JP2003284321A - 直流電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用電源に常時接続されて使用される直流電
力供給用アダプタの寿命を正確に予測すること。 【解決手段】 電力供給ユニット１の負荷電流に比例し
たパルス幅で、所定電圧のパルスを一定周期で発生させ
るパルス発生手段(パルス発生回路４、スイッチＳ)と、
この手段からのパルスを受けるサージアブソーバ５と、
サージアブソーバ５のバリスタ電圧を検出して電力供給
ユニットの寿命を判定する判定手段７とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、商用交流電力を直
流電力に変換して出力する直流電源装置、より詳細には
寿命判定手段を備えた直流電源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】小型電子機器への直流電力の供給する直
流電源装置には、トランス、整流素子、及び電解コンデ
ンサを内蔵し、トランスにより降圧された交流を整流器
により全波整流し、電解コンデンサにより平滑して出力
する形式のものと、スイッチングレギュレータにより所
定の電圧に降下させた交流を、電解コンデンサにより平
滑して出力する形式の２種類が存在する。これらいずれ
の形式のものであっても、電解コンデンサを内蔵する関
係上、アダプタとしての寿命は、電解コンデンサの寿命
に依存している。このため、例えば特開平7-7922号公報
に見られるように、電源回路に比較用のコンデンサを内
蔵させ、平滑用のコンデンサとの電圧比較により寿命を
検出することが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電解コ
ンデンサはサイズが大きく電源装置が大型化したり、ま
た比較用のコンデンサがトランスなどからの熱を受けて
電解質が変化し、判定の信頼性が低いという問題があ
る。本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
って、その目的とするところは、寿命判定のための大型
の素子を必要とすることなく寿命を正確に判定すること
ができる直流電源装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明においては、電力供給ユニットの負荷電
流に比例したパルス幅で、かつ所定電圧のパルスを一定
周期で発生させるパルス発生手段と、前記パルスの印加
を受けるサージアブソーバと、前記サージアブソーバの
バリスタ電圧を検出して前記電力供給ユニットの寿命を
判定する判定手段とを備える。

【０００５】

【作用】電力供給ユニットを構成する電解コンデンサ
は、負荷電流に比例して発生するリップルによる損失熱
を生じる。一方、電解コンデンサを構成する電解質は、
損失熱による温度上昇と、時間とに関係して変質するか
ら、サージアブソーバに印加されたパルスによるバリス
タ電圧の変化、つまり電流と時間の積を検出することに
より寿命を正確に判定することができる。

【０００６】

【発明の実施の態様】そこで以下に本発明の詳細を図示
した実施例に基づいて説明する。図１は、本発明の直流
電源装置の一実施例を示すものであって、電力供給ユニ
ット１と、寿命判定ユニット２とから構成されててい
る。電力供給ユニット１は、商用電力を所定の直流電力
として出力するように、トランス、整流素子、及び電解
コンデンサをモジュール化したり、スイッチングレギュ
レータと平滑コンデンサとをモジュール化して構成さ
れ、負荷電流検出用の抵抗３を介して被電力供給装置に
直流電力を供給できるように構成されている。

【０００７】寿命判定ユニット２は、負荷抵抗の端子電
圧に比例したパルス幅のパルスを一定の周期で出力する
パルス発生回路４のパルス幅に対応してオン時間が制御
されるスイッチＳを介してサージアブソーバ５と電流制
限抵抗６とを電力供給ユニット１の端子に接続し、ま
た、サージアブソーバ５の一方の端子を判定手段７に接
続して構成されている。判定手段７は、電流制限抵抗６
を介してサージアブソーバ５に流れる電流値に基づいて
サージアブソーバ５の端子電圧、つまりバリスタ電圧、
つまり基準電流を通電したときの端子間電圧を検出する
ように構成されている。

【０００８】この実施例において、被電力供給装置の電
源スイッチをオンにすると、電力供給ユニット１から被
電力供給装置に直流電力が供給される。同時に、負荷電
流に比例した電圧が負荷抵抗３に発生し、パルス発生回
路４から負荷電流の値に比例したパルス幅のパルスがス
イッチＳに印加される。これにより、スイッチＳがパル
ス幅に相当する時間、つまり負荷電流に相当する時間だ
けオンとなり電流制限抵抗６を介して一定値の電流が、
パルス幅に相当する時間だけサージアブソーバ５に流れ
る。

【０００９】サージアブソーバ５は、電力供給ユニット
１の直流出力電流に比例したパルス幅のパルスを、その
作動期間中、継続的に印加される。そして、サージアブ
ソーバ５は、図２に示したようにパルスの幅と、印加さ
れた回数に応じてダメージを受けてバリスタ電圧が徐々
に低下する。周知のようにサージアブソーバ５は、図２
に示したようにサージ電流、パルス幅、及び印加回数に
よりそのサージ特性が変化するので、電流制限抵抗６に
よりサージアブソーバ５に流れる電流値を所定値に調整
しておくと、パルス幅及び印加回数、つまり電力供給ユ
ニット１の負荷電流とその時間に対応してサージ電圧が
変化する。すなわち、判定手段７に入力する電圧は、サ
ージアブソーバ５が受けたパルスのパルス幅、つまり直
流電流値と、パルスの個数、つまり動作時間との積に相
関する。

【００１０】一方、電力供給ユニット１を構成する電解
コンデンサは、これに電圧が印加されて発生する誘電体
損や、負荷電流により発生したリップルによる損失によ
り発熱して、電解質が温度と、時間の経過とに対応して
コンデンサとしての機能を徐々に喪失する。したがっ
て、電源ユニット１を構成する電解コンデンサの温度
と、その継続時間、つまり電流と時間との積、つまり判
定手段７に入力するバリスタ電圧に基づいて電源装置の
寿命を判定できる。

【００１１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、寿
命を判定するための基準となる電解コンデンサが不要と
なり、電源装置の大型化を招くことなく、高い信頼で電
源装置の寿命を判定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の直流電源装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。

【図２】バリスタ電圧が初期値の９０％に低下する場合
の、サージ電流、パルス幅、及び印加回数の一例を示す
線図である。

【符号の説明】

１ 電力供給ユニット ２ 寿命判定ユニット ３ 負荷電流検出用の抵抗 ５ サージアブソーバ ６ 電流制限抵抗 Ｓ スイッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電力供給ユニットの負荷電流に比例した
   パルス幅で、かつ所定電圧のパルスを一定周期で発生さ
   せるパルス発生手段と、前記パルスの印加を受けるサー
   ジアブソーバと、前記サージアブソーバのバリスタ電圧
   を検出して前記電力供給ユニットの寿命を判定する判定
   手段とを備えた直流電源装置。
2. 【請求項２】 前記パルス発生手段が、前記負荷電流に
   比例したパルス幅のパルスを一定周期で発生するパルス
   発生回路と、前記電力供給ユニットに電流制限抵抗を介
   して接続され、前記パルス発生回路からのパルスにより
   オンオフされるスイッチ手段とにより構成されている請
   求項１に記載の直流電源装置。