JP2003286291A - 反応の制御方法 - Google Patents

反応の制御方法

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JP2003286291A
JP2003286291A JP2003013206A JP2003013206A JP2003286291A JP 2003286291 A JP2003286291 A JP 2003286291A JP 2003013206 A JP2003013206 A JP 2003013206A JP 2003013206 A JP2003013206 A JP 2003013206A JP 2003286291 A JP2003286291 A JP 2003286291A
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JP
Japan
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reaction
lower alcohol
chloride
phosphorus
water
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JP2003013206A
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Inventor
Takashi Nanba
貴志 難波
Michio Yamato
道雄 大和
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫塩化リンと低級アルコールとの反応を容
易に制御する方法を提供すること。 【解決手段】硫塩化リンと、例えばメタノール、エタノ
ール等の低級アルコールとを反応させて、O−低級アル
キルジクロロチオホスフェートを製造する方法におい
て、反応液と水を混合することを特徴とする硫塩化リン
と低級アルコールとの反応の制御方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫塩化リンと低級
アルコールとの反応の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】O−メチルジクロロチオホスフェートに
代表されるO−低級アルキルジクロロチオホスフェート
は、農薬の合成中間体として重要な化合物であり、その
製造方法としては、硫塩化リンと低級アルコールとを反
応させる方法が知られている。硫塩化リンと低級アルコ
ールとの反応は、発熱反応であり、通常は発生する反応
熱を冷却装置等で除熱して、反応温度および反応速度を
適正に保ちながら実施されるが、除熱がうまくいかない
場合や冷却装置にトラブル等が発生した場合には、反応
の制御が困難になり、目的とするO−低級アルキルジク
ロロチオホスフェートを製造する反応以外の複雑な反応
が起こるため、硫塩化リンと低級アルコールとの反応を
容易に制御する方法の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況のも
と、本発明者らは、硫塩化リンと低級アルコールとの反
応を容易に制御する方法について鋭意検討したところ、
反応液と水を混合することにより、硫塩化リンと低級ア
ルコールとの反応を制御することができることを見いだ
し、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、硫塩
化リンと低級アルコールとを反応させて、O−低級アル
キルジクロロチオホスフェートを製造する方法におい
て、反応液と水を混合することを特徴とする硫塩化リン
と低級アルコールとの反応の制御方法を提供するもので
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】低級アルコールとしては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert
−ブタノール等の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝鎖
状のアルキル基が挙げられ、なかでも反応性の高いメタ
ノール、エタノールを用いる場合に、本発明の方法は好
適である。
【0006】硫塩化リンと低級アルコールとの反応にお
ける低級アルコールの使用量は、硫塩化リンに対して、
通常1モル倍以上、好ましくは2モル倍以上である。そ
の上限は特にないが、あまり多すぎても、容積効率等の
面で不利になりやすいため、実用的には、硫塩化リンに
対して、10モル倍以下、好ましくは7モル倍以下であ
る。
【0007】反応温度は、通常5℃以下、好ましくは−
5℃以下である。下限は特にないが、あまり低過ぎる
と、冷凍設備等が大掛かりになりやすいため、実用的に
は、−40℃程度である。
【0008】硫塩化リンと低級アルコールとの反応は、
通常その両者を混合、接触させればよく、その混合順序
は特に制限されず、硫塩化リンに低級アルコールを添加
してもよいし、低級アルコールに硫塩化リンを添加して
もよい。一気に添加してもよいし、間欠的もしくは連続
的に添加してもよいが、間欠的もしくは連続的に添加す
ることが好ましい。
【0009】硫塩化リンと低級アルコールとを反応させ
て得られるO−低級アルキルジクロロチオホスフェート
としては、例えばO−メチルジクロロチオホスフェー
ト、O−エチルジクロロチオホスフェート、O−n−プ
ロピルジクロロチオホスフェート、O−イソブチルジク
ロロチオホスフェート等が挙げられる。
【0010】本発明は、硫塩化リンと低級アルコールと
を反応させた反応液と水を混合することにより、硫塩化
リンと低級アルコールとの反応を制御するものであり、
その混合順序は特に制限されず、反応液に水を加えても
よいし、水に反応液を加えてもよい。
【0011】水の使用量は、硫塩化リンの使用量に対し
て、通常0.1重量倍以上であるが、制御のしやすさを
考慮すると、好ましくは0.2重量倍以上である。その
上限は特にないが、あまり多すぎても制御効果に及ぼす
影響が小さいため、実用的には、硫塩化リンの使用量に
対して、10重量倍以下である。
【0012】水は、単独で用いてもよいし、有機溶媒と
混合して用いてもよい。また、例えば食塩水等反応に不
活性な無機塩を含む水溶液を用いてもよい。有機溶媒と
しては、親水性有機溶媒、疎水性有機溶媒のいずれであ
ってもよい。親水性有機溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノール等の親水性アルコール系溶媒、例えばア
セトン等の親水性ケトン系溶媒等が挙げられ、疎水性有
機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばヘキサン、ヘ
プタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられる。水と
親水性有機溶媒との混合溶液を用いる場合、水に対する
親水性有機溶媒の比率は、通常親水性有機溶媒/水=
0.1/100〜1/1重量比であり、水と疎水性有機
溶媒との混合液を用いる場合、水に対する疎水性有機溶
媒の比率は、通常疎水性有機溶媒/水=0.1/100
〜100/1重量比である。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0014】比較例1 硫塩化リン213gに、メタノール121gを、内温−
14〜−16℃を保ちながら2時間かけて滴下した。滴
下終了後、反応液をデュワー瓶に移し、断熱状態で放置
した。内温が時間の経過と共に徐々に上昇し、放置後1
00分が経過した後の内温は、40℃に達した。放置開
始からの内温の変化を図1に示した(デュワー瓶に反応
液を移し、放置を開始した時点を0分とした)。内温4
0℃に達した後の反応液をガスクロマトグラフィ分析し
たところ、硫塩化リン転化率:99.5%、O−メチル
ジクロロチオホスフェート収率:42%、O,O−ジメ
チルクロロチオホスフェート収率:6%であった。これ
らの結果から、硫塩化リンとメタノールとの反応が進行
し、内温が上昇するとともに、硫塩化リンとメタノール
との反応以外の副反応も起こっていたことがわかった。
【0015】実施例1 硫塩化リン213gに、メタノール121gを、内温−
14〜−16℃を保ちながら2時間かけて滴下した。滴
下終了後、反応液を、内温−17℃に調整した25重量
%メタノール水170gが入ったデュワー瓶に移し、断
熱状態で放置した。反応液とメタノール水とを混合した
際に、混合熱による内温の上昇が見られたが、その後の
温度変化は緩やかであった。放置後100分が経過した
後の内温は、−1.7℃であった。放置開始からの内温
の変化を図1に示した(デュワー瓶に反応液を移し、放
置を開始した時点を0分とした)。内温−1.7℃に達
した後の反応液をガスクロマトグラフィ分析したとこ
ろ、硫塩化リン転化率:61%、O−メチルジクロロチ
オホスフェート収率:62%、O,O−ジメチルクロロ
チオホスフェート収率:3%であった。これらの結果か
ら、反応液とメタノール/水とを混合することにより、
硫塩化リンとメタノールとの反応を制御することができ
ることが分かる。
【0016】実施例2 実施例1において、反応液を、内温5℃に調整した水1
28gが入ったデュワー瓶に移した以外は、実施例1と
同様に実施したところ、混合時に、混合熱による温度上
昇が見られたが、その後の温度上昇は緩やかであった。
放置後80分が経過した後の内温は、17℃であった。
放置開始からの内温の変化を図1に示した(デュワー瓶
に反応液を移し、放置を開始した時点を0分とした)。
内温17℃に達した後の反応液をガスクロマトグラフィ
分析したところ、硫塩化リン転化率:65%、O−メチ
ルジクロロチオホスフェート収率:60%であった。こ
れらの結果から、反応液と水を混合することにより、硫
塩化リンとメタノールとの反応を制御することができる
ことが分かる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、硫塩化リンと低級アル
コールとの反応を、容易に制御することができるため、
工業的に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2および比較例1の内温の変化を表
わした図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H039 CA90 CD10 4H050 AA02 BA28 BA29 BB31 BC34 BC35 BE90 WA15 WA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫塩化リンと低級アルコールとを反応させ
    て、O−低級アルキルジクロロチオホスフェートを製造
    する方法において、反応液と水を混合することを特徴と
    する硫塩化リンと低級アルコールとの反応の制御方法。
  2. 【請求項2】水の使用量が、硫塩化リンの使用量に対し
    て、0.1重量倍以上である請求項1に記載の反応の制
    御方法。
  3. 【請求項3】低級アルコールが、メタノールまたはエタ
    ノールである請求項1に記載の硫塩化リンと低級アルコ
    ールとの反応の制御方法。
JP2003013206A 2002-01-22 2003-01-22 反応の制御方法 Pending JP2003286291A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106866729A (zh) * 2017-02-13 2017-06-20 湘潭大学 三氯硫磷制备o‑甲基硫代磷酰二氯的方法与装置

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