した。 したがって、全般に、全血又はその他の生体液の特定の
可溶性成分に関する検定を実行するために、図10(a
)に示すように、試験具200の試料口260を全血試
料330に接触する。全血試料330を、試験具200
の試料口260に適用し得るが、好ましくは、個体から
直接血液試料330を取り出すために、新しい、小さな
刺し傷を、試験具200の試料口260に接触させる。 試料口260が十分量の血液を採取又は接触した後、そ
れを傷から取り除く。つぎに、全血試料を濾過パッド2
70を通過させるが、この場合、全血試料の血球及び粒
状成分を、270aと示されている濾過パッド270の
領域で、分離し、収集し、そして保持する。ほとんど血
球を含有しない全血試料330の血漿又は血清をクロマ
トグラフィー的に濾過パッド270に通して、試験パッ
ド220に隣接し、接触する領域における、270bと
示されている濾過パッド270を飽和する。つぎに、ほ
とんど血球を含まない全血試料の血漿又は血清は、試験
パッド220を飽和する。
【0089】試験具200に全血試料330を接触させ
て、濾過パッド270に透過させ、全血試料330から
細胞成分を分離させて、試験パッド220に血清又は血
漿を飽和させた後、全血試料330を約60秒間インキ
ュベートする。つぎに、図10(b)に示すように、取
外し可能な濾過外被250の上部自由縁310を持ち上
げて、引くか又は剥がすかして、試験パッド220と剥
離可能的に接触している取外し可能な濾過外被250を
引き離し、取外し可能な濾過外被250を試験具200
から分断する。つぎに、取外し可能な濾過外被250を
廃棄する。図10(c)では、さらに約60秒インキュ
ベートして、試験パッド220中に混和された指示試薬
組成物を当該可溶性血漿成分と相互反応させた後、可溶
性血漿成分の存在又は濃度を測定するための反応に関し
て、目で見て、又は計器を用いて、露出試験パッド22
0を検査する。ある反応に関して試験パッド220を検
査した後、試験パッド220及び疎水性支持ストリップ
210を廃棄する。
【0090】したがって、特定の可溶性血漿成分に関す
る少量の全血の正確で信頼できる検定が、全血の血球成
分による妨害なしに、約2分以内に成し遂げられる。検
定は簡単であるのに加えて、試験具を拭き取ったり洗浄
したりという、多層試験具に必要な、そして遠心分離す
るといった物理的分離法に必要な操作工程を必要としな
いために、経済的で、そして安全である。さらに、技術
者が感染の恐れのある全血試料との不注意によるいかな
る接触からも保護されるために、本装置及び方法は安全
である。すべての全血試料が、血球成分は濾過パッド中
に、そして血漿又は血清は試験パッド中にと、試験具の
エレメントに保持される。したがって、試験具のエレメ
ントを廃棄した後に、ヒトが試験具に接触することは事
実上防止される。このような特徴は当業界では新規のも
のであって、この場合、血清又は血漿を試験するための
従来技術の方法及び装置は、試験具から血球物質を拭き
取ったり又は洗浄する際に、もしくは遠心分離及び関連
の物理的分離方法において血液を移したり希釈する際に
、ヒトが血液試料に接触する可能性があった。
【0091】実施例2〜4は、特定の可溶性血漿又は血
清成分に関して、本発明の方法及び試験具によって実施
される検定を、さらに詳しく、特定的に示す。
【0092】 実施例2    血漿又は血清中の総ビリルビンの測定
未希釈全血試料を、図9に示すような試験具によって、
総ビリルビンに関して検定した。同様に、未希釈全血試
料は、図1及び図5〜8に示すような試験具によって、
総ビリルビンに関して検定し得る。試験具を、本試験具
の試料口で、針で刺したような量の全血試料に接触させ
、その全血試料をレクチン分離試薬を含有する担体マト
リックスを含む濾過パッドに吸収させた。血液試料を含
浸濾過パッドを通してクロマトグラフィー処理し、それ
によって全血の血球成分を血漿又は血清と分離した。 血液試料は、レクチン含浸濾過パッドを通してクロマト
グラフィー処理した後に、試料中の血清又は血漿の量が
、濾過パッドと剥離可能的に接触する試験パッドを十分
に湿らせる又は飽和させるのに十分であるような、十分
な量であった。試験パッドを血漿又は血清で飽和させた
後、全血の血球成分で汚染された濾過パッドを、濾過パ
ッドに固定された試験具ハンドルの部分を剥離し、引き
剥がし、又は折り取ることによって、試験具からはずし
た。濾過パッドを試験パッドから分離して、血清又は血
漿中の総ビリルビン含量に対する反応、すなわち呈色反
応を調べるために、試験パッドを露出した。0.4重量
%の2,4−ジクロロアニリン、1.1重量%の亜硝酸
ナトリウム、57.2重量%のジフィリンdyphyl
line、35.5重量%の緩衝剤、及び5.8重量%
の非反応性成分を含み、本試験具の試験パッドにあらか
じめ含浸させた指示試薬組成物は、血清又は血漿中にビ
リルビンと相互作用して、血清又は血漿中の総ビリルビ
ン含量に定量的に相関する、測定可能な呈色変化を生じ
た。
【0093】試験パッドにおける呈色変化を、標準カラ
ーチャートと比較するといったように目で見て、あるい
は反射率測定器のような計器を用いて測定した。反射率
光度計を用いた場合、本方法は、全血試料の血球成分に
よるいかなる妨害もなく、未希釈血清又は血漿中の総ビ
リルビンの濃度に対する反応を提供した。本検定法は、
van den Bergh 反応に基づいて、2,4
−ジクロロアニリン及びジアゾカップリング促進剤を用
いるよう変更を加えた。最終物質であるアゾビリルビン
は、酸性条件下では赤紫色である指示薬として行動した
。試料中の総ビリルビン濃度を、検量線から定量した。
【0094】検量線は内部に描いた。検量線を描き終え
れば、各検定は約60μl の全血と本発明の装置さえ
あればよかった。約75秒間インキュベート後、試験試
料中の総ビリルビン濃度を、カリブレーターを用いて描
いた検量線との比較で560nmにおける反射率の変化
を測ることによって測定した。好ましくは、75秒間の
インキュベート期間の前に濾過パッドを試験パッドから
分離して、試験試料の血球成分による血漿又は血清の不
注意による汚染を防止した。結果は、mg/dl又はμ
mol /l で、反射率光度計から直接得られた。計
算は必要なかった。本試験は、0.4mg/dl〜7.
5mg/dl(7μmol /l 〜130μmol/
l)の血清又は血漿総ビリルビンに対応できた。0.1
mg/dl〜1.2mg/dl(1.7μmol /l
 〜20.5μmol /l)という血清総ビリルビン
値が、成人の正常範囲として示唆されている。
【0095】 実施例3    血漿又は血清中のクレアチニンの測定
実施例2に記載されたものと同一の方法を用いて、未希
釈全血試料中のクレアチニン量を定量的に測定した。し
かしながら、クレアチニン検定に用いた指示試薬組成物
は、43.5重量%の水酸化カリウム、55.8重量%
の3,5−ジニトロ安息香酸、及び0.6重量%の非反
応性成分を含むものであった。
【0096】反応率光度計を用いた場合、本方法は、試
験試料中のクレアチニン濃度を直接読み取ることができ
た。本検定法は、Benedict−Behre反応に
基づいていたが、この場合、クレアチニンはアルカリ性
媒質中で3,5−ジニトロ安息香酸と相互作用して、紫
色錯体を生成する。試料中のクレアチニン濃度は、カリ
ブレーターを用いて描いた検量線から定量した。
【0097】約30秒間のインキュベーション及び試験
期間中に、試料中のクレアチニン濃度を、カリブレータ
ーを用いて描いた検量線との比較で、560nmでの反
射率の変化の割合を測ることによって測定した。結果は
、反射率光度計によって数値で示される。上述のように
、全血試料を接触後約60秒といったようにできるだけ
早く濾過パッドを試験パッドから分離して、血漿又は血
清が不注意に汚染される可能性を排除することが好まし
い。
【0098】検量線は、内部に描いた。検量線を描き終
えたら、約60μl の全血試料と本発明の装置があれ
ば検定できる。反射率光度計を用いることにより、計算
の必要がなくなる。本試験は、0mg/dl〜15mg
/dl(0μmol /l 〜1,326μmol /
l)の範囲の血清又は血漿クレアチニンを検定できる。 男性に関しては0.6mg/dl〜1.2mg/dl(
53μmol /l 〜106μmol /l)、女性
に関しては0.5〜1.0mg/dl(44〜88μm
ol /l)という血清クレアチニン値が正常範囲とし
て示唆されている。それでも、検定可能な範囲は、示唆
された正常範囲より何倍も高いクレアチニン濃度を有す
る試験集団にも十分なほどに大きい。
【0099】 実施例4    血漿又は血清中のコレステロールの測
定標準量のコレステロールを含有する未希釈全血試料を
、図9に示すような試験具を用いて、コレステロール含
量に関して検定した。各試験具は、3μm の細孔サイ
ズを有するBIODINE B(Pall Corpo
rationより販売されている)といったナイロンの
ようなポリアミド、又は0.65μm の細孔サイズの
、DURAPORE(販売:Millipore Co
rporation, Bedford, MA)のよ
うなポリフッ化ビニリデンの基質物質を含む試験パッド
を含有する。試験パッドの基質物質を、まず、約1.5
重量%の塩酸テトラメチルベンジジン指示薬染料、及び
約0.4%重量のポリ(メチルビニルエーテル/無水マ
レイン酸)(GANTREZ AN−139, GAF
 Chemicals Corp.,Wayne, N
Jより販売)を含有する水溶液中に浸漬することによっ
て指示試薬組成物で含浸した。つぎに、含浸基質物質を
、約50℃で約5分〜約10分間、温風対流炉中で乾燥
した。つぎに、含浸基質物質を次の成分を含有する第二
の水溶液中に浸漬した。   0.2  M  リン酸塩緩衝液(pH6.0) 
         66.6重量%  ポリオキエチレ
ン(30モル)テトラメチルデシンジオール     
               (SURFYNOL 
485 ;Air Products and Che
micals, Inc., Allentown, 
Pa)                      
                         
         1.3重量%  グリセリン   
                         
            6.4重量%  タウロコー
ル酸ナトリウム                  
        0.7重量%  ペルオキシダーゼ 
                         
    500単位/ml  コレステロールエステラ
ーゼ                    500
単位/ml  コレステロールオキシダーゼ     
               250単位/ml  
ポリビニルピロリジオン(PVP K−60;GAF 
Chemicals Corp., Wayne, N
J)         (45重量%)       
                         
23.8重量%
【0100】二次含浸後、基質物質を再
び、50℃で約5〜10分間、温風対流炉中で乾燥して
、液体試験試料中のコレステロール量を測定するための
試験パッドを生成した。
【0101】各試験具はさらに、レクチン分離試薬で含
浸した担体マトリックスを包含する濾過パッドを含有し
た。約1〜6μm の細孔サイズを有するガラス繊維マ
トリックス(Whatman Ltd.又はMilli
pore Corporation から販売)の担体
マトリックスを、約0.05重量%のPhytolac
ca americanaから得られたレクチン及び約
5モルのオキシエチレン鎖を含む0.05重量%のポリ
オキシエチレンオクチルフェノール(TRITON  
X−45, Rohm and Haas Co., 
Philadelphia, Pa)を含有する水溶液
で含浸した。ガラス繊維マトリックスを分離試薬で含浸
後、含浸ガラス繊維マトリックスをガラス棒でこすり取
って、すべての過剰水溶液を除去した。こすり取り、含
浸されたガラス繊維マトリックスを乾燥後、ガラス繊維
マトリックスを約50℃で約30分間、温風対流炉中で
乾燥して、本発明の濾過パッドを得た。
【0102】試験パッド及び濾過パッドを、つぎに、図
9に示すように試験具に配置して、公知の、標準量のコ
レステロールを含む全血試料を検定した。各検定には、
約60μl の全血試料と、一組の本発明の装置が必要
であった。図9に示すような試験具を用いて、120、
162、205及び317mg/dlのコレステロール
を含有する全血試料を検定した。各コレステロール濃度
の試料に関する検定は、3通り行なった。その結果を表
2に示し、Kubelka−Munk関数(K/S)対
コレステロール濃度のプロットを、図11に示す。呈色
コレステロール検定は、計器を用いて、760nmで観
察された反射率の変化から検出した。
【0103】検定は、まず、身体の任意の部分に小さな
刺し傷を作ることから実施した。つぎに、試験具の試料
口を、傷口から浸み出る全血に接触した。試験具の試料
口が満杯になった時点で、試験具を傷口から除去した。 過剰全血試料が試験具の試料口又は任意の外面に付着し
たままにならぬように、全血試料を濾過パッドに十分に
吸収させた。十分な時間、例えば約1分の後、取り外し
可能な外被ストリップを試験具から分離し、廃棄した。 さらに約1〜2分間、十分に反応させた後、露出試験パ
ッドを反射率測定計器、すなわちGLUCOMETER
 3測定器(販売:Miles, Inc., Elk
hart, IN)を用いて検査した。あるいは、露出
試験パッドは、試験パッドを標準カラーチャートと目で
見て比較することによって、検査することもできた。あ
る反応に関して試験パッドを検査した後は、試験パッド
を廃棄した。本方法及び試験具は、技術者が感染の恐れ
のある全血試料を含有する表面と接触するのを防止した
【0104】全血試料のコレステロール含有血清又は血
漿と試験パッド中に混和された指示試薬組成物との相互
作用によって生じる変色を、760nmで反射率光度計
を用いて検査した。一般に、試験パッドを公知のコレス
テロール濃度の血液試料と接触させて生じる変色と、試
験パッドを標準化コレステロール濃度と接触させて生じ
る変色とを比較することによって、血液試料中のコレス
テロール濃度に関する定量的検定がなされる。したがっ
て、検定の変色強度が試験試料のコレステロールに直接
比例して変化することを立証するために、用量・応答プ
ロットをグラフにした(図11)。
【0105】個々の検定結果は、全血試料を試験具に接
触させて約2〜3分後に、760nmの波長で、反射率
光度計によって反射率測定値を読み取ることによって測
定した。0〜1の反射率目盛から読み取った反射率を、
Kubelka−Munk関数に代入した:K/S=(
1−R)2/2R (式中、Kは吸収係数であり、Sは散乱係数であり、そ
してRは反射率である)。K/S値を、試験試料のコレ
ステロール濃度に対してプロットした。一般的に、反射
率が低減すると、K/S値は増大するといえる。
【0106】したがって、図11は、K/S値対標準化
全血試料のコレステロール濃度を示す。各試験は、2つ
の計器を用いて、3通り実行した。プロットされたK/
S値は、3つの反復試験の平均K/S値である。反復試
験中の反射率データ及び標準偏差を表3に示す。図11
に示す用量・応答の直線的プロットは、コレステロール
に関する検定操作の精度を示し、特に、試験具の濾過パ
ッドが、全血試料の血球成分による妨害を有効に排除し
、一方当該分析対象物を濾過パッドを通過させて試験パ
ッドを飽和させ得たことを示す。本データ及び用量・応
答プロットはさらに、本発明の試験具及び方法が検定妨
害物を有効に除去し、その後、一般に市販されている計
器による、あるいは目で見るといった検出方法によって
、検定反応を迅速、安全、経済的で正確に検出すること
も示す。
【0107】
【表3】
【0108】適当な化学物質を用いれば、公知の呈色反
応及び反射率光度計を用いた未希釈血漿又は血清に関す
る検定は、尿酸、カリウムイオン、グルコース、ガラク
トース、尿素、フェニルアラニン、トリグリセリド、種
々の酵素、及びその他の全血又は他の生物試料の可溶性
成物に対しても実施できる。例えば、英国特許第2,0
14,155号;米国特許第4,186,251号;米
国特許第4,057,394号を参照していただきたい
。関連の特許は、参照により本明細書中に含めるものと
する。一般的に、汚染濾過パッドを試験具から完全に除
去して簡単な試験パッドを露出するために、余り大きく
なく、複雑でなく、そして経済的な計測具を用いて試験
パッド中の呈色変化を検出できる。従来技術の複雑な多
層試験ストリップを用いて検定を行うと、高価な計器を
用いる必要があるし、半透膜から血球成分を拭き取ると
いった操作工程が必要なために検定が不正確になる可能
性が増す。さらに、呈色変化は、全血試料の分離された
血球成分も含有する試験パッドを検査するのに対して、
血清又は血漿のみで飽和された簡単な試験パッドを技術
者は検査すればよいために、標準カラーチャート比較と
いったような簡単な目で見る方法によって測定し得る。 したがって、本発明の試験具の試験パッドは、相対的に
未熟練及び非技術的研究室職員が、容易にかつ正確に検
査できる。
【0109】 実施例5 本発明の試験具が分離剤を含まない濾過パッドを含有し
得ることをさらに示すために、0.5cm平方の未処理
ガラス繊維マトリックス、例えばPD−25ガラス繊維
マトリックス(Millipore Corporat
ionから市販されている)を、図9に示すような本発
明の試験具における濾過パッドとして用いた。未処理ガ
ラス繊維マトリックスパッドは、厚さ約1mmであった
。その試験パッドは濾紙のブランクパッドであった。全
血試料を未処理ガラス繊維マトリックス濾過パッドに接
触させ、濾過パッドを通り抜けさせて、最後に試験パッ
ドを飽和させた。濾過パッドを試験パッドから分離する
と、飽和されたほとんど無色の試験パッドが露出したが
、これは未処理濾過パッドが全血試料の血球成分を有効
に分離し、そして試験具の試験パッドの汚染を防止した
ことを示している。
【0110】本開示は、好ましい実施例の方法によって
のみなされたものであり、特許請求の範囲に記載されて
いるような本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、構
造、組み合わせ、及び部品の配列の詳細における多数の
変更が可能であると理解されねばならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】全血又はその他の生物試料中の血球成分を、血
漿又は血清と分離し、そして特定の可溶性成分に関して
血漿又は血清を検定するための試験具の部分側面図であ
る。
【図2】全血又はその他の生物試料を本試験具に投入す
るための試料受口を示す図1の右側の方向から見た図1
の試験具の末端図である。
【図3】濾過パッドを試験パッドと剥離可能的に接触す
るように配置する前の図1の試験具の側面図である。
【図4】図3の試験具の上面図である。
【図5】本発明の試験具の別の実施例を示す図1と同様
の図である。
【図6】本発明の試験具の別の実施例を示す図1と同様
の図である。
【図7】1つ以上の可溶性血漿又は血清成分を検定する
のに有用な本発明の試験具の別の実施例を示す、図6及
び図1と同様の図である。
【図8】図7と同様の、本発明の試験具の別の実施例を
示す図である。
【図9】全血の血球成分と血漿又は血清とを分離し、特
定の可溶性成分に関して血漿又は血清を検定するための
試験具の好ましい実施例の組立エレメントの開いた側面
図である。
【図10】特定の可溶性成分に関する全血試料の検定に
おける本発明の試験具の用途の説明図である。
【図11】Kubelka−Munk関数(K/S)対
本発明の試験具を用いてコレステロールに関して検定し
た標準化試験試料のコレステロール濃度のプロットであ
る。
【符号の説明】
20,40,60,80,100,200    試験
具22,42,210               
         支持ストリップ又はハンドル 24,44,64,84,140,270    濾過
パッド 26,46,66,86,160,220    試験
パッド 28,68,88,260             
     試料口30,310           
                   上部自由縁 32                       
               ノッチ48     
                         
        タブ82,120         
                     バリア2
30,280,320               
     接着剤層250             
                       外被
ストリップ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  液体試験試料から血球及び粒状成分を
    分離し、液体試験試料の可溶性成分の存在又は濃度を測
    定する分析対象物試験具であって、次の:支持ストリッ
    プ;支持ストリップに固定される試験パッドであって、
    液体試験試料と接触した場合に液体試験試料の可溶性成
    分に反応して検出可能な変化を受ける指示試薬組成物を
    組み合わせた基質物質を包含する試験パッド;血球及び
    粒状成分を液体試験試料から分離するのに十分な大きさ
    の濾過パッドであって、試験パッドと剥離可能に接触し
    て配置され、液体試験試料がまず濾過パッドと接触する
    ように置かれる濾過パッド;そして試験パッドと剥離可
    能的に接触するよう濾過パッドを配置するために濾過パ
    ッド及び支持ストリップに固定される取り外し可能な固
    定手段であって、支持ストリップから固定手段を分離す
    ると試験パッドから濾過パッドが離れて試験試料の可溶
    性成分に対する検出可能な変化の検査用の試験パッドを
    露出する固定手段;を包含する試験具。
  2. 【請求項2】  生物試料が全血である請求項1の分析
    対象物試験具。
  3. 【請求項3】  濾過パッドが、シリカゲル、アルミナ
    、ケイ藻土、濾紙、クロマトグラフィー紙、ガラス繊維
    、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリルアミ
    ド、ポリアクリレート、ポリウレタン、架橋デキストラ
    ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビリニ
    リデン、ポリスルホン及びその組み合わせから選択され
    る担体マトリックスを包含する請求項1記載の分析対象
    物試験具。
  4. 【請求項4】  濾過パッドが、約0.1ミクロン〜約
    50ミクロンの範囲の細孔サイズを有する担体マトリッ
    クスを包含する請求項1記載の分析対象物試験具。
  5. 【請求項5】  濾過パッドが少なくとも約1mmの厚
    さを有する請求項1記載の分析対象物試験具。
  6. 【請求項6】  生体液から血漿又は血清を分離し、血
    漿又は血清の可溶性成分を検出するための装置であって
    、接触時に生物試料の血球及び粒状成分を除去するため
    の濾過パッド、ならびに血清又は血漿との接触時に試験
    パッドに検出可能な変化を生じるための血漿又は血清の
    可溶性成分との相互作用のために十分な量の適当な指示
    試薬組成物を含有する試験パッドを包含する装置であっ
    て、生体液の血球及び粒状成分を除去するために生体液
    がまず濾過パッドに接触するように濾過パッドが置かれ
    、そして試験パッドが濾過パッドと剥離可能的に接触し
    て配置され、濾過パッドが試験パッドとの剥離可能的な
    接触から離された後に、濾過パッドによって分離された
    血球及び粒状成分からの事実上の妨害を伴わずに、血漿
    又は血清の可溶性成分と指示試薬組成物との相互作用が
    検出されるように置かれる装置。
  7. 【請求項7】  濾過パッドの領域における試料から血
    球及び粒状成分を分離し、一方、全血試料の多量の血漿
    又は血清部分を、全血試料の血球及び粒状成分から分離
    するために未希釈形態で濾過パッドを通して試験パッド
    中に完全に流す濾過パッドを包含する未希釈全血試料か
    らの血漿又は血清の分離のための装置であって、試験パ
    ッドが濾過パッドと剥離可能的に接触して処理され、そ
    して血清又は血漿の特定の可溶性成分に関して検定する
    ための適当な指示試薬組成物を含有し、それによって濾
    過パッドを試験パッドから離して、血清又は血漿の特定
    の可溶性成分に対する反応の検査のための試験パッドを
    露出する装置。
  8. 【請求項8】  濾過パッド中の未希釈全血試料の血球
    及び粒状成分を分離及び保持するための装置の濾過パッ
    ドを未希釈全血試料と接触させ、一方、未希釈全血試料
    の多量の血漿又は血清部分を本装置の濾過パッドを通し
    て濾過パッドと剥離可能に接触する本装置の親水性パッ
    ド中に流し、つぎに濾過パッドを親水性パッドから離し
    て血漿又は血清含有親水性パッドを露出することからな
    る、未希釈全血試料からの血漿又は血清の分離方法。
  9. 【請求項9】  全血からの血球及び粒状成分を分離及
    び保持するために全血を濾過パッドと接触させ、それに
    よって血漿又は血清と全血の血球成分とを分離し;分離
    された血漿又は血清を、血漿又は血清の可溶性成分に関
    する適当な試験試薬を含有する試験パッドと接触させる
    が、本試験パッドは分離血清又は血漿と試験パッドとの
    接触のために濾過パッドと剥離可能的に接触して、予定
    の可溶性成分と試験パッドの試験試薬との間の相互作用
    を生じ、試験パッドの検出可能な変化を引き起こす試験
    パッドであって;濾過パッドを剥離可能に接触した試験
    パッドから引き離して試験パッドを露出し;そして試験
    パッドにおける検定可能な変化を検出することからなる
    、全血試料から血漿又は血清を分離し、そして予定の可
    溶性成分に関して血漿又は血清を試験する方法。
  10. 【請求項10】  次の: (a)試験具を生体液と接触させ、その試験具は:支持
    ストリップ;支持ストリップに固定される試薬試験パッ
    ドであって、生体液と接触した場合に生体液の特定の可
    溶性成分に対して検出可能な変化を受ける指示試薬組成
    物を組み合わせた基質物質を包含する試薬試験パッド;
    生体液から血球及び粒状成分を分離できる濾過パッドで
    あって、試薬試験パッドと剥離可能的に接触して処理さ
    れ、そして生体試料がまず濾過パッドと接触するように
    置かれる濾過パッド;そして試薬試験パッドと剥離可能
    的接触で濾過パッドを配置するために、濾過パッド及び
    支持ストリップに固定される取り外し可能な固定手段で
    あって、固定手段を支持ストリップから分離すると濾過
    パッドが試薬試験パッドから離されて、生体試料の特定
    の可溶性成分に対する検出可能な変化を調べるための試
    薬試験パッドが露出する固定手段を包含し;(b)生体
    試料の血球及び粒状成分の分離を生じるために、生体試
    料を十分な時間、濾過パッドに浸透させ、そして生体液
    の液体部分を試薬試験パッドと接触させ;(c)生体試
    料の血球及び粒状成分を含有する濾過パッドと生体液の
    液体部分を含有する試薬試験パッドとを分け、濾過パッ
    ドを試験具から剥がして試薬試験パッドを露出し;そし
    て (d)生体液中の特定の可溶性成分に対する指示試薬組
    成物の検出可能な変化から特定の可溶性成分の存在又は
    濃度を測定する; 工程からなる生体液中の特定の可溶性成分の存在又は濃
    度を測定する方法。
JP1261491A 1990-01-12 1991-01-11 全血の分離及び検定のための装置及び方法 Pending JPH04212060A (ja)

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