JP2003286281A - 環状エ−テル化合物 - Google Patents

環状エ−テル化合物

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JP2003286281A
JP2003286281A JP2002092348A JP2002092348A JP2003286281A JP 2003286281 A JP2003286281 A JP 2003286281A JP 2002092348 A JP2002092348 A JP 2002092348A JP 2002092348 A JP2002092348 A JP 2002092348A JP 2003286281 A JP2003286281 A JP 2003286281A
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chemical
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JP2002092348A
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English (en)
Inventor
Motonari Shibaue
基成 芝上
Toshiyuki Takagi
俊之 高木
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規な環状エ−テル化合物の提供。 【解決手段】一般式(1)で表される環状エーテル化合
物であり、界面活性物質である。 【化1】(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な環状エ−テ
ル化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グリセロール1分子と2分子の飽和また
は不飽和脂肪酸によりエステル結合した脂質は界面活性
性を有し、採鉱、金属加工、表面仕上げ、及び洗浄用な
どために使用される各種工業用処理剤、家庭用の各種洗
浄剤及び各種清浄剤、医薬品、化粧品や食品用の添加剤
などとして広く使用されている。これらの用途の中で
も、特に乳化剤、解乳化剤、洗浄剤、分散剤およびヒド
ロトロープ剤等として、有用とされている。
【0003】これらグリセロール1分子と2分子の飽和
または不飽和脂肪酸により得られるエステル結合を有す
る脂質のエステル結合は、希薄なアルカリ溶液や塩酸水
溶液中では、容易に加水分解を受けやすく、使用に際し
ても安定性という点では問題がある。このようなことか
ら、安定性を考慮して、エーテル結合を有する化合物が
検討され、グリセロール2分子と2分子のテトライン化
合物がエーテル結合した環状エーテル化合物が知られて
いる(Org.Lett.,1999,241)。この
ようなことから、新しい環状エーテル化合物が種々検討
模索されている。また、前記の環状化合物は、グリセロ
ールの2級水酸基の立体配置がラセミ構造となる。この
ため、選択的にキラル体を製造し、キラル体の特性に着
目した製品作りが考えられるが、このようなキラル体の
みを製造することは、まだ行われていない。新規物質で
は、キラルなものを選択的に製造することは、重要なこ
とであり、利用を考えると意義深いことである。このよ
うなことから、新規なエーテル結合した環状エーテル化
合物及びその際にキラルな化合物を開発することが必要
とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規
なグリセロール2分子が4個のエーテル結合により結合
されて得られる、キラルな環状エーテル化合物を提供す
ることである。すなわち、グリセロールの2分子が、有
機基であるアルキル基、環状アルキル基、アリール基、
アラルキル基の群から選ばれる基を4個のエーテル結合
により結ばれているキラルな環状エーテル化合物を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意研究を重ね、グリセロールとジインまたは
テトラインのアルコールを反応させると、2個のグリセ
ロールが4個のエ−テル結合により、新規な環状エーテ
ル化合物を得る事ができることを見出した。また、その
際に、原料物質として、キラルな化合物である一般式H
OCHCH(OH)CHOHで表される化合物を用
いると、キラルな化合物を選択的に製造することができ
ることを見出して、本発明を完成させた。キラルなグリ
セロールは、グリセロールの1位または2位もしくは1
位と2位の水酸基を保護したものを光学分割または酵素
を用いた分割により得たもの、または、(S)−(+)
−2,2−ジメチルー1,3−ジオキソラン−4−メタ
ノールもしくは(R)−(−)−2,2−ジメチルー
1,3−ジオキソラン−4−メタノール、または、
(R)−(+)−3−ベンジロキシ−1,2−プロパン
ジオールもしくは(S)−(−)−3−ベンジロキシ−
1,2−プロパンジオールを用いるものである。このよ
うなキラルな化合物を、ジインまたはテトラインのアル
コールを反応させると、エーテル結合により結合しよう
とする有機基であるアルキル基、環状アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基の群から選ばれる基を導入するこ
とができ、この化合物と、キラルな化合物を他の同様に
製造したキラルな化合物と反応させると目的とするキラ
ルな異性体からなる1群の4個のエ−テル結合で結ばれ
た、新規な環状エーテル化合物を得る事ができることを
見出した。すなわち、グリセロールの2分子が、有機基
であるアルキル基、環状アルキル基、アリール基、アラ
ルキル基を4個のエーテル結合で結ばれた新規な環状エ
ーテル化合物を得る事ができることを見出した。
【0006】すなわち、本発明によれば、以下の発明が
提供される。 (1)下記一般式(1)
【化16】(1) (式中、置換基R〜Rは、有機基を表し、RとR
は、水素原子、ハロゲン原子、金属原子、リン酸、有
機基を表す。有機基は、炭素数が150以下であり、水
素原子、ハロゲン原子、金属原子、酸素原子、窒素原
子、硫黄原子、燐原子、珪素原子を含んでも良い。R
〜Rは、すべて同一であっても、又は異なるものであ
ってもよい。また、RとRは、同一であっても、ま
たは異なるものであってもよい。) (2)下記一般式(2)で表されることを特徴とする環
状エ−テル化合物。
【化17】(2) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
基と同じである。) (3)下記一般式(3)で表されることを特徴とする環
状エ−テル化合物。
【化18】(3) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
基と同じである。) (4)下記一般式(4)から一般式(7)で表される中
から選ばれるいずれか一つの環状エ−テル化合物。
【化19】(4)
【化20】(5)
【化21】(6)
【化22】(7) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
基と同じである。) (5)下記一般式(8)から一般式(11)で表される
中から選ばれるいずれか一つの環状エ−テル化合物。
【化23】(8)
【化24】(9)
【化25】(10)
【化26】(11) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
基と同じである。) (6)下記一般式(12)から一般式(15)で表され
る中から選ばれるいずれか一つの環状エ−テル化合物。
【化27】(12)
【化28】(13)
【化29】(14)
【化30】(15) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
基と同じである。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の、新規な環状エーテル化
合物の構造式は、下記一般式(I)〜(3)で表される
環状エ−テル化合物である。
【化31】(1)
【化32】(2)
【化33】(3) 上記一般式の置換基R〜Rは、有機基を表し、R
とRは、水素原子、ハロゲン原子、金属原子、リン
酸、有機基を表す。有機基は、炭素数が150以下で3
以上の範囲のものであり、水素原子、ハロゲン原子、金
属原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、燐原子、珪素
原子を含んでも良い。R〜Rは、すべて同一であっ
ても、又は異なるものであってもよい。また、RとR
は、同一であっても、または異なるものであってもよ
い。
【0008】前記一般式(1)で表される環状エーテル
化合物は、以下の4つの一般式(4)〜(7)で表され
る異性体から構成される。
【化34】(1)
【化35】(4)
【化36】(5)
【化37】(6)
【化38】(7) 前記一般式(1)で表される化合物の置換基R〜R
は、有機基を表し、RとRは、水素原子、ハロゲン
原子、金属原子、リン酸、有機基を表す。有機基は、炭
素数が150以下3以上の範囲であり、水素原子、ハロ
ゲン原子、金属原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、
燐原子、珪素原子を含んでも良い。R〜Rは、すべ
て同一であっても、又は異なるものであってもよい。ま
た、RとRは、同一であっても、または異なるもの
であってもよい。
【0009】前記一般式(2)で表される環状エーテル
化合物は、以下の4つの一般式(8)〜(11)で表さ
れる異性体から構成される。
【化39】(2)
【化40】(8)
【化41】(9)
【化42】(10)
【化43】(11) 上記一般式の置換基R〜Rは有機基を表し、R
は水素原子、ハロゲン原子、金属原子、リン酸、有
機基を表す。有機基は炭素数150個以下3以上の範囲
から構築され、水素原子、ハロゲン原子、金属原子、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子、燐原子、珪素原子を含ん
でも良い。R〜Rは、すべて同一であっても、又は
異なるものであってもよい。また、RとRは、同一
であっても、または異なるものであってもよい
【0010】前記一般式(3)で表される環状エーテル
化合物は、以下の4つの一般式(12)(15)で表さ
れる異性体から構成される。
【化44】(3)
【化45】(12)
【化46】(13)
【化47】(14)
【化48】(15) 前記一般式で表される化合物の、置換基R〜Rは、
有機基を表し、RとR は、水素原子、ハロゲン原
子、金属原子、リン酸、有機基を表す。有機基は、炭素
数が150以下3以上の範囲であり、水素原子、ハロゲ
ン原子、金属原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、燐
原子、珪素原子を含んでも良い。R〜Rは、すべて
同一であっても、又は異なるものであってもよい。ま
た、RとRは、同一であっても、または異なるもの
であってもよい。
【0011】前記一般式(1)〜(15)で表され環状
エーテル化合物の置換基について、その内容をより具体
的に説明し、化合物について説明する。置換基R〜R
は、有機基を表す。有機基は、(1)アルキル基、
(2)環状アルキル基、(3)アリール基、(4)アラ
ルキル基からなる基から選ばれ、グリセロール分子の酸
素原子とジインの炭素原子と結合可能な箇所を2個有し
ているものを表す。以下に、これらの基の詳細につい
て、さらに、詳細に説明する。
【0012】(1)アルキル基については以下のとおり
である。アルキル基は、直鎖あるいは分岐状アルキル基
から選ばれる基である。その炭素数は、通常100個以
下、好ましくは72個以下、さらに好ましくは32個以
下であり、全体として3以上の範囲である。具体的に基
をあげると、例えば、メチル基、エチル基、nープロピ
ル基、イソプロピル基、nーブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イ
ソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル
基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペン
チル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル
基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エ
チルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタ
デシル基、エイコシル基等を挙げることができる。場合
によっては、これらの基は、二重結合や三重結合などの
不飽和結合を有してもよい。 (2)環状アルキル基については、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、アダマンチル基等を挙げることがで
きる。 (3)アリール基としては、フエニル基、ナフタレン基
等を挙げることができる。 (4)アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル
基等を挙げることができる。
【0013】前記のアルキル基、環状アルキル基、アリ
ール基又はアラルキル基の置換基としては、本発明の化
合物を製造する際に、製造反応に関与しない基であれ
ば、含んでいて差し支えない。置換あるいは未置換アリ
ール基、カルボニル基、アルコキシ基、アルコキシカル
ボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルまたは
アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン等が例示さ
れる。さらに酸素原子、窒素原子、硫黄原子の結合を介
しても良い。
【0014】上記一般式中のRとRは、水素原子、
ハロゲン原子、金属原子、リン酸、有機基を表す。有機
基は前記の(1)から(4)の基を含み、さらに、これ
以外に、(5)糖類、(6)アミン類、(7)アミノ酸
類、(8)ペプチド類、(9)核酸からなる基からなる
群の中から選ばれる基を用いることができる。また、リ
ン酸や硫酸や珪素を介して有機基が結合してもよい。R
とRは同一であってもよいし、異なっていてもよ
い。
【0015】ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、よう素原子を挙げることができる、有
機基に置換した状態であってもよい。金属原子として
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セ
シウムなどのアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアル
カリ土類金属、ホウ素、アルミニウム、チタン、錫、鉄
などの金属原子を挙げることができる。有機基がこれら
を介して含まれていてもよい。
【0016】有機基に関し、前記(1)から(4)以外
の基の場合について説明を挙げる。 (5)糖類としては特に制限はないが、通常は単糖類、
アミノ糖、オリゴ糖類である。単糖類としてペントー
ス、ヘキソース、デオキシヘキソース、ヘプトース、ア
ミノ糖が挙げられ、具体的にはアラビノース、リバー
ス、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノー
ス、フルクトース、ラムノース、フコース、ジギトキソ
ース、チマロース、オレアンドロース、ジギタロース、
アピオース、ハマメロース、ストレプトース、セドヘプ
チュロース、コリオース、グルコサミン、ガラクトサミ
ン、2−デオキシ−2−メチルアミノグルコースなどが
例示される。オリゴ糖類として非還元性オリゴ糖、還元
性オリゴ糖が挙げられ、具体的にはショ糖、トレハロー
ス、ゲンチアノース、ラフィノース、乳糖、セルビオー
ス、麦芽糖、ゲンチオビオースなどが例示される。
【0017】(6)アミン類は通常含まれる炭素の炭素
数50以下、酸素数20以下、窒素数30以下、硫黄数
5以下、好ましくは、炭素数35以下、酸素数5以下、
窒素数15以下、硫黄数3以下、さらに好ましくは、炭
素数2〜20、酸素数3以下、窒素数2〜10、硫黄数
1以下の範囲で構成される。 (7)アミノ酸類として具体的には、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオ
ニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、
グルタミン、リジン、オルニチン、アルギニン、ヒスチ
ジン、ヒドロキシリジン、システイン、シスチン、メチ
オニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファ
ン、プロリン、4−ヒドロキシプロリン、トリコロミン
酸、イボテン酸、キスカリン酸、カナバニン、カイニン
酸、ドモイ酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、
2−(メチレンシクロプロピル)グリシン、ヒポグリシ
ンA、3−シアノアラニン、アベナ酸、ムギネ酸、ミモ
シン、レボドパ、β−ヒドロキシ−γ−メチルフルタミ
ン酸、5−ヒドロキシトリプトファン、パントテン酸、
ラミニン、ベタシアニンなどが例示される。また、タウ
リンなどスルホン酸基を有するアミン類なども挙げられ
る。
【0018】前記アミン類は、ハロゲン原子で置換され
ていても良く、ハロゲン原子としてフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられ、1個以上置換されていても良
い。また、リン酸基とアミノアルコールが結合しても良
い。アミノアルコールとしてコリン、エタノールアミ
ン、セリンが挙げられる。
【0019】(8)ペプチド類としては、特に制限は無
いが、通常含窒素ポリマーである。2個以上のアミノ酸
による重縮合化合物またはタンパク質、ミオグロビン、
ヘモグロビンなどのポリペプチド等が挙げられる。
【0020】(9)核酸としては、ヌクレオシド、ヌク
レオチド、もしくはヌクレオチド単位のポリマー鎖が挙
げられる。ヌクレオシドは、シトシン、チミン、アデニ
ン、グアニンのうち塩基と2−デオキシリボースまたは
リボースの糖が結合したものを示す。ヌクレオチドは、
ヌクレオシドの糖にリン酸基が結合したものを示す。チ
ミンはウラシルでもよい。
【0021】前記の有機基には、従来知れている以下の
化合物を基として用いて利用する事ができる。
【化49】 この化合物は、Syinthesis,20001.1888 に記載されて
いる化合物である。
【化50】 この化合物は、J.Org.Chem.,1968,548 に記載され
ている化合物である。
【化51】 この化合物は、Zh.Org. Khim.,1975,1344に記載さ
れている化合物である。
【化52】 この化合物は、Chem.Ber.,1989.2147 に記載されてい
る化合物である。
【化53】 この化合物は、J.Org.Chem.,1965.2988に記載されて
いる化合物である。
【化54】 この化合物は、J.Chem.Soc.,1957,2767 に記載されて
いる化合物である。
【化55】 この化合物は、Izv.Akad.Nuk.SSSR Ser.Khim.,1942,392
に記載されている化合物である。
【化56】 この化合物は、J.Amer.Chem.Soc.,1984.1655 に記載
されている化合物である。
【化57】 この化合物は、J.Chem.Soc.,1949.1433 に記載されて
いる化合物である。
【化58】 この化合物は、Tetrahedoron,1969,3277 に記載され
ている化合物である。
【化59】 この化合物は、J.Chem.Soc.,1984.1230に記載されてい
る化合物である。
【化60】 この化合物は、Tetrahedron lett.,1986,573 に記載
されている化合物である。
【化61】 この化合物は、Chem.Pharm.Bull.,1991,1746 に記載さ
れている化合物である。
【化62】 この化合物は、J.Org.Chem.,1981,5357 に記載されて
いる化合物である。
【化63】 この化合物は、Synthesis ,1995,47 に記載されて
いる化合物である。
【化64】 この化合物は、J.Med.Chem.,2001,531 に記載されて
いる化合物である。
【0022】本発明により得られる環状エーテル化合物
は界面活性物質であり、各種の界面活性を必要とする製
品を製造するときに用いることができる。本発明の化合
物は、酸又はアルカリ性条件下であっても安定性を保つ
ことができる。また、キラルな化合物であり、特定の光
学異性体のみを選択的に得る事ができ、光学異性体の特
性を必要とする製品に利用することにより顕著な効果を
挙げることができる。前記一般式(1)から(3)で表
される化合物の立体配置は、グリセロールの2級水酸基
の組み合わせに応じて以下の4つの組み合わせで表現す
ることができる。すなわち、2分子のグリセロールの2
級水酸基が(R、R)、(R、S)、(S、R)、
(S、S)の組み合わせを示す。
【0023】本発明の化合物の製法は以下の通りであ
る。本発明者らは、鋭意研究を重ね、グリセロールとジ
インまたはテトラインのアルコールを反応させると、2
個のグリセロールが4個のエ−テル結合により、新規な
環状エーテル化合物を得る事ができることを見出した。
また、その際に、原料物質として、キラルな化合物であ
る一般式HOCHCH(OH)CHOHで表される
化合物を用いると、キラルな化合物を選択的に製造する
ことができることを見出して、本発明を完成させた。キ
ラルなグリセロールは、グリセロールの1位または2位
もしくは1位と2位の水酸基を保護したものを光学分割
または酵素を用いた分割により得たものを用いる。また
は、(S)−(+)−2,2−ジメチルー1,3−ジオ
キソラン−4−メタノールもしくは(R)−(−)−
2,2−ジメチルー1,3−ジオキソラン−4−メタノ
ールを用いることができる。または、(R)−(+)−
3−ベンジロキシ−1,2−プロパンジオールもしくは
(S)−(−)−3−ベンジロキシ−1,2−プロパン
ジオールを用いることができる。
【0024】ジインまたはテトラインのアルコール体
は、市販または合成したものを用いる。市販試薬として
は、プロパギルアルコール、3−ブチン−1−オール、
1−エチニル−1−シクロヘキサノールなどが挙げられ
る。また、合成試薬としては、10−デシン−1−オー
ル(J.Org.Chem.,1984,1251)、
4−エチニルフェノール(Eur.J.Org.Che
m.,1998,665)などが挙げられる。さらに、
反応の詳細について、以下の実施例において説明する。
【0025】
【実施例】以下、本発明につき実施例を挙げて説明する
が、その要旨を越えない限り以下に限定されるものでは
ない。反応温度は摂氏を表している。なお、反応に関与
する物質及び反応例が数多くあることから、以下に表に
より示す。番号は実施例で用いられる化合物を表す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】実施例1 (S)−(+)−2,2−ジメチルー1,3−ジオキソ
ラン−4−メタノール(2.0g、15.1mmol)
とパラメトキシベンジルアルコール(2.3ml、1
6.6mmol)のジメチルスルホキシド溶液に水酸化
カリウム(1.7g、30.2mmol)を加え、室温
で24時間撹拌した。水を加え、クロロホルムで抽出し
た。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄
後、脱水、溶媒留去した。残査にメタノールに加え、引
き続きパラトルエンスルホン酸一水和物(51mg、
0.27mmol)を加え、室温で36時間撹拌した。
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで
抽出した。飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶媒留去後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキ
サン=1:5)で精製し、化合物1を2.6g(80
%)で得た。同様に(R)−(−)−2,2−ジメチル
ー1,3−ジオキソラン−4−メタノールから化合物9
を2.5g(78%)で得た。
【0031】実施例2 化合物1(3.53g、16.6mmol)と4−ジメ
チルアミノピリジン(203mg、1.66mmol)
のピリジン溶液にトリチルクロライド(4.64g、1
6.6mmol)を加え、80度で13時間加熱した。
溶媒を留去後、水を加え、クロロホルムで抽出し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、脱
水、溶媒流去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、化合物2
を、6.32g(84%)で得た。同様に化合物9から
化合物10を6.73g(89%)で得た。
【0032】実施例3 化合物3は、3−デシン−1−オールから既存の方法
(J.Org.Chem.,1984,1251)にし
たがって、10−デシン−1−オールを合成した。さら
にトリエチルアミンとメタンスルホニルクロライドの塩
化メチレン溶液に10−デシン−1−オールの塩化メチ
レン溶液を氷零下で加え、30分撹拌した。水を加え、
塩化メチレンで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶媒留去後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:4)で精製し、化合物3を得た。同様に、4−エチ
ニルフェノールを既存の方法に従って合成した(Eu
r.J.Org.Chem.,1998,665)。フ
エニル基を導入する環状エーテルを製造する場合には、
この化合物を用いる。フエニル基を導入する場合は、こ
の化合物を導入した前記化合物3に相当する化合物を用
いて、同様に反応を進めることにより目的生成物を製造
することができる。
【0033】実施例4 化合物2(6.3g、13.9mmol)のジメチルス
ルホキシド溶液に水素化ナトリウム(609mg、1
3.9mmol)を氷零下で加え、30分間撹拌した。
化合物3(3.53g、15.2mmol)のジメチル
スルホキシド溶液とヨウ化テトテトラブチルアンモニウ
ムを加え、室温で19時間撹拌した。メタノール:水
(1:25)溶液を加え、クロロホルムで抽出し、飽和
塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、脱水、
溶媒流去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=1:9)で精製し、化合物4を
8.1g(99%)で得た。同様に化合物10から化合
物11を7.5g(92%)で得た。
【0034】実施例5 化合物4(7.44g、12.6mmol)のメタノー
ル:クロロホルム溶液(1:1)にパラトルエンスルホ
ン酸一水和物(43mg、0.23mmol)を加え、
室温で4時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
を加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、
脱水、溶媒流去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、化合物
5を3.93g(90%)で得た。化合物11から同様
に化合物12を、3.89g(89%)で得た。
【0035】実施例6 (S)−(+)−2,2−ジメチルー1,3−ジオキソ
ラン−4−メタノール(1.2g、9.4mmol)と
化合物3(2.4g、10.3mmol)のジメチルス
ルホキシド溶液に水酸化カリウム(1.1g、19mm
ol)を加え、室温で20時間撹拌した。水を加え、ク
ロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶媒
流去した。残査にメタノールを加え、引き続きパラトル
エンスルホン酸一水和物(33mg、0.17mmo
l)を加え、室温で17時間撹拌した。飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。飽和
食塩水で洗浄後、脱水、溶媒留去後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)
で精製し、化合物6を2.0g(92%)で得た。同様
に(R)−(−)−2,2−ジメチルー1,3−ジオキ
ソラン−4−メタノールから化合物13を、2.0g
(92%)で得た。
【0036】実施例7 化合物6(1.6g、6.2mmol)と4−ジメチル
アミノピリジン(75mg、0.62mmol)のピリ
ジン溶液にトリチルクロライド(1.9g、6.8mm
ol)を加え、110度で4時間加熱した。水を加え、
酢酸エチルで抽出した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶媒留去後、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:9)で精製し、化合物7を、2.4g(85%)で
得た。同様に化合物13から化合物14を、2.5g
(89%)で得た。
【0037】実施例8 化合物7(3.5g、7.44mmol)のアセトン溶
液にN−ヨードスクシンイミド(1.84g、8.18
mmol)と硝酸銀(252mg、1.49mmol)
を加え、氷零下で4時間撹拌した。溶媒を留去後、水を
加え、酢酸エチルで抽出した。10%チオ硫化ナトリウ
ム水、飽和食塩水で洗浄した後、脱水、溶媒留去後、シ
リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
4:1)で精製し、化合物8を4.1g(91%)で得
た。同様に、化合物14から化合物15を4.5g(9
9%)を得た。
【0038】実施例9 酸素雰囲気下、塩化第一銅(442mg、4.47mm
ol)のアセトン溶液にテトラメチルエチレンジアミン
(cat.)を室温で加えた。室温で30分撹拌後、化
合物4(8.0g、13.5mmol)のアセトン溶液
を加えた。60度で15時間加熱撹拌した。冷後、減圧
下で溶媒を留去した後、クロロホルムを加え、懸濁液を
濾過した。その炉液を水、飽和食塩水で洗浄した後、脱
水、溶媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸
エチル:ヘキサン=1:5)で精製し、化合物16を
7.45g(93%)で得た。
【0039】実施例10 化合物16(7g、5.93mmol)のメタノール:
クロロホルム溶液(1:2)にパラトルエンスルホン酸
一水和物(42mg、0.22mmol)を加え、室温
で17時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を
加え、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した
後、脱水、溶媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=3:7)で精製し、化合物1
7を3.55g(86%)で得た。
【0040】実施例11 化合物17(1.5g、2.16mmol)のジメチル
スルホキシド溶液に室温で水素化ナトリウム(0.19
g、4.75mmol)を加えた。室温で30分撹拌
後、化合物3(1.1g、4.75mmol)のジメチ
ルスルホキシド溶液を加えた。更に、室温で14時間撹
拌後、飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出し、脱
水、溶媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸
エチル:ヘキサン=1:9)で精製し、化合物18を、
1.94g(93%)で得た。
【0041】実施例12 酸素雰囲気下、塩化第一銅(138mg、1.4mmo
l)のキシレン溶液にテトラメチルエチレンジアミン
(cat.)を室温で加え、130度に加熱した。化合
物18(0.4g、0.413mmol)のキシレン溶
液を加え、130度で8時間加熱撹拌した。冷後、溶媒
を留去後、クロロホルムと水を加えた。懸濁液を濾過
後、炉液をクロロホルム抽出し、飽和食塩水で洗浄した
後、脱水、溶媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、化合物1
9を0.172g(43%)で得た。
【0042】化合物19はH−NMRスペクトルによ
り同定した。
【0043】結果は、以下の通りである。 H−NMR(CDCl、TMS):7.23(d、
J=8.8Hz、4H)、6.85(d、J=8.5H
z、4H)、4.45(s、4H)、3.78(s、6
H)、3.58−3.37(m、18H)、2.22
(t、J=6.9Hz、8H)、1.61−1.43
(m、16H)、1.35−1.24(m、32H)。
【0044】実施例13 化合物19(0.61g、0.63mmol)の塩化メ
チレン溶液にpH7.2の緩衝液(3.74ml)を加
え、更にジシアノジクロロキノン(1.48g、6.5
mmol)を氷零下で加え、1.5時間撹拌した。飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄
後、脱水、溶媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィー
で精製し、化合物20を、0.294g(64%)で得
た。同様に化合物26から化合物27を43mg(77
%)で得た。
【0045】化合物20、化合物27はH−NMRス
ペクトルにより同定した。
【0046】結果は、以下の通りである。 H−NMR(CDCl、TMS):3.72−3.
48(m、18H)、2.23(t、J=6.9Hz、
8H)、2.17(bs、2H)、1.65−1.42
(m、16H)、1.40−1.19(m、32H)。
【0047】実施例14 化合物20(40mg、0.056mmol)とトリエ
チルアミン(0.043ml、0.31mmol)のベ
ンゼン溶液に2−ブロモエチルジクロロホスフェート
(0.020ml、0.15mmol)を加え、室温で
12時間撹拌した。溶媒を留去し、化合物21を得た。
同様に化合物27から化合物28を得た。
【0048】実施例15 化合物21にクロロホルムと水を加え、室温で9時間撹
拌した。クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した
後、脱水、溶媒留去し、化合物22を得た。同様に化合
物28から化合物29を得た。
【0049】実施例16 化合物22にクロロホルム:イソプロパノール:アセト
ニトリル溶液(0.9:1.6:1.6)と30%トリ
メチルアミン水溶液を加えた。60度で15時間加熱し
た後、溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール:水=65:25:4)で
精製し、化合物23を37mg(62%)で得た。同様
に化合物29から化合物30を得た。
【0050】化合物23、化合物30はH−NMRス
ペクトルにより同定した。
【0051】結果は、以下の通りである。 H−NMR(CDCl:CDOD=97:3、T
MS):4.24(bs、4H)、3.84(t、J=
5.3Hz、4H)、3.65(bs、4H)、3.5
8−3.51(m、8H)、3.43−3.37(m、
6H)、3.24(s、18H)、2.21(t、J=
6.7Hz、8H)、1.49−1.43(m、16
H)、1.34−1.20(m、32H)。
【0052】実施例17 化合物17(26mg、0.022mmol)の塩化メ
チレン溶液にpH7.2の緩衝液(0.05ml)を加
え、更にジシアノジクロロキノン(15mg、0.06
6mmol)を氷零下で加え、3時間撹拌した。飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで抽出
し、飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶媒留去後、シリカゲ
ルクロマトグラフィーで精製し、化合物24を16mg
g(89%)で得た。
【0053】実施例18 化合物24(1.46g、1.55mmol)のジメチ
ルスルホキシド溶液に室温で水素化ナトリウム(157
mg、3.93mmol)を加えた。室温で30分撹拌
後、化合物3(1.37g、3.93mmol)のジメ
チルスルホキシド溶液を加え、60℃で6時間撹拌後、
飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出し、脱水、溶媒留
去後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘ
キサン=1:9)で精製し、化合物25を1.1g(5
8%)で得た。
【0054】実施例19 酸素雰囲気下、塩化第一銅(262mg、2.65mm
ol)のパラキシレン溶液にテトラメチルエチレンジア
ミン(0.4ml、2.65mmol)を室温で加え、
130度に加熱した。化合物25(0.2g、0.16
mmol)のパラキシレン溶液を加え、130度で8時
間加熱撹拌した。冷後、溶媒を留去後、クロロホルムと
水を加えた。懸濁液を濾過後、炉液をクロロホルム抽出
し、飽和食塩水で洗浄した後、脱水、溶媒留去後、シリ
カゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=
1:9)で精製し、化合物26を93mg(46%)で
得た。
【0055】化合物26はH−NMRスペクトルによ
り同定した。
【0056】結果は、以下の通りである。 H−NMR(CDCl、TMS):7.43(d、
J=7.9Hz、12H)、7.26(t、J=7.6
Hz、12H)、7.20(t、J=7.3Hz、6
H)、3.55−3.44(m、10H)、3.97
(t、J=6.5Hz、4H)、3.12(d、J=
4.9Hz、4H)、2.22(t、J=6.1Hz、
8H)、1.54−1.45(m、16H)、1.35
−1.24(m、32H)。
【0057】実施例20 化合物5(1.0g、2.87mmol)とヨウ化第一
銅(110mg、0.57mmol)のピロリジン溶液
中に化合物15(2.1g、3.44mmol)を−2
0度で加えた。更に同温で10分間撹拌した後、水を加
え、酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、脱
水、溶媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=1:1)で精製し、化合物31を
1.85g(79%)で得た。同様に、化合物8と化合
物12から化合物39を、1.50g(64%)で得
た。同様に、化合物5と化合物15から化合物47を、
1.71g(73%)で得た。
【0058】実施例21 化合物31(730mg、0.89mmol)のジメチ
ルスルホキシド溶液に水素化ナトリウム(79mg、
1.97mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。
化合物3(685mg、197mmol)のジメチルス
ルホキシド溶液を加え、室温で4時間撹拌した後、飽和
食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。脱水、溶媒留
去後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=2:1)で精製し、化合物32を495mg
(57%)で得た。同様に化合物39から化合物40
を、556g(64%)で得た。同様に、化合物47か
ら化合物48を547mg(63%)で得た。
【0059】実施例22 酸素雰囲気下、塩化第一銅(204mg、2.06mm
ol)のパラキシレン溶液にテトラメチルエチレンジア
ミン(0.311ml、2.10mmol)を加えた。
130度に加熱し、化合物32(100mg、0.10
3mmol)のアセトン溶液を7時間かけて滴下した。
溶媒留去後、水を加え、クロロホルムで抽出した。飽和
食塩水で洗浄後、脱水、溶媒留去後、シリカゲルクロマ
トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製
し、化合物33を45mg(45%)で得た。同様に化
合物40から化合物41を42g(42%)で得た。同
様に化合物48から化合物49を43mg(43%)で
得た。
【0060】化合物33、化合物41、化合物49は
H−NMRスペクトルにより同定した。
【0061】結果は、以下の通りである。 H−NMR(CDCl、TMS):7.44(d、
J=7.3Hz、6H)、7.27(t、J=7.5H
z、6H)、7.24(d、J=8.5Hz、2H)、
7.21(t、J=7.6Hz、3H)、6.85
(d、J=8.5Hz、2H)、4.46(s、2
H)、3.78(s、3H)、3.59−3.38
(m、16H)、3.13(d、J=4.9Hz、2
H)、2.22(t、J=6.6Hz、8H)、1.6
3−1.41(m、16H)、1.35−1.25
(m、32H)。
【0062】実施例23 化合物33(50mg、0.05mmol)のメタノー
ル:クロロホルム溶液(1:2.5)溶液中にパラトル
エンスルホン酸一水和物(0.2mg、0.001mm
ol)を加え、9時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。飽和食塩
水で洗浄後、脱水、溶媒留去し、化合物34を得た。同
様に化合物41からは化合物42、化合物49からは化
合物50を得た。
【0063】実施例24 引き続き化合物34の塩化メチレン溶液にpH7.2の
リン酸緩衝液(0.22ml)を加え、さらに2、3―
ジクロロ−5、6―ジシアノ−1、4−ベンゾキノン
(35mg、0.16mmol)を加え、氷零下で5時
間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩
化メチレンで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶
媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル)で精製し、化合物35を、19mg(50%)で得
た。同様に、化合物42から化合物43を26g(69
%)で得た。同様に、化合物50から化合物51を21
mg(55%)で得た。
【0064】化合物35、化合物43、化合物51は
H−NMRスペクトルにより同定した。
【0065】結果は、以下の通りである。 H−NMR(CDCl、TMS):3.70−3.
38(m、18H)、2.23(t、J=6.9Hz、
8H)、2.17(bs、2H)、1.60−1.43
(m、16H)、1.36−1.23(m、32H)。
【0066】実施例25 化合物35(64mg、0.088mmol)とトリエ
チルアミン(0.043ml、0.31mmol)のベ
ンゼン溶液に2−ブロモエチルジクロロホスフェート
(0.020ml、0.15mmol)を加え、室温で
12時間撹拌した。溶媒を留去し、化合物36を得た。
同様に化合物43からは化合物44、化合物51からは
化合物52を得た。
【0067】実施例26 化合物36にクロロホルムと水を加え、室温で9時間撹
拌した。クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した
後、脱水、溶媒留去し、化合物37を得た。同様に化合
物44からは化合物45、化合物52からは化合物53
を得た。
【0068】実施例27 化合物37にクロロホルム:イソプロパノール:アセト
ニトリル溶液(0.9:1.6:1.6)と30%トリ
メチルアミン水溶液を加えた。60度で15時間加熱し
た後、溶媒を留去し、シリカゲルクロマトグラフィー
(クロロホルム:メタノール:水=65:25:4)で
精製し、化合物38を、62mg(67%)で得た。同
様に、化合物45から化合物46を、56g(60%)
で得た。同様に、化合物53から化合物54を、64m
g(69%)で得た。
【0069】化合物38、化合物46、化合物54は
H−NMRスペクトルにより同定した。
【0070】結果は、以下の通りである。 H−NMR(CDCl:CDOD=97:3、T
MS):4.21(bs、4H)、3.83(bs、4
H)、3.60(bs、4H)、3.56−3.51
(m、8H)、3.43−3.33(m、6H)、3.
19(s、18H)、2.19(t、J=6.7Hz、
8H)、1.47−1.42(m、16H)、1.33
−1.15(m、32H)。
【0071】実施例28 化合物7とヨウ化第一銅(110mg、0.57mmo
l)のピロリジン溶液中に化合物8を−20度で加え
た。更に、同温で10分間撹拌した後、水を加え、酢酸
エチルで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶媒留
去後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸
エチル=1:1)で精製し、化合物55を得た。
【0072】実施例29 化合物55のメタノール:クロロホルム溶液(1:1)
にパラトルエンスルホン酸一水和物(43mg、0.2
3mmol)を加え、室温で4時間撹拌した。飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、
飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶媒流去後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:
1)で精製し、化合物56を得た。次に、得られた化合
物56のジメチルスルホキシド溶液に水素化ナトリウム
(79mg、1.97mmol)を加え、室温で30分
間撹拌した。化合物3(685mg、197mmol)
のジメチルスルホキシド溶液を加え、室温で4時間撹拌
した後、飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。
脱水、溶媒留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘ
キサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、化合物57を
得た。
【0073】実施例30 酸素雰囲気下、塩化第一銅(204mg、2.06mm
ol)のパラキシレン溶液にテトラメチルエチレンジア
ミン(0.311ml、2.10mmol)を加えた。
130度に加熱し、化合物57のアセトン溶液を7時間
かけて滴下した。溶媒留去後、水を加え、クロロホルム
で抽出した。飽和食塩水で洗浄後、脱水、溶媒留去後、
シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル
=2:1)で精製し、化合物58を得た。
【0074】化合物58はH−NMRスペクトルによ
り同定した。
【0075】結果は、以下の通りである。 H−NMR(CDCl、TMS):3.87−3.
37(m、18H)、2.23(t、J=7.0Hz、
8H)、2.00(bs、2H)、1.65−1.42
(m、16)、1.40−1.19(m、32H)
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、同一分子内に2個のグ
リセロールを4個のエ−テル結合で環状にした基本構造
を有する化合物が得られる。これらの化合物は、界面活
性を有しており、工業および家庭における、たとえば金
属加工、採鉱、表面仕上げ、洗浄および清浄、化粧品、
医薬および食品加工および調理の分野で、殊に乳化剤、
解乳化剤、洗浄剤、分散剤およびヒドロトロープ剤等と
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C022 NA01 4D077 AB10 AB11 AB12 AC01 AC05 DC02Y DC07Y DC12Y DC16Z DC19Y DC67Y DC71Y 4H003 AB39 AC03 DA01 DA02 FA36 FA37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されることを特徴
    とする環状エ−テル化合物。 【化1】(1) (式中、上記一般式の置換基R〜Rは、有機基を表
    し、RとRは、水素原子、ハロゲン原子、金属原
    子、リン酸、有機基、を表す。有機基は、炭素数が15
    0以下であり、水素原子、ハロゲン原子、金属原子、酸
    素原子、窒素原子、硫黄原子、燐原子、珪素原子を含ん
    でも良い。R〜Rは、すべて同一であっても、又は
    異なるものであってもよい。また、RとRは、同一
    であっても、または異なるものであってもよい。)
  2. 【請求項2】下記一般式(2)で表されることを特徴と
    する環状エ−テル化合物。 【化2】(2) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
    基と同じである。)
  3. 【請求項3】下記一般式(3)で表されることを特徴と
    する環状エ−テル化合物。 【化3】(3) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
    基と同じである。)
  4. 【請求項4】下記一般式(4)から一般式(7)で表さ
    れる中から選ばれるいずれか一つの環状エ−テル化合
    物。 【化4】(4) 【化5】(5) 【化6】(6) 【化7】(7) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
    基と同じである。)
  5. 【請求項5】下記一般式(8)から一般式(11)で表
    される中から選ばれるいずれか一つの環状エ−テル化合
    物。 【化8】(8) 【化9】(9) 【化10】(10) 【化11】(11) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
    基と同じである。)
  6. 【請求項6】下記一般式(12)から一般式(15)で
    表される中から選ばれるいずれか一つの環状エ−テル化
    合物。 【化12】(12) 【化13】(13) 【化14】(14) 【化15】(15) (式中、R〜Rは前記一般式(1)の化合物の置換
    基と同じである。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008162953A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 環状エーテル・アミド化合物。

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