JP2003284541A - アルコール飲料製造方法、もろみ、およびアルコール飲料 - Google Patents

アルコール飲料製造方法、もろみ、およびアルコール飲料

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JP2003284541A
JP2003284541A JP2002092409A JP2002092409A JP2003284541A JP 2003284541 A JP2003284541 A JP 2003284541A JP 2002092409 A JP2002092409 A JP 2002092409A JP 2002092409 A JP2002092409 A JP 2002092409A JP 2003284541 A JP2003284541 A JP 2003284541A
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juice
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Tomoaki Saito
知明 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 米を原料とする清酒の風味と、果物類等の果
汁又は果実を原料とする果実酒の風味をともに併せ持
ち、かつこれらが調和したアルコール飲料を得るための
製造方法を提供することである。すなわち、原料として
米、米麹、および果汁もしくは果実を利用した新規なア
ルコール飲料製造方法を提供すること。 【解決手段】 米1、米麹10、水5、および果汁もし
くは果実4を原料とし、該米1を米麹10により糖化し
て米糖化液20を得る糖化工程P2と、該米糖化液2
0、および該果汁もしくは果実4の両者を酵母3により
同時に発酵させる発酵工程P3と、該発酵工程P3によ
り得られる固液混合状態の発酵産物30を固液分離して
アルコール飲料原酒40を得る固液分離工程P4と、に
よりアルコール飲料を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルコール飲料製造
方法、もろみ、およびアルコール飲料に係り、特に、原
料として米、米麹、および果汁もしくは果実を利用した
新規なアルコール飲料製造方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】我が国の最近の酒類消費傾向を見ると、
果実を原料とした醸造酒であるワイン、および酒類に糖
類や果汁・果実由来の成分を加えた低アルコール系の酒
類であるリキュール類の消費が伸びている。したがっ
て、依然清酒製造業がその主体をなしている地場の酒類
産地においては、これらワイン・リキュール類とは対照
的な清酒消費量の低迷を打開するための、あるいはこれ
に対処するための方策が求められている状況であり、各
地において生産される果物類等の果実やその果汁を市販
酒製造に利用する取り組みが、種々行われている。
【0003】従来、果汁または果実を酒類に利用する方
法としては主に、果実のみを用いた醸造酒であるワイ
ン、あるいはそれを原料とした蒸留酒であるブランデー
等が挙げられ、国内ぶどう産地におけるブドウを原料と
した国産ワインや国産ブランデー、ぶどう以外の各地特
産の果実を利用したワイン態様の醸造酒が、種々製造さ
れている。一方、米を利用した酒類に対して果汁または
果実を利用したものとしては、我が国の代表的なリキュ
ールである、焼酎に梅の果実を浸漬して製造する梅酒等
の伝統的酒類の他、たとえば特開平10−262641
号公報には、清酒や焼酎などの酒類に果汁またはブラン
デーをブレンドしたリキュール類等の提案もなされてい
る。
【0004】梅酒も、特開平10−262641号公報
開示の酒類も、既に発酵、蒸留が終了した醸造酒や蒸留
酒に対して果汁・果実を添加する再製酒(混成酒)であ
る。すなわち、米を利用した酒類に対する果汁・果実の
利用は従来、係る再製酒開発の取り組みとしてなされて
いる現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、既に発酵や蒸
留の終了している醸造酒や蒸留酒に対し、果汁をブレン
ドしたり、または果実を浸漬してその香り・味・色を酒
類中に浸出させて製造する再製酒であるリキュール類
は、果物類等の果実・果汁に由来する特徴的な新鮮な風
味をこれら酒類に加えることはできるが、果汁を原料と
して発酵させて製造するワインのような熟成した風味
を、高級品志向を有する消費者に対して、付加価値とし
て提供することはできない。
【0006】しかも係る再製酒であるリキュール類にお
いては、その香味のバランスを整えるために、あるいは
商品としての安定性を高めるために、酸味料、着色料、
保存料などの添加が行われているが、近年消費者の嗜好
は多様化しており、上述した係るリキュール類に対する
志向傾向とは別に、最大限添加物を使用しない酒類を志
向する本物志向も、高まりを見せている。
【0007】さらに全国各地においては、地場特産物を
利用した、差別化された付加価値を有する独自の商品開
発による地域活性化が求められている現状である。
【0008】本発明の課題は、米を原料とする清酒の風
味と、果物類等の果汁又は果実を原料とする果実酒の風
味をともに併せ持ち、かつこれらが調和したアルコール
飲料を得るための製造方法を提供することである。すな
わち、原料として米、米麹、および果汁もしくは果実を
利用した新規なアルコール飲料製造方法を提供すること
である。
【0009】また本発明の課題は、原料として米、米
麹、および果汁もしくは果実を用い、各原料特有の熟成
した風味を高級品志向を有する消費者に対して付加価値
として提供することのできる、嗜好性の高い新規なアル
コール飲料製造方法を提供することである。
【0010】また本発明の課題は、原料として米、米
麹、および果汁もしくは果実を用い、その他の添加物を
一切使用しない、消費者の本物志向に合致する、嗜好性
の高い新規なアルコール飲料製造方法を提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本願発明者が鋭意検討した結果、原料として米、米麹、
および果汁もしくは果実を用い、すべての原料を同時に
発酵させることにより、上記課題を解決できることを見
出し、本発明に至った。すなわち、本願において特許請
求される発明は以下のとおりである。
【0012】(1)米、米麹、水、および果汁もしくは
果実を原料とし、該米を米麹により糖化して米糖化液を
得る糖化工程と、該米糖化液および該果汁もしくは果実
を酵母により同時に発酵させる発酵工程と、該発酵工程
により得られる固液混合状態の発酵産物を固液分離して
アルコール飲料原酒を得る固液分離工程と、を有し、該
糖化工程および該発酵工程が並行して実行されることを
特徴とする、アルコール飲料製造方法。
【0013】(2)前記酵母は酒母として供され、該酒
母は果汁もしくは果実および酵母を主原料として製造さ
れるものであることを特徴とする、(1)のアルコール
飲料製造方法。
【0014】(3)前記果汁もしくは果実にはりんごを
用い、前記酵母にはワイン酵母を用いることを特徴とす
る、(1)または(2)のアルコール飲料製造方法。
【0015】(4)前記固液分離工程の後に、該工程に
より得られるアルコール飲料原酒に対して、果汁、果
実、果実を原料とする蒸留酒、または果実を原料とする
醸造酒、のうち少なくともいずれか一つを加えてリキュ
ールを得るリキュール調製工程を備えることを特徴とす
る、請求項1ないし3のいずれかに記載のアルコール飲
料製造方法。
【0016】(5)アルコール飲料製造工程において用
いられるもろみであって、米、米麹、果汁もしくは果
実、および酵母が含まれていることを特徴とする、アル
コール飲料製造用もろみ。
【0017】(6)アルコール飲料製造工程において用
いられるもろみであって、米、米麹、りんご果汁もしく
はりんご果実、およびワイン酵母が含まれていることを
特徴とする、アルコール飲料製造用もろみ。
【0018】(7)(5)または(6)のアルコール飲
料製造用もろみを原料とすることを特徴とする、アルコ
ール飲料。
【0019】(8)米、米麹、水、および果汁もしくは
果実のみを原料とし、該米を米麹により糖化して米糖化
液を得る糖化工程と、該米糖化液および該果汁もしくは
果実を酵母により同時に発酵させる発酵工程と、該発酵
工程により得られる固液混合状態の発酵産物を固液分離
してアルコール飲料原酒を得る固液分離工程と、を有
し、該糖化工程および該発酵工程が並行して実行される
ことを特徴とする、アルコール飲料製造方法。
【0020】(9)米、米麹、水、および果汁もしくは
果実のみを原料とし、該米および該果汁もしくは果実を
酵母により同時に発酵させてなることを特徴とする、ア
ルコール飲料。
【0021】前記発酵工程においては、米、米麹、果汁
もしくは果実、および酵母が含まれるもろみが形成され
て、該もろみにおいて、米の糖化反応と、米の糖化によ
り生成する米糖化液、および果汁等の酵母による発酵反
応が並行して進む。
【0022】前記酵母は、酒母として製造工程に供する
ことができ、この場合該酒母は、果汁もしくは果実およ
び酵母を主原料として製造される。ここで用いられる果
汁もしくは果実は、糖化工程および発酵工程における主
原料の一つである果汁もしくは果実と同一種類のものを
用いることができる。またその加工形態等材料として同
一のものを用いることができる。一方、酒母用果実もし
くは果汁と、糖化工程等の主原料とする果実もしくは果
汁とを、異なる種類のもの、あるいは加工形態等の異な
る材料とすることもできる。
【0023】前記果汁もしくは果実としては、酵母によ
るアルコール発酵の基質となる糖類を含むものであれ
ば、各種の果物類、野菜類の果実に由来するものを、特
に限定することなく用いることができる。りんごの果実
はフルクトースその他の糖類を含み、本発明のアルコー
ル飲料製造に用いることができる。したがって、本発明
のアルコール飲料製造工程において得られ、かつ用いら
れるもろみには、りんご果汁またはりんご果実の少なく
ともいずれか一方を含むことができる。
【0024】前記酵母としては、米糖化液、および果汁
もしくは果実中の糖類をアルコール発酵させることので
き、従来の清酒やワイン等におけるものと同様の微生物
管理により腐敗の危険性を充分に排除することのできる
ものであれば、各種の酵母を特に限定することなく用い
ることができる。ワイン酵母は果汁もしくは果実中の糖
類だけではなく、米糖化液に用いてもアルコール発酵を
させることができるので、本発明のアルコール飲料製造
に用いることができる。したがって、本発明のアルコー
ル飲料製造工程において得られ、かつ用いられるもろみ
には、ワイン酵母を含むことができる。また該もろみに
は、濃縮果汁を含むりんご果汁またはりんご果実の少な
くともいずれか一方、およびワイン酵母を含むことがで
きる。
【0025】本発明のアルコール飲料製造工程を経て得
られるアルコール飲料原酒は、これをそのまま市販酒と
することができる他、前記固液分離工程の後に、該工程
により得られるアルコール飲料原酒に対して、果汁、果
実、果実を原料とする蒸留酒、または果実を原料とする
醸造酒、のうち少なくともいずれか一つを加えるリキュ
ール調製工程を経ることによって、新規なリキュールと
して市販酒とすることもできる。
【0026】なお本発明のアルコール飲料製造方法によ
り製造される酒類は、酒税法上は雑酒に分類されるもの
であり、穀物を原料とする清酒やビール等の醸造酒、あ
るいは果実を原料とする果実酒のいずれにも規定されな
いものである。
【0027】本発明において用いられる麹は、蒸米上に
麹菌を接種し、製麹工程により、本発明の製造方法に係
る糖化、発酵工程を円滑に進めることのできる各種酵素
を充分に産生させたものである。従来の清酒製造方法に
おいて一般的に用いられる麹は、本発明のアルコール飲
料製造工程において用いることができる。
【0028】本発明の原理は、蒸米のデンプンを麹の酵
素によって糖化して発酵性糖類とし、これを果実または
果汁中の発酵性糖類とともに酵母によりアルコール発酵
させて、アルコールへと変換することである。そして、
糖化、発酵反応の進行中において適当な時期にもろみを
固液分離することにより、本発明のアルコール飲料の原
酒が得られる。係る製造原理により、果物類等の果実の
果実特有の風味と発酵に伴い生成する香気成分とが、米
由来の風味と香気成分に付加され、清酒とワインの風
味、香気を併せ持ったような風味、香気を呈する新規な
アルコール飲料を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
【構成】以下、本発明をより詳細に説明する。図1は、
本発明のアルコール飲料製造方法を示すフロー図であ
る。図において本方法は、米1、米麹10、水5、およ
び果汁もしくは果実4を原料とし、該米1を米麹10に
より糖化して米糖化液20を得る糖化工程P2と、該米
糖化液20、および該果汁もしくは果実4の両者を酵母
3により同時に発酵させる発酵工程P3と、該発酵工程
P3により得られる固液混合状態の発酵産物30を固液
分離してアルコール飲料原酒40を得る固液分離工程P
4と、を有し、該糖化工程P2および該発酵工程P3が
並行して実行されることを主たる構成とする。
【0030】前記果汁もしくは果実4としては、りんご
等の果物類の可食部に由来する果汁や果実自体が挙げら
れるが、これに限定されず、ぶどう、みかんなど他の果
物類を用いることもできる。また、果物類に限定されず
発酵性糖類を含むものであれば、たとえばすいか、メロ
ン等の野菜類を用いることもできる。果実を原料として
用いる場合は、これをカットしたり、スライスしたり、
あるいは圧搾したもの、その他の処理がなされたもので
も、本発明の醸造に用いることができる。
【0031】前記米1としては、蒸米を用いるが、蒸米
には白米の他、α米等も用いることができる。また、前
記10米麹は、乾燥麹で代替することも可能である。
【0032】図において前記酵母3は酵母仕込みとして
単独に用いることもできるが、酒母として供することも
でき、この場合該酒母は、果汁もしくは果実4および酵
母3を主原料として製造されるものとすることができ
る。該果汁もしくは果実4としてはりんごを用い、該酵
母3にはワイン酵母を用いることとすることができる。
【0033】図において本製造方法は、前記固液分離工
程P4の後に、該工程により得られるアルコール飲料原
酒40に対して、リキュール用材料8として、果汁、果
実、果実を原料とする蒸留酒、または果実を原料とする
醸造酒のうち少なくともいずれか一つを加えてリキュー
ル50を得るための、リキュール調製工程P5をさらに
備えることができる。
【0034】
【作用】図1において、本発明のアルコール飲料製造方
法は係る構成をとることにより、該米1は、該米1を製
麹工程で処理することにより得られる米麹10により糖
化されて米糖化液20となり(糖化工程P2)、該米糖
化液20、および該果汁もしくは果実4の両者は発酵工
程P3において、酵母3により同時に発酵させられて固
液混合状態の発酵産物30となり、該発酵産物30は固
液分離工程P4において固液分離されてアルコール飲料
原酒40となる。該糖化工程P2および該発酵工程P3
は並行して実行される。
【0035】図の発酵工程P3において、前記酵母3を
酵母仕込みとして単独に用い、該米糖化液20と該果汁
等4を同時に発酵させることもできるが、該酵母3を酒
母として供することもでき、この場合該酒母は、果汁も
しくは果実4および酵母3を主原料として製造したもの
を用いることができる。該果汁もしくは果実4としては
りんごを用い、該酵母3にはワイン酵母を用いることと
することができる。係る工程、作用により、製造される
本発明のアルコール飲料は、アルコール分が抑制気味
で、一方酸度が高く、清酒やワインとは異なる独特の風
味を備えた、官能的にも充分に満足の得られるものとす
ることができる。
【0036】図の本製造方法においては、前記固液分離
工程P4の後に設けるリキュール調製工程P5におい
て、該固液分離工程P4で得られるアルコール飲料原酒
40に対して、リキュール用材料8として、果汁、果
実、果実を原料とする蒸留酒、または果実を原料とする
醸造酒のうち少なくともいずれか一つが加えられてリキ
ュール50を得ることができる。これにより、たとえば
果汁や果実を加えた場合は、原料果実の風味の特徴を有
するアルコール飲料原酒40を、その風味をさらに強調
したものとすることができる。
【0037】本発明のアルコール飲料製造工程におい
て、該発酵工程P3において得られる発酵産物30すな
わちもろみは、米、米麹、果汁もしくは果実、および酵
母を含む構成であり、もろみ中に果汁もしくは果実を含
む特徴的な構成である。該果汁もしくは果実としては、
りんご果汁もしくはりんご果実を用いることができる。
また、該酵母としては、ワイン酵母を用いることができ
る。係るアルコール飲料製造用もろみを原料として、本
発明のアルコール飲料が構成される。
【0038】図2は、本発明のアルコール飲料製造方法
の一例について、原料、中間産物等の相互関係をより具
体的に示した製造工程フロー図である。図において、原
料白米は洗米、水への浸漬、水切りの各処理を経て蒸さ
れ蒸米となる。蒸米には種麹が種菌されて、蒸米のデン
プンを糖化し米糖化液とするための麹が製造される。
【0039】一方、リンゴ等の果汁もしくは果実と、酵
母と、水により、多量の優良酵母と乳酸酸性を得るため
の酒母が製造される。酒母仕込み時のpHは、醸造工程
の安全性確立のため4.5以下であることが望ましい。
【0040】蒸米と、麹と、酒母と、水と、果汁もしく
は果実が仕込まれて、発酵産物あるいは発酵途上産物で
あるもろみが形成される。もろみにおいては、蒸米のデ
ンプンが麹により糖化されて米糖化液となる糖化工程
と、該米糖化液、および果汁もしくは果実に含まれる発
酵性糖類がともに酒母により発酵する発酵工程とが、並
行して進む。
【0041】用いる果汁もしくは果実は、たとえばりん
ごを用いる場合、酒母製造用にも、またもろみ仕込み用
にも同じりんごを、同じ形態にて使用することができ
る。しかしたとえば、酒母製造用にはりんご果汁、もろ
み製造用にはりんご果実を用いることや、酒母製造用に
はりんご果汁、もろみ製造用にはりんご果汁とぶどう果
汁を用いることのように、本発明おいて、異質な原料を
単独で、あるいは組み合わせて用いることを妨げるもの
ではない。
【0042】所定の程度まで発酵したもろみは上槽によ
り固液分離され、新酒と酒粕が得られる。新酒は加熱殺
菌、貯蔵、ろ過、割水・調整、殺菌・びん詰めを経て、
真意アルコール飲料が得られる。すなわち本発明は、
米、麹、果汁もしくは果実を同時に糖化・発酵させ、固
液分離して新規アルコール飲料を製造するものである。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 <実施例1>原料としてりんご5倍濃縮果汁と、酒造好
適米である華吹雪60%精白米を用いてアルコール飲料
を製造した。酵母は、ワイン酵母 協会4号を用い、酒
母はこれに前記りんご果汁と水を加え、15℃に温度制
御した恒温室中で1週間の条件で製造した。酸度は充分
であり、特に防腐対策は行わなかった。その後、1次仕
込で蒸米、米麹および水を加え、2日後の2次仕込で果
汁と水を添加した。品温は1次仕込では12℃、2次仕
込終了時では10℃ほどを目安とした。原料果汁量は、
販売単位である18Lとした。その他の管理は、通常の
清酒製造法と同様に行った。表1は仕込み配合例であ
る。
【0044】
【表1】
【0045】発酵経過は順調に推移した。弱い発酵が持
続するものの、糖化と発酵が平衡状態となった頃合い
で、22日目に官能的に判断し上槽した。
【0046】もろみ成分の分析は、アルコール分はアル
コメイトAL−2型、アミノ酸は日立アミノ酸分析装置
L8800、糖類は高速液体クロマトグラフィーを用い
て、それぞれ行った。その他の分析は定法によった。
【0047】図3は、もろみ成分の頃日変化を示したグ
ラフ図である。図において、製成酒のアルコール分はほ
ぼ12%、酸度は4.5で、清酒やワインとは異なり、
独特の風味があり、官能的にも満足できる酒類が得られ
た。
【0048】<実施例2>原料米として、白米の替わり
にα米を用いた他は実施例1と同様の条件でアルコール
飲料を製造した。実施例1と同様、アルコール飲料を製
造することができた。
【0049】<実施例3>実施例1において上槽した原
酒が有する原料果実の風味の特徴を、さらに強調するた
めに、りんご還元果汁を原酒容量の2割程度混合したリ
キュールを調製した。その結果、嗜好性の高いリキュー
ルが得られた。
【0050】
【発明の効果】本発明のアルコール飲料製造方法、もろ
み、およびアルコール飲料によれば、米を原料とする清
酒の風味と、果物類等の果汁又は果実を原料とする果実
酒の風味をともに併せ持ち、かつこれらが調和したアル
コール飲料を得ることができる。すなわち、原料として
米、米麹、および果汁もしくは果実を利用した新規なア
ルコール飲料を製造することができる。
【0051】また、原料として米、米麹、および果汁も
しくは果実を用いてすべての原料を同時に発酵させ、各
原料特有の熟成した風味を高級品志向を有する消費者に
対して付加価値として提供することのできる、嗜好性の
高い新規なアルコール飲料を製造することができる。こ
れにより、地場特産物を利用した差別化された商品によ
る地域活性化を図ることができる。
【0052】また、原料として米、米麹、および果汁も
しくは果実を用い、その他の添加物を一切使用せず、消
費者の本物志向に合致する、嗜好性が高くかつ安全な、
新規アルコール飲料を製造することができる。これによ
り、地場特産物を利用した差別化された商品による地域
活性化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアルコール飲料製造方法を示すフロ
ー図である。
【図2】 本発明のアルコール飲料製造方法の一例につ
いて、原料、中間産物等の相互関係をより具体的に示し
た製造工程フロー図である。
【図3】 実施例1のもろみ成分の頃日変化を示したグ
ラフ図である。
【符号の説明】
1…米、 3…酵母、 4…果汁もしくは果実、 5…
水、 8…リキュール調製用材料、 10…米麹、 2
0…米糖化液、 30…発酵産物、 40…アルコール
飲料原酒、 50…リキュール、 P2…糖化工程、
P3…発酵工程、P4…固液分離工程、 P5…リキュ
ール調製工程

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米、米麹、水、および果汁もしくは果実
    を原料とし、該米を米麹により糖化して米糖化液を得る
    糖化工程と、該米糖化液および該果汁もしくは果実を酵
    母により同時に発酵させる発酵工程と、該発酵工程によ
    り得られる固液混合状態の発酵産物を固液分離してアル
    コール飲料原酒を得る固液分離工程と、を有し、該糖化
    工程および該発酵工程が並行して実行されることを特徴
    とする、アルコール飲料製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酵母は酒母として供され、該酒母は
    果汁もしくは果実および酵母を主原料として製造される
    ものであることを特徴とする、請求項1に記載のアルコ
    ール飲料製造方法。
  3. 【請求項3】 前記果汁もしくは果実にはりんごを用
    い、前記酵母にはワイン酵母を用いることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載のアルコール飲料製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記固液分離工程の後に、該工程により
    得られるアルコール飲料原酒に対して、果汁、果実、果
    実を原料とする蒸留酒、または果実を原料とする醸造
    酒、のうち少なくともいずれか一つを加えてリキュール
    を得るリキュール調製工程を備えることを特徴とする、
    請求項1ないし3のいずれかに記載のアルコール飲料製
    造方法。
  5. 【請求項5】 アルコール飲料製造工程において用いら
    れるもろみであって、米、米麹、果汁もしくは果実、お
    よび酵母が含まれていることを特徴とする、アルコール
    飲料製造用もろみ。
  6. 【請求項6】 アルコール飲料製造工程において用いら
    れるもろみであって、米、米麹、りんご果汁もしくはり
    んご果実、およびワイン酵母が含まれていることを特徴
    とする、アルコール飲料製造用もろみ。
  7. 【請求項7】 請求項5または6に記載のアルコール飲
    料製造用もろみを原料とすることを特徴とする、アルコ
    ール飲料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006280292A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Manns Wine Co Ltd 高品質果汁及び果実酒の製造法
JP2007167030A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Hinomaru Jozo Kk 果実リキュールの製造方法
KR100868579B1 (ko) 2008-03-20 2008-11-14 대한민국 향신료와 과실을 이용한 발효곡주의 제조방법

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