JP3006624B2 - ジョイントシート - Google Patents

ジョイントシート

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JP3006624B2
JP3006624B2 JP2261269A JP26126990A JP3006624B2 JP 3006624 B2 JP3006624 B2 JP 3006624B2 JP 2261269 A JP2261269 A JP 2261269A JP 26126990 A JP26126990 A JP 26126990A JP 3006624 B2 JP3006624 B2 JP 3006624B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、化学工業、自動車、船舶、各種機器装置な
どの広範囲な産業分野において利用されているガスケッ
トなどの基材として用いられるジョイントシートに関
し、さらに詳しくはシール性に優れたガスケットなどを
提供できるジョイントシートに関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来、ジョイントシートとしては、石綿ジョイントシ
ートが広く用いられてきた。
このような石綿ジョイントシートは、基材繊維として
の石綿を60〜80重量%の割合で含んでいるが、近年に至
って石綿資源の枯渇およびそれに伴なう入手難の問題が
生ずるとともに、石綿の人体に対する悪影響も指摘さ
れ、石綿の使用は再検討され始めている。このため石綿
に代わる繊維基材を用いてジョイントシートを製造しよ
うとする研究が盛んに行なわれている。たとえば石綿の
代替繊維として、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミッ
ク繊維などの無機繊維あるいは芳香族ポリアミド繊維、
ポリエチレン繊維などの有機繊維を用いることによっ
て、ジョイントシートを製造しようとする試みがなされ
ている。
たとえば、特開昭51−86659号公報、特公昭59−38999
号公報には、ロックウールを含有するジョイントシート
が開示されている。
このようなジョイントシートは、石綿の代替としてロ
ックウールなどを用い、石綿ジョイントシートと同様な
方法で製造されている。
しかしながら、上記のようなジョイントシートにおい
ては、ロックウールを石綿の代替として用いた場合、ロ
ックウールはジョイントシートを形成用組成物中におい
て分散性に劣り、毛玉を形成しやすく、攪拌混合の効率
を低下させ、不均一な混合組成物が得られる傾向にあ
る。
次工程の製板において、混合組成物が、不均一な状態
でシーター機などに供給されると、シーター機の加熱ロ
ールにシート状に付着せず、冷却ロールに密着してしま
うという製造上のトラブルを誘発していた。また、不均
一な混合組成物から得られるジョイントシートは、ガス
ケットなどに加工した場合にシール性に劣ってしまう。
本発明者らは、上記のような問題点を解決すべく鋭意
研究したところ、ジョイントシート形成用組成物に、基
材繊維として平均繊維径が、特に0.1〜4μmのロック
ウールを用いることによって、上記問題点が一挙に解決
しうることを見出して本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上述のように、石綿を用いないジョイント
シートに伴う問題点を解決しようとするものであって、
ジョイントシート形成用組成物中において、ロックウー
ルの分散性を良好にし、これによって均一に混合された
ジョイントシート組成物を得て、加熱圧延時に該組成物
が冷却ロールに付着することがなく、加工性に優れると
ともに、製板性を向上させて、ガスケットなどに加工し
たとき優れたシール性を発現するジョイントシートを提
供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るジョイントシートは、 基材繊維、ゴム材および充填材を含むジョイントシー
ト形成用組成物を加熱圧縮してなるジョイントシートに
おいて、 前記組成物中に平均繊維径0.1〜4μmのロックウー
ルを含有してなることを特徴としている。
本発明に係るジョイントシートは、ガスケットなどに
加工したとき、優れたシール性を有する。
発明の具体的説明 本発明に係るジョイントシートは、基材繊維、ゴム材
および充填材を含むジョイントシート形成用組成物を加
熱圧縮してなるジョイントシートにおいて、前記組成物
中に平均繊維径が、0.1〜4μmのロックウールを含有
してなるが、以下に各成分について詳細に説明する。
本発明で用いられるロックウールは、石灰質、ケイ酸
質を主成分とする耐熱性の高い鉱物を、溶融した後、遠
心力、圧縮空気または高圧蒸気などで繊維化したもので
ある。また本発明では、ロックウールとして、鉱滓綿を
用いることもできる。
本発明で用いられるロックウールは、平均繊維径(直
径)が、0.1〜4μm好ましくは0.9〜2μmの範囲にあ
る繊維である。
このようなロックウールの繊維長さは、500μm〜20m
mが好ましい。
本発明においては、上記のようなロックウールに、カ
ップリング剤処理を施すことによって、ジョイントシー
ト形成用組成物に含有されるゴムとの接着性を向上させ
ることができる。また、このようなカップリング剤を、
ジョイントシート形成用組成物中に含有させてもよい。
このようなロックウールは、ジョイントシート組成物
中において、10〜30重量%の量で含有されている。
基材繊維として用いられる無機繊維としては、上記の
ようなロックウールの他に、石綿繊維以外の、ガラス繊
維、ウオラストナイト、セラミック繊維、鉱滓綿、溶融
石英繊維、化学処理高シリカ繊維、溶融硅酸アルミナ繊
維、アルミナ連続繊維、安定化ジルコニア繊維、窒化ホ
ウ素繊維、チタン酸アルカリ繊維、ウィスカー、ボロン
繊維、炭素繊維、金属繊維などの従来ジョイントシート
形成用基材繊維として公知の無機繊維が広く用いられ
る。
なお本発明に係る無機繊維として、石綿繊維を少々含
有することもできる。
本発明に係るジョイントシートでは、基材繊維として
平均繊維径が0.1〜4μmのロックウールを用いること
によって、ジョイントシート形成用組成物が、均一組成
物として得られる。
なお基材繊維として、上記のような無機繊維を単独で
用いると、得られるジョイントシートは耐熱性には優れ
ているが、引張強度などの機械的強度に劣ってしまうた
め好ましくない。
このため場合によっては、上記の非石綿繊維とロック
ウールとからなる基材繊維に加えて、有機繊維を用いる
こともできる。このような有機繊維としては、芳香族ポ
リアミド繊維、フィブリル化した芳香族ポリアミド繊
維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリエ
ステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニ
ルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ尿素
系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロカーボン系
繊維、フェノール繊維、セルロース系繊維などの従来ジ
ョイントシート形成用基材繊維として公知の有機繊維が
広く用いられる。このうち、芳香族ポリアミド繊維(商
品名ケブラー、デュポン社製)ならびにフィブリル化し
た芳香族ポリアミド繊維(商品名ケブラーパルプ)が好
ましく用いられる。
上記のような基材繊維は、ジョイントシート中に上記
ロックウールとの合計で10〜50重量%、好ましくは10〜
35重量%の量で含有されていることが好ましい。
本発明で用いられるゴム材は、上記の繊維類を結合す
る役割を果たしており、ニトリルゴム(NBR)、スチレ
ン ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、
クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチ
ルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、フ
ッ素ゴム(FRM)、シリコーンゴム(Si)、クロロスル
フォン化ポリエチレン(CSM)、エチレン酢ビゴム(EV
A)、塩化ポリエチレン(CPE)、塩化ブチルゴム(CI
R)、エピクロヒドリンゴム(ECO)、ニトリルイソプレ
ンゴム(NIR)、天然ゴム(NR)などの従来ジョイント
シート形成用ゴムとして公知のゴムが広く用いられる。
またこれらのゴム材たとえばSBRにナフテン系のプロ
セス油が配合された油展ゴムもゴム材として用いること
ができる。さらにまた、このような油展ゴムと上記のよ
うなゴム材とを組合せて用いることもできる。
さらに本発明においては、ゴム材として、以下のよう
なゴム薬品を用いることができる。
このようなゴム薬品としては、 (i)硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化物、
ジニトロベンゼンなどの加硫剤、 (ii)チアゾール系化合物、ポリアミン系化合物、スル
フェンアミド系化合物、ジチオカルバメート系化合物、
アルデヒドアミン系化合物、グアニジン系化合物、チオ
尿素系化合物、キサンテート系化合物などの加硫促進剤
が挙げられる。
このようなゴム材は、ジョイントシート中に、10〜30
重量%の量で含有されていることが好ましい。
またこれらに加えて必要に応じて充填材を用いること
もでき、このような充填材としては、クレー、タルク、
硫酸バリウム、重炭素ナトリウム、グラファイト、硫酸
鉛、トリポリ石などが広く用いられる。これらのゴム薬
品および充填材は、従来ジョイントシート形成用として
公知のものである。
このような充填材は、ジョイントシート中に10〜70重
量%の量で含有されていることが好ましい。
次に本発明に係るジョイントシートの製造方法につい
て説明する。
トルエン、ゴム揮などのゴム材用溶剤にゴム材を溶解
させ、これにゴム薬品を混入する。得られた溶液または
分散液に、上記のようなロックウールなどの基材繊維を
配合して均一になるように混練し、粘土状のジョイント
シート形成用組成物を準備する。このような粘土状組成
物は、通常0.5〜3cmの塊状で準備されるが、この塊中に
おいて、基材繊維を中心にゴム材、充填材が付着してい
る状態が均一であるほど、次工程における加工性、製板
性が向上する。すなわち、基材繊維であるロックウール
の平均繊維径が小さい(細い)程、ゴム材などが付着す
る表面積が大きくなり均一に付着しやすくなる。また、
繊維の毛玉が生じにくくなり、毛玉が生じた場合も小さ
い毛玉となり、この結果上記のような粘土状組成物の塊
は小さい塊として得られる。さらに、ロックウールの平
均繊維径が細い程、混練および製板時に繊維が折れにく
く、シーター機の冷却ロールに密着しにくくなる。
次いでこの組成物を熱ロールと冷却ロールとからなる
一対のロール間に挿入して加熱圧延する。この際、熱ロ
ールは120〜160℃の温度に、また冷却ロールは50℃以下
の温度に保たれていることが好ましく、このような一対
のロールを含む装置は、シーター装置として公知であ
る。
上記のようにしてジョイントシート形成用組成物を一
対のロール間に挿入すると、該組成物は加熱圧延されて
熱ロール側にシート状に積層される。このシート状の組
成物を熱ロールから剥離させると、ジョイントシートが
得られる。
なおゴム材用溶剤は、ジョイントシート形成用組成物
の混練工程および加熱圧延工程でほとんど完全に蒸散し
てしまう。
この際、基材繊維としてロックウールを用いたジョイ
ントシート形成用組成物は、成形時に、冷却ロールに付
着することが少なく、しかももし冷却ロールに付着して
も、この冷却ロールに水をかけるなどすると簡単に取る
ことができ、したがって作業性にも優れ、その上該組成
物に無駄が生ずることもないという大きな効果が得られ
る。
なおこのような冷却ロールへのジョイントシート形成
用組成物の付着防止は、該組成物中に有機帯電防止剤を
0.1〜10重量%の量で添加することによって高めること
ができる。有機帯電防止剤としては、ラウリルトリメチ
ルアンモニウムクロリドなどのカチオン性帯電防止剤、
アルキル硫酸エステルなどのアニオン性帯電防止剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性帯
電防止剤、ベタインなどの両性帯電防止剤、水溶性ポリ
マー帯電防止剤あるいはケイ素化合物系帯電防止剤など
が用いられる。
またジョイントシート形成用組成物の一対のロールに
よる加熱圧延時に、加熱圧延条件が多少変動しても作業
性が低下することがなく、均一な厚みおよび優れた表面
性を有するジョイントシートが得られる。
このようにして得られる本発明に係るジョイントシー
トは、ガスケットなどに加工すると、優れたシール性を
発現できる。
発明の効果 本発明に係るジョイントシートは、基材繊維として平
均繊維径が、特に0.1〜4μmの細いロックウールを用
いているため、ジョイントシート形成用組成物が均一な
混合物として得られる。このため、ジョイントシートの
製造時に該組成物が冷却ロールに付着することがなく、
また加熱圧延条件が多少変動しても作業性が低下するこ
とがなく、したがって著しく加工性に優れており、また
得られるジョイントシートは、ガスケットなどに加工す
ると優れたシール性を発現する。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3および比較例1 表1に示すような組成物を有するジョイントシート形
成用組成物を調製した。
得られた組成物をシーター機に供給し、130℃に保た
れた加熱ロールと30℃に保たれた冷却ロールとの間に挿
入して加熱圧延した。このシート状物を熱ロールからド
クターブレードにより剥離して1.5mm厚さのジョイント
シートを得た。
この際ジョイントシート形成用組成物の冷却ロールへ
の付着は認められなかった。
得られたジョイントシートの引張強度(Kgf/mm2)、
密度(g/cm3)およびシール性を、常温で測定した。
結果を表2に示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材繊維、ゴム材および充填材を含むジョ
    イントシート形成用組成物を加熱圧縮してなるジョイン
    トシートにおいて、 前記組成物中に平均繊維径0.1〜4μmのロックウール
    を含有してなることを特徴とするジョイントシート。
  2. 【請求項2】前記ロックウールが、前記組成物中に10〜
    30重量%の量で含有されていることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載のジョイントシート。
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