JP2003285342A - 溶液製膜方法、セルロースエステルフィルム、保護フィルム、および偏光板 - Google Patents

溶液製膜方法、セルロースエステルフィルム、保護フィルム、および偏光板

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JP2003285342A
JP2003285342A JP2002091263A JP2002091263A JP2003285342A JP 2003285342 A JP2003285342 A JP 2003285342A JP 2002091263 A JP2002091263 A JP 2002091263A JP 2002091263 A JP2002091263 A JP 2002091263A JP 2003285342 A JP2003285342 A JP 2003285342A
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film
space
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plasticizer
polymer solution
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JP2002091263A
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Toshikazu Nakamura
敏和 中村
Hidekazu Yamazaki
英数 山崎
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、有機溶剤にポリマーが溶解した高分
子溶液から膜状物を形成し、その膜状物中の有機溶剤を
揮発させて高分子フィルムを得る溶液製膜方法に関し、
可塑剤ガスの結露を防止する。 【解決手段】高分子溶液に、膜状物の靱性を向上させる
可塑剤を混合する第1工程と、その可塑剤を混合させた
後の高分子溶液から膜状物を形成する第2工程と、その
第2工程で形成された膜状物を、その膜状物を加熱して
膜状物中の有機溶剤を揮発させる揮発空間700aを画
定する揮発部と、揮発空間700aの下流端に隣接す
る、膜状物を冷却する冷却空間700bを画定する揮発
部とからなる乾燥部700に向けて搬送し乾燥部700
を通過させる第3工程とを有し、揮発空間700aと冷
却空間700bとの圧力差を30Pa以内に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶剤にポリマ
ーが溶解した高分子溶液から膜状物を形成し、その膜状
物中の有機溶剤を揮発させて高分子フィルムを得る溶液
製膜方法、そのような溶液製膜方法で製膜したセルロー
スエステルフィルム、そのようなセルロースエステルフ
ィルムからなる偏光板用途の保護フィルム、およびその
ような保護フィルムを使用した偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、視野角を広くしたりギラつき
を防止したりするための光学機能性フィルムや、液晶表
示装置の偏光板保護フィルム等の光学材料として、ある
いは写真感光材料の支持体として高分子フィルムが用い
られている。このような光学材料や写真感光材料の支持
体に用いられる高分子フィルムの中には、溶液製膜法に
よって製造されるものがある。溶液製膜法では、有機溶
剤にセルロースエステル等の高分子を溶かした高分子溶
液から膜状物を形成し、形成した膜状物を加熱して膜状
物中の有機溶剤を揮発させることにより高分子フィルム
を得る。高分子溶液から膜状物を形成するにあたって
は、高分子溶液を支持体に連続的に吐出することで長尺
の膜状物を形成する。長尺の膜状物は、膜状物を加熱す
る乾燥空間を経由して、膜状物をロール状に巻き取る巻
取装置まで搬送される。膜状物の搬送にあたっては、膜
状物は柔軟性が良好であることが好ましく、このため、
高分子溶液には、膜状物の靱性を向上する可塑剤が混合
されることがある。また、乾燥空間は、本来、膜状物中
の有機溶剤を揮発させるために膜状物を加熱する空間で
ある。しかしながら、可塑剤が混合された膜状物が、こ
のような有機溶剤を揮発させる乾燥空間に送り込まれる
と、乾燥空間内で、有機溶剤とともにその可塑剤も揮発
してしまう傾向がある。このため、乾燥空間の、高温の
雰囲気中には、溶剤ガスと可塑剤ガスとが存在する。乾
燥空間を通過した膜状物は、常温の空間に搬出され、一
気に冷却される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、膜状物の搬
送経路を確保するため、乾燥空間と、乾燥空間に続く常
温の空間とは連通している。このため、乾燥空間の雰囲
気が常温の空間に流れ込んだり、あるいは常温の空間の
雰囲気が乾燥空間に流れ込んだりすると、乾燥空間の雰
囲気中の可塑剤ガスと常温の雰囲気とが接し、可塑剤ガ
スが結露して膜状物に滴下することがある。膜状物に可
塑剤が滴下すると、膜状物の、可塑剤が滴下した部分は
シミとなり、製品不良になってしまう。
【0004】本発明は、上記事情に鑑み、可塑剤ガスの
結露を防止することができる溶液製膜方法、そのような
溶液製膜方法で製膜したセルロースエステルフィルム、
そのようなセルロースエステルフィルムからなる偏光板
用途の保護フィルム、およびそのような保護フィルムを
使用した偏光板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の溶液製膜方法は、有機溶剤にポリマーが溶解
した高分子溶液から膜状物を形成し、その膜状物中の有
機溶剤を揮発させて高分子フィルムを得る溶液製膜方法
において、上記高分子溶液に、膜状物の靱性を向上させ
る可塑剤を混合する第1工程と、上記可塑剤を混合させ
た後の高分子溶液から膜状物を形成する第2工程と、上
記第2工程で形成された膜状物を、その膜状物を加熱し
て膜状物中の有機溶剤を揮発させる揮発空間を画定する
揮発部と、その揮発部の下流端に隣接する、膜状物を冷
却する冷却空間を画定する冷却部とからなる乾燥部に向
けて搬送しその乾燥部を通過させる第3工程とを有し、
上記揮発空間と上記冷却空間との圧力差を30Pa以内
に調整することを特徴とする。
【0006】本発明の第1の溶液製膜方法によれば、上
記揮発空間と上記冷却空間との圧力差を小さくすること
で、揮発空間の雰囲気が、冷却空間に流れ込んだり、あ
るいは冷却空間の雰囲気が、揮発空間に流れ込んだりす
ることを生じにくくさせている。その結果、揮発空間の
雰囲気中に存在する可塑剤ガスと冷却空間内の冷たい雰
囲気とが接しにくくなり、可塑剤ガスの結露を防止する
ことができる。
【0007】また、本発明の第1の溶液製膜方法におい
て、上記冷却空間内の少なくとも上流側を、上記揮発空
間における加熱温度よりは低くかつ上記可塑剤の露点温
度よりは高い温度に調整することが好ましい。
【0008】可塑剤ガスが存在する上記揮発空間と、上
記可塑剤の露点温度以下の空間との間の空間の温度を、
上記揮発空間における加熱温度よりは低くかつ上記可塑
剤の露点温度よりは高い温度に調整することで、可塑剤
ガスと露点温度以下の雰囲気とがより接しにくくなり、
可塑剤ガスの結露をさらに確実に防止することができ
る。
【0009】上記目的を達成する本発明の第2の溶液製
膜方法は、有機溶剤にポリマーが溶解した高分子溶液か
ら膜状物を形成し、その膜状物中の有機溶剤を揮発させ
て高分子フィルムを得る溶液製膜方法において、上記高
分子溶液に、膜状物の靱性を向上させる可塑剤を混合す
る第1工程と、上記可塑剤を混合させた後の高分子溶液
から膜状物を形成する第2工程と、上記第2工程で形成
された膜状物を、その膜状物を加熱して膜状物中の有機
溶剤を揮発させる揮発空間を画定する揮発部と、その揮
発部の下流端に隣接する、膜状物を冷却する冷却空間を
画定する冷却部とからなる乾燥部に向けて搬送しその乾
燥部を通過させる第3工程とを有し、上記冷却空間内の
少なくとも上流側を、上記揮発空間における加熱温度よ
りは低くかつ上記可塑剤の露点温度よりは高い温度に調
整することを特徴とする。
【0010】ここで、本発明の溶液製膜方法において、
高分子溶液がセルロースエステル溶液であってもよい。
【0011】上記目的を達成する本発明のセルロースエ
ステルフィルムは、本発明の溶液製膜方法で製膜したも
のであることを特徴とし、上記目的を達成する本発明の
保護フィルムは、本発明のセルロースエステルフィルム
からなる偏光板用途のものであることを特徴とし、上記
目的を達成する本発明の偏光板は、本発明の保護フィル
ムを使用したものであることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0013】本発明のうちの溶液製膜方法の実施形態で
は、高分子溶液を支持体に流延させて高分子フィルムを
製造する。高分子溶液を流延させる支持体の種類には、
円筒状のドラムと、無端状のベルトとの2種類がある。
ここではまず、図1を用いて、高分子溶液を円筒状のド
ラムに流延させて高分子フィルムを製造する製造ライン
について説明する。
【0014】図1は、高分子溶液を円筒状のドラムに流
延させて高分子フィルムを製造している最中の製造ライ
ンの様子を簡略化して示した図である。
【0015】図1に示す製造ライン1は、本発明のうち
の溶液製膜方法の一実施形態である、ハロゲン化銀写真
感光材料の支持体に用いられるTAC(トリアセチルセ
ルロース)フィルムの製造ラインであって、この製造ラ
イン1の上流側から順に、高分子溶液調整装置100、
流延ダイ200、流延ドラム300、及び剥取ロール4
00が配備されている。
【0016】この製造ライン1には、高分子溶液調整装
置100が3つ配備されており、それぞれ異なる種類の
高分子溶液を調整する。ここでは、図1の右側に示され
た高分子溶液調整装置100を例にあげて説明する。こ
の高分子溶液調整装置100では、トリアセチルセルロ
ースの高分子溶液を調整する。高分子溶液の調整にあた
っては、ジクロロメタンを主成分とする溶媒にトリアセ
チルセルロースを溶解し、そのトリアセチルセルロース
が溶解した溶液にnブタノールをわずかに添加する。n
ブタノールは、ジクロロメタンよりも高沸点なものであ
る。また、トリアセチルセルロースがジクロロメタンに
溶ける溶けやすさよりも、トリアセチルセルロースがn
ブタノールに溶ける溶けやすさの方が劣っている。高分
子溶液調整装置100は、貯蔵タンク110と、送液ポ
ンプ120と、貧溶媒供給装置130と、スタチックミ
キサ140と、フィルタ150とを備えている。貯蔵タ
ンク110の中では、トリアセチルセルロースが溶解さ
れた、ジクロロメタンとメタノールの混合溶液CMが、
攪拌翼111によって攪拌されながら貯蔵されている。
また、この混合溶液CMには、可塑剤も溶解されてい
る。この図1に示す製造ライン1では、調整した高分子
溶液を、流延ドラム300の周面に連続的に吐出するこ
とで長尺の膜状物を形成し、形成した膜状物を、下流側
に向けて搬送する。膜状物の搬送にあたっては、膜状物
は柔軟性が良好であることが好ましく、可塑剤は、膜状
物の靱性を向上させるために添加される。貯蔵タンク1
10に貯蔵されている溶液CMは、送液ポンプ120に
よって流延ダイ200まで送られるが、その送液経路の
途中には、スタチックミキサ140とフィルタ150と
が配備されている。また、貧溶媒供給装置130は、送
液ポンプ131によってスタチックミキサ140にnブ
タノールBを送液する。スタチックミキサ140では、
混合溶液CMにnブタノールBが添加混合される。な
お、貧溶媒供給装置130を用いずに、貯蔵タンク11
0内でnブタノールを添加混合してもよい。スタチック
ミキサ140から送り出された溶液は、フィルタ150
によって、異物や未溶解原料などが除去され、流延ダイ
200まで送液される。
【0017】流延ダイ200には、3つの高分子溶液調
整装置100それぞれで調整された高分子溶液が供給さ
れる。すなわち、3つの高分子溶液供給装置のうち、図
1の右側に記された高分子溶液調整装置100からはフ
イルムの表面層を構成する高分子溶液が送液され、中央
に記された高分子溶液調整装置100からはフイルムの
中心部を構成する高分子溶液が送液され、左側に記され
た高分子溶液調整装置100からはフイルムの裏面層を
構成する高分子溶液が送液される。送液された各高分子
溶液は、流延ダイ200の吐出口から吐出される。な
お、高分子溶液調整装置100の数は、3台に限らず、
製造するセルロースフィルムの仕様に応じて、1台や2
台であったり、あるいは4台以上であってもよい。
【0018】流延ドラム300は、矢印A方向に回転す
るものである。流延ダイ200は、流延ドラム300の
上方に、吐出口が流延ドラム300の周面に対向するよ
うに配置されている。
【0019】流延ダイ200の吐出口から吐出された各
高分子溶液は、矢印A方向に回転する流延ドラム300
の周面に共流延される。流延ドラム300の周面に吐出
された高分子溶液は、流延ドラム300の周面の内方か
ら水冷されることによりゲル化が促進されるとともに外
方からエアを吹付けられることにより乾燥が促進され、
自己支持性を有する膜状物となる。そして、剥取ロール
400が設けられた位置に達した膜状物は、その剥取ロ
ール400で剥ぎ取られる。
【0020】この図1に示す製造ライン1の最下流に
は、搬送されてきた膜状物をロール状に巻き取る巻取装
置500が配備されている。また、剥取ロール400と
巻取装置500との間には、軟膜乾燥ゾーン11と、後
乾燥ゾーン12とが設けられており、いずれのゾーン
も、膜状物中の溶媒を揮発させるゾーンである。さら
に、軟膜乾燥ゾーン11と後乾燥ゾーン12との間に
は、塗布装置600が設けられており、後乾燥ゾーン1
2と巻取装置500との間には厚み計20が設けられて
いる。剥取ロール400で剥ぎ取られた膜状物は、2つ
の駆動ロールによって矢印B方向に搬送され、軟膜乾燥
ゾーン11→塗布装置600→後乾燥ゾーン12→厚み
計20を経て巻取装置500に巻き取られる。
【0021】剥取ロール400で剥ぎ取られた膜状物
は、軟膜乾燥ゾーン11に送られる。軟膜乾燥ゾーン1
1にはテンタ700が配備されている。図1に示すテン
タ700は、箱体であって、この箱体内を、膜状物の両
側から膜状物の両脇それぞれを把持する不図示のクリッ
プが上流から下流に向かって走行している。テンタ70
0内に送り込まれた膜状物はこのクリップに両脇を把持
された状態で、テンタ700内を通過する。このような
テンタ700の内部は、揮発空間700aと冷却空間7
00bとに分かれており、このテンタ700が、本発明
にいう乾燥部に相当する。揮発空間700aは、搬送中
の膜状物に高温の空気を吹付けて加熱し、膜状物中の有
機溶剤を揮発させる空間である。吹付空気の温度は、下
流側に向かうにつれて高くなり、下流側における吹付空
気の温度は、有機溶剤の沸点よりは高くかつトリアセチ
ルセルロースが熱分解し始める温度よりは低い温度であ
る。したがって、この揮発空間700aに送り込まれた
膜状物中の有機溶剤は、膜状物が下流側に向かうにつれ
て徐々に揮発する。また、この揮発空間700aでは、
本来、膜状物中の有機溶剤を揮発させるために膜状物を
加熱するが、加熱された膜状物からは有機溶剤とともに
可塑剤も揮発する。その結果、この揮発空間700aの
雰囲気中には、溶剤ガスと可塑剤ガスとが存在し、雰囲
気中の可塑剤ガス濃度は下流側に向かうにつれて徐々に
高くなり、揮発空間700aの下流端で最も高くなる。
冷却空間700bは、揮発空間700aの下流端に隣接
する空間であって、搬送中の膜状物に低温の空気を吹付
けて冷却する空間である。吹付空気の温度は、下流側に
向かうにつれて低くなる。すなわち、この冷却空間70
0b内の上流側における吹付空気の温度は、揮発空間7
00aにおける加熱温度よりは低く、かつ可塑剤の、こ
の冷却空間700bにおける露点温度よりは高い温度で
あるのに対し、下流側における吹付空気の温度は、その
露点温度以下の温度である。したがって、この冷却空間
700bに送り込まれた揮発空間700aで加熱された
膜状物は、下流側に向かうにつれて徐々に冷却され、こ
の冷却空間700bから搬出されるとき、すなわちこの
テンタ700から搬出されるときには、常温近くまで冷
却される。また、このテンタ700の、揮発空間700
aを画定する部分(揮発部)と冷却空間700bを画定
する部分(冷却部)とには、各部分ごとに別個の圧力調
整システム710,720が設けられている。いずれの
圧力調整システム710,720においても、ファン7
11,721を駆動することにより、空間内の空気を排
気するとともにその空間に空気を給気する。各圧力調整
システム710,720は、空間内の空気を排気する排
気圧とその空間に空気を給気する給気圧との圧力差で各
空間内の圧力調整を行う。空間内にゴミ等が入り込むこ
とを防止するには、これらの圧力調整システム710,
720によって、各空間内の圧力を加圧気味に設定すれ
ばよいが、この図1に示すテンタ700の揮発空間70
0aでは、溶剤ガスが空間外に漏れ出すことを防止する
ため、空間内の圧力をむしろ減圧気味に設定している。
また、この図1に示すテンタ700の冷却空間700b
では、揮発空間700aとの圧力差が30Pa以内にな
るように、空間内の圧力を設定している。すなわち、こ
の図1に示すテンタ700では、本発明のうちの第1の
溶液製膜方法が適用されており、揮発空間700aと冷
却空間700bとの圧力差が小さくなるように、冷却空
間700bの圧力を調整している。したがって、揮発空
間700aの雰囲気が、冷却空間700bに流れ込んだ
り、あるいは冷却空間700bの雰囲気が、揮発空間7
00aに流れ込んだりすることが生じにくく、その結
果、揮発空間700aの雰囲気中に存在する可塑剤ガス
と冷却空間700b内の冷たい雰囲気とが接しにくくな
り、可塑剤ガスの結露を防止することができる。また、
この図1に示すテンタ700には、本発明のうちの第2
の溶液製膜方法も適用されている。すなわち、この図1
に示すテンタ700においては、可塑剤ガスのガス濃度
が最も高い、揮発空間700aの下流端と、冷却空間7
00bのうちの、可塑剤の露点温度以下の空間(下流側
空間)との間に、揮発空間700aの加熱温度よりは低
くかつ可塑剤の露点温度よりは高い温度の空間(冷却空
間の上流側空間)を設けたため、可塑剤ガスと露点温度
以下の雰囲気とがより接しにくくなり、可塑剤ガスの結
露をさらに確実に防止することができる。このように、
本発明のうちの第1の溶液製膜方法と、本発明のうちの
第2の溶液製膜方法とを組み合わせると、可塑剤ガスの
結露をより確実に防止することができ好ましい。
【0022】テンタ700から送り出された膜状物は、
塗布装置600に送り込まれる。TACフィルムをハロ
ゲン化銀写真感光材料の支持体に用いるには、写真乳剤
を塗布して感光層を形成する必要があり、写真乳剤の塗
布工程は、この図1に示す製造ライン1で実施される工
程を総て終了した後に実施される。この図1に示す製造
ライン1では、写真乳剤の感光層の密着性を向上するた
め、塗布装置600によって、膜状物の表面にゼラチン
液を塗布して下塗層を予め形成しておく。したがって、
塗布装置600に送り込まれた膜状物の表面には、ゼラ
チン液が塗布される。
【0023】塗布装置600から送り出された膜状物
は、今度は、後乾燥ゾーン12に送られる。後乾燥ゾー
ン12には複数のロール800が配備されており、膜状
物は、これら複数のロール800に巻き掛けられて搬送
される。
【0024】後乾燥ゾーン12の上流側12aに配備さ
れた複数のロール800それぞれの内部には高温水が循
環しており、膜状物はこれらのロール800に巻き掛け
られることで加熱される。また、後乾燥ゾーン12の上
流側12aには、図示省略したが、これらのロール80
0に巻き掛けられて搬送されている膜状物を加熱するヒ
ータも配備されている。このような後乾燥ゾーン12の
上流側12aでは膜状物は加熱され、膜状物に残った溶
媒は揮発する。
【0025】高分子溶液調整装置100によって添加混
合されたnブタノールは、溶媒に含まれる物質の中で最
も沸点が高いため、溶媒に含まれる物質の中で最も揮発
しにくく溶媒中に残留しやすい。また、トリアセチルセ
ルロースがジクロロメタンに溶ける溶けやすさよりも、
トリアセチルセルロースがnブタノールに溶ける溶けや
すさの方が劣っているため、ジクロロメタンの、トリア
セチルセルロースとの分子間結合よりも、nブタノール
の、トリアセチルセルロースとの分子間結合の方が生じ
にくい。nブタノールが添加混合された溶媒中では、n
ブタノールが作用して、ジクロロメタンとトリアセチル
セルロースの分子間結合は断ち切られ、ジクロロメタン
の揮発は促進される。また、残留しているnブタノール
も、トリアセチルセルロースと分子間結合しにくいため
トリアセチルセルロースに拘束されにくく、その添加量
もわずかであるため、後乾燥ゾーン12の上流側12a
を通過し終わるまでには揮発し、添加したnブタノール
がフィルムの性質に影響を及ぼすことはない。
【0026】後乾燥ゾーン12の下流側12bでは、膜
状物は常温近くまで冷却され、膜状物はTACフィルム
の製品形態となる。
【0027】なお、後乾燥ゾーン12においても、上流
側12aの空間と、下流側12bの空間との圧力差を3
0Pa以内に調整することが好ましく、さらに、下流側
12bでは、膜状物を、テンタ700の冷却空間700
bにおける冷却と同じように徐冷することが好ましい。
【0028】後乾燥ゾーン12から送り出された膜状物
(TACフィルム)は厚み計20で、その膜厚を計測さ
れ、所定の範囲の膜厚に属するか否かが検査される。所
定の範囲の膜厚に属する膜状物は良品として巻取装置5
00に巻回され、属さない膜状物は不良品として別途回
収される。
【0029】続いて、図2を用いて、高分子溶液を無端
状のベルトに流延させてセルロースフィルムを製造する
製造ラインについて説明する。
【0030】図2は、高分子溶液を無端状のベルトに流
延させてセルロースフィルムを製造している最中の製造
ラインの様子を簡略化して示した図である。
【0031】図2に示す製造ライン2も、図1に示す製
造ライン1と同じく、本発明のうちの溶液製膜方法の一
実施形態である、TACフィルムの製造ラインである
が、この、図2に示す製造ライン1で製造したTACフ
ィルムは、光学機能性フィルムや、液晶表示装置の偏光
板保護フィルム等の光学材料に用いられる。図2に示す
製造ライン1では、図1に示す製造ライン1に配備され
た流延ドラム300の代わりに流延バンド900が配備
されており、塗布装置600は配備されていない。以
下、図1に示す製造ライン1と同じ構成要素には同じ符
号を用いて、図1に示す製造ライン1との相違点を中心
に説明する。
【0032】この図2に示す製造ライン2には、図1に
示す3つの高分子溶液調整装置と同じ3つの高分子溶液
調整装置100と、3つの流延ダイ200とが配備され
ている。3つの高分子溶液調整装置100それぞれと、
3つの流延ダイ200それぞれとは1対1の関係で接続
されている。また、これら3つの流延ダイ200と、流
延バンド900と、剥取ロール400とは、乾燥室10
に設けられている。
【0033】流延バンド900は、駆動ドラム910と
従動ドラム920とに、無端状のベルト930を巻き掛
けたものである。ベルト930は、乾燥室10内を矢印
C方向に循環移動する。3つの流延ダイ200は、ベル
ト930の移動方向に沿って、ベルト930の上方に、
吐出口がベルト330の表面に対向するように配置され
ている。
【0034】各流延ダイ200に送られた高分子溶液
は、矢印C方向に循環移動するベルト930の表面に逐
次流延され、ベルト930が乾燥室10内を循環移動す
る間に溶媒が徐々に揮発し、フィルム化して自己支持性
を有する。すなわち、溶媒が揮発することで、形状安定
性を有する膜状物となる。そして、ベルト930が略一
循環した後に、膜状物は剥取ロール400で剥ぎ取ら
れ、軟膜乾燥ゾーン11に送られる。
【0035】図2に示す製造ライン2の軟膜搬送ゾーン
11には複数のロールが配備されており、軟膜乾燥ゾー
ン11に送られた膜状物は、これら複数のロールにガイ
ドされながら矢印D方向に搬送される。軟膜搬送ゾーン
11では、搬送中の膜状物に高温の空気が吹付けられ、
膜状物中の溶媒が揮発する。
【0036】軟膜搬送ゾーン11に続く後乾燥ゾーン1
2には、図1に示すテンタの構造と同じ構造のテンタ7
00が配備されており、揮発空間700aでは、膜状物
は加熱され、膜状物に残った溶媒は揮発する。また、冷
却空間700bでは、膜状物は、常温まで冷却されTA
Cフィルムの製品形態となる。図2示すテンタ700
も、図1に示すテンタと同じく、揮発空間700aと冷
却空間700bとの圧力差は30Pa以内に調整されて
いる。そのため、揮発空間700aの雰囲気が、冷却空
間700bに流れ込んだり、あるいは冷却空間700b
の雰囲気が、揮発空間700aに流れ込んだりすること
が生じにくく、可塑剤ガスの結露を防止することができ
る。また、図2示すテンタ700の冷却空間700b
は、図1示すテンタの冷却空間と同じような徐冷空間で
ある。このため、可塑剤ガスと露点温度以下の雰囲気と
がより接しにくくなり、可塑剤ガスの結露をさらに確実
に防止することができる。
【0037】後乾燥ゾーン12から送り出された膜状物
(TACフィルム)には、厚み計20を用いた膜厚検査
が実施され、良品は巻取装置500に巻回され、不良品
は別途回収される。
【0038】このようにして製造されたTACフィルム
は、その後、不図示の後工程にまわされ、偏光板保護フ
ィルムや、反射防止フィルムなどの光学機能性フィルム
として商品化される。また、偏光板保護フィルムをポリ
ビニルアルコールなどから形成された偏光素子の両面に
貼付することで偏光板が形成されたり、この偏光板を用
いて液晶表示装置の一部が構成される。
【0039】続いて、高分子溶液の調整について詳しく
説明する。図1や図2に示す高分子溶液調整装置100
で行われる高分子溶液の調整では、まず、貯蔵タンク1
10内で、ジクロロメタンを主成分とする有機溶媒に、
トリアセチルセルロース粒子を溶解させるとともに、可
塑剤としてトリフェニルホスフェートも溶解させる。
【0040】トリアセチルセルロースは、木材パルプか
ら合成されたものと綿花リンターから合成されたものを
混合したものであって、木材パルプから合成されたもの
を60wt%含み、綿花リンターから合成されたものを
残りの40wt%含むものである。このように木材パル
プから合成されたものを主成分とすることで、TACフ
ィルムのコストを低下させることができる。
【0041】ジクロロメタンはトリアセチルセルロース
との相溶性が良好であり、このジクロロメタンを有機溶
媒の主成分にすることで、トリアセチルセルロースに対
する溶媒全体の量を抑えることができる。
【0042】可塑剤は、トリフェニルホスフェートに限
らず、例えば、トリクレジルホスフェート、クレジルジ
フェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェー
ト、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチル
ホスフェート、トリブチルホスフェート等の、トリフェ
ニルホスフェート以外のリン酸エステル系の化合物や、
ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジ
メチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフ
タレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等のフタ
ル酸エステル系の化合物や、トリアセチン、トリブチリ
ン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリ
ルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレ
ート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のグリコー
ル酸エステル系の化合物であってもよい。また、可塑剤
として、これらの化合物を2種以上用いてもよい。
【0043】また、貯蔵タンク110内の有機溶媒には
メタノールが混合されている。メタノールを添加するこ
とで、剥取ロール400によって剥ぎ取られる膜状物の
形状安定性(自己支持性)は向上し、膜状物の搬送が容
易になる。なお、メタノールに代えてエタノールを混合
させてもよい。さらに、貯蔵タンク110内の有機溶媒
には、紫外線吸収剤、劣化防止剤などの添加剤も溶解さ
れている。
【0044】貧溶媒であるnブタノールは、この高分子
溶液調整装置100によって調整された高分子溶液にお
ける溶媒全体を100wt%としたときに、0.1wt
%〜4.0wt%含有するように添加される。なお、図
1に示す、流延ドラム300を支持体として配備する製
造ライン1では、貧溶媒の添加量を必ずしもこの程度に
抑える必要はなく、さらに、添加する貧溶媒の種類は、
nブタノール以外の、沸点80〜170℃のアルコール
であってもよい。また、図2に示す、流延バンド900
を支持体として配備する製造ライン2では、貧溶媒を必
ずしも添加する必要はない。
【0045】なお、今までは、ジクロロメタンを主成分
とする溶媒にトリアセチルセルロースが溶解された高分
子溶液からTACフィルムを製造する製造方法について
説明してきたが、本発明のうちの溶液製膜方法では、溶
媒の主成分を、低級脂肪族アルコールや、ジクロロメタ
ン以外の低級脂肪族炭化水素の塩化物等の有機溶剤にし
てもよい。また、溶質は、トリアセチルセルロース以外
のポリマーであってもよい。
【0046】
【実施例】以下、本発明のうちの溶液製膜方法を適用し
てTACフィルムを製造し、可塑剤ガスが結露するか否
かを検証したので、比較例と併せて説明する。
【0047】以下に説明する3つの実施例および1つの
比較例はいずれも、高分子溶液の調整において、トリア
セチルセルロースを20重量部、可塑剤としてトリフェ
ニルホスフェートを2.2重量部、紫外線吸収剤を0.
02重量部用いた。また、いずれの例においても、溶媒
は、高分子溶液調整装置100によって調整された高分
子溶液を100wt%としたときに、ジクロロメタンが
79.6wt%、メタノールが19.9wt%、nブタ
ノールが0.5wt%となるように調整した。
【0048】まず、実施例1は、図2に示す製造ライン
2を用いて、テンタ700の、揮発空間700aの下流
端における吹付空気の温度を145℃とし、冷却空間7
00bにおける吹付空気の温度を膜状物の搬送方向に対
して一様に30℃として、TACフィルムを製造した。
この実施例1では、テンタ700の、揮発空間700a
と冷却空間700bそれぞれの圧力を以下に示すように
調整し、両空間の圧力差を0Paにした。 (実施例1) 揮発空間内圧力 −1Pa 冷却空間内圧力 −1Pa また、実施例2においては、テンタ700の、揮発空間
700aと冷却空間700bそれぞれの圧力を、以下に
それぞれ示すような圧力に代え、両空間の圧力差を30
Paにした他は、実施例1と同じ条件でTACフィルム
を製造した。 (実施例2) 揮発空間内圧力 −31Pa 冷却空間内圧力 −1Pa さらに、比較例においては、テンタ700の、揮発空間
700aと冷却空間700bそれぞれの圧力を、以下に
それぞれ示すような圧力に代え、両空間の圧力差を31
Paに上げた他は、実施例1と同じ条件でTACフィル
ムを製造した。 (比較例) 揮発空間内圧力 −32Pa 冷却空間内圧力 −1Pa またさらに、実施例3においては、テンタ700におけ
る膜状物への吹付空気の温度を、以下にそれぞれ示すよ
うな温度に代えて膜状物を徐冷した他は、比較例と同じ
条件でTACフィルムを製造した。 (実施例3) 冷却空間内上流側における吹付空気の温度 80℃ 冷却空間内下流側における吹付空気の温度 30℃ 以上の実施例1〜3および比較例それぞれにおいて製造
されたTACフィルムについて目視観察を行った。その
結果、圧力差が0Paの実施例1、圧力差が30Paの
実施例2、および徐冷を行った実施例3それぞれの条件
で製造されたTACフィルムには、可塑剤ガスの結露に
よって付着するシミは見られなかったものの、徐冷を行
わずに圧力差が31Paであった比較例の条件で製造さ
れたTACフィルムには、そのシミの付着が見られた。
【0049】この結果から、テンタ700の、揮発空間
700aと冷却空間700bとの圧力差を30Pa以下
に抑えることで、可塑剤ガスの結露を防止することがで
きることがわかる。また、実施例3と比較例それぞれに
おける冷却空間700b内での可塑剤として用いたトリ
フェニルホスフェートの露点温度は約50℃であった。
実施例3と比較例との相違点は、揮発空間700aに隣
接する冷却空間700bにおいて、膜状物を、比較例で
は、トリフェニルホスフェートの露点温度を下回る温度
で最初から冷却したのに対し、比較例2では、その露点
温度を上回る温度で冷却し始め、最後に露点温度以下の
温度で冷却した点にある。このことから、冷却空間70
0b内の上流側に、揮発空間700aの加熱温度よりは
低くかつ可塑剤の露点温度よりは高い温度の空間を設け
ると、例え、揮発空間700aと冷却空間700bとの
圧力差が31Paであっても、可塑剤ガスの結露を防止
することができることがわかる。
【0050】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、可塑剤ガスの結露を防止することができる溶液製膜
方法、そのような溶液製膜方法で製膜したセルロースエ
ステルフィルム、そのようなセルロースエステルフィル
ムからなる偏光板用途の保護フィルム、およびそのよう
な保護フィルムを使用した偏光板を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子溶液を円筒状のドラムに流延させてセル
ロースフィルムを製造している最中の製造ラインの様子
を簡略化して示した図である。
【図2】高分子溶液を無端状のベルトに流延させてセル
ロースフィルムを製造している最中の製造ラインの様子
を簡略化して示した図である。
【符号の説明】
1,2 製造ライン 10 乾燥室 11 軟膜乾燥ゾーン 12 後乾燥ゾーン 12a 上流側 12b 下流側 20 厚み計 100 高分子溶液調整装置 110 貯蔵タンク 111 攪拌翼 120 送液ポンプ 130 貧溶媒供給装置 140 スタチックミキサ 150 フィルタ 200 流延ダイ 300 流延ドラム 400 剥取ロール 500 巻取装置 600 膨潤装置 700 テンタ 700a 揮発空間 700b 冷却空間 710,720 圧力調整システム 711,721 ファン 800 ロール 900 流延バンド 910 駆動ドラム 920 従動ドラム 930 ベルト
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 1:08 C08L 1:08 Fターム(参考) 2H049 BB33 4F071 AA09 AF35 AH16 BA02 BB02 BC01 4F205 AA01 AB07 AG01 AH73 AR02 GA07 GB02 GC02 GC07 GF02 GN13 GN18 GN19 GN22 GN24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶剤にポリマーが溶解した高分子溶
    液から膜状物を形成し、該膜状物中の有機溶剤を揮発さ
    せて高分子フィルムを得る溶液製膜方法において、 前記高分子溶液に、膜状物の靱性を向上させる可塑剤を
    混合する第1工程と、 前記可塑剤を混合させた後の高分子溶液から膜状物を形
    成する第2工程と、 前記第2工程で形成された膜状物を、該膜状物を加熱し
    て膜状物中の有機溶剤を揮発させる揮発空間を画定する
    揮発部と、該揮発部の下流端に隣接する、膜状物を冷却
    する冷却空間を画定する冷却部とからなる乾燥部に向け
    て搬送し該乾燥部を通過させる第3工程とを有し、 前記揮発空間と前記冷却空間との圧力差を30Pa以内
    に調整することを特徴とする溶液製膜方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却空間内の少なくとも上流側を、
    前記揮発空間における加熱温度よりは低くかつ前記可塑
    剤の露点温度よりは高い温度に調整することを特徴とす
    る請求項1記載の溶液製膜方法。
  3. 【請求項3】 有機溶剤にポリマーが溶解した高分子溶
    液から膜状物を形成し、該膜状物中の有機溶剤を揮発さ
    せて高分子フィルムを得る溶液製膜方法において、 前記高分子溶液に、膜状物の靱性を向上させる可塑剤を
    混合する第1工程と、 前記可塑剤を混合させた後の高分子溶液から膜状物を形
    成する第2工程と、 前記第2工程で形成された膜状物を、該膜状物を加熱し
    て膜状物中の有機溶剤を揮発させる揮発空間を画定する
    揮発部と、該揮発部の下流端に隣接する、膜状物を冷却
    する冷却空間を画定する冷却部とからなる乾燥部に向け
    て搬送し該乾燥部を通過させる第3工程とを有し、 前記冷却空間内の少なくとも上流側を、前記揮発空間に
    おける加熱温度よりは低くかつ前記可塑剤の露点温度よ
    りは高い温度に調整することを特徴とする溶液製膜方
    法。
  4. 【請求項4】 高分子溶液がセルロースエステル溶液で
    ある、請求項1〜3に記載の溶液製膜方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の方法で製膜したセルロ
    ースエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のフィルムからなる偏光
    板用途の保護フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のフィルムを使用した偏
    光板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019028109A (ja) * 2017-07-26 2019-02-21 日本ゼオン株式会社 複層フィルム及びその製造方法

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