JP2003281218A - 金型モデル良否判定方法 - Google Patents

金型モデル良否判定方法

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JP2003281218A
JP2003281218A JP2002076744A JP2002076744A JP2003281218A JP 2003281218 A JP2003281218 A JP 2003281218A JP 2002076744 A JP2002076744 A JP 2002076744A JP 2002076744 A JP2002076744 A JP 2002076744A JP 2003281218 A JP2003281218 A JP 2003281218A
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JP2002076744A
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Akira Ishihara
章 石原
Masatoshi Izawa
昌敏 伊澤
Katsumasa Kimura
勝正 樹村
Shinichiro Fujikawa
真一郎 藤川
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CADデータに基づいて作成した金型モデル
の良否が判定できるようにする。 【解決手段】 加工後の製品形状を想定して作成した製
品形状データを入力し(S1)、製品加工時の加工寸法
データを製品形状データに付加し(S2)、この製品形
状データに基づいてワーク形状モデルを作成し(S
3)、また別の場所で、製品形状データを入力し(S
4)、製品加工時の工具軌跡を包含する加工パスデータ
を製品形状データに付加し(S5)、この製品形状デー
タに基づいて加工パス形状モデルを作成し(S6)、ワ
ーク形状モデルと加工パス形状モデルとを重ね、ワーク
形状モデルの加工部分の寸法が規定範囲内にあるか否か
を判断し(S7、S8)、作成された部品形状モデルの
動バランスが規定範囲内にあるか否かを判断し(S9、
S10)、加工部分の寸法と動バランスとがともに規定
範囲内にあるときには、ワーク形状モデルに基づいて、
加工前の製品形状を作成するための金型モデルを作成す
る(S11)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CADデータに基
づいて作成した金型モデルの良否を判定する金型モデル
良否判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クランクシャフトなどのような精
度の要求される部品は、鍛造加工によって製造されてい
る。鍛造加工をするときには、精度良く塑性変形させる
ために、その部品を金型で挟み込み圧しつぶして鍛錬す
る。製品の形状は金型の形状に倣って成形されるため、
金型の精度は非常に重要である。
【0003】一般的に、金型の作成は次の手順で行われ
る。まず、設計者は、金型モデル作成用コンピュータ
に、CADで作成された鍛造後の製品形状を示す製品形
状データを入力し、さらに、その製品形状データに鍛造
時に圧しつぶされる部分の寸法をパラメータとして入力
する。金型モデル作成用コンピュータは、製品形状デー
タにパラメータとして入力した寸法を付加して鍛造加工
前の製品形状(ワーク形状モデル)を作成する。そし
て、このワーク形状モデルと型構造モデルとを合成させ
ることによって金型モデルを得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の金型モデルの設計方法では、パラメータとし
て入力する圧しつぶされる部分の寸法等は、設計者自身
が手作業で入力していたため、勘違いによってパラメー
タの値を誤ってしまったり、単純にパラメータの値の入
力ミスをしてしまったりする場合が考えられる。
【0005】パラメータの値が正しい値から大きく外れ
ている場合には、その入力直後にエラーとなるが、その
値が正しい値とは微小な差しかない場合には、エラーと
ならずに入力されてしまう。金型モデル作成用コンピュ
ータは、入力されたパラメータに基づいてワーク形状モ
デルを作成してしまい、このワーク形状モデルに基づい
て金型モデルが作成されてしまう。この金型モデルに基
づいて金型が製造されてしまうと、実際の製造が開始さ
れる段階で金型の改造を余儀なくされることから、金型
改造に関する多大の損失が発生する。このような損失
は、作成された金型モデルの良否を判定できるようにす
ることによって未然に防ぐことができる。
【0006】本発明は、このような従来の方法の問題点
に鑑みて成されたものであり、CADデータに基づいて
作成した金型モデルの良否が判定できる金型モデル良否
判定方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決し、
目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかる金
型モデル良否判定方法は、加工後の製品形状を想定して
作成した製品形状データから、加工前の製品形状を示す
ワーク形状モデルと加工時の工具軌跡を示す加工パス形
状モデルとを作成する第1段階と、前記ワーク形状モデ
ルと前記加工パス形状モデルとを重ね、前記加工パス形
状モデルには包含されていない前記ワーク形状モデルの
加工部分の寸法が規定範囲内にあるか否かを判断する第
2段階と、を含むことを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の発明にかかる金型モデル
良否判定方法は、請求項1に記載の金型モデル良否判定
方法において、前記第1段階は、前記ワーク形状モデル
を作成する段階と、前記加工パス形状モデルを作成する
段階とからなり、それぞれの段階は、別々の場所で実行
されることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明にかかる金型モデル
良否判定方法は、請求項2に記載の金型モデル良否判定
方法において、前記ワーク形状モデルを作成する段階
は、加工後の製品形状を想定して作成した製品形状デー
タを入力する段階と、製品加工時の加工寸法データを前
記製品形状データに付加する段階と、加工寸法データが
付加された製品形状データに基づいてワーク形状モデル
を作成する段階と、からなることを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明にかかる金型モデル
良否判定方法は、請求項2に記載の金型モデル良否判定
方法において、前記加工パス形状モデルを作成する段階
は、加工後の製品形状を想定して作成した製品形状デー
タを入力する段階と、製品加工時の工具軌跡を包含する
加工パスデータを前記製品形状データに付加する段階
と、加工パスデータが付加された製品形状データに基づ
いて加工パス形状モデルを作成する段階と、からなるこ
とを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の発明にかかる金型モデル
良否判定方法は、請求項1に記載の金型モデル良否判定
方法において、前記加工部分の寸法が規定範囲内にある
と判断されたときには、前記ワーク形状モデルに基づい
て、加工前の製品形状を作成するための金型モデルを作
成する一方、前記加工部分の寸法が規定範囲内にないと
判断されたときには、前記ワーク形状モデルに欠陥があ
ると判断する段階をさらに有することを特徴とする。
【0012】請求項6に記載の発明にかかる金型モデル
良否判定方法は、請求項1に記載の金型モデル良否判定
方法において、前記第2段階に続いて、前記ワーク形状
モデルと前記加工パス形状モデルとを重ね、前記加工パ
ス形状モデルに包含されている前記ワーク形状モデルの
部分から部品形状モデルを作成する段階と、前記部品形
状モデルの動バランスを演算する段階と、動バランスが
規定範囲内にあるか否かを判断する段階と、をさらに含
むことを特徴とする。
【0013】請求項7に記載の発明にかかる金型モデル
良否判定方法は、請求項6に記載の金型モデル良否判定
方法において、前記加工部分の寸法と前記動バランスと
がともに規定範囲内にあると判断されたときには、前記
ワーク形状モデルに基づいて、加工前の製品形状を作成
するための金型モデルを作成する一方、前記加工部分の
寸法または前記動バランスの少なくとも一方が規定範囲
内にないと判断されたときには、前記ワーク形状モデル
に欠陥があると判断する段階をさらに有することを特徴
とする。
【0014】請求項8に記載の発明にかかる金型モデル
良否判定方法は、請求項1に記載の金型モデル良否判定
方法において、前記ワーク形状モデルと前記加工パス形
状モデルとを重ね、前記加工パス形状モデルには包含さ
れていない前記ワーク形状モデルの加工部分を画像表示
させる段階をさらに有することを特徴とする。
【0015】請求項9に記載の発明にかかる金型モデル
良否判定方法は、請求項6に記載の金型モデル良否判定
方法において、作成された部品形状モデルを画像表示さ
せる段階をさらに有することを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】本発明の金型モデル良否判定方法によれ
ば、加工パス形状モデルには包含されていないワーク形
状モデルの加工部分の寸法が規定範囲内にあるか否かを
判断できるようにしたので、実際に金型が製作される前
に、製作しようとしている金型の良否を判定することが
できる。
【0017】また、加工パス形状モデルに包含されてい
るワーク形状モデルの部分から部品形状モデルを作成
し、その部品形状モデルの動バランスが規定範囲内にあ
るか否かをも判断するようにしたので、製造される部品
のバランスの面からも、製作しようとしている金型の良
否を判定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発
明にかかる金型モデル良否判定方法の好適な実施の形態
を詳細に説明する。図1は、本発明にかかる方法を実施
する金型モデル作成用コンピュータの概略構成図であ
る。
【0019】金型モデル作成用コンピュータは、データ
入力部10、11、解析プログラム記憶部12、製品形
状データベース14、金型モデル良否判定部16、表示
部18を備えている。
【0020】データ入力部10、11は、金型設計に関
する各種の指示を入力したり、製品加工時の加工寸法デ
ータをパラメータとして入力したり、製品加工時の工具
軌跡を包含する加工パスデータをパラメータとして入力
したりするために用いられる。このデータ入力部10、
11は、キーボードまたはマウス等の入力装置であり、
それぞれ別々の場所に設けられる。
【0021】解析プログラム記憶部12は、本発明にか
かる金型モデル良否判定方法を実行するためのプログラ
ムを記憶する。製品形状データベース14は、加工後の
製品形状を想定して作成した製品形状データを記憶す
る。つまり、ある工程で加工作業が行われた場合に、そ
の加工作業が行われた後の製品形状に関するデータが記
憶されている。
【0022】金型モデル良否判定部16は、データ入力
部10または11から入力された、製品加工時の加工寸
法データまたは製品加工時の工具軌跡を包含する加工パ
スデータと、製品形状データベース14から取り出した
製品形状データとに基づいて、各種の形状モデル(ワー
ク形状モデル、加工パス形状モデル、金型モデル、部品
形状モデル)を作成し、これらのモデルに基づいて、金
型モデルの良否を判定する。また、作成した部品形状モ
デルの動バランスに基づいて、金型モデルの良否を判定
する。
【0023】表示部18は、金型モデル良否判定部16
によって作成された各種の形状モデルを画像表示した
り、金型モデルの良否の判定結果を表示したりする。な
お、表示部18は、CRTディスプレイまたは液晶ディ
スプレイなどの画像表示装置である。
【0024】図2は、本発明にかかる金型モデル良否判
定方法の手順を示すフローチャートである。この方法
は、金型モデル良否判定部16によって実施されるが、
このフローチャートに従った処理をするプログラムは、
解析プログラム記憶部12に記憶されている。
【0025】まず、設計部門で作業をする金型モデル作
成オペレータは、これから作成しようとする金型に対応
した製品形状データを取り出すための指示をデータ入力
部10から入力する。金型モデル良否判定部16は、製
品形状データベース14から指示された製品形状データ
を取り出す。ここで、製品形状データとは、加工後の製
品形状を想定して作成したデータであり、例えば、鍛造
を行う工程の場合、その鍛造が行われた後の製品形状に
関するデータである。具体的には、鍛造が行われた後の
図3(a)に示すような形状モデルをあらわすためのデ
ータである(S1)。
【0026】次に、金型モデル作成オペレータは、デー
タ入力部10から製品加工時の切削代(例えば、鍛造に
よって圧しつぶされる部分)に関するパラメータを入力
する。このパラメータは、製品加工時の加工寸法データ
であり、例えば、鍛造工程で製品を0.25mm圧しつ
ぶす場合には、0.25mmとなる(S2)。
【0027】金型モデル良否判定部16は、データ入力
部10から入力された製品加工時の切削代に関するパラ
メータを、製品形状データベース14から取り出した製
品形状データに付加する。例えば、上記のように圧しつ
ぶす部分の加工寸法データとして0.25mmの入力が
されたときには、圧しつぶされる部分の製品形状データ
に0.25mmを加える。
【0028】そして、金型モデル良否判定部16は、加
工寸法データが付加された製品形状データに基づいて、
加工前の製品形状を示すワーク形状モデルを作成する。
このワーク形状モデルの作成は、例えば、特開平10−
269274号公報に開示されているような、パラメト
リック設計手法によって行う。
【0029】このワーク形状モデルは、例えば、鍛造を
行う工程の場合、その鍛造が行われる前の製品形状に関
するモデルである。具体的には、鍛造が行われる前の図
3(b)に示すような形状に関するモデルである。な
お、図3(b)の点線部の内側の形状は、製品形状デー
タから作成される図3(a)の形状モデルと同一であ
る。したがって、図3(b)のワーク形状モデルは、製
品形状データから作成される図3(a)の形状モデルに
パラメータとして入力された肉厚部分を付加することに
よって形成されるモデルであると言える(S3)。
【0030】一方、検査部門で作業をする検査オペレー
タは、設計部門でこれから作成しようとする金型に対応
した製品形状データを取り出すための指示をデータ入力
部10から入力する。金型モデル良否判定部16は、製
品形状データベース14から指示された製品形状データ
を取り出す。ここでの処理は、S1のステップの処理と
同一である(S4)。
【0031】次に、検査オペレータは、データ入力部1
1から製品加工時の工具軌跡を包含する加工パスデータ
をパラメータとして入力する。このパラメータは、製品
加工時の切削部分の工具軌跡に関する工具軌跡データで
ある。この工具軌跡データで特に重要な部分は、製品に
対して加工を加える部分のデータである。なお、切削部
分以外の工具軌跡はどのような軌跡でも良いので、後述
する加工パス形状モデルを描き易いデータを入力する。
(S5)。
【0032】金型モデル良否判定部16は、データ入力
部11から入力された加工パスに関するパラメータを製
品形状データベース14から取り出した製品形状データ
に付加し、この製品形状データに基づいて、製品加工時
の工具軌跡が包含された加工パス形状モデルを作成す
る。この加工パス形状モデルの作成も、例えば、特開平
10−269274号公報に開示されているような、パ
ラメトリック設計手法によって行う。例えば、加工パス
形状モデルは、図3(c)に示すような工具軌跡を含む
モデルである。換言すれば、加工パス形状モデルは、ワ
ーク形状モデルを仮想的に加工(圧しつぶしや切削)す
るために用いられるモデルである(S6)。
【0033】以上のワーク形状モデルを作成するまでの
処理は請求項3に相当し、加工パス形状モデルを作成す
るまでの処理は請求項4に相当する。また、ワーク形状
モデルを作成するまでの処理および加工パス形状モデル
を作成するまでの処理は請求項2または請求項1の第1
段階に相当する。
【0034】次に、金型モデル良否判定部16は、作成
したワーク形状モデルと加工パス形状モデルを同一の座
標軸上で重ね、その加工パス形状モデルには包含されて
いないワーク形状モデルの加工部分を他の部分とは色を
変えて表示部18に画像表示させる。金型モデル作成オ
ペレータは、この画像を見て加工時に削りとられる部分
やその削り取られる量の大きさを目視確認する。この目
視確認によって、金型モデル作成オペレータがS2のス
テップで入力した切削代に関するパラメータに、入力ミ
スがあるか否かがある程度把握できる。
【0035】例えば、加工前の製品の形状を示すワーク
形状モデルが図3(b)に示すような形状であり、その
ワーク形状モデルを切削させるための加工パス形状モデ
ルが同図(c)に示すような形状であったときには、同
図(d)に示すような画像が表示部18に表示される。
この画像を見れば、ワーク形状モデルのどこが加工され
るのかが一目でわかる。同図(d)の場合、切削される
部分が図の斜線部分であることがわかる。したがって、
切削される部分が存在するのに画像表示されていなかっ
たり、切削される部分の厚みが明らかに薄すぎたりした
場合には、その画像を見ただけで、金型モデル作成オペ
レータがパラメータの入力ミスをしたことがわかる(S
7)。
【0036】次に、金型モデル良否判定部16は、作成
したワーク形状モデルと加工パス形状モデルを同一の座
標軸上で重ねることによって得られた加工部分の寸法
(切削代)が規定範囲内にあるか否かを判断する。つま
り、加工前の製品形状から加工時に削りとられる部分の
寸法が規定範囲内にあるか否かを判断する。この判断に
よって、金型モデル作成オペレータの入力ミスがさらに
精度良く判断される。このステップの処理は、具体的に
は図4に示すフローチャートに基づいて行われる(S
8)。
【0037】まず、ワーク形状モデルに存在する加工部
分(切削代パーツ)を全て抽出する。この抽出は、一般
的な画像処理においてよく用いられる、孤立部分を求め
る処理を使用して行う。例えば、図3(d)の場合、斜
線で示される部分が孤立部分として抽出されるので、左
右の2箇所の孤立部分が切削代パーツとなる(S2
1)。そして、切削代パーツを数えるためのカウンター
Iの値を1にセットする(S22)。
【0038】次に、1つの目の切削代パーツの厚みの寸
法T(1)を抽出し(S23)、その寸法が切削代許容
値S以内であるか否かが判断される(S24)。切削代
パーツの厚みの寸法T(1)が切削代許容値S以内であ
れば(S24:OK)、金型モデル良否判断部16内で
OK信号が出力され(S25)、それが切削代許容値S
を超えていれば(S24:NG)、NG信号が出力され
る(S26)。なお、抽出したどの切削代のパラメータ
の入力が疑わしいかは、表示部18に表示する。
【0039】次に、カウンターIの値を1だけインクリ
メントし(S27)、2つ目以降の切削代パーツについ
て同様の処理をする。抽出した全ての切削代パーツにつ
いて処理が終了すると、図2のメインルーチンの処理に
戻る。なお、以上のS7、S8の処理は、請求項5と請
求項8に相当する。
【0040】上記の処理で全ての切削代の寸法が規定値
以内であれば、作成されたワーク形状モデルには異常が
ないので、このワーク形状モデルを基にして金型モデル
を作成する。この金型モデルは、加工前の製品形状を製
作するためのモデルとなる。
【0041】なお、本実施の形態では、加工寸法データ
の入力ミスの有無を、切削代パーツの厚みの寸法が切削
代許容値よりの大きいか小さいかによって判断する場合
を例示したが、切削代パーツの厚みの寸法がある上限値
とある下限値との間に収まっているか否かによって判断
するようにしてもよい。
【0042】以上までの処理を、製品がクランクシャフ
トである場合を例にまとめて説明する。まず、設計部門
で作業をする金型モデル作成オペレータは、加工後のク
ランクシャフトの形状を示す製品形状データに切削代の
パラメータを加え、加工前のクランクシャフトの形状を
示す製品形状データを作成する。そして、この製品形状
データに基づいて図5に示すような加工前のクランクシ
ャフトのワーク形状モデルを作成する。一方、検査部門
で作業をする検査オペレータは、加工後のクランクシャ
フトの形状を示す製品形状データに製品加工時の工具軌
跡を包含する加工パスデータ加え、加工時の工具軌跡を
示す製品形状データを作成する。そして、この製品形状
データに基づいて図6に示すようなクランクシャフトを
削るための加工パス形状モデルを作成する。
【0043】次に、図5に示す加工前のクランクシャフ
トのワーク形状モデルと図6に示すクランクシャフトを
削るための加工パス形状モデルを重ねて、図7に示すよ
うな切削部分および切削量を目視判断するための形状モ
デルを作成する。図7では、切削される部分の色が他の
部分の色よりも濃くなっている。したがって、金型モデ
ル作成オペレータは切削される部分を容易に目視判断す
ることができ、金型モデル作成オペレータが入力したパ
ラメータが正しいかどうかをある程度の精度で判断する
ことができる。
【0044】また、図7に示されている切削部分を定量
的に測定して、この切削部分の寸法が規定範囲内にある
か否かを判断し、さらに高精度に、金型モデル作成オペ
レータによって入力されたパラメータが正しいかどうか
を判断することができる。なお、切削部分の寸法が一定
の範囲に収まっているかどうかを判断するのは、それが
大きすぎても小さすぎても切削精度に悪影響を及ぼし、
高精度の製品の製造が難しくなるからである。
【0045】以上のようにして、切削部分の寸法による
自動判定の処理が終了すると、次に、バランスによる自
動判定を行うための処理を行う。この処理は次のように
して行われる。まず、金型モデル良否判定部16は、さ
らに、作成したワーク形状モデルと加工パス形状モデル
を同一の座標軸上で重ね、加工パス形状モデルに包含さ
れているワーク形状モデルの部分から部品形状モデルを
作成する。この部品形状モデルは、表示部18に表示さ
れる。この部品形状モデルは、ワーク形状モデルと加工
パス形状モデルとの論理積を演算することによって作成
する。つまり、部品形状モデルは、ワーク形状モデルで
示される製品形状が加工パス形状モデルで削り取られた
結果得られるモデルである。具体的には、例えば、図3
(b)のワーク形状モデルと同図(c)の加工パス形状
モデルとが重なり合う部分を切り取った結果得られる同
図(e)に示すような形状のモデルである。また、上記
のクランクシャフトの場合、図5に示したワーク形状モ
デルと図6に示した加工パス形状モデルとの論理積の結
果得られる図8に示すようなモデルである(S9)。
【0046】次に、金型モデル良否判定部16は、この
部品形状モデルの動バランスを演算し、バランス良否の
自動判定をする(S10)。この動バランスの演算は、
図9のフローチャートに示した手順で行われる。なおこ
のフローチャートは、図8の部品形状モデルの動バラン
スを求めるものであるので、図10の図面を参照しなが
ら動バランスの算出手順を説明する。
【0047】まず、図10に示すように、クランクシャ
フトを軸方向に支点A−B間でn等分し、その分割位置
を示すカウンタkの値を1に、そして、動バランスの演
算結果を示すWRの値を0.0にセットする(S3
1)。つぎに、下記の式を用いて動バランスWRを演算
する。
【0048】WR=WR+W(k)*r(k)*(L−
l(k))/L この動バランスWRは、クランクシャフトが回転したと
きにどの回転位置でどの程度の重量バランスの不均衡を
生じているかを示すものである(S32)。
【0049】この動バランスの計算は、一般的に行われ
ている計算であるので、詳しくは説明しないが、この計
算は、カウンタkの値を1ずつインクリメントしながら
1〜nまでn回繰り返される(S33)。
【0050】最終的に求められた動バランスWRが、あ
らかじめ規定されているバランス許容値S以内であるか
否かが判断される(S34)。演算された動バランスが
バランス許容値S以内であれば(S34:OK)、金型
モデル良否判断部16内でOK信号が出力され(S3
5)、それがバランス許容値Sを超えていれば(S3
4:NG)、NG信号が出力される(S36)。以上の
処理が終了すると、図2のメインルーチンの処理に戻
る。
【0051】金型モデル良否判定部16は、S8のステ
ップにおける切削代の判定結果と、S10におけるバラ
ンスの判定結果とから最終的な判定を演算する。すなわ
ち、全ての加工部分の切削代の寸法が規定値以内であ
り、かつ、動バランスの値も規定値以内であるときに
は、作成されたワーク形状モデルには異常がないので、
このワーク形状モデルを基にして金型モデルを作成す
る。この金型モデルは、加工前の製品形状を製作するた
めのモデルとなる。一方、切削代の寸法または動バラン
スの値のいずれかが規定値以内にない場合には、前記ワ
ーク形状モデルに欠陥があると判断する。この場合に
は、加工寸法データの入力ミスがあったか、または、も
ともとの製品形状に欠陥があると考えられるので、製品
形状データを見直したり、パラメータの入力をしなおし
たりする(S11)。
【0052】なお、本実施の形態では、動バランスの良
否を、演算された動バランスがバランス許容値よりの大
きいか小さいかによって判断する場合を例示したが、演
算された動バランスがある上限値とある下限値との間に
収まっているか否かによって判断するようにしてもよ
い。
【0053】以上のように、本発明の方法によれば、金
型モデル作成オペレータによって入力されたパラメータ
に誤りがあるか否かを高精度で検知することができ、ま
た、最終的に作成される部品形状モデルの動バランスか
ら、そのモデル自体の良否を判定することができる。し
たがって、金型を作成してしまってから、その手直しを
する手間と費用を削減することができ、非常に信頼性の
高い金型の作成が可能になる。また、最終的に作成され
る部品形状を部品形状モデルで確認することができるの
で、部品を作成する前に部品形状や機能が部品仕様を満
足するかどうかも確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる方法を実施する金型モデル作成
用コンピュータの概略構成図である。
【図2】本発明にかかる金型モデル良否判定方法の手順
を示すフローチャートである。
【図3】本発明にかかる方法の説明に供する図である。
【図4】切削代良否の自動判定のサブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図5】製品がクランクシャフトの場合のワーク形状モ
デルを示す図である。
【図6】製品がクランクシャフトの場合の加工パス形状
モデルを示す図である。
【図7】製品がクランクシャフトの場合の切削代を示す
図である。
【図8】製品がクランクシャフトの場合の部品形状モデ
ルを示す図である。
【図9】部品形状モデルの動バランスの良否判定フロー
チャートである。
【図10】動バランスの演算の説明に供する図である。
【符号の説明】
10、11…データ入力部、 12…解析プログラム記憶部、 14…製品形状データベース、 16…金型モデル良否判定部、 18…表示部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樹村 勝正 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 藤川 真一郎 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4E087 ED01 5B046 AA05 JA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工後の製品形状を想定して作成した製
    品形状データから、加工前の製品形状を示すワーク形状
    モデルと加工時の工具軌跡を示す加工パス形状モデルと
    を作成する第1段階と、 前記ワーク形状モデルと前記加工パス形状モデルとを重
    ね、前記加工パス形状モデルには包含されていない前記
    ワーク形状モデルの加工部分の寸法が規定範囲内にある
    か否かを判断する第2段階と、 を含むことを特徴とする金型モデル良否判定方法。
  2. 【請求項2】 前記第1段階は、 前記ワーク形状モデルを作成する段階と、 前記加工パス形状モデルを作成する段階とからなり、 それぞれの段階は、別々の場所で実行されることを特徴
    とする請求項1に記載の金型モデル良否判定方法。
  3. 【請求項3】 前記ワーク形状モデルを作成する段階
    は、 加工後の製品形状を想定して作成した製品形状データを
    入力する段階と、 製品加工時の加工寸法データを前記製品形状データに付
    加する段階と、 加工寸法データが付加された製品形状データに基づいて
    ワーク形状モデルを作成する段階と、 からなることを特徴とする請求項2に記載の金型モデル
    良否判定方法。
  4. 【請求項4】 前記加工パス形状モデルを作成する段階
    は、 加工後の製品形状を想定して作成した製品形状データを
    入力する段階と、 製品加工時の工具軌跡を包含する加工パスデータを前記
    製品形状データに付加する段階と、 加工パスデータが付加された製品形状データに基づいて
    加工パス形状モデルを作成する段階と、 からなることを特徴とする請求項2に記載の金型モデル
    良否判定方法。
  5. 【請求項5】 前記加工部分の寸法が規定範囲内にある
    と判断されたときには、前記ワーク形状モデルに基づい
    て、加工前の製品形状を作成するための金型モデルを作
    成する一方、前記加工部分の寸法が規定範囲内にないと
    判断されたときには、前記ワーク形状モデルに欠陥があ
    ると判断する段階をさらに有することを特徴とする請求
    項1に記載の金型モデル良否判定方法。
  6. 【請求項6】 前記第2段階に続いて、 前記ワーク形状モデルと前記加工パス形状モデルとを重
    ね、前記加工パス形状モデルに包含されている前記ワー
    ク形状モデルの部分から部品形状モデルを作成する段階
    と、 前記部品形状モデルの動バランスを演算する段階と、 動バランスが規定範囲内にあるか否かを判断する段階
    と、 をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の金型モ
    デル良否判定方法。
  7. 【請求項7】 前記加工部分の寸法と前記動バランスと
    がともに規定範囲内にあると判断されたときには、前記
    ワーク形状モデルに基づいて、加工前の製品形状を作成
    するための金型モデルを作成する一方、前記加工部分の
    寸法または前記動バランスの少なくとも一方が規定範囲
    内にないと判断されたときには、前記ワーク形状モデル
    に欠陥があると判断する段階をさらに有することを特徴
    とする請求項6に記載の金型モデル良否判定方法。
  8. 【請求項8】 前記ワーク形状モデルと前記加工パス形
    状モデルとを重ね、前記加工パス形状モデルには包含さ
    れていない前記ワーク形状モデルの加工部分を画像表示
    させる段階をさらに有することを特徴とする請求項1に
    記載の金型モデル良否判定方法。
  9. 【請求項9】 作成された部品形状モデルを画像表示さ
    せる段階をさらに有することを特徴とする請求項6に記
    載の金型モデル良否判定方法。
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