JP2003285526A - 不可視情報の記録方法 - Google Patents

不可視情報の記録方法

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JP2003285526A
JP2003285526A JP2002088711A JP2002088711A JP2003285526A JP 2003285526 A JP2003285526 A JP 2003285526A JP 2002088711 A JP2002088711 A JP 2002088711A JP 2002088711 A JP2002088711 A JP 2002088711A JP 2003285526 A JP2003285526 A JP 2003285526A
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Keiichi Uko
恵一 宇高
Yoshitaka Yamada
嘉貴 山田
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Toppan Forms Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不可視情報に赤外線を照射した際に、高発光
強度および高輝度を実現する。この結果、赤外線照射下
での優れた判読性、良好な秘匿性を実現する。 【解決手段】 赤外線を吸収し可視光を放出する光ルミ
ネセンス体を含有するインキを使用して、不可視情報を
記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不可視情報を記録
するのに好適なインキ、このインキを使用する不可視情
報の形成方法、不可視情報が形成される媒体、不可視情
報が形成された媒体に関する。
【0002】なお、特に断らない限り、「不可視」と
は、可視光下で肉眼により目視できないことを言う。
【0003】
【従来の技術】秘匿情報、真贋判定用情報、偽造防止用
情報および娯楽用情報などの不可視情報を記録するため
のインキとしては、例えば紫外線発光蛍光体を含有する
ものが実用化されている。紫外線発光蛍光体含有インキ
で形成された不可視情報は、可視光下で目視できないた
め不可視情報の秘密を保持でき、必要な時に紫外線を照
射することにより不可視情報を判読できる。
【0004】紫外線を照射する簡便な装置としては、例
えばブラックライト等が使用されている。ブラックライ
トは比較的安価であり使用方法も簡単であるため広く普
及しており、紫外線発光蛍光体含有インキで形成された
不可視情報の判読に好適な用具である。しかしながら、
近年、ブラックライトの普及に伴い多数の人がブラック
ライトを容易に入手できる様になったため、紫外線発光
蛍光体含有インキで形成された不可視情報の安全性が低
下することが危惧されつつある。
【0005】そこで、紫外線発光蛍光体含有インキの代
替品として、赤外線発光蛍光体含有インキの開発が試み
られている。例えば、特開平7−310072号公報に
は、波長950〜1050nmの赤外線を発光する赤外
蛍光体顔料が記載されている。また、特開平9−596
15号公報には、630nm以上の発光ピーク波長を有
する蓄光性蛍光体が記載されている。また、特開200
0−43449号公報には、波長980〜1020nm
以上に発光スペクトルを有する赤外線発光蛍光体が記載
されている。また、特開平3−258592号公報に
は、蛍光波長が980nmの蛍光体を含有するインキが
記載されている。
【0006】更に、蛍光体ハンドブック(蛍光体同学会
編、1987年12月発行)の第343〜345頁には
赤外励起蛍光体について記載されているが、この様な赤
外励起蛍光体を不可視情報用のインキとして使用するこ
とは記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に不可視情報
用のインキに付いては多数の提案がなされているが、こ
れらのインキを用いて不可視情報を記録した場合、次の
様な不具合が発生することがあった。
【0008】第1に、従来のインキを用いた記録方法の
場合、発光強度および輝度などが不十分なため、不可視
情報を十分に判読できないことがあった。また、不可視
情報の安全性が不足する場合もあった。第2に、従来の
インキを用いた記録方法の場合、不可視情報を形成した
後の耐久性が不十分なため、不可視情報を記録してから
時間が経過すると、不可視情報を判読できなくなる場合
があった。第3に、可視光下において不可視情報は目視
不可能であるにも関わらず、不可視情報を記録した際に
媒体に筆圧痕および印刷痕などが形成され、筆圧痕およ
び印刷痕が目視されるなど他の要因のために不可視情報
が漏洩することがあった。
【0009】そこで、本発明においては、これらの不具
合を解消することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明によれば、赤外線を吸収し可視光を放出する光
ルミネセンス体を含有するインキを用いて不可視情報を
記録する方法が提供される。
【0011】赤外線を吸収し可視光を放出する光ルミネ
センス体(赤外・可視ルミネセンス体とも言う)を含有
するインキ(赤外・可視ルミネセンスインキとも言う)
を使用して不可視情報を形成すると、赤外・可視ルミネ
センス体の赤外線を照射した際の発光強度および輝度が
高いため、赤外線の照射により不可視情報を十分に判読
できる。また、赤外線の照射装置は、ブラックライト等
と比較して普及率が低いため、赤外・可視ルミネセンス
インキで形成された不可視情報の安全性は高い。
【0012】更に、赤外・可視ルミネセンス体の赤外線
照射時の発光強度および輝度が高いため、赤外・可視ル
ミネセンスインキで記録された不可視情報をカムフラー
ジュやオペイクしても、赤外線の照射により不可視情報
を十分に判読でき、情報が損なわれない。
【0013】このため、不可視情報をカムフラージュや
オペイクすることにより、不可視情報の判読性を損なう
ことなく、不可視情報の安全性を更に高めることができ
る。
【0014】また、不可視情報をカムフラージュやオペ
イクすることにより、インキの耐久性を向上でき、不可
視情報を記録してから長時間が経過しても、不可視情報
を判読できる。
【0015】また、不可視情報をカムフラージュやオペ
イクすることにより、不可視情報を記録する際に形成さ
れる筆圧痕および印刷痕などを目視し難く、あるいは隠
蔽できるため、筆圧痕および印刷痕の目視など他の要因
に起因する不可視情報の漏洩を阻止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明では、赤外線を吸収し可視光を放出
する光ルミネセンス体(赤外・可視ルミネセンス体)を
含有し、不可視情報を記録するためのインキ(赤外・可
視ルミネセンスインキ)を使用する。
【0018】赤外・可視ルミネセンス体は赤外線を吸収
し可視光を放出するため、赤外・可視ルミネセンスイン
キを使用して作製された不可視情報は、可視光下におい
ては目視できず、赤外線の照射により可視光が放出され
不可視情報を肉眼で判読できる。そして、赤外・可視ル
ミネセンス体の赤外線照射時の発光強度および輝度が高
いため、赤外・可視ルミネセンスインキを使用して記録
された不可視情報は、良好な判読性を有する。
【0019】この様な赤外・可視ルミネセンス体の中で
も、赤外線を照射した際の不可視情報の発光強度および
輝度が特に高いため、波長900〜1100nmの赤外
線を吸収し可視光を放出するものが好ましい。
【0020】また、同様の理由から、赤外・可視ルミネ
センス体としては、青色光、緑色光または赤色光を可視
光として放出するものが好ましい。より具体的には、青
色光として波長400〜500nmの可視光、緑色光と
して500〜580nmの可視光または赤色光として波
長580〜800nmの可視光を放出するものが好まし
い。なお、複数の波長の可視光を放出する赤外・可視ル
ミネセンス体を使用することもでき、必要に応じて複数
の赤外・可視ルミネセンス体を併用し、複数の波長の可
視光を放出する赤外・可視ルミネセンスインキにより不
可視情報を形成することもできる。
【0021】以上の様な赤外・可視ルミネセンス体とし
ては、1種以上の希土類を含有しているものが好まし
く、特に、得られる不可視情報の発光強度および輝度が
高いため、希土類としてYb(イッテルビウム)を含有
するものが好ましい。また、Ybの希土類全体に占める
割合は、5原子%以上が好ましく、10原子%以上がよ
り好ましく、15原子%以上が更に好ましく、一方、6
0原子%以下が好ましく、55原子%以下がより好まし
く、45原子%以下が更に好ましい。
【0022】更に高い発光強度および輝度を実現するこ
とに加え、放射される可視光の波長を調節するために、
Yb以外の希土類を含有する赤外・可視ルミネセンス体
が好ましく、具体的にはY(イットリウム)、Er(エ
ルビウム)及びTm(ツリウム)等が好ましく、必要に
応じて2種以上を併用するYの希土類全体に占める割合
は、40原子%以上が好ましく、50原子%以上がより
好ましく、60原子%以上が更に好ましく、一方、90
原子%以下が好ましく、85原子%以下がより好まし
く、80原子%以下が更に好ましい。
【0023】また、Erの希土類全体に占める割合は、
0.1原子%以上が好ましく、0.5原子%以上がより
好ましく、0.8原子%以上が更に好ましく、一方、1
0原子%以下が好ましく、8原子%以下がより好まし
く、5原子%以下が更に好ましい。
【0024】更に、Tmの希土類全体に占める割合は、
0.01原子%以上が好ましく、0.05原子%以上が
より好ましく、0.08原子%以上が更に好ましく、一
方、1原子%以下が好ましく、0.8原子%以下がより
好ましく、0.5原子%以下が更に好ましい。
【0025】以上の様な赤外・可視ルミネセンス体の平
均粒子径も、得られる不可視情報の発光強度および輝度
に影響するため、注意深く選択する。具体的には、0.
1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2
μm以上が更に好ましく、一方、10μm以下が好まし
く、8μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ま
しい。なお、平均粒子径としては、体積平均粒子径を例
えばCoulterElectronics社(英国)
製コールターマルチサイダーを用いて測定できる。
【0026】赤外・可視ルミネセンスインキは、以上の
様な赤外・可視ルミネセンス体と、ビヒクル及び助剤な
どとを混合し、必要に応じて他の色材も併用して作製さ
れる。赤外・可視ルミネセンス体の赤外・可視ルミネセ
ンスインキに占める割合は、十分な発光強度および輝度
を実現するために5質量%以上が好ましく、10質量%
以上がより好ましく、15質量%以上が更に好ましい。
一方、得られる赤外・可視ルミネセンスインキの不可視
情報を形成するに必要な性能を確保するために、60質
量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、
40質量%以下が更にこのましい。
【0027】ビヒクルは、赤外・可視ルミネセンスイン
キの所望な性能を実現するために注意深く選択され、例
えば、水;乾性油、半乾性油、不乾性油などの植物油;
加工油;鉱油;天然樹脂、加工樹脂、合成樹脂などの樹
脂;可塑剤;ワックス;炭化水素類、アルコール類、グ
リコール類、エステル類、ケトン類などの溶剤;紫外線
硬化性モノマー、紫外線硬化性オリゴマー、電子線硬化
性モノマー、電子線硬化性オリゴマー等の硬化性ビヒク
ル等を使用する。
【0028】助剤としては、ドライヤー、皮張り防止剤
などの乾燥制御剤;コンパウンド、増粘剤、腰切剤など
の粘度制御剤;分散剤、色分かれ防止剤、安定剤などの
分散制御剤;トナー、艶消し剤などの色調制御剤;開始
剤、増感剤、触媒、架橋剤などの反応制御剤;湿潤剤;
消泡剤;防かび剤などを使用する。
【0029】他の色材としては、有機顔料、無機顔料、
体質顔料などの顔料;油溶染料、水性染料、分散染料な
どの染料を使用する。
【0030】以上の様な赤外・可視ルミネセンスインキ
を用いて記録される不可視情報の種類としては、秘匿情
報、真贋判定用情報、偽造防止用情報、娯楽用情報など
を挙げることができる。また、必要に応じて、これらの
情報を組合わせて記録することもできる。
【0031】秘匿情報としては、パスワード、暗証番
号、ID番号、登録番号、氏名、住所、年齢、性別、誕
生日、血液型、電話番号、出身地、本籍、国籍、個人情
報などを例示でき、秘匿情報が記載された媒体(不可視
情報担持体)としては、図1に示す様なIDカード、申
込用紙、申請書類、登録書類、通知書類、帳票、郵便物
などを例示できる。媒体20に記録された秘匿情報21
は、可視光下では目視できないが、赤外線を照射するこ
とにより判読できる。
【0032】真贋判定用情報としては、隠し文字、隠し
記号、隠し模様、隠し地紋、隠し絵柄、隠し番号、罫
線、網点などを例示でき、真贋判定用情報が記載された
媒体(不可視情報担持体)としては、図2に示す様な入
場券、チケット、証書類、証明書類、金券、有価証券な
どを例示できる。媒体22に記録された真贋判定用情報
23は、可視光下では目視されない。このため、媒体2
2に可視光下で目視可能な図柄などが形成されている場
合、これらの図柄を損なうことなく真贋判定用情報23
を記録でき、その情報を媒体22に保持できる。そし
て、必要に応じて真贋判定用情報23に赤外線を照射し
判読して、媒体22の真贋を判定する。
【0033】偽造防止用情報としては、隠し文字、隠し
記号、隠し模様、隠し地紋、隠し絵柄、隠し番号、罫
線、網点などを例示でき、偽造防止用情報が記載された
媒体(不可視情報担持体)としては、図3に示す様な金
券、有価証券、チケット、入場券、証書類、証明書類な
どを例示できる。媒体24に記録された偽造防止用情報
25は、可視光下では目視されない。このため、媒体2
4に可視光下で目視可能な図柄などが形成されている場
合、これらの図柄を損なうことなく偽造防止用情報25
を記録でき、その情報を媒体24に保持できる。
【0034】娯楽用情報としては、隠し文字、隠し記
号、隠し模様、隠し地紋、隠し絵柄、隠し番号、罫線、
網点などを例示でき、娯楽用情報が記載された媒体(不
可視情報担持体)としては、図4に示す様な挨拶状、グ
リーティングカード、案内状、チケット、くじ、仕掛け
書籍、仕掛け文具などを例示できる。媒体26に記録さ
れた娯楽用情報27は、可視光下では目視されない。こ
のため、媒体26に可視光下で目視可能な図柄などが形
成されている場合、これらの図柄を損なうことなく娯楽
用情報27を記録でき、その情報を媒体26に保持でき
る。そして、必要に応じて娯楽用情報27に赤外線を照
射し、隠し文字などを判読する。
【0035】以上の様な不可視情報を媒体に記録する方
法は、不可視情報の種類および用途を勘案し、印刷、筆
記、感圧転写、捺印、貼付などから選択される。また、
必要に応じて、これらの方法を組合わせて使用すること
もできる。
【0036】図5には、印刷により不可視情報を形成す
る方法として、印刷機30により不可視情報が印刷され
た媒体31を製造する様子を示した。印刷により製造で
きる不可視情報担持体としては、秘匿情報が記録された
IDカード、申込用紙、申請書類、登録書類、通知書
類、帳票、郵便物など;真贋判定用情報が記録された入
場券、チケット、証書類、証明書類、金券、有価証券な
ど;偽造防止用情報が記録された金券、有価証券、チケ
ット、入場券、証書類、証明書類など;娯楽用情報が記
録された挨拶状、グリーティングカード、案内状、チケ
ット、くじ、仕掛け書籍、仕掛け文具などを挙げること
ができる。
【0037】印刷用の赤外・可視ルミネセンスインキ
は、適当なビヒクル等を使用することで調製できる。こ
の様な印刷用のインキとしては、フレキソ印刷用イン
キ、活版印刷用インキ、写真凸版印刷用インキ、PS版
印刷用インキ、オフセット印刷用インキ等の凸版印刷用
インキ;グラビア印刷用インキ、網点グラビア印刷用イ
ンキ、PS版印刷用インキ、オフセット印刷用インキ等
の凹版印刷用インキ;PS版印刷用インキ、オフセット
印刷用インキ等の平板印刷用インキ;スクリン印刷用イ
ンキ、謄写印刷用インキ、PS版印刷用インキ、オフセ
ット印刷用インキ等の孔版印刷用インキ;紫外線硬化型
インキ、電子線硬化型インキ、枚葉用インキ、オフセッ
ト輪転用インキ、新聞用インキ、ブリキ板用インキ等の
ペーストインキ等を挙げることができる。
【0038】図6には、筆記により不可視情報を形成す
る方法として、記録用具32により不可視情報を申込書
33に筆記する様子を示した。この場合、描画用の赤外
・可視ルミネセンスインキ等を具備する記録用具を用い
て、不可視情報を媒体に直接筆記する。この様な記録用
具としては、マーキングペン、水性ペン、油性ペン、水
性マーカー、油性マーカー、ボールペン、万年筆、デス
クペン等の筆記具を挙げることができる。また、これら
の筆記具用の赤外・可視ルミネセンスインキは、適当な
ビヒクル等を使用することで調製でき、具体的には、マ
ーキングペン用インク、水性ペン用インク、油性ペン用
インク、水性マーカー用インク、油性マーカー用イン
ク、ボールペン用インク、万年筆用インク、デスクペン
用インク等の筆記具用インクを調製できる。
【0039】また、不可視情報を筆記する際に使用でき
る他の記録用具として、赤外・可視ルミネセンス体を含
有する描画剤などを具備する記録用具がある。この様な
記録用具としては、鉛筆、色鉛筆、シャープペンシル等
の筆記具や、水性絵具、油性絵具、アクリル絵具、ケー
キカラー、粉絵具、顆粒絵具、ドローイングインキ、ク
レヨン、パス、コンテ、パステル等を挙げることができ
る。これらの記録用具に具備され、赤外・可視ルミネセ
ンス体を含有する描画剤は、固形状および半固形状のビ
ヒクルを使用することで調製でき、具体的には、水性絵
具、油性絵具、アクリル絵具、ケーキカラー、粉絵具、
顆粒絵具、ドローイングインキ、クレヨン、パス、コン
テ、パステル、鉛筆、色鉛筆、シャープペンシル等の描
画剤を挙げることができる。
【0040】図7には、捺印により不可視情報を形成す
る方法として、スタンプ37等により不可視情報を媒体
38に捺印する様子を示した。この場合、スタンプ用イ
ンキ、印判用インキ、印鑑用インキ等の捺印用インキ等
の赤外・可視ルミネセンスインキを使用して、不可視情
報を媒体に捺印する。これらの描画用インキは、適当な
ビヒクル等を使用することで調製でき、捺印用具として
は、スタンプ、印判、印鑑などを使用できる。
【0041】図8には、貼付により不可視情報を形成す
る方法として、ラベル39等を貼付する様子を示した。
この場合、ラベル39には、不可視情報が予め形成され
ており、このラベル39を貼付することにより、媒体に
不可視情報を形成できる。
【0042】以上で説明してきた不可視情報の形成方法
の場合、赤外・可視ルミネセンスインキが媒体に直接塗
布されて不可視情報が媒体に記録される。このため、不
可視情報の形成中および形成直後に、形成された不可視
情報の状態を可視光下で肉眼により確認することは困難
である。この結果、例えば暗証番号などの秘匿情報を誤
って媒体に筆記したとしても、その場で情報の誤りに気
が付かず不具合が発生する恐れがある。
【0043】この様な不具合を予防する方法として、図
9に示す様に、不可視情報を記録する際に赤外線を媒体
に照射することで、不可視情報を確認する。この場合、
媒体10の少なくとも不可視情報の記入領域11に、赤
外線発生ランプ13を用いて赤外線14を照射し、筆記
と同時に不可視情報12の内容を確認する。赤外・可視
ルミネセンスインキは高い発光強度および輝度を有して
いるため、記録中の不可視情報の内容を容易に確認でき
る。なお、不可視情報の確認は、不可視情報の記録が筆
記により行われる場合に限らず、印刷、感圧転写、捺印
および貼付により不可視情報が形成される場合も有効で
ある。
【0044】以上に説明してきた不可視情報の形成方法
に加え、図10に示す様に、例えば、複写式帳票を使用
し、感圧転写により不可視情報を記録することもでき
る。この場合、可視光で目視できるインキを具備する一
般の筆記具34を用いて転写シート35に情報を記入
し、記入の際の筆圧により不可視情報が被転写シート3
6に複写される。
【0045】感圧転写により不可視情報を記録する場
合、赤外・可視ルミネセンス体を含有する感圧転移層を
具備する不可視情報転写用シートを使用する。不可視情
報転写用シートの不可視情報を記入する領域の裏面には
感圧転移層を予め形成しておく。そして、不可視情報転
写用シートの不可視情報を記入する領域の表面に、筆圧
および印刷圧などの圧力を伴って不可視情報を記入すれ
ば、記入された不可視情報に対応して、圧力により感圧
転移層を形成している感圧転移性インキが不可視情報被
転写シートに転移され、不可視情報が不可視情報被転写
シートに複写形成される。
【0046】この様な感圧転移層は、赤外・可視ルミネ
センス体を含有する感圧転移性のインキにより作製で
き、感圧転移性インキは、適当なビヒクル等を使用して
調製できる。感圧転移性インキとしては、例えば、非水
系のものが好ましく、ビヒクルとしてワックス類および
流動性油分を使用し、必要に応じて、バインダー、紫外
線吸収剤、光重合開始剤、増粘度剤、ゲル化剤などの助
剤を併用して調製する。
【0047】また、感圧転移性の不可視情報記録用イン
キにおいて、光ルミネセンス体の不可視情報記録用イン
キに占める割合は、視認可能な蛍光を得るために、5質
量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、
15質量%以上が更に好ましい。一方、十分な転移性を
実現するために、60質量%以下が好ましく、50質量
%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好まし
い。
【0048】ワックス類としては、無色のものが好まし
く、融点55〜85℃、25℃での針入度が5程度で比
較的高硬度のものをベースワックスとし、転写性および
汚染性を制御する目的で、これに軟質ワックスを添加し
て硬度を低く調製したものが好ましい。この様なワック
ス類としては、カルナバワックス、キャンデリラワック
ス、密ロウ、木ロウ、モンタンワックス、鉱物ワック
ス、パラフィンワックス、合成ワックス、ココナッツワ
ックス等を使用できる。
【0049】ワックス類の感圧転移性インキに占める割
合は、汚染性を抑制するために、20質量%以上が好ま
しく、25質量%以上がより好ましい。一方、十分な転
移性を実現するために、50質量%以下が好ましく、4
5質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好
ましい。
【0050】また、感圧転移性インキには、これらワッ
クス類との相溶性が高いエチレン−酢酸ビニル共重合体
を3〜10質量%程度添加してもよい。これは、感圧転
移性インキの粘度を上昇させる機能を有し、インキの転
移特性を高めるからである。
【0051】一方、流動性油分としては、無色であり、
粘度が低く、コーティング性に優れるものが好ましい。
この様な流動性油分としては、例えば、ひまし油、オリ
ーブ油、サフラワー油等の植物性不乾性油;ノルマルパ
ラフィン等の白色鉱物油;パラフィン系潤滑油;パラフ
ィン基石油ワセリン等を使用できるが、中でも、芳香族
成分を含まない潤滑油およびノルマルパラフィン等が好
ましい。
【0052】流動性油分の感圧転移性インキに占める割
合は、十分な転移性を実現するために、10質量%以上
が好ましく、20質量%以上がより好ましい。一方、汚
染性を抑制するために、40質量%以下が好ましく、3
0質量%以下がより好ましい。
【0053】以上の様な感圧転写性の赤外・可視ルミネ
センスインキを使用して感圧転移層が形成された不可視
情報転写用シートと、不可視情報被転写シートとから、
複写式のシート組を製造できる。この様なシート組とし
ては、申込用帳票、申込用葉書などを例示でき、不可視
情報が転写された不可視情報被転写シートを、先方に回
付および郵送などする。一方、不可視情報が直接記入さ
れた不可視情報転写用シートは、先方に回付および郵送
する場合もあれば、記入者が控えとして保存する場合も
ある。
【0054】これらの不可視情報転写用シート組を使用
して感圧転写方式により不可視情報を形成する場合、不
可視情報転写用シートへの情報の記入には、可視光下で
目視可能な一般のインキを具備する筆記具などを使用で
きる。このため、記入した情報の確認には、赤外線ラン
プ等などの特殊な装置を必要とせず、記入した情報を簡
単に確認できる。
【0055】以上の様な不可視情報が記録される媒体の
少なくとも不可視情報の記録領域には、不可視情報の安
全性を高めるために、必要に応じて不可視情報の記録に
先立ちカムフラージュを施す場合がある。
【0056】また、同様に、不可視情報の記録後に、不
可視情報が記録される媒体の少なくとも不可視情報の記
録領域にカムフラージュやオペイクを施す場合もある。
【0057】カムフラージュの様態としては、例えば、
網点や地紋を印刷する。特に有色の網点や地紋からなる
カムフラージュを施し、このカムフラージュの偽造が困
難であれば、赤外・可視ルミネセンスインキで形成され
た不可視情報と併用することにより、更に高い安全性を
実現できる。また、このようなカムフラージュを形成す
ることにより、不可視情報を印刷、筆記、捺印する際に
印刷痕、筆圧痕、捺印痕などが形成されたとしても、こ
れらの痕がカムフラージュにより、目視により認知する
ことが困難となり、更に高い安全性を実現できる。加え
て、紫外線発光性のカムフラージュを施した場合、この
カムフラージュも可視光下では目視できず、紫外線を照
射することで初めて判読できる。このため、紫外線発光
性のカムフラージュも不可視情報として機能するため、
赤外・可視ルミネセンスインキで形成された不可視情報
と併用することにより、更に高い安全性を実現できる。
【0058】一方、オペイクの様態としては、例えば、
媒体に印刷、筆記、捺印および貼付などであるが、不可
視情報の形成後に、少なくとも不可視情報が記録された
領域にラベルを貼付し、不可視情報を隠蔽するのが不可
視情報の安全面で最も好ましい。この様なラベルとして
は、不可視情報の判読を妨げない様にするため、赤外線
および可視光を透過するものを使用する。ラベルを貼付
して不可視情報をオペイクすることにより、印刷、筆記
および捺印などによりオペイクを施す場合と同様にし
て、不可視情報の安全性を高めることができる。更に、
不可視情報がラベルによりオペイクされていれば、不可
視情報が擦傷されたり、室内光および屋外光に直接暴露
されたり、周りの水分を吸収したりすることを抑制でき
る。このため、赤外・可視ルミネセンス体の劣化を抑制
でき、不可視情報の耐久性を向上できる。
【0059】この様なラベルとしては、樹脂性フィルム
等を基体として作製できる。また、オペイクの効果を高
めるために、ラベルを有色としたり、紫外線発光性とし
たり、有色で紫外線発光性とすることもできる。また、
ラベルにカムフラージュを作製することもできる。そし
て、このカムフラージュを有色としたり、紫外線発光性
としたり、有色で紫外線発光性とすることもできる。
【0060】特に、紫外線発光性のラベル、紫外線発光
性のカムフラージュが施されたラベル等を使用すれば、
紫外線発光性のオペイクやカムフラージュは不可視情報
として機能するため、赤外・可視ルミネセンスインキで
形成された不可視情報と併用することにより、更に高い
安全性を実現できる。
【0061】また、有色のラベル、有色のカムフラージ
ュが施されたラベル等を使用する場合、不可視情報の良
好な判読性を確保するために、赤外線照射により赤外・
可視ルミネセンス体が発する可視光の色を考慮して、色
を選択するのが好ましく、この様な色としては、例え
ば、赤外・可視ルミネセンス体が発する可視光の補色と
する。
【0062】一方、図11に示す様に、媒体60に不可
視情報を形成した後、少なくとも不可視情報が記録され
た領域に隠蔽層61を積層して、オペイクを施すことも
できる。この様な隠蔽層としては、不可視情報の判読を
妨げない様にするため、赤外線および可視光を透過する
ものを使用する。隠蔽層を積層することにより、印刷、
筆記および捺印などによりオペイクを施す場合と同様に
して、不可視情報の安全性を高めることができる。更
に、不可視情報が隠蔽層によりオペイクされていれば、
不可視情報が擦傷されたり、室内光および屋外光に直接
暴露されたり、周りの水分を吸収したりすることを抑制
できる。このため、赤外・可視ルミネセンス体の劣化を
抑制でき、不可視情報の耐久性を向上できる。
【0063】特に、例えば、不可視情報が記録される媒
体が樹脂板などで作製され、隠蔽層が施された媒体(積
層体)がIDカードの様に携帯される不可視情報担持体
として使用される場合、隠蔽層により不可視情報が保護
されていれば、不可視情報担持体の寿命を長くすること
ができる。
【0064】隠蔽層の作製方法としては、不可視情報が
記録された媒体に原料樹脂を溶融法およびキャスト法な
どで積層する方法を採用できる。また、オペイクの効果
を高めるために、隠蔽層を有色としたり、紫外線発光性
としたり、有色で紫外線発光性とすることもできる。ま
た、隠蔽層にカムフラージュの両者を作製することもで
きる。そして、これらの地紋およびカムフラージュを、
有色としたり、紫外線発光性としたり、有色で紫外線発
光性とすることもできる。
【0065】特に、紫外線発光性の隠蔽層、紫外線発光
性のカムフラージュが施された隠蔽層などを使用すれ
ば、紫外線発光性のオペイクは不可視情報として機能す
るため、赤外・可視ルミネセンスインキで形成された不
可視情報と併用することにより、更に高い安全性を実現
できる。
【0066】また、有色の隠蔽層、有色のカムフラージ
ュが施された隠蔽層などを使用する場合、不可視情報の
良好な判読性を確保するために、赤外線照射により赤外
・可視ルミネセンス体が発する可視光の色を考慮して、
色を選択するのが好ましく、この様な色としては、例え
ば、赤外・可視ルミネセンス体が発する可視光の補色と
する。
【0067】以上に説明した様に、不可視情報が印刷、
筆記、捺印および貼付により形成されている場合と同様
にして、不可視情報が感圧転写により形成される場合
も、印刷、筆記、捺印、貼付、ラベルの貼付、積層体の
作製などにより、オペイクを施すことができる。その結
果、不可視情報が印刷、筆記、捺印および貼付により形
成される場合と同様にして、感圧転写により形成された
不可視情報の安全性を更に向上でき、耐久性を向上でき
る。
【0068】図12には、複写式帳票を用いて、感圧転
写により作成される不可視情報を事前にカムフラージュ
する例を示した。図12(a)に示す様に、複写式帳票
は不可視情報転写用シート40と不可視情報被転写シー
ト42とからなり、不可視情報転写用シート40の情報
が記入される領域の裏面には、感圧転移層41が形成さ
れている。そして、不可視情報被転写シート42の不可
視情報が転写される領域43には、予めカムフラージュ
として地紋44が印刷されている。不可視情報は、図1
2(b)に示す様に、不可視情報転写用シートの表面か
ら筆記により圧力を伴って記入され、図12(c)の4
5に示す様に、不可視情報被転写シートに複写される。
【0069】また、図13には、感圧転写により作成さ
れた不可視情報を事後にオペイクする例を示した。この
場合も、図13(a)に示す様に、不可視情報転写用シ
ート50の不可視情報を記入する領域51に、情報52
を筆記により圧力を伴って記入する。そして、不可視情
報を記入する領域51の裏面には、図13(b)に示す
様に、感圧転移層53が形成されているため、不可視情
報56は、不可視情報被転写シート54の不可視情報が
転写される領域55に、感圧転写される。しかしなが
ら、カムフラージュやオペイクが事前に施されている場
合と異なり、不可視情報が転写される領域55には、カ
ムフラージュやオペイクは施されていない。オペイク
は、図13(c)に示す様に、不可視情報の転写後に、
例えば地紋58が施されたラベル57を、感圧転写され
た不可視情報が隠蔽される様に貼付する(図13
(d))。
【0070】以上の様に、筆記などの圧力を伴って感圧
転写により不可視情報を記録する場合、不可視情報が転
写される領域には筆圧痕が形成される可能性が高い。こ
のため、カムフラージュやオペイクにより筆圧痕を目視
し難くしたり、筆圧痕を隠蔽することにより、筆圧痕の
目視に起因する不可視情報の漏洩を予防することが重要
となる。
【0071】なお、感圧転写により形成された不可視情
報をオペイクする場合の具体的様態としては、不可視情
報が印刷、筆記、捺印および貼付により形成されている
場合のオペイクと同様の具体的様態を採用できる。即
ち、オペイクの形成方法としては、印刷、筆記、捺印、
貼付、ラベルの貼付、積層体の作製などを採用でき、さ
らに、網点や地紋からなるカムフラージュを施すことが
でき、有色および紫外線発光性のとすることができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限される
ものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市
販の高純度品を使用した。
【0073】(不可視情報の発光強度および輝度)不可
視情報に波長980nmの赤外線を照射した際の発光強
度および輝度を目視で観測し、十分高い(○)、実用レ
ベルである(△)、低い(×)の3段階で評価した。
【0074】(不可視情報の耐久性)不可視情報が記録
された媒体面に対し、照射強度0.01W/mm2の条
件下で紫外線を照射しながら1時間放置した後に、上記
の条件で不可視情報の読取りを目視により行い、十分可
能(○)、実用レベル(△)、不可能(×)の3段階で
評価した。
【0075】(情報の非漏洩性)不可視情報が記録され
た媒体を可視光下で目視により観察し、筆圧痕および印
刷痕など有無を判断し、全く無し(○)、実用レベル
(△)、有り(×)の3段階で評価した。
【0076】(実施例1)印刷用不可視情報記録用イン
キ1、不可視情報担持体1 赤外・可視ルミネセンス体として平均粒子径が3.5μ
mのNaY0.69Yb0. 30Er0.014を20質量部と、
体質顔料として炭酸カルシウム10質量部と、合成樹脂
としてロジン変性フェノール樹脂27質量部と、植物油
として亜麻仁油および桐油を13部と、沸点が280〜
320℃の石油系溶媒25質量部と、助剤としてドライ
ヤ3質量部および乾燥調整剤2質量部とを混合して、印
刷用不可視情報記録用インキ1を調製した。なお、Na
0.69Yb0.30Er0.014は、波長900〜1100
nmの赤外線を978nmを中心として吸収し、520
〜560nmの緑色光を放出することを確認した。
【0077】得られた印刷用不可視情報記録用インキ1
を用いて、PS版によるウエットオフセット法により、
暗証番号を媒体面の所定領域に印刷した。得られた不可
視情報担持体1に付いて、不可視情報の発光強度および
輝度を評価したところ、結果は○であった。
【0078】更に、不可視情報担持体1の暗証番号が印
刷された領域に、赤色の薄型ラベルを積層し、積層体を
作製した。得られた積層体について、不可視情報の耐久
性と情報の非漏洩性とを評価したところ、結果は何れも
○であった。
【0079】(実施例2)不可視情報担持体2 オフセットインキを用いて、オフセット印刷法により入
場券を印刷した。これに印刷用不可視情報記録用インキ
1を用いて、不可視情報担持体1の場合と同様にして、
真贋判定用の不可視情報を印刷した。得られた不可視情
報担持体2に付いて、不可視情報の発光強度および輝度
を評価したところ、結果は○であった。
【0080】(実施例3)印刷用不可視情報記録用イン
キ2、不可視情報担持体3 赤外・可視ルミネセンス体として平均粒子径が3.5μ
mのY0.65Yb0.35Tm0.0013を20質量部と、体質
顔料として炭酸カルシウム12質量部と、合成樹脂とし
てポリエステル樹脂12質量部と、硬化性ビヒクルとし
てアクリルエステルのモノマー及びオリゴマーの混合物
45.5質量部と、光硬化開始剤として過酸化ベンゾイ
ルを6.5部と、助剤として連鎖移動剤を4質量部とを
混合して、紫外線硬化型の印刷用不可視情報記録用イン
キ2を調製した。なお、Y0.65Yb0.35Tm0.001
3は、波長900〜1100nmの赤外線を978nm
を中心として吸収し、400〜500nmの青色光を放
出することを確認した。
【0081】一方、紫外線発光性の印刷用インキを用い
て、オフセット印刷法により地紋を金券に印刷した。そ
して、地紋が印刷された領域に、印刷用不可視情報記録
用インキ2を用いて、PS版によるウエットオフセット
法により、偽造防止用の不可視情報を印刷し、紫外線硬
化した。得られた不可視情報担持体2に付いて、不可視
情報の発光強度および輝度を評価したところ、結果は○
であった。更に、不可視情報が形成されて領域に紫外線
を照射したところ、地紋を確認できた。
【0082】(実施例4)感圧転移性不可視情報記録用
インキ1、不可視情報転写用シート組1 赤外・可視ルミネセンス体として平均粒子径が3.5μ
mのNaY0.69Yb0. 30Er0.014を35質量部と、
ワックス類としてカルナバワックスを30質量部と、流
動性油分としてノルマルパラフィンを25質量部と、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体5質量部、紫外線吸収剤3
質量部、増粘剤2質量部とを混合して、感圧転移性不可
視情報記録用インキ1を調製した。
【0083】得られた感圧転移性不可視情報記録用イン
キ1を用いて、不可視情報転写用シートの不可視情報が
記入される領域の裏面に、感圧転移層を作製した。一
方、不可視情報が転写される領域に地紋が印刷された不
可視情報被転写シートを作製し、これらの不可視情報転
写用シートおよび不可視情報被転写シートより、不可視
情報転写用シート組1を作製した。
【0084】得られた不可視情報転写用シート組1の不
可視情報転写用シートに暗証番号を記入し、不可視情報
被転写シートに暗証番号を複写した。転写された不可視
情報の発光強度および輝度を評価したところ、結果は○
であった。また、不可視情報の非漏洩性も○であった。
【0085】(実施例5)不可視情報転写用シート組2 不可視情報被転写シートに地紋が形成されていない以外
は、不可視情報転写用シート組1の場合と同様にして、
不可視情報転写用シート組2を作製した。
【0086】得られた不可視情報転写用シート組2の不
可視情報転写用シートに暗証番号を記入し、不可視情報
被転写シートに暗証番号を複写した。引続き、転写され
た不可視情報に、赤色の地紋が印刷されたラベルを貼付
した。その後、不可視情報の発光強度および輝度を評価
したところ、結果は○であった。また、不可視情報の非
漏洩性も○であった。
【0087】(実施例6)筆記具用不可視情報記録用イ
ンキ1、マーキングペン1 赤外・可視ルミネセンス体として平均粒子径が3.5μ
mのNaY0.69Yb0. 30Er0.014と、溶剤と、樹脂
とを混合して、筆記具用不可視情報記録用インキ1を調
製できる。更に、これを用いて、マーキングペン1を製
造できる。得られたマーキングペン1を用いて、赤外線
の照射下において、不可視情報を確認しながら、不可視
情報を筆記できる。
【0088】
【発明の効果】不可視情報を記録する際に、赤外線を吸
収し可視光を放出する光ルミネセンス体を含有するイン
キを使用することにより、赤外線を照射した際の不可視
情報の高発光強度および高輝度を実現でき、良好な秘匿
性を実現できる。このため、安全性の高い不可視情報を
形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不可視情報が記録された媒体の例を示すための
模式図である。
【図2】不可視情報が記録された媒体の例を示すための
模式図である。
【図3】不可視情報が記録された媒体の例を示すための
模式図である。
【図4】不可視情報が記録された媒体の例を示すための
模式図である。
【図5】不可視情報の記録方法を説明するための模式図
である。
【図6】不可視情報の記録方法を説明するための模式図
である。
【図7】不可視情報の記録方法を説明するための模式図
である。
【図8】不可視情報の記録方法を説明するための模式図
である。
【図9】不可視情報の記録方法を説明するための模式図
である。
【図10】不可視情報の記録方法を説明するための模式
図である。
【図11】不可視情報がオペイクされた媒体の例を示す
ための模式図である。
【図12】不可視情報をカムフラージュする方法を説明
するための模式図である。
【図13】不可視情報をオペイクする方法を説明するた
めの模式図である。
【符号の説明】
10 媒体 11 不可視情報の記入領域 12 不可視情報 13 赤外線発生ランプ 14 赤外線 20 媒体 21 秘匿情報 22 媒体 23 真贋判定用情報 24 媒体 25 偽造防止用情報 26 媒体 27 娯楽用情報 30 印刷機 31 不可視情報が記録された媒体 32 記録用具 33 申込書 34 筆記具 35 転写シート 36 被転写シート 37 スタンプ 38 媒体 39 ラベル 40 不可視情報転写用シート 41 感圧転移層 42 不可視情報被転写シート 43 不可視情報が転写される領域 44 地紋 45 不可視情報 50 不可視情報転写用シート 51 不可視情報を記入する領域 52 情報 53 感圧転移層 54 不可視情報被転写シート 55 不可視情報が転写される領域 56 不可視情報 57 ラベル 58 地紋 60 媒体 61 隠蔽層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA02 JB12 JB27 KA40 LB03 2H113 AA01 BA01 BA03 BA05 BA09 BB02 BB07 BB22 BC00 CA35 CA39 CA42 FA44 4H001 XA09 XA11 XA39 XA68 XA70

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線を吸収し可視光を放出する光ルミ
    ネセンス体を含有するインキを用いて不可視情報を記録
    する方法。
  2. 【請求項2】 前記不可視情報は、秘匿情報、真贋判定
    用情報、偽造防止用情報および娯楽用情報から選ばれる
    1種以上であることを特徴とする請求項1記載の不可視
    情報の記録方法。
  3. 【請求項3】 前記不可視情報の記録は、印刷、筆記、
    感圧転写、捺印および貼付から選ばれる1種以上の方法
    を用いて行われることを特徴とする請求項1又は2記載
    の不可視情報の記録方法。
  4. 【請求項4】 前記不可視情報を記録する際に、前記赤
    外線照射下において不可視情報を確認しながら記録する
    ことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の不可視
    情報の記録方法。
  5. 【請求項5】 前記不可視情報が記録される媒体の少な
    くとも不可視情報の記録領域に、前記不可視情報の記録
    に先立ちカムフラージュを施すことを特徴とする請求項
    1乃至4何れかに記載の不可視情報の記録方法。
  6. 【請求項6】 前記不可視情報が記録される媒体の少な
    くとも不可視情報の記録領域に、前記不可視情報の記録
    後にオペイクを施すことを特徴とする請求項1乃至5何
    れかに記載の不可視情報の記録方法。
  7. 【請求項7】 前記不可視情報が記録される媒体の少な
    くとも不可視情報の記録領域に、前記不可視情報の記録
    後にカムフラージュを施すことを特徴とする請求項1乃
    至5何れかに記載の不可視情報の記録方法。
  8. 【請求項8】 前記光ルミネセンス体は、波長900〜
    1100nmの光を吸収し、青色光、緑色光および赤色
    光から選ばれる1種以上の可視光を放出することを特徴
    とする請求項1乃至7何れかに記載の不可視情報の記録
    方法。
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