JP2003286474A - 非石綿系ジョイントシート - Google Patents

非石綿系ジョイントシート

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JP2003286474A JP2002092730A JP2002092730A JP2003286474A JP 2003286474 A JP2003286474 A JP 2003286474A JP 2002092730 A JP2002092730 A JP 2002092730A JP 2002092730 A JP2002092730 A JP 2002092730A JP 2003286474 A JP2003286474 A JP 2003286474A
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野 倫 司 佐
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原 哲 北
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (i)カーボン繊維を含む非石綿系基材繊
維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含
むジョイントシート形成用組成物から形成されているジ
ョイントシートであって、該ジョイントシート形成用組
成物中に含まれる上記非石綿系基材繊維(i)と充填材(i
v)それぞれの重量(g)と比表面積Hssa(m2/g)と
の積により求められる表面積A(m2)の総和であるΣ
A(m2)と、ゴムの量G(m3)とから下記式[I]に
より算出される比率R(nm)が、10〜25(nm)
であることを特徴とする非石綿系ジョイントシート: 式[I]: 比率R(nm)={ゴムの量G(m3)/ΣA(m2)}×109・・・・・・[I] 【効果】 カーボン繊維が多量に配合され、しかも耐熱
性、耐蒸気特性などに優れた非石綿系ジョイントシート
を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術分野】本発明は、化学工業、自動車、船舶
などの広範な産業分野において、各種機器・装置にガス
ケットの基材として利用されるジョイントシートに関
し、さらに詳しくは、カーボン繊維を含有し、かつ耐熱
特性と耐蒸気特性に優れた非石綿系ジョイントシートに
関する。 【0002】 【発明の技術的背景】従来、ジョイントシートとして
は、石綿ジョイントシートが広く用いられてきた。この
石綿ジョイントシートは、基材繊維としての石綿と、ゴ
ムなどの結合剤を溶剤で膨潤させたものと、充填材と、
ゴム薬品などの配合剤とをゴムミキサーにて充分に混練
して得られるジョイントシート形成用組成物(以下、混
練材料とも言う。)を調製し、次いで、この混練材料を
熱ロール(約140℃)と冷ロール(約20℃)とから
なる一対のカレンダーロール間に供給して加熱圧縮し、
熱ロール側に積層させながら、溶剤の蒸発および加硫を
行い、最後に積層したシートを熱ロール表面から剥離す
ることによって製造されてきた。 【0003】この石綿ジョイントシートは、石綿繊維の
優れた強度、耐熱性や耐薬品性を利用して、水、油、空
気、蒸気などの輸送管、機器用のガスケットとして使用
されてきた。この石綿ジョイントシートは、無機物であ
りながら、非常に柔軟で、高度にフィブリル化している
細く表面積の大きな石綿繊維を50〜85重量%程度含
んでおり、ジョイントシート中で石綿繊維が充分に分散
し絡み合った状態となっているため引張強度が大きく、
なおかつ柔軟で圧縮性が良いために良好なシール性を保
持していた。 【0004】しかしながら石綿繊維は天然鉱物であり、
資源の枯渇、採掘費および輸送費の高騰により入手が困
難であり、環境への悪影響があるなどの状況があり、最
近では石綿繊維を全く使用せずに、石綿以外の繊維を使
用したノンアスベストジョイントシート(非石綿系ジョ
イントシート)が使用されるようになっている。この非
石綿系ジョイントシートは、使用される基材繊維が石綿
以外の無機繊維や有機繊維であり、石綿繊維と比較して
繊維径が太く剛直であるため繊維の絡み合いが充分でな
く、また添加量も石綿のように50〜85重量%までの
多量で配合しようとしてもジョイントシートへの成形性
の点から困難であり、引張強さが石綿ジョイントシート
に比べて劣った非石綿系ジョイントシートしか得られな
かった。さらに、基材繊維として用いられる有機繊維
は、石綿繊維に比して耐熱性に劣り、また有機繊維のう
ちでは比較的耐熱性に優れたアラミドパルプは、水蒸気
下において加水分解するという特性を有しており、耐蒸
気性の点で問題がある。 【0005】そのため、アラミドパルプが配合された非
石綿系ジョイントシートを、フランジ部などに当接して
ガスケットとして用いた場合、(高)熱や(高温)蒸気
などの環境下においては、ガスケット中のアラミドパル
プが劣化し、その結果、ジョイントシートの強度低下や
亀裂の発生、シール性の低下が生ずるという問題点があ
った。 【0006】石綿以外の無機繊維は、石綿よりも環境へ
の安全性に優れ、また上記アラミドパルプに比して無機
繊維の1種であるカーボン繊維等はより耐熱性に優れる
が、フィブリル化されているものが少なく、どちらかと
いうと棒状(針状)で折れやすく、弾性に欠けるため、
ジョイントシート用基材繊維の主成分として使用される
ことは少なかった。 【0007】なお、(1)特開平1−295839号公報
には、本体と、繊維ベースと、充填材からなり、前記本
体は、本体中に10〜25重量%の量の弾性結合剤と、
35〜80重量%の充填材とを含み、繊維ベースは、繊
維ベース中の少なくとも75%の量の炭素繊維から形成
された高温圧縮非アスベスト・シートが開示されてい
る。また、該炭素繊維の炭素含量が95〜97%で、そ
の弾性率が約35万〜49万kg/cm2の態様、また
炭素繊維含量が高温圧縮非アスベスト・シートの少なく
とも20重量%(具体例では20〜52.2%)である
態様も開示され、アラミド繊維とこのような量の炭素繊
維との併用例も示されている。また、このような高温圧
縮非アスベスト・シートは、一対の熱ロールと冷ロール
からなるシーター機にて製造されると記載されている。 【0008】また(2)特開平5−239439号公報に
は、ゴムと、非アスベスト系繊維と、充填剤と、ゴム薬
品を主成分とするコンパウンドからなり、前記非アスベ
スト系繊維として少なくともピッチ系極細炭素繊維と有
機繊維を含有し、かつ該ピッチ系極細炭素繊維の含有率
が1〜30重量%であるシール用組成物が開示されてい
る。また、該炭素繊維は、繊維径φが0.5〜3μm程
度のものが好ましく、繊維長が100mm以下、とくに
0.5〜50mmの範囲にあればよい旨記載されてい
る。また、該シール用組成物は、ガスケットやジョイン
トシートなどのうち、特に高温高圧に晒される用途や、
水、油が関与する用途に好適と記載されている。このよ
うに、これら公報(1)〜(2)に記載のジョイントシート
(シート)では、石綿以外の無機繊維のうちで比較的弾
力性のあるカーボン(炭素)繊維が何れも含まれている
が、このカーボン繊維は、表面の濡れ性が悪く、このカ
ーボン繊維を非石綿系ジョイントシート用繊維として用
いるには、様々な表面処理を施す必要があり、また、カ
ーボン繊維を用いると得られるジョイントシートのシー
ル性が低下する傾向もある。またカーボン繊維は石綿や
アラミド繊維などに比して、熱伝導率が高く、ジョイン
トシート中に含まれているバインダーであるゴムを高温
時に分解・消失させ易くするという問題点もある。 【0009】このため、カーボン繊維を基材繊維として
含む非石綿系ジョイントシートであって、耐熱性、耐蒸
気特性等に優れ、これら特性のバランスの点でも優れた
ものの出現が望まれていた。 【0010】 【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、カーボン繊維
を基材繊維として用いつつ、耐熱性、耐蒸気特性に優
れ、これら特性のバランスの点でも優れた非石綿系ジョ
イントシートを提供することを目的としている。 【0011】 【発明の概要】本発明に係る非石綿系ジョイントシート
は、(i)カーボン繊維を含む非石綿系基材繊維、(ii)ゴ
ム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含むジョイン
トシート形成用組成物から形成されているジョイントシ
ートであって、該ジョイントシート形成用組成物中に含
まれる上記非石綿系基材繊維(i)と充填材(iv) それぞれ
の重量(g)と比表面積Hssa(m2/g)との積により
求められる表面積A(m2)の総和であるΣA(m2
と、ゴムの量G(m3)とから下記式[I] 比率R(nm)={ゴムの量G(m3)/ΣA(m2)}×109 ・・・・・・[I] により算出される比率R(nm)が、10〜25(n
m)であることを特徴としている。 【0012】本発明によれば、カーボン繊維が多量
(例:3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%)で
含まれているにも拘わらず、耐熱性、耐蒸気性に優れ、
ゴムの消失量が少なく、高温下(例:180〜215℃
程度)で使用しても寿命が長いジョイントシートが提供
される。このジョイントシートは、化学工業、自動車、
船舶などの広範な産業分野において、各種機器・装置に
耐熱用、耐高温蒸気用、化学装置用などのガスケットの
基材として利用できる。 【0013】 【発明の具体的説明】以下、本発明に係る非石綿系ジョ
イントシートについて具体的に説明する。<非石綿系ジョイントシート> 本発明に係る非石綿系ジ
ョイントシートは、 (i)カーボン繊維を含む非石綿系
基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填
材を含むジョイントシート形成用組成物から形成されて
いるジョイントシートであって、該ジョイントシート形
成用組成物中に含まれる上記非石綿系基材繊維(i)と充
填材(iv)それぞれの重量(g)と比表面積Hssa(m2
g)との積により求められる表面積A(m2)の総和で
あるΣA(m2)と、ゴムの量G(m3)とから下記式
[I] 比率R(nm)={ゴムの量G(m3)/ΣA(m2)}×109 ・・・・・・[I] により算出される比率R(nm)が、10〜25(n
m)、好ましくは12〜20(nm)である。このよう
な比率Rの非石綿系ジョイントシート形成用組成物から
なるジョイントシートは、カーボン繊維を主な基材繊維
として含有し、かつ耐熱特性と耐蒸気特性などに優れ、
これら特性のバランスの点でも優れており、化学工業、
自動車、船舶などの広範な産業分野において、各種機器
・装置に耐熱用、耐高温蒸気用、化学装置用などのガス
ケットの基材として利用できる。 【0014】このように、本発明によれば、カーボン繊
維が多量(例:3〜20重量%、好ましくは5〜15重
量%)で含まれているにも拘わらず、耐熱性、耐蒸気性
に優れ、ゴムの消失量が少なく、高温下(例:180〜
215℃程度)で使用しても寿命が長いジョイントシー
トが提供される。このように本件ジョイントシート形成
用組成物では、この比率Rが10(nm)以上〜25
(nm)以下であるため、ジョイントシート中のカーボ
ン繊維量が多いにも拘わらず、ジョイントシート中のゴ
ム消失を抑制でき、ジョイントシートの長寿命化を図る
ことができるという技術的意義を有する。 【0015】次に、このようなジョイントシート形成用
組成物、ジョイントシートの製造方法、及び得られたジ
ョイントシートについて詳述する。<ジョイントシート形成用組成物> 本発明においては、
上記ジョイントシート形成用組成物としては、(i)カー
ボン繊維を含む非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)
ゴム薬品および(iv)充填材を含んでいる、以下に詳述す
るようなジョイントシート形成用組成物が好ましく用い
られる。 【0016】カーボン繊維を含む非石綿系基材繊維(i)
には、カーボン繊維を含む無機基材繊維(イ)と、有機基
材繊維(ロ)とが挙げられる。本発明で用いられる基材繊
維(i)には、これらのうち、カーボン繊維を含む無機基
材繊維(イ)が含まれていればよいが、好ましくは(イ)と
(ロ)の両者が含まれていることが耐熱性とシート成形性
のバランスの点から望ましい。 【0017】上記カーボン繊維を含む無機基材繊維(イ)
は、シートの形状保持性に寄与し、このような無機基材
繊維(イ)としては、人体や環境への安全性の観点から非
石綿系のものが好ましく用いられ、具体的には、カーボ
ン繊維(炭素繊維)の他に、例えば、ロックウール繊維
(岩綿)、ガラス繊維、セラミック繊維、金属繊維、セ
ピオライト繊維、ワラストナイト、鉱さい綿、溶融石英
繊維、化学処理高シリカ繊維、溶融珪酸アルミナ繊維、
アルミナ連続繊維、安定化ジルコニア繊維、窒化ホウ素
繊維、チタン酸カリウム繊維、ウイスカー、ボロン繊維
などが挙げられる。 【0018】これらの無機基材繊維としては、必須のカ
ーボン繊維の他は、必要により1種または2種以上組み
合わせて用いられる。上記有機基材繊維(ロ)としては、
合成繊維のアラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)、フ
ェノール樹脂繊維、ポリイミド繊維、ポリスルホン繊
維、ポリフェニレンオキシド繊維、フッ素化ポリマー系
繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリ
オレフィン系繊維;ポリ塩化ビニル系繊維;などが挙げ
られる。 【0019】これらの有機基材繊維(ロ)のうちでは、ア
ラミド繊維が耐熱性の点で好ましい。これらの有機繊維
は1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。 <ゴム材(ii)>ゴム材(未加硫ゴム)(ii)は、上記の有
機基材繊維、無機基材繊維などの基材繊維類(i)を結合
する役割等を果たしており、このようなゴム材として
は、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)、スチ
レンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム(AN
M、ACM)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレン
ゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム
(IIR)、エチレン―プロピレンゴム(EPM、EP
DM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VM
Q、PMQ、FVMQ)、クロロスルフォン化ポリエチ
レン(CSM)、エチレン酢ビゴム(EVA)、塩化ポ
リエチレン(CPE)、塩化ブチルゴム(CIR)、エ
ピクロルヒドリンゴム(CD、ECO)、ニトリルイソ
プレンゴム(NIR)などが挙げれる。 【0020】これらのゴム材のうちでは、天然ゴム、S
BR、NBR、HNBR、BR、IR、IIR、CR、
EPDM、ACM(ANM)、シリコンゴム、フッ素ゴ
ムが好ましい。特に高ニトリルゴムは、熱ロールと冷却
ロールとからなる一対のロールを供えたシーター装置を
用いてジョイントシート形成用組成物からジョイントシ
ートを製造する際に、冷却ロール側に原料の上記組成物
が密着し被着してしまう現象である「取られ現象」が少
なく、加工性に優れた組成物が得られる。 【0021】なお、本発明では、これらのゴム材例えば
SBRにナフテン系のプロセス油が配合された油展ゴム
を用いることもできる。さらにまた、このような油展ゴ
ムと上記のような種々のゴム材とを組合せて用いること
もできる。 <ゴム薬品(iii)>ゴム薬品(iii)としては、加硫剤(架
橋剤)、加硫促進剤、加硫助剤(架橋助剤)、分散剤、
老化防止剤、スコーチ防止剤、可塑剤、顔料など、耐熱
性、耐油性、耐酸性、耐光性、色調など目的に応じて選
択使用される。 <充填材(iv)>充填材(iv)としては、無機繊維を除き、
膨張性黒鉛、カオリン、クレー、タルク、シリカ、マイ
カ、炭酸カルシウム、硫酸鉛、酸化マグネシウム、トリ
ポリ石、アルカリ土類金属塩(例:硫酸バリウム)、含
水ケイ酸類、水酸化物類などが挙げられる。 <ジョイントシートの製造>本発明では、上記ジョイン
トシート形成用組成物を用いて下記のジョイントシート
を製造している。以下、好ましい態様について述べる。 【0022】本発明の好ましい態様においては、( i)カ
ーボン繊維を含む非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(ii
i)ゴム薬品および(iv)充填材を含む以下に詳述するよう
なジョイントシート形成用組成物を混練し、得られた混
練物を、「熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロー
ル間に挿入して加熱圧延し、圧延されたジョイントシー
ト形成用組成物を熱ロール側に積層させ、次いで熱ロー
ルに積層されたシート状物を剥離することによってジョ
イントシートを製造する方法」である「シーター製法」
(カレンダーロール製法とも言う。)によってジョイン
トシートを製造する。 【0023】なお、上記「シーター製法」(カレンダー
ロール製)は、本願出願人が先に提案した特許公開20
01−181452号公報等に記載されており公知であ
り、また、この際に好ましく用いられるシート製造装置
も同公報等に記載されているように「シーター装置」と
して公知である。本発明においては、上記のようにジョ
イントシート形成用組成物中に基材繊維(i)として配合
されているカーボン繊維などの基材繊維等は、用いられ
たジョイントシート形成用組成物中に均一分散してお
り、上記製法により得られたジョイントシート表面に偏
在して浮き出たりしないから、ジョイントシート表面の
凹凸がなく平滑であり、ジョイントシートと各種相手部
材との接面シール性が良好となる。特にカーボン繊維が
前記ピッチ系のものであり、前記諸条件(式[I]など)
満たしていると、上記効果は顕著に表れる。 【0024】また、本発明では、用いられたジョイント
シート形成用組成物中の各種材料同士は、充分に良好に
練り込まれており、繊維同士は一様な密度で互いに絡み
合い、また粒状物などは繊維間などに良好に分散・保持
され、繊維や結合剤(ゴム)などと結合しているから、
上記製法により得られたジョイントシートが積層シート
(多層シート)であっても、シート層間に層間剥離が生
じにくく、引張強度も高く、浸透漏洩も殆どなく、シー
ル性も良好になるという効果が得られる。 【0025】具体的には、このジョイントシートの製法
を詳説すると、本発明では、上記のジョイントシート形
成用組成物(組成物)を熱ロールと冷却ロールとからな
る一対のロール間に挿入して加熱圧延する。この際、熱
ロールは一般的には120〜160℃の温度に設定す
る。また冷却ロール(冷ロール)は50℃以下の温度に
保たれていることが好ましい。 【0026】上記組成物を、このような温度条件に設定
されたシーター装置に挿通させた場合には、該組成物中
の繊維は、その形状を実質上保った状態で該組成物は加
熱圧延され、シート状に成形される。また、この加熱圧
延操作により、ゴム材は加硫されても加硫されなくとも
よいが、好ましい態様においては、ゴム材の少なくとも
一部は、ゴム薬品特に加硫剤と反応して加硫(架橋)さ
れる。その加硫の程度は、ロール回転速度、各ロールの
設定温度、ロール間隙あるいはロール圧、シート厚など
にもよるが、熱ロールと冷却ロールがそれぞれ上記温度
に設定されていることにより熱ロール側と冷却ロール側
で異なっており、シート状物の熱ロール側表面から冷却
ロール側表面にかけて次第に低下・減少している。換言
すれば、得られるシート中の結合材に着目すると、該シ
ートには、通常、未加硫のゴム材およびゴム薬品と共
に、加硫されたゴム材が通常含まれている。上記のよう
にジョイントシート形成用組成物を一対のロール間に挿
入すると、該組成物は加熱圧延されて熱ロール側にシー
ト状に積層(巻回)される。次いで、このシート状の加
硫物を熱ロールから剥離させると、所望のジョイントシ
ートが得られる。 【0027】 【発明の効果】本発明に係るジョイントシートは、上記
比率Rが特定の範囲にあるため、カーボン繊維が多量
(例:3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%)で
含まれているにも拘わらず、耐熱性、耐蒸気性に優れ、
ゴムの消失量が少なく、高温下(例:180〜215℃
程度)で使用しても寿命が長い。 【0028】 【実施例】以下、本発明に係るジョイントシートの製造
方法について、実施例に基づいてさらに具体的に説明す
るが、本発明は、係る実施例により何ら制限されるもの
ではない。 【0029】 【実施例1】以下の組成を有するジョイントシート形成
用組成物を、以下のようにして調製した。 (i)(イ)アラミド繊維[商品名:トワロン1091、帝人
(株)製、その非表面積Hssa12.6m2/g]を5.
1×103g(ジョイントシート形成用組成物中の固形
分中5.0重量%、表面積A=5.1×103 g×1
2.6m2/g=64.5×1032 )、(ロ)カーボ
ン繊維[商品名:ドナカーボS231、(株)ドナック
製、その比表面積Hssa0.2m2/g]を13.7×1
3 g(同13.3重量%、同2.7×103
2 )、(ハ)ロックウール[商品名:ロックシールRS
440、ラピナス社製、その比表面積Hssa0.2m2
g]を16.4×103 g(同15.9重量%、同
3.3×1032 )、(ii)ゴム(NBR、日本ゼオ
ン(株)製)をゴム量13.7×10-33(13.
7×103g、同13.3重量%)、(iii)ゴム薬品を
2.9×103g(同2.9重量%)、および(iv)充填
材として「クレー」(その比表面積Hssa3.5m2
g)を34.1×103 g(同33.1重量%、同1
19.5×1032 )、および充填材として「含水
ケイ酸」(その比表面積Hssa119m2/g)を3.4
×103 g(同3.3重量%、同406.1×103
2 )、および充填材として「炭酸カルシウム」(その
比表面積Hssa51m2/g)を13.7×103
(同13.3重量%、同696.2×1032 )お
よび(v)トルエン …上記(i)〜(iv)の混合物1Kgに対
して0.3リットルの割合で配合して、ジョイントシー
ト形成用組成物(配合物)を調製した。 【0030】その結果、非石綿系基材繊維(i)と充填材
(iv)それぞれの重量(g)と比表面積Hssa(m2/g)
との積により求められる表面積A(m2)の総和である
ΣA(m2)は1292.3×103 2 となり、この
ΣA値とゴムの量G(13.7×10-33 )とから
下記式[I]により算出される比率R(nm)が、1
0.6nmとなった。 式[I]: 比率R(nm)={ゴムの量G(m3)/ΣA(m2)}×109 ・・・・・・[I] 次いで、得られたジョイントシート形成用組成物をヘン
シェルミキサーを用いて混練した。 【0031】カーボン繊維などの基材繊維は、ジョイン
トシート形成用混練物中に、良好に分散していた。次い
で、この混練物を、熱ロール(130℃)と冷却ロール
(30℃)との間に投入して加熱圧延した。そして、該
加熱圧延の結果、熱ロール側に巻付いたシート状体を、
ドクターブレードにより剥離してジョイントシート(厚
み:1.5mm)を得た。 【0032】次いで得られたジョイントシートからガス
ケットを形成し、このガスケットについて下記の特性を
測定した。<残存ゴム比率の分析方法>直径φが25m
mで円盤状の試験片(ガスケット)を作製し、電気炉内
で4日間加熱したのち、熱重量分析装置(TG)により以
下の条件にて測定し、250〜550℃付近に見られる
重量減少率を残存しているゴム比率(A)とした。同様
に未焼成品における配合ゴム比率を測定(B)し、これ
より残存ゴム比率を算出した(C=(A/B)×100
[%])。 【0033】 試験条件 使用装置:DTA6200(セイコーインスツルメント社製) 試験温度:30〜600℃ 昇温速度:10℃/分 雰囲気 :窒素ガス これらの結果を表1に示す。 【0034】 【実施例2〜3、比較例1】実施例1において、配合組
織を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様に
した。結果を表1に示す。 【0035】 【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北 原 哲 愛知県新城市川田字本宮道150 日本バル カー工業株式会社新城工場内 Fターム(参考) 4H017 AA01 AA18 AC01 AC04 AC14 AD01 AD04 AE02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(i)カーボン繊維を含む非石綿系基材繊
    維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含
    むジョイントシート形成用組成物から形成されているジ
    ョイントシートであって、 該ジョイントシート形成用組成物中に含まれる上記非石
    綿系基材繊維(i)と充填材(iv)それぞれの重量(g)と
    比表面積Hssa(m2/g)との積により求められる表面
    積A(m2)の総和であるΣA(m2)と、ゴムの量G
    (m3)とから下記式[I]により算出される比率R
    (nm)が、10〜25(nm)であることを特徴とす
    る非石綿系ジョイントシート: 式[I]: 比率R(nm)={ゴムの量G(m3)/ΣA(m2)}×109 ・・・・・・[I]
JP2002092730A 2002-03-28 2002-03-28 非石綿系ジョイントシート Expired - Lifetime JP4907033B2 (ja)

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