JP2003286490A - ゴムタイヤなどの乾留油化方法とそのシステム、及びゴムタイヤなどの乾留装置 - Google Patents

ゴムタイヤなどの乾留油化方法とそのシステム、及びゴムタイヤなどの乾留装置

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JP2003286490A
JP2003286490A JP2002090957A JP2002090957A JP2003286490A JP 2003286490 A JP2003286490 A JP 2003286490A JP 2002090957 A JP2002090957 A JP 2002090957A JP 2002090957 A JP2002090957 A JP 2002090957A JP 2003286490 A JP2003286490 A JP 2003286490A
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kettle
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Yutaka Abe
豊 阿部
Hiroyuki Matsubara
宏行 松原
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Coke Industry (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾留処理を能率的且つ効率的に行えるように
する。 【解決手段】 ゴムタイヤなどから乾留ガスを発生させ
該乾留ガスを冷却して油化させる際、被処理物を収容す
るものとした内釜22と、この内釜22を取外し可能に
内挿され外表面を燃焼熱で加熱されるものとした外釜9
とを備えると共に前記内釜22を前記外釜9に内挿され
るものを含めて2つ以上付属させた構成の乾留装置1を
形成して実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴムタイヤなどの乾留油
化方法とそのシステム、及びゴムタイヤなどの乾留装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムタイヤなどの被処理物を油又はガス
の燃焼熱で乾留ガスを発生させ、該乾留ガスを冷却装置
により冷却して凝縮させ、この凝縮により油化された液
体を回収するように処理する乾留油化方法は既に実施さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した在来のゴムタ
イヤなどの乾留油化処理では、ゴムタイヤなどを燃焼熱
で乾留ガスを発生させるための処理を能率的に行えない
ほか、ゴムタイヤなどから発生した乾留ガスを効率的に
油化させるのが難しいなどの問題がある。本発明は、斯
かる問題点を解決することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るゴムタイヤなどの乾留油化方法では、
請求項1に記載したように、ゴムタイヤなどの被処理物
から乾留ガスを発生させ該乾留ガスを冷却して油化させ
る際、内方に被処理物を密閉状に収容するものとした内
釜と、該内釜を厚さ数cmの空気層を介在させて取外し
可能に内挿され且つ外表面を燃焼熱で加熱されるものと
した外釜とを備えると共に、前記内釜を前記外釜に内挿
されるものを含めて2つ以上付属させた構成の乾留装置
を形成して実施するのである。
【0005】さらに詳細には請求項2に記載したよう
に、前記外釜の外表面を燃焼熱で連続的に加熱し、一方
では前記外釜に被処理物の収容された前記内釜を内挿
し、該内挿された内釜が燃焼熱で加熱されている期間中
に、別の前記内釜内に被処理物を収容し、前記内挿され
た内釜内の被処理物の乾留が終了したとき、該内挿され
た内釜を、既に被処理物の収容された前記別の内釜と交
換装着するように実施するのである。
【0006】この発明によれば、1つの前記内釜が前記
外釜内で加熱されてその内釜内の被処理物が乾留されて
いる期間中に、別の前記内釜内に被処理物を収容させる
ことができるため、単一の内釜を使用して被処理物を乾
留する場合に較べて被処理物の乾留処理能率が向上す
る。また前記外釜に内挿されている内釜を交換装着する
際、前記外釜が存在するため、この外釜の外表面を加熱
する燃媒体をなす燃焼ガスを消失させない状態でも、そ
の燃焼ガスは前記外釜箇所から立ち上がるものとならな
いのであり、従って燃焼ガスを消失させない状態でも、
前記外釜に内挿された前記内釜は別のものと容易に交換
装着されるものとなり、これにより乾留処理能率が向上
するほか、前記外釜に内挿された内釜の交換装着の度に
燃焼ガスの消失・発生を繰り返す場合に較べて燃焼熱の
効率的利用が可能となる。また前記外釜に内挿された内
釜はその外釜との間に空気層を形成された状態となって
いるため、その内釜の局部的な過熱が回避されるのであ
り、従ってその内釜内の被処理物は比較的一様に加熱さ
れ効率的に乾留されるようになる。
【0007】また本発明に係るゴムタイヤなどの乾留油
化システムでは、請求項3に記載したように、内方に被
処理物を密閉状に収容するものとした内釜と、該内釜を
厚さ数cmの空気層を介在させて取外し可能に内挿され
且つ外表面を燃焼熱で加熱されるものとした外釜とを備
えると共に、前記内釜を前記外釜に内挿されるものを含
めて2つ以上付属させた構成の乾留装置と、該乾留釜装
置で生成された乾留ガスを比較的高い冷却温度まで冷却
して凝縮させるものとした比較的大きな凝縮処理能力の
一次冷却装置と、該一次冷却装置で凝縮されなかった乾
留ガスを前記一次冷却装置の冷却温度よりも低い温度で
ある比較的低い冷却温度まで冷却して凝縮させるものと
した比較的小さな凝縮処理能力の二次冷却装置と、これ
ら一次冷却装置及び前記二次冷却装置にて前記凝縮によ
り油化された液体を回収するものとした油回収装置とを
備えた構成となす。この際、請求項4に記載したよう
に、前記比較的高い冷却温度は凡そ20℃〜45℃程度
となし、また前記比較的低い冷却温度は凡そ0℃〜20
℃程度となす。
【0008】これによれば、請求項1記載の発明に準じ
た作用がえられるほかに次のような作用が得られるので
あって、即ち、前記一次冷却装置が前記内釜内で発生し
た乾留ガスを大量且つ迅速に油化させるものとなり、ま
た前記二次冷却装置が一次冷却装置で油化されなかった
乾留ガスのみをさらに低い冷却温度まで迅速且つ効率的
に冷却して凝縮成分を効果的に油化させるものとなる。
【0009】また本発明に係るゴムタイヤなどの乾留装
置では、請求項5に記載したように、内方に被処理物を
密閉状に収容するものとした内釜と、該内釜を厚さ数c
mの空気層を介在させて取外し可能に内挿され且つ外表
面を燃焼熱で加熱されるものとした外釜とを備えると共
に、前記内釜を前記外釜に内挿されるものを含めて2つ
以上付属させた乾留装置であって、前記燃焼熱を発生さ
せるための燃焼室を前記外釜の下側に設けると共に、該
燃焼室の上面壁を複数の煙道孔の形成されたものとな
し、さらに該煙道孔を通過した燃焼ガスを外釜の外表面
に接触させるための煙道用筒状空間を形成した構成とな
す。
【0010】この発明によれば、請求項1に記載した発
明と同様の作用が得られるほかに次のような作用が得ら
れるのであって、即ち、前記燃焼室の上面壁が存在する
ため、燃焼室内の燃焼炎が前記外釜の外表面に直接に接
触して前記外釜の一部を極度に過熱する現象が抑制され
るのであり、従って前記外釜は比較的一様に加熱され、
被処理物が効率的に乾留されるものとなる。
【0011】この発明は次のように具体化するのがよい
のであって、即ち、請求項6に記載したように、前記内
釜が底面部及び周面部からなる収容部と、該収容部の上
面開口を密閉状に覆い乾留ガスの出口を形成されてなる
蓋体とを備え、且つ、前記収容部の底面部の凡そ数十c
m以上に離れた高さ箇所に被処理物を支持するための網
状床面部を設けると共に、前記蓋体又は前記収容部の内
方空間内でしかも被処理物の収容される範囲よりも上方
となる高さ箇所に被処理物を覆った状態で脱着可能に装
着されるものとした網状覆い体を設けた構成となす。
【0012】この発明では、被処理物は前記網状床面部
上に収容されるものとなる。従って、前記内釜の底面部
がたとえその周面部に較べて高温に加熱されても、その
底面部の熱が直ちに被処理物に伝達されることは回避さ
れるため、被収容物の比較的一様な加熱が一層確実に行
われるようになる。また前記網状覆い体は被処理物から
発生する乾留ガスに含まれるタール成分に接触してその
タール成分をその網線の外表面に付着させるように作用
する。そして、そのタール成分の付着した前記網状覆い
体は必要に応じて前記内釜から取り外されて、それに付
着したタールを便利に洗浄除去される。また前記網状覆
い体は前記内釜に被処理物を収容するときにも内釜から
取り外されて、その収容の障害をなさないものとなる。
【0013】
【実施の形態】図1は本発明に係る乾留油化システムの
全体図、図2は前記システムの乾留装置を示す断面図、
図3は図2のx−x部を示す断面図、図4は前記乾留装
置の内釜内に装着される網状支持体を示しAは平面図で
Bは一部拡大平面図、図5は前記システムの冷却装置を
示す側面図、図6は前記冷却装置の一次冷却装置の下側
冷却筒部を示す平面図、図7は前記冷却装置に係りAは
一次冷却装置の上側冷却筒部の平面図でBは二次冷却装
置の冷却筒部の上面開口を開放した状態の平面図であ
る。
【0014】図1において、1はゴムタイヤなどの高分
子系プラスチック類を加熱して乾留するものとした乾留
装置、2は前記乾留装置1から送られた乾留ガスを冷却
して油化させるものとした冷却装置、3は前記冷却装置
2で油化された液体を回収するものとした油回収装置、
4は前記冷却装置2で油化されなかった乾留ガスを燃焼
させるものとしたガス燃焼装置、5は冷却水を蓄えるた
めの水タンク、そして6は前記乾留装置1及び前記ガス
燃焼装置4に供給される燃料(A重油)を蓄えるための
燃料タンクである。
【0015】先ず前記乾留装置1について図1、図2及
び図3を参照して説明する。床面に起立状に設置される
円筒状の本体部1aを備えており、この本体部1aは下
部に燃焼室7を形成されると共に、この燃焼室7の上側
となる円筒部8の内方に、底面部9a及び周面部9bを
具備した金属製の外釜9を前記円筒部8と同心状に固定
されている。
【0016】前記燃焼室7は図2に示すように、底面金
属板部10及び周面金属板部11を備えると共にこれら
底面金属板部10及び周面金属板部11のそれぞれの内
面は耐火材10a、11aで被覆されるほか、上面壁部
12を耐火材で形成されたものとなされている。前記周
面金属板部11の特定箇所には焚き口13が形成されて
おり、また上面壁部12は凡そ150〜350mm程度
の厚さとなされると共に直径50〜100mm程度の縦
向き煙道孔15を数個から数十個程度(図示例では5
個)形成されている。そして、前記焚き口13には重油
バーナー14が取り付けてあり、この重油バーナー14
は前記燃料タンク6から燃料を供給されるものとなされ
ている。
【0017】前記円筒部8は図2に示すように、周面金
属板部15と環状上面金属板部16とを備えると共に周
面金属板部15の内面を耐火材15aで被覆し、また周
面金属板部15の上部特定箇所に横向き煙道部17を突
出状に形成したものとなされており、また横向き煙道部
17の上面壁部に突設され当該横向き煙道部17内の空
間と連通された煙排出口17aからは煙突18が上向き
に延出されている。そして、周面金属板部15の内面を
被覆した耐火材15aと外釜9の周面部との間には半径
方向の巾を数cmとなされた煙道用環状空間19が形成
されており、この煙道用環状空間19は、燃焼室7内で
生成され煙道孔15を通じて当該煙道用環状空間19の
下部に流入した燃焼ガスが当該煙道用環状空間19を経
て横向き煙道部17内に流出するまでの期間、外釜9の
外表面に接してこれを直接に加熱するように作用し得る
構成となしてある。
【0018】前記外釜9を前記円筒部1aに固定するた
めの構造について説明すると、図2に示すように、外釜
9の上縁に形成された鍔部9cを環状上面金属板部16
に載置すると共にこれら鍔部9cと環状上面金属板部1
6とを図示しないボルトなどで結合したものとなされて
いる。
【0019】また図2に示すように、前記外釜9の内方
には底面部20a及び周面部20bからなる収容部20
と蓋体21とを具備した内釜22が外釜9と同心状且つ
取外し可能に内挿してある。この際、外釜9の内面と内
釜22の収容部20外面との間には内釜22の半径方向
厚さを数cm(例えば30mm)程度となされた空気層
23が形成されている。この内釜22は前記外釜9に実
装されるものを含めて同じものを2つ以上形成してお
く。
【0020】前記収容部20の上部には外釜9の鍔部9
cの上面に載置される鍔部20cを有すると共にこの鍔
部20cの近傍には内釜22を外釜9の中心位置に内挿
する際に求心作用を奏する係合部材24を設けるのがよ
いのであり、この係合部材24は外釜9の上面開口内に
嵌入されることにより内釜22が格別な位置合わせ調整
処理を要することなく外釜9の中心位置に位置される構
成となしてある。
【0021】前記収容部20の内周面で当該収容部20
の底面部20aから凡そ30〜60cm程度の高さ箇所
に、被処理物を載置するための網状床面部25を係止す
るものとした受け部材26を固着している。この際、網
状床面部25は図4Aに示すように受け部材26に支持
される円形枠体27と、この円形枠体27に並設された
複数の支持棒28と、これら支持棒28の上面に張着さ
れた金属製の網状体29とで形成される。この網状体2
9は市販のエキスパンドメタルでよいのであり、このエ
キスパンドメタルの単位菱形目の長さa(図4B参照)
は凡そ10〜30mm程度となす。
【0022】また前記内釜22の内方空間内で被処理物
の収容される範囲(一点鎖線で囲まれた範囲)bよりも
上方となる高さ箇所には被処理物を覆った状態で脱着可
能に装着される網状覆い体30を設けるのであって、図
示例では収容部20の周面部20bの上端箇所に受け部
材31を固着し、この受け部材31に網状覆い体30を
支持させている。この際、網状覆い体30は前記網状床
面部25に準じた構造となされる。
【0023】前記蓋体21は逆向き椀状となされると共
に円形状下端面21aを収容部20の鍔部20c上面に
載置され、締結具32を介することにより、円形状下端
縁21aと前記収容部20の鍔部20cとを密状に圧接
させたり或いはこの圧接を解除して蓋体21を収容部2
0から分離させることを可能とした構成となしてある。
そして蓋体21の天頂箇所に収容部20内で発生した乾
留ガスを内釜22内から流出させるための出口21aを
設け、この出口21aからガス流出管部材33を延出さ
せると共に、このガス流出管部材33の外方端に逆止弁
34を結合している。
【0024】このような構成となされた乾留装置1の使
用例及び作用について説明すると、内釜22に被処理物
を収容する際は、外釜9内から取り出した状態で収容部
20から蓋体21を取り外し、次に収容部20内の網状
覆い体30を取り出して、被処理物を網状床面部25上
に載置するように収容し、その後、網状覆い体30及び
蓋体21を元に戻すと共に締結具32でその蓋体21を
閉鎖状態に締結する。この後、被処理物の収容された内
釜22を外釜9の内方に図1及び図2に示すように挿入
し、収容部20の鍔部20cを外釜9の鍔部9c上に載
置する。
【0025】この状態となされた内釜22内の被処理物
を加熱する際は、重油バーナー14を作動状態とする。
これにより燃料タンク6内の燃料が重油バーナー14に
供給され、重油バーナー14はこの燃料を燃焼室7内に
噴出して燃焼させる。燃焼室7内には燃料が燃焼するこ
とによる火炎cが生成されるが、燃焼室7の上面壁12
が存在するため、この火炎cは直接には燃焼室7上側の
円筒部15内には立ち上がらず、複数の煙道孔15を通
じてその一部が到達するのみとなって、外釜9の底面部
9aの局部的な過熱は抑制される。そして燃焼室7内で
生成された高温の燃焼ガスは複数の煙道孔15を通じて
円筒部15内に大量に流入し、この流入した燃焼ガスが
煙道用環状空間19内を横向き煙道部17内に向け流動
し、この流動過程で外釜9の外表面に接してこれを加熱
する。従って外釜9の底面部9a及び周面部9bは比較
的均等に加熱される。
【0026】外釜9に付与された燃焼ガスの熱は厚さ数
cmの空気層23を経て内釜22に伝達されるのであ
り、従って内釜22はその収容部20の底面部20a及
び周面部20bを一層均等に加熱される傾向となる。こ
のような内釜22の加熱によりこの内釜22内の温度は
漸次に上昇し、やがて被処理物からガスが発生して内釜
22内の空気をガス流出管部材33及び逆止弁34を通
じて外方へ追い出し、その後は被処理物が無酸素状態の
下で加熱され、この被処理物から被乾留ガスが発生する
ようになる。
【0027】次に冷却装置2について図1及び、図5〜
図7を参照して説明する。前記乾留装置1で生成された
乾留ガスを比較的高い冷却温度まで冷却して凝縮させる
ものとした比較的大きな凝縮処理能力の一次冷却装置3
5と、この一次冷却装置35で凝縮しなかった乾留ガス
を一次冷却装置35の冷却温度よりも低い温度である比
較的低い冷却温度まで冷却して凝縮させるものとした比
較的小さい凝縮処理能力の二次冷却装置36とを備えて
いる。
【0028】一次冷却装置35は図5に示すように受け
皿部37、下側冷却筒部38、上側冷却筒部39の3部
分からなり、これら3つの部分の外周面を円筒部材37
a、37b、37cで形成されると共にこれら円筒部材
37a、38a、39aを上下方向に接続されるほか、
受け皿部37の下面部37bと、上側冷却筒部39の上
面部39bとを板部材で密閉状に閉鎖されたものとなさ
れている。
【0029】受け皿部37は内方空間である液溜まり部
37cと、この液溜まり部37cから液を取り出すため
の液出口37dと、一次冷却装置35の内部洗浄時など
に使用される下側張出し管部37eとで形成されてお
り、また下側冷却筒部38はガス流入空間部38bとこ
の空間部38bの下側に位置した下側水冷管部38cと
を備えている。ここに、ガス流入空間部38bはこれの
内方にガスを流入させるためのガス入口38dを形成さ
れたものとなしてあり、また下側水冷管部38cは円筒
部材38a内の上下2箇所に仕切壁部40、41を設け
てこれら仕切壁部40、41間を水密状の空間となすと
共にこれら仕切壁部40、41間に多数からなる縦向き
の冷却管部材42を適当に離間させて橋渡し状に固着
し、これら冷却管部材42の外周面側の空間内を冷却水
側空間43となし、この冷却水側空間43の下部に冷却
水入口44を設けると共に上部に冷却水出口45を設
け、各冷却管部材42の下端を受け皿部37の液溜まり
空間37cに開口させると共に上端をガス流入空間部3
8b内に開口させたものとなしてある。
【0030】また上側冷却筒部39は上側水冷管部39
cとこれの上側に位置したガス流出空間部39dとを備
えている。ここに、上側水冷管部39cは円筒部材39
a内の上下2箇所に仕切壁部46、47を設けてこれら
仕切壁部46、47間を水密状の空間となすと共に上下
の仕切壁部46、47間に多数からなる比較的長い縦向
きの冷却管部材48を適当に離間させて橋渡し状に固着
し、これら冷却管部材48の外周面側の空間を冷却水側
空間49となし、この冷却水側空間49の下部に冷却水
入口50を設けると共に上部に冷却水出口51を設け、
各冷却管部材48の下端を前記下側冷却筒部38のガス
流入空間部38b内に開口させると共に上端をガス流出
空間部39d内に開口させたものとなしてあり、またガ
ス流出管部39dはこれの内方からガスを流出させるた
めのガス出口39eを設けたものとなしてある。
【0031】二次冷却装置36は、比較的細長い冷却筒
部52とこれの下端に結合された受け皿部53からな
り、冷却筒部52の外周面を円筒部材52aで形成され
ると共にこの円筒部材52aと受け皿部53の円形状上
端面とを接続されるほか、冷却筒部52の上面開口を板
部材52bで密閉状に閉鎖されたものとなされている。
そして、冷却筒部52はガス流入空間部52cとこの空
間52cの下側に位置した水冷管部52dとこの水冷管
部52dの下側に位置したガス流出空間部52eとで形
成されており、受け皿部53はこれの内方空間である液
溜まり部53aとこの液溜まり部53aから液を流出さ
せるための液出口53bと二次冷却装置36の内部洗浄
時に使用される下側張出し管部53cとで形成されてい
る。
【0032】ここに、ガス流入空間部52cはこれの内
方にガスを流入させるためのガス入口52fを設けたも
のとなしてあり、また水冷管部52dは円筒部材52a
内の上下2箇所に仕切壁部54、55を設けてこれら仕
切壁部54、55間を水密状の空間となすと共にこれら
仕切壁部54、55間に多数からなる縦向きの冷却管部
材56を適当に離間させて橋渡し状に固着し、これら冷
却管部材56の外周面側の空間を冷却水側空間57とな
し、この冷却水側空間57の下部に冷却水入口58を設
けると共に上部に冷却水出口59を設け、各冷却管部材
56の上端をガス流入空間部52c内に開口させると共
に下端をガス流出空間部52e内に開口させたものとな
してあり、またガス流出空間部52eにはこれの内方か
らガスを流出させるためのガス出口52gを設けたもの
となしてある。
【0033】これら一次冷却装置35及び二次冷却装置
36で冷却される乾留ガスの流動経路について説明する
と、図1及び図5に示すように、乾留装置1の逆止弁3
4から流出した乾留ガスが、ガス通路管60、中間仕切
弁61及びガス通路管62を通じて一次冷却装置35の
ガス入口38dからガス流入空間部38b内に流入し、
次に上側冷却筒部39の冷却管部材48の内方を上方に
流動してガス流出空間部39dを経てガス出口39eか
ら流出し、次に二次冷却装置36のガス入口52fを通
じてガス流入空間部52c内に流入し、続いて冷却管部
材56の内方を下方へ流動してガス流出空間部52e内
に達し、ここからガス出口52gを通じて他所へ流出す
るように構成してある。この際、一次冷却装置35のガ
ス流入空間部38b内に流入した乾留ガスの極めて少な
い量がその下側の冷却管部材42の内方を下方へ流動す
るものとなる。
【0034】さらに一次冷却装置35及び二次冷却装置
36を冷却するための水循環手段について説明すると、
図1及び図5に示すように、水タンク5内の水を止弁6
3を経て送り出すものとした冷却水移送ポンプ64を設
け、この移送ポンプ64から止弁65を経て一次冷却装
置35の下側冷却筒部38の冷却水入口44に、そして
止弁66を経て二次冷却装置36の冷却筒部52の冷却
水入口58に水を供給するようになしてあり、前者の冷
却水入口44に供給された水は冷却水側空間43を経て
冷却水出口45から流出し、次に冷却水通路67を通じ
て上側冷却筒部39の冷却水入口50に達した後、冷却
水側空間49を経て冷却水出口51から流出し、この
後、止弁68を経て水タンク5内に戻るように流動し、
また後者の冷却水入口58に供給された水は冷却水側空
間57を経て冷却水出口59から流出し、この後、止弁
69を経て水タンク5内に戻るように流動するようにな
してある。
【0035】このように構成した一次冷却装置35と二
次冷却装置36の使用例及び作用について説明すると、
中間仕切弁61を開放状態にして、乾留装置1の逆止弁
34から流出した乾留ガスをその流動経路に流入させる
と共に、冷却水移送ポンプ64を作動させて水タンク5
内の水を上記水循環手段を介して一次冷却装置35及び
二次冷却装置36に循環させる。これにより、乾留ガス
は一次冷却装置35の上側冷却筒部39の冷却管部材4
8の内方を流動する過程でこの冷却管部材48の外方を
流れる水により多量の熱を奪われてその凝縮成分の多く
が凝縮されて油化される。このように油化された液体は
各冷却管部材48の内方を降下し、続いてガス流入空間
部38b内を経て下側冷却筒部38の冷却管部材42の
内方を下方へ流動し、この流動中にこの冷却管部材42
の外方を流れる水によりさらに冷却され比較的低温の完
全な液体となされた後、受け皿部37の液溜まり部37
c内に落下して受け止められ、次にその液出口37dか
ら他所へ流出される。
【0036】一方、上側冷却筒部39の冷却管部材48
の内方で凝縮されなかった乾留ガスは二次冷却装置36
の冷却管部材56の内方に達して下方へ流動する過程
で、この冷却管部材56の外方を流れる水により熱を奪
われて一次冷却装置35による冷却温度よりもさらに低
い冷却温度まで冷却されるのであり、これにより乾留ガ
ス中の未凝縮分が凝縮され油化される。このように油化
された液体は冷却管部材56の内方を降下し受け皿部5
3の液溜まり部53a内に落下して受け止められ、次に
その液出口53bから他所へ流出される。
【0037】このような冷却油化処理において一次冷却
装置35及び二次冷却装置36の乾留ガスの冷却温度を
調整するには、それぞれの対応する止弁65、66或い
は止弁68、69の開度を調整する。
【0038】なお、一次冷却装置35及び二次冷却装置
36の冷却温度の調整を厳密に行いたいときは、一次冷
却装置35のガス流出空間部39d内と二次冷却装置3
6のガス流出空間部52e内の温度を検出し、この検出
情報に関連して止弁65、66或いは止弁68、69の
開度を変化させるものとした自動温度制御装置を設ける
ようになす。
【0039】次に油回収装置2について説明する。図1
に示すように、前記一次冷却装置35の液溜まり部37
cの液出口37d及び、前記二次冷却装置36の液溜ま
り部53aの液出口53bから流出した液体が移送管7
0、71を通じて流入するものとした油水分離タンク7
2と、この油水分離タンク72内の油を吸引して他所へ
送り出すための油移送ポンプ73と、この油移送ポンプ
73で送り出された油を供給される濾過器74と、この
濾過器74で濾過された油を吸引して他所へ送り出すた
めの濾過油移送ポンプ75と、この濾過油移送ポンプ7
5で送り出された濾過油を供給されるものとした精油タ
ンク76とを備えている。
【0040】前記油水分離タンク72は箱状容器の内方
を仕切板77で2区画に仕切り、一方の区画d1に液出
口37d、53bから流出した油を流入させ、この区画
d1で油を比重差により浮上させ、続いてその油を仕切
板77上縁を溢流させて、他方の区画d2内に流入さ
せ、この区画d2内に溜まった油が油移送ポンプ73に
吸引されるように構成している。
【0041】また前記濾過器74は円筒容器の内方に濾
過材を充填し、この濾過材の上端側に油移送ポンプ73
から送り出された油を供給し、この油が前記濾過材を通
過する過程で不純物を除去され、やがて前記濾過材の下
側側に到達する構成としている。
【0042】次にガス燃焼装置2について説明する。図
1に示すように、前記二次冷却装置36のガス出口52
gから流出した乾留ガスを送り込まれる逆火防止器78
と、この逆火防止器78から流出した乾留ガスを燃焼さ
せるものとしたガス燃焼炉79とを備えている。
【0043】前記逆火防止器78は密閉状容器を備える
と共に、この容器内に水を溜めておき、前記ガス出口5
2gからの乾留ガスをその水の中に流出させるためのガ
ス流入管e1を設け、一方ではその水の上側空間内の乾
留ガスを外方へ流出させるためのガス流出口e2を設け
た構成としている。
【0044】前記ガス燃焼炉79は燃焼室80と、この
燃焼室80内で乾留ガスを燃焼させるための重油バーナ
ー81と、前記燃焼室80内で発生した燃焼ガスを大気
に放散させるための煙突82と、前記燃焼室80及び前
記煙突82の外表面に沿って冷却水を流動させるための
冷却被覆筒83とを備えた構成としている。そして、前
記ガス流出口e2と、前記燃焼室80に設けられた乾留
ガス流入口f1とはガス移送管84、中間仕切弁85及
びガス移送管86を介して連通させてある。
【0045】また前記冷却被覆筒83内に水を循環させ
るための水循環手段について説明すると、図1に示すよ
うに、止弁87を通じて前記水タンク5内の水を冷却水
移送ポンプ88で吸引して冷却被覆筒83下部に設けら
れた水入口89に送り出し、この水入口89から冷却被
覆筒83内に流入した水が燃焼室80の外表面に沿って
上方へ流動し、冷却被覆筒83上部に設けられた水出口
90を通じて流出した後、水タンク5内に戻るようにな
してある。なお、水タンク5には凡そ10トン程度の水
を収容させており、この水を冷却するための格別の装置
は設けてないが、必要であれば設けることも差し支えな
い。
【0046】このように構成したガス燃焼装置4の使用
例及び作用について図1及び図5を参照して説明する
と、中間仕切弁85を開放することにより、前記二次冷
却装置36のガス出口52gから流出した乾留ガスがガ
ス流入管e1を通じて水中に流出し、続いて逆火防止器
78内の水中を浮上してその水面上の空間内に達し、こ
こからガス流出口e2を通じて、ガス移送管84、86
及び中間仕切弁85内を移送され、続いて燃焼室80の
ガス入口f1を通じて燃焼室80内に流入する。
【0047】一方では、燃料タンク6内の燃料が重油バ
ーナー81に供給され、この重油バーナー81によって
燃焼室80内に噴出され燃焼される。この燃焼による高
温の火炎により、ガス入口f1から吹き込まれた乾留ガ
スが燃焼されて無害の燃焼ガスとなされる。この燃焼ガ
スは煙突82から大気に放散される。
【0048】また燃焼室80内で発生する燃焼熱によ
り、燃焼室80や煙突82の周壁部が加熱されるが、冷
却水移送ポンプ88により冷却被覆筒83内を循環され
ている水が燃焼室80や煙突82の周壁部から熱を奪う
ため、これら燃焼室80や煙突82の周壁部は過度に加
熱されることはない。
【0049】本実施例に係る乾留油化システムは上記の
とおりであるが、次にこの乾留油化システムで自動車な
どに使用されるゴムタイヤの使用済み品(廃タイヤ)を
処理する場合の好ましい使用例及び作用について説明す
る。
【0050】図8に示すように、内釜22の収容部20
の鍔部20cを支持するためのリング状部材91aと、
このリング状部材91aを特定高さ位置に保持するため
の脚部材91bとこれら脚部材91b間を結合するため
の補強材91cなどで形成された起立保持具91を床面
に設置しておき、この起立保持具91のリング状部材9
1aの内方に内釜22の収容部20の周面部20bを挿
入し、この収容部20の鍔部20cをリング状部材91
aに支持させることにより内釜22を床面上で起立状に
保持させる。そして、このように保持された内釜22の
内方に適宜なプレス機で圧縮した後の廃タイヤを収容さ
せる。この際、一つの内釜22内に収容する廃タイヤの
数は例えば凡そ100個程度となし、またその廃タイヤ
の総重量は凡そ1000kg程度となす。
【0051】次に廃タイヤの収容された内釜22をクレ
ーンで吊り上げて図1及び図2に示すように外釜9の内
方に挿入すると共に重油バーナー14を燃焼作動させて
燃焼室7内に重油の燃焼炎cを生成させる。そして、こ
の燃焼炎cによる燃焼熱で内釜22内を凡そ400℃以
上の高温状態とする。これにより廃タイヤは熱分解して
タール成分を含む乾留ガスを発生し、この乾留ガスがガ
ス流出管33へ向けて流出するとき、そのタール成分が
網状覆い体30の網線に接触し付着することにより乾留
ガスから除去される。このタール成分の除去によりその
後の乾留ガス通路はタール成分による汚染を抑制される
のである。
【0052】ガス流出管33から流出した乾留ガスは図
5に示す一次冷却装置35のガス流入空間部38b内に
到達して凡そ45℃程度となり、この後、上側冷却筒部
39の冷却管部材48の内方を通過する過程で冷却され
てガス流出空間部39c内にて凡そ20〜30℃程度と
なる。この冷却により乾留ガスの凝縮成分は多くの熱を
奪われて能率的に油化されて降下し、この降下により下
側冷却筒部38の冷却管部材42の内方においても冷却
されてA重油に近似した液体となって一次冷却装置35
の液溜まり部37cに溜まり、その後、油回収装置3の
油水分離タンク72内に流入する。
【0053】一次冷却装置35で油化されなかった乾留
ガスは図5に示す二次冷却装置36の冷却管部材56の
内方を通過中に数度〜20℃程度まで冷却されるのであ
り、この冷却により乾留ガスに残留している凝縮性成分
が油化されて降下し、ここでもA重油に近似した液体と
なって二次冷却装置36の液溜まり部53aに溜まり、
その後、油回収装置3の油水分離タンク72内に流入す
る。
【0054】上記のように2つの液溜まり部37c、5
3aから油水分離タンク72に流入した液体はこの油水
分離タンク72で水分を除去され濾過器74で不純物を
除去された後、精油タンク76内に蓄積される。この精
油タンク76内に蓄積された液体はA重油として広く使
用されるものである。一方、二次冷却装置36のガス出
口52gから流出した乾留ガスは図1に示すガス燃焼装
置4により燃焼させて無害化した後、大気に放散され
る。
【0055】ところで、乾留装置1に実装された内釜2
2は重油バーナー14による燃焼炎で凡そ3時間程度連
続的に加熱されることにより、それに収容された廃タイ
ヤの乾留が終了する。この実装された内釜22の加熱中
には別に用意されている内釜22を起立保持具91に支
持させてこれの内方に先と同様に廃タイヤを収容するの
である。これにより、内釜22による廃タイヤの加熱処
理と、内釜22への廃タイヤの収容処理とが同時並行的
に行われるため、乾留処理の能率化が図られるのであ
る。
【0056】廃タイヤの乾留処理の終了した内釜22は
重油バーナー14による燃焼炎を消失させない状態の下
で外釜9内からクレーンで取り出して起立保持具91に
支持させ、代わりに、既に廃タイヤの収容された別の内
釜22を外釜9の内方に挿入するのである。この際、重
油バーナー14による燃焼炎は、外釜9の存在により、
乾留装置1の円筒部8の真上に立ち上がるものとならな
いのであり、従って内釜22の取出し挿入が支障なく行
えるようになる。また重油バーナー14による燃焼炎を
消失させないことは、その燃焼炎を消失させる場合に較
べて、内釜22の加熱能率を向上させると共に乾留ガス
の生成能率を向上させるものとなる。
【0057】内方に収容された廃タイヤの乾留が終了し
て外釜9から取り出された直後の内釜22は、その後、
凡そ8時間程度空気中に放置して自然冷却させる。そし
て、それが十分に冷却した後、蓋体21を開放して収容
部20内の網状覆い体30を取り出すと共に廃タイヤの
乾留により残留したゴム炭や金属線を取り出すほか、必
要に応じて網状覆い体30に付着したタールを除去した
り収容部20内の掃除を行う。このように処理された後
の内釜22は必要に応じその後の廃タイヤの収容に使用
される。なお、内釜22内から取り出されたもののう
ち、ゴム炭は活性炭の原料として使用され、金属線は屑
鉄として回収され再利用される。
【0058】上記した使用例においては一つの内釜22
は、これの加熱に要する3時間と、これの冷却に要する
8時間とを加えた11時間が経過した後でなければ、次
の廃タイヤの収容に使用することができないのであり、
従って一つの乾留装置1により無駄のない乾留処理を実
施するためには内釜22は実装されるものを含めて3個
或いは4個程度形成しておく必要がある。
【0059】上記実施例は次のように変形することがで
きる。 (1) 乾留装置1の重油バーナー14に、精油タンク
76内に蓄積された油をも供給するようになす。これに
より、市販の重油の消費を減少させることができる。
【0060】(2) 乾留装置1に重油バーナー14の
ほかにガスバーナーを設けるか或いは重油バーナーを設
けないでガスバーナーのみを設けておき、そのガスバー
ナーに二次冷却装置36のガス出口52gから流出する
乾留ガスを供給可能となして、燃焼室7内にてこのガス
バーナーによる乾留ガスの燃焼炎を生成させ得るように
する。なお、ガスバーナーのみを設ける場合は市販のガ
スをこのガスバーナーに供給し得るようになすことが必
要となる。
【0061】
【発明の効果】以上のように構成した本発明によれば、
次のような効果が得られる。即ち、請求項1又は2記載
のものによれば、1つの内釜22が外釜9内で加熱され
てその内釜22内の被処理物が乾留されている期間中
に、別の内釜22内に被処理物を収容することができる
ため、単一の内釜22を使用して被処理物を乾留する場
合に較べて、内釜22の入替を迅速に行うことができ、
被処理物の乾留処理能率を向上させることができる。ま
た外釜9内の内釜22を交換装着する際、外釜9が存在
するためこれの外表面を加熱する燃焼ガスを遮断しない
でも、内釜22を容易に交換装着することができるので
あり、この点でも、乾留処理能率を向上させることがで
き、しかも内釜22の交換装着の度に燃焼ガスの消失・
流通を繰り返す場合に較べて、熱の効率的利用を図るこ
とができる。また外釜9に内挿された内釜22は外釜と
の間に空気層を形成された状態となっているため、内釜
22内の被処理物を比較的一様に加熱し効率的に乾留す
ることができる。
【0062】請求項3記載のものによれば、請求項1記
載の発明に準じた効果がえられるほかに次のような効果
が得られるのであって、即ち、一次冷却装置35により
内釜22内で発生した乾留ガスを大量且つ迅速に油化さ
せることができ、また二次冷却装置36により一次冷却
装置35で油化されなかった乾留ガスのみをさらに低い
冷却温度まで効率的に冷却して凝縮成分を効果的に油化
させることができる。
【0063】請求項4記載のものによれば、廃タイヤか
ら発生させた乾留ガスを凝縮させて油化させる処理を能
率的且つ効率的に行わせることができる。
【0064】請求項5記載のものによれば、請求項1に
記載した効果が得られるほかに次のような効果が得られ
るのであって、即ち、燃焼室7の上面壁12の存在によ
り、燃焼室7内の燃焼炎が外釜9の外表面に直接に接触
して外釜9の一部を極度に過熱する現象を抑制すること
ができ、これにより被処理物を一様に加熱して効率的に
乾留することができる。
【0065】請求項6記載のものによれば、内釜22の
収容部20の底面部20aがその周面部20bに較べて
高温に加熱されても、その底面部20aの熱が直ちに被
処理物に伝達されるのを回避することができ、これによ
り被収容物の一様な加熱を一層確実に行わせることがで
きる。また網状覆い体30により乾留ガスに含まれるタ
ール成分を除去することができ、また網状覆い体30を
内釜22から取り出すことにより、それに付着したター
ルを容易に除去できると共に網状覆い体30が内釜22
内への被処理物の収容に対して障害となるのを回避する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾留油化システムの全体図であ
る。
【図2】前記システムの乾留装置を示す断面図である。
【図3】図2のx−x部を示す断面図である。
【図4】前記乾留装置の内釜内に装着される網状支持体
を示しAは平面図でBは一部拡大平面図である。
【図5】前記システムの冷却装置を示す側面図である。
【図6】前記冷却装置の一次冷却装置の下側冷却筒部を
示す平面図である。
【図7】前記冷却装置の一部を示しAは一次冷却装置の
上側冷却筒部の平面図でBは二次冷却装置の冷却筒部の
上面開口を開放した状態の平面図である。
【図8】前記乾留装置の内釜を取り出して起立保持具に
支持させた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 乾留装置 2 冷却装置 3 油回収装置 7 燃焼室 9 外釜 12 上面壁 15 煙道孔 19 煙道用筒状空間 20 収容部 20a 底面部 20b 周面部 21 蓋体 21a 出口 22 内釜 23 空気層 25 網状床面部 30 網状覆い体 35 一次冷却装置 36 二次冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F301 AA03 CA10 CA26 CA41 CA53 CA72 4H012 HB02 HB09 4H029 CA01 CA12 CA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムタイヤなどの被処理物から乾留ガス
    を発生させ該乾留ガスを冷却して油化させる際、内方に
    被処理物を密閉状に収容するものとした内釜と、該内釜
    を厚さ数cmの空気層を介在させて取外し可能に内挿さ
    れ且つ外表面を燃焼熱で加熱されるものとした外釜とを
    備えると共に、前記内釜を前記外釜に内挿されるものを
    含めて2つ以上付属させた構成の乾留装置を形成して実
    施することを特徴とするゴムタイヤなどの乾留油化方
    法。
  2. 【請求項2】 ゴムタイヤなどの被処理物から乾留ガス
    を発生させ該乾留ガスを冷却して油化させる際、内方に
    被処理物を密閉状に収容するものとした内釜と、該内釜
    を厚さ数cmの空気層を介在させて取外し可能に内挿さ
    れ且つ外表面を燃焼熱で加熱されるものとした外釜とを
    備えると共に、前記内釜を前記外釜に内挿されるものを
    含めて2つ以上付属させた構成の乾留装置を形成し、前
    記外釜の外表面を燃焼熱で連続的に加熱し、一方では前
    記外釜に被処理物の収容された前記内釜を内挿し、該内
    挿された内釜が燃焼熱で加熱されている期間中に、別の
    前記内釜内に被処理物を収容し、前記内挿された内釜内
    の被処理物の乾留が終了したとき、該内挿された内釜
    を、既に被処理物の収容された前記別の内釜と交換装着
    するように実施することを特徴とするゴムタイヤなどの
    乾留油化方法。
  3. 【請求項3】 内方に被処理物を密閉状に収容するもの
    とした内釜と、該内釜を厚さ数cmの空気層を介在させ
    て取外し可能に内挿され且つ外表面を燃焼熱で加熱され
    るものとした外釜とを備えると共に、前記内釜を前記外
    釜に内挿されるものを含めて2つ以上付属させた構成の
    乾留装置と、該乾留釜装置で生成された乾留ガスを比較
    的高い冷却温度まで冷却して凝縮させるものとした比較
    的大きな凝縮処理能力の一次冷却装置と、該一次冷却装
    置で凝縮されなかった乾留ガスを前記一次冷却装置の冷
    却温度よりも低い温度である比較的低い冷却温度まで冷
    却して凝縮させるものとした比較的小さな凝縮処理能力
    の二次冷却装置と、これら一次冷却装置及び前記二次冷
    却装置にて前記凝縮により油化された液体を回収するも
    のとした油回収装置とを備えてなることを特徴とするゴ
    ムタイヤなどの乾留油化システム。
  4. 【請求項4】 前記比較的高い冷却温度が凡そ20℃〜
    45℃程度であり、また前記比較的低い冷却温度が凡そ
    0℃〜20℃程度であることを特徴とする請求項3記載
    のゴムタイヤなどの乾留油化システム。
  5. 【請求項5】 内方に被処理物を密閉状に収容するもの
    とした内釜と、該内釜を厚さ数cmの空気層を介在させ
    て取外し可能に内挿され且つ外表面を燃焼熱で加熱され
    るものとした外釜とを備えると共に、前記内釜を前記外
    釜に内挿されるものを含めて2つ以上付属させた乾留装
    置であって、前記燃焼熱を発生させるための燃焼室を前
    記外釜の下側に設けると共に、該燃焼室の上面壁を複数
    の煙道孔の形成されたものとなし、さらに該煙道孔を通
    過した燃焼ガスを外釜の外表面に接触させるための煙道
    用筒状空間を形成したことを特徴とするゴムタイヤなど
    の乾留装置。
  6. 【請求項6】 前記内釜が底面部及び周面部からなる収
    容部と、該収容部の上面開口を密閉状に覆い乾留ガスの
    出口を形成されてなる蓋体とを備え、且つ、前記収容部
    の底面部の凡そ数十cm以上に離れた高さ箇所に被処理
    物を支持するための網状床面部を設けると共に、前記蓋
    体又は前記収容部の内方空間内でしかも被処理物の収容
    される範囲よりも上方となる高さ箇所に被処理物を覆っ
    た状態で脱着可能に装着されるものとした網状覆い体を
    設けたことを特徴とする請求項5記載のゴムタイヤなど
    の乾留装置。
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