JP2004255627A - 印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被印字面に、有色顔料と蛍光染料とを含むインクジェット用インキを用いた可変情報データ12が印字されている印刷物1で、前記被印字面は、基材10表面に施されている体質顔料でなるインキ受理層11でなり、該インキ受理層11内部で可変情報データ12の印字部の下方に、かつその周囲に蛍光染料53が拡散している印刷物1としたものである。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、当落等を表す可変情報が印字されている印刷物に関するものであり、特に抽選券等における当選番号やそれに類する絵柄等可変情報データの改ざん等の防止や当落を示す元の可変情報データの証明を容易にし虚偽の届け出等を防止する印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば当選番号あるいは「当たり」、「外れ」、それに相当する絵柄などの可変情報データが印字されている抽選券やゲーム券などが知られ、また、これら可変情報データを隠蔽性とスクラッチオフ性(引っ掻き落とし易さ)のインキで隠蔽したスクラッチ籤としてインスタント抽選券や抽選付ゲームカードあるいは抽選付の印刷物などに広く採用されているものがある。
【0003】
しかし、上記「当たり」、「外れ」等を表す可変情報データが印字されている抽選券やゲーム券などでは、これら番号、絵柄等を書換え(削り取り)、改ざんし、「当たり」券として偽造されるという問題があり、また、上記スクラッチ籤の一種で、当選番号やそれに相当するパターン等となる可変情報データが印字されているものについて、その問題点などをさらに詳しく説明すると、例えば図4(a)の上面図およびそのB−B断面図として図4(b)に示すように、基材(10)上に抽選番号である可変情報データ(12)が施され、その上に保護層(16)を介してスクラッチ隠蔽層(14)が施されているスクラッチ式の抽選付印刷物(3)があり、例えば最上段の列が「1」、「1」、「3」ではずれ券(当たり券はいずれかの段で同じ数字が3つ揃ったもので、ここでは「1」、「1」、「1」となる)であるこのスクラッチ式の抽選付印刷物(3)を購入した顧客が、スクラッチ隠蔽層(14)をコイン等でスクラッチオフすると、このスクラッチオフの道具の種類や力加減などによって、例えば図5(a)の上面図およびそのB−B断面図として図5(b)に示すように、可変情報データ(12)のうちの上段の列「1」、「1」の次の数字が保護層(16)とともに破壊される場合がある。この破壊を故意的に行い、「1」、「1」の次の数字が「1」だったので、当たり券であったとして換金を要求されたり、また「1」、「1」の次に「1」の数字を印字し、その上を保護層(16)で補修して改ざんされたり、あるいは不慮の事故として「1」、「1」の次の数字が保護層(16)とともに破壊された場合、当たり券ではなかったかという疑問が持ちかけられる場合があり、それら虚偽届けや偽造等の不正行為あるいは疑問等について、他の個別番号等を基に、これら可変情報データ(12)を印字ソフトなどから抽出して照合する証明方法もあるが、多大な時間と労力を要するもので、即座に容易に当たり外れや真贋等の証明ができないという問題点があった。
【0004】
そこで上記抽選券やスクラッチ籤での問題点の解決策として、例えば図6の側断面図に示すように、金属箔(50)を中間層として、その両側に紙(51)を貼り合わせ、そのうちの少なくとも一方の紙として無蛍光紙(51a)を用い、該無蛍光紙(51a)面上に有色顔料と蛍光染料を含むインキで印刷層(52)を形成し、該蛍光染料(53)が該インキによる印刷層(52)の底部から上記無蛍光紙(51a)の厚み方向に上記金属箔(50)に達する範囲内で拡散している偽造防止策を施した券類(4)がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実公平5−17271号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】
実公平5−39907号公報(第1頁)
【0006】
しかし、上記偽造防止策を施した券類(4)では、故意に印刷層(52)を削って当選番号である他の数字等と置き換えられたり、あるいはスクラッチ籤のような場合で故意にまたは不慮の事故として印刷層(52)が破壊されたとしても、無蛍光紙(51a)に拡散している蛍光染料(53)が残るので改ざんや虚偽届け等の不正行為は防止可能であるが、インキが可変情報データの印字に最適で、高速で強制乾燥を伴うインクジェット用インキの場合では、上記無蛍光紙(51a)への拡散が殆ど得られないという問題があり、さらにその基材に金属箔(50)を中間層として施し、この金属箔(50)に貼り合わせられる紙として無蛍光紙(51a)とする必要があり、コスト面も含め基材の構成や種類等に制約があるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、当たり外れ等を表す可変情報データが印字されている印刷物において、故意に破壊した部分に当たり券の可変情報データを入替えて改ざんされたり、意図的にあるいは不慮の事故として可変情報データが破壊されたとしても、元の可変情報データが即座に容易に証明することができ、基材の種類や構成等に制約されず、かつそのコストが嵩まない印刷物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、被印字面に、有色顔料と蛍光染料とを含むインクジェット用インキを用いた可変情報データが印字されている印刷物において、前記被印字面は、基材の表面に施されているインキ受理層でなり、該インキ受理層内部でかつ前記可変情報データの印字部の下方およびその周囲に前記インクジェット用インキに含まれる蛍光染料が拡散していることを特徴とする印刷物としたものである。
【0009】
上記請求項1の発明によれば、被印字面に、有色顔料と蛍光染料でなるインクジェット用インキで印字されている印刷物において、前記被印字面を、基材の表面に施されているインキ受理層でなるものとすることによって、その基材の種類や構成に制約されないので、基材の選定に自由度が増し、かつそのコスト等が嵩まない印刷物とすることができ、さらにこのインキ受理層の内部即ちインキ受理層の表面から基材の方向に向かって、かつ前記可変情報データの印字部の下方およびその周囲に前記インクジェット用インキに含まれる蛍光染料が拡散しているので、故意に可変情報データの一部を破壊し、その部分に当たり券等の可変情報データを入替えて改ざんしたとしても、あるいは意図的にまたは不慮の事故として可変情報データが破壊されたとしても、元の可変情報データはその下方に拡散している蛍光染料の存在で即座に確実にかつ容易に証明される印刷物を提供することができる。
さらにまた、可変情報データの周囲のインキ受理層にも拡散されている蛍光染料によって、可変情報データそのものの真贋の判定も可能となる印刷物とすることもできる。
【0010】
また、請求項2の発明では、上記インキ受理層は、多孔質の体質顔料からなることを特徴とする請求項1記載の印刷物としたものである。
【0011】
上記請求項2の発明によれば、上記インキ受理層を、多孔質で白色の体質顔料からなるものとすることによって、この白色の体質顔料で基材を被覆し、インキの浸透性を付与するとともに、ある程度の隠蔽もするので、基材の種類(例えば、紙でもプラスチック板でもよく、あるいは蛍光を発するものでもよい)に制約されることがなく、かつ蛍光染料の拡散効率に優れ、そのコストも嵩まない基材を用いた印刷物とすることができる。
【0012】
さらにまた、請求項3の発明では、上記インクジェット用インキは、水性であることを特徴とする請求項1または2記載の印刷物としたものである。
【0013】
上記請求項3の発明によれば、上記インクジェット用インキを、揮発性が低い水性とすることによって、ノズル詰まりがなく、かつノズル径を小さくできるので解像度が高い可変情報データ等の印字を可能にし、かつ揮発性が低いことからインキ受理層への拡散をより多くできる印刷物とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いて詳しく説明する。
【0015】
本発明は、「当たり」「外れ」等を表す可変情報データが印字されている印刷物に関するもので、上記請求項1に係る発明では、例えば図1(a)の上面図およびそのB−B断面図としての図1(b)に示すように、被印字面に、有色顔料と蛍光染料とを含むインクジェット用インキを用いた可変情報データ(12)が印字されている印刷物(1)であって、この被印字面を、基材(10)の表面に施されているインキ受理層(11)でなる印刷物(1)としたものである。
【0016】
上記のように、基材(10)の表面にインキ受理層(11)を施すことによって、有色顔料と蛍光染料とを含むインクジェット用インキを用いた可変情報データ(12)の印字で、インクジェット用インキに含まれる有色顔料がインキ受理層(11)の表面に付着し、インクジェット用インキに含まれる蛍光染料はインキ受理層(11)の内部で、可変情報データ(12)の下方と可変情報データ(12)の周囲に拡散しているもので、拡散している蛍光染料(53)は肉眼では視認できないが、ブラックライト等の紫外線照射で確認可能なようにした印刷物(1)としたものである。
【0017】
上記蛍光染料(53)の拡散は、印字直後は殆どないが、経時とともに拡散し、特に高温高湿下ではその速度と度合いが大きくなるものである。
【0018】
上記で得られた印刷物(1)を、例えば図3に示すように、外れ券の番号である可変情報データ(12)のうちの上段の列「1」、「1」の次の数字「3」を削り取り、その上に当選番号である「1」を印字して改ざんした場合、肉眼では当選券のように見えるが、ブラックライト等による紫外線の照射で、インキ受理層(11)の内部に拡散されている蛍光染料(53)が元の数字「3」となって浮かび上がり、よって偽造券であることが即座に容易に証明されるようにした印刷物(1)である。
【0019】
また、例えば図2(a)の上面図およびそのB−B断面図としての図2(b)に示すように、上記で得られた印刷物(1)の上に易剥離性を有する保護層(16)を介してスクラッチ隠蔽層(図示せず)を施したスクラッチ式の印刷物(2)において、スクラッチ隠蔽層のスクラッチオフに際し、印字された可変情報データ(12)のうちの上段の列「1」、「1」の次の数字が保護層(16)とともに破壊されても、その下のインキ受理層(11)中に拡散している蛍光染料(53)が露出するようになり、肉眼では視認できないが、ブラックライト等の紫外線の照射によって、「3」の数字が浮かび上がってくるようにしたものである。
【0020】
このように、たとえ故意に、あるいは不慮の事故として上段の列「1」、「1」の次の数字「3」が破壊されたとしても容易にかつ確実に元の数字が証明でき、よって虚偽の届け、あるいは当たり券ではなかったかという疑問にも対処できるようにしたスクラッチ式の印刷物(2)である。
【0021】
さらにまた、例えば図3に示すように、可変情報データ(12)の各数字の周囲に相当するインキ受理層(11)に拡散している蛍光染料(53)が、ブラックライト等の紫外線照射で発光するので、可変情報データ(12)そのものの真贋判定も可能な印刷物(1)とすることができる。
【0022】
また、上記請求項2に係る発明では、図1(a)および図1(b)に示すように、上記インキ受理層(11)を、多孔質の体質顔料を主体とした塗布液等で形成している印刷物(1)としたものである。
【0023】
上記インキ受理層(11)を生成する多孔質の体質顔料としては、例えば、アルミナ白、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウムなどの白色顔料が挙げられ、これら体質顔料10〜25重量%を、例えばオフセット用メジウム(ロジン変性フェノール樹脂、大豆油、亜麻仁油、鉱物油等ビヒクルにドライヤーや酸化抑制剤等の添加剤でなる)に分散させたオフセットインキで印刷し、厚さ1〜5μm程度のインキ受理層(11)とすることができる。上記オフセット用メジウムに代え、グラビア用メジウム、あるいはスクリーン印刷用、ロールコート用等とし、それぞれの方式で印刷または塗工することもできる。
【0024】
このように、インキ受理層(11)を、多孔質で白色の体質顔料からなるインキや塗布液で形成しているので、この白色のインキ受理層(11)で基材(10)を被覆し、ある程度の隠蔽性をも有するため、基材(10)として、例えば、紙でもプラスチックフィルムあるいはカード等プラスチック板でもよく、さらには蛍光を発する紙でも使用でき、よって基材の種類や構成等に制約されることがなく、従来のようなコストも嵩まない印刷物(1)あるいはスクラッチ式の印刷物(2)とすることができる。
【0025】
さらに多孔質で白色の体質顔料からなるインキ受理層(11)は、特にインクジェット用インキによる印字では、それに含まれる蛍光染料の拡散する効率(速度およびその度合い)が優れているので、より偽造防止効果が高く、元の可変情報データ(12)の証明が容易な印刷物とすることができる。
【0026】
また、上記請求項3に係る発明では、例えば図1(a)および図1(b)に示す可変情報データ(12)の印字に使用するインクジェット用インキを、水性インキとしたものである。
【0027】
上記水性のインクジェット用インキの組成しとて、例えば有色顔料数%と蛍光染料0.1〜10%を1リットルの水とエマルジョン樹脂でなる溶媒に分散させたものが挙げられる。
【0028】
上記水性のインクジェット用インキについてさらに詳しく説明すると、このインクジェット用インキを構成する有色顔料としては、水と親和性のよいものが好ましく、具体的には、黒色用として、例えばファーネスブラック、アセチレンブラック等カーボンブラックやアニリンブラック等有機顔料が挙げられ、他の各色用として、例えばピグメントイエロー、ジアゾイエロー(以上黄色用)、ブリリアントカーミン6B、キクナクリドンマゼンタ(以上マゼンタ用)、フタロシアニンブルーG、E(以上シアン用)等およびこれら混合が挙げられ、これら顔料の粒径は、インクジェット方式に使用されるため、ノズルの詰まり防止を考慮すると、また着色性やインキの経時的な分散安定性を考慮すると小さい方が好ましく、平均粒径が10nm〜200nm、最大粒径が500nm以下のものが好ましく用いられる。この程度の粒径の有色顔料とすると、印字後に蛍光染料とともにインキ受理層(11)内に拡散することはなく、その表面に蓄積して可変情報データ(12)を形成することができる。
【0029】
また、上記インクジェット用インキを構成する蛍光染料としては、例えば昼光下では黄色を、ブラックライト等紫外線の照射では緑から黄緑色を呈するブリリアントスルホフラビンFF、チオフラビン、ベーシックイエローあるいはフルオレセインなどが挙げられる。
【0030】
また、上記インクジェット用インキを構成するエマルジョン樹脂としては、例えばポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール等数多くの樹脂が挙げられ、上記有色顔料等の基材に対する決着材の役割も果たすものである。これらエマルジョン樹脂の粒径は、ノズルの詰まりやインキの経時適な安定性を考慮すると、小さい方が好ましく、さらには上記有色顔料の粒径より小さい方が好ましい。それはインキ中において有色顔料の周りをこのエマルジョン樹脂が覆い易くなるため、有色顔料の沈降が抑えられ、より安定なインキを調整することができるためである。
【0031】
上記のように、インクジェット用インキを、揮発性が低い水性とすることによって、ノズル詰まりを少なくし、かつノズル径を小さくすることができるので解像度が高い可変情報データ等の印字を可能にし、かつ揮発性が低いことからインキ受理層への拡散をより多くでき、より偽造防止効果と元の可変情報データ(12)の証明が容易な印刷物とすることができる。
【0032】
以下に本発明の印刷物(1)およびスクラッチ式の印刷物(2)を構成する材料やその形成方法等について説明する。
【0033】
まず、その基材(10)としては、上記のように、この基材(10)の上に多孔質の体質顔料を含むインキ受理層(11)が設けられているので、特にその種類や構成等に制約されることがなく、例えば一般の用紙(上質紙、コート紙等)、板紙あるいはプラスチックフィルム、プラスチック板(カード等)とすることもでき、その用途などによって適宜選定される。
【0034】
また、本発明の当落を表す可変情報データが施されたスクラッチ式の印刷物(2)を構成する易剥離性を有する保護層(16)としては、例えば、ポリウレタンアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂に添加剤としてシリコンやワックス(ポリエチレンワックス等)を5重量%以下添加したインキをスクリーン印刷法、グラビア印刷法あるいはアニロックスローラを介して印刷するフレキソ印刷法等で印刷されて得られる。さらに例えば、紫外線硬化型オフセットインキのビヒクル(印刷インキの着色顔料を除いた成分)にシリコンやワックスなどを僅かに添加したUV剥離ニスを用いたオフセット印刷で得ることもできる。
【0035】
さらにまた、本発明の印刷物(1)を構成するスクラッチ隠蔽層(14)としては、下記のスクラッチインキを用いて例えばスクリーン印刷法やグラビア印刷法あるいはアニロックスロールを介して印刷するフレキソ印刷法で上記易剥離性を有する保護層(16)上に厚さ5〜10μm程度に形成される。
【0036】
上記のスクラッチインキの組成は、例えば隠蔽性を付与するためのアルミニウム粉15〜25重量部、アルミナ白等体質顔料を含めた着色顔料15〜25重量部、凝集破壊(団塊)性のあるSBR、NBR等合成ゴム系樹脂15〜25重量部、さらにこれらにトルエンやキシレン、メチルイソブチルケトン等芳香族炭化水素系溶剤35〜45重量部と消泡剤等助剤5〜15重量部を加えてスクリーン印刷用インキやグラビア印刷用インキあるいはフレキソ印刷用インキとするものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明においては、被印字面に、有色顔料と蛍光染料とを含むインクジェット用インキで可変情報データが印字されている印刷物において、前記被印字面を、基材の表面に施されているインキ受理層でなるものとすることによって、その被印字面を構成する基材の種類や構成に制約されないので、基材の選定に自由度が増し、かつそのコスト等が嵩まない印刷物とすることができ、さらにこのインキ受理層の内部即ちインキ受理層の表面から基材の方向に向かって、かつ前記可変情報データの印字部の下方およびその周囲に前記インクジェット用インキに含まれる蛍光染料が拡散しているので、故意に可変情報データの一部を破壊し、その部分に当たり券等の可変情報データを入替えて改ざんしたとしても、あるいは意図的にまたは不慮の事故として可変情報データが破壊されたとしても、元の可変情報データはその下方に拡散している蛍光染料の存在で即座に確実にかつ容易に証明される印刷物を提供できる効果がある。
さらにまた、可変情報データの周囲のインキ受理層にも拡散されている蛍光染料によって、可変情報データそのものの真贋の判定も可能となる印刷物とすることもできる。
【0038】
また、上記請求項2に係る発明においては、上記インキ受理層を、多孔質で白色の体質顔料からなるものとすることによって、この白色体質顔料で基材を被覆して、浸透性(拡散性)の付与とともにある程度の隠蔽性をも付与するので基材の種類(例えば、紙でもプラスチック板でもよく、あるいは蛍光を発するものでもよい)に制約されることがなく、かつ蛍光染料の拡散効率に優れ、コストも嵩まない基材を用いた印刷物とすることができる効果がある。
【0039】
さらにまた、上記請求項3に係る発明においては、上記インクジェット用インキを、揮発性が低い水性とすることによって、ノズル詰まりがなく、かつノズル径を小さくできるので解像度が高い可変情報データ等の印字を可能にし、かつ揮発性が低いことからインキ受理層への拡散をより多くできる印刷物を提供できる効果がある。
【0040】
従って本発明は、当落を表す可変情報データが印字された印刷物、特に抽選券や抽選カード等における当選番号やそれに類する絵柄等可変情報データの改ざん等を有効に防止し、また当落を示す元の可変情報データの証明を容易にし虚偽の届け出等を防止する印刷物として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷物の一実施の形態を示すもので、
(a)は、その上面図であり、
(b)は、(a)のB−B面断面図である。
【図2】本発明の印刷物の不正使用の一事例を示すもので、
(a)は、その上面図であり、
(b)は、(a)のB−B面断面図である。
【図3】本発明の印刷物の不正使用の他の一事例を示す上面図である。
【図4】従来のスクラッチ式の抽選付印刷物の一事例を示すもので、
(a)は、その上面図であり、
(b)は、(a)のB−B面断面図である。
【図5】従来のスクラッチ式の抽選付印刷物の不正使用の一事例を示すもので、
(a)は、その上面図であり、
(b)は、(a)のB−B面断面図である。
【図6】従来の偽造防止策が施された券類の一事例を説明するための側断面積層図である。
【符号の説明】
1‥‥印刷物
2‥‥スクラッチ式の印刷物
3‥‥スクラッチ式の抽選付印刷物
4‥‥偽造防止策を施した券類
10‥‥基材
11‥‥インキ受理層
12‥‥可変情報データ
14‥‥スクラッチ隠蔽層
16‥‥保護層
50‥‥金属箔
51‥‥紙
51a‥‥無蛍光紙
52‥‥印刷層
53‥‥拡散している蛍光染料
Claims (3)
- 被印字面に、有色顔料と蛍光染料とを含むインクジェット用インキを用いて可変情報データが印字されている印刷物において、前記被印字面は、基材の表面に施されているインキ受理層でなり、該インキ受理層内部でかつ前記可変情報データの印字部の下方およびその周囲に前記インクジェット用インキに含まれる蛍光染料が拡散していることを特徴とする印刷物。
- 上記インキ受理層は、多孔質の体質顔料からなることを特徴とする請求項1記載の印刷物。
- 上記インクジェット用インキは、水性であることを特徴とする請求項1または2記載の印刷物。
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