JP2003286651A - 成形タフテッドカーペット一次基布 - Google Patents

成形タフテッドカーペット一次基布

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JP2003286651A JP2002088997A JP2002088997A JP2003286651A JP 2003286651 A JP2003286651 A JP 2003286651A JP 2002088997 A JP2002088997 A JP 2002088997A JP 2002088997 A JP2002088997 A JP 2002088997A JP 2003286651 A JP2003286651 A JP 2003286651A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形カーペットに用いることができる一次基
布であって、良好な成形性を有すると共に、一次基布を
生産する上での生産スピードを向上することができ、生
産性の高い一次基布を得る。 【解決手段】熱可塑性樹脂からなる長繊維が集積してな
る長繊維不織布であり、構成繊維同士は、熱接着および
/またはバインダー樹脂による接着によって一体化して
おり、該長繊維不織布のタテ方向の最大強力が49〜2
50N/5cm幅であり、該長繊維不織布の破断時の伸
度がタテ方向、ヨコ方向ともに70%以上であることを
特徴とする成形タフテッドカーペット一次基布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布からなるタ
フテッドカーペット用一次基布に関するものであって、
特に、パイル糸をタフティング(パイル糸の植え込み)
した後、所定の型に成形する成形タフテッドカーペット
に使用する一次基布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、長繊維群が集積されてなる不
織布を、タフテッドカーペット一次基布に用いることは
知られている。このタフテッドカーペット一次基布は、
パイル糸をタフティング(パイル糸を植え込む)する際
の支持体として用いられるものである。このようなタフ
テッドカーペット一次基布を使用したタフテッドカーペ
ットの製造方法は、以下のとおりである。すなわち、タ
フテッドカーペット一次基布に、未染色のパイル糸(例
えば、未染色のナイロン糸よりなるパイル糸)をタフテ
ィングした後、パッドスチーム連続染色機等を用いてパ
イル糸を所望の色合いに染色する。染色した後に、所望
により成形を行う。すなわち、タフテッドカーペットに
熱を付与し、金型(雄型と雌型とよりなる金型)を用
い、加圧して成型タフテッドカーペットを得るというも
のである。
【0003】しかしながら、このような染色方法におい
ては、染色時に、タフテッドカーペット一次基布にパイ
ル糸及び染液の重量が負荷されると同時に、比較的高い
湿熱が負荷される。このような苛酷な条件下では、タフ
テッドカーペット一次基布が伸びたり、あるいは破断し
たりすることがあった。そして、このような問題点を解
決するためには、比較的高い湿熱下においても、寸法安
定性の良好なタフテッドカーペット一次基布が要求され
ていた。
【0004】ところが、近年、パイル糸として原着糸又
は先染糸が用いられるようになり、タフテッドカーペッ
トにおける染色加工が不要になりつつあるという状況に
なってきている。染色加工が不要になると、タフテッド
カーペット一次基布に染液の重量や比較的高い湿熱が負
荷されることが無いため、一次基布に厳しい物性が要求
されなくなる。
【0005】一次基布としては、長繊維が集積されてな
り、ニードルパンチングにより、繊維が三次元的に絡み
合った不織布(ニードルパンチ不織布)が主として用い
られてきた。ニードルパンチ不織布は、構成繊維が構造
的に動きやすく、特に成形加工を行う場合、パイルの支
持体である一次基布が、十分に伸びて金型に追随しやす
い。
【0006】しかし、ニードルパンチ不織布において
は、ニードル針が繊維ウェブを貫通することで繊維同士
を絡める必要があるため、生産速度がニードルパンチ機
の性能に左右されるという欠点を有しているものであ
り、少なくとも、現在においてもコスト的に十分な生産
能力を得ることが出来ていないのが現状である。
【0007】また、今日、成型タフテッドカーペットの
主用途である自動車の主流がセダンタイプからワゴンな
どといった背の高い物に移行しつつあると同時に、車内
で自由にパッセンジャーの移動が出来るようにとの配慮
から凹凸の少ない床形状が好まれるようになってきてい
る。そのため、成型用に用いられてきたタフテッドカー
ペットも従来ほどの極端に深い成形にさらされる必要が
減ってきており、それに伴って、タフテッドカーペット
一次基布においても、従来ほどの深絞り性を有する必要
が無くなってきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、成形
カーペットに用いることができる一次基布であって、良
好な成形性を有すると共に、一次基布を生産する上での
生産スピードを向上することができ、生産性の高い一次
基布を得ることにある。
【0009】本発明者は、かかる課題を達成するため、
鋭意検討を行った。長繊維不織布において、構成繊維の
一部を熱により溶融させて、自己接着により形態保持し
てなる熱接着不織布は、よく知られている。熱接着不織
布は、ニードルパンチ不織布と比較して、生産効率は高
く、また、タフテッドカーペットの一次基布としても使
用されているが、成形用の一次基布としては用いられて
いない。これは、熱接着不織布の場合、接着点が強固で
あるため、繊維に自由度が無く、成形しようとした場合
に成形金型に沿って伸びることができず、さらに応力が
かかった場合に接着部より不織布としての形態が破断す
ると共に繊維も切断してしまうため、通常の熱接着不織
布を成形することは不可能であったためである。
【0010】本発明者は、この生産効率の高い熱接着不
織布を成形可能にしようと検討した結果、不織布を伸張
させた時に、接着部が破断しても、繊維が切断しないよ
うな状態で繊維同士を接着することにより、接着部が破
断した後の一次基布の形態は、タフトされたパイル糸の
存在を利用することによって一次基布の形態を保持した
状態で、繊維の自由度をより向上させ、一次基布の伸度
を上げることができるとの知見を得た。本発明は、この
ような知見に基づいてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
からなる長繊維が集積してなる長繊維不織布であり、構
成繊維同士は、熱接着および/またはバインダー樹脂に
よる接着によって一体化しており、該長繊維不織布のタ
テ方向の最大強力が49〜250N/5cm幅であり、
該長繊維不織布の破断時の伸度がタテ方向、ヨコ方向と
もに70%以上であることを特徴とする成形タフテッド
カーペット一次基布を要旨とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の成形タフテッドカーペッ
ト一次基布は、熱可塑性樹脂からなる長繊維が集積され
てなるものである。長繊維を構成する熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂が挙げら
れる。長繊維の形態としては、一種の熱可塑性樹脂から
なる単相の形態のものであっても、複数の熱可塑性樹脂
からなる芯鞘型、サイドバイサイド型等の複合型の形態
であってもよい。芯鞘型としては、芯成分に高融点ポリ
エステル系樹脂が配され、鞘成分にポリアミド系樹脂或
いは共重合ポリエステル等の低融点ポリエステルが配し
たもの、あるいは、芯成分にポリアミド系樹脂が配さ
れ、鞘成分にポリエステル系樹脂が配したもの等を用い
ることができる。また、サイドバイサイド型としては、
ポリエステル系樹脂とポリアミド系樹脂との組み合わ
せ、高融点ポリエステル系樹脂と共重合ポリエステル等
の低融点ポリエステル系樹脂との組み合わせのものが用
いられる。また、一次基布中に複数種の繊維が混合して
なる混繊不織布であってもよく、例えば、高融点ポリエ
ステル樹脂からなる繊維と共重合ポリエステル等の低融
点ポリエステル系樹脂からなる繊維との混繊、ポリエス
テル系樹脂からなる繊維とポリアミド系樹脂からなる繊
維との混繊等が挙げられる。
【0013】本発明においては、成形時において高温下
にさらされることから、成形時に熱の影響を受けにく
い、比較的融点の高い熱可塑性樹脂を採用することが好
ましく、また、繊維強力が高いことから、ポリエチレン
テレフタレートからなるポリエステル系長繊維を好まし
く用いることができる。なお、長繊維を構成する熱可塑
性樹脂は、成型時の温度に応じて適宜選択すればよい。
【0014】長繊維不織布において、構成繊維同士は、
熱接着および/またはバインダー樹脂による接着によっ
て一体化している。従来、成形タフテッドカーペット一
次基布において用いられていたニードルパンチ不織布
は、構成繊維同士が三次元的に交絡しているため、繊維
は、二次元方向のみでなく厚み方向に存在し、いわゆ
る、たるみを持つため自由度が大きく、成形時の不織布
の伸びは、繊維の有するたるみを利用するものであっ
た。しかし、ニードルパンチ不織布は、ニードルパンチ
処理において、堆積してなる繊維(二次元方向に存在す
る)を、針の上下運動により引掛けて厚み方向に押し込
まなければならないため、処理に時間がかかり、生産ス
ピードを向上させることには限界があった。本発明で
は、構成繊維同士を、熱接着および/またはバインダー
樹脂による接着によって一体化させることにより、生産
性を向上させることができたものである。
【0015】構成繊維同士を一体化させる手段である熱
接着および/またはバインダー樹脂による接着は、強固
なものであってはならない、本発明においては、接着度
合いの指標ともなる長繊維不織布の引張強力(タテ方
向)は、49N/5cm幅〜250N/5cm幅である
ことが好ましい。引張強力が49N/5cm幅未満であ
ると、タフティング工程にて負荷される荷重に耐えるこ
とができない。一方、250N/5cm幅以上である
と、構成繊維同士を一体化してなる接着部の強力が高す
ぎるため、このような不織布を伸張した場合には、接着
部が破断すると共に構成繊維もまた切断してしまうもの
であり、良好に成形金型に追随できない。
【0016】構成繊維同士の接着手段が熱接着である場
合は、熱エンボス装置を用いた熱エンボス処理により、
部分的に熱接着点を有するものであっても、また、熱風
処理により構成繊維の接点が融着してなる熱接着点を有
するものであってもよい。処理速度やロールの表面温
度、ロール間の線圧を適宜制御することにより、接着点
の強力をコントロールしやすいことから、熱エンボス処
理によるものであることが好ましい。
【0017】構成繊維同士の接着手段がバインダー樹脂
による場合は、バインダー樹脂の量は、繊維質量に対し
て10質量%以下の範囲で付着していることが好まし
い。付着量が10質量%を超えると、接着部の強力が高
くなり、本発明の目的を達しにくい。好ましい付着量
は、2〜9質量%である。
【0018】バインダー樹脂としては、アクリル酸メチ
ル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,メタクリル
酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,
アクリロニトリル,スチレン等のモノマーを、二種以上
組み合わせて所望のモル比で共重合した共重合体を採用
するのが好ましい。また、この共重合体をメラミン樹
脂,フェノール樹脂,ホルムアルデヒド樹脂等の架橋剤
によって架橋している架橋型のバインダー樹脂を用いて
もよい。ただし、使用用途によっては、安全性の面から
の制約もあるため、選択に注意を要する。
【0019】長繊維不織布の破断時の伸度は、タテ方
向、ヨコ方向ともに70%以上である。長繊維不織布の
破断時とは、不織布の引張試験を行った際に得られる荷
重−伸張曲線において、最大荷重(最大強力値)を示し
た後に、強力値が10N/5cm幅を示したときの伸度
をいう。本発明の長繊維不織布は、構成繊維同士の接着
が強固でないため、従来の強固に接着された不織布にみ
られるような、最大強力値を示すとほぼ同時に不織布の
形態が完全に破断(破壊)する現象はみられない。そし
て、最大強力値を示した後も、さらに伸張を継続させる
ことにより、強力値(荷重)は減少するものの伸びは増
加する。本発明においては、最大強力値を示した後に、
強力値(荷重)が10N/5cm幅となる時点を、長繊
維不織布が破断しているに近い状態として、破断時とす
る。
【0020】長繊維不織布の破断時の伸度は、具体的に
は、以下の方法により測定される。すなわち、幅5cm
の短冊状試料片(10個)を準備し、定速伸長型引張試
験機(テンシロンUTM−4−1−100 株式会社東
洋ボールドウイン製)を用い、つかみ間隔10cm、引
張速度20cm/分で、JIS L 1906に記載の
「引張強さおよび伸び率」に準じて測定する。この引張
試験で描かれた荷重−伸張曲線において、最大荷重(最
大強力値)を示す時点よりさらに伸張させたときに、荷
重(強力値)が下降してその値が10N/5cm幅とな
った時点を破断時とし、その時の伸張率を求め、試料片
10個の平均値を破断時の伸度(%)とする。
【0021】長繊維不織布の破断時の伸度が70%未満
であると、長繊維不織布を構成する繊維の自由度が小さ
く、長繊維不織布は伸びにくいものであり、成形金型に
追随することができず、成形加工時に破れてしまう。
【0022】本発明において、一次基布は、構成繊維同
士が接着によって一体化してなる長繊維不織布である
が、成形性が良好である理由は、以下のことが考えられ
る。一次基布にタフト工程でパイル糸をタフティングし
て得られた生機を成形する場合、一次基布は伸ばされ
る。その伸びにより負荷される応力によって、構成繊維
同士の接着が強固でないため、繊維が切断されることな
く、接着部の一部は容易に外れる。接着部が外れると、
繊維はより自由度を増して、一次基布はより一層伸びや
すくなり成形金型に追随するため、成形性が良好な成形
カーペットを得ることができる。なお、一次基布の形態
保持性については、構成繊維同士を一体化してなる接着
部が外れるものの、パイル糸が植え込まれているため、
パイル糸の植え込まれた部分部分において、長繊維がば
らばらになることを制約して、あたかもアンカーのよう
な働きをし、一次基布の形態はパイル糸の存在により保
持される。
【0023】長繊維の単糸繊度は、適宜設定すればよい
が、2〜30デシテックス程度が好ましく、さらには3
〜20デシテックスであることが好ましい。単糸繊度が
2デシテックス未満であると、パイル糸をタフティング
する際に繊維が切断しやすく、また、伸張時の応力が劣
るものとなり、成形時に伸びの応力に耐えられずに長繊
維が切断しやすくなる。一方、単糸繊度が30デシテッ
クスを超えると、繊維の構成本数が相対的に減少するた
め、タフト糸の把持力が劣り、また、成型時に目地空き
や破れを引き起こしやすくなる。
【0024】一次基布の目付は、適宜設計しうるもので
あるが、一般的に50〜150g/m2であることが好
ましい。一次基布の目付が50g/m2未満であると、
基布中の繊維量が相対的に少なくなるために、上述の単
糸繊度が30デシテックスを超えた場合と同様に、タフ
ト糸の把持力に劣り、また、成型時に目地空きや破れを
引き起こしやすくなる。一方、目付が150g/m2
超えると、過剰物性となって経済的ではない。
【0025】本発明の成形タフテッドカーペット用一次
基布は、次のように製造することができる。まず、熱可
塑性樹脂からなる長繊維群を従来公知の方法で集積させ
る。例えば、溶融紡糸法によって長繊維群を引き取りな
がら、この長繊維群を移動する捕集コンベア上に堆積さ
せることによって集積する。いわゆる、スパンボンド法
により集積させることができる。
【0026】次いで、熱接着処理および/またはバイン
ダー樹脂による接着処理を施して、構成繊維同士を接着
により一体化させて、本発明の一次基布を得る。
【0027】熱接着処理としては、一対のエンボスロー
ルあるいはエンボスロールと平滑ロールとからなるエン
ボス装置に通すことにより熱処理(熱エンボス処理)を
行うことが好ましい。または、部分的に熱風噴出口部を
有する熱風処理装置にて熱処理を施してもよい。
【0028】構成繊維同士の接着は、強固にならないよ
うにするために、処理速度にもよるが、熱エンボス加工
におけるロールの表面温度は、繊維を構成する熱可塑性
重合体の融点よりも50℃以上低い温度に設定し、ま
た、ロール間の線圧は、200〜700N/cmとする
ことが好ましい。
【0029】また、構成繊維同士の接着がバインダー樹
脂の付与による場合には、水中に乳化分散させたバイン
ダー樹脂液を含浸する、あるいはバインダー樹脂液をス
プレー等の手法で付与した後、乾燥熱処理する方法によ
り行う。バインダー樹脂の付着量は、繊維質量に対して
10質量%以下とすることが好ましい。
【0030】熱処理およびバインダー樹脂の付与によ
り、構成繊維同士を接着させる場合には、熱処理を施し
た後に、バインダー樹脂を付与するとよい。
【0031】得られた本発明の成形タフテッドカーペッ
ト一次基布に、所望のパイル糸を用いてタフトすること
により生機を得、この生機を所望の金型にて成形するこ
とにより成形タフテッドカーペットを得ることができ
る。
【0032】タフティングを施した生機において、成形
を良好に行うためには、生機のタテ方向の最大強力(引
張強力)が147N/5cm幅以上、タテ方向の最大強
力時の伸度(Gtm)が40%以上、ヨコ方向の最大強
力(引張強力)が65N/5cm幅、ヨコ方向の最大強
力時の伸度(Gtc)が40%以上であることが好まし
い。このタテ方向およびヨコ方向における最大強力、最
大強力時の伸度に満たない場合は、伸びが少なく、ま
た、伸びに対する応力が小さいため、成形金型に追随す
ることができず、目地空きや成形破れなどが生じやす
い。
【0033】本発明において、一次基布、生機のタテ方
向とは機械方向をいい、ヨコ方向とは機械方向に直行す
る方向をいう。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【0035】実施例1 極限粘度0.70dl/g、融点256℃のポリエチレ
ンテレフタレートを溶融温度285℃で溶融口金より溶
融紡糸した。吐出する糸条群を紡糸速度5000m/分
となるように、エアーサッカーで延伸しながら引き取
り、この糸条群を、エアーサッカーの出口に設けられた
開繊装置で開繊させた後、移動する金網製捕集コンベア
上に堆積させて、単糸繊度3.3デシテックスのポリエ
ステル長繊維が堆積してなる繊維ウェブ(目付110g
/m2)を得た。次いで、この繊維ウェブを、エンボス
ロール(凸部面積比は14%)と平滑ロールからなる熱
エンボス装置に通し、両ロールの表面温度を200℃、
ロール間の線圧を490N/cmに設定し、処理速度4
0m/分で、熱エンボス処理を施し、構成繊維同士が熱
接着してなる目付110gの成形タフテッドカーペット
一次基布を得た。
【0036】実施例2 実施例1において、目付107g/m2の繊維ウエブと
したこと、熱エンボス処理する際にエンボスロールの凸
部の面積比が35%のものを用いたこと、両ロールの設
定温度を190℃としたこと、熱エンボス処理後にバイ
ンダー樹脂を付与したこと以外は、実施例1と同様にし
て目付110g/m2(バインダー付着量2.8質量
%)の成形タフテッドカーペット一次基布を得た。バイ
ンダー樹脂の付与は以下のように行った。
【0037】アクリル酸ブチルとアクリル酸エチルとを
主成分として、共重合したアクリル酸エステル系共重合
体が水中に乳化分散しているバインダー樹脂液を準備し
た。熱エンボス処理を施した長繊維不織布に、バインダ
ー樹脂液を含浸させて、乾燥および熱処理を行った。
【0038】実施例3 実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートと共重合
ポリエステル(融点220℃)とからなるサイドバイサ
イド型複合長繊維を準備し、この長繊維群を、開繊装置
で開繊させた後、移動する金網製捕集コンベア上に堆積
させて繊維ウェブ(目付110g/m2)を得た。次い
で、この繊維ウェブを、実施例1で用いた熱エンボス装
置において、両ロールの表面温度を170℃としたこと
以外は、同様に熱処理を施して、成形タフテッドカーペ
ット一次基布を得た。
【0039】実施例4 実施例1で用いたポリエチレンテレフタレートからなる
長繊維と、共重合ポリエステル(融点220℃)からな
る長繊維とを準備し、この長繊維群を(ポリエチレンテ
レフタレートからなる長繊維)/(共重合ポリエステル
からなる長繊維)=90/10(質量%)の割合の混繊
状態で、開繊装置で開繊させた後、移動する金網製捕集
コンベア上に堆積させて繊維ウェブ(目付110g/m
2)を得た。次いで、この繊維ウェブを、実施例1で用
いた熱エンボス装置において、両ロールの表面温度を1
95℃としたこと以外は、同様に熱処理を施して、成形
タフテッドカーペット一次基布を得た。
【0040】比較例1 実施例1において、熱エンボス処理する際に、両ロール
の設定温度を220℃としたこと以外は、実施例1と同
様にして目付110g/m2の比較例の一次基布を得
た。
【0041】比較例2 実施例1において、目付95g/m2の繊維ウエブとし
たこと、熱エンボス処理する際にエンボスロールの凸部
の面積比が35%のものを用いたこと、両ロールの設定
温度を190℃としたこと、熱エンボス処理後にバイン
ダー樹脂を付与したこと以外は、実施例1と同様にして
目付110g/m2(バインダー付着量15.8質量
%)の一次基布を得た。バインダー樹脂の付与は以下の
ように行った。
【0042】アクリル酸ブチルとアクリル酸エチルとを
主成分として、共重合したアクリル酸エステル系共重合
体が水中に乳化分散しているバインダー樹脂液を準備し
た。熱エンボス処理を施した長繊維不織布に、バインダ
ー樹脂液を含浸させて、乾燥および熱処理を行った。
【0043】実施例1〜4、比較例1〜2の長繊維不織
布からなる一次基布の引張強力および伸度を測定し、そ
の結果を表1に示した。また、以下の方法によりタフテ
ィングを行い、得られた生機の性能および成形性を評価
し、その結果を表1に示した。
【0044】(一次基布の引張強力、生機の引張強力、
伸度)幅5cmの短冊状試料片(10個)を準備し、定
速伸長型引張試験機(テンシロンUTM−4−1−10
0 株式会社東洋ボールドウイン製)を用い、つかみ間
隔10cm、引張速度20cm/分で、JIS L 1
906に記載に準じて測定する。この引張試験で描かれ
た荷重−伸張曲線において、最大荷重時(最大強力時)
の強力値を求め、試料片10個の平均値を引張強力とす
る。また、最大荷重時(最大強力時)の伸度を求め、試
料片10個の平均値を伸度とする。
【0045】(タフティング)タフト糸として捲縮嵩高
ナイロン糸(ユニチカファイバー株式会社製 品名18
90dtex−108(HQBA))を用意し、タフト
機(トランナー工業株式会社製 品名500mm,1/
10ゲージタフトマシーン)、を用いて、タフト条件1
/10ゲージ、10本/1インチ、ループパイルの高さ
6mmでタフティングを行った。
【0046】(成形性)図1に示した器具を用いて、以
下の方法で評価した。まず、生機から50cm×25c
mの大きさの試料4を10枚準備する。一方、円錐型で
先端が丸くなったピストン1(雄型)と、これに対応す
る円錐状の凹部(直径120mm,深さ80mm)を持
つ雌型2とよりなる金型を準備する。そして、各試料4
を枠3に固定し、この状態で150℃の熱風乾燥機で5
分間処理する。その後、枠3を雌型2上に固定し、この
状態でピストン1を雌型2の凹部に向けて加圧し成形を
行う。加圧した後、10秒間放置し、枠3と共に成形試
料5を金型から取り出す。成形試料5が冷えたことを確
認し、枠3から成形試料5を外す。この状態は図2に示
したとおりであり、この成形試料5の外観を目視で判断
して、次の3段階で評価する。 ○:基布が均等に伸び、きれいに型のついたもの △:基布は破れないが、均等に伸びず、先端が薄くなっ
たもの ×:基布が破れたもの そして、10枚の各試料についての平均的な結果を、基
布の成型性として評価した。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の成形タフテッドカーペット一次
基布は、構成繊維は接着により一体化しているものであ
るが、破断しにくく、特定の伸度を有しているため、タ
フト後に成形加工する際、十分な伸度を示して、金型に
追従しながら、成形破れやメワレなどといった成形不能
が生じにくいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】生機の成形性を評価する際に用いる器具の概略
図である。
【図2】成形性を評価する際に得られた成形試料を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 ピストン(雄型) 2 雌型 3 枠 4 試料 5 成形試料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる長繊維が集積して
    なる長繊維不織布であり、構成繊維同士は、熱接着およ
    び/またはバインダー樹脂による接着によって一体化し
    ており、該長繊維不織布のタテ方向の最大強力が49〜
    250N/5cm幅であり、該長繊維不織布の破断時の
    伸度がタテ方向、ヨコ方向ともに70%以上であること
    を特徴とする成形タフテッドカーペット一次基布。ここ
    で、破断時とは、不織布の引張試験を行った際に得られ
    る荷重−伸張曲線において、最大荷重(最大強力値)を
    示した後に、強力値が10N/5cm幅を示したときの
    伸度をいう。
  2. 【請求項2】 構成繊維同士の熱接着が、熱エンボス処
    理によるものであることを特徴とする請求項1記載の成
    形タフテッドカーペット一次基布。
  3. 【請求項3】 バインダー樹脂が、繊維質量に対して1
    0質量%以下の範囲で付着していることを特徴とする請
    求項1または2記載の成形タフテッドカーペット一次基
    布。
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