JP2003282556A - 固体有機金属原料供給装置および供給方法 - Google Patents
固体有機金属原料供給装置および供給方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 固体有機金属を加熱し気化させてキャリアガ
スと共に原料ガスとして供給する固体有機金属原料供給
装置において、所望の有機金属を含んだ原料ガスを長期
間に亘って安定して供給する。 【解決手段】 キャリアガスが、導入管8とシャワーヘ
ッド7を介して原料担持体1の一端側に導入され、他端
側から導出された原料ガスが導出管9を介して供給され
る。原料担持体の、導入側の端部と導出側の端部にはそ
れらを部分的に覆うシャッター19が設けられている。
シャッター19は、原料担持体1を覆う位置を変化さ
せ、それによって原料担持体1の、キャリアガスを通す
領域を変化させるようにシャッター駆動機構20によっ
て周期的に移動させられる。
スと共に原料ガスとして供給する固体有機金属原料供給
装置において、所望の有機金属を含んだ原料ガスを長期
間に亘って安定して供給する。 【解決手段】 キャリアガスが、導入管8とシャワーヘ
ッド7を介して原料担持体1の一端側に導入され、他端
側から導出された原料ガスが導出管9を介して供給され
る。原料担持体の、導入側の端部と導出側の端部にはそ
れらを部分的に覆うシャッター19が設けられている。
シャッター19は、原料担持体1を覆う位置を変化さ
せ、それによって原料担持体1の、キャリアガスを通す
領域を変化させるようにシャッター駆動機構20によっ
て周期的に移動させられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体有機金属を原
料として薄膜を形成する有機金属化学気相成長(MOC
VD)法における固体有機金属原料供給装置と供給方法
に関する。
料として薄膜を形成する有機金属化学気相成長(MOC
VD)法における固体有機金属原料供給装置と供給方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電体の酸化物薄膜や化合物半導体薄
膜などの作製方法としては、スパッタ法、レーザーアブ
レーション(PLD)法、分子線エピタキシャル(MB
E)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法、ゾル
ーゲル法などの実用化が試みられている。中でもMOC
VD法は、優れた段差被覆性を有し、大面積の領域に成
膜を行うことが可能であり、比較的低温で成膜を行うこ
とができるといった優れた特徴を有しており、薄膜を効
率よく、容易に成長させることができる方法である。こ
のためMOCVD法は、今後の薄膜作製方法の1つとし
て有力である。
膜などの作製方法としては、スパッタ法、レーザーアブ
レーション(PLD)法、分子線エピタキシャル(MB
E)法、有機金属化学気相成長(MOCVD)法、ゾル
ーゲル法などの実用化が試みられている。中でもMOC
VD法は、優れた段差被覆性を有し、大面積の領域に成
膜を行うことが可能であり、比較的低温で成膜を行うこ
とができるといった優れた特徴を有しており、薄膜を効
率よく、容易に成長させることができる方法である。こ
のためMOCVD法は、今後の薄膜作製方法の1つとし
て有力である。
【0003】MOCVD法は、金属錯体である有機金属
を加熱することによって気化または昇華させ、このよう
にして生じた有機金属の蒸気を基板上へ輸送し、輸送さ
れた有機金属原料を基板表面上で化学反応させ、基板表
面上に薄膜を堆積させる方法である。MOCVD法によ
って成膜を行うMOCVD装置は、通常、大きく分け
て、有機金属原料を供給する原料供給部と、輸送された
有機金属を基板上へ堆積させる反応室部の2つの部分か
ら成っている。この中で原料供給部は、有機金属原料を
収容した原料容器と、原料容器を加熱するオーブンなど
の加熱手段を有している。原料容器内には、通常、キャ
リアガスが流され、原料容器内に発生した、有機金属の
蒸気は、このキャリアガスと共に原料ガスとして反応室
内へと輸送される。原料供給部は、通常、導入するキャ
リアガスの流量を制御するマスフローコントローラと、
原料容器内の圧力を調節する機構をさらに有している。
この原料供給部は、用いる有機金属原料の数に応じて複
数設けられる場合があり、この場合、各原料供給部から
供給される原料ガスは、反応室内において、またはその
直前で混合される。このようにして反応室内へ輸送され
た有機金属が基板表面で化学反応を起こし、薄膜が堆積
される。
を加熱することによって気化または昇華させ、このよう
にして生じた有機金属の蒸気を基板上へ輸送し、輸送さ
れた有機金属原料を基板表面上で化学反応させ、基板表
面上に薄膜を堆積させる方法である。MOCVD法によ
って成膜を行うMOCVD装置は、通常、大きく分け
て、有機金属原料を供給する原料供給部と、輸送された
有機金属を基板上へ堆積させる反応室部の2つの部分か
ら成っている。この中で原料供給部は、有機金属原料を
収容した原料容器と、原料容器を加熱するオーブンなど
の加熱手段を有している。原料容器内には、通常、キャ
リアガスが流され、原料容器内に発生した、有機金属の
蒸気は、このキャリアガスと共に原料ガスとして反応室
内へと輸送される。原料供給部は、通常、導入するキャ
リアガスの流量を制御するマスフローコントローラと、
原料容器内の圧力を調節する機構をさらに有している。
この原料供給部は、用いる有機金属原料の数に応じて複
数設けられる場合があり、この場合、各原料供給部から
供給される原料ガスは、反応室内において、またはその
直前で混合される。このようにして反応室内へ輸送され
た有機金属が基板表面で化学反応を起こし、薄膜が堆積
される。
【0004】MOCVD法に用いる有機金属原料として
は、例えば100℃〜200℃の温度で昇華による蒸気
圧が比較的高くとれるジピバロイルメタン(DPM)金属
錯体などが用いられる。具体的な例を挙げると、例え
ば、強誘電体、圧電体として有名な、強誘電体酸化物で
あるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜を作製する場
合には、Pb原料としてPb(DPM)2、Pb(C2H5)4
など、Zr原料としてZr(DPM)4、Zr(t−OC4
H9)4など、Ti原料としてTi(i−OC3H7)4、Ti
(DPM)2(OCH3)2などが用いられている。有機金属
原料としては、このように様々なものが用いられてお
り、種類によって、原料容器内に液体の状態で収容され
る場合と、固体の状態で収容される場合がある。
は、例えば100℃〜200℃の温度で昇華による蒸気
圧が比較的高くとれるジピバロイルメタン(DPM)金属
錯体などが用いられる。具体的な例を挙げると、例え
ば、強誘電体、圧電体として有名な、強誘電体酸化物で
あるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜を作製する場
合には、Pb原料としてPb(DPM)2、Pb(C2H5)4
など、Zr原料としてZr(DPM)4、Zr(t−OC4
H9)4など、Ti原料としてTi(i−OC3H7)4、Ti
(DPM)2(OCH3)2などが用いられている。有機金属
原料としては、このように様々なものが用いられてお
り、種類によって、原料容器内に液体の状態で収容され
る場合と、固体の状態で収容される場合がある。
【0005】MOCVD装置において、作製する薄膜の
組成や膜厚を安定させるためには、原料供給部から有機
金属を安定して供給する必要がある。有機金属の原料供
給量の安定性の重要な要因となるものには、原料容器内
における有機金属原料の状態(特に、液体か固体か)、
原料容器の形状などがあるといえる。
組成や膜厚を安定させるためには、原料供給部から有機
金属を安定して供給する必要がある。有機金属の原料供
給量の安定性の重要な要因となるものには、原料容器内
における有機金属原料の状態(特に、液体か固体か)、
原料容器の形状などがあるといえる。
【0006】原料容器内において液体の状態で用いられ
る液体原料としては、主にアルコキシド系の原料が用い
られる。図19に、液体有機金属原料55を収容した、
従来例の原料容器50の模式図を示す。原料容器50
は、通常、ステンレスなどから構成される。この原料容
器50では、導入側バルブ51を介し、導入管53を介
してキャリガスが導入される。導入管53の先端は、原
料容器50の底部まで延び、液体有機金属原料55内に
浸されており、導入されたキャリアガスによってバブリ
ングが行われ、キャリアガスに液体有機金属原料55の
蒸気が混合される。液体有機金属原料55の蒸気が混合
された原料ガスは、導出管54から導出側バルブ52を
介して導出される。液体原料は、原料容器内において固
体の状態で用いられる固体原料に比べて、比較的安定し
た供給量で原料を供給できるという特徴がある。
る液体原料としては、主にアルコキシド系の原料が用い
られる。図19に、液体有機金属原料55を収容した、
従来例の原料容器50の模式図を示す。原料容器50
は、通常、ステンレスなどから構成される。この原料容
器50では、導入側バルブ51を介し、導入管53を介
してキャリガスが導入される。導入管53の先端は、原
料容器50の底部まで延び、液体有機金属原料55内に
浸されており、導入されたキャリアガスによってバブリ
ングが行われ、キャリアガスに液体有機金属原料55の
蒸気が混合される。液体有機金属原料55の蒸気が混合
された原料ガスは、導出管54から導出側バルブ52を
介して導出される。液体原料は、原料容器内において固
体の状態で用いられる固体原料に比べて、比較的安定し
た供給量で原料を供給できるという特徴がある。
【0007】一方、固体原料は液体原料よりも蒸気圧が
低いという欠点がある。このため、十分な原料供給量を
得るためには、原料の使用温度を液体原料よりも高温に
する必要がある。具体的な例を挙げると、Pb原料とし
て一般的に用いられているPb(DPM)2は、固体原料
であり、その使用温度は120〜140℃程度と比較的
高温である。一方、Ti原料として一般的に用いられて
いるTi(i−OC3H 7)4は、液体原料であり、30〜
40℃程度と比較的低温で使用可能である。
低いという欠点がある。このため、十分な原料供給量を
得るためには、原料の使用温度を液体原料よりも高温に
する必要がある。具体的な例を挙げると、Pb原料とし
て一般的に用いられているPb(DPM)2は、固体原料
であり、その使用温度は120〜140℃程度と比較的
高温である。一方、Ti原料として一般的に用いられて
いるTi(i−OC3H 7)4は、液体原料であり、30〜
40℃程度と比較的低温で使用可能である。
【0008】また、固体原料は、消費されること、原料
容器内での加熱、冷却を繰り返すことなどによって、形
状が経時的に変化する。このため、固体原料の、キャリ
アガスに接する表面積やキャリアガスの通過経路が経時
的に変化し、原料供給量が経時的に変化してしまうとい
う欠点を有している。
容器内での加熱、冷却を繰り返すことなどによって、形
状が経時的に変化する。このため、固体原料の、キャリ
アガスに接する表面積やキャリアガスの通過経路が経時
的に変化し、原料供給量が経時的に変化してしまうとい
う欠点を有している。
【0009】このような、固体原料を用いる原料供給装
置の欠点を改善するために従来から様々な試みがなされ
ている。この試みの1つとして、例えば、特開平9−4
0489号公報には、図20に示すように固体原料を多
孔質材料などの吸着剤粒体65に吸着させて保持する固
体有機金属原料供給装置が開示されている。この原料供
給装置では、導入管63と導出管54が、吸着剤粒体6
5の保持部を挟んだ両側で原料容器60に接続され、キ
ャリアガスが保持領域を通過するように流される。原料
はオーブン69などによって高温雰囲気中に曝され、そ
れによって気化した原料がキャリアガスと共に導出され
る。この原料供給装置では、このように固体原料を吸着
剤粒体65に吸着させることによって、固体原料の、キ
ャリアガスに接する表面積を広くして原料供給量を多く
することを可能としている。また、この原料供給装置で
は、固体原料を加熱、冷却しても、吸着剤流体75がそ
の形状を保つことを利用して、固体原料の表面積や、キ
ャリアガスの通過経路の変化を抑えて原料供給量を安定
させようとしている。また、吸着剤粒体75を用いる場
合、図21に示すように、導入管73が原料容器70内
の、吸着剤粒体65の保持部内に挿入される場合もあ
る。
置の欠点を改善するために従来から様々な試みがなされ
ている。この試みの1つとして、例えば、特開平9−4
0489号公報には、図20に示すように固体原料を多
孔質材料などの吸着剤粒体65に吸着させて保持する固
体有機金属原料供給装置が開示されている。この原料供
給装置では、導入管63と導出管54が、吸着剤粒体6
5の保持部を挟んだ両側で原料容器60に接続され、キ
ャリアガスが保持領域を通過するように流される。原料
はオーブン69などによって高温雰囲気中に曝され、そ
れによって気化した原料がキャリアガスと共に導出され
る。この原料供給装置では、このように固体原料を吸着
剤粒体65に吸着させることによって、固体原料の、キ
ャリアガスに接する表面積を広くして原料供給量を多く
することを可能としている。また、この原料供給装置で
は、固体原料を加熱、冷却しても、吸着剤流体75がそ
の形状を保つことを利用して、固体原料の表面積や、キ
ャリアガスの通過経路の変化を抑えて原料供給量を安定
させようとしている。また、吸着剤粒体75を用いる場
合、図21に示すように、導入管73が原料容器70内
の、吸着剤粒体65の保持部内に挿入される場合もあ
る。
【0010】また、特開平10−223540号公報に
は、図22に示すように、キャリアガスが固体有機金属
原料65の保持部をほぼ全域に渡って通過するようにし
た固体有機金属原料供給装置が開示されている。この原
料容器80内では、粉末状の固体有機金属原料65が、
両側の、メッシュ状の、したがって通気性を有する仕切
り84の間に保持されて収納されている。導入管83と
導出管54は、固体有機金属原料85の保持部を挟ん
で、互いに反対側の位置で原料容器60内に接続されて
いる。導入管63から導入されたキャリアガスは、固体
有機金属原料65の保持部を通り抜けて、固体有機金属
原料65の蒸気と混合され、蒸気が混合された原料ガス
が導出管54から導出される。この原料供給装置では、
導入管83は、固体有機金属原料85の保持部に面する
部分全域からキャリアガスを放出するように構成されて
おり、キャリアガスが原料保持部をほぼ全域に渡って通
過するように供給される。このようにすることによっ
て、原料保持部の全域で昇華が均等に生じるようにし、
有機金属原料ガスの供給量に経時的変化が生じるのを防
止しようとしている。
は、図22に示すように、キャリアガスが固体有機金属
原料65の保持部をほぼ全域に渡って通過するようにし
た固体有機金属原料供給装置が開示されている。この原
料容器80内では、粉末状の固体有機金属原料65が、
両側の、メッシュ状の、したがって通気性を有する仕切
り84の間に保持されて収納されている。導入管83と
導出管54は、固体有機金属原料85の保持部を挟ん
で、互いに反対側の位置で原料容器60内に接続されて
いる。導入管63から導入されたキャリアガスは、固体
有機金属原料65の保持部を通り抜けて、固体有機金属
原料65の蒸気と混合され、蒸気が混合された原料ガス
が導出管54から導出される。この原料供給装置では、
導入管83は、固体有機金属原料85の保持部に面する
部分全域からキャリアガスを放出するように構成されて
おり、キャリアガスが原料保持部をほぼ全域に渡って通
過するように供給される。このようにすることによっ
て、原料保持部の全域で昇華が均等に生じるようにし、
有機金属原料ガスの供給量に経時的変化が生じるのを防
止しようとしている。
【0011】また、特開2001−59178号公報に
は、原料容器内に多数のシャーレを設けた固体有機金属
原料供給装置が開示されている。この原料供給装置で
は、原料容器内に上下多段に並べられたシャーレにそれ
ぞれ固体原料が一面に広げられ、多段に並べられた複数
のシャーレの全ての表面を通過するようにキャリアガス
が流される。このようにすることによって、固体原料
の、キャリアガスに接する表面積を広くし、また固体原
料の表面積やキャリガスの通過経路の経時的な変化を抑
えている。
は、原料容器内に多数のシャーレを設けた固体有機金属
原料供給装置が開示されている。この原料供給装置で
は、原料容器内に上下多段に並べられたシャーレにそれ
ぞれ固体原料が一面に広げられ、多段に並べられた複数
のシャーレの全ての表面を通過するようにキャリアガス
が流される。このようにすることによって、固体原料
の、キャリアガスに接する表面積を広くし、また固体原
料の表面積やキャリガスの通過経路の経時的な変化を抑
えている。
【0012】以上のように、固体原料を用いる場合の欠
点を補うためには、原料供給量を十分な量にするために
固体原料の表面積を広くし、また原料供給量を安定させ
るために原料が安定した形状を保つようにすることが重
要であるといえる。
点を補うためには、原料供給量を十分な量にするために
固体原料の表面積を広くし、また原料供給量を安定させ
るために原料が安定した形状を保つようにすることが重
要であるといえる。
【0013】また、MOCVD法においては、形成する
膜を所望の組成や膜厚にするために、通常、原料供給装
置からの原料の供給量の制御が行われる。原料の供給量
を決めるパラメーターには、一般的に、原料の温度、原
料容器内の圧力、そして原料容器へ導入するキャリアガ
スの流量がある。
膜を所望の組成や膜厚にするために、通常、原料供給装
置からの原料の供給量の制御が行われる。原料の供給量
を決めるパラメーターには、一般的に、原料の温度、原
料容器内の圧力、そして原料容器へ導入するキャリアガ
スの流量がある。
【0014】これらのパラメーターのうち、原料の温度
に関しては、原料温度と原料供給量には非直線的な関係
があるため、原料温度を変化させて供給量を制御するの
は困難である。また、原料容器も含めて温度を変化させ
る必要があり、原料温度を所定の温度に安定させまでに
は一定の時間がかかり、成膜中に供給量を任意に変える
ことは困難である。原料温度の変化に対する原料供給量
の変化の割合は比較的大きいため、原料温度は、原料供
給量を大まかに変化させる場合に変えられる。
に関しては、原料温度と原料供給量には非直線的な関係
があるため、原料温度を変化させて供給量を制御するの
は困難である。また、原料容器も含めて温度を変化させ
る必要があり、原料温度を所定の温度に安定させまでに
は一定の時間がかかり、成膜中に供給量を任意に変える
ことは困難である。原料温度の変化に対する原料供給量
の変化の割合は比較的大きいため、原料温度は、原料供
給量を大まかに変化させる場合に変えられる。
【0015】また、原料容器内の圧力に関しても、圧力
と供給量の関係は非直線的であるため、圧力を変化させ
て供給量を制御するのは比較的困難である。圧力の変化
に対する原料供給量の変化の割合は、温度を変化させる
場合に比べて小さなものであるため、圧力は、組成の微
調整をする場合に変えられる。
と供給量の関係は非直線的であるため、圧力を変化させ
て供給量を制御するのは比較的困難である。圧力の変化
に対する原料供給量の変化の割合は、温度を変化させる
場合に比べて小さなものであるため、圧力は、組成の微
調整をする場合に変えられる。
【0016】一方、キャリアガス流量に関しては、キャ
リアガス流量と原料供給量はほぼ直線的な関係にあるの
で、キャリアガス流量を変化させることによって、温
度、圧力を変化させる場合よりも容易に原料供給量を制
御することができる。しかし、成膜中にキャリアガスの
流量を変えると、基板上での気流が変化し、形成される
膜の膜厚や組成に1つの基板上でばらつきが生じるなど
の影響が現れる場合がある。この現象は、特に、各原料
を別の原料供給装置から独立して反応室内に導入する場
合に顕著に現れるといえる。
リアガス流量と原料供給量はほぼ直線的な関係にあるの
で、キャリアガス流量を変化させることによって、温
度、圧力を変化させる場合よりも容易に原料供給量を制
御することができる。しかし、成膜中にキャリアガスの
流量を変えると、基板上での気流が変化し、形成される
膜の膜厚や組成に1つの基板上でばらつきが生じるなど
の影響が現れる場合がある。この現象は、特に、各原料
を別の原料供給装置から独立して反応室内に導入する場
合に顕著に現れるといえる。
【0017】この様な気流の変化を防止する目的で、図
23に示すように、キャリアガスを、原料容器90を通
さずに反応室へと導入するバイパスラインを設け、これ
を補償ラインとする方法が知られている。図23に示す
装置では、バイパス管93は、原料容器90からの導出
管92と合流して反応室へと続く供給管94に接続して
いる。導入管91とバイパス管93には、それぞれマス
フローコントローラー(MFC)95,96が設けられ
ている。この構成では、導入管91に流すキャリアガス
の流量を変化させることによって原料供給量を制御し、
この際、導入管91に流すキャリアガスの流量変化を補
償するように、バイパス管96に流すキャリアガスの流
量を変化させる。すなわち、例えば、原料容器90を通
るキャリアガスの量を減少させた場合には、この減少さ
せた流量分だけバイパス管93に流すキャリアガスの流
量を増やす。このようにして、供給管94を流れる原料
ガスの全流量を常に一定にしている。この様な方法を用
いることによって、反応室中のガスの気流を変えずに原
料供給量を変化させることができる。
23に示すように、キャリアガスを、原料容器90を通
さずに反応室へと導入するバイパスラインを設け、これ
を補償ラインとする方法が知られている。図23に示す
装置では、バイパス管93は、原料容器90からの導出
管92と合流して反応室へと続く供給管94に接続して
いる。導入管91とバイパス管93には、それぞれマス
フローコントローラー(MFC)95,96が設けられ
ている。この構成では、導入管91に流すキャリアガス
の流量を変化させることによって原料供給量を制御し、
この際、導入管91に流すキャリアガスの流量変化を補
償するように、バイパス管96に流すキャリアガスの流
量を変化させる。すなわち、例えば、原料容器90を通
るキャリアガスの量を減少させた場合には、この減少さ
せた流量分だけバイパス管93に流すキャリアガスの流
量を増やす。このようにして、供給管94を流れる原料
ガスの全流量を常に一定にしている。この様な方法を用
いることによって、反応室中のガスの気流を変えずに原
料供給量を変化させることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平9−40
489号公報に開示された固体有機金属原料供給装置に
おいては、原料が新しい初期状態においては、キャリア
ガスが固体原料を担持させた多孔質の吸着剤粒体中全体
に浸透しながら通過するので、所定の条件で、所望の濃
度の原料が混入した原料ガスを安定して得ることができ
る。しかし、原料の担持体として用いている吸着剤粒体
には、その孔の大きさに通常ばらつきがある。このた
め、この担持体を何度か使用し、キャリアガスを担持体
中にある程度通過させた後には、担持体の特定の箇所に
ガスの通過孔が形成され、キャリアガスは優先的に通過
孔内を通過するようになる。このようにキャリアガスの
あたり方にむらが生じることによって、原料はガスの通
気孔に沿った部分で多く消費されるようになる。その結
果、キャリアガスの導入条件を初期状態と同じにしてお
いた場合、比較的短期間の間に、ガス中の原料成分の濃
度が初期よりも低くなってしまい、すなわち、ガス中の
原料濃度に変動が生じてしまう。また、キャリアガスの
通過路のコンダクタンスも変化してしまい、それによっ
て原料容器を通るキャリアガスの流量にも変動が生じて
しまう。これらのことから、結果として、形成する膜の
膜厚が初期よりも薄くなったり、組成が変化したりとい
うように、成膜結果にばらつきが生じてしまうという問
題がある。
489号公報に開示された固体有機金属原料供給装置に
おいては、原料が新しい初期状態においては、キャリア
ガスが固体原料を担持させた多孔質の吸着剤粒体中全体
に浸透しながら通過するので、所定の条件で、所望の濃
度の原料が混入した原料ガスを安定して得ることができ
る。しかし、原料の担持体として用いている吸着剤粒体
には、その孔の大きさに通常ばらつきがある。このた
め、この担持体を何度か使用し、キャリアガスを担持体
中にある程度通過させた後には、担持体の特定の箇所に
ガスの通過孔が形成され、キャリアガスは優先的に通過
孔内を通過するようになる。このようにキャリアガスの
あたり方にむらが生じることによって、原料はガスの通
気孔に沿った部分で多く消費されるようになる。その結
果、キャリアガスの導入条件を初期状態と同じにしてお
いた場合、比較的短期間の間に、ガス中の原料成分の濃
度が初期よりも低くなってしまい、すなわち、ガス中の
原料濃度に変動が生じてしまう。また、キャリアガスの
通過路のコンダクタンスも変化してしまい、それによっ
て原料容器を通るキャリアガスの流量にも変動が生じて
しまう。これらのことから、結果として、形成する膜の
膜厚が初期よりも薄くなったり、組成が変化したりとい
うように、成膜結果にばらつきが生じてしまうという問
題がある。
【0019】また、MOCVD法において、作製する薄
膜の組成を成膜中に変化させるためには、従来、前述の
ように、各原料の供給量をキャリアガスの流量を変化さ
せることによって調節する方法が採られている。この場
合、反応室内での気流の変化による悪影響が生じないよ
うに各原料供給ラインの全流量を一定にするために、前
述のように各原料供給ラインには補償ラインが設けられ
る。しかし、各原料供給ラインに、この様な補償ライン
を設けることは、装置の構造を複雑にし、また流量制御
装置、ガスラインなども補償ライン用のものを設ける必
要があるため、コスト面から見ても好ましくないといえ
る。また、固体有機金属原料を用いる場合には固体原料
の経時変化によって、有機金属原料の供給量が不安定に
なり、制御が困難になるという問題がある。
膜の組成を成膜中に変化させるためには、従来、前述の
ように、各原料の供給量をキャリアガスの流量を変化さ
せることによって調節する方法が採られている。この場
合、反応室内での気流の変化による悪影響が生じないよ
うに各原料供給ラインの全流量を一定にするために、前
述のように各原料供給ラインには補償ラインが設けられ
る。しかし、各原料供給ラインに、この様な補償ライン
を設けることは、装置の構造を複雑にし、また流量制御
装置、ガスラインなども補償ライン用のものを設ける必
要があるため、コスト面から見ても好ましくないといえ
る。また、固体有機金属原料を用いる場合には固体原料
の経時変化によって、有機金属原料の供給量が不安定に
なり、制御が困難になるという問題がある。
【0020】また、MOCVD法においては、多元素か
らなる薄膜を作製する場合、1つの反応容器内に複数種
類の原料を供給して成膜が行われる。そこで、原料毎に
別々の原料供給装置において供給量を制御して、形成す
る膜の組成を制御する場合、使用する原料の種類が多い
ほど、組成制御が困難となる。例えばPZT薄膜の組成
を制御する場合には、Pb、Zr、Ti各元素の原料の
供給量を制御する必要があり、MPB組成のPZTを安
定に得ることは困難であるといえる。また、このように
複数種類の原料ガスを導入して成膜を行う場合、各原料
の供給量が不安定になると、成膜組成に大きな悪影響が
生じる可能性が高い。したがって、複数の固体原料を含
む複数種類の原料を用いる場合には、組成制御は非常に
困難であるといえる。
らなる薄膜を作製する場合、1つの反応容器内に複数種
類の原料を供給して成膜が行われる。そこで、原料毎に
別々の原料供給装置において供給量を制御して、形成す
る膜の組成を制御する場合、使用する原料の種類が多い
ほど、組成制御が困難となる。例えばPZT薄膜の組成
を制御する場合には、Pb、Zr、Ti各元素の原料の
供給量を制御する必要があり、MPB組成のPZTを安
定に得ることは困難であるといえる。また、このように
複数種類の原料ガスを導入して成膜を行う場合、各原料
の供給量が不安定になると、成膜組成に大きな悪影響が
生じる可能性が高い。したがって、複数の固体原料を含
む複数種類の原料を用いる場合には、組成制御は非常に
困難であるといえる。
【0021】本発明は上記のような従来技術における課
題に鑑みて成されたものであり、その目的は、所望の濃
度の原料ガスを一定の流量で長期間に亘って安定して供
給することができる固体有機金属原料供給装置および供
給方法を提供することにある。
題に鑑みて成されたものであり、その目的は、所望の濃
度の原料ガスを一定の流量で長期間に亘って安定して供
給することができる固体有機金属原料供給装置および供
給方法を提供することにある。
【0022】また、本発明の他の目的は、原料ガスに含
まれる原料の供給量を安定して、迅速に変化させること
ができる、比較的簡素な構成の固体有機金属原料供給装
置および供給方法を提供することにある。
まれる原料の供給量を安定して、迅速に変化させること
ができる、比較的簡素な構成の固体有機金属原料供給装
置および供給方法を提供することにある。
【0023】また、本発明のさらに他の目的は、複数の
固体有機金属原料を含む複数種類の有機金属原料を用い
るMOCVD法に用いることができる固体有機金属原料
供給装置および供給方法であって、複数の原料を所望の
比率で安定して供給することができ、容易に組成制御を
行うことができる固体有機金属原料供給装置および供給
方法を提供することにある。
固体有機金属原料を含む複数種類の有機金属原料を用い
るMOCVD法に用いることができる固体有機金属原料
供給装置および供給方法であって、複数の原料を所望の
比率で安定して供給することができ、容易に組成制御を
行うことができる固体有機金属原料供給装置および供給
方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明による固体有機金属原料供給装置は、固体有
機金属を加熱する手段と、キャリアガスを流通させる手
段と、キャリアガスを一端から他端に通すことができ、
流通するキャリアガスに接する位置に固体有機金属を担
持する原料担持体とを有し、固体有機金属を加熱し気化
させて有機金属ガスを生成し、キャリアガスを原料担持
体の一端から導入し、有機金属ガスをキャリアガスと共
に他端から導出して、有機金属ガスとキャリアガスから
なる原料ガスを供給する固体有機金属原料供給装置であ
って、キャリアガスを原料担持体の、キャリアガスの流
通方向に垂直な面内で見て部分領域に流通させる手段
と、キャリアガスを流通させる部分領域を変化させる手
段とを有することを特徴とする。
め、本発明による固体有機金属原料供給装置は、固体有
機金属を加熱する手段と、キャリアガスを流通させる手
段と、キャリアガスを一端から他端に通すことができ、
流通するキャリアガスに接する位置に固体有機金属を担
持する原料担持体とを有し、固体有機金属を加熱し気化
させて有機金属ガスを生成し、キャリアガスを原料担持
体の一端から導入し、有機金属ガスをキャリアガスと共
に他端から導出して、有機金属ガスとキャリアガスから
なる原料ガスを供給する固体有機金属原料供給装置であ
って、キャリアガスを原料担持体の、キャリアガスの流
通方向に垂直な面内で見て部分領域に流通させる手段
と、キャリアガスを流通させる部分領域を変化させる手
段とを有することを特徴とする。
【0025】この構成によれば、原料ガスを供給してい
る間に、キャリアガスを流通させる部分領域を変化させ
ることによって、原料ガス中の有機金属ガスの量を安定
させることができ、また、原料ガス中の有機金属ガスの
量や、複数種類の有機金属ガスの供給比を迅速に変化さ
せることができる。
る間に、キャリアガスを流通させる部分領域を変化させ
ることによって、原料ガス中の有機金属ガスの量を安定
させることができ、また、原料ガス中の有機金属ガスの
量や、複数種類の有機金属ガスの供給比を迅速に変化さ
せることができる。
【0026】キャリアガスを部分領域に流通させる手段
としては、原料担持体の、キャリアガスを導入する側の
端面または原料ガスを導出する側の端面の少なくとも一
方を部分的に覆うシャッターを用いるのが好適である。
この場合、キャリアガスを流通させる部分領域を変化さ
せる手段としては、シャッターを、原料担持体を覆う位
置を変化させるように移動させるシャッター駆動機構を
用いることができる。
としては、原料担持体の、キャリアガスを導入する側の
端面または原料ガスを導出する側の端面の少なくとも一
方を部分的に覆うシャッターを用いるのが好適である。
この場合、キャリアガスを流通させる部分領域を変化さ
せる手段としては、シャッターを、原料担持体を覆う位
置を変化させるように移動させるシャッター駆動機構を
用いることができる。
【0027】また、より具体的には、シャッター駆動機
構は少なくとも1つのシャッターをキャリアガスの流通
方向に垂直な面内で見て、原料担持体の、固体有機金属
を担持している領域内で周期的に移動させる構成とす
る。このようにすることによって、原料担持体の、シャ
ッターで覆われた領域ではキャリアガスが流れないよう
にして、この領域内で有機金属ガスの蒸気圧を飽和蒸気
圧に近づけることができる。このようにして、有機金属
ガスの蒸気圧を一定の飽和蒸気圧に一定時間毎に復帰さ
せることによって、キャリアガスを、常に、有機金属ガ
スが飽和蒸気圧に近い実質的に一定の圧力で存在してい
る部分に通すことができ、原料ガス中に含まれる有機金
属ガスの量を安定させることができる。シャッターは、
特に、一定速度で回転させてもよい。この場合、駆動系
やその制御系の構成を簡単なものにすることができる。
構は少なくとも1つのシャッターをキャリアガスの流通
方向に垂直な面内で見て、原料担持体の、固体有機金属
を担持している領域内で周期的に移動させる構成とす
る。このようにすることによって、原料担持体の、シャ
ッターで覆われた領域ではキャリアガスが流れないよう
にして、この領域内で有機金属ガスの蒸気圧を飽和蒸気
圧に近づけることができる。このようにして、有機金属
ガスの蒸気圧を一定の飽和蒸気圧に一定時間毎に復帰さ
せることによって、キャリアガスを、常に、有機金属ガ
スが飽和蒸気圧に近い実質的に一定の圧力で存在してい
る部分に通すことができ、原料ガス中に含まれる有機金
属ガスの量を安定させることができる。シャッターは、
特に、一定速度で回転させてもよい。この場合、駆動系
やその制御系の構成を簡単なものにすることができる。
【0028】また、他の態様では、原料担持体として、
キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て、固体有機
金属を担持している領域を部分的に有するものを用い、
シャッター駆動機構は少なくとも1つのシャッターを、
キャリアガスの流通方向に見て固体有機金属を担持して
いる領域に重なる面積を変化させるように移動させる構
成としてもよい。このようにすることによって、固体有
機金属を担持している領域のうち、キャリアガスを通す
領域の面積を変化させ、原料ガス中の有機金属ガスの量
を迅速に変化させることができる。
キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て、固体有機
金属を担持している領域を部分的に有するものを用い、
シャッター駆動機構は少なくとも1つのシャッターを、
キャリアガスの流通方向に見て固体有機金属を担持して
いる領域に重なる面積を変化させるように移動させる構
成としてもよい。このようにすることによって、固体有
機金属を担持している領域のうち、キャリアガスを通す
領域の面積を変化させ、原料ガス中の有機金属ガスの量
を迅速に変化させることができる。
【0029】また、さらに他の態様では、原料担持体と
して、キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て、複
数種類の固体有機金属をそれぞれ異なる領域に担持して
いるものを用い、シャッター駆動機構は少なくとも1つ
のシャッターを、キャリアガスの流通方向に見て複数種
類の固体有機金属をそれぞれ担持している領域のそれぞ
れと重なる面積の比を変化させるように移動させる構成
としてもよい。このようにすることによって、複数種類
の固体有機金属をそれぞれ担持している各領域のうち
の、キャリアガスを通す領域の面積比を変化させ、複数
種類の有機金属ガスの供給比を迅速に変化させることが
できる。
して、キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て、複
数種類の固体有機金属をそれぞれ異なる領域に担持して
いるものを用い、シャッター駆動機構は少なくとも1つ
のシャッターを、キャリアガスの流通方向に見て複数種
類の固体有機金属をそれぞれ担持している領域のそれぞ
れと重なる面積の比を変化させるように移動させる構成
としてもよい。このようにすることによって、複数種類
の固体有機金属をそれぞれ担持している各領域のうち
の、キャリアガスを通す領域の面積比を変化させ、複数
種類の有機金属ガスの供給比を迅速に変化させることが
できる。
【0030】上述の各態様は、適宜組み合わせることが
可能である。いずれの場合でも、原料担持体内の、キャ
リアガスを通す経路の、キャリアガスの流通方向に垂直
な面内で平均した、単位面積当たりのコンダクタンス
が、シャッターの移動する範囲内で実質的に均一になる
ように構成し、シャッター駆動機構はシャッターを、キ
ャリアガスの流通方向に垂直な面内で見てシャッター同
士が互いに重なる面積を一定に保って移動させる構成と
することが好ましい。このようにすることによって、原
料担持体の入口から出口までの全体のコンダクタンス
が、シャッターを移動させても変化しないようにし、原
料ガスの供給量に変動が生じるのを抑えることができ
る。したがって、従来例において示したようなキャリア
ガスの補償ラインを設けなくても、基板上で気流の乱れ
が生じないようにできる。
可能である。いずれの場合でも、原料担持体内の、キャ
リアガスを通す経路の、キャリアガスの流通方向に垂直
な面内で平均した、単位面積当たりのコンダクタンス
が、シャッターの移動する範囲内で実質的に均一になる
ように構成し、シャッター駆動機構はシャッターを、キ
ャリアガスの流通方向に垂直な面内で見てシャッター同
士が互いに重なる面積を一定に保って移動させる構成と
することが好ましい。このようにすることによって、原
料担持体の入口から出口までの全体のコンダクタンス
が、シャッターを移動させても変化しないようにし、原
料ガスの供給量に変動が生じるのを抑えることができ
る。したがって、従来例において示したようなキャリア
ガスの補償ラインを設けなくても、基板上で気流の乱れ
が生じないようにできる。
【0031】また、少なくとも1対のシャッターは、原
料担持体の両側の端面でキャリアガスの流通方向に垂直
な面内で見て同一の領域を覆うように連動する構成とし
てもよい。このようにすることによって、原料担持体
の、シャッターによって覆う領域を両側の端面で覆っ
て、気流が生じるのをより効果的に抑えることができ
る。
料担持体の両側の端面でキャリアガスの流通方向に垂直
な面内で見て同一の領域を覆うように連動する構成とし
てもよい。このようにすることによって、原料担持体
の、シャッターによって覆う領域を両側の端面で覆っ
て、気流が生じるのをより効果的に抑えることができ
る。
【0032】また、シャッター駆動機構は、複数のシャ
ッターをそれぞれ独立して駆動する構成としてもよい。
このようにすることによって、よりきめの細かい調整を
行うことができる。また、キャリアガスの流通方向に垂
直な面内で見てシャッター同士が互いに重なる領域の面
積を変化させれば、原料ガス中の有機金属ガスの量や、
複数の有機金属ガスの供給比の可変幅をより広くするこ
とができる。
ッターをそれぞれ独立して駆動する構成としてもよい。
このようにすることによって、よりきめの細かい調整を
行うことができる。また、キャリアガスの流通方向に垂
直な面内で見てシャッター同士が互いに重なる領域の面
積を変化させれば、原料ガス中の有機金属ガスの量や、
複数の有機金属ガスの供給比の可変幅をより広くするこ
とができる。
【0033】シャッターは、特に、キャリアガスの流通
方向に垂直な面内の平面形状が扇形、または複数の扇形
を中心角の位置で結合した形状とし、シャッター駆動機
構はこのシャッターを中心角の位置を中心として回転さ
せる構成とすることができる。このようにすることによ
って、駆動系や制御系の構成を簡単なものにすることが
できる。
方向に垂直な面内の平面形状が扇形、または複数の扇形
を中心角の位置で結合した形状とし、シャッター駆動機
構はこのシャッターを中心角の位置を中心として回転さ
せる構成とすることができる。このようにすることによ
って、駆動系や制御系の構成を簡単なものにすることが
できる。
【0034】また、本発明の他の態様の固体有機金属原
料供給装置は、固体有機金属を加熱する手段と、キャリ
アガスを流通させる手段と、キャリアガスを一端から他
端に通すことができ、流通するキャリアガスに接する位
置に固体有機金属を担持する原料担持体とを有し、固体
有機金属を加熱し気化させて有機金属ガスを生成し、キ
ャリアガスを原料担持体の一端から導入し、有機金属ガ
スをキャリアガスと共に他端から導出して、有機金属ガ
スとキャリアガスからなる原料ガスを供給する固体有機
金属原料供給装置であって、原料担持体は複数種類の固
体有機金属を担持していることを特徴とする。この構成
によれば、原料担持体に担持させる各固体有機金属量の
比を予め調整しておくことによって、複数種類の有機金
属ガスが所望の一定の比率で含まれた原料ガスを供給す
ることができる。各固体有機金属を担持させる量は、各
固体有機金属の加熱温度や蒸気特性などを考慮して有機
金属ガスが所望の供給比になるように決めることができ
る。
料供給装置は、固体有機金属を加熱する手段と、キャリ
アガスを流通させる手段と、キャリアガスを一端から他
端に通すことができ、流通するキャリアガスに接する位
置に固体有機金属を担持する原料担持体とを有し、固体
有機金属を加熱し気化させて有機金属ガスを生成し、キ
ャリアガスを原料担持体の一端から導入し、有機金属ガ
スをキャリアガスと共に他端から導出して、有機金属ガ
スとキャリアガスからなる原料ガスを供給する固体有機
金属原料供給装置であって、原料担持体は複数種類の固
体有機金属を担持していることを特徴とする。この構成
によれば、原料担持体に担持させる各固体有機金属量の
比を予め調整しておくことによって、複数種類の有機金
属ガスが所望の一定の比率で含まれた原料ガスを供給す
ることができる。各固体有機金属を担持させる量は、各
固体有機金属の加熱温度や蒸気特性などを考慮して有機
金属ガスが所望の供給比になるように決めることができ
る。
【0035】この構成では、特に、原料担持体は、キャ
リアガスの流通方向に垂直な面内で見て、複数種類の固
体有機金属をそれぞれ異なる領域に担持している構成と
することが好ましい。このようにした場合、前述の態様
で示したようなシャッターを有する固体有機金属原料供
給装置を用いて、各有機金属ガスを所望の供給比で供給
できる、各領域の面積比を予め算出することができ、原
料ガス中の各有機金属原料ガスの供給比を精度良く調整
することができる。
リアガスの流通方向に垂直な面内で見て、複数種類の固
体有機金属をそれぞれ異なる領域に担持している構成と
することが好ましい。このようにした場合、前述の態様
で示したようなシャッターを有する固体有機金属原料供
給装置を用いて、各有機金属ガスを所望の供給比で供給
できる、各領域の面積比を予め算出することができ、原
料ガス中の各有機金属原料ガスの供給比を精度良く調整
することができる。
【0036】また、この態様においても、シャッター
を、キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て、原料
担持体の、複数種類の固体有機金属をそれぞれ担持して
いる、いずれか1つの領域内で周期的に移動させること
によって、原料ガス中の有機金属ガスの量を安定させる
ことができる。
を、キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て、原料
担持体の、複数種類の固体有機金属をそれぞれ担持して
いる、いずれか1つの領域内で周期的に移動させること
によって、原料ガス中の有機金属ガスの量を安定させる
ことができる。
【0037】上述の各態様における原料担持体は、キャ
リアガスの流通方向に貫通し、キャリアガスの流通方向
に垂直な面内で見て互いに隔離されている複数の部屋を
有し、この部屋内に固体有機金属を担持している構成と
することができる。この構成は、原料担持体の端面をシ
ャッターで覆った際、シャッターによって覆われた領域
と覆われていない領域の間で気流が生じるのを抑えるこ
とができるので、特に、シャッターを用いる場合に好ま
しい。
リアガスの流通方向に貫通し、キャリアガスの流通方向
に垂直な面内で見て互いに隔離されている複数の部屋を
有し、この部屋内に固体有機金属を担持している構成と
することができる。この構成は、原料担持体の端面をシ
ャッターで覆った際、シャッターによって覆われた領域
と覆われていない領域の間で気流が生じるのを抑えるこ
とができるので、特に、シャッターを用いる場合に好ま
しい。
【0038】この部屋は、固体有機金属を吸着させた吸
着体を収容するものであってもよいし、側壁に固体有機
金属が付着させられているものであってもよい。前者の
場合、吸着体としては、担持した固体有機金属の表面積
を大きくでき、したがって効率的に有機金属ガスを発生
させることができる、粒状の多孔質を用いることが好ま
しい。後者の場合、各部屋は比較的小さな貫通穴とし、
この貫通穴を多数設けることによって、固体有機金属の
表面積を全体として十分な広さにすることができる。ま
た、後者の場合、原料担持体の材料としては、特に、ア
ルミナが好適である。
着体を収容するものであってもよいし、側壁に固体有機
金属が付着させられているものであってもよい。前者の
場合、吸着体としては、担持した固体有機金属の表面積
を大きくでき、したがって効率的に有機金属ガスを発生
させることができる、粒状の多孔質を用いることが好ま
しい。後者の場合、各部屋は比較的小さな貫通穴とし、
この貫通穴を多数設けることによって、固体有機金属の
表面積を全体として十分な広さにすることができる。ま
た、後者の場合、原料担持体の材料としては、特に、ア
ルミナが好適である。
【0039】本発明において、固体有機金属としては、
特に、100℃〜200℃の温度で比較的高い蒸気圧が
得られるジピバロイルメタン金属錯体を好適に用いるこ
とができる。
特に、100℃〜200℃の温度で比較的高い蒸気圧が
得られるジピバロイルメタン金属錯体を好適に用いるこ
とができる。
【0040】本発明による有機金属化学気相蒸着装置
は、少なくとも1つの原料供給ラインに上述のような固
体有機金属原料供給装置を有していることを特徴とす
る。この有機金属化学気相蒸着装置では、固体有機金属
原料を安定して供給することができ、また原料ガス全体
の供給量を変動させることなく、したがって基板上での
気流の変動を生じさせることなく、固体有機金属原料の
供給量や供給比を迅速に変化させることができ、高品位
の堆積膜を形成することが可能である。
は、少なくとも1つの原料供給ラインに上述のような固
体有機金属原料供給装置を有していることを特徴とす
る。この有機金属化学気相蒸着装置では、固体有機金属
原料を安定して供給することができ、また原料ガス全体
の供給量を変動させることなく、したがって基板上での
気流の変動を生じさせることなく、固体有機金属原料の
供給量や供給比を迅速に変化させることができ、高品位
の堆積膜を形成することが可能である。
【0041】本発明による固体有機金属原料供給方法
は、キャリアガスを一端から他端に通すことができる原
料担持体に、流通するキャリアガスに接する位置に固体
有機金属を担持させる工程と、固体有機金属を加熱し気
化させて固体有機金属ガスを発生させる工程と、キャリ
アガスを原料担持体の一端から導入し、有機金属ガスを
キャリアガスと共に他端から導出して、有機金属ガスと
キャリアガスからなる原料ガスを供給する工程とを有す
る有機金属原料供給方法であって、キャリアガスを原料
担持体の、部分領域に流通させる工程と、キャリアガス
を流通させる部分領域を変化させる工程とを有すること
を特徴とする。
は、キャリアガスを一端から他端に通すことができる原
料担持体に、流通するキャリアガスに接する位置に固体
有機金属を担持させる工程と、固体有機金属を加熱し気
化させて固体有機金属ガスを発生させる工程と、キャリ
アガスを原料担持体の一端から導入し、有機金属ガスを
キャリアガスと共に他端から導出して、有機金属ガスと
キャリアガスからなる原料ガスを供給する工程とを有す
る有機金属原料供給方法であって、キャリアガスを原料
担持体の、部分領域に流通させる工程と、キャリアガス
を流通させる部分領域を変化させる工程とを有すること
を特徴とする。
【0042】また、本発明の他の態様の固体有機金属原
料供給方法は、キャリアガスを一端から他端に通すこと
ができる原料担持体の、流通する前記キャリアガスに接
する位置に固体有機金属を担持させる工程と、固体有機
金属を加熱し気化させて固体有機金属ガスを発生させる
工程と、キャリアガスを原料担持体の一端から導入し、
有機金属ガスをキャリアガスと共に他端から導出して、
有機金属ガスとキャリアガスからなる原料ガスを供給す
る工程とを有する有機金属原料供給方法であって、複数
種類の固体有機金属を原料担持体に担持させることを特
徴とする。
料供給方法は、キャリアガスを一端から他端に通すこと
ができる原料担持体の、流通する前記キャリアガスに接
する位置に固体有機金属を担持させる工程と、固体有機
金属を加熱し気化させて固体有機金属ガスを発生させる
工程と、キャリアガスを原料担持体の一端から導入し、
有機金属ガスをキャリアガスと共に他端から導出して、
有機金属ガスとキャリアガスからなる原料ガスを供給す
る工程とを有する有機金属原料供給方法であって、複数
種類の固体有機金属を原料担持体に担持させることを特
徴とする。
【0043】本発明による、有機金属化学気相蒸着法
は、上述のような固体有機金属原料供給方法によって原
料ガスを反応容器内に供給する工程を含むことを特徴と
する。
は、上述のような固体有機金属原料供給方法によって原
料ガスを反応容器内に供給する工程を含むことを特徴と
する。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
て図面を参照して説明する。
【0045】(第1の実施形態)まず、図3を参照して
本実施形態の原料供給装置が組み込まれる一例のMOC
VD装置(有機金属化学気相蒸着装置)の構成について
説明する。図3は、このMOCVD装置の概略構成図で
ある。
本実施形態の原料供給装置が組み込まれる一例のMOC
VD装置(有機金属化学気相蒸着装置)の構成について
説明する。図3は、このMOCVD装置の概略構成図で
ある。
【0046】このMOCVD装置は、図に示す例では3
つの原料供給部と、それらに接続された1つの反応室部
を有している。各原料供給部は、それぞれ異なる種類の
有機金属原料を供給可能であり、各有機金属原料をそれ
ぞれ保持する原料容器6を有している。原料容器6に
は、導入管8と導出管9がそれぞれ導入側バルブ4と導
出側バルブ5を介して接続されている。導入管8と導出
管9との間には、原料容器6を介さずに両者間を接続す
るラインが設けられており、このラインにはバイパスバ
ルブ12が設けられている。導入管8には、キャリアガ
スの流量を制御するマスフローコントローラー10が設
けられている。導出管9には、原料容器6内の圧力を調
整するニードルバルブ13が設けられている。また各原
料供給部には、有機金属原料を所望の温度に加熱するオ
ーブン11が設けられている。また、有機金属原料は、
原料容器6をオイルバス中に入れて加熱してもよい。
つの原料供給部と、それらに接続された1つの反応室部
を有している。各原料供給部は、それぞれ異なる種類の
有機金属原料を供給可能であり、各有機金属原料をそれ
ぞれ保持する原料容器6を有している。原料容器6に
は、導入管8と導出管9がそれぞれ導入側バルブ4と導
出側バルブ5を介して接続されている。導入管8と導出
管9との間には、原料容器6を介さずに両者間を接続す
るラインが設けられており、このラインにはバイパスバ
ルブ12が設けられている。導入管8には、キャリアガ
スの流量を制御するマスフローコントローラー10が設
けられている。導出管9には、原料容器6内の圧力を調
整するニードルバルブ13が設けられている。また各原
料供給部には、有機金属原料を所望の温度に加熱するオ
ーブン11が設けられている。また、有機金属原料は、
原料容器6をオイルバス中に入れて加熱してもよい。
【0047】反応室部は、輸送された有機金属を化学反
応させ、基板上へ堆積させるための反応室を形成する反
応容器14を有している。反応容器14内には、膜を形
成する基板を保持するホルダーや、基板を反応に適した
温度に加熱する高周波コイルなどから構成される基板ヒ
ーター16などが設けられている。3つの原料供給部か
らの導入管3は、反応容器14内に連通する吐出口17
を介してそれぞれ反応容器14に接続されている。ま
た、反応容器14には、反応に必要な他のガスを供給す
るライン、図3に示す例では酸素供給ライン15が接続
されている。
応させ、基板上へ堆積させるための反応室を形成する反
応容器14を有している。反応容器14内には、膜を形
成する基板を保持するホルダーや、基板を反応に適した
温度に加熱する高周波コイルなどから構成される基板ヒ
ーター16などが設けられている。3つの原料供給部か
らの導入管3は、反応容器14内に連通する吐出口17
を介してそれぞれ反応容器14に接続されている。ま
た、反応容器14には、反応に必要な他のガスを供給す
るライン、図3に示す例では酸素供給ライン15が接続
されている。
【0048】次に、図1、2の模式図を参照して本実施
形態の固体有機金属原料供給装置について説明する。図
1はこの固体有機金属原料供給装置の模式的構成図、図
2は斜視図である。
形態の固体有機金属原料供給装置について説明する。図
1はこの固体有機金属原料供給装置の模式的構成図、図
2は斜視図である。
【0049】この固体有機金属原料供給装置は、両端部
が閉じられた円筒状の原料容器6を有している。原料容
器6内には、固体有機金属原料を担持する、全体として
円柱状の外形を有する原料担持体1が、その円周面が原
料容器6の内面に接し、原料容器6の両端に一定の間隔
をおいた位置に保持されている。原料担持体1の両端に
は、後述するように、原料担持体1の端面を部分的に覆
う板状のシャッター19が設けられている。シャッター
19は、原料容器6の中心軸に沿って延びるシャッター
駆動用シャフト21を介してシャッター駆動機構20に
接続されており、精度よく回転駆動することができる。
が閉じられた円筒状の原料容器6を有している。原料容
器6内には、固体有機金属原料を担持する、全体として
円柱状の外形を有する原料担持体1が、その円周面が原
料容器6の内面に接し、原料容器6の両端に一定の間隔
をおいた位置に保持されている。原料担持体1の両端に
は、後述するように、原料担持体1の端面を部分的に覆
う板状のシャッター19が設けられている。シャッター
19は、原料容器6の中心軸に沿って延びるシャッター
駆動用シャフト21を介してシャッター駆動機構20に
接続されており、精度よく回転駆動することができる。
【0050】キャリアガスの導入管8は、シャッター1
9を挟んで原料担持体1の一方の端面に対面するシャワ
ーヘッド7に接続されている。シャワーヘッド7は、原
料担持体1の端面に対面する面全体に亘って実質的に均
等に分布する噴出口を有しており、導入管8から導入さ
れたキャリアガスを、この面全体に亘って実質的に均等
に放出せきるように構成されている。シャワーヘッド7
の噴出口の直径は0.5mm程度が好適である。導出管
9は、原料容器6に、シャワーヘッド7が設けられたの
とは原料担持体1を挟んで反対側の端部に接続されてい
る。
9を挟んで原料担持体1の一方の端面に対面するシャワ
ーヘッド7に接続されている。シャワーヘッド7は、原
料担持体1の端面に対面する面全体に亘って実質的に均
等に分布する噴出口を有しており、導入管8から導入さ
れたキャリアガスを、この面全体に亘って実質的に均等
に放出せきるように構成されている。シャワーヘッド7
の噴出口の直径は0.5mm程度が好適である。導出管
9は、原料容器6に、シャワーヘッド7が設けられたの
とは原料担持体1を挟んで反対側の端部に接続されてい
る。
【0051】次に、原料担持体1の構成例について、図
4,5を参照して説明する。図4,5は、それぞれ異な
る2つの構成例の原料担持体1a,1bの模式図であ
る。図4(a)は原料担持体1aの平面図、図4(b)
は斜視図を示している。図5(a)は原料担持体1bの
部分平面図、図5(b)は斜視図を示している。
4,5を参照して説明する。図4,5は、それぞれ異な
る2つの構成例の原料担持体1a,1bの模式図であ
る。図4(a)は原料担持体1aの平面図、図4(b)
は斜視図を示している。図5(a)は原料担持体1bの
部分平面図、図5(b)は斜視図を示している。
【0052】図4に示す原料担持体1aは、円筒状の側
壁およびその両端部の、通気性のある壁を有している。
これらの壁部材によって形成された空間内には、この空
間を、軸方向に延びる、平面形状が扇形の複数の部屋に
分けている仕切り22が設けられている。これらの部屋
内には、多孔質体である複数の吸着剤粒体3が収納され
ている。仕切り22よって形成された各部屋の体積は同
じであり、またその中に収納されている吸着剤粒体3も
同量である。
壁およびその両端部の、通気性のある壁を有している。
これらの壁部材によって形成された空間内には、この空
間を、軸方向に延びる、平面形状が扇形の複数の部屋に
分けている仕切り22が設けられている。これらの部屋
内には、多孔質体である複数の吸着剤粒体3が収納され
ている。仕切り22よって形成された各部屋の体積は同
じであり、またその中に収納されている吸着剤粒体3も
同量である。
【0053】この原料担持体1aでは、固体有機金属は
吸着剤粒体3に吸着されて担持されている。固体有機金
属を吸着剤粒体3に吸着させる方法について以下に説明
する。
吸着剤粒体3に吸着されて担持されている。固体有機金
属を吸着剤粒体3に吸着させる方法について以下に説明
する。
【0054】まず、固体有機金属原料を溶媒に溶解し、
飽和溶液を作製する。次に、作製した溶液中に吸着剤粒
体3を投入する。有機金属原料を吸着剤粒体3に充分吸
着させた後、溶液を除去し、溶媒を乾燥除去する。これ
らの各工程はすべて不活性ガス中で行う。
飽和溶液を作製する。次に、作製した溶液中に吸着剤粒
体3を投入する。有機金属原料を吸着剤粒体3に充分吸
着させた後、溶液を除去し、溶媒を乾燥除去する。これ
らの各工程はすべて不活性ガス中で行う。
【0055】この際、有機金属原料としては、一般に、
有機金属のDPM(ジピバロイルメタン)金属錯体を使
用する。溶媒としては、THF(テトラヒドロフラン)や
アセトン、アセトニトリルなどの有機溶媒を使用する。
吸着剤粒体3としては、シリカゲルや合成ゼオライト、
アルミナなどを使用する。吸着剤粒体3の粒径は、原料
容器に装着した状態でキャリアガスがスムーズに通過で
き、気化した有機金属ガスがキャリアガスに効率的に混
入するようにするために、1〜5mm程度が好適であ
る。また、吸着剤粒体3に形成されている微細な孔の径
はDPM金属錯体の大きさに応じて決める。
有機金属のDPM(ジピバロイルメタン)金属錯体を使
用する。溶媒としては、THF(テトラヒドロフラン)や
アセトン、アセトニトリルなどの有機溶媒を使用する。
吸着剤粒体3としては、シリカゲルや合成ゼオライト、
アルミナなどを使用する。吸着剤粒体3の粒径は、原料
容器に装着した状態でキャリアガスがスムーズに通過で
き、気化した有機金属ガスがキャリアガスに効率的に混
入するようにするために、1〜5mm程度が好適であ
る。また、吸着剤粒体3に形成されている微細な孔の径
はDPM金属錯体の大きさに応じて決める。
【0056】次に、図5に示す原料担持体1bは、円柱
体の軸方向に延びる、平面形状が円形の複数の貫通穴2
を有している(この構成例では、この貫通穴2がキャリ
アガスの流通方向に貫通し、キャリアガスの流通方向に
垂直な面内で見て互いに隔離されている部屋に相当して
いる)。貫通穴2は、軸に垂直な面内で実質的に均等に
分布している。このような原料担持体1bは、例えば、
ハニカムセラミックスの製造のように押出成型して作製
することができる。
体の軸方向に延びる、平面形状が円形の複数の貫通穴2
を有している(この構成例では、この貫通穴2がキャリ
アガスの流通方向に貫通し、キャリアガスの流通方向に
垂直な面内で見て互いに隔離されている部屋に相当して
いる)。貫通穴2は、軸に垂直な面内で実質的に均等に
分布している。このような原料担持体1bは、例えば、
ハニカムセラミックスの製造のように押出成型して作製
することができる。
【0057】この原料担持体1bでは、固体有機金属原
料3bは、貫通穴2の内面に薄い膜状に付着させられて
担持されている。固体有機金属原料3bは、原料粉末を
THF(テトラヒドロフラン)などの有機溶媒に溶解
し、これを貫通穴2に流し込み乾燥させて担持させるこ
とができる。または、原料粉末を溶解し液状にした後、
貫通穴2に流し込み、冷却し固化させて担持させてもよ
い。貫通穴2への固体有機金属原料3bの担持量は、原
料の濃度を変えたり、原料を貫通穴2へ流し込む回数を
変えたりなどすることによって調節する。
料3bは、貫通穴2の内面に薄い膜状に付着させられて
担持されている。固体有機金属原料3bは、原料粉末を
THF(テトラヒドロフラン)などの有機溶媒に溶解
し、これを貫通穴2に流し込み乾燥させて担持させるこ
とができる。または、原料粉末を溶解し液状にした後、
貫通穴2に流し込み、冷却し固化させて担持させてもよ
い。貫通穴2への固体有機金属原料3bの担持量は、原
料の濃度を変えたり、原料を貫通穴2へ流し込む回数を
変えたりなどすることによって調節する。
【0058】貫通穴2の平面形状は、図5には円形のも
のを示しているが、六角形やハニカム形状などの多角形
としてもよい。貫通穴2の大きさは、固体有機金属原料
3bが詰らない程度に広くする必要があり、円形であれ
ば直径1〜10mm程度とすることができる。
のを示しているが、六角形やハニカム形状などの多角形
としてもよい。貫通穴2の大きさは、固体有機金属原料
3bが詰らない程度に広くする必要があり、円形であれ
ば直径1〜10mm程度とすることができる。
【0059】次に、シャッター19の構成例について図
6を参照して説明する。図6は、3つの異なる構成例の
シャッター19の平面図である。シャッター19は、円
筒状の原料担持体1の軸方向の端面を部分的に覆う形
状、特に、扇形、または扇形を複数組み合わせた平面形
状を有している。各シャッター19は、中心角の位置
に、シャッター駆動用シャフト21に取り付けるための
穴23を有している。図6には3つの構成例を示した
が、この他にも扇形の中心角度や数を変えた様々な構成
が考えられる。
6を参照して説明する。図6は、3つの異なる構成例の
シャッター19の平面図である。シャッター19は、円
筒状の原料担持体1の軸方向の端面を部分的に覆う形
状、特に、扇形、または扇形を複数組み合わせた平面形
状を有している。各シャッター19は、中心角の位置
に、シャッター駆動用シャフト21に取り付けるための
穴23を有している。図6には3つの構成例を示した
が、この他にも扇形の中心角度や数を変えた様々な構成
が考えられる。
【0060】次に、本実施形態の有機金属供給方法につ
いて説明する。
いて説明する。
【0061】まず、原料容器6をオーブン11中、また
はオイルバス中に入れ、固体有機金属原料が昇華する温
度まで加熱する。そして、キャリアガスを原料容器6内
に導入管8を通して所定の流量で流す。キャリアガスの
流量は、マスフローコントローラー10によって調節す
る。
はオイルバス中に入れ、固体有機金属原料が昇華する温
度まで加熱する。そして、キャリアガスを原料容器6内
に導入管8を通して所定の流量で流す。キャリアガスの
流量は、マスフローコントローラー10によって調節す
る。
【0062】導入されたキャリアガスは、シャワーヘッ
ド7によって原料担持体1の端面へと実質的に均等に供
給される。原料担持体1の端面はシャッター19によっ
て部分的に覆われているので、供給されたキャリアガス
は、シャッター19によって覆われていない平面領域内
のみを通って、この平面領域内で実質的に均等に流れ
る。この際、原料担持体1に担持された固体有機金属原
料の表面から昇華した有機金属ガスが、キャリアガスと
共に導出管9を通って反応容器14内へと輸送される。
本実施形態の原料供給装置では、シャワーヘッド7を用
いることによって、キャリアガスをシャッター19によ
って覆われていない平面領域内で実質的に均等に流すこ
とができ、このため原料を安定して供給することができ
る。
ド7によって原料担持体1の端面へと実質的に均等に供
給される。原料担持体1の端面はシャッター19によっ
て部分的に覆われているので、供給されたキャリアガス
は、シャッター19によって覆われていない平面領域内
のみを通って、この平面領域内で実質的に均等に流れ
る。この際、原料担持体1に担持された固体有機金属原
料の表面から昇華した有機金属ガスが、キャリアガスと
共に導出管9を通って反応容器14内へと輸送される。
本実施形態の原料供給装置では、シャワーヘッド7を用
いることによって、キャリアガスをシャッター19によ
って覆われていない平面領域内で実質的に均等に流すこ
とができ、このため原料を安定して供給することができ
る。
【0063】このようにして反応容器14内に送り込ま
れた原料ガスは、基板ヒーター16によって一定温度に
保たれた基板上で熱分解を起こし、基板上に目的とする
薄膜が形成される。
れた原料ガスは、基板ヒーター16によって一定温度に
保たれた基板上で熱分解を起こし、基板上に目的とする
薄膜が形成される。
【0064】本実施形態では、キャリアガスを導入して
有機金属を供給している間、シャッター19は一定速度
で回転させておく。したがって、原料担持体1内の、キ
ャリアガスが流れる平面領域は、時間と共に変化する。
この際、原料担持体1の、キャリアガスが流れていない
領域では、有機金属ガスの蒸気圧が飽和状態の蒸気圧へ
と復帰する。
有機金属を供給している間、シャッター19は一定速度
で回転させておく。したがって、原料担持体1内の、キ
ャリアガスが流れる平面領域は、時間と共に変化する。
この際、原料担持体1の、キャリアガスが流れていない
領域では、有機金属ガスの蒸気圧が飽和状態の蒸気圧へ
と復帰する。
【0065】このため、本実施形態によれば、繰り返し
原料供給を行い、固体有機金属原料の形状などが経時変
化したとしても、気化した有機金属ガスが飽和状態の蒸
気圧に近いほぼ一定の圧力で存在している領域にキャリ
アガスを流すことができるので、原料の供給量、すなわ
ち原料ガス中の原料濃度に変動を生じさせることなく原
料ガスを供給することができる。また、キャリアガスが
通る部分で、気化した有機金属ガスの蒸気圧がほぼ一定
であることから、導入管8の出口から導出管9の入口ま
での間のコンダクタンスはほぼ一定となり、このため原
料ガス全体の流量の変動も抑えることができる。したが
って、本実施形態によれば、長期間に亘って安定して原
料供給を行うことができる。
原料供給を行い、固体有機金属原料の形状などが経時変
化したとしても、気化した有機金属ガスが飽和状態の蒸
気圧に近いほぼ一定の圧力で存在している領域にキャリ
アガスを流すことができるので、原料の供給量、すなわ
ち原料ガス中の原料濃度に変動を生じさせることなく原
料ガスを供給することができる。また、キャリアガスが
通る部分で、気化した有機金属ガスの蒸気圧がほぼ一定
であることから、導入管8の出口から導出管9の入口ま
での間のコンダクタンスはほぼ一定となり、このため原
料ガス全体の流量の変動も抑えることができる。したが
って、本実施形態によれば、長期間に亘って安定して原
料供給を行うことができる。
【0066】なお、本実施形態において、図1には、シ
ャッター19を原料担持体1の、キャリアガス導入側と
導出側にそれぞれ1枚ずつ配置した構成を示したが、い
ずれか片側にのみ配置した構成としてもよい。片側にの
み配置する構成はコスト的に有利である。
ャッター19を原料担持体1の、キャリアガス導入側と
導出側にそれぞれ1枚ずつ配置した構成を示したが、い
ずれか片側にのみ配置した構成としてもよい。片側にの
み配置する構成はコスト的に有利である。
【0067】また、シャッター19を原料担持体1の、
キャリアガス導入側と導出側の両方に配置する場合、両
側のシャッター19は連動させて駆動してもよいし、そ
れぞれ独立して駆動してもよい。
キャリアガス導入側と導出側の両方に配置する場合、両
側のシャッター19は連動させて駆動してもよいし、そ
れぞれ独立して駆動してもよい。
【0068】連動させる構成では、両側のシャッター1
9は、原料担持体1の軸に垂直な面内で見て同一の領域
に配置する。このようにすることによって、原料担持体
1は周期的に両端で覆われることになり、覆われた領域
内に気流が生じるのを抑えて、安定して有機金属ガスの
蒸気圧を復帰させることができる。また、連動させる構
成では、駆動の制御系を簡単な構成にでき、コスト的に
も有利である。
9は、原料担持体1の軸に垂直な面内で見て同一の領域
に配置する。このようにすることによって、原料担持体
1は周期的に両端で覆われることになり、覆われた領域
内に気流が生じるのを抑えて、安定して有機金属ガスの
蒸気圧を復帰させることができる。また、連動させる構
成では、駆動の制御系を簡単な構成にでき、コスト的に
も有利である。
【0069】一方、両側で独立して駆動する構成につい
て図7を参照して説明する。図7(a)は、独立して回
転駆動されている導入側シャッター24の、ある時点で
の位置、図7(b)は、この時点での導出側シャッター
25の位置を示している。図7(c)はこの時点での各
平面領域での状態を説明する模式図である。
て図7を参照して説明する。図7(a)は、独立して回
転駆動されている導入側シャッター24の、ある時点で
の位置、図7(b)は、この時点での導出側シャッター
25の位置を示している。図7(c)はこの時点での各
平面領域での状態を説明する模式図である。
【0070】図7(c)において、導入側シャッター2
4によって覆われている領域27では、流されていたキ
ャリアガスがシャットアウトされ、気化した有機金属ガ
スの蒸気圧が飽和状態へと復帰し始める。導出側シャッ
ター25によって覆われている領域27では、導入側か
らキャリアガス圧が加えられつつ、導出側で止められ、
原料ガスの導出待機状態にある。両側とも覆われていな
い領域28では、導出待機状態から導出側の覆いが外さ
れることによってスムーズに原料ガスの導出が開始され
る。
4によって覆われている領域27では、流されていたキ
ャリアガスがシャットアウトされ、気化した有機金属ガ
スの蒸気圧が飽和状態へと復帰し始める。導出側シャッ
ター25によって覆われている領域27では、導入側か
らキャリアガス圧が加えられつつ、導出側で止められ、
原料ガスの導出待機状態にある。両側とも覆われていな
い領域28では、導出待機状態から導出側の覆いが外さ
れることによってスムーズに原料ガスの導出が開始され
る。
【0071】このように、両側のシャッター19を独立
して駆動する構成では、シャッター19を片側にのみ配
置した構成や、両側のシャッター19を連動して駆動す
る構成に比べて、より細かい制御ができ、特に飽和状態
に復帰させるのに時間のかかる固体有機金属原料を用い
る場合に有効である。一方、シャッター19を片側にの
み配置した構成や、両側で連動して駆動する構成は、両
側で独立して駆動する構成に比べて、キャリアガスを流
す領域を大きく取るのが容易であり、速い速度で成膜し
たい場合など、原料ガス流量を多くしたい場合に有効で
ある。
して駆動する構成では、シャッター19を片側にのみ配
置した構成や、両側のシャッター19を連動して駆動す
る構成に比べて、より細かい制御ができ、特に飽和状態
に復帰させるのに時間のかかる固体有機金属原料を用い
る場合に有効である。一方、シャッター19を片側にの
み配置した構成や、両側で連動して駆動する構成は、両
側で独立して駆動する構成に比べて、キャリアガスを流
す領域を大きく取るのが容易であり、速い速度で成膜し
たい場合など、原料ガス流量を多くしたい場合に有効で
ある。
【0072】また、本実施形態では、原料担持体1とし
ては、シャワーヘッド7に対面する一端側から他端側へ
と通じる複数の部屋を有する構成のものを例示した。こ
の場合、シャッター19は、少なくとも、原料担持体1
の各部屋の端部を完全に覆うことができるように構成す
ることが好ましい。すなわち、図4に示した構成の原料
担持体1aを用いる場合には、シャッター19を構成す
る各扇形の大きさは、各部屋の平面形状(扇形)の大き
さ以上にする。また、図5に示した構成の原料担持体1
bを用いる場合には、シャッター19は、少なくとも、
貫通穴2を完全に覆うことができる大きさにする。この
ようにすることによって、各部屋が周期的にシャッター
19によって完全に覆われるようにし、したがって各部
屋で気流が生じないようにして、効率的に有機金属ガス
の蒸気圧を飽和状態に復帰させることができる。また、
シャッター19の駆動は、各部屋を完全に覆う位置間で
断続的に回転させるように行ってもよい。
ては、シャワーヘッド7に対面する一端側から他端側へ
と通じる複数の部屋を有する構成のものを例示した。こ
の場合、シャッター19は、少なくとも、原料担持体1
の各部屋の端部を完全に覆うことができるように構成す
ることが好ましい。すなわち、図4に示した構成の原料
担持体1aを用いる場合には、シャッター19を構成す
る各扇形の大きさは、各部屋の平面形状(扇形)の大き
さ以上にする。また、図5に示した構成の原料担持体1
bを用いる場合には、シャッター19は、少なくとも、
貫通穴2を完全に覆うことができる大きさにする。この
ようにすることによって、各部屋が周期的にシャッター
19によって完全に覆われるようにし、したがって各部
屋で気流が生じないようにして、効率的に有機金属ガス
の蒸気圧を飽和状態に復帰させることができる。また、
シャッター19の駆動は、各部屋を完全に覆う位置間で
断続的に回転させるように行ってもよい。
【0073】また、原料担持体1としては、図4,5に
2つの構成例を示したが、これらの構成に限定されるも
のではない。原料担持体1の構成は、シャワーヘッド7
に対面する一端側から他端側へとキャリアガスが無理な
く通過でき、この際、気化した有機金属がキャリアガス
と効率よく混合する構成であればよい。
2つの構成例を示したが、これらの構成に限定されるも
のではない。原料担持体1の構成は、シャワーヘッド7
に対面する一端側から他端側へとキャリアガスが無理な
く通過でき、この際、気化した有機金属がキャリアガス
と効率よく混合する構成であればよい。
【0074】また、本実施形態において、原料担持体
1、シャワーヘッド7、シャッター19、シャッター駆
動機構20、シャッター駆動用シャフト21などの、原
料容器6の構成部品の材質は、特に、熱的に安定なテフ
ロン(登録商標)、ポリイミドなどのプラスチック、ア
ルミナなどのセラミックス、ガラス質、金属、焼結金
属、金属繊維、無機繊維、無機繊維強化金属などが適し
ている。また、シャッター19の材質は、特に、ステン
レスであることが好ましい。しかし、これらの構成部品
の材質は、上述のものに限られることはなく、常温時で
も加熱状態時でも有機金属ガスと反応せず、かつ固体有
機金属原料の昇華温度以上の耐熱性を有するものであれ
ばどのようなものを用いてもよい。
1、シャワーヘッド7、シャッター19、シャッター駆
動機構20、シャッター駆動用シャフト21などの、原
料容器6の構成部品の材質は、特に、熱的に安定なテフ
ロン(登録商標)、ポリイミドなどのプラスチック、ア
ルミナなどのセラミックス、ガラス質、金属、焼結金
属、金属繊維、無機繊維、無機繊維強化金属などが適し
ている。また、シャッター19の材質は、特に、ステン
レスであることが好ましい。しかし、これらの構成部品
の材質は、上述のものに限られることはなく、常温時で
も加熱状態時でも有機金属ガスと反応せず、かつ固体有
機金属原料の昇華温度以上の耐熱性を有するものであれ
ばどのようなものを用いてもよい。
【0075】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
について説明する。本実施形態では、成膜中に原料供給
装置からの原料供給量を変化させる方法を示す。これに
よって、作製する薄膜の組成を成膜中に変化させること
が可能になり、膜厚方向に組成を変化させた薄膜を形成
することができる。
について説明する。本実施形態では、成膜中に原料供給
装置からの原料供給量を変化させる方法を示す。これに
よって、作製する薄膜の組成を成膜中に変化させること
が可能になり、膜厚方向に組成を変化させた薄膜を形成
することができる。
【0076】本実施形態では、原料担持体の構成とシャ
ッター19の駆動の仕方が第1の実施形態と異なる。M
OCVD装置とそれに用いられる原料供給装置の、その
他の構成については、図1〜3を参照して説明した、第
1の実施形態におけるものと同様のものを用いる。これ
らの構成については、説明を省略する。
ッター19の駆動の仕方が第1の実施形態と異なる。M
OCVD装置とそれに用いられる原料供給装置の、その
他の構成については、図1〜3を参照して説明した、第
1の実施形態におけるものと同様のものを用いる。これ
らの構成については、説明を省略する。
【0077】図8は、本実施形態における原料担持体3
0aの構成と、シャッター19の駆動方法を説明するた
めの、原料担持体30aとシャッター19の模式的平面
図である。原料担持体30aは、第1の実施形態におけ
る原料担持体1と同様に、外形が円柱状であり、軸方向
の一端側から他端側へキャリアガスを流すことができる
構成を有している。この原料担持体30aは、外周面を
円筒状の原料容器6の内面に接するようにして原料容器
6内に支持されている。原料担持体30aのより具体的
な構成は、特に、第1の実施形態において図5を参照し
て説明したのと同様に、複数の貫通穴を有する構成にす
ることができる。
0aの構成と、シャッター19の駆動方法を説明するた
めの、原料担持体30aとシャッター19の模式的平面
図である。原料担持体30aは、第1の実施形態におけ
る原料担持体1と同様に、外形が円柱状であり、軸方向
の一端側から他端側へキャリアガスを流すことができる
構成を有している。この原料担持体30aは、外周面を
円筒状の原料容器6の内面に接するようにして原料容器
6内に支持されている。原料担持体30aのより具体的
な構成は、特に、第1の実施形態において図5を参照し
て説明したのと同様に、複数の貫通穴を有する構成にす
ることができる。
【0078】原料担持体30aは、軸に垂直な面内で見
て、2つの半円形の領域を有している。各領域は、固体
有機金属原料が担持された原料担持領域31と担持され
ていないブランク領域32になっている。すなわち、図
5に示すような構成の原料担持体であれば、原料担持領
域31内に含まれる貫通穴の側壁には固体有機金属原料
が付着されており、ブランク領域内32内に含まれる貫
通穴内は空になっている。シャッター19としては、平
面形状が半円形のものを用いている。
て、2つの半円形の領域を有している。各領域は、固体
有機金属原料が担持された原料担持領域31と担持され
ていないブランク領域32になっている。すなわち、図
5に示すような構成の原料担持体であれば、原料担持領
域31内に含まれる貫通穴の側壁には固体有機金属原料
が付着されており、ブランク領域内32内に含まれる貫
通穴内は空になっている。シャッター19としては、平
面形状が半円形のものを用いている。
【0079】ブランク領域32は、原料担持領域31と
同様にキャリアガスを軸方向に流すことができるように
構成されている。そして、原料担持領域31とブランク
領域32とで、軸に垂直な面内で平均した単位面積あた
りのコンダクタンスが大きく変わらないように構成す
る。例えば、図5に示すような構成であれば、貫通穴の
側壁に付着させる、固体有機金属原料の膜の膜厚を十分
に薄くしておくなどすることによって、原料担持領域3
1とブランク領域32の単位面積あたりのコンダクタン
スがほとんど同じになるようにすることができる。
同様にキャリアガスを軸方向に流すことができるように
構成されている。そして、原料担持領域31とブランク
領域32とで、軸に垂直な面内で平均した単位面積あた
りのコンダクタンスが大きく変わらないように構成す
る。例えば、図5に示すような構成であれば、貫通穴の
側壁に付着させる、固体有機金属原料の膜の膜厚を十分
に薄くしておくなどすることによって、原料担持領域3
1とブランク領域32の単位面積あたりのコンダクタン
スがほとんど同じになるようにすることができる。
【0080】次に、本実施形態における原料供給方法に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0081】まず、原料容器6をオーブン11中、また
はオイルバス中に入れ、固体有機金属原料が昇華する温
度まで加熱する。この加熱温度を変化させることによっ
て、有機金属の供給量を大まかに調整することができ
る。そして、キャリアガスを原料容器6内に導入管8を
通して所定の流量で流し、原料担持体1に担持された固
体有機金属原料の表面から昇華した有機金属ガスを、キ
ャリアガスと共に導出管9を通して反応容器14内へと
輸送する。
はオイルバス中に入れ、固体有機金属原料が昇華する温
度まで加熱する。この加熱温度を変化させることによっ
て、有機金属の供給量を大まかに調整することができ
る。そして、キャリアガスを原料容器6内に導入管8を
通して所定の流量で流し、原料担持体1に担持された固
体有機金属原料の表面から昇華した有機金属ガスを、キ
ャリアガスと共に導出管9を通して反応容器14内へと
輸送する。
【0082】この際、有機金属ガスの供給量、すなわち
原料ガス中の有機金属ガスの濃度が所望の値になるよう
に、シャッター19を所定の位置に配置しておく。すな
わち、本実施形態の構成では、シャッター19によって
原料担持領域31を覆う面積を変化させることによっ
て、キャリアガスが原料担持領域31を通る領域の面積
を変化させ、有機金属ガスの供給量、すなわち原料ガス
中の有機金属ガスの濃度を調整することができる。な
お、キャリアガスが原料担持領域31を通る領域の面積
を変化させるということは、より具体的には、図5に示
すような貫通穴を有する構成の場合、原料が担持された
貫通穴を通るキャリアガスの量、また別の言い方をすれ
ば、キャリアガスが通る、原料が担持された貫通穴の本
数を変化させることを意味している。
原料ガス中の有機金属ガスの濃度が所望の値になるよう
に、シャッター19を所定の位置に配置しておく。すな
わち、本実施形態の構成では、シャッター19によって
原料担持領域31を覆う面積を変化させることによっ
て、キャリアガスが原料担持領域31を通る領域の面積
を変化させ、有機金属ガスの供給量、すなわち原料ガス
中の有機金属ガスの濃度を調整することができる。な
お、キャリアガスが原料担持領域31を通る領域の面積
を変化させるということは、より具体的には、図5に示
すような貫通穴を有する構成の場合、原料が担持された
貫通穴を通るキャリアガスの量、また別の言い方をすれ
ば、キャリアガスが通る、原料が担持された貫通穴の本
数を変化させることを意味している。
【0083】このように原料ガスを供給して反応容器1
4内で成膜を行っている間に、本実施形態では、シャッ
ター19を駆動してその位置を適宜変える。すなわち、
原料担持領域31を通るキャリアガスとブランク領域3
2を通るキャリアガスの割合をシャッター19を用いて
機械的に変化させる。これによって、有機金属ガスの供
給量を変化させることができる。この際、前述のよう
に、原料担持領域31とブランク領域32は単位面積あ
たりのコンダクタンスが実質的に同じであるので、シャ
ッター19を動かしても、導入管8の出口から導出管9
の入口までの間のコンダクタンスはほとんど変化しな
い。したがって、原料ガス全体の流量をほとんど変動さ
せることなく、有機金属ガスの供給量を変えることがで
きる。
4内で成膜を行っている間に、本実施形態では、シャッ
ター19を駆動してその位置を適宜変える。すなわち、
原料担持領域31を通るキャリアガスとブランク領域3
2を通るキャリアガスの割合をシャッター19を用いて
機械的に変化させる。これによって、有機金属ガスの供
給量を変化させることができる。この際、前述のよう
に、原料担持領域31とブランク領域32は単位面積あ
たりのコンダクタンスが実質的に同じであるので、シャ
ッター19を動かしても、導入管8の出口から導出管9
の入口までの間のコンダクタンスはほとんど変化しな
い。したがって、原料ガス全体の流量をほとんど変動さ
せることなく、有機金属ガスの供給量を変えることがで
きる。
【0084】このように本実施形態によれば、供給する
原料ガスの流量を変動させることなく、有機金属ガスの
供給量を迅速に変えることができる。したがって、反応
容器14内の気流を変化させることなく、有機金属ガス
の供給量を調整することができ、膜厚方向に組成を変化
させた薄膜を良好に成膜することができる。
原料ガスの流量を変動させることなく、有機金属ガスの
供給量を迅速に変えることができる。したがって、反応
容器14内の気流を変化させることなく、有機金属ガス
の供給量を調整することができ、膜厚方向に組成を変化
させた薄膜を良好に成膜することができる。
【0085】なお、本実施形態においても、キャリアガ
スはシャワーヘッド7を介して導入している。これによ
って、キャリアガスを、シャッター19によって覆われ
ていない領域に実質的に均等に流すことができ、原料供
給量は、原料担持領域30の、シャッター19によって
覆われない面積に実質的に比例して変化する。このた
め、良好な制御性を得ることができる。
スはシャワーヘッド7を介して導入している。これによ
って、キャリアガスを、シャッター19によって覆われ
ていない領域に実質的に均等に流すことができ、原料供
給量は、原料担持領域30の、シャッター19によって
覆われない面積に実質的に比例して変化する。このた
め、良好な制御性を得ることができる。
【0086】また、原料担持体の構成は図8に示した構
成以外にも種々の構成が考えられる。例えば、図8に示
すものと同様に、原料担持領域31とブランク領域32
の面積比が1:1であるが、各領域の配置が異なる構成
の原料担持体30bを図9に示す。この原料担持体30
bは、中心角90度の扇形の4つの領域に分けられ、4
つの領域は交互に原料担持領域31とブランク領域32
になっている。この場合、シャッター19としては、原
料担持領域31を覆う面積を変化させることができるよ
うに、平面形状が中心角90度の扇形を中心角の位置で
結合させて対向する位置に配置した形状のものを用い
る。
成以外にも種々の構成が考えられる。例えば、図8に示
すものと同様に、原料担持領域31とブランク領域32
の面積比が1:1であるが、各領域の配置が異なる構成
の原料担持体30bを図9に示す。この原料担持体30
bは、中心角90度の扇形の4つの領域に分けられ、4
つの領域は交互に原料担持領域31とブランク領域32
になっている。この場合、シャッター19としては、原
料担持領域31を覆う面積を変化させることができるよ
うに、平面形状が中心角90度の扇形を中心角の位置で
結合させて対向する位置に配置した形状のものを用い
る。
【0087】図8,9に示す構成では、シャッター19
は、原料担持領域31全体を覆った状態と、全体を露出
させた状態とにできるように構成されている。このよう
に構成することによって、原料供給量の可変幅を大きく
とることができる。一方、原料供給量の可変幅をあまり
大きくしなくてもよい場合には、図10に示すように、
シャッター19とブランク領域32の面積を小さくして
もよい。図10に示す構成では、原料担持体30cは、
中心角が90度の扇形のブランク領域32を有してお
り、シャッター19も同様に中心角が90度の扇形の平
面形状を有している。これよりも可変幅が小さくてよい
場合は、シャッター19とブランク領域32の面積をよ
り小さくし、また逆に可変幅を大きくとりたい場合に
は、シャッター19とブランク領域32の面積をより大
きくしてもよい。図8,9に示したように、原料担持領
域31とブランク領域32の面積比を1:1とし、シャ
ッター19を原料担持領域31と同じ平面形状にした構
成は、可変幅を最も広くとることができる構成であると
言える。
は、原料担持領域31全体を覆った状態と、全体を露出
させた状態とにできるように構成されている。このよう
に構成することによって、原料供給量の可変幅を大きく
とることができる。一方、原料供給量の可変幅をあまり
大きくしなくてもよい場合には、図10に示すように、
シャッター19とブランク領域32の面積を小さくして
もよい。図10に示す構成では、原料担持体30cは、
中心角が90度の扇形のブランク領域32を有してお
り、シャッター19も同様に中心角が90度の扇形の平
面形状を有している。これよりも可変幅が小さくてよい
場合は、シャッター19とブランク領域32の面積をよ
り小さくし、また逆に可変幅を大きくとりたい場合に
は、シャッター19とブランク領域32の面積をより大
きくしてもよい。図8,9に示したように、原料担持領
域31とブランク領域32の面積比を1:1とし、シャ
ッター19を原料担持領域31と同じ平面形状にした構
成は、可変幅を最も広くとることができる構成であると
言える。
【0088】また、シャッター19は、本実施形態にお
いても第1の実施形態におけるのと同様に、導入側と導
出側のいずれか一方に配置しても、両側に配置してもよ
い。また、両側に配置する場合、両側のシャッター19
は連動させて駆動しても、互いに独立して駆動してもよ
い。
いても第1の実施形態におけるのと同様に、導入側と導
出側のいずれか一方に配置しても、両側に配置してもよ
い。また、両側に配置する場合、両側のシャッター19
は連動させて駆動しても、互いに独立して駆動してもよ
い。
【0089】本実施形態において、シャッター19を導
入側と導出側の両側に設け、両側のものを独立して駆動
する場合、両側のシャッター19が、軸に垂直な面内で
見て一部重なるように駆動し、両側のシャッター19が
重なる領域の面積を変化させるようにしてもよい。この
ようにすることによって、ブランク領域32を狭くした
場合であっても、原料供給量の可変幅をより大きくとる
ことができる。またシャッター19として、図11に示
すように、中心角の小さい扇形の平面形状のものを複数
設け、これらをそれぞれ独立して駆動するようにすれ
ば、さらに可変幅を大きくとることができる。
入側と導出側の両側に設け、両側のものを独立して駆動
する場合、両側のシャッター19が、軸に垂直な面内で
見て一部重なるように駆動し、両側のシャッター19が
重なる領域の面積を変化させるようにしてもよい。この
ようにすることによって、ブランク領域32を狭くした
場合であっても、原料供給量の可変幅をより大きくとる
ことができる。またシャッター19として、図11に示
すように、中心角の小さい扇形の平面形状のものを複数
設け、これらをそれぞれ独立して駆動するようにすれ
ば、さらに可変幅を大きくとることができる。
【0090】なお、両側のシャッター19が重なる領域
の面積が変化させる場合、原料担持体の、シャッター1
9によって覆われる全面積が変化することになる。した
がって、導入管8の出口から導出管9の入口までの間の
コンダクタンスが変化する。
の面積が変化させる場合、原料担持体の、シャッター1
9によって覆われる全面積が変化することになる。した
がって、導入管8の出口から導出管9の入口までの間の
コンダクタンスが変化する。
【0091】また、本実施形態による原料供給量の制御
は、キャリアガス流量を変化させることによる原料供給
量の制御と組み合わせて実施してもよい。このようにす
ることによって、原料供給量をより広い可変幅でより迅
速に変化させることができる。
は、キャリアガス流量を変化させることによる原料供給
量の制御と組み合わせて実施してもよい。このようにす
ることによって、原料供給量をより広い可変幅でより迅
速に変化させることができる。
【0092】また、本実施形態は第1の実施形態と組み
合わせることが可能である。すなわち、原料担持領域3
1を覆う面積を変化させるためのシャッターと、原料担
持領域31内で、キャリアガスを流す領域を周期的に変
化させるシャッターとを設け、両者を独立して駆動する
構成としてもよい。
合わせることが可能である。すなわち、原料担持領域3
1を覆う面積を変化させるためのシャッターと、原料担
持領域31内で、キャリアガスを流す領域を周期的に変
化させるシャッターとを設け、両者を独立して駆動する
構成としてもよい。
【0093】(第3の実施形態)次に、第3の実施形態
について説明する。本実施形態では、1つの原料供給装
置を用いて複数種類の有機金属ガスを供給する方法を示
す。
について説明する。本実施形態では、1つの原料供給装
置を用いて複数種類の有機金属ガスを供給する方法を示
す。
【0094】図12に、本実施形態の原料供給装置の模
式図を示す。同図において、図1と同様の部分について
は、同一の符号を付し、説明を省略する。図12に示す
原料供給装置は、シャッターとその駆動機構が設けられ
ていない点で図1に示す原料供給装置と異なっている。
式図を示す。同図において、図1と同様の部分について
は、同一の符号を付し、説明を省略する。図12に示す
原料供給装置は、シャッターとその駆動機構が設けられ
ていない点で図1に示す原料供給装置と異なっている。
【0095】本実施形態の原料供給装置に装着される原
料担持体40は、第1、第2の実施形態と同様に、外形
が円柱状であり、軸方向の一端側から他端側へキャリア
ガスを流すことができる構成を有している。原料担持体
40のより具体的な構成は、特に、第1の実施形態にお
いて図5参照して説明したのと同様に、複数の貫通穴を
有する構成にすることができる。そして、原料担持体4
0は、複数種類の固体有機金属原料を担持している。
料担持体40は、第1、第2の実施形態と同様に、外形
が円柱状であり、軸方向の一端側から他端側へキャリア
ガスを流すことができる構成を有している。原料担持体
40のより具体的な構成は、特に、第1の実施形態にお
いて図5参照して説明したのと同様に、複数の貫通穴を
有する構成にすることができる。そして、原料担持体4
0は、複数種類の固体有機金属原料を担持している。
【0096】図13は、一構成例の原料担持体40aの
平面図である。同図に示す原料担持体40aは、軸に垂
直な面内で見て、2つの半円形の領域を有している。各
領域は、固体有機金属原料Aが担持された原料A担持領
域41と、固体有機金属原料Bが担持された原料B担持
領域42になっている。すなわち、図5に示すような構
成の原料担持体であれば、原料A担持領域41内に含ま
れる貫通穴の側壁には固体有機金属原料Aが付着されて
おり、原料B担持領域42内に含まれる貫通穴の側壁に
は固体有機金属原料Bが付着されている。
平面図である。同図に示す原料担持体40aは、軸に垂
直な面内で見て、2つの半円形の領域を有している。各
領域は、固体有機金属原料Aが担持された原料A担持領
域41と、固体有機金属原料Bが担持された原料B担持
領域42になっている。すなわち、図5に示すような構
成の原料担持体であれば、原料A担持領域41内に含ま
れる貫通穴の側壁には固体有機金属原料Aが付着されて
おり、原料B担持領域42内に含まれる貫通穴の側壁に
は固体有機金属原料Bが付着されている。
【0097】本実施形態の原料供給装置では、原料A担
持領域41と原料B担持領域42の面積比を調整するこ
とによって、キャリアガスを導入管8を通して導入した
際に導出管9から導出される原料ガスに含まれる有機金
属原料Aの量と有機金属原料Bの量の比を調整する。す
なわち、例えば、図14に示す原料担持体40bのよう
に、原料B担持領域42の面積をより大きくすることに
よって、原料ガスに含まれる有機金属原料Bの比率をよ
り大きくすることができる。
持領域41と原料B担持領域42の面積比を調整するこ
とによって、キャリアガスを導入管8を通して導入した
際に導出管9から導出される原料ガスに含まれる有機金
属原料Aの量と有機金属原料Bの量の比を調整する。す
なわち、例えば、図14に示す原料担持体40bのよう
に、原料B担持領域42の面積をより大きくすることに
よって、原料ガスに含まれる有機金属原料Bの比率をよ
り大きくすることができる。
【0098】原料ガスに含まれる有機金属原料Aと有機
金属原料Bの比は、キャリアガスを流す時の、各有機金
属ガスの蒸気圧にも影響される。各有機金属ガスの蒸気
圧は、おかれている状態、特に、加熱温度によって変化
し、通常、異なる蒸気圧特性を示す。そこで、本実施形
態の原料供給装置では、予め使用時の加熱温度を設定し
ておき、その温度での各有機金属ガスの蒸気圧を考慮し
て、原料A担持領域41と原料B担持領域42の面積比
を設定する。
金属原料Bの比は、キャリアガスを流す時の、各有機金
属ガスの蒸気圧にも影響される。各有機金属ガスの蒸気
圧は、おかれている状態、特に、加熱温度によって変化
し、通常、異なる蒸気圧特性を示す。そこで、本実施形
態の原料供給装置では、予め使用時の加熱温度を設定し
ておき、その温度での各有機金属ガスの蒸気圧を考慮し
て、原料A担持領域41と原料B担持領域42の面積比
を設定する。
【0099】例えば、有機金属原料Aと有機金属原料B
が1:1の比率で含まれた原料ガスを供給する場合、加
熱時の蒸気圧が有機金属原料Aと有機金属原料Bで同じ
であれば、図13に示すように原料A担持領域41と原
料B担持領域42の面積比は1:1に設定すればよい。
また、加熱時の蒸気圧が有機金属原料Aのほうが高い場
合には、原料A担持領域41と原料B担持領域42の面
積が同じであれば、原料ガス中に含まれる比率は、有機
金属原料Aのほうが多くなる。そこで、原料ガス中に含
まれる比率が1:1になるように、原料A担持領域41
の、原料B担持領域42に対する面積比を小さくする。
が1:1の比率で含まれた原料ガスを供給する場合、加
熱時の蒸気圧が有機金属原料Aと有機金属原料Bで同じ
であれば、図13に示すように原料A担持領域41と原
料B担持領域42の面積比は1:1に設定すればよい。
また、加熱時の蒸気圧が有機金属原料Aのほうが高い場
合には、原料A担持領域41と原料B担持領域42の面
積が同じであれば、原料ガス中に含まれる比率は、有機
金属原料Aのほうが多くなる。そこで、原料ガス中に含
まれる比率が1:1になるように、原料A担持領域41
の、原料B担持領域42に対する面積比を小さくする。
【0100】このように本実施形態によれば、有機金属
原料Aと有機金属原料Bが所望の比率で含まれた原料ガ
スを供給することができる。この方法によれば、複数種
類の有機金属原料を別々の原料供給装置からそれぞれ供
給量を調整して供給する場合に比べ、複数種類の原料の
比率を容易に精度良く調整して供給を行うことができ
る。また、原料供給ラインの数が少なくて済み、装置を
簡素化できる。
原料Aと有機金属原料Bが所望の比率で含まれた原料ガ
スを供給することができる。この方法によれば、複数種
類の有機金属原料を別々の原料供給装置からそれぞれ供
給量を調整して供給する場合に比べ、複数種類の原料の
比率を容易に精度良く調整して供給を行うことができ
る。また、原料供給ラインの数が少なくて済み、装置を
簡素化できる。
【0101】なお、本実施形態によれば、図15に示す
ように、原料C担持領域43を加えた3つの領域を設け
た原料担持体40cを用いて、3種類の有機金属ガスが
所望の比率で含まれた原料ガスを供給することも可能で
ある。この場合にも、各領域の面積比は、原料ガス中に
含ませる有機金属ガスの比と、使用時の各有機金属ガス
の蒸気圧を考慮して設定する。
ように、原料C担持領域43を加えた3つの領域を設け
た原料担持体40cを用いて、3種類の有機金属ガスが
所望の比率で含まれた原料ガスを供給することも可能で
ある。この場合にも、各領域の面積比は、原料ガス中に
含ませる有機金属ガスの比と、使用時の各有機金属ガス
の蒸気圧を考慮して設定する。
【0102】また、本実施形態では、原料担持体に担持
する複数の原料は、ほぼ同様の融点を有する原料とする
必要がある。それによって、加熱時に各原料から一定の
蒸気圧の蒸気を発生させることができる。原料の使用温
度によっては、複数の原料のうちのいずれかが液体状に
なることが考えられるが、この場合には、例えば、原料
担持体として、複数の貫通穴を有する、アルミナ製の構
造体を用いることによって、液体状になった原料をアル
ミナ表面の気孔に吸着させ、流れ出すのを防ぐことがで
きる。この場合、貫通穴内に担持する原料は気孔に吸着
される程度に少量にする。
する複数の原料は、ほぼ同様の融点を有する原料とする
必要がある。それによって、加熱時に各原料から一定の
蒸気圧の蒸気を発生させることができる。原料の使用温
度によっては、複数の原料のうちのいずれかが液体状に
なることが考えられるが、この場合には、例えば、原料
担持体として、複数の貫通穴を有する、アルミナ製の構
造体を用いることによって、液体状になった原料をアル
ミナ表面の気孔に吸着させ、流れ出すのを防ぐことがで
きる。この場合、貫通穴内に担持する原料は気孔に吸着
される程度に少量にする。
【0103】また、原料担持体に担持する複数の原料
は、できる限り蒸気圧特性が似ている原料を用いるのが
好ましい。それによって、加熱温度などの、原料の状態
に多少のばらつきが生じても、複数の原料の比率を精度
よく調整して原料供給を行うことができる。
は、できる限り蒸気圧特性が似ている原料を用いるのが
好ましい。それによって、加熱温度などの、原料の状態
に多少のばらつきが生じても、複数の原料の比率を精度
よく調整して原料供給を行うことができる。
【0104】また、本実施形態は第1の実施形態と組み
合わせることが可能である。すなわち、キャリアガスを
流す領域を周期的に変化させるシャッターを設けてもよ
い。
合わせることが可能である。すなわち、キャリアガスを
流す領域を周期的に変化させるシャッターを設けてもよ
い。
【0105】(第4の実施形態)次に、第4の実施形態
について説明する。本実施形態では、1つの原料供給装
置を用いて複数種類の有機金属ガスを供給でき、複数種
類の原料の比率を成膜中であっても変化させることがで
きる原料供給方法を示す。
について説明する。本実施形態では、1つの原料供給装
置を用いて複数種類の有機金属ガスを供給でき、複数種
類の原料の比率を成膜中であっても変化させることがで
きる原料供給方法を示す。
【0106】本実施形態では、MOCVD装置とそれに
用いられる原料供給装置については、第1の実施形態に
おけるものと同様のものを用いる。そして、原料担持体
としては、第3の実施形態において示したように、複数
の原料を担持したものを用いる。
用いられる原料供給装置については、第1の実施形態に
おけるものと同様のものを用いる。そして、原料担持体
としては、第3の実施形態において示したように、複数
の原料を担持したものを用いる。
【0107】図16は、本実施形態による一例の原料供
給方法を説明するための、原料担持体とシャッターの平
面図である。同図に示す例では、半円形の2つの平面領
域のそれぞれが原料A担持領域41と原料B担持領域4
2になっている原料担持体40aを用いている。シャッ
ター19としては平面形状が半円形のものを用いてい
る。
給方法を説明するための、原料担持体とシャッターの平
面図である。同図に示す例では、半円形の2つの平面領
域のそれぞれが原料A担持領域41と原料B担持領域4
2になっている原料担持体40aを用いている。シャッ
ター19としては平面形状が半円形のものを用いてい
る。
【0108】本実施形態によれば、シャッター19を回
転させることによって、供給する原料ガス中に含まれる
有機金属原料Aと有機金属原料Bの比率を変化させるこ
とができる。この際、第2の実施形態において説明した
のと同様に、シャッター19を回転させても、導入管8
の出口から導出管9の入口までの間のコンダクタンスは
ほとんど変化しない。したがって、原料ガス全体の流量
をほとんど変動させることなく、複数の有機金属ガスの
供給比を変えることができる。このため、本実施形態に
よれば、反応容器14内の気流を変化させることなく、
複数の有機金属ガスの供給比を調整することができ、膜
厚方向に組成を変化させた薄膜を良好に成膜することが
できる。
転させることによって、供給する原料ガス中に含まれる
有機金属原料Aと有機金属原料Bの比率を変化させるこ
とができる。この際、第2の実施形態において説明した
のと同様に、シャッター19を回転させても、導入管8
の出口から導出管9の入口までの間のコンダクタンスは
ほとんど変化しない。したがって、原料ガス全体の流量
をほとんど変動させることなく、複数の有機金属ガスの
供給比を変えることができる。このため、本実施形態に
よれば、反応容器14内の気流を変化させることなく、
複数の有機金属ガスの供給比を調整することができ、膜
厚方向に組成を変化させた薄膜を良好に成膜することが
できる。
【0109】また、第3の実施形態において説明したよ
うに、複数の固体有機金属原料を担持した原料担持体を
用いる場合、加熱温度などの使用条件が異なると、各原
料の蒸気特性が違うために、原料の供給比に変化を生じ
る場合がある。本実施形態によれば、このような場合、
シャッター19を回転させて原料の供給比が所望の供給
比になるように調整することも可能である。したがっ
て、本実施形態の原料供給方法では、加熱温度やキャリ
アガス流量などを変化させることによる原料供給量の調
整を併せて実施することもできる。
うに、複数の固体有機金属原料を担持した原料担持体を
用いる場合、加熱温度などの使用条件が異なると、各原
料の蒸気特性が違うために、原料の供給比に変化を生じ
る場合がある。本実施形態によれば、このような場合、
シャッター19を回転させて原料の供給比が所望の供給
比になるように調整することも可能である。したがっ
て、本実施形態の原料供給方法では、加熱温度やキャリ
アガス流量などを変化させることによる原料供給量の調
整を併せて実施することもできる。
【0110】なお、本実施形態の原料供給方法では、シ
ャッター19や原料担持体の構成は図16に示したもの
に限られることはない。例えば、原料の供給比の可変幅
を大きくしたい場合には、シャッター19を大きくし、
また可変幅が小さくてよい場合はシャッター19を小さ
くしてもよい。
ャッター19や原料担持体の構成は図16に示したもの
に限られることはない。例えば、原料の供給比の可変幅
を大きくしたい場合には、シャッター19を大きくし、
また可変幅が小さくてよい場合はシャッター19を小さ
くしてもよい。
【0111】また、図17に示すように、中心角90度
の扇形の4つの領域に分けられ、4つの領域が交互に原
料A担持領域41と原料B担持領域42になっている原
料担持体40dを用いてもよい。この場合、シャッター
19としては、平面形状が2つの扇形を中心角の位置で
結合させて対向する位置に配置した形状のものを用いる
のが好適である。また、例えば、原料Aの蒸気圧の方が
高い場合や、原料Aをより高い比率で供給したい場合な
どには、図18に示すように原料A担持領域41を広く
した原料担持体40eを用いてもよい。また、第3の実
施形態において説明した図15に示すような、3種類の
原料を担持した原料担持体40cを用いてもよい。
の扇形の4つの領域に分けられ、4つの領域が交互に原
料A担持領域41と原料B担持領域42になっている原
料担持体40dを用いてもよい。この場合、シャッター
19としては、平面形状が2つの扇形を中心角の位置で
結合させて対向する位置に配置した形状のものを用いる
のが好適である。また、例えば、原料Aの蒸気圧の方が
高い場合や、原料Aをより高い比率で供給したい場合な
どには、図18に示すように原料A担持領域41を広く
した原料担持体40eを用いてもよい。また、第3の実
施形態において説明した図15に示すような、3種類の
原料を担持した原料担持体40cを用いてもよい。
【0112】また、第1、第2の実施形態において説明
したのと同様に、シャッター19は、キャリアガスの導
入側と導出側のいずれか一方に配置しても、両側に配置
してもよい。両側に配置する場合は、両側のシャッター
19を連動させて駆動しても、独立して駆動してもよ
い。さらに中心角の小さい扇形の形状のシャッター19
を多数設けて、それらを独立して駆動できるようにして
もよい。
したのと同様に、シャッター19は、キャリアガスの導
入側と導出側のいずれか一方に配置しても、両側に配置
してもよい。両側に配置する場合は、両側のシャッター
19を連動させて駆動しても、独立して駆動してもよ
い。さらに中心角の小さい扇形の形状のシャッター19
を多数設けて、それらを独立して駆動できるようにして
もよい。
【0113】また、本実施形態についても、第1の実施
形態と組み合わせることが可能である。すなわち、原料
の供給比を調整するシャッターの他に、キャリアガスを
流す領域を周期的に変化させるシャッターを設けてもよ
い。
形態と組み合わせることが可能である。すなわち、原料
の供給比を調整するシャッターの他に、キャリアガスを
流す領域を周期的に変化させるシャッターを設けてもよ
い。
【0114】
【実施例】次に、本発明に係る固体有機金属原料供給装
置を用いて薄膜形成を行う具体例を示す実施例について
説明する。
置を用いて薄膜形成を行う具体例を示す実施例について
説明する。
【0115】(第1の実施例)本実施例では、図5に示
すように、複数の貫通穴を有する構成であり、1種類の
固体有機金属原料を各貫通穴2内に均等に付着させた原
料担持体を用い、原料担持体の導出側だけにシャッター
19を設置した固体有機金属原料供給装置を用いてPZ
T薄膜を作製する例を示す。
すように、複数の貫通穴を有する構成であり、1種類の
固体有機金属原料を各貫通穴2内に均等に付着させた原
料担持体を用い、原料担持体の導出側だけにシャッター
19を設置した固体有機金属原料供給装置を用いてPZ
T薄膜を作製する例を示す。
【0116】原料担持体としては、直径10cm、長さ
10cmのアルミナの円柱体に直径1mmの貫通穴を多
数均等に形成したものを用いる。この原料担持体は、直
径1mmのステンレス製の細棒を多数束ねたものを用
い、細棒間にアルミナの粉末を充填し、高温炉で焼結し
て作製する。PZTの有機金属原料には、Pb原料とし
てPb(DPM)2、Zr原料としてZr(DPM)4、Ti
原料としてTi(DPM) 2(OCH3)2を用いる。これら
の固体有機金属の原料粉末をTHF溶媒に溶解し、これ
を原料担持体の貫通穴2に流し込み乾燥させる。固体有
機金属原料供給装置としては、この原料担持体の導出側
だけに、図6(b)に示すような、2つの扇形を中心角の
位置で結合させた平面形状のシャッター19を設置した
ものを用いる。
10cmのアルミナの円柱体に直径1mmの貫通穴を多
数均等に形成したものを用いる。この原料担持体は、直
径1mmのステンレス製の細棒を多数束ねたものを用
い、細棒間にアルミナの粉末を充填し、高温炉で焼結し
て作製する。PZTの有機金属原料には、Pb原料とし
てPb(DPM)2、Zr原料としてZr(DPM)4、Ti
原料としてTi(DPM) 2(OCH3)2を用いる。これら
の固体有機金属の原料粉末をTHF溶媒に溶解し、これ
を原料担持体の貫通穴2に流し込み乾燥させる。固体有
機金属原料供給装置としては、この原料担持体の導出側
だけに、図6(b)に示すような、2つの扇形を中心角の
位置で結合させた平面形状のシャッター19を設置した
ものを用いる。
【0117】そして、この原料給装置によって、それぞ
れの有機金属化合物から安定して供給を行うことができ
るか試験を行う。まず、Pb(DPM)2、Zr(DP
M)4、Ti(DPM)2(OCH3)2のそれぞれを保持した
原料容器6を、図3に示すような構成のMOCVD装置
の各オーブン11内に取り付ける。それぞれのオーブン
の設定温度は、Pb(DPM)2については130℃、Z
r(DPM)4については180℃、Ti(DPM)2(OC
H3)2については90℃とし、各原料容器6を加熱す
る。また、反応容器14内にはMgO基板を設置し、4
50℃に加熱・保温する。
れの有機金属化合物から安定して供給を行うことができ
るか試験を行う。まず、Pb(DPM)2、Zr(DP
M)4、Ti(DPM)2(OCH3)2のそれぞれを保持した
原料容器6を、図3に示すような構成のMOCVD装置
の各オーブン11内に取り付ける。それぞれのオーブン
の設定温度は、Pb(DPM)2については130℃、Z
r(DPM)4については180℃、Ti(DPM)2(OC
H3)2については90℃とし、各原料容器6を加熱す
る。また、反応容器14内にはMgO基板を設置し、4
50℃に加熱・保温する。
【0118】次に、各原料容器6に導入管8を通して、
キャリアガスとして高純度のArガスを流す。それぞれ
の原料容器6では貫通穴2に担持された原料が昇華し、
その有機金属ガスがキャリアガスとともに導出管9を通
り、反応容器14内のMgO基板上へと輸送され、PZ
T薄膜が形成される。
キャリアガスとして高純度のArガスを流す。それぞれ
の原料容器6では貫通穴2に担持された原料が昇華し、
その有機金属ガスがキャリアガスとともに導出管9を通
り、反応容器14内のMgO基板上へと輸送され、PZ
T薄膜が形成される。
【0119】本実施例によれば、原料が無くなるまでの
長期間、毎回同様の組成および膜厚のPZT薄膜を形成
することができ、本実施例の原料供給方法は安定性に優
れていることを確認できる。
長期間、毎回同様の組成および膜厚のPZT薄膜を形成
することができ、本実施例の原料供給方法は安定性に優
れていることを確認できる。
【0120】(第2の実施例)本実施例では、複数の貫
通穴を有する構成であり、1種類の固体有機金属原料を
各貫通穴2内に均等に付着させた原料担持体を用い、原
料担持体の導入側、導出側の両側に、それぞれ独立して
駆動可能なシャッターを設けた固体有機金属原料供給装
置を用いて、PbTiO3薄膜を作製する例を示す。
通穴を有する構成であり、1種類の固体有機金属原料を
各貫通穴2内に均等に付着させた原料担持体を用い、原
料担持体の導入側、導出側の両側に、それぞれ独立して
駆動可能なシャッターを設けた固体有機金属原料供給装
置を用いて、PbTiO3薄膜を作製する例を示す。
【0121】本実施例では、原料担持体には、直径10
cm、長さ10cmのポリイミドの円柱体に対角線の長
さが2mmの正八角形の貫通穴2が多数均等に形成され
ているものを用いる。この原料担持体は、対角線の長さ
が2mmの正八角形のステンレス製細棒を多数束ねたも
のを用い、細棒間にポリイミドを高温で溶かしたものを
充填し、冷却して形成する。また、PbTiO3の有機
金属原料には、Pb原料としてPb(DPM)2、Ti原
料にはTi(DPM)2(OCH3)2を用いる。これらの固
体有機金属の原料粉末をTHF溶媒に溶解し、これを原
料担持体の貫通穴に流し込み乾燥させる。固体有機金属
原料供給装置としては、この原料担持体の導入側と導出
側の両側に、それぞれ独立して駆動可能な、図7に示す
ような、2つの扇形を中心角の位置で結合させた平面形
状のシャッターをそれぞれ設置したものを用いる。
cm、長さ10cmのポリイミドの円柱体に対角線の長
さが2mmの正八角形の貫通穴2が多数均等に形成され
ているものを用いる。この原料担持体は、対角線の長さ
が2mmの正八角形のステンレス製細棒を多数束ねたも
のを用い、細棒間にポリイミドを高温で溶かしたものを
充填し、冷却して形成する。また、PbTiO3の有機
金属原料には、Pb原料としてPb(DPM)2、Ti原
料にはTi(DPM)2(OCH3)2を用いる。これらの固
体有機金属の原料粉末をTHF溶媒に溶解し、これを原
料担持体の貫通穴に流し込み乾燥させる。固体有機金属
原料供給装置としては、この原料担持体の導入側と導出
側の両側に、それぞれ独立して駆動可能な、図7に示す
ような、2つの扇形を中心角の位置で結合させた平面形
状のシャッターをそれぞれ設置したものを用いる。
【0122】この原料供給装置を用いて第1の実施例と
同様に試験を行う。それによって、第1の実施例と同様
に長期間、毎回同様の組成および膜厚のPbTiO3薄
膜を作製することができ、本実施例の原料供給方法は安
定性に優れていることを確認できる。
同様に試験を行う。それによって、第1の実施例と同様
に長期間、毎回同様の組成および膜厚のPbTiO3薄
膜を作製することができ、本実施例の原料供給方法は安
定性に優れていることを確認できる。
【0123】(第3の実施例)本実施例では、図4に示
すように、固体有機金属原料を吸着させた多孔質の吸着
剤粒体を有する原料担持体を用い、原料担持体の導入
側、導出側の両側に、連動させて駆動可能なシャッター
を設けた固体有機金属原料供給装置を用いて、PZT薄
膜を作製する例を示す。
すように、固体有機金属原料を吸着させた多孔質の吸着
剤粒体を有する原料担持体を用い、原料担持体の導入
側、導出側の両側に、連動させて駆動可能なシャッター
を設けた固体有機金属原料供給装置を用いて、PZT薄
膜を作製する例を示す。
【0124】原料担持体には、仕切り22によって6つ
の部屋に等間隔に仕切った、直径10cm、長さ10c
mのアルミナの円筒状の容器内に多孔質の吸着剤粒体を
各部屋内に同量だけ保持したものを用いる。PZTの有
機金属原料としては、Pb(DPM)2、Zr(DPM)4、
Ti(DPM)2(OCH3)2を用いる。そして、これらを
それぞれアセトンに溶解し、飽和溶液を作製する。次に
この飽和溶液中に合成ゼオライトの吸着剤粒体を投入
し、充分吸着させた後、溶液を除去し、溶媒を乾燥除去
して、固体有機金属原料が吸着された吸着剤粒体を得
る。なお、合成ゼオライトの粒径は3mmとする。固体
有機金属原料供給装置としては、この原料担持体の導入
側と導出側の両側に、連動して回転する、図6(c)に示
すような、4つの扇形を中心角の位置で結合させた平面
形状のシャッターそれぞれ設置したものを用いる。
の部屋に等間隔に仕切った、直径10cm、長さ10c
mのアルミナの円筒状の容器内に多孔質の吸着剤粒体を
各部屋内に同量だけ保持したものを用いる。PZTの有
機金属原料としては、Pb(DPM)2、Zr(DPM)4、
Ti(DPM)2(OCH3)2を用いる。そして、これらを
それぞれアセトンに溶解し、飽和溶液を作製する。次に
この飽和溶液中に合成ゼオライトの吸着剤粒体を投入
し、充分吸着させた後、溶液を除去し、溶媒を乾燥除去
して、固体有機金属原料が吸着された吸着剤粒体を得
る。なお、合成ゼオライトの粒径は3mmとする。固体
有機金属原料供給装置としては、この原料担持体の導入
側と導出側の両側に、連動して回転する、図6(c)に示
すような、4つの扇形を中心角の位置で結合させた平面
形状のシャッターそれぞれ設置したものを用いる。
【0125】この原料供給装置を用いて第1の実施例と
同様に試験を行う。それによって、第1の実施例と同様
に長期間、毎回同様の組成および膜厚のPZT薄膜を形
成することができ、本実施例の原料供給方法は安定性に
優れていることを確認できる。
同様に試験を行う。それによって、第1の実施例と同様
に長期間、毎回同様の組成および膜厚のPZT薄膜を形
成することができ、本実施例の原料供給方法は安定性に
優れていることを確認できる。
【0126】(第4の実施例)本実施例では、固体有機
金属原料を吸着させた多孔質の吸着剤粒体を有する原料
担持体を用い、原料担持体の導入側、導出側の両側に、
それぞれ独立して駆動可能なシャッターを設けた固体有
機金属原料供給装置を用いて、PZT薄膜を作製する例
を示す。
金属原料を吸着させた多孔質の吸着剤粒体を有する原料
担持体を用い、原料担持体の導入側、導出側の両側に、
それぞれ独立して駆動可能なシャッターを設けた固体有
機金属原料供給装置を用いて、PZT薄膜を作製する例
を示す。
【0127】原料担持体には、仕切り22によって6つ
の部屋に等間隔に仕切った、直径10cm、長さ10c
mのアルミナの円筒状の容器内に多孔質の吸着剤粒体を
各部屋内に同量だけ保持したものを用いる。吸着剤粒体
には、第3の実施例と同様の方法で固体有機金属原料を
吸着させる。固体有機金属原料供給装置としては、この
原料担持体の導入側と導出側の両側に、それぞれ独立し
て駆動可能な、図7に示すような、2つの扇形を中心角
の位置で結合させた平面形状のシャッターをそれぞれ設
置したものを用いる。
の部屋に等間隔に仕切った、直径10cm、長さ10c
mのアルミナの円筒状の容器内に多孔質の吸着剤粒体を
各部屋内に同量だけ保持したものを用いる。吸着剤粒体
には、第3の実施例と同様の方法で固体有機金属原料を
吸着させる。固体有機金属原料供給装置としては、この
原料担持体の導入側と導出側の両側に、それぞれ独立し
て駆動可能な、図7に示すような、2つの扇形を中心角
の位置で結合させた平面形状のシャッターをそれぞれ設
置したものを用いる。
【0128】この原料供給装置を用いて第1の実施例と
同様に試験を行う。それによって、第1の実施例と同様
に長期間、毎回同様の組成および膜厚のPZT薄膜を作
製することができ、本実施例の原料供給方法は安定性に
優れていることを確認できる。
同様に試験を行う。それによって、第1の実施例と同様
に長期間、毎回同様の組成および膜厚のPZT薄膜を作
製することができ、本実施例の原料供給方法は安定性に
優れていることを確認できる。
【0129】(第5の実施例)本実施例では、原料供給
量を変化させる方法を用いる例を示す。原料担持体とし
ては、図8に示すように原料担持領域31とブランク領
域32を1:1の面積比で設けたものを用い、シャッタ
ーとしては半円形の平面形状のものを用いる。また、図
9に示すように、シャッターとして、扇形を中心角の位
置で結合させた平面形状のものを用い、それに対応した
形状の原料担持領域31とブランク領域32を設けた原
料担持体を用いても同様の結果が得られる。
量を変化させる方法を用いる例を示す。原料担持体とし
ては、図8に示すように原料担持領域31とブランク領
域32を1:1の面積比で設けたものを用い、シャッタ
ーとしては半円形の平面形状のものを用いる。また、図
9に示すように、シャッターとして、扇形を中心角の位
置で結合させた平面形状のものを用い、それに対応した
形状の原料担持領域31とブランク領域32を設けた原
料担持体を用いても同様の結果が得られる。
【0130】成膜中に、シャッター19を、駆動装置1
7を用いて動作させて、原料の供給量を変える。これに
よって、導入管8の出口と導出管9の入口の間のコンダ
クタンスを変化させることなく原料供給量を変化させる
ことができる。
7を用いて動作させて、原料の供給量を変える。これに
よって、導入管8の出口と導出管9の入口の間のコンダ
クタンスを変化させることなく原料供給量を変化させる
ことができる。
【0131】この方法を用いて、PZT薄膜を形成す
る。PZTは、ZrとTiの組成比を変化させることに
よって、圧電特性、強誘電特性、格子定数、熱膨張係数
などの物性値が変化する固溶体である。そこで、成膜中
にZrとTiの供給量を変えZrとTiの組成比を変化
させることによって、形成する膜の、上述のような物性
値を膜厚方向に変化させたPZT薄膜を形成することが
できる。このように膜厚方向に物性値を変えたPZT薄
膜は、高機能を有する薄膜とすることができる。
る。PZTは、ZrとTiの組成比を変化させることに
よって、圧電特性、強誘電特性、格子定数、熱膨張係数
などの物性値が変化する固溶体である。そこで、成膜中
にZrとTiの供給量を変えZrとTiの組成比を変化
させることによって、形成する膜の、上述のような物性
値を膜厚方向に変化させたPZT薄膜を形成することが
できる。このように膜厚方向に物性値を変えたPZT薄
膜は、高機能を有する薄膜とすることができる。
【0132】(第6の実施例)第5の実施例では、原料
担持領域31とブランク領域32を1:1の割合で設け
た原料担持体を用いる例を示した。これらの割合は、使
用目的に応じて変えるることができる。また、シャッタ
ー19の面積も使用目的に応じて変えることができる。
担持領域31とブランク領域32を1:1の割合で設け
た原料担持体を用いる例を示した。これらの割合は、使
用目的に応じて変えるることができる。また、シャッタ
ー19の面積も使用目的に応じて変えることができる。
【0133】本実施例では、原料担持領域31とブラン
ク領域32の割合や、シャッター19の面積を変えたも
のを用いる。それによって、原料供給量の可変幅を変化
させることができる。そして、可変幅を変化させた場合
でも、導入管8の出口と導出管9の入口の間のコンダク
タンスを変化させることなく原料供給量を変化させるこ
とができる。
ク領域32の割合や、シャッター19の面積を変えたも
のを用いる。それによって、原料供給量の可変幅を変化
させることができる。そして、可変幅を変化させた場合
でも、導入管8の出口と導出管9の入口の間のコンダク
タンスを変化させることなく原料供給量を変化させるこ
とができる。
【0134】(第7の実施例)第5の実施例、第6の実
施例では、シャッターを原料担持体の導入側と導出側の
いずれか一方に設け、または両側に設けて両方のシャッ
ターを連動させて駆動する方法を用いる例を示した。本
実施例では、複数のシャッターを設け、それらを独立し
て駆動させる例を示す。
施例では、シャッターを原料担持体の導入側と導出側の
いずれか一方に設け、または両側に設けて両方のシャッ
ターを連動させて駆動する方法を用いる例を示した。本
実施例では、複数のシャッターを設け、それらを独立し
て駆動させる例を示す。
【0135】第5、第6の実施例では、シャッターを駆
動しても導入管8の出口と導出管9の入口の間のコンダ
クタンスはほとんど変化しなかった。これに対して、本
実施例では、複数のシャッターが全体として覆う面積が
変化することによって、コンダクタンスの変化が生じ
る。しかし、原料供給量の可変幅を広くできるという利
点が得られる。また、キャリアガス流量を変化させるこ
とによる原料供給量制御を組み合わせることによって、
より広い可変幅で迅速に原料供給量を変化させることが
できる。
動しても導入管8の出口と導出管9の入口の間のコンダ
クタンスはほとんど変化しなかった。これに対して、本
実施例では、複数のシャッターが全体として覆う面積が
変化することによって、コンダクタンスの変化が生じ
る。しかし、原料供給量の可変幅を広くできるという利
点が得られる。また、キャリアガス流量を変化させるこ
とによる原料供給量制御を組み合わせることによって、
より広い可変幅で迅速に原料供給量を変化させることが
できる。
【0136】(第8の実施例)本実施例では、2種類の
有機金属ガスを1つの原料供給装置から供給して薄膜を
作製する方法について、PbTiO3薄膜を作成した場
合を例に説明する。この場合、同一の原料供給装置に保
持させる固体有機金属原料は、前述のように、ほぼ同様
の融点を有するものにする必要がある。具体的には、P
bTiO3薄膜の原料に、Pb原料として融点が130
℃程度であるPb(DPM)2、Ti原料として融点が1
60℃程度のTi(DPM)2(i−C3H7)2を用い、この
2つを1つの原料供給装置に保持させる。Pb、Tiそ
れぞれの原料は、融点が近いものであれば他の原料を用
いてもよく、できる限り蒸気圧特性が似ている原料を用
いるのが好ましい。
有機金属ガスを1つの原料供給装置から供給して薄膜を
作製する方法について、PbTiO3薄膜を作成した場
合を例に説明する。この場合、同一の原料供給装置に保
持させる固体有機金属原料は、前述のように、ほぼ同様
の融点を有するものにする必要がある。具体的には、P
bTiO3薄膜の原料に、Pb原料として融点が130
℃程度であるPb(DPM)2、Ti原料として融点が1
60℃程度のTi(DPM)2(i−C3H7)2を用い、この
2つを1つの原料供給装置に保持させる。Pb、Tiそ
れぞれの原料は、融点が近いものであれば他の原料を用
いてもよく、できる限り蒸気圧特性が似ている原料を用
いるのが好ましい。
【0137】これらの原料は、図5に示すように、貫通
穴を有する構造の原料担持体の貫通穴壁面に付着させ
る。Pb原料、Ti原料それぞれを付着させる領域の面
積はほぼ同一とする。原料供給装置としては、原料担持
体の導入側、導出側の両側に、ほぼ半円形の平面形状の
シャッターを設けたものを用いる。
穴を有する構造の原料担持体の貫通穴壁面に付着させ
る。Pb原料、Ti原料それぞれを付着させる領域の面
積はほぼ同一とする。原料供給装置としては、原料担持
体の導入側、導出側の両側に、ほぼ半円形の平面形状の
シャッターを設けたものを用いる。
【0138】この際、加熱温度における各原料の蒸気圧
特性を考慮し、Pb原料、Ti原料を付着させる領域の
面積を調節してもよい。すなわち、この場合は、同一温
度における蒸気圧はPb原料のほうがTi原料よりも高
いので、Ti原料を付着させる領域をより広くしてもよ
い。
特性を考慮し、Pb原料、Ti原料を付着させる領域の
面積を調節してもよい。すなわち、この場合は、同一温
度における蒸気圧はPb原料のほうがTi原料よりも高
いので、Ti原料を付着させる領域をより広くしてもよ
い。
【0139】以上のような原料供給装置を、図3に示す
ようなMOCVD装置の原料供給ラインに取り付けた。
そして、原料容器をオーブンで加熱し、キャリアガスを
流して有機金属ガスを輸送し薄膜を作製する。この際、
作製する薄膜の組成比がPb:Ti=1:1になるよう
に、シャッターを駆動して調節する。この時、シャッタ
ーを駆動しても、原料ガス全体の流量には変動が生じる
ことはなく、したがって、キャリアガス流量を変えて組
成を制御する場合に問題となる、基板表面での気流の変
化は生じない。
ようなMOCVD装置の原料供給ラインに取り付けた。
そして、原料容器をオーブンで加熱し、キャリアガスを
流して有機金属ガスを輸送し薄膜を作製する。この際、
作製する薄膜の組成比がPb:Ti=1:1になるよう
に、シャッターを駆動して調節する。この時、シャッタ
ーを駆動しても、原料ガス全体の流量には変動が生じる
ことはなく、したがって、キャリアガス流量を変えて組
成を制御する場合に問題となる、基板表面での気流の変
化は生じない。
【0140】また、原料の加熱温度を変化させても、シ
ャッターを駆動することによって、所望の組成になるよ
うに適宜組成制御を行うことができる。したがって、加
熱温度を変化させることによる組成制御を並行して行う
場合、原料温度の変化の遅れが生じても、そのために生
じる組成のずれを、シャッターを駆動することによって
補うことができる。このようにすることによって、より
迅速な組成制御が可能となる。
ャッターを駆動することによって、所望の組成になるよ
うに適宜組成制御を行うことができる。したがって、加
熱温度を変化させることによる組成制御を並行して行う
場合、原料温度の変化の遅れが生じても、そのために生
じる組成のずれを、シャッターを駆動することによって
補うことができる。このようにすることによって、より
迅速な組成制御が可能となる。
【0141】(第9の実施例)本実施例では、3つの元
素を用いて作成されるPZT薄膜を、2つの固体有機原
料を保持した原料供給装置と、1つの原料を保持した原
料供給装置を用いて作製する例を示す。
素を用いて作成されるPZT薄膜を、2つの固体有機原
料を保持した原料供給装置と、1つの原料を保持した原
料供給装置を用いて作製する例を示す。
【0142】PZTは、前述のように固溶体であるた
め、ペロブスカイト型構造のBサイトイオンであるZr
とTiの比によって特性が異なる。特にZrのTiに対
する比が0.53付近である組成(MPB組成)では優
れた圧電特性、強誘電体特性を示す。しかし、従来、M
OCVD法を用いてこの組成の薄膜を得ることは容易で
はなかった。本実施例では、シャッターを用いてZr原
料とTi原料の供給比を変化させる。それによってZr
とTiの組成比を精度よく調整することができ、MOC
VD法を用いてMPB組成のPZT薄膜を作製すること
が可能になる。
め、ペロブスカイト型構造のBサイトイオンであるZr
とTiの比によって特性が異なる。特にZrのTiに対
する比が0.53付近である組成(MPB組成)では優
れた圧電特性、強誘電体特性を示す。しかし、従来、M
OCVD法を用いてこの組成の薄膜を得ることは容易で
はなかった。本実施例では、シャッターを用いてZr原
料とTi原料の供給比を変化させる。それによってZr
とTiの組成比を精度よく調整することができ、MOC
VD法を用いてMPB組成のPZT薄膜を作製すること
が可能になる。
【0143】まず、使用する原料としては、Ti原料に
は、実施例8におけるPbTiO3薄膜作製時と同様
に、融点が160℃程度のTi(DPM)2(i−C
3H7)2、Zr原料には融点が180℃程度のZr(DP
M)4を用い、これらを1つの原料担持体に担持させる。
原料担持体としては、図5に示すように、貫通穴を有す
る構造のものを用い、2つの原料を、面積比1:1の2
つの領域内の貫通穴壁面にそれぞれ付着させる。Ti、
Zrの各原料を付着させる領域の面積比は、蒸気圧特性
の違いや、作製する膜の組成比を考慮して変えてもよ
い。また、シャッターとしては半円形の平面形状のもの
を用いる。シャッターの面積についても、原料供給量の
可変幅が、必要な値になるように変えてもよい。
は、実施例8におけるPbTiO3薄膜作製時と同様
に、融点が160℃程度のTi(DPM)2(i−C
3H7)2、Zr原料には融点が180℃程度のZr(DP
M)4を用い、これらを1つの原料担持体に担持させる。
原料担持体としては、図5に示すように、貫通穴を有す
る構造のものを用い、2つの原料を、面積比1:1の2
つの領域内の貫通穴壁面にそれぞれ付着させる。Ti、
Zrの各原料を付着させる領域の面積比は、蒸気圧特性
の違いや、作製する膜の組成比を考慮して変えてもよ
い。また、シャッターとしては半円形の平面形状のもの
を用いる。シャッターの面積についても、原料供給量の
可変幅が、必要な値になるように変えてもよい。
【0144】この様にZr原料とTi原料の両方を保持
した原料供給装置をMOCVD装置に取り付け、原料容
器をオーブンで加熱し、キャリアガスを流し基板上へ原
料を輸送する。この際、AサイトのPb原料を保持する
原料容器も同一の反応容器に接続し、Zr原料とTi原
料と同時にPb原料を供給してPZT薄膜を作製する。
Aサイト/Bサイトの比は、Pb原料を保持した原料容
器および/またはZr、Ti原料を保持した原料容器に
流すキャリアガスの流量、および/またはZr各原料容
器を加熱する各オーブンの設定温度を変化させて調節す
る。BサイトイオンであるZrとTiの比はシャッター
を駆動することによって、基板表面上での気流の流れは
ほとんど変化させずに変えることができる。
した原料供給装置をMOCVD装置に取り付け、原料容
器をオーブンで加熱し、キャリアガスを流し基板上へ原
料を輸送する。この際、AサイトのPb原料を保持する
原料容器も同一の反応容器に接続し、Zr原料とTi原
料と同時にPb原料を供給してPZT薄膜を作製する。
Aサイト/Bサイトの比は、Pb原料を保持した原料容
器および/またはZr、Ti原料を保持した原料容器に
流すキャリアガスの流量、および/またはZr各原料容
器を加熱する各オーブンの設定温度を変化させて調節す
る。BサイトイオンであるZrとTiの比はシャッター
を駆動することによって、基板表面上での気流の流れは
ほとんど変化させずに変えることができる。
【0145】この様に、Zr、Ti原料を同一の原料容
器に入れ、シャッターを用いて供給比を変化させること
によって、比較的容易にZr、Ti組成を制御すること
ができる。
器に入れ、シャッターを用いて供給比を変化させること
によって、比較的容易にZr、Ti組成を制御すること
ができる。
【0146】(第10の実施例)本実施例では、3つの
元素を用いて作成されるBST薄膜を、2つの固体有機
原料を保持した原料供給装置と、1つの原料を保持した
原料供給装置を用いて作製する例を示す。
元素を用いて作成されるBST薄膜を、2つの固体有機
原料を保持した原料供給装置と、1つの原料を保持した
原料供給装置を用いて作製する例を示す。
【0147】BST薄膜の場合は、ペロブスカイト型構
造のAサイトイオンの比により特性が大きく異なる。そ
こで、本実施例では、AサイトイオンであるBaとSr
の原料を同一の原料供給装置に入れ組成制御を行う。原
料としては、Ba原料には融点が217℃のBa(DP
M)2、Sr原料には融点が210℃のSr(DPM)2を
用いる。Ti原料にはTi(DPM)2(i−C3H7)2を用
いる。なお、本実施例では、Ti原料は独立に供給する
ので、Ti原料については、液体原料であるTi(O−
i−C3H7)4を用い、公知の液体原料供給装置を用いて
供給してもよい。
造のAサイトイオンの比により特性が大きく異なる。そ
こで、本実施例では、AサイトイオンであるBaとSr
の原料を同一の原料供給装置に入れ組成制御を行う。原
料としては、Ba原料には融点が217℃のBa(DP
M)2、Sr原料には融点が210℃のSr(DPM)2を
用いる。Ti原料にはTi(DPM)2(i−C3H7)2を用
いる。なお、本実施例では、Ti原料は独立に供給する
ので、Ti原料については、液体原料であるTi(O−
i−C3H7)4を用い、公知の液体原料供給装置を用いて
供給してもよい。
【0148】Ba原料とSr原料は、図5に示すよう
に、貫通穴を有する構造の原料担持体の貫通穴壁面に、
面積比1:1の領域に付着させる。Ba、Srの各原料
の各原料を付着させる領域の面積比は、蒸気圧特性の違
いを考慮して変えてもよい。また、シャッターとして
は、半円の平面形状のものを用いるが、原料供給量の、
必要な可変幅を考慮して他の面積のシャッターを用いて
もよい。
に、貫通穴を有する構造の原料担持体の貫通穴壁面に、
面積比1:1の領域に付着させる。Ba、Srの各原料
の各原料を付着させる領域の面積比は、蒸気圧特性の違
いを考慮して変えてもよい。また、シャッターとして
は、半円の平面形状のものを用いるが、原料供給量の、
必要な可変幅を考慮して他の面積のシャッターを用いて
もよい。
【0149】この様にBa原料とSr原料両方を保持し
た原料供給装置をMOCVD装置に取り付け、原料容器
をオーブンで加熱し、キャリアガスを流し基板上へ原料
を輸送する。この際、BサイトのTi原料を同一の反応
容器に同時に供給しBST薄膜を作製する。Aサイト/
Bサイトの比は、Ba、Sr原料を保持した原料容器お
よび/またはTi原料を保持した原料容器に流すキャリ
アガスの流量、および/または各原料容器を加熱する各
オーブンの設定温度を変化させて調節する。Aサイトイ
オンであるBaとSrの比はシャッターを駆動すること
によって、基板表面上での気流の流れはほとんど変化さ
せずに変えることができる。
た原料供給装置をMOCVD装置に取り付け、原料容器
をオーブンで加熱し、キャリアガスを流し基板上へ原料
を輸送する。この際、BサイトのTi原料を同一の反応
容器に同時に供給しBST薄膜を作製する。Aサイト/
Bサイトの比は、Ba、Sr原料を保持した原料容器お
よび/またはTi原料を保持した原料容器に流すキャリ
アガスの流量、および/または各原料容器を加熱する各
オーブンの設定温度を変化させて調節する。Aサイトイ
オンであるBaとSrの比はシャッターを駆動すること
によって、基板表面上での気流の流れはほとんど変化さ
せずに変えることができる。
【0150】この様にBa、Sr原料を1つの原料容器
に入れ、シャッターを用いて供給比を変化させることに
よって、比較的容易にBa、Sr組成を制御することが
できる。
に入れ、シャッターを用いて供給比を変化させることに
よって、比較的容易にBa、Sr組成を制御することが
できる。
【0151】(第11の実施例)本実施例では、1つの
原料供給装置を用い、シャッターを用いずに、一定の組
成のPT薄膜を作成する例を示す。
原料供給装置を用い、シャッターを用いずに、一定の組
成のPT薄膜を作成する例を示す。
【0152】本実施例では、Pb原料としてPb(DP
M)2、Ti原料としてTi(DPM)2(i−C3H7)2を用
いる。これらの原料を、貫通穴を有する構造の1つの原
料担持体の貫通穴壁面に付着させる。各原料の担持領域
の面積比は、これらの原料の蒸気圧特性を考慮し、基板
上に供給される原料の組成比がPb:Ti=1:1になる
ように調整する。
M)2、Ti原料としてTi(DPM)2(i−C3H7)2を用
いる。これらの原料を、貫通穴を有する構造の1つの原
料担持体の貫通穴壁面に付着させる。各原料の担持領域
の面積比は、これらの原料の蒸気圧特性を考慮し、基板
上に供給される原料の組成比がPb:Ti=1:1になる
ように調整する。
【0153】この場合、実際に基板上に形成される薄膜
の組成比は、基板温度などの成膜条件によって変化する
ので、基板温度などの成膜条件は固定する必要がある。
また、基板上に形成される薄膜の組成比と各原料の蒸気
圧曲線から予測される組成比には若干のずれが生じる場
合がある。そこで、第8の実施例で示したようなシャッ
ターを設けた原料供給装置を用いて、基板上に形成され
る薄膜の組成比と、各原料を保持した領域の面積比の関
係を予め求め、その関係から各原料を保持する領域の面
積比を決めることによって、より精度良く組成比を調整
できる。
の組成比は、基板温度などの成膜条件によって変化する
ので、基板温度などの成膜条件は固定する必要がある。
また、基板上に形成される薄膜の組成比と各原料の蒸気
圧曲線から予測される組成比には若干のずれが生じる場
合がある。そこで、第8の実施例で示したようなシャッ
ターを設けた原料供給装置を用いて、基板上に形成され
る薄膜の組成比と、各原料を保持した領域の面積比の関
係を予め求め、その関係から各原料を保持する領域の面
積比を決めることによって、より精度良く組成比を調整
できる。
【0154】このように2つの原料を付着させた原料担
持体を原料容器に入れ、MOCVD装置に取り付け、原
料容器をオーブンを用いて適温に加熱して、キャリアガ
スを流し原料を基板上へ輸送して薄膜を形成する。本実
施例では、このようにPb、Tiそれぞれの原料を、そ
れぞれの蒸気圧特性と所望の組成比に応じた面積比の領
域に付着させた原料担持体を用いて成膜を行うことによ
って、所望の組成比のPT薄膜を容易に作製することが
できる。
持体を原料容器に入れ、MOCVD装置に取り付け、原
料容器をオーブンを用いて適温に加熱して、キャリアガ
スを流し原料を基板上へ輸送して薄膜を形成する。本実
施例では、このようにPb、Tiそれぞれの原料を、そ
れぞれの蒸気圧特性と所望の組成比に応じた面積比の領
域に付着させた原料担持体を用いて成膜を行うことによ
って、所望の組成比のPT薄膜を容易に作製することが
できる。
【0155】(第12の実施例)本実施例では、1つま
たは2つの原料容器を用い、シャッターを用いずに、一
定の組成のPZT薄膜を作成する例を示す。
たは2つの原料容器を用い、シャッターを用いずに、一
定の組成のPZT薄膜を作成する例を示す。
【0156】本実施例では、Pb原料にはPb(DPM)
2、Zr原料にはZr(DPM)4、Ti原料にはTi(D
PM)2(i−C3H7)2を用いる。そして、Zr、Tiの
各原料を、貫通穴を有する構造の1つの原料担持体の貫
通穴壁面に付着させる。各原料の担持領域の面積比は、
第11の実施例におけるのと同様に、これらの原料の蒸
気圧特性を考慮し、各原料の比率が所望の比率になるよ
うに設定する。Pb原料については単独で反応容器に供
給する。これによって、Zr、Ti原料を一定比率で供
給でき、Zr、Tiの組成比が所望の値になったPZT
薄膜を作製することができる。
2、Zr原料にはZr(DPM)4、Ti原料にはTi(D
PM)2(i−C3H7)2を用いる。そして、Zr、Tiの
各原料を、貫通穴を有する構造の1つの原料担持体の貫
通穴壁面に付着させる。各原料の担持領域の面積比は、
第11の実施例におけるのと同様に、これらの原料の蒸
気圧特性を考慮し、各原料の比率が所望の比率になるよ
うに設定する。Pb原料については単独で反応容器に供
給する。これによって、Zr、Ti原料を一定比率で供
給でき、Zr、Tiの組成比が所望の値になったPZT
薄膜を作製することができる。
【0157】また、他の作製例として、Pb原料、Zr
原料、Ti原料を同一の原料担持体に保持させる。すな
わち、3つの原料を同一の原料容器内に保持させる。各
原料を保持させる領域の面積比は、これらの原料の蒸気
圧特性を考慮し、各原料の比率が所望の比率になるよう
に設定する。これによって、Pb、Zr、Ti原料を一
定比率で供給でき、Pb、Zr、Tiの組成比が所望の
値になったPZT薄膜を作製することができる。
原料、Ti原料を同一の原料担持体に保持させる。すな
わち、3つの原料を同一の原料容器内に保持させる。各
原料を保持させる領域の面積比は、これらの原料の蒸気
圧特性を考慮し、各原料の比率が所望の比率になるよう
に設定する。これによって、Pb、Zr、Ti原料を一
定比率で供給でき、Pb、Zr、Tiの組成比が所望の
値になったPZT薄膜を作製することができる。
【0158】(第13の実施例)本実施例では、2つの
原料容器を用い、シャッターを用いずに、一定の組成の
BST薄膜を作成する例を示す。
原料容器を用い、シャッターを用いずに、一定の組成の
BST薄膜を作成する例を示す。
【0159】この場合、Ba原料とSr原料を1つの原
料担持体に保持させる。Ba原料とSr原料を保持させ
る領域の面積比は、各原料の蒸気圧特性を考慮し、Ba
とSrの組成比が所望の比率になるように設定する。T
i原料は、単独で反応容器に供給する。これによって、
Ba、Sr原料を一定比率で供給でき、Ba、Srの組
成比が所望の値になったBST薄膜を作製することがで
きる。
料担持体に保持させる。Ba原料とSr原料を保持させ
る領域の面積比は、各原料の蒸気圧特性を考慮し、Ba
とSrの組成比が所望の比率になるように設定する。T
i原料は、単独で反応容器に供給する。これによって、
Ba、Sr原料を一定比率で供給でき、Ba、Srの組
成比が所望の値になったBST薄膜を作製することがで
きる。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体有機
金属原料供給装置によれば、キャリアガスを原料担持体
の、キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て部分領
域に流通させ、キャリアガスを流通させる部分領域を周
期的に変化させることによって、原料ガス中の有機金属
ガスの量を安定させることができ、また、原料ガス中の
有機金属ガスの量や、複数種類の有機金属ガスの供給比
を迅速に変化させることができる。キャリアガスを流通
させる部分領域を変化させるには、原料担持体の端部を
部分的に覆うシャッターを設け、それを移動させる方法
が好適である。
金属原料供給装置によれば、キャリアガスを原料担持体
の、キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て部分領
域に流通させ、キャリアガスを流通させる部分領域を周
期的に変化させることによって、原料ガス中の有機金属
ガスの量を安定させることができ、また、原料ガス中の
有機金属ガスの量や、複数種類の有機金属ガスの供給比
を迅速に変化させることができる。キャリアガスを流通
させる部分領域を変化させるには、原料担持体の端部を
部分的に覆うシャッターを設け、それを移動させる方法
が好適である。
【0161】すなわち、シャッターを原料担持領域内で
周期的に移動させることによって、シャッターで覆われ
た領域で有機金属ガスの蒸気圧を飽和蒸気圧へと復帰さ
せることができる。このため原料ガスを繰り返し行った
後であっても、有機金属ガスが飽和蒸気圧に近い一定の
圧力で存在している領域にキャリアガスを通すことがで
きる。したがって、原料ガス供給を繰り返し行っても、
長期間にわたって安定して所望の量の有機金属ガスが含
まれた原料ガスを供給することができる。
周期的に移動させることによって、シャッターで覆われ
た領域で有機金属ガスの蒸気圧を飽和蒸気圧へと復帰さ
せることができる。このため原料ガスを繰り返し行った
後であっても、有機金属ガスが飽和蒸気圧に近い一定の
圧力で存在している領域にキャリアガスを通すことがで
きる。したがって、原料ガス供給を繰り返し行っても、
長期間にわたって安定して所望の量の有機金属ガスが含
まれた原料ガスを供給することができる。
【0162】また、固体有機金属原料を担持している領
域と重なる面積を変化させるようにシャッターを移動さ
せることによって、原料ガス中の有機金属ガスの量を迅
速に変化させることができる。また、複数種類の固体有
機金属原料のそれぞれを保持する領域とそれぞれ重なる
面積の比を変化させるようにシャッターを移動させるこ
とによって、有機金属ガスの供給比を迅速に変化させる
ことができる。
域と重なる面積を変化させるようにシャッターを移動さ
せることによって、原料ガス中の有機金属ガスの量を迅
速に変化させることができる。また、複数種類の固体有
機金属原料のそれぞれを保持する領域とそれぞれ重なる
面積の比を変化させるようにシャッターを移動させるこ
とによって、有機金属ガスの供給比を迅速に変化させる
ことができる。
【0163】上述の各態様では、シャッターを移動させ
ても、原料担持体の入口から出口までの全体のコンダク
タンスが変化させないようにすることができ、したがっ
て、原料ガスの全流を変化させないようにすることがで
きる。したがって、従来技術におけるような補償ライン
を設けなくても、原料ガス全体の流量に変動を生じさせ
ることなく、供給する有機金属ガスの量や複数種類の有
機金属ガスの供給比を変化させることが可能であり、装
置の簡素化、コストダウンを図ることもできる。
ても、原料担持体の入口から出口までの全体のコンダク
タンスが変化させないようにすることができ、したがっ
て、原料ガスの全流を変化させないようにすることがで
きる。したがって、従来技術におけるような補償ライン
を設けなくても、原料ガス全体の流量に変動を生じさせ
ることなく、供給する有機金属ガスの量や複数種類の有
機金属ガスの供給比を変化させることが可能であり、装
置の簡素化、コストダウンを図ることもできる。
【0164】また、本発明の他の態様の固体有機金属原
料供給装置では、原料担持体に複数種類の固体有機金属
を担持させることによって、複数種類の有機金属ガスが
一定の比率で含まれた原料ガスを容易に供給することが
できる。
料供給装置では、原料担持体に複数種類の固体有機金属
を担持させることによって、複数種類の有機金属ガスが
一定の比率で含まれた原料ガスを容易に供給することが
できる。
【0165】本発明による有機金属化学気相蒸着装置で
は、上述のような固体有機金属原料供給装置を有するこ
とによって、固体有機金属を気化させた有機金属ガスを
反応容器内に安定して供給することができ、また基板上
での気流に変動を生じさせることなく、供給量や供給比
を変化させることができる。したがって本発明によれ
ば、高品位の、高機能を有する堆積膜を形成することが
可能となる。
は、上述のような固体有機金属原料供給装置を有するこ
とによって、固体有機金属を気化させた有機金属ガスを
反応容器内に安定して供給することができ、また基板上
での気流に変動を生じさせることなく、供給量や供給比
を変化させることができる。したがって本発明によれ
ば、高品位の、高機能を有する堆積膜を形成することが
可能となる。
【図1】本発明の第1の実施形態の原料供給装置の模式
的構成図である。
的構成図である。
【図2】図1の原料供給装置の模式的斜視図である。
【図3】図1の原料供給装置を組み込むことができる一
例のMOCVD装置の模式的構成図である、
例のMOCVD装置の模式的構成図である、
【図4】図1の原料供給装置に装着可能な一例の原料担
持体の模式図であり、図4(a)は平面図、図4(b)
は斜視図である。
持体の模式図であり、図4(a)は平面図、図4(b)
は斜視図である。
【図5】図1の原料供給装置に装着可能な他の原料担持
体の模式図であり、図5(a)は部分平面図、図5
(b)は斜視図である。
体の模式図であり、図5(a)は部分平面図、図5
(b)は斜視図である。
【図6】図1の原料供給装置のシャッターの平面図であ
り、図6(a)〜(c)はそれぞれ異なる構成例を示し
ている。
り、図6(a)〜(c)はそれぞれ異なる構成例を示し
ている。
【図7】導入側シャッターと導出側シャッターの一例の
駆動方法を説明する平面図である。
駆動方法を説明する平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるシャッターと
原料担持体の構成を示す模式的平面図である。
原料担持体の構成を示す模式的平面図である。
【図9】図8の変形例を示す平面図である。
【図10】図8の他の変形例を示す平面図である。
【図11】図8のさらに他の変形例を示す平面図であ
る。
る。
【図12】本発明の第3の実施形態の原料供給装置を示
す模式的構成図である。
す模式的構成図である。
【図13】図12の原料供給装置に装着可能な一例の原
料担持体の構成を示す模式的平面図である。
料担持体の構成を示す模式的平面図である。
【図14】図13の変形例を示す平面図である。
【図15】図13の他の変形例を示す平面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態におけるシャッター
と原料担持体の構成を示す模式的平面図である。
と原料担持体の構成を示す模式的平面図である。
【図17】図16の変形例を示す平面図である。
【図18】図16の他の変形例を示す平面図である。
【図19】従来例の原料供給装置の模式的構成図であ
る。
る。
【図20】他の従来例の原料供給装置の模式的構成図で
ある。
ある。
【図21】さらに他の従来例の原料供給装置の模式的構
成図である。
成図である。
【図22】さらに他の従来例の原料供給装置の模式的構
成図である。
成図である。
【図23】従来例のキャリアガス供給系の構成を示す模
式図である。
式図である。
1,1a,1b,30a,30b,30c,40,40
a,40b,40c,40d,40e 原料担持体 2 貫通穴 3,65 吸着剤粒体 3b,85 固体有機金属原料 4,51 導入側バルブ 5,52 導出側バルブ 6,60,50,80,90 原料容器 7 シャワーヘッド 8,53,63,73,83,91 導入管 9,54,92 導出管 10,96 マスフローコントローラ 11,69 オーブン 12 バイパスバルブ 13 ニードルバルブ 14 反応容器 15 酸素供給ライン 16 基板ヒータ 17 吐出口 19 シャッター 21 シャッター駆動用シャフト 20 シャッター駆動機構 22 仕切り 23 穴 24 導入側シャッター 25 導出側シャッター 31 原料担持領域 32 ブランク領域 41 原料A担持領域 42 原料B担持領域 43 原料C担持領域 55 液体有機金属原料 64,84 仕切り 93 バイパス管 94 供給管
a,40b,40c,40d,40e 原料担持体 2 貫通穴 3,65 吸着剤粒体 3b,85 固体有機金属原料 4,51 導入側バルブ 5,52 導出側バルブ 6,60,50,80,90 原料容器 7 シャワーヘッド 8,53,63,73,83,91 導入管 9,54,92 導出管 10,96 マスフローコントローラ 11,69 オーブン 12 バイパスバルブ 13 ニードルバルブ 14 反応容器 15 酸素供給ライン 16 基板ヒータ 17 吐出口 19 シャッター 21 シャッター駆動用シャフト 20 シャッター駆動機構 22 仕切り 23 穴 24 導入側シャッター 25 導出側シャッター 31 原料担持領域 32 ブランク領域 41 原料A担持領域 42 原料B担持領域 43 原料C担持領域 55 液体有機金属原料 64,84 仕切り 93 バイパス管 94 供給管
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フロントページの続き
Fターム(参考) 4K030 AA11 AA16 BA01 BA18 BA22
BA42 BA46 EA01
5F045 AC07 BB03 BB08 EE02 EE04
Claims (34)
- 【請求項1】 固体有機金属を加熱する手段と、キャリ
アガスを流通させる手段と、前記キャリアガスを一端か
ら他端に通すことができ、流通する前記キャリアガスに
接する位置に前記固体有機金属を担持する原料担持体と
を有し、前記固体有機金属を加熱し気化させて有機金属
ガスを生成し、前記キャリアガスを前記原料担持体の一
端から導入し、前記有機金属ガスを前記キャリアガスと
共に他端から導出して、前記有機金属ガスと前記キャリ
アガスからなる原料ガスを供給する固体有機金属原料供
給装置であって、 前記キャリアガスを前記原料担持体の、前記キャリアガ
スの流通方向に垂直な面内で見て部分領域に流通させる
手段と、 前記キャリアガスを流通させる前記部分領域を変化させ
る手段とを有する固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項2】 前記キャリアガスを前記原料担持体の、
前記キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見た部分領
域に流通させる手段は、前記原料担持体の、前記キャリ
アガスを導入する側の端面または前記原料ガスを導出す
る側の端面の少なくとも一方を部分的に覆うシャッター
であり、 前記キャリアガスを流通させる前記部分領域を変化させ
る手段は、前記シャッターを、前記原料担持体を覆う位
置を変化させるように移動させるシャッター駆動機構で
ある、請求項1に記載の固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項3】 前記シャッター駆動機構は少なくとも1
つの前記シャッターを前記キャリアガスの流通方向に垂
直な面内で見て、前記原料担持体の、前記固体有機金属
を担持している領域内で周期的に移動させる、請求項2
に記載の固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項4】 前記シャッター駆動機構は、前記シャッ
ターを一定速度で回転駆動することによって周期的に移
動させる、請求項2に記載の固体有機金属原料供給装
置。 - 【請求項5】 前記原料担持体は、前記キャリアガスの
流通方向に垂直な面内で見て、前記固体有機金属を担持
している領域を部分的に有し、前記シャッター駆動機構
は少なくとも1つの前記シャッターを、前記キャリアガ
スの流通方向に見て前記固体有機金属を担持している領
域に重なる面積を変化させるように移動させる、請求項
2から4のいずれか1項に記載の固体有機金属原料供給
装置。 - 【請求項6】 前記原料担持体は、前記キャリアガスの
流通方向に垂直な面内で見て、複数種類の前記固体有機
金属をそれぞれ異なる領域に担持しており、前記シャッ
ター駆動機構は少なくとも1つの前記シャッターを、前
記キャリアガスの流通方向に見て前記複数種類の前記固
体有機金属をそれぞれ担持している領域のそれぞれと重
なる面積の比を変化させるように移動させる、請求項2
から5のいずれか1項に記載の固体有機金属原料供給装
置。 - 【請求項7】 前記原料担持体内の、前記キャリアガス
を通す経路の、前記キャリアガスの流通方向に垂直な面
内で平均した、単位面積当たりのコンダクタンスが、前
記シャッターの移動する範囲内で実質的に均一であり、
前記シャッター駆動機構は前記シャッターを、前記キャ
リアガスの流通方向に垂直な面内で見て前記シャッター
同士が互いに重なる面積を一定に保って移動させる、請
求項2から6のいずれか1項に記載の固体有機金属原料
供給装置。 - 【請求項8】 前記シャッターは、前記原料担持体の両
側の端面で前記キャリアガスの流通方向に垂直な面内で
見て同一の領域を覆うように連動するものを含む、請求
項2から7のいずれか1項に記載の固体有機金属原料供
給装置。 - 【請求項9】 前記シャッター駆動機構は、複数の前記
シャッターをそれぞれ独立して駆動する、請求項2から
8のいずれか1項に記載の記載の固体有機金属原料供給
装置。 - 【請求項10】 前記シャッターは、前記キャリアガス
の流通方向に垂直な面内の平面形状が扇形、または複数
の扇形を中心角の位置で結合した形状であり、前記シャ
ッター駆動機構は前記シャッターを中心角の位置を中心
として回転駆動する、請求項2から9のいずれか1項に
記載の固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項11】 固体有機金属を加熱する手段と、キャ
リアガスを流通させる手段と、前記キャリアガスを一端
から他端に通すことができ、流通する前記キャリアガス
に接する位置に前記固体有機金属を担持する原料担持体
とを有し、前記固体有機金属を加熱し気化させて有機金
属ガスを生成し、前記キャリアガスを前記原料担持体の
一端から導入し、前記有機金属ガスを前記キャリアガス
と共に他端から導出して、前記有機金属ガスと前記キャ
リアガスからなる原料ガスを供給する固体有機金属原料
供給装置であって、 前記原料担持体は複数種類の前記固体有機金属を担持し
ている固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項12】 前記原料担持体は、前記キャリアガス
の流通方向に垂直な面内で見て、複数種類の前記固体有
機金属をそれぞれ異なる領域に担持している、請求項1
1に記載の固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項13】 前記原料担持体の、前記キャリアガス
を導入する側の端面または前記原料ガスを導出する側の
端面の少なくとも一方を部分的に覆うシャッターと、 前記シャッターを、前記原料担持体を覆う位置を変化さ
せるように移動させるシャッター駆動機構とをさらに有
し、 前記シャッター駆動機構は、少なくとも1つの前記シャ
ッターを、前記キャリアガスの流通方向に垂直な面内で
見て、前記原料担持体の、複数種類の前記固体有機金属
をそれぞれ担持している、いずれか1つの領域内で周期
的に移動させる、請求項12に記載の固体有機金属原料
供給装置。 - 【請求項14】 前記原料担持体は、前記キャリアガス
の流通方向に貫通し、前記キャリアガスの流通方向に垂
直な面内で見て互いに隔離されている複数の部屋を有
し、該部屋内に前記固体有機金属を担持している、請求
項1から13のいずれか1項に記載の固体有機金属原料
供給装置。 - 【請求項15】 前記原料担持体の前記部屋内には、前
記固体有機金属を吸着させた吸着体が収容されている、
請求項14に記載の固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項16】 前記吸着体は粒状の多孔質から構成さ
れている、請求項15に記載の固体有機金属原料供給装
置。 - 【請求項17】 前記原料担持体の前記部屋の側壁に前
記固体有機金属が付着させられている、請求項14に記
載の固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項18】 前記原料担持体の材料はアルミナであ
る、請求項17に記載の固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項19】 前記固体有機金属はジピバロイルメタ
ン金属錯体である、請求項1から18のいずれか1項に
記載の固体有機金属原料供給装置。 - 【請求項20】 請求項1から19のいずれか1項に記
載の固体有機金属原料供給装置を有する有機金属化学気
相蒸着装置。 - 【請求項21】 キャリアガスを一端から他端に通すこ
とができる原料担持体に、流通する前記キャリアガスに
接する位置に固体有機金属を担持させる工程と、 前記固体有機金属を加熱し気化させて固体有機金属ガス
を発生させる工程と、 前記キャリアガスを前記原料担持体の一端から導入し、
前記有機金属ガスを前記キャリアガスと共に他端から導
出して、前記有機金属ガスと前記キャリアガスからなる
原料ガスを供給する工程とを有する固体有機金属原料供
給方法であって、 前記キャリアガスを前記原料担持体の、前記キャリアガ
スの流通方向に垂直な面内で見て部分領域に流通させる
工程と、 前記キャリアガスを流通させる前記部分領域を変化させ
る工程とを有する固体有機金属原料供給方法。 - 【請求項22】 前記キャリアガスを導入する側の端面
または前記原料ガスを導出する側の端面の少なくとも一
方をシャッターによって部分的に覆うことによって、前
記キャリアガスを前記原料担持体の、前記キャリアガス
の流通方向に垂直な面内で見て部分領域に流通させ、 前記シャッターを、前記原料担持体を覆う位置を変化さ
せるように移動させることによって、前記キャリアガス
を流通させる前記部分領域を変化させる、請求項21に
記載の固体有機金属原料供給方法。 - 【請求項23】 少なくとも1つの前記シャッターを前
記キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て、前記原
料担持体の、前記固体有機金属を担持している領域内で
周期的に移動させる工程を含む、請求項22に記載の固
体有機金属原料供給方法。 - 【請求項24】 前記シャッターを一定速度で回転させ
ることによって周期的に移動させる、請求項23に記載
の固体有機金属原料供給方法。 - 【請求項25】 前記固体有機金属を前記原料担持体
の、前記キャリアガスの流通方向に垂直な面内で見て部
分領域に担持させる工程と、 少なくとも1つの前記シャッターを、前記キャリアガス
の流通方向に見て前記固体有機金属が担持された領域に
重なる面積を変化させるように移動させる工程とを含
む、請求項22から24のいずれか1項に記載の固体有
機金属原料供給方法。 - 【請求項26】 複数種類の前記固体有機金属を前記原
料担持体の、前記キャリアガスの流通方向に垂直な面内
で見てそれぞれ異なる領域に担持させる工程と、 少なくとも1つの前記シャッターを、前記キャリアガス
の流通方向に見て前記複数種類の前記固体有機金属が担
持された領域のそれぞれと重なる面積の比を変化させる
ように移動させる工程とを含む、請求項22から25の
いずれか1項に記載の固体有機金属原料供給方法。 - 【請求項27】 前記原料担持体内の、前記キャリアガ
スを通す経路の、前記キャリアガスの流通方向に垂直な
面内で平均した、単位面積当たりのコンダクタンスが、
前記シャッターの移動する範囲内で実質的に均一であ
り、 前記シャッターを前記キャリアガスの流通方向に垂直な
面内で見て前記シャッター同士が互いに重なる面積を一
定に保って移動させる、請求項22から26のいずれか
1項に記載の固体有機金属原料供給方法。 - 【請求項28】 少なくとも1対の前記シャッターを、
前記原料担持体の両側の端面で前記キャリアガスの流通
方向に垂直な面内で見て同一の領域を覆うように連動さ
せる、請求項22から27のいずれか1項に記載の固体
有機金属原料供給方法。 - 【請求項29】 複数の前記シャッターをそれぞれ独立
して移動させる、請求項22から28のいずれか1項に
記載の固体有機金属原料供給方法。 - 【請求項30】 前記シャッターとして、前記キャリア
ガスの流通方向に垂直な面内の平面形状が扇形、または
複数の扇形を中心角の位置で結合した形状のものを用
い、前記シャッターを中心角の位置を中心として回転さ
せる、請求項22から29のいずれか1項に記載の固体
有機金属原料供給方法。 - 【請求項31】 キャリアガスを一端から他端に通すこ
とができる原料担持体の、流通する前記キャリアガスに
接する位置に固体有機金属を担持させる工程と、 前記固体有機金属を加熱し気化させて固体有機金属ガス
を発生させる工程と、 前記キャリアガスを前記原料担持体の一端から導入し、
前記有機金属ガスを前記キャリアガスと共に他端から導
出して、前記有機金属ガスと前記キャリアガスからなる
原料ガスを供給する工程とを有する固体有機金属原料供
給方法であって、 複数種類の前記固体有機金属を前記原料担持体に担持さ
せる固体有機金属原料供給方法。 - 【請求項32】 複数種類の前記固体有機金属を前記原
料担持体の、前記キャリアガスの流通方向に垂直な面内
で見て異なる領域にそれぞれ担持させる、請求項31に
記載の固体有機金属原料供給方法。 - 【請求項33】 前記原料担持体の、前記キャリアガス
を導入する側の端面または前記原料ガスを導出する側の
端面の少なくとも一方をシャッターによって部分的に覆
う工程と、 前記シャッターを前記キャリアガスの流通方向に垂直な
面内で見て、前記原料担持体の、少なくともいずれか1
種類の前記固体有機金属を担持している領域内で周期的
に移動させる工程とを含む、請求項32に記載の固体有
機金属原料供給方法。 - 【請求項34】 請求項22から33のいずれか1項に
記載された固体有機金属原料供給方法によって前記原料
ガスを反応容器内に供給する工程を含む、有機金属化学
気相蒸着方法。
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JP2002083613A JP2003282556A (ja) | 2002-03-25 | 2002-03-25 | 固体有機金属原料供給装置および供給方法 |
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