JP2003283919A - 振れ補正機能付き撮像装置 - Google Patents

振れ補正機能付き撮像装置

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JP2003283919A JP2002081879A JP2002081879A JP2003283919A JP 2003283919 A JP2003283919 A JP 2003283919A JP 2002081879 A JP2002081879 A JP 2002081879A JP 2002081879 A JP2002081879 A JP 2002081879A JP 2003283919 A JP2003283919 A JP 2003283919A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オートフォーカスのための合焦位置の検出の
際に、振れの方向に対応する振れ補正の周期の比を変え
ることによって、コストアップすることなく、オートフ
ォーカスを適切に行えるようにした振れ補正機能付き撮
像装置を提供する。 【解決手段】 振れ検知手段17x、17yがフォーカ
スレンズ11Bを有する撮影光学系11の光軸11Cお
よび互いに直交する2方向の振れを検知し、この検知し
た2方向の振れの大きさに応じた検知信号をそれぞれ出
力する。マイコン15により構成された駆動制御手段
が、検知信号を取り込み、取り込んだ検知信号に基づい
て、受光面13a上の結像位置を2方向に変位させて振
れによる像振れを補正するように振れ補正手段19x、
19yを駆動制御する。駆動制御手段はまた振れ補正す
る周期の比を、合焦位置を決定する際に一時的に撮影時
の周期の比と異ならせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振れ補正機能付き撮
像装置に係り、より詳細には、撮影光学系によって被写
体の像を撮像素子の受光面上に結像させ、電気信号に変
換して取り込み、該取り込んだ電気信号に基づいて決定
した合焦位置に前記フォーカスレンズを自動的に調整す
るとともに、例えば撮影の際の手振れによって生じるカ
メラ振れによる受光面上での画像振れを補正するように
した振れ補正機能付き撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の撮像装置はビデオカメラ
やデジタルスチルカメラとして公知であり、例えばデジ
タルスチルカメラの場合は、CCD(電荷結合デバイ
ス)からなる撮像素子の露光時の感度の限界により、銀
塩写真のような短いシャッタ時間を実現しにくく、カメ
ラ振れにより撮像された像に「像の流れ」のようなボケ
が生じやすい。
【0003】振れ補正は露光時のカメラの振れによる画
像のボケを防ぐことにあり、通常、カメラの光軸に直交
する固定された2つの軸回りの角速度を検知し、この2
つの軸周りのカメラの「振れによる傾き角」を求め、こ
の傾き角に対応する像振れを補正するように、撮影光学
系に含まれる補正レンズを変位させたり、光軸の向きを
調整したり、撮像素子を移動させたりすることが行わ
れ、補正レンズ等の被駆動系の要素は、2つの軸方向に
移動するような機構となっている。
【0004】一般には、像振れを補正するための機構で
は、受光面上での結像位置がカメラの光軸に直交する異
なる2方向に移動して生じる像振れをそれぞれ独立に補
正する補正部材を備え、マイクロコンピュータ(以下、
マイコンという)の中央演算装置(CPU)が角速度セ
ンサなどの振れ検知センサの出力によって2方向の振れ
量をそれぞれ検出し、この検出した振れ量に基づいて像
振れを解消するように補正部材により受光面上の結像位
置を2方向に変位させるようにしている。
【0005】より詳細には、振れ検知センサの検知出力
によって2方向の振れ量を検出するために、マイコン
は、センサ出力であるアナログ電気信号を所定のサンプ
リング周期にてデジタル変換して取り込み、この取り込
んだデジタル値によって振れ量を検出する。次に、この
検出した各方向の振れ量に対応する変位量を算出し、こ
の変位量に相当する量だけ受光面上の結像位置を変位さ
せるように補正部材を構成するアクチュエータを駆動さ
せる駆動信号をアクチュエータに対して出力することに
よって、カメラ振れによって各方向に生じるであろう像
振れを解消するようにしている。
【0006】アクチュエータによって実際に作動されて
像振れを補正する部材としては、像の結像位置を決める
撮影光学系であるレンズ光学系中の補正レンズであった
り、電子カメラにおいては、像が結像されるCCD撮像
素子などであり、像の結像位置を変えうるものであれば
何でもよい。そして、上述したセンサ出力の取り込みか
ら補正部材の駆動までの補正動作は、いずれの方向の振
れに対しても同じように行われている。
【0007】この種のカメラには一般に、振れ補正のO
N/OFFモードが備わっており、カメラ使用者はこれ
を任意に切り換え選択することにより振れ補正機能の作
動、停止を行うことができる。振れ補正モードが作動状
態にある場合、常に各角速度センサにおいてはカメラの
振れが検知され、この検知した振れをもとに振れ補正の
ための変位量を演算し、補正手段を駆動させるという処
理をマイコンで行っている。
【0008】また、この種の撮像装置においては、撮影
の際に、実際の撮影に先立ち、撮影光学系により撮像素
子の受光面上に結像させ電気信号に変換して取り込んだ
被写体の像に基づいて合焦位置を決定し、この決定した
合焦位置に焦点を自動的に調整するオートフォーカスを
付加機能として持ったものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、補正部材の
補正動作は、振れを検知するセンサの出力変化にできる
だけ忠実に、追従性よく行われなければならない。この
ためには、マイコンがセンサ出力を取り込むサンプリン
グ周期をできるだけ短くするとともに、マイコンが補正
部材を構成するアクチュエータに対して出力し振れ補正
のための変位量を決める駆動信号をできるだけ小さな階
調で変化される必要があり、より精度の高い振れ補正を
実現するには、マイコンには高速処理能力が求められ
る。
【0010】特に、オートフォーカス機能を持った撮像
装置にあっては、これに搭載されたマイコンは一般に、
上述した像振れ補正のための処理の他に、オートフォー
カスのための処理も行わなければならない。このため、
マイコンの負担は益々重くなり、少しでも素早い撮影を
行うためには、マイコンとしてより高速処理可能なもの
が求められることになり、これがコストアップの大きな
要因となっていた。
【0011】ところで、撮像素子の受光面上に結像させ
た被写体の像に基づいて合焦位置を決定するに当たっ
て、被写体像の画素単位でのコントラストが最大になっ
ているときに合焦していると判定するものにあっては、
像振れによってボケが生じるとコントラストが低下して
合焦位置を正確に求めることが難しくなる。そこで、オ
ートフォーカス中においても振れ補正を行っている必要
があるが、最大のコントラストの位置を決定するため
に、画素単位のコントラストを見る方向は必ずしも全方
向で等しくなく、振れ補正の方向性と合焦位置を決定す
るために使用する方向とが一致していない。このため、
この一致しない方向の振れ補正は、合焦位置を決定する
際には、或る意味で無駄な補正といえる。
【0012】よって、本発明は、上述した点に鑑み、オ
ートフォーカスのための合焦位置の検出の際に、振れの
方向に対応する振れ補正の周期の比を、それ以前のもの
と変えることによって、コストアップすることなく、オ
ートフォーカスを適切に行えるようにした振れ補正機能
付き撮像装置を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた本願請求項1記載の発明は、フォーカスレンズ
を有する撮影光学系により被写体の像を撮像素子の受光
面上に結像させ、電気信号に変換して取り込み、該取り
込んだ電気信号に基づいて決定した合焦位置に前記フォ
ーカスレンズを自動的に調整するとともに、振れによる
受光面上での像振れを補正して撮影を行うようにした振
れ補正機能付き撮像装置であって、前記撮影光学系の光
軸および互いに直交する2方向の振れを検知し、該検知
した2方向の振れの大きさに応じた検知信号をそれぞれ
出力する振れ検知手段と、前記2方向に前記受光面上の
結像位置を独立に変位させる振れ補正手段と、前記振れ
検知手段が出力する検知信号を取り込み、該取り込んだ
検知信号に基づいて、前記受光面上の結像位置を前記2
方向に変位させて振れによる像振れを補正するように前
記振れ補正手段を駆動制御する駆動制御手段とを備え、
前記駆動制御手段は、前記振れ補正手段が前記受光面上
の結像位置を前記2方向にそれぞれ変位させて振れ補正
する周期の比を、前記合焦位置を決定する際に一時的に
撮影時の周期の比と異ならせることを特徴とする振れ補
正機能付き撮像装置に存する。
【0014】上述した請求項1記載の構成によれば、振
れ検知手段が、フォーカスレンズを有する撮影光学系の
光軸および互いに直交する2方向の振れを検知し、この
検知した2方向の振れの大きさに応じた検知信号をそれ
ぞれ出力する。駆動制御手段が、振れ検知手段が出力す
る検知信号を取り込み、この取り込んだ検知信号に基づ
いて振れ補正手段を駆動制御し、撮像素子の受光面上の
結像位置を2方向に変位させて振れによる像振れを補正
する。駆動制御手段は、撮影光学系により撮像素子の受
光面上に結像された被写体の像を変換して取り込んだ電
気信号に基づいて、実際の撮影に先立ちフォーカスレン
ズを自動的に調整するための合焦位置を決定する際に一
時的に、振れ補正手段が結像位置を2方向にそれぞれ変
位させて振れ補正する周期の比を、撮影時の周期の比と
異ならせる。
【0015】このように、オートフォーカスのための合
焦位置を決定する際に一時的に、振れ補正する周期の比
を撮影時の周期比と異ならせることによって、合焦位置
を決定する撮影前の動作では必ずしも必要であるとはい
えない方向の振れ補正の周期を長くすることができ、振
れ補正合焦位置を決定する際の振れ補正と撮影時の振れ
補正に求められる方向性に対応した周期比で振れ補正を
行うことができるので、無駄が省かれ、負担を増大する
ことなく、両者の振れ補正を適切に行うことができる。
【0016】本願請求項2記載の発明は、請求項1記載
の振れ補正機能付き撮像装置において、前記合焦位置の
決定を、前記取り込んだ電気信号を前記2方向の一方向
で隣接する画素単位で比較する画素比較方式で行ってい
る場合、当該一方向に前記受光面上の結像位置を変位さ
せて振れ補正する周期よりも他の方向の周期が長くなる
ように前記周期の比を変更することを特徴とする振れ補
正機能付き撮像装置に存する。
【0017】請求項2記載の構成によれば、合焦位置の
決定を、取り込んだ電気信号を2方向の一方向で隣接す
る画素単位で比較する画素比較方式で行っている場合、
この一方向に受光面上の結像位置を変位させて振れ補正
する周期よりも他の方向の周期が長くなるように周期の
比を変更するので、周期を長くした分負担を軽減しつ
つ、合焦位置の決定を適切に行うことができる。
【0018】本願請求項3記載の発明は、請求項1記載
の振れ補正機能付き撮像装置において、前記合焦位置の
決定を、前記取り込んだ電気信号を前記2方向の隣接す
る画素単位で比較する画素比較方式で行っている場合、
前記合焦位置の決定に際して重きをおいた方向に前記受
光面上の結像位置を変位させて振れ補正する周期よりも
他の方向の周期が長くなるように、前記周期の比を変更
することを特徴とする振れ補正機能付き撮像装置に存す
る。
【0019】請求項3記載の構成によれば、合焦位置の
決定を、取り込んだ電気信号を2方向の隣接する画素単
位で比較する画素比較方式で行っている場合、合焦位置
の決定に際して重きをおいた方向に受光面上の結像位置
を変位させて振れ補正する周期よりも他の方向の周期が
長くなるように周期の比を変更するので、周期を長くし
た分負担を軽減しつつ、合焦位置の決定に際しての振れ
補正の方向性を満たして合焦位置の決定を適切に行うこ
とができる。
【0020】本願請求項4記載の発明は、請求項1乃至
3の何れかに記載の振れ補正機能付き撮像装置におい
て、前記変更した周期を、前記合焦位置の決定を行うた
めの前記画像信号を取り込むまで保持し、その後変更前
の前記周期の比に戻すことを特徴とする振れ補正機能付
き撮像装置に存する。
【0021】請求項4記載の構成によれば、変更した周
期を、合焦位置の決定を行うための画像信号を取り込む
まで保持し、その後変更前の周期の比に戻すので、実際
の撮影のための振れ補正を早い時期に始めることができ
る。
【0022】本願請求項5記載の発明は、請求項1乃至
4の何れかに記載の振れ補正機能付き撮像装置におい
て、前記振れ補正手段および前記駆動制御手段を作動す
る状態にして振れ補正機能を働かせるオン状態、又は、
前記振れ補正手段および前記駆動制御手段の作動を停止
する状態にして振れ補正機能を働かせないオフ状態の一
方を選択する選択手段を更に備え、前記駆動制御手段
は、前記選択手段が前記オフ状態を選択しているときで
あっても、前記合焦位置を決定する際には、前記振れ補
正手段および前記駆動制御手段を作動する状態にし、撮
影時と異なる前記周期の比で前記振れ補正手段を駆動制
御することを特徴とする振れ補正機能付き撮像装置に存
する。
【0023】請求項5記載の構成によれば、選択手段が
振れ補正手段および駆動制御手段の作動を停止する状態
にして振れ補正機能を働かせないオフ状態を選択してい
るときであっても、合焦位置を決定する際には、振れ補
正手段および駆動制御手段を作動する状態にし、撮影時
と異なる周期の比で振れ補正手段を駆動制御するので、
撮影時に振れ補正を行わない場合であっても、最小限の
負担増によって、オートフォーカスのための合焦位置の
決定を精度よく行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を説
明する。図1は本発明に係る撮像装置の一実施の形態を
示す図であって、振れ補正機能付きデジタルスチルカメ
ラの概略構成を模式的に示している。
【0025】図1において、振れ補正機能付きデジタル
スチルカメラは、カメラ本体に内蔵された撮影光学系1
1によって被写体の像を、同じくカメラ本体に内蔵され
た撮像手段13の受光面13a上に結像させ、電気信号
に変換して取り込み、また撮影の際の手振れによって発
生する像振れを補正し、振れによる撮影への影響ができ
るだけ小さくなるように構成されている。
【0026】具体的には、撮影光学系11は、撮像レン
ズとしてズームレンズ11Aおよびフォーカスレンズ1
1Bとを有し、その光軸11C上には撮像手段13が配
設されている。撮影光学系11により撮像手段13の受
光面13a上に結像された被写体の像は、電気信号に変
換されてカメラ本体に内蔵されたマイクロコンピュータ
(マイコン)15に取り込まれる。
【0027】マイコン15は、プログラムやデータを格
納するメモリとこのメモリに格納したプログラムに従っ
て動作する中央演算処理装置(マイコン)、アナログ−
デジタル(AD)変換器などから構成されている。
【0028】デジタルスチルカメラはまた、光軸11C
に対して直交しかつ互いに直交する2つの軸xおよびy
のまわりの角速度をそれぞれ検知し、この検知した角速
度の大きさに応じた検知信号を出力するx軸角速度セン
サ17axおよびy軸角速度センサ17ayと、各角速
度センサの出力する検知信号を所定レベルに増幅するx
軸センサアンプ17bxおよびy軸センサアンプ17b
yとを有し、これらはカメラ本体に内蔵されている。
【0029】x軸角速度センサ17axおよびx軸セン
サアンプ17bxは軸xのまわりの角速度を検知するx
軸角速度検知手段17xを、y軸角速度センサ17ay
およびy軸センサアンプ17byは軸yのまわりの角速
度を検知するy軸角速度検知手段17yをそれぞれ構成
し、全体として、撮影光学系の光軸および互いに直交す
る2方向の振れを検知し、該検知した2方向の振れの大
きさに応じた検知信号をそれぞれ出力する振れ検知手段
を構成している。
【0030】マイコン15は、x軸角速度検知手段17
xおよびy軸角速度検知手段17yが出力する検知した
角速度に応じた検知信号を所定のサンプリング周期にて
デジタル変換してそれぞれ取り込み、この取り込んだ検
知信号を積分することによって各軸についてのカメラの
「振れによる傾き角」を算出する。続いて、マイコン1
5は、この算出した傾き角に基づいて、撮像手段13の
受光面13a上に結像された像の受光面13a上での軸
x方向および軸y方向の移動量を所定の計算式によって
それぞれ求め、この求めた移動量だけ受光面上の結像位
置を2方向にそれぞれ変位させる変位量を、x軸角速度
検知手段17xおよびy軸角速度検知手段17yが検知
した角速度に基いて算出する。このことによって、マイ
コン15は、振れ補正手段を駆動して受光面上の結像位
置を2方向にそれぞれ変位させる変位量を検知信号に基
づいてそれぞれ決定するようにしている。
【0031】なお、マイコン15による変位量の算出
は、各軸について算出した傾き角だけカメラが傾くこと
によって生じる受光面13a上での像の移動量、すなわ
ち、受光面13a上での結像位置の軸x方向および軸y
方向の移動量を算出することによって求める。
【0032】デジタルスチルカメラはまた、算出した軸
x方向および軸y方向の変位量に基づいて、撮像手段1
3の受光面13aを軸x方向と軸y方向にそれぞれ独立
に移動させ、振れによって受光面13a上を移動した結
像位置を元に戻すx方向補正アクチュエータ19axお
よびy方向補正アクチュエータ19ayと、x方向補正
アクチュエータ19axおよびy方向補正アクチュエー
タ19ayをそれぞれ駆動するx方向補正駆動回路19
bxおよびy方向補正駆動回路19byとを有し、これ
らはカメラ本体に内蔵されている。x方向補正アクチュ
エータ19axおよびx方向補正駆動回路19bxはx
方向振れ補正手段19xを、y方向補正アクチュエータ
19ayおよびy方向補正駆動回路19byはy方向振
れ補正手段19yをそれぞれ構成し、全体として、撮影
光学系の光軸および互いに直交する2方向に受光面上の
結像位置を独立に変位させる振れ補正手段を構成してい
る。
【0033】マイコン15はまた、算出した振れ補正の
ための変位量に基づいて、x方向振れ補正手段19xお
よびy方向振れ補正手段19yを動作させて、振れによ
って受光面13a上で移動した結像位置を元の位置に戻
す補正駆動動作を制御する。よって、マイコン15は、
振れ検知手段が出力する検知信号を取り込み、取り込ん
だ検知信号に基づいて、受光面上の結像位置を2方向に
変位させて振れによる像振れを補正するように振れ補正
手段を駆動制御する駆動制御手段として働く。
【0034】デジタルスチルカメラはさらに、振れ補正
機能の作動、停止を選択する選択手段として、カメラ本
体の外側に設けられた振れ補正ボタン21の操作によっ
てオンオフされる図示しないスイッチを備える他、撮影
光学系11の撮像レンズとしてズームレンズ11Aおよ
びフォーカスレンズ11Bを駆動してズームおよびフォ
ーカスをそれぞれ制御するズーム制御部23Aおよびフ
ォーカス制御部23Bを有し、これらはカメラ本体に内
蔵されている。
【0035】マイコン15はまた、振れ補正ボタン21
の操作によってオンオフされる図示しないスイッチの信
号に基づいて行う振れ補正のための処理の他、カメラ本
体の外側に設けられたズーム操作ボタン25Aおよびレ
リーズ操作ボタン25Bの操作に基づいて、ズーム制御
部23Aやフォーカス制御部23Bを介して、撮影光学
系11のズームレンズ11Aおよびフォーカスレンズ1
1Bをそれぞれズーム駆動およびフォーカス駆動するな
どの他の処理も行う。
【0036】特に、オートフォーカス制御部23Bは、
レリーズ操作ボタン25Bが操作されたとき、マイコン
15による制御の下で、撮影に入る前の初期の段階で、
フォーカスレンズを合焦位置に自動的に調整するように
動作する。
【0037】先ず、マイコン15は、振れ補正ボタン2
1の操作によって振れ補正機能を働かせるオン状態にあ
るときに、レリーズ操作ボタン25Bの操作に応じ、フ
ォーカスレンズ11Bを有する撮影光学系11によりC
CDからなる撮像手段13の受光面13a上に結像させ
被写体の像を電気信号に変換して取り込み、該取り込ん
だ電気信号に基づいて合焦位置を決定する。
【0038】このために、撮像手段13の受光面13a
上には、図2に示すように、受光面13aの中央に、オ
ートフォーカス判定領域Rが定められ、マイコン15は
この判定領域Rに結像され電気信号に変換して取り込ま
れた被写体の像の画像情報を用いて合焦位置を決定す
る。また、マイコン15はフォーカスレンズ11Bをそ
の可動範囲内で所定量づつ光軸11Cに沿って移動しな
がら、移動毎にこの判定領域Rに結像された被写体の像
部分を電気信号に変換して取り込む。そして、この取り
込んだ被写体の像部分の画像情報をもとに、マイコン1
5は、図3に示すようなCCDの画素単位でその電荷量
aiを隣接する画素のものai+1と比較することによ
って求めた評価値に基づいて、フォーカスレンズ11B
の可動範囲のどこに合焦位置があるかを検索する。
【0039】具体的には、所定量の移動毎に、判定領域
R内の各画素の電荷量ai(i=1、2…n)を同領域
R内の水平方向で隣接する画素の電荷量ai+1と比較
した結果、例えば電荷量の引き算の絶対値|(ai−a
i+1)|を求め、この比較結果である絶対値を同領域
R内で加算して評価値Σ|(ai−ai+1)|を順次
作成する。可動範囲内の評価値が作成されたところで、
評価値が最大になる位置を探し、この位置を合焦位置と
みなす。これは、合焦していないとき、光線が周りの画
素にも広がるため、各画素と隣接する画素との電荷量の
差が合焦している場合よりも小さくなることに基づいて
いる。
【0040】評価値の求め方としては、水平方向で隣接
する画素の電荷量の差を用いて合焦位置を決定する横方
向画素比較方式、鉛直方向で隣接する画素の電荷量の差
を用いる縦方向画素比較方式、および、両方式を併用す
る方式があるが、上記電荷量差は、撮像装置が振れてい
るときにも、周りに入る光線と混ざり合うため、振れが
ないときよりも小さくなるので、振れ補正が行われる必
要がある。
【0041】本発明では、撮影の前に自動焦点合わせす
るオートフォーカスのための合焦位置を決定する際に
は、撮影時の振れ補正とは同一でなくてよく、少なくと
も合焦位置の決定を満足する振れ補正を行えばよいこと
に着目し、振れ補正手段が受光面上の結像位置を2方向
にそれぞれ変位させて振れ補正する周期の比を、前記合
焦位置を決定する際に一時的に、撮影時の周期の比と異
ならせている。
【0042】具体的には、例えば、撮影時の補正周期の
比が2方向で1:1(縦:横)である場合、横方向画素
比較方式では、例えば3:1などのように、横に対応す
る水平方向の振れ補正周期は変えずに、縦に対応する鉛
直方向の振れ補正周期を長くする。このように、合焦位
置を決定する上で振れが相対的に問題にならない方向の
振れ補正周期を長くすることによって、オートフォーカ
スを行うための合焦位置を決定する際に処理量が増大す
るマイコンの負担を、振れ補正周期を長くした分軽減で
きるようになる。
【0043】なお、像振れの方向性に着目し、マイコン
の負担軽減のため、撮影時の振れ補正の周期比を例えば
1:3のように、予め振れの生じ難い方向の振れ補正周
期を長くしているような場合がある。このような場合に
は、マイコンの負担軽減にはならないが、合焦位置決定
に当たって一時的に、振れの補正周期比を3:1に逆転
させ、撮影時の周期の比と異ならせることによって、マ
イコンの負担を増大させることなく、合焦位置の決定を
適切に行うことができるようになる。
【0044】また、例えば、撮影時の補正周期の比が2
方向で1:1(縦:横)で、縦方向画素比較方式では、
横の方向画素比較方式の場合とは逆に、例えば1:3な
どのように、縦に対応する鉛直方向の振れ補正周期は変
えずに、横に対応する水平方向の振れ補正周期を長くす
る。さらに、縦横の両方向の画素を比較する両方向画素
比較方式において、何れか一方向に重きをおいて比較を
行うものにあっては、他方向の周期を長くし、その重み
付けの比率に対応した補正周期比に変更するようにする
ことで、周期を長くした分、マイコンの負担を軽減でき
るようになる。
【0045】このように、合焦位置を決定する上で振れ
が相対的に問題にならない方向の振れ補正周期を長くす
ることによって、オートフォーカスを行うための合焦位
置決定する際に処理量が増大するマイコンの負担を、振
れ補正周期を長くした分軽減できるようになる。
【0046】以上の構成において、振れ補正ボタン21
のオンによって、振れ補正機能が働かされているときの
通常の振れ補正では、マイコン15は、撮像手段13に
対する撮影光学系11の光軸11Cおよび互いに直交す
る2つの軸xおよび軸yまわりに振れが発生すると、x
軸角速度センサ17ax、x軸センサアンプ17bxか
らなるx軸角速度検知手段17x、および、y軸角速度
センサ17ay、y軸センサアンプ17byからなるy
軸角速度検知手段17yがそれぞれ発生する角速度に応
じた検知信号を第1の所定サンプリング周期にてデジタ
ル変換して取り込む。そして、マイコン15は、この取
り込んだ検知信号に基づいて傾き角を検出し、この傾き
角を基に振れ量とそれに対する振れ補正のための変位量
を算出する。
【0047】さらに、マイコン15は、この算出した振
れ補正のための変位量に基づいて、振れ補正手段19
x、19yの補正駆動回路19bx、19byに対して
駆動信号を出力して、補正アクチュエータ19ax、1
9ayを駆動させる。駆動された補正アクチュエータ1
9ax、19ayは、 撮像手段13を光軸11Cに直
交する平面内を移動させて、x軸方向である水平方向お
よびy軸方向である鉛直方向の振れ補正動作を行う。
【0048】また、振れ補正動作を行っているマイコン
15は、レリーズ操作ボタン25BがON操作される
と、撮影に先立ち、適切な焦点位置にフォーカスレンズ
11Bを自動調整するオートフォーカス動作を行わせる
ための制御信号をフォーカス制御部23Bに対して出力
すると共に、受光面上の結像位置を2方向にそれぞれ変
位させて振れ補正する周期の比を、一時的に撮影時の周
期の比と異ならせる。この振れ補正周期の比を変更した
状態で、マイコン15はフォーカスレンズ11Bをその
可動範囲内で所定量づつ光軸11Cに沿って移動しなが
ら、移動毎にこの判定領域Rに結像された被写体の像部
分を電気信号に変換して取り込み、この取り込んだ被写
体の像部分の画像情報をもとに、合焦位置を決定するた
めの評価値を求め、この求めた評価値に基づいてフォー
カスレンズ11Bの可動範囲のどこに合焦位置があるか
を検索する。
【0049】例えば、マイコン15はレリーズ操作ボタ
ン25BがON操作されるまで、角速度検出、振れ量演
算、振れ補正のための変位量演算、振れ補正駆動の通常
処理を常時行っているが、各方向の振れを示す検知信号
を取り込むサンプリング周期が各方向に対して個別に設
定できるようになっている。そして、被写体の像部分の
画像情報をもとに合焦位置を決定するための評価値を求
める方式が、横方向画素比較方式である場合、レリーズ
操作ボタン25BがON操作されると、それまでy軸角
速度検知手段17yが発生する角速度に応じた検知信号
と同じ第1の所定サンプリング周期にてデジタル変換し
て取り込んでいたx軸角速度検知手段17xからの検知
信号を第1の所定サンプリング周期よりも長い第2の所
定のサンプリング周期にてデジタル変換して取り込むよ
うに変更する。
【0050】このことによって、マイコン15は、x軸
周りの角速度検出、水平方向の振れ量演算、振れ補正の
ための変位量演算、振れ補正駆動を含む全ての振れ補正
のための処理を、通常のときの処理よりも長い周期で行
うようになり、結果として、レリーズ操作ボタン25B
のON操作に伴って行われるオートフォーカスのための
合焦位置を決定を行う際に、振れ補正手段19xおよび
19yが受光面上の結像位置を2方向に変位させる周期
の比が撮影時のものと異ならせる。具体的には、それま
で1:1の同一の周期で行っていた水平方向および鉛直
方向の振れ補正動作を変更し、周期比を例えば1:3に
変更する。
【0051】上述のように、レリーズ操作ボタン25B
のON操作によって変更された補正周期の比の変更は、
少なくとも、合焦位置を決定するための評価値を求める
ために必要な被写体の像部分の画像情報を取り込むまで
行われ、それ以降、実際の撮影が行われるまでに元に戻
されればよいが、元に戻した後の補正動作の安定性を考
えた場合、必要な画像情報を取得した後直ちに元に戻す
ことが好ましい。
【0052】なお、振れ補正ボタン21の操作によって
振れ補正機能を働かせるオン状態にされていない場合が
ある。このようなとき、レリーズ操作ボタン25Bの操
作に応じて行われるオートフォーカスのための合焦位置
決定の際に振れ補正されていないと、手振れによって適
切な合焦位置を決定することができなくなる。そこで、
本発明では、振れ補正機能を働かせないオフ状態が選択
されているときであっても、合焦位置を決定する際だ
け、振れ補正動作を行わせ、しかも、撮影時と異なる補
正周期の比で振れ補正動作を行わせる。
【0053】以上、振れ補正機能付きデジタルスチルカ
メラの概略を説明したが、その詳細を、マイコン15が
行う処理を示す図4のフローチャートを参照して以下説
明する。
【0054】マイコン15は、電源の投入によって動作
を開始し、振れ補正ボタン21がONされたとき(ステ
ップS1がYのとき)、振れ補正動作中の補正周期比を
通常周期比に設定するとともに、振れ補正ボタン21が
OFFであっても振れ補正動作が行われる場合にその状
態にあることを示すための振れ補正F(フラグ)をクリ
アする(ステップS2)。この振れ補正Fはメモリ中の
フラグエリアに形成される。そして、この設定された通
常周期比で振れ補正処理(ステップS3)をレリーズ操
作ボタン25BがONされるまで(ステップS4がYの
ときまで)繰り返し実行する。この振れ補正処理におい
ては、x軸角速度検知手段17xおよびy軸角速度検知
手段17yが発生する角速度に応じた検知信号をそれぞ
れサンプリングする周期TxsおよびTysをともに第
1の周期T1に設定し、この第1のサンプリング周期T
1にて駆動制御処理を行う。
【0055】この振れ補正処理を行っている過程で、レ
リーズ操作ボタン25BがONされると(ステップS4
がYのとき)、オートフォーカスのための合焦位置を決
定するために変更すべき周期比を設定するとともに、振
れ補正動作が変更した周期比で行われていることを示す
変更F(フラグ)を設定し(ステップS6)、合焦位置
を決定するための画像情報の取り込みが完了するまで
(ステップS7がYになるまで)、この設定した変更周
期比で振れ補正処理を行う(ステップS3)。
【0056】この変更周期比で振れ補正処理では、y軸
角速度検知手段17yが発生する角速度に応じた検知信
号をサンプリングする周期Tysをそのままに、x軸角
速度検知手段17xが発生する角速度に応じた検知信号
をサンプリングする周期Txsを第1の周期T1よりも
長い第2の周期T2に変更し、x軸角速度検知手段17
xが発生する角速度に応じた検知信号に基づいて傾き角
を検出し、この傾き角を基に振れ量とそれに対する振れ
補正のための変位量は、受光面上の結像位置の鉛直方向
の振れを補正するためのものであるが、鉛直方向は合焦
位置決定に当たって画素比較する方向である水平方向の
振れに比べて重要度が極めて低いので、サンプリング周
期が長くなっても合焦位置決定の精度上は問題ない。
【0057】なお、合焦位置を決定するための被写体の
像からなる画像情報の取り込みが完了すると(ステップ
S7がYのとき)、振れ補正周期を元に戻すとともに、
合焦位置決定に必要な情報の取り込みが終わっているこ
とを示す合焦F(フラグ)を設定する(ステップS
8)。
【0058】なお、フローチャートには示されていない
が、マイコン15は、取り込んだ画像情報に基づいて合
焦位置を決定し、決定した位置にフォーカスレンズ11
Bを自動的に調整するオートフォーカス制御のための処
理を別途行っている。
【0059】上記ステップS6において設定された変更
Fは周期比をレリーズ操作ボタン25Bの操作時点で周
期比を変更する設定をするためのもの(ステップS5)
であり、ステップS8において設定された合焦Fは画像
情報の取り込みが完了した時点で周期比を元の通常周期
比に設定を戻すためのものである(ステップS9)。
【0060】合焦Fが設定されたときには、実際にはあ
り得ないが振れ補正ボタン21がOFFされる(ステッ
プS1がNになる)か、撮影が終了してレリーズ操作ボ
タン25BがOFFされるまで(ステップS4がNとな
るまで)、元に戻した通常周期比で振れ補正処理を行う
(ステップS3)。そして、撮影が終了してレリーズ操
作ボタン25Bがオフされると(ステップS4がNのと
き)、上述した振れ補正F、変更F及び合焦Fの設定を
クリアし(ステップS11)、次に、振れ補正ボタン2
1がオフされるか(ステップS1がNとなるか)、レリ
ーズ操作ボタン25Bがオンされる(ステップS4がY
となる)まで同じ処理を繰り返す。
【0061】振れ補正ボタン21がオフのとき(ステッ
プS1がNのとき)に、レリーズ操作ボタン25Bがオ
ンされた場合(ステップS12がYのとき)、通常とは
異なる周期比を設定するとともに、周期比を変更したこ
とを示す変更Fを設定してから(ステップS6)、この
設定した変更補正周期での振れ補正処理を行う(ステッ
プS3)。なお、この振れ補正処理を行うに当たって、
処理が振れ補正ボタン21がオンによって行われた補正
でないことを示す振れ補正Fを設定しておく(ステップ
S13)。
【0062】マイコン15は、この振れ補正Fが設定さ
れている(ステップS10及びステップS14がYであ
る)ことによって、合焦位置を決定するための画像情報
を取り込んだ時点(ステップS9がYのとき)で、以後
ステップS3の振れ補正処理を行わなくなる。すなわ
ち、振れ補正ボタン21がオフのときには、合焦位置を
決定するための画像情報を取り込み期間だけ振れ補正動
作が行われ、しかも、そのときの振れ補正動作の周期比
は通常周期比とは異なる変更した周期比にて行われる。
そして、撮影が終わってレリーズ操作ボタン25Bがオ
フされると(ステップS12がNのとき)、上述した振
れ補正F、変更F及び合焦Fの設定をクリアし(ステッ
プS11)、次に、振れ補正ボタン21がオンされるか
(ステップS1がYとなるか)、レリーズ操作ボタン2
5Bがオンされる(ステップS12がYとなる)まで振
れ補正処理は行われることがなくなる。
【0063】なお、補正周期比を異ならせるためには、
合焦位置を決定するために重要でない方向の振れについ
ての検知信号のサンプリング周期を長くすることによっ
て、角速度のサンプリングによる取り込み頻度を少なく
して取り込んだ角速度に基づく変位量の算出回数を少な
くし、かつ算出した変位量に基づいて受光面上の結像位
置を2方向に変位させて振れによる像振れを補正するよ
うにすることで、最終的に、振れ補正手段を駆動制御す
る周期を長くする方法が考えられる。このように、一方
のサンプリング周期を長くすることによって、振れ補正
手段が受光面上の結像位置を2方向に変位させる周期比
を、合焦位置を決定する際に一時的に撮影時の周期の比
と異ならせることができ、マイコン15としてはその分
余裕ができ、コストアップすることなく、合焦位置を精
度良く決定することができる。
【0064】また、他の方法として、サンプリング周期
を変更することなく、サンプリングして取り込んだ一方
の検知信号を間引くなどして変位量の算出頻度を低くす
ることによって、結果的に、振れ補正手段を駆動制御す
る周期を長くすることも考えられる。
【0065】ところで、振れ補正は、露光時のカメラの
振れによる像のボケを防ぐためのものであるが、カメラ
振れについて分析したところ、レリーズ操作に伴う手振
れの場合には、カメラの形状や形態、例えば大きさ、重
量、レリーズボタンの位置、操作感などの違うカメラに
よって、その起き易さに方向性があることを認識するに
至った。例えば、レリーズボタンの押し込み方向には手
振れは起き易いが、押し込み方向と直交する方向には、
それに比べて振れが起こりにくく、起こっても振れ量は
小さいことが分かった。
【0066】このため、カメラの振れに方向性がある場
合、いずれの方向に対しても同じ補正動作を行わせるこ
とは必ずしも必要であるとはいえないので、振れ量の小
さい方向の振れ補正の周期を長くし、制御精度を一旦低
下させても不都合はない。むしろ、一方向とはいえ、振
れ補正動作の周期を一時長くしたときには、マイコン1
5の処理負担を軽減できるようになるので、振れの方向
性に対応させて補正動作を変えることが考えられる。
【0067】このような振れ補正を行うようにしたもの
においては、振れ補正の方向性と合焦位置決定に際して
重要になる方向とが全く逆になることがある。このよう
な場合には、一方のサンプリング周期を長くするだけで
なく、他方のサンプリング周期を短くすることによっ
て、一時的に周期比を撮影時の周期比と異ならせること
が必要になる。
【0068】要するに、振れ補正の方向性と合焦位置決
定に際しての方向性に不一致があるときには、合焦位置
の決定に際しての方向性に合致するように、振れ補正の
周期比を変更することによって、その分マイコンの処理
負担が軽減されるので、コストアップすることなく、オ
ートフォーカスを適切に行えるようになる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、オートフォーカスのための合焦位置を決定
する際に一時的に、振れ補正する周期の比を撮影時の周
期比と異ならせ、合焦位置を決定する撮影前の動作では
必ずしも必要であるとはいえない方向の振れ補正の周期
を長くすることができ、振れ補正合焦位置を決定する際
の振れ補正と撮影時の振れ補正に求められる振れ補正に
求められる方向性に対応した周期比で振れ補正を行うこ
とができ、無駄な振れ補正を省いて、コストアップする
ことなく、オートフォーカスを適切に行うことができ
る。
【0070】請求項2記載の発明によれば、オートフォ
ーカスのための合焦位置を決定する画素比較方式に合わ
せて一時的に、一方向の振れ補正の周期が長くなるよう
に周期の比を変更しているので、周期を長くした分負担
を軽減しつつ、オートフォーカスを適切に行うことがで
きる。
【0071】請求項3記載の発明によれば、オートフォ
ーカスのための合焦位置を決定する画素比較方式の方向
に対する重みつけに合わせて一時的に、一方向の振れ補
正の周期が長くなるように周期の比を変更しているの
で、周期を長くした分負担を軽減しつつ、オートフォー
カスを適切に行うことができる。
【0072】請求項4記載の発明によれば、変更した周
期を、合焦位置の決定を行うための電気信号を取り込む
まで保持し、その後変更前の周期の比に戻すことで、実
際の撮影のための振れ補正を早い時期に始めることがで
きるので、撮影時の振れ補正に影響を与えることなく周
期比の変更を行うことができる。
【0073】請求項5記載の発明によれば、撮影時に振
れ補正を行わない場合であっても、最小限の負担増によ
って、オートフォーカスのための合焦位置の決定を精度
よく行うことができ、オートフォーカスを適切に行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振れ補正機能付き撮像装置の一実
施の形態におけるカメラ本体の概略構成を示すブロック
図である。
【図2】撮像手段の受光面に設けられたオートフォーカ
ス判定領域を示す図である。
【図3】図2中のオートフォーカス判定領域を画素単位
で示す図である。
【図4】本発明による振れ補正機能付き撮像装置の一実
施の形態における図1中のマイコンが行う処理を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
11 撮影光学系 11B フォーカスレンズ 11C 光軸 13 撮像手段 13a 受光面 15 マイコン(駆動制御手段) 17x,17y 角速度検知手段(振れ検知手段) 19x,19y 振れ補正手段 21 振れ補正ボタン 25B レリーズ操作ボタン x,y 軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 5/08 H04N 101:00 13/36 G03B 3/00 A H04N 5/335 G02B 7/11 N // H04N 101:00 D Fターム(参考) 2H011 BA31 BB03 DA00 2H051 BA47 CE14 EB20 5C022 AB28 AB55 AC42 AC51 AC69 AC74 AC78 5C024 AX01 BX01 CY17 CY21 EX04 HX29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォーカスレンズを有する撮影光学系に
    より被写体の像を撮像素子の受光面上に結像させ、電気
    信号に変換して取り込み、該取り込んだ電気信号に基づ
    いて決定した合焦位置に前記フォーカスレンズを自動的
    に調整するとともに、振れによる受光面上での像振れを
    補正して撮影を行うようにした振れ補正機能付き撮像装
    置であって、 前記撮影光学系の光軸および互いに直交する2方向の振
    れを検知し、該検知した2方向の振れの大きさに応じた
    検知信号をそれぞれ出力する振れ検知手段と、 前記2方向に前記受光面上の結像位置を独立に変位させ
    る振れ補正手段と、 前記振れ検知手段が出力する検知信号を取り込み、該取
    り込んだ検知信号に基づいて、前記受光面上の結像位置
    を前記2方向に変位させて振れによる像振れを補正する
    ように前記振れ補正手段を駆動制御する駆動制御手段と
    を備え、 前記駆動制御手段は、前記振れ補正手段が前記受光面上
    の結像位置を前記2方向にそれぞれ変位させて振れ補正
    する周期の比を、前記合焦位置を決定する際に一時的
    に、撮影時の周期の比と異ならせることを特徴とする振
    れ補正機能付き撮像装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の振れ補正機能付き撮像装
    置において、 前記合焦位置の決定を、前記取り込んだ電気信号を前記
    2方向の一方向で隣接する画素単位で比較する画素比較
    方式で行っている場合、当該一方向に前記受光面上の結
    像位置を変位させて振れ補正する周期よりも他の方向の
    周期が長くなるように前記周期の比を変更することを特
    徴とする振れ補正機能付き撮像装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の振れ補正機能付き撮像装
    置において、 前記合焦位置の決定を、前記取り込んだ電気信号を前記
    2方向の隣接する画素単位で比較する画素比較方式で行
    っている場合、前記合焦位置の決定に際して重きをおい
    た方向に前記受光面上の結像位置を変位させて振れ補正
    する周期よりも他の方向の周期が長くなるように、前記
    周期の比を変更することを特徴とする振れ補正機能付き
    撮像装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の振れ補
    正機能付き撮像装置において、 前記変更した周期を、前記合焦位置の決定を行うための
    前記電気信号を取り込むまで保持し、その後変更前の前
    記周期の比に戻すことを特徴とする振れ補正機能付き撮
    像装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載の振れ補
    正機能付き撮像装置において、 前記振れ補正手段および前記駆動制御手段を作動する状
    態にして振れ補正機能を働かせるオン状態、又は、前記
    振れ補正手段および前記駆動制御手段の作動を停止する
    状態にして振れ補正機能を働かせないオフ状態の一方を
    選択する選択手段を更に備え、 前記駆動制御手段は、前記選択手段が前記オフ状態を選
    択しているときであっても、前記合焦位置を決定する際
    には、前記振れ補正手段および前記駆動制御手段を作動
    する状態にし、撮影時と異なる前記周期の比で前記振れ
    補正手段を駆動制御することを特徴とする振れ補正機能
    付き撮像装置。
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