JP2003286676A - 耐熱絶縁シート - Google Patents
耐熱絶縁シートInfo
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Abstract
これらの諸性能を湿気の多い環境下でも長期間保持でき
る耐熱絶縁シートを安価に提供する。 【解決手段】 実質的にアルカリ成分を含有しないセラ
ミック繊維および同ガラスフレークからなる耐熱絶縁シ
ート。さらに、必要に応じて、アルカリ成分を含有しな
いガラス繊維を含有させてもよい。
Description
とを兼ね備えたシート状成形物であって、セラミック繊
維およびガラスフレークからなるものに関する。さらに
は、ガラス繊維を含有するものに関する。
耐熱絶縁シートの利用形態も多様化している。耐熱絶縁
シートは、たとえば火災警報装置や消火設備に利用され
ており、この用途においては高い耐熱性および絶縁性は
もとより、保護部に密着できる柔軟性、ならびに長期間
前記諸性能を維持できる耐水性も要求される。このよう
な耐熱絶縁シートとして、特開平9−31884号公報
には、実質的にアルカリ成分を含有しないガラス短繊維
とマイカとを均一分散させたものが記載されている。
縁シートは、マイカを含有するため、耐水性が比較的低
く、湿気の多い環境下では性能劣化を生じ易いという問
題があった。とくにその製造工程においては、ガラス繊
維とマイカを水中で混合撹拌して均一分散させるので、
シートの製造段階で既に性能劣化が生じる点も問題であ
った。
が開発されており、たとえば特開平8−102217号
公報には、無機質繊維を主成分とするセラミックシート
と難燃性のポリオレフィンフィルムとを重ね合わせ加圧
成形したものが記載されている。しかし、この耐熱絶縁
シートは、難燃性とはいえ有機物を必須成分とするた
め、高温環境下での使用が不可能であった。また、難燃
性のポリオレフィンフィルムは高価であり、セラミック
シートとポリオレフィンフィルムとを重ね合わせ加圧成
形するので製造工程が複雑になるなど、その製造コスト
が嵩む問題もあった。
するため、実質的にアルカリ成分を含有しないガラス繊
維および同ガラスフレークからなる耐熱絶縁シートを開
発し、既に特許出願を行った(特願2001−3147
06)。この特許出願に係る耐熱絶縁シートついて、さ
らに性能改善すべく鋭意研究を行った結果、この発明を
完成するに至った。その目的とするところは、さらに耐
熱性および絶縁性に優れ、柔軟性が高く、これらの諸性
能を湿気の多い環境下でも長期間保持できる耐熱絶縁シ
ートを安価に提供することにある。
に、請求項1に記載の発明の耐熱絶縁シートは、実質的
にアルカリ成分を含有しないセラミック繊維および同ガ
ラスフレークからなるものである。
は、実質的にアルカリ成分を含有しないセラミック繊
維、同ガラス繊維および同ガラスフレークからなるもの
である。
は、請求項1または2に記載の発明において、ガラス繊
維もしくはセラミック繊維の平均径が0.6〜5μmの
ものである。
は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明におい
て、ガラスフレークが平均粒径10〜1,000μm、
平均厚さ0.5〜10μmのものである。
は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明におい
て、ガラス繊維およびセラミック繊維の合計重量とガラ
スフレークの重量との比が、ガラス繊維およびセラミッ
ク繊維:ガラスフレーク=90〜20:10〜80のも
のである。
は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の発明におい
て、セラミック繊維の重量含有率が、ガラス繊維の重量
含有率より高いものである。
形態について、詳細に説明する。
成分を含有しないセラミック繊維(以下、単に「セラミ
ック繊維」と称す)と、実質的にアルカリ成分を含有し
ないガラスフレーク(以下、単に「ガラスフレーク」と
称す)とを、混合し、シート状に成形したものである。
ここで、「実質的にアルカリ成分を含有しない」とは、
アルカリ成分すなわちリチウム(Li)、ナトリウム(Na)ま
たはカリウム(K)などのアルカリ金属の組成成分含有率
が0.5重量%以下であることをいう。また、この発明
において「セラミック繊維」とは、アルミナ(Al2O3)お
よびシリカ(SiO2)の合計の組成成分含有率が80重量%
以上で、融点が1,000℃以上のものをいう。セラミ
ック繊維は、ガラス繊維に比べて機械的強度、剛性およ
び耐熱性が高く、熱伝導率が低いという特徴を備える。
また、耐水性が極めて高く、加えて耐酸性もアルカリ成
分を含有しないガラス繊維より高い。そのため、セラミ
ック繊維は、耐熱絶縁シートの構成材料として極めて好
ましい。
合が弱いため、ガラスが水分に接触すると溶出し、また
高温加熱されると揮発する。溶出や揮発によりガラスか
らアルカリ成分が消失すると、その絶縁性が低下するこ
とが知られている。とくに、マイカやガラスフレーク
は、鱗片状で比表面積が極めて高いので、このアルカリ
成分の消失が顕著である。上記特開平9−31884号
公報に記載の耐熱絶縁シートは、ガラス繊維にアルカリ
成分を含有しないものを利用するが、マイカがアルカリ
成分を必須組成成分とするため、アルカリ成分の消失の
問題を内包していた。そこで、実質的にアルカリ成分を
含有しないガラスフレークを利用することにより、耐熱
絶縁シートの耐熱性と絶縁性とを一層高め、さらに耐水
性も付与することができる。
を含有しないガラス繊維(以下、単に「ガラス繊維」と
称す)を適宜配合してもよい。この場合、ガラス繊維の
含有率は、セラミック繊維の含有率より低いことが好ま
しい。セラミック繊維の方がガラス繊維より耐熱性およ
び耐水性が高いからである。
径が0.6〜5μmのものが好ましい。平均径が0.6
μm未満の場合は、個々のセラミック繊維またはガラス
繊維(以下、「フィラメント」と称する場合がある)の
強度が小さすぎて、シート状に成形する際にフィラメン
トが折れて繊維長さを維持できなくなったり、屈曲、凝
集が多くなってガラスフレークとの均一分散が困難にな
ったりするおそれがある。一方、平均径が5μmより太
くなると、フィラメントの柔軟性が低下して、シート状
に成形することが困難になる、あるいはフィラメント同
士の絡みが弱くなり、耐熱絶縁シートの引張強度が低下
するなどの不具合が発生するおそれがある。
000μm、平均厚さが0.5〜10μmのものが好適
である。平均粒径が10μm未満の場合は、鱗片状とい
うよりむしろ粒子状に近く、積層して透過経路を延長し
耐水性を高めるなどの鱗片状特有の機能が損なわれる。
一方、1,000μmを越えると、シート中での均一分
散が困難になる。平均厚さが0.5μm未満の場合は、
ガラスフレークの強度が小さすぎて、シート状に成形す
る際に破砕されて粒径が維持できなくなる。一方、10
μmを越えると、柔軟性が損なわれて、却って破砕され
易くなる。
およびガラスフレークの表面を、公知のゾルゲル法や溶
液析出法などを利用して、シリカ(SiO2)やチタニア(TiO
2)などの化学的耐久性の高い絶縁膜でコーティングして
もよい。このようなコーティングを施すことにより、セ
ラミック繊維、ガラス繊維およびガラスフレークからの
アルカリ成分の消失を一層抑制でき、さらにそれらの耐
酸性または耐アルカリ性を向上させることができる。
およびガラス繊維の合計重量とガラスフレークの重量と
の比は、セラミック繊維およびガラス繊維:ガラスフレ
ーク=90〜20:10〜80であることが好ましい。
セラミック繊維およびガラス繊維は、フィラメント同士
の絡み合いによりシート形状を維持する機能を果たす
が、これらのみからなるシートでは、内部空隙が多く、
外部からの水分の浸入を防ぐ機能(一種の耐水性)に乏
しい。一方、ガラスフレークは、上述のように積層する
ことにより水などの浸入透過経路を延長する機能を果た
すが、ガラスフレークのみからなるシートは、接着剤を
大量に使用しなければシート形状を維持できない。ま
た、接着剤を大量に使用すると、シートの柔軟性が失わ
れる問題が新たに生じる。そこで、セラミック繊維およ
びガラス繊維とガラスフレークとを上記重量比で混合す
ることにより、柔軟性と耐水性とを兼ね備えた耐熱絶縁
シートを得ることができる。なお、耐熱絶縁シートにガ
ラス繊維が含まれない場合は、上記の重量比「90〜2
0」は、セラミック繊維で全て占められる。
mmであることが好ましい。0.5mm未満であれば、
絶縁性が不足し易くなり、一方2mmを越えると、保護
対象物への巻き付けが困難になるなど柔軟性が低下す
る。なお、その絶縁性は、種々の用途に利用できるよう
に、表面抵抗値で1012Ω/cm2以上であることが好
ましい。
よびガラスフレークのみからなるもの、あるいは必要に
応じてさらにガラス繊維を含むものであるから、極めて
耐熱性および絶縁性が高く、かつ、耐水性に優れるもの
である。なお、この発明の目的を阻害しない範囲で、セ
ラミック繊維とガラス繊維とガラスフレークとを結合さ
せる無機接着剤を適量使用してもよい。このような無機
接着剤としては、シリカゾル、コロイダルシリカ、アル
ミノケイ酸塩またはアルミナセメントなどが例示され
る。耐熱絶縁シートにおける無機接着剤の付着率は、2
重量%以下であることが好ましい。2重量%を越える場
合は、シートの柔軟性が損なわれて、保護対象物への巻
き付けが困難になる。
限定されるものではなく、公知の抄紙法、あるいはセラ
ミック繊維とガラスフレークとガラス繊維とを同一箇所
に向けて個別に落下させ、その下部で一定厚さにまで堆
積させる方法などを例示することができる。
的に説明する。
%以下のEガラス、平均径1μm 「ガラス繊維B」:アルカリ成分の含有率が8.5重量
%のCガラス、平均径1μm 「セラミック繊維α」:アルミナ成分46重量%、シリ
カ成分54重量%、平均径3μm、耐熱1,260℃
(新日化サーマルセラミックス社製 SCバルク126
0) 「セラミック繊維β」:アルミナ成分35重量%、シリ
カ成分50重量%、ジルコニア成分15重量%、平均径
3μm、耐熱1,400℃(新日化サーマルセラミック
ス社製 SCバルク1400) 「セラミック繊維γ」:アルミナ成分72重量%、シリ
カ成分28重量%、平均径4μm、耐熱1,600℃
(新日化サーマルセラミックス社製 SCバルク160
0M) 「ガラスフレークa」:アルカリ成分の含有率が0.5
重量%以下のEガラス(日本板硝子社製 REF−16
0 平均粒径160μm 平均厚さ5μm) 「ガラスフレークb」:アルカリ成分の含有率が11重
量%のCガラス(日本板硝子社製 RCF−160 平
均粒径160μm 平均厚さ5μm) 「フロコバイトマイカ」:アルカリ成分の含有率が1
0.5重量%のフロコバイトマイカ(レプコ社製 S−
200HG 平均粒径55μm 平均アスペクト比5
5)
フレークもしくはフロコバイトマイカとを下記「表1」
の重量比となるように調合し、これを0.25重量%と
なるように水溶媒中に投入して、タッピー式撹拌機で約
10分撹拌した。なお、無機接着剤は使用しなかった。
その後200×250mmの角型手漉き装置を用いて、
目付250g/m2のシート状に成形した。得られたシ
ート状成形物を乾燥炉に入れ、完全に乾燥させた。各実
施例および比較例で製造した耐熱絶縁シートについて、
下記の特性を測定した。
/m2)。 「厚さ」:JIS P8118に従う(mm)。 「引張強度」:JIS P8113に従う(kg/15
mm)。 「耐熱性」:700℃で8時間強熱した後の重量減少率
(重量%)。この値が低いほど、耐熱性が高いことを示
す。 「耐水性」:80℃の温水に24時間浸漬した後の重量
減少率(重量%)。この値が低いほど、耐水性が高いこ
とを示す。 「絶縁性」:JIS C2116に従う(kV/m
m)。この値が高いほど、絶縁性が高いことを示す。 「表面固有抵抗」:JIS K6911に従う(Ω)。
この値が高いほど、表面層の電気絶縁抵抗が高いことを
示す。 「体積固有抵抗」:JIS K6911に従う(Ω・
m)。この値が高いほど、表面抵抗を除いた内部の電気
絶縁抵抗が高いことを示す。
より、つぎのことが判る。実施例1〜3と比較例6〜8
と対比することにより、ガラス繊維よりもセラミック繊
維を用いた方が、耐熱絶縁シートの耐熱性および絶縁性
の向上に有効であることが判る。また、使用するセラミ
ック繊維の耐熱性が高いほど、耐熱絶縁シートの耐熱性
および耐水性が向上することが判る。
るので、つぎのような効果を奏する。この発明によれ
ば、実質的にアルカリ成分を含有しないセラミック繊維
と同ガラスフレークとからなり、あるいはさらに同ガラ
ス繊維を含有するものであるので、耐熱性および絶縁性
に優れ、柔軟性が高く、これらの諸性能を湿気の多い環
境下でも長期間保持できる耐熱絶縁シートを安価に提供
することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 実質的にアルカリ成分を含有しないセラ
ミック繊維および同ガラスフレークからなる耐熱絶縁シ
ート。 - 【請求項2】 実質的にアルカリ成分を含有しないセラ
ミック繊維、同ガラス繊維および同ガラスフレークから
なる耐熱絶縁シート。 - 【請求項3】 上記ガラス繊維またはセラミック繊維
は、平均径が0.6〜5μmである請求項1または2に
記載の耐熱絶縁シート。 - 【請求項4】 上記ガラスフレークは、平均粒径10〜
1,000μm、平均厚さ0.5〜10μmである請求
項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱絶縁シート。 - 【請求項5】 ガラス繊維およびセラミック繊維の合計
重量とガラスフレークの重量との比は、ガラス繊維およ
びセラミック繊維:ガラスフレーク=90〜20:10
〜80である請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐熱
絶縁シート。 - 【請求項6】 セラミック繊維の重量含有率が、ガラス
繊維の重量含有率より高い請求項2〜5のいずれか1項
に記載の耐熱絶縁シート。
Priority Applications (1)
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JP2002086878A JP3885630B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 耐熱絶縁シート |
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JP2003286676A true JP2003286676A (ja) | 2003-10-10 |
JP3885630B2 JP3885630B2 (ja) | 2007-02-21 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1630899A1 (en) * | 2004-03-04 | 2006-03-01 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Antenna device and communications system using it |
-
2002
- 2002-03-26 JP JP2002086878A patent/JP3885630B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1630899A1 (en) * | 2004-03-04 | 2006-03-01 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Antenna device and communications system using it |
EP1630899B1 (en) * | 2004-03-04 | 2010-02-10 | Panasonic Corporation | Antenna device and communications system using it |
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JP3885630B2 (ja) | 2007-02-21 |
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