JP2003286179A - コラゲナーゼ阻害剤及びその利用 - Google Patents
コラゲナーゼ阻害剤及びその利用Info
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Abstract
ゼ阻害剤を提供する。またコラゲナーゼ阻害作用を利用
した抗歯周病剤及び口腔用組成物を提供する。 【解決手段】有効成分としてジャケツイバラ属植物、好
ましくはSecang(学名:Caesalpinia sappan L. Legumi
nosae.)の抽出物を用いる。
Description
剤に関する。より詳細には、特定の植物抽出物を有効成
分とするコラゲナーゼ阻害剤に関する。さらに本発明
は、かかる植物抽出物のコラゲナーゼ阻害作用を利用し
た抗歯周病剤及び口腔用組成物に関する。
コラゲナーゼ阻害作用を有するテトラサイクリン系の抗
生物質が主流として使用されているが、薬剤耐性菌の出
現や副作用の発生が懸念されるため、使用が制限されて
いるのが実情である。そこで、副作用がなく人体への安
全性が高い歯周病の予防または治療剤の開発が期待され
ている。
ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas ging
ivalis)が関わっており、それが産生するコラゲナーゼ
によって歯周組織が破壊されることが知られている(ジ
ャーナル・デンタル・リサーチ(J.Dent.Res.)No.63,
pp.412-421,(1984)、及びジャーナル・デンタル・リサ
ーチ(J.Dent.Res.)No.65, pp.1335-1340,(1986))。
ナス・ジンジバリスが産生するコラゲナーゼの活性を阻
害することによって、歯周病を予防しまた治療すること
が可能であると考えられる。
ウコ、ビンロウジ、大黄、生姜、桂皮、人参、ウワウル
シ、セネガ、カンゾウ、キキョウ、シャクヤク、ショウ
キョウ、タイソウなどの植物抽出物中にコラゲナーゼ阻
害作用があることは知られているが(特開昭62-148426
号、特開平4-29933号、特開平11-279039号公報)、ジャ
ケツイバラ属植物の抽出物にコラゲナーゼ阻害作用があ
ることについては知られていない。
病の予防または治療に有効に利用できるコラゲナーゼ阻
害剤を提供することである。また、本発明の目的はコラ
ゲナーゼ阻害作用を利用した抗歯周病剤を提供すること
である。さらに本発明の目的は歯周病といった口腔疾患
を予防しまたは改善するのに有用な口腔用組成物を提供
することである。
解決すべく日夜鋭意研究を重ねていたところ、すでにイ
ンドネシアで多年にわたって食用(薬用)に供され、人
体に対する安全性が確認されているジャケツイバラ属に
属する植物(Secang(インドネシア名)、学名:Caesal
pinia sappan L. Leguminosae.)の抽出物に、コラゲナ
ーゼ阻害作用、特に歯周病原性細菌であるポルフィロモ
ナス・ジンジバリス:Porphyromonas gingivalis) が
産生するコラゲナーゼの活性を阻害する作用があること
を見いだし、当該植物抽出物が抗歯周病剤として有効で
あることを確認した。本発明は、かかる知見に基づいて
完成されたものである。
コラゲナーゼ阻害剤である: 項1.ジャケツイバラ属植物の抽出物を有効成分とする
コラゲナーゼ阻害剤。 項2.ジャケツイバラ属植物がSecang(学名:Caesalpi
nia sappan L. Leguminosae.)である項1に記載のコラ
ゲナーゼ阻害剤。 項3.ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromona
s gingivalis)が産生するコラゲナーゼに対して阻害作
用を有するものである項1または2に記載のコラゲナー
ゼ阻害剤。
記載するコラゲナーゼ阻害剤を有効成分とする抗歯周病
剤である。当該抗歯周病剤は具体的には下記のように言
い換えることもできる: 項4-1.ジャケツイバラ属植物の抽出物を有効成分とす
る抗歯周病剤。 項4-2.ジャケツイバラ属植物がSecang(学名:Caesal
pinia sappan L. Leguminosae.)である項4-1.記載の
抗歯周病剤。 項4-3.ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromo
nas gingivalis)が産生するコラゲナーゼに対して阻害
作用を有するものである項4-1.〜4-2.に記載の抗歯周
病剤。
に記載するコラゲナーゼ阻害剤を含有する口腔用組成物
である。当該口腔用組成物は具体的には下記のように言
い換えることもできる: 項5-1.ジャケツイバラ属植物の抽出物を有効成分とす
る口腔用組成物。 項5-2.ジャケツイバラ属植物がSecang(学名:Caesal
pinia sappan L. Leguminosae.)である項5-1.に記載
の口腔用組成物。 項5-3.ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromo
nas gingivalis)が産生するコラゲナーゼに対して阻害
作用を有するものである項5-1.〜5-2.に記載の口腔用
組成物。
ng(学名:Caesalpinia sappan L. Leguminosae.)は、
マメ科(Leguminosae)ジャケツイバラ属に属する植物
である。当該植物は、インドネシア地方において古来よ
り収斂薬や止瀉薬として腸炎や赤痢などの治療に伝承的
に使用されており、経験的に安全性が確認されている。
の全草またはその一部(例えば根、茎、葉、果実(種
子)、花蕾、樹皮、虫えい、木部、心材等)の溶媒抽出
物を有効成分とするものである。抽出に用いられる植物
部位は、コラゲナーゼ阻害活性を有する部位であれば特
に制限されないが、特に木部を好適に使用することがで
きる。
しくは破砕物として抽出操作に付してもよいし、また乾
燥後、必要に応じて粉砕粉体状として抽出操作に付して
もよい。
制限されず、低級アルコールや多価アルコール等のアル
コール類、その他、非極性溶媒および極性溶媒を広く用
いることができる。より具体的には低級アルコールとし
ては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソ
プロピルアルコール、ブタノール等の炭素数1〜4のア
ルコール;多価アルコールとしては、グリセリン、ポリ
エチレングリコール等を挙げることができる。その他の
非極性溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ノナン、デカン等の飽和炭化水素あるいはヘ
キセン、ヘプテン等の不飽和炭化水素等が、また極性溶
媒としては、水、アセトン、エチルエーテル、酢酸エチ
ル、酢酸メチル等が使用される。これらの溶媒は、単独
で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用すること
もできる。例えば脂肪分の多い原料などの場合は、非極
性溶媒で脱脂抽出処理した後、各種任意の溶媒で抽出処
理してもよいし、また含水有機溶媒を用いて抽出処理す
ることもできる。好ましくは、水やノール、エタノール
やプロパノール及びイソプロピルアルコール等の低級ア
ルコール、並びにこれらの混合物である。
く一般に用いられる方法を採用することができる。制限
はされないが、例えば溶媒中に全草若しくは部分、好ま
しくは木部(そのまま若しくは粗末、細切物)、又はそ
れらの乾燥破砕物(粉末など)を冷浸、温浸等によって
浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出を行い、濾過し
て抽出液を得る方法、またはパーコレーション法等を挙
げることができる。
は遠心分離によって固形物を除去した後、使用の態様に
応じて、そのまま用いるか、または溶媒を留去して一部
濃縮若しくは乾燥して用いてもよい。また濃縮乃至は乾
燥後、該濃縮乃至は乾燥物を非溶解性溶媒で洗浄して精
製して用いても、またこれを 更に適当な溶剤に溶解も
しくは懸濁して用いることもできる。また、抽出液を、
慣用されている精製法、例えば向流分配法や液体クロマ
トグラフィー等を用いて、コラゲナーゼ阻害活性を有す
る画分を取得、精製して使用することも可能である。更
に、本発明においては、例えば、上記のようにして得ら
れた溶媒抽出液を、減圧乾燥、凍結乾燥等の通常の手段
により植物エキス乾燥物として使用することもできる。
は、当業界において使用される常法に従って測定し評価
することができ(永井ら、炎症4, 123(1984)等)、簡
便には、市販のコラゲナーゼ活性測定キットを用いて実
施することができる。本発明において使用される植物抽
出物(Secang抽出物)は、好ましくは歯周病原性細菌で
あるポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas
gingivalis)が産生するコラゲナーゼに対して阻害活性
を有するものである。かかるポルフィロモナス・ジンジ
バリス産生コラゲナーゼに対する阻害活性は、具体的に
は後述する試験例に記載する方法に従って測定し評価す
ることができる。
の抽出物を有効成分とするものであり、食品、医薬部外
品又は医薬品などの各種口腔用組成物の成分として配合
されることにより、歯周病の発生やその進行を防止した
りまた歯周病を改善する抗歯周病剤として有効に利用す
ることができる。また、コラゲナーゼは一般に皮膚の老
化やリウマチに関与することが知られている(J. Enzym
e Inhibition, 2.1 (1987)、Arithritis Rheum.,20, 12
31 (1977))。本発明のコラゲナーゼ阻害剤は、コラゲ
ナーゼを抑制する作用を有することから、皮膚の老化や
リウマチ等の予防または改善にも利用できる可能性があ
る。
記Secang抽出物だけからなるものであってもよいし、ま
た他成分として食品、医薬部外品又は医薬品の分野で使
用が許容されている任意の担体や添加剤を含有していて
もよい。後者の場合、コラゲナーゼ阻害剤中に配合され
るSecang抽出物の量は、得られるコラゲナーゼ阻害剤が
Secang抽出物に基づいてコラゲナーゼ阻害活性を有する
限り特に制限されない。具体的には、制限はされない
が、コラゲナーゼ阻害剤100重量%中、Secang抽出物
(乾燥物換算)を少なくとも0.0001重量%、好ま
しくは0.0001〜25重量%、より好ましくは0.
001〜10重量%の割合で含むように調製することが
できる。
細菌の増加、細菌の組織内侵入や感染による宿主応答等
がその要因となっている。成人性歯周病の病原菌として
最も有力視されているものとしてポルフィロモナス・ジ
ンジバリス(Porphyromonas gingivalis)が挙げられ、
歯周病患者の歯周ポケット深部から高頻度に分離される
ことが報告されている。かかる菌は、コラゲナーゼ、フ
ォスフォリパーゼA、アルカリフォスファターゼ、酸フ
ォスファターゼなどの分解酵素を産生し、中でもコラゲ
ナーゼは歯周組織のコラーゲンを分解し、組織破壊を導
く直接的な因子といわれている。よって、歯周病の予防
及び治療には、歯周病の病原菌の生育を抑えるととも
に、その病因性因子を阻害することが重要である。
植物抽出物が有するコラゲナーゼ阻害作用、特に歯周病
原性細菌:Porphyromonas gingivalis が産生するコラ
ゲナーゼに対する阻害作用を利用して、歯周病の発症や
その進行を予防したり、または歯周病を改善するもので
あり、Secang抽出物を有効成分とするものである。
抽出物だけからなるものであってもよいし、また他成分
として食品、医薬部外品又は医薬品の分野で使用が許容
されている任意の担体や添加剤、特に経口組成物や口腔
用組成物への適用が許容されている担体や添加剤を含有
していてもよい。後者の場合、抗歯周病剤中に配合され
るSecang抽出物の量は、得られる抗歯周病剤がSecang抽
出物に基づいてコラゲナーゼ阻害活性を有する限り特に
制限されない。具体的には、通常抗歯周病剤100重量
%中、Secang抽出物(乾燥物換算)を少なくとも0.0
001重量%、好ましくは0.0001〜25重量%、
より好ましくは0.001〜10重量%の割合で含むよ
うに調製することができる。
周病原性細菌:Porphyromonas gingivalis が産生する
コラゲナーゼに対する阻害作用を利用したものであり、
前述するSecang抽出物を成分として含有するものであ
る。
量は、口腔用組成物がコラゲナーゼ阻害活性を有する限
り特に制限されない。具体的には、通常口腔用組成物1
00重量%中、Secang抽出物(乾燥物換算)を0.00
01重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、よ
り好ましくは0.01重量%以上の割合で含むように調
製することができる。なお、抗歯周病作用という本発明
の効果の点からは、Secang抽出物の配合割合の上限は特
に制限されるものではない。上限は口腔用組成物の安定
性や他の成分との関係等から定めることができ、通常口
腔用組成物100重量%中、Secang抽出物の乾燥物換算
で25重量%を例示することができる。好ましくは10
重量%である。
例えば飲食物のように経口的に摂取されるもの並びに歯
磨きやマウスウオッシュのように口腔内で用いられるも
のの双方を含むものである。
ローチ、チューインガム、キャンディ、グミキャンデ
ィ、チョコレート、ジュース等の各種食品;歯磨剤(練
り状、液体状、粉末固形状),マウススプレーなどの口
中清涼剤、咀嚼剤、トローチ剤、口腔用パスタ剤、うが
い剤、シロップ剤等の医薬品又は医薬部外品;歯磨剤、
マウスウォッシュ、マウスリンスなどの口腔内化粧品を
挙げることができる。好ましくは、トローチ,チューイ
ンガム及びキャンディ等の食品、並びに歯磨剤,マウス
スプレー,マウスウォッシュ及びマウスリンスなどの医
薬品、医薬部外品または口腔内化粧品を挙げることがで
きる。これらの形態並びに剤形は、特に制限されず、種
類に応じて任意に定めることができる。
妨げない限り、他の成分として、公知若しくは将来公知
となり得る抗菌剤(例えば、P.gingivalis菌、S.mutans
菌、S.sobrinus菌等の歯周病原性またはう蝕性細菌に
対する生育阻止剤等)、抗GTase剤等の抗う蝕剤、若
しくは消炎剤などの成分と組み合わせて配合することも
できる。抗菌剤としては、塩酸クロルヘキシジン、塩化
セチルピリジニウム、ソルビン酸、ヒノキチオール等
が;抗う蝕剤としてはデキストラナーゼ、ムタナーゼ、
モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フ
ッ化第一錫等が;また消炎剤としては塩化リゾチーム、
グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム等を例
示することができる。
出物(コラゲナーゼ阻害剤、抗歯周病剤)に加えて、適
用する口腔用組成物の種類に応じて、口腔用組成物に通
常配合される各種成分を用いて調製することができる。
リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、不溶性メタリン酸
ナトリウム、非晶質シリカ、酸化アルミニウム等の研磨
剤;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、アルギン酸塩、カラゲナン、アラビアゴム、
ポリビニルアルコール等の粘結剤;ポリエチレングリコ
ール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコー
ル等の粘稠剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸
モノグイセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢
酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウ
ム、N−アシルグルタミン酸塩、ショ糖脂肪酸エステル
等の発泡剤等を挙げることができる。また更に、通常用
いられるメントール等の香料並びに矯味剤又は甘味剤、
防腐剤等を配合することもできる。マウスウオッシュ等
の洗口剤並びにチューイングガム等の食品の場合につい
ても、常法の成分を併用することができる。なお、併用
配合される甘味剤としては、う蝕性が低いか又はないも
のが好ましく、例えばD−キシロース、キシリトール、
サッカリンナトリウム、アスパルテーム、トレハロース
などを好適に挙げることができる。
明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例等に
よって何ら制限されるものではない。製造例 Secang(学名:Caesalpinia sappan L. Leguminosae.)
の木部の粉砕物100gに対して、3倍量のヘキサンを
加え、室温で24時間抽出し、ろ過した。ろ過残渣に更に
1倍量のヘキサンを加え攪拌、ろ過を行ない試料の脱脂
を行なった。脱脂された試料は乾燥後、5倍量のエタノ
ールにて、室温48時間抽出を行なった。これをろ過し得
られた抽出液をエバポレーターにて濃縮、凍結乾燥を行
ない、乾燥固形形態で植物抽出物(以下、Scang抽出物
という)4.26gを得た。
性ポルフィロモナス・ジンジバリスに対する生育阻害作
用を測定した。
AMブイヨン59g、精製水1000ml)にScang抽出物を1m
g/mlとなるような割合で添加し、調製した当該溶液をG
AMブイヨン培地で順次希釈することにより、48穴マ
イクロプレートに2倍希釈系列を作成した(2、4、
8、16、32、64、128、256、512、1024倍希釈)。調製
した各ウエルにポルフィロモナス・ジンジバリス(Porp
hyromonas gingivalis)(ATCC 33277株)培養菌液を10
%の割合で添加し、37℃で3日間、嫌気条件で静置培養
した。次いで菌の生育の有無から、Scang抽出物の最小
生育阻害濃度を調べた。その結果、Scang抽出物1mg/ml
の1〜256倍希釈溶液において、ポルフィロモナス・ジン
ジバリスは生育が認められなかった(最小生育阻害濃
度:3.9μg/ml)。このことから、Scang抽出物は歯周病
原性ポルフィロモナス・ジンジバリスに対して強い抗菌
性(生育阻害作用)を有していることが確認された。
病原性ポルフィロモナス・ジンジバリス産生コラゲナー
ゼに対する阻害作用を求めた。
ーゼ活性測定キット(コラゲノキットCLN-100、コラー
ゲン技術研修会(株)製)を用いて評価した。具体的に
は、蛍光標識コラーゲンを基質とし被験試料の存在下で
コラゲナーゼと反応して生じる分解物を、35℃で選択的
に変性させた後、エタノールで抽出し、抽出された分解
物の蛍光強度を測定することにより被験体のコラゲナー
ゼ阻害活性を算出した。すなわち、被験試料存在下での
コラゲナーゼ活性の減少率を阻害率としてコラゲナーゼ
活性阻害率を求めた。
ivalis) が産生するコラゲナーゼ溶液を以下の方法に
よって調製した。
romonas gingivalis)菌ATCC 33277を血液平板培地(ト
リプチケイス・ソイ・ブロス40g、ヘミン5mg、メ
ナジオン0.5mg、ウマ脱繊維血液100ml、精製水900m
l)に植菌して、4日間嫌気的に培養を行い、次いで得
られた菌を酵素抽出用液体培地(GAMブイヨン59g、
精製水1000ml)に接種し、さらに37℃で3日間嫌気的
に培養した。得られた培養液を遠心して、上清を80%
硫酸アンモニウム処理して遠心(12000×G、20分)によ
り80%硫酸アンモニウム画分(沈殿物)を収集した。
この画分を5mM 塩化カルシウムを含む0.05Mトリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.5)250mlに溶解し、同
緩衝液に対して透析を行った。透液内液を限外濾過して
(0.22μm、MILIPORE)、これをポルフィロモナス
・ジンジバリス産生コラゲナーゼ溶液として以下の実験
に使用した。
害作用を測定した。具体的にまず上記(a)で調製した
ポルフィロモナス・ジンジバリス産生コラゲナーゼ溶液
(1.69U/ml)100μl、蛍光標識コラーゲン溶液200μl
及び被験試料(Scang抽出物の希釈液)100μlを混合し
て計400μlとし、これを35℃で2時間反応させて、反
応後に分解物の蛍光強度を測定して、コラゲナーゼ活性
を算出した。なお、被験試料(Scang抽出物の希釈液)
は、製造例で調製したScang抽出物(凍結乾燥物)を5
mM 塩化カルシウムを含む0.05Mトリス−塩酸緩衝
液(pH7.5)で被験試料中の最終濃度が0.1mg/m
l、0.01mg/mlまたは0.001mg/mlとなるように調
製したものを使用した。また、対照試験として上記被験
試料溶液(Scang抽出物の希釈液)に代えて5mM 塩化
カルシウムを含む0.05Mトリス−塩酸緩衝液(pH
7.5)100μlを用いて(コントロール)、また比
較試験として上記被験試料溶液(Scang抽出物の希釈
液)に代えてコラゲナーゼ阻害活性を有することが知ら
れているロイペプチン含有溶液(0.1mg/ml、0.01m
g/mlまたは0.001mg/ml)を用いて、上記と同様にコ
ラゲナーゼ活性を測定した。Scang抽出物のコラゲナー
ゼ活性阻害率は、以下の式から求めた(1U=1μgの
コラーゲン分解/分)。
ルのコラゲナーゼ活性は1.69U/mlだった。
ンにも増して、極めて強いコラゲナーゼ阻害作用を有す
ることが分かった。
(コラゲナーゼ阻害剤、抗歯周病剤)の適用例を実施例
として記載する。なお、各処方の単位は特に言及しない
限り、重量部を意味するものである。またScang抽出物
は凍結乾燥物を使用した。
量部を、糖衣部130重量部で糖衣した口中清涼剤を作成
した。
いう特定の植物の抽出物を有効成分とするものである。
当該植物抽出物は、特に歯周病原性菌であるポルフィロ
モナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)
が産生するコラゲナーゼを阻害する作用に優れているこ
とから、食品、医薬部外品又は医薬品などの各種口腔用
組成物の成分として配合されることにより、歯周病の発
生やその進行を防止したりまたは歯周病を改善する作用
を有する抗歯周病剤として、また口腔用組成物の成分と
して有効に利用することができる。すなわち、本発明の
抗歯周病剤または口腔用組成物は、Secang抽出物のポル
フィロモナス・ジンジバリス産生コラゲナーゼ阻害活性
に基づいて、歯周病の発生やその進行の防止または歯周
病の改善に有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】ジャケツイバラ属植物の抽出物を有効成分
とするコラゲナーゼ阻害剤。 - 【請求項2】ジャケツイバラ属植物がSecang(学名:Ca
esalpinia sappan L.Leguminosae.)である請求項1記
載のコラゲナーゼ阻害剤。 - 【請求項3】ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphy
romonas gingivalis)が産生するコラゲナーゼに対して
阻害作用を有するものである請求項1または2に記載の
コラゲナーゼ阻害剤。 - 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載のコラゲ
ナーゼ阻害剤を有効成分とする抗歯周病剤。 - 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかに記載のコラゲ
ナーゼ阻害剤を含有する口腔用組成物。
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---|---|---|---|
JP2002090325A JP2003286179A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | コラゲナーゼ阻害剤及びその利用 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007238485A (ja) * | 2006-03-07 | 2007-09-20 | Lotte Holdings Ltd | メチオニナーゼ阻害剤及びそれを含有する口腔用組成物並びに飲食品 |
JP2011168510A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Lion Corp | 口腔用組成物 |
-
2002
- 2002-03-28 JP JP2002090325A patent/JP2003286179A/ja active Pending
Cited By (2)
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