JP2003280136A - 銀塩光熱写真ドライイメージング材料、画像記録方法及び画像形成方法 - Google Patents

銀塩光熱写真ドライイメージング材料、画像記録方法及び画像形成方法

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JP2003280136A
JP2003280136A JP2003004323A JP2003004323A JP2003280136A JP 2003280136 A JP2003280136 A JP 2003280136A JP 2003004323 A JP2003004323 A JP 2003004323A JP 2003004323 A JP2003004323 A JP 2003004323A JP 2003280136 A JP2003280136 A JP 2003280136A
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Yasushi Yamashita
裕史 山下
Toshihisa Takeyama
敏久 竹山
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 最高濃度が高く、かぶりが少なく、保存安定
性に優れた銀塩光熱写真ドライイメージング材料、それ
を用いた画像記録方法及び画像形成方法の提供。 【解決手段】 非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子及び
感光性ハロゲン化銀粒子を有する感光性乳剤、銀イオン
還元剤、バインダー及び架橋剤を含有する銀塩光熱写真
ドライイメージング材料において、該架橋剤の少なくと
も一種が芳香族多価イソシアネート化合物であり、且
つ、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選
ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴と
する銀塩光熱写真ドライイメージング材料。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀塩光熱写真ドラ
イイメージング材料(以下、熱現像感光材料、感光材料
ともいう)、それを用いた画像記録方法及び画像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医療、印刷製版の分野では、画像
形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題と
なっており、近年では、環境保全、省スペースの観点か
らも処理廃液の減量が強く望まれている。
【0003】そこで、レーザー・イメージャーやレーザ
ー・イメージセッターにより効率的な露光が可能で、高
解像度で鮮明な黒色画像形成することができる写真技術
用途の熱現像感光材料に関する技術が必要とされてきて
おり、このような熱現像感光材料は、例えば、米国特許
第3,152,904号、同第3,457,075号又
はD.H.クロスタベール(Klosterboer)
による「ドライシルバー写真材料(Dry Silve
r Photographic Material
s)」(Handbook of Imaging M
aterials,Marcel Dekker,In
c.第48頁,1991)等に記載されているように、
支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、及び還
元剤を含有する熱現像感光材料が知られている。この熱
現像感光材料では溶液系処理薬品を一切使用しないた
め、より簡便で環境を損なわないシステムをユーザーに
提供することができる。
【0004】これらの中で、硬調化剤又は省銀化剤と呼
ばれる化合物を添加することにより、単位面積当たりの
銀付量を同じにした場合、上記各化合物を添加していな
い熱現像感光材料と比較して、高濃度を得ることができ
る熱現像感光材料が提案されている。
【0005】上記の熱現像感光材料としては、例えば、
米国特許第5,496,695号、同第5,545,5
05号、同第5,545,507号、同第5,637,
449号、同第5,654,130号、同第5,63
5,339号、同第5,545,515号、同第5,6
86,228号、特開平10−339929号、同11
−84576号、同11−95365号、同11−95
366号、同11−109546号、同11−1193
72号、同11−119373号、特開2000−35
6834、特開2001−27790等に記載されてい
種々の硬調化剤又は省銀化剤としての化合物(以下、省
銀化剤と称す)が提案されている。
【0006】しかしながら、省銀化剤を組み込んだ熱現
像感光材料は、熱現像前の熱現像感光材料の保存条件に
よって、現像後に未露光部分の発色濃度が異なったり、
希望する濃度(例えば、最高濃度)が出ないという問題
点が有った。また、かぶり等にも問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、最高濃
度(Dmax)が高く、かぶりが少なく、保存安定性に
優れた銀塩光熱写真ドライイメージング材料、それを用
いた画像記録方法及び画像形成方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0009】1.非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子及
び感光性ハロゲン化銀粒子を有する感光性乳剤、銀イオ
ン還元剤、バインダー及び架橋剤を含有する銀塩光熱写
真ドライイメージング材料において、該架橋剤の少なく
とも一種が芳香族多価イソシアネート化合物であり、且
つ、前記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選
ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴と
する銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0010】2.前記一般式(1)における、R11が電
子吸引性基であることを特徴とする前記1に記載の銀塩
光熱写真ドライイメージング材料。
【0011】3.前記一般式(1)又は一般式(2)に
おけるR11、X21で表される電子吸引性基がシアノ基で
あることを特徴とする前記1又は2に記載の銀塩光熱写
真ドライイメージング材料。
【0012】4.前記一般式(1)又は一般式(2)に
おけるR12及びR13、又はR22及びR23のいずれか一方
が水素原子であり、他方が電子供与性基であることを特
徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の銀塩光熱写真
ドライイメージング材料。
【0013】5.前記芳香族多価イソシアネートが前記
一般式(Z)で表される化合物であることを特徴とする
前記1〜4の何れか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイ
メージング材料。
【0014】6.非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子が
結晶成長抑制剤又は分散剤として機能する化合物の存在
下で形成されることを特徴とする前記1〜5の何れか1
項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0015】7.前記結晶成長抑制剤又は分散剤として
機能する化合物がヒドロキシル基又はカルボキシル基を
有する有機化合物であることを特徴とする前記6に記載
の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
【0016】8.前記1〜7の何れか1項に記載の銀塩
光熱写真ドライイメージング材料に、露光面とレーザ光
のなす角度が実質的に垂直になることがないレーザを用
いて走査露光を行い、画像を記録することを特徴とする
画像記録方法。
【0017】9.前記1〜7の何れか1項に記載の銀塩
光熱写真ドライイメージング材料に、露光波長が単一で
ない縦マルチレーザを用いて、走査露光を行い、画像を
記録することを特徴とする画像記録方法。
【0018】10.前記1〜7の何れか1項に記載の銀
塩光熱写真ドライイメージング材料に、2本以上のレー
ザを用いて、走査露光を行い、画像を記録することを特
徴とする画像記録方法。
【0019】11.前記走査露光に用いるレーザの波長
が600〜1200nmであることを特徴とする請求項
8〜10の何れか1項に記載の画像記録方法。
【0020】12.前記1〜7の何れか1項に記載の銀
塩光熱写真ドライイメージング材料を100〜150℃
の現像温度で処理することを特徴とする画像形成方法。
【0021】即ち、本発明者らは、本発明の前記一般式
(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくと
も1種の化合物を熱現像感光材料に含有させることによ
り、優れた感度、最高濃度(Dmax)が得られ、且
つ、硬調な階調が得られると共に、保存安定性に優れた
熱現像感光材料を得ることができることを見出した。
【0022】また、本発明者らは、上述の効果は、特開
2001−174945記載の一般式(H−1)又は
(H−2)で表されるヒドラジン誘導体を上記化合物と
併用することにより、さらに、本発明の効果を奏するこ
とも見いだした。
【0023】以下、本発明を更に詳細に述べる。本発明
は、熱現像感光材料が前記一般式(1)〜(3)で表さ
れる化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有
することを特徴としている。
【0024】一般式(1)〜(3)で表される化合物に
ついて以下に述べるが、先ず、本発明でいう電子供与性
基及び電子吸引性基について説明をする。
【0025】本発明でいう電子供与性基とは、ハメット
の置換基定数σpが負の値を取る置換基のことであり、
電子供与性基の具体例としては、例えば、ヒドロキシル
基(又はその塩)、アルコキシ基、アリールオキシ基、
ヘテロ環オキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリ
ールアミノ基又はヘテロ環アミノ基、σpが負の値を取
るヘテロ環残基又はこれらの電子供与性基で置換された
フェニル基等が挙げられる。
【0026】本発明でいう電子吸引性基とは、ハメット
の置換基定数σpが正の値を取る置換基のことであり、
電子吸引性基の具体例としては、例えば、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、アルケニル基、アルキニル
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルフ
ァモイル基、スルホンアミド基、トリフルオロメチル
基、トリクロロメチル基、ホスホリル基、カルボキシ基
(又はその塩)、スルホ基(又はその塩)、イミノ基、
σpが正の値を取るヘテロ環残基又はこれらの電子吸引
性基で置換されたフェニル基等が挙げられる。
【0027】ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応又は
平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論じるために19
35年に、L.P.Hammetにより提唱された経験
則であるが、これは今日では、該経験則の妥当性が認め
られている。
【0028】ハメット則により求められた置換基定数に
はσp値とσm値とがあり、これらの値は多くの一般的
な文献に記載があり、「Lange’s Handbo
okof Chemistry (J.A.Dean
著)」第12販、1979年(Mc Graw−Hil
l)や「化学の領域増刊」、第122号、第96〜10
3頁、1979年(南光堂)、Chemical Re
views、第91巻、第165〜195頁、1991
年に詳しく述べられている。本発明における電子吸引性
基及び電子供与性基は、σp値により規定しているが、
上記の成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限
定されるものではない。
【0029】一般式(1)で表される化合物について説
明する。一般式(1)において、X11は電子供与性のヘ
テロ環残基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキル
チオ基、シクロアルキルアミノ基又はシクロアルケニル
基を表す。
【0030】電子供与性のヘテロ環の代表例としては、
「Substituent Constants fo
r Correlation Analysis in
Chemistry and Biology(Co
rwin Hansch and Albert Le
o著)」の第66〜339頁に記載のσpが負のヘテロ
環であり、ヘテロ環の具体的な例としてはピペリジニル
基、ピロリジニル基、モルフォリノ基、ピペラジニル
基、3−チエニル基、2−フリル基、3−フリル基、2
−ピロロ基等が挙げられる。好ましくは3−チエニル
基、2−フリル基又は3−フリル基である。これらのヘ
テロ環は、σpが0又は正にならない範囲で任意の置換
基を有しても良い。
【0031】また、シクロアルキルオキシ基、シクロア
ルキルチオ基又はシクロアルキルアミノ基の具体的な例
としては、シクロプロピルオキシ基、シクロペンチルオ
キシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキ
シ基、シクロプロピルチオ基、シクロペンチルチオ基、
シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、シクロ
プロピルメチルアミノ基、シクロペンチルメチルアミノ
基、シクロヘキシルメチルアミノ基、シクロヘプチルメ
チルアミノ基等が挙げられる。好ましくはシクロペンチ
ルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロペンチル
チオ基及びシクロヘキシルチオ基である。シクロアルケ
ニル基の具体的な例としては、シクロプロぺニル基、シ
クロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニ
ル基及びシクロヘプテニル基等が挙げられる。好ましく
は、シクロペンテニル基又はシクロヘキセニル基であ
る。
【0032】R11、R12及びR13は、水素原子又は一価
の置換基を表す。一価の置換基としては、例えばアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素
環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば
ピリジニウム基)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(例え
ばエチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を
繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、アシルオ
キシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、カルバモイル基、ウレタン基、カ
ルボキシル基、イミド基、アミノ基、カルボンアミド
基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、
スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミ
カルバジド基、ヒドラジノ基、4級のアンモニオ基、
(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、メルカ
プト基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(ア
ルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基、スル
ファモイル基、アシルスルファモイル基、(アルキルも
しくはアリール)スルホニルウレイド基、(アルキルも
しくはアリール)スルホニルカルバモイル基、ハロゲン
原子、シアノ基、ニトロ基、リン酸アミド基などが挙げ
られる。
【0033】R11は好ましくは電子吸引性基であり、さ
らに好ましくはシアノ基である。また、R12が水素原
子、R13が電子供与性基であることが好ましい。最も好
ましくは、R11がシアノ基、R12が水素原子、R13がヒ
ドロキシル基である。
【0034】以下に、一般式(1)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−
エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体
が存在する場合には、その両方を表すものとする。
【0035】
【化4】
【0036】
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】
【化7】
【0039】
【化8】
【0040】
【化9】
【0041】次に、一般式(2)で表される化合物につ
いて説明する。一般式(2)において、R21はアルキル
基を表し、R22及びR23は水素原子又は一価の置換基を
表し、X21は電子吸引性基を表し、L21は炭素芳香族環
基を表し、n2は0又は1を表す。R21で表されるアル
キル基の具体的な例としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、へプチル基、オクチル基等が挙げられる。好
ましくはメチル基、エチル基又はプロピル基である。
【0042】R22及びR23が一価の置換基のとき、具体
的な例としては一般式(1)におけるR11、R12、R13
と同様の置換基が挙げられる。
【0043】X21で表される電子吸引性基としては一般
式(1)におけるR11と同様の電子吸引性基が挙げら
れ、好ましくはシアノ基である。
【0044】L21で表される炭素芳香族環残基の具体的
な例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げら
れる。フェニレン基、ナフチレン基はさらにアルキル基
が置換してもよい。さらには、R22が水素原子、R23
電子供与性基であることが好ましい。最も好ましくは、
21がシアノ基、R22が水素原子、R23がヒドロキシル
基である。
【0045】以下に、一般式(2)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−
エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体
が存在する場合には、その両方を表すものとする。
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】次に、一般式(3)で表される化合物につ
いて説明する。一般式(3)において、X31は電子吸引
性のヘテロ環残基、ハロゲン原子又はハロアルキル基を
表す。
【0049】電子吸引性のヘテロ環基の代表例として
は、「Substituent Constants
for Correlation Analysis
inChemistryand Biology(Co
rwin Hansch and Albert Le
o著)」の第66〜339頁に記載のσpが正のヘテロ
環基であり、具体的な例としては、2−ピリジル基、2
−ピリミジル基、2−ピラジル基、2−キナゾリル基、
2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基等
が挙げられる。これらの電子吸引性のヘテロ環基は、σ
pが0又は負にならない範囲で任意の置換基を有しても
良い。
【0050】電子吸引性のヘテロ環基の好ましい例は、
2−ピリジル基、2−ピリミジル基又は2−ピラジル基
である。ハロゲン原子としては、具体的にはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等が挙げられ
る。ハロゲン原子の好ましい例は、塩素原子又は臭素原
子である。
【0051】ハロアルキル基としては、モノクロロメチ
ル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリブ
ロモメチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロ
ロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。
ハロアルキル基として好ましくは、トリクロロメチル
基、トリブロモメチル基又はトリフルオロメチル基であ
る。
【0052】以下に、一般式(3)で表される化合物の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、以下に列挙する化合物において、ケト−
エノール型互変異性体又はシス−トランス型幾何異性体
が存在する場合には、その両方を表すものとする。
【0053】
【化12】
【0054】本発明で用いられる架橋剤としては、従来
ハロゲン化銀写真感光材料用として使用されている種々
の架橋剤、例えば特開昭50−96216号に記載され
ているアルデヒド系、エポキシ系、エチレンイミン系、
ビニルスルホン系、スルホン酸エステル系、アクリロイ
ル系、カルボジイミド系、シラン化合物系架橋剤を用い
うるが、好ましいのは以下に示すイソシアネート系化合
物、シラン化合物、エポキシ化合物又は酸無水物であ
る。
【0055】上記イソシアネート系架橋剤は、イソシア
ネート基を少なくとも2個有しているイソシアネート類
及びその付加体(アダクト体)であり、更に、具体的に
は、脂肪族ジイソシアネート類、環状基を有する脂肪族
ジイソシアネート類、ベンゼンジイソシアネート類、ナ
フタレンジイソシアネート類、ビフェニルイソシアネー
ト類、ジフェニルメタンジイソシアネート類、トリフェ
ニルメタンジイソシアネート類、トリイソシアネート
類、テトライソシアネート類、これらのイソシアネート
類の付加体及びこれらのイソシアネート類と2価又は3
価のポリアルコール類との付加体が挙げられる。
【0056】具体例としては、特開昭56−5535号
の10頁から12頁に記載されているイソシアネート化
合物を挙げることができる。なお、イソシアネートとポ
リアルコールのアダクト体は、特に層間接着を良くし、
層の剥離や画像のズレ及び気泡の発生を防止する能力が
高い。
【0057】本発明で用いられる架橋剤として好ましい
のは前記イソシアネート化合物の中でも芳香族多価イソ
シアネートである。
【0058】芳香族多価イソシアネート化合物の中でも
前記一般式(Z)で表される芳香族多価イソシアネート
化合物は、驚くべきことに前記一般式(1)〜(3)で
表される化合物と共に用いられることにより最高濃度
(Dmax)に優れ、カブリが少なく、保存安定性に優
れることが分かった。
【0059】前記一般式(Z)において、v1は1以上
の整数を示し、v2は0又は1以上の整数を示し、nは
1以上の整数であり、v2が0の場合、v1又はnが2
以上の整数である。J1は置換、無置換のアリーレン基
又はヘテロ環基であり、Lは置換、無置換のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びヘテ
ロ環基から選ばれる少なくとも1種の基から誘導される
連結基、又はこれらの連結基が結合基により結合された
連結基であり、X2は酸素原子又は硫黄原子である。
【0060】好ましい上記置換基としては、ハロゲン原
子(例えば塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シ
クロヘキシル基等)、アリール基(例えばフェニル基、
ナフチル基、トリル基等)、ヘテロ環基中のヘテロ環
(例えば、フラン環、チオフェン環等)又はアルコキシ
基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)が挙げられ
る。
【0061】Lで表されるアルキレン基としては、メチ
レン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン等
の各基、アルケニレン基としては、エテニル、プロペニ
ル、ブタジエン、ペンタジエン等の各基、アルキニレン
基としては、アセチレン、プロピニル、ブチニル等の各
基、アリーレン基中のアリール環としては、ベンゼン、
ナフタレン、トルエン、キシレン等の各環、ヘテロ環基
中のヘテロ環としては、フラン、チオフェン、ジオキサ
ン、イソシアヌール等の各ヘテロ環が挙げられ、又はこ
れらの連結基が結合基により結合された連結基である。
該連結基としては、単なる結合手であっても、炭素原子
を含んでもよい酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄
原子(S)、燐原子(P)等から形成される連結基が挙
げられ、例えば、−O−、−S−、−NH−、−CO
−、−SO−、−SO2−、−NHCO−、−NHCO
NH−、−PO−、−PS−等である。v1で表される
1以上の整数としては、好ましくは1〜6の整数であ
り、更に好ましくは1、2又は3である。
【0062】前記一般式(Z)で表される化合物の具体
例を以下に示す。
【0063】
【化13】
【0064】
【化14】
【0065】
【化15】
【0066】
【化16】
【0067】本発明のイソシアネート化合物は銀塩光熱
写真ドライイメージング材料のどの部分に含有されてい
てもよい。例えば支持体中(特に支持体が紙の場合、そ
のサイズ組成中に含ませることができる)、感光性層、
表面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層
等の支持体の感光性層側の任意の層に添加でき、これら
の層の中の1層又は2層以上に添加することができる。
【0068】また、本発明のチオイソシアネート系架橋
剤としては、上記のイソシアネート化合物に対応するチ
オイソシアネート構造を有する化合物が有用である。
【0069】本発明に好ましく用いられる上記架橋剤の
添加量は、銀1モルに対して通常0.001〜2モル、
好ましくは0.005〜0.5モルの範囲である。この
範囲のあれば2種以上を併用しても良い。
【0070】本発明のイソシアネート化合物及びチオイ
ソシアネート化合物は、上記の架橋剤として機能する化
合物であることが好ましい。
【0071】本発明において架橋剤として好ましく使用
できるシラン化合物の例としては、特願2000−77
904に記載されている一般式(1)又は一般式(2)
で表される化合物が好ましく用いられる。
【0072】また、架橋剤として用いることができるエ
ポキシ化合物としては、エポキシ基を1個以上有するも
のであればよく、エポキシ基の数、分子量、その他の物
性に制限はない。エポキシ基はエーテル結合やイミノ結
合を介してグリシジル基として分子内に含有されること
が好ましい。
【0073】また、エポキシ化合物は、モノマー、オリ
ゴマー、ポリマー等のいずれであってもよく、分子内に
存在するエポキシ基の数は通常1〜10個程度、好まし
くは2〜4個である。エポキシ化合物がポリマーである
場合は、ホモポリマー、コポリマーのいずれであっても
よく、その数平均分子量Mnの特に好ましい範囲は2,
000〜20,000程度である。
【0074】エポキシ化合物としては下記一般式〔B〕
で表される化合物が好ましい。
【0075】
【化17】
【0076】一般式〔B〕において、R90は置換、無置
換のアルキレン基であり、該置換基としては、ハロゲン
原子、水酸基、ヒドロキシアルキル基又はアミノ基から
選ばれる基であることが好ましい。またR90で表される
連結基中にアミド連結部分、エーテル連結部分、チオエ
ーテル連結部分を有していることが好ましい。X9で表
される2価の連結基としては−SO2−、−SO2NH
−、−S−、−O−又は−NR91−が好ましい。ここで
91は1価の基であり、電子吸引性基であることが好ま
しい。
【0077】これらのエポキシ化合物は、1種用いても
2種以上を併用してもよい。その添加量は特に制限はな
いが、感光材料に対して、1×10-6〜1×10-2モル
/m 2の範囲が好ましく、より好ましくは1×10-5
1×10-3モル/m2の範囲である。
【0078】エポキシ化合物は、感光性層、表面保護
層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等の支持
体の感光性層側の任意の層に添加でき、これらの層の中
の1層又は2層以上に添加することができる。又、併せ
て支持体の感光性層と反対側の任意の層に添加すること
ができる。尚、両面に感光性層が存在するタイプの感材
ではいずれの層であってもよい。
【0079】本発明に好ましく用いられる酸無水物は下
記の構造式で示される酸無水物基を少なくとも1個有す
る化合物である。
【0080】−CO−O−CO− 酸無水物はこのような酸無水基を1個以上有するもので
あればよく、酸無水基の数、分子量、その他に制限はな
いが、下記一般式〔C〕で表される化合物がより好まし
い。
【0081】
【化18】
【0082】一般式〔C〕において、Zは単環又は多環
系を形成するのに必要な原子群を表す。これらの環は無
置換であってもよく、置換されていてもよい。置換基と
しては、例えば、アルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、ヘキシル等の各基)、アルコキシ基(例えば、メト
キシ、エトキシ、オクチルオキシ等の各基)、アリール
基(例えば、フェニル、ナフチル、トリル等の各基)、
ヒドロキシル基、アリールオキシ基(例えば、フェノキ
シ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチ
ルチオ等の各基)、アリールチオ基(例えば、フェニル
チオ基等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル等の各基)、スルホニル基(例えば、メチ
ルスルホニル、フェニルスルホニル等の各基)、アシル
アミノ基、スルホニルアミノ基、アシルオキシ基(例え
ば、アセトキシ、ベンゾキシ等の各基)、カルボキシル
基、シアノ基、スルホ基又はアミノ基が挙げられ、該置
換基がハロゲン原子を含まないものが好ましい。
【0083】これらの酸無水物は、1種用いても2種以
上を併用してもよい。その添加量は特に制限はないが、
1×10-6〜1×10-2モル/m2の範囲が好ましく、
より好ましくは1×10-5〜1×10-3モル/m2の範
囲である。
【0084】本発明において酸無水物は、感光性層、表
面保護層、中間層、アンチハレーション層、下引き層等
の支持体の感光性層側の任意の層に添加でき、これらの
層の中の1層又は2層以上に添加することができる。ま
た、前記エポキシ化合物と同じ層に添加してもよい。
【0085】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料(以下、単に本発明の感光材料ともいう)に用いら
れる感光性ハロゲン化銀粒子(以下、単にハロゲン化銀
粒子ともいう)について説明する。
【0086】なお、本発明における感光性ハロゲン化銀
粒子とは、ハロゲン化銀結晶の固有の性質として本来的
に光吸収することができ、又は人為的に物理化学的な方
法により可視光〜赤外光を吸収することができ、且つ、
紫外光領域から赤外光領域の光波長範囲内の何れかの領
域の光を吸収したときに、当該ハロゲン化銀結晶内及び
/又は結晶表面において、物理化学的変化が起こり得る
ように処理製造されたハロゲン化銀結晶粒子をいう。
【0087】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子自体
は、P.Glafkides著Chimie et P
hysique Photographique(Pa
ulMontel社刊、1967年)、G.F.Duf
fin著 Photographic Emulsio
n Chemistry(The Focal Pre
ss刊、1966年)、V.L.Zelikman e
t al著Making and Coating P
hotographic Emulsion(The
Focal Press刊、1964年)等に記載され
た方法を用いてハロゲン化銀粒子乳剤として調製するこ
とができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の
いずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反
応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それ
らの組合せ等のいずれを用いてもよいが、上記方法の中
でも形成条件をコントロールしつつハロゲン化銀粒子を
調製する、所謂コントロールドダブルジェット法が好ま
しい。ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、
塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のい
ずれであってもよい。
【0088】粒子形成は通常、ハロゲン化銀種粒子
(核)生成と粒子成長の2段階に分けられ、一度にこれ
らを連続的に行う方法でもよく、又核(種粒子)形成と
粒子成長を分離して行う方法でもよい。粒子形成条件あ
るpAg、pH等をコントロールして粒子形成を行うコ
ントロールドダブルジェット法が粒子形状やサイズのコ
ントロールが出来るので好ましい。例えば、核生成と粒
子成長を分離して行う方法を行う場合には、先ず可溶性
銀塩と可溶性ハロゲン塩をゼラチン水溶液中で均一、急
速に混合させ核(種粒子)生成(核生成工程)した後、
コントロールされたpAg、pH等のもとで、可溶性銀
塩と可溶性ハロゲン塩を供給しつつ、粒子成長させる粒
子成長工程によりハロゲン化銀粒子を調製する。粒子形
成後、脱塩工程により不要な塩類等をヌードル法、フロ
キュレーション法、限外濾過法、電気透析法等の公知の
脱塩法により除くことで所望のハロゲン化銀乳剤を得る
ことが出来る。
【0089】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
画像形成後の白濁や色調(黄色味)を低く抑えるため、
及び良好な画質を得るために平均粒径が小さい方が好ま
しく、平均粒径は0.02μm未満の粒子を計測の対象
外としたときの値として、0.035μm以上、0.0
55μm以下が好ましい。なおここでいう粒径とは、ハ
ロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶
である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。
また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒子である場合には、
主表面の投影面積と同面積の円像に換算したときの直径
をいう。
【0090】本発明において、ハロゲン化銀粒子は単分
散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記
式で求められる粒径の変動係数が30%以下をいう。好
ましくは20%以下であり、更に好ましくは15%以下
である。
【0091】粒径の変動係数(%)=(粒径の標準偏差
/粒径の平均値)×100 ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、14
面体粒子、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイ
モ状粒子などを挙げることができるが、これらの内、特
に立方体、八面体、14面体、平板状ハロゲン化銀粒子
が好ましい。
【0092】平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合の平
均アスペクト比は、好ましくは1.5〜100、より好
ましくは2〜50である。これらの製造方法は米国特許
第5,264,337号、同第5,314,798号、
同第5,320,958号等に記載されており、容易に
目的の平板状粒子を得ることができる。更に、ハロゲン
化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いるこ
とができる。
【0093】ハロゲン化銀粒子外表面の晶癖については
特に制限はないが、ハロゲン化銀粒子表面への銀増感色
素の吸着反応において、晶癖(面)選択性を有する分光
増感色素を使用する場合には、その選択性に適応する晶
癖を相対的に高い割合で有するハロゲン化銀粒子を使用
することが好ましい。
【0094】例えば、ミラー指数〔100〕の結晶面に
選択的に吸着する増感色素を使用する場合には、ハロゲ
ン化銀粒子外表面において〔100〕面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上が好まし
く、より好ましくは70%以上、特に80%以上である
ことが好ましい。
【0095】尚、ミラー指数〔100〕面の比率は、増
感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との
吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imagin
gSci.,29,165(1985年)により求める
ことができる。
【0096】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
該ハロゲン化銀粒子形成時に平均分子量5万以下の低分
子量ゼラチンを用いて調製することが好ましいが、特に
ハロゲン化銀粒子の核形成時に用いることが好ましい。
低分子量ゼラチンは、通常平均分子量5万以下であり、
好ましくは2,000〜40,000、更には5,00
0〜25,000である。ゼラチンの平均分子量はゲル
濾過クロマトグラフィーで測定することができる。
【0097】上記低分子量ゼラチンは、通常用いられる
平均分子量10万程度のゼラチン水溶液にゼラチン分解
酵素を加えて酵素分解したり、酸又はアルカリを加えて
加熱し加水分解したり、大気圧下又は加圧下での加熱に
より熱分解したり、超音波照射して分解したり、それら
の方法を併用したりして得ることができる。
【0098】核形成時の分散媒の濃度は5質量%以下が
好ましく、0.05〜3.0質量%の低濃度で行うのが
より有効である。
【0099】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
該粒子形成時に下記の一般式(D)で示されるポリエチ
レンオキシド化合物を用いることが好ましい。
【0100】一般式(D) YO(CH2CH2O)m(CH(CH3)CH2O)p(C
2CH2O)nY 一般式(D)において、Yは水素原子、−SO3M又は
−CO−B−COOMを表し、Mは水素原子、アルカリ
金属原子、アンモニウム基又は炭素原子数5以下のアル
キル基で置換されたアンモニウム基を、Bは有機2塩基
性酸を形成する鎖状又は環状の基を表す。m及びnは各
々0〜50をpは1〜100を表す。
【0101】前記の一般式(D)で表されるポリエチレ
ンオキシド化合物は、ハロゲン化銀写真感光材料を製造
するに際し、ゼラチン水溶液を製造する工程、ゼラチン
溶液に水溶性ハロゲン化物及び水溶性銀塩を添加する工
程、乳剤を支持体上に塗布する工程等、乳剤原料を撹拌
したり、移動したりする場合の著しい発泡に対する消泡
剤として好ましく用いられてきたものであり、消泡剤と
して用いる技術は、例えば特開昭44−9497号に記
載されている。従って、前記一般式(D)で表されるポ
リエチレンオキシド化合物は核形成時の消泡剤としても
機能する。
【0102】前記一般式(D)で表されるポリエチレン
オキシド化合物は銀に対して1質量%以下で用いるのが
好ましく、より好ましくは0.01〜0.1質量%で用
いる。
【0103】前記一般式(D)で表されるポリエチレン
オキシド化合物は核形成時に存在していればよく、核形
成前の分散媒中に予め加えておくのが好ましいが、核形
成中に添加してもよいし、核形成時に使用する銀塩水溶
液やハライド水溶液に添加して用いてもよい。好ましく
はハライド水溶液又は両方の水溶液に0.01〜2.0
質量%で添加して用いることである。
【0104】また、核形成工程中、少なくとも50%に
亘る時間存在させるのが好ましく、更に好ましくは70
%以上に亘る時間存在させることである。
【0105】前記一般式(D)で表されるポリエチレン
オキシド化合物は粉末で添加しても、メタノール等の溶
媒に溶かして添加してもよい。
【0106】尚、核形成時の温度は通常5〜60℃、好
ましくは15〜50℃であり、一定の温度であっても、
昇温パターン(例えば、核形成開始時の温度が25℃
で、核形成中徐々に温度を挙げ、核形成終了時の温度が
40℃の様な場合)、その逆のパターンであっても上記
温度範囲内で制御するのが好ましい。
【0107】核形成に用いる銀塩水溶液及びハライド水
溶液の濃度は3.5mol/L以下が好ましく、更には
0.01〜2.5mol/Lの低濃度域で使用されるの
が好ましい。核形成時の銀イオンの添加速度は、反応液
1L当たり1.5×10-3〜3.0×10-1モル/分が
好ましく、更に好ましくは3.0×10-3〜8.0×1
-2モル/分である。
【0108】核形成時のpHは1.7〜10の範囲に設
定できるが、アルカリ側のpHでは形成する核の粒径分
布を広げるため好ましくはpH2〜6である。又、核形
成時のpBrは0.05〜3.0程度、好ましくは1.
0〜2.5、更には1.5〜2.0がより好ましい。
【0109】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子はい
かなる方法で感光性層(以下、単に感光層ともいう)に
添加されてもよく、このときハロゲン化銀粒子は還元可
能な銀源(脂肪族カルボン酸銀塩)に近接するように配
置するのが好ましい。
【0110】本発明のハロゲン化銀は予め調製してお
き、これを脂肪族カルボン酸銀塩粒子を調製するための
溶液に添加するのが、ハロゲン化銀調製工程と脂肪族カ
ルボン酸銀塩粒子調製工程を分離して扱えるので製造コ
ントロール上も好ましいが、英国特許第1,447,4
54号に記載されている様に、脂肪族カルボン酸銀塩粒
子を調製する際にハライドイオン等のハロゲン成分を脂
肪族カルボン酸銀塩形成成分と共存させ、これに銀イオ
ンを注入することで脂肪族カルボン酸銀塩粒子の生成と
ほぼ同時に生成させることも出来る。
【0111】また、脂肪族カルボン酸銀塩にハロゲン含
有化合物を作用させ、脂肪族カルボン酸銀塩のコンバー
ジョンによりハロゲン化銀粒子を調製することも可能で
ある。
【0112】即ち、予め調製された脂肪族カルボン酸銀
塩の溶液もしくは分散液又は脂肪族カルボン酸銀塩を含
むシート材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、脂
肪族カルボン酸銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換
することもできる。
【0113】ハロゲン化銀粒子形成成分としては、無機
ハロゲン化合物、オニウムハライド類、ハロゲン化炭化
水素類、N−ハロゲン化合物、その他の含ハロゲン化合
物があり、その具体例については米国特許第4,00
9,039号、同3,457,075号、同4,00
3,749号、英国特許第1,498,956号及び特
開昭53−27027号、同53−25420号に記載
されている金属ハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム
等の無機ハロゲン化物、例えばトリメチルフェニルアン
モニウムブロマイド、セチルエチルジメチルアンモニウ
ムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマ
イドの様なオニウムハライド類、例えばヨードフォル
ム、ブロモフォルム、四塩化炭素、2−ブロム−2−メ
チルプロパン等のハロゲン化炭化水素類、N−ブロム琥
珀酸イミド、N−ブロムフタルイミド、N−ブロムアセ
トアミド等のN−ハロゲン化合物、その他、例えば塩化
トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチル、2−ブ
ロム酢酸、2−ブロムエタノール、ジクロロベンゾフェ
ノン等がある。
【0114】この様にハロゲン化銀を有機酸銀とハロゲ
ンイオンとの反応により有機酸銀塩中の銀の一部又は全
部をハロゲン化銀に変換することによって調製すること
もできる。また、別途調製したハロゲン化銀に脂肪族カ
ルボン酸銀塩の一部をコンバージョンすることで製造し
たハロゲン化銀粒子を併用してもよい。
【0115】これらのハロゲン化銀粒子は、別途調製し
たハロゲン化銀粒子、脂肪族カルボン酸銀塩のコンバー
ジョンによるハロゲン化銀粒子とも、脂肪族カルボン酸
銀塩1モルに対し通常0.001〜0.7モル、好まし
くは0.03〜0.5モルである。
【0116】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に
は、元素周期律表の6族〜11族に属する遷移金属のイ
オンを含有することが好ましい。上記の金属としては、
W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、R
e、Os、Ir、Pt、Auが好ましい。これらは1種
類でも同種或いは異種の金属錯体を2種以上併用しても
よい。これらの金属イオンは金属塩をそのままハロゲン
化銀に導入してもよいが、金属錯体又は錯体イオンの形
でハロゲン化銀に導入できる。
【0117】好ましい含有率は銀1モルに対し1×10
-9モル〜1×10-2モルの範囲が好ましく、1×10-8
〜1×10-4の範囲がより好ましい。
【0118】本発明に用いられる遷移金属錯体又は錯体
イオンは下記一般式で表されるものが好ましい。
【0119】一般式〔ML6m 式中、Mは元素周期表の6〜11族の元素から選ばれる
遷移金属、Lは配位子を表し、mは0、−、2−、3−
又は4−を表す。Lで表される配位子の具体例として
は、ハロゲンイオン(弗素イオン、塩素イオン、臭素イ
オン、沃素イオン)、シアナイド、シアナート、チオシ
アナート、セレノシアナート、テルロシアナート、アジ
ド及びアコの各配位子、ニトロシル、チオニトロシル等
が挙げられ、好ましくはアコ、ニトロシル及びチオニト
ロシル等である。アコ配位子が存在する場合には、配位
子の一つ又は二つを占めることが好ましい。Lは同一で
もよく、また異なっていてもよい。
【0120】これらの金属のイオン又は錯体イオンを提
供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハ
ロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロ
ゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、
化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核
形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、
更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最
も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際して
は、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化
銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭6
3−29603号、特開平2−306236号、同3−
167545号、同4−76534号、同6−1101
46号、同5−273683号等に記載されている様に
粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。
【0121】これらの金属化合物は、水或いは適当な有
機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコー
ル類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶
性ハライド溶液中に添加しておく方法、または、銀塩溶
液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液
として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子
を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水
溶液を反応容器に投入する方法、或いは、ハロゲン化銀
調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープして
ある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等
がある。
【0122】特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは
金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶
液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒
子表面に添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時
途中もしくは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合
物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0123】別途調製した感光性ハロゲン化銀粒子はヌ
ードル法、フロキュレーション法、限外濾過法、電気透
析法等の公知の脱塩法により脱塩することができるが、
脱塩しないで用いることもできる。
【0124】本発明の脂肪族カルボン酸銀塩は還元可能
な銀源であり、炭素数10〜30、好ましくは炭素数5
〜25の脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。好適な銀
塩の例としては以下のものが挙げられる。
【0125】没食子酸、蓚酸、ベヘン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の銀
塩。これらの内、好ましい銀塩としてはベヘン酸銀、ア
ラキジン酸銀及びステアリン酸銀が挙げられる。
【0126】また、本発明においては脂肪族カルボン酸
銀塩が2種以上混合されていることが、現像性を上げ、
高濃度、高コントラストの銀画像を形成する上で好まし
く、例えば2種以上の脂肪族カルボン酸混合物に銀イオ
ン溶液を混合して調製することが好ましい。
【0127】脂肪族カルボン酸銀塩化合物は、水溶性銀
化合物と銀と錯形成する化合物を混合することにより得
られるが、正混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9
−127643号に記載されている様なコントロールド
ダブルジェット法等が好ましく用いられる。
【0128】例えば、有機酸にアルカリ金属塩(例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて
有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリ
ウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後に、
コントロールドダブルジェット法により、前記ソープと
硝酸銀などを混合して脂肪族カルボン酸銀塩の結晶を作
製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよ
い。
【0129】本発明の脂肪族カルボン酸銀塩において
は、平均円相当径が0.05〜0.8μmであり、平均
厚さが0.005〜0.07μm以下であることが好ま
しく、特に好ましくは平均円相当径が0.2〜0.5μ
mであり平均厚さ0.01〜0.05μmである。
【0130】平均円相当径が0.05μm未満では透明
性には優れるが、画像保存性が悪く、平均円相当径が
0.8μmを越えると失透が激しい。
【0131】平均厚さが0.005μm未満では、表面
積が大きく現像時の銀イオン供給が急激に行われ、特に
低濃度部では銀画像に使われずに、膜中に残存する銀イ
オンが多量に存在する結果、画像保存性が著しく劣化す
る。平均厚さが0.07μmを越えると、表面積が小さ
くなり、画像安定性は向上するが、現像時の銀供給が遅
く、特に高濃度部での現像銀形状の不均一を招き、結果
最高濃度が低くなりやすい。
【0132】平均円相当径を求めるには、分散後の脂肪
族カルボン酸銀塩を希釈してカーボン支持膜付きグリッ
ド上に分散し、透過型電子顕微鏡(日本電子製、200
0FX型)、直接倍率5000倍にて撮影を行った。ス
キャナにてネガをデジタル画像として取り込み、適当な
画像処理ソフトを用いて粒径(円相当径)を300個以
上測定し、平均粒径を算出する。
【0133】平均厚さを求めるには、下記に示すような
TEM(透過型電子顕微鏡)を用いた方法により算出す
る。
【0134】まず、支持体上に塗布された感光層を接着
剤により適当なホルダーに貼り付け、支持体面と垂直な
方向にダイヤモンドナイフを用いて厚さ0.1〜0.2
μmの超薄切片を作製する。作製された超薄切片を、銅
メッシュに支持させ、グロー放電により親水化されたカ
ーボン膜上に移し、液体窒素により−130℃以下に冷
却しながら透過型電子顕微鏡(以下TEMと称す)を用
いて、倍率5,000倍〜40,000倍にて明視野像
を観察し、画像はフィルム、イメージングプレート、C
CDカメラなどに素早く記録する。この際、観察される
視野としては、切片に破れや弛みがない部分を適宜選択
することが好ましい。
【0135】カーボン膜としては極薄いコロジオン、ホ
ルムバールなど有機膜に支持されたものを使用すること
が好ましく、更に好ましくは、岩塩基板上に形成し基板
を溶解除去して得るか、又は、上記有機膜を有機溶媒、
イオンエッチングにより除去して得られたカーボン単独
の膜である。
【0136】TEMの加速電圧としては80〜400k
Vが好ましく、特に好ましくは80〜200kVであ
る。
【0137】その他、電子顕微鏡観察技法及び試料作製
技法の詳細については「日本電子顕微鏡学会関東支部編
/医学・生物学電子顕微鏡観察法」(丸善)、「日本電
子顕微鏡学会関東支部編/電子顕微鏡生物試料作製法」
(丸善)をそれぞれ参考にすることができる。
【0138】適当な媒体に記録されたTEM画像は、画
像1枚を少なくとも1024画素×1024画素、好ま
しくは2048画素×2048画素以上に分解しコンピ
ュータによる画像処理を行うことが好ましい。画像処理
を行うためには、フィルムに記録されたアナログ画像は
スキャナなどでデジタル画像に変換し、シェーディング
補正、コントラスト及びエッジ強調などを必要に応じ施
すことが好ましい。その後、ヒストグラムを作製し2値
化処理によって脂肪族カルボン酸銀に相当する箇所を抽
出する。
【0139】上記抽出した脂肪族カルボン酸銀塩粒子の
厚さを300個以上適当なソフトでマニュアル測定し、
平均値を求める。
【0140】前記記載の形状を有する脂肪族カルボン酸
銀塩粒子を得る方法としては、特に限定されないが、有
機酸アルカリ金属塩ソープ形成時の混合状態及び/又は
前記ソープに硝酸銀を添加する際の混合状態などを良好
に保つことや、ソープに対する有機酸の割合、ソープと
反応する硝酸銀の割合を最適にすることなどが有効であ
る。
【0141】本発明の平板状脂肪族カルボン酸銀塩粒子
(平均円相当径が0.05〜0.8μmであり、且つ平
均厚さが0.005〜0.07μm以下の脂肪族カルボ
ン酸銀塩粒子をいう)は、必要に応じバインダーや界面
活性剤などと共に予備分散した後、メディア分散機又は
高圧ホモジナイザなどで分散粉砕することが好ましい。
上記予備分散にはアンカー型、プロペラ型等の一般的攪
拌機や高速回転遠心放射型攪拌機(ディゾルバ)、高速
回転剪断型撹拌機(ホモミキサ)を使用することができ
る。
【0142】また、上記メディア分散機としては、ボー
ルミル、遊星ボールミル、振動ボールミルなどの転動ミ
ルや、媒体攪拌ミルであるビーズミル、アトライター、
その他バスケットミルなどを用いることが可能であり、
高圧ホモジナイザとしては壁、プラグなどに衝突するタ
イプ、液を複数に分けてから高速で液同士を衝突させる
タイプ、細いオリフィスを通過させるタイプなど様々な
タイプを用いることができる。
【0143】メディア分散時に使用されるセラミックス
ビーズに用いられるセラミックスとしては、例えばAl
23、BaTiO3、SrTiO3、MgO、ZrO、B
eO、Cr23、SiO2、SiO2−Al23、Cr2
3−MgO、MgO−CaO、MgO−C、MgO−
Al23(スピネル)、SiC、TiO2、K2O、Na
2O、BaO、PbO、B23、SrTiO3(チタン酸
ストロンチウム)、BeAl24、Y3Al512、Zr
2−Y23(立方晶ジルコニア)、3BeO−Al2
3−6SiO2(合成エメラルド)、C(合成ダイヤモン
ド)、Si2O−nH2O、チッカ珪素、イットリウム安
定化ジルコニア、ジルコニア強化アルミナ等が好まし
い。分散時におけるビーズや分散機との摩擦による不純
物生成が少ない等の理由から、イットリウム安定化ジル
コニア、ジルコニア強化アルミナ(これらジルコニアを
含有するセラミックスを以下においてジルコニアと略
す)が特に好ましく用いられる。
【0144】本発明の平板状脂肪族カルボン酸銀塩粒子
を分散する際に用いられる装置類において、該脂肪族カ
ルボン酸銀塩粒子が接触する部材の材質としてジルコニ
ア、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素などのセラミック
ス類又はダイヤモンドを用いることが好ましく、中でも
ジルコニアを用いることが好ましい。
【0145】前記分散を行う際、バインダー濃度は脂肪
族カルボン酸銀質量の0.1〜10%添加することが好
ましく、予備分散から本分散を通して液温が45℃を上
回らないことが好ましい。
【0146】また、本分散の好ましい運転条件として
は、例えば高圧ホモジナイザを分散手段として用いる場
合には、29.42〜98.06MPa、運転回数は2
回以上が好ましい運転条件として挙げられる。また、メ
ディア分散機を分散手段として用いる場合には、周速が
6〜13m/秒が好ましい条件として挙げられる。
【0147】本発明において、脂肪族カルボン酸銀粒子
に対する結晶成長抑制剤又は分散剤として機能する化合
物とは、脂肪族カルボン酸銀粒子の製造工程において、
該化合物を共存させた条件下で脂肪族カルボン酸銀を製
造したときに、共存させない条件下で製造したときより
小粒径化や単分散化する機能、効果を有する化合物をい
う。
【0148】具体例として、炭素数が10以下の一価ア
ルコール類、好ましくは第2級アルコール、第3級アル
コール、エチレングリコール、プロピレングリコールな
どのグリコール類、ポリエチレングリコール等のポリエ
ーテル類、グリセリンが挙げられる。好ましい添加量と
しては、脂肪族カルボン酸銀に対して10〜200質量
%である。
【0149】一方で、イソヘプタン酸、イソデカン酸、
イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン
酸、イソステアリン酸、イソアラキジン酸、イソベヘン
酸、イソヘキサコ酸等、それぞれ異性体を含む分岐脂肪
族カルボン酸も好ましい。
【0150】この場合、好ましい側鎖として、炭素数4
以下のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。ま
た、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸、モロクチン酸、エイコセン酸、アラキドン酸、
エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサペンタエン
酸、ドコサヘキサエン酸、セラコレン酸などの脂肪族不
飽和カルボン酸が挙げられる。好ましい添加量は、脂肪
族カルボン酸銀に対して0.5〜10mol%である。
【0151】グルコシド、ガラクトシド、フルクトシド
などの配糖体類、トレハロース、スクロースなどトレハ
ロース型二糖類、グリコーゲン、デキストリン、デキス
トラン、アルギン酸など多糖類、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブなどのセロソルブ類、ソルビタン、ソル
ビット、酢酸エチル、酢酸メチル、ジメチルホルムアミ
ドなど水溶性有機溶媒、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン、ゼラチンなどの水溶性ポリマー類も好
ましい化合物として挙げられる。好ましい添加量として
は脂肪族カルボン酸銀に対して0.1〜20質量%であ
る。
【0152】炭素数が10以下のアルコール好ましく
は、第二級アルコール、第三級アルコールは、仕込み工
程での脂肪族カルボン酸ナトリウムの溶解度を上げるこ
とにより減粘し、攪拌効率を上げることで単分散且つ小
粒径化する。分岐脂肪族カルボン酸及び脂肪族不飽和カ
ルボン酸は、脂肪族カルボン酸銀が結晶化する際にメイ
ン成分である直鎖脂肪族カルボン酸銀よりも立体障害性
が高く、結晶格子の乱れが大きくなるため大きな結晶は
生成せず、結果的に小粒径化する。
【0153】前述のように、従来のハロゲン化銀写真感
光材料と比較して、銀塩光熱写真ドライイメージング材
料の構成上の最大の相違点は、後者の材料中には、現像
処理の前後を問わず、カブリやプリントアウト銀(焼出
し銀)の発生の原因となり得る感光性ハロゲン化銀、有
機銀塩及び還元剤が多量含有されていることである。こ
のため、銀塩光熱写真ドライイメージング材料には、現
像前ばかりでなく現像後の保存安定性を維持するため
に、高度のカブリ防止及び画像安定化技術が必須である
が、従来はカブリ核の成長及び現像を抑制する芳香族性
複素環化合物の他に、カブリ核を酸化消滅する機能を有
する酢酸水銀のような水銀化合物が、非常に有効な保存
安定化剤として使用されていたが、この水銀化合物の使
用は安全性、環境保全性の点で問題であった。
【0154】以下、本発明の銀塩光熱写真ドライイメー
ジング材料に用いられるカブリ防止剤及び画像安定化剤
について説明する。
【0155】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料において、還元剤としては、後述するように、主に
ビスフェノール類の還元剤が用いられているので、これ
らの水素原子を引き抜くことができる活性種を発生する
ことにより還元剤を不活性化できる化合物が含有されて
いることが好ましい。好適には無色の光酸化性物質とし
て、露光時にフリーラジカルを反応活性種として生成可
能な化合物が好ましい。
【0156】従ってこれらの機能を有する化合物であれ
ばいかなる化合物でもよいが、複数の原子からなる有機
フリーラジカルが好ましい。かかる機能を有し、且つ、
銀塩光熱写真ドライイメージング材料に格別の弊害を生
じることのない化合物であればいかなる構造をもった化
合物でもよい。
【0157】また、これらのフリーラジカルを発生する
化合物としては、発生するフリーラジカルに、還元剤と
反応し不活性化するに充分な時間接触できる位の安定性
をもたせるために炭素環式、又は複素環式の芳香族基を
有するものが好ましい。
【0158】これらの化合物の代表的なものとして以下
に挙げるビイミダゾリル化合物、ヨードニウム化合物を
挙げることができる。
【0159】ビイミダゾリル化合物としては、以下の一
般式〔1〕により表されるものが挙げられる。
【0160】
【化19】
【0161】一般式〔1〕において、R1、R2及びR3
はアルキル基(例えば、メチル、エチル、ヘキシル等の
各基)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル等の各
基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、オ
クチルオキシ等の各基)、アリール基(例えば、フェニ
ル、ナフチル、トリル等の各基)、ヒドロキシル基、ハ
ロゲン原子、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ
等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチ
オ等の各基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ
基等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、
ブチリル、バレリル等の各基)、スルフォニル基(例え
ば、メチルスルフォニル、フェニルスルフォニル等の各
基)、アシルアミノ基、スルフォニルアミノ基、アシル
オキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾキシ等の各
基)、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基又はアミノ
基を示す。これらの中で好ましい置換基はアリール基、
アルケニル基及びシアノ基である。
【0162】上記のビイミダゾリル化合物は米国特許第
3,734,733号及び英国特許第1,271,17
7号に記載されている製造方法及びそれに準じた方法に
より容易に製造することができる。
【0163】好ましい具体例としては、例えば、特開2
000−321711に記載されている化合物例が挙げ
ることができる。
【0164】また、同様に好適な化合物として、以下の
一般式〔2〕で示されるヨードニウム化合物を挙げるこ
とができる。
【0165】
【化20】
【0166】一般式〔2〕において、Qは5、6又は7
員環を形成するのに必要な原子群を表し、且つ、該必要
な原子群は炭素原子、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子
から選ばれる。R1、R2及びR3は水素原子、アルキル
基(例えば、メチル基、エチル基、ヘキシル基等)、ア
ルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルコ
キシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、オクチルオ
キシ基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチ
ル基、トリル基等)、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、
アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ基、ブチルチオ基等)、
アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基等)、アシル
基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基、バレリル基等)、スルホニル基(例えば、メチルス
ルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシルアミノ
基、スルホニルアミノ基、アシルオキシ基(例えば、ア
セトキシ基、ベンゾキシ基等)、カルボキシル基、シア
ノ基、スルホ基又はアミノ基を示す。これらの中でより
好ましい基はアリール基、アルケニル基及びシアノ基で
ある。
【0167】R4はアセテート、ベンゾエート、トリフ
ルオロアセテートのようなカルボキシレート基及びO-
を示す。Wは0又は1を表す。
【0168】X-はアニオン性対イオンであり、好まし
い対イオンとしてはCH3CO2 -、CH3SO3 -及びPF
6 -である。
【0169】R3がスルホ基又はカルボキシル基のとき
は、Wは0で、且つR4はO-である。
【0170】なお、R1、R2及びR3の何れかは互いに
結合して環を形成してもよい。これらのうち特に好まし
い化合物は以下の一般式〔3〕で表される。
【0171】
【化21】
【0172】一般式〔3〕において、R1、R2、R3
4、X-及びWは前記一般式〔2〕と同義であり、Yは
−CH=(ベンゼン環の場合)又は−N=(ピリジン環
の場合)を表す。
【0173】上記のヨードニウム化合物はOrg.Sy
n.,1961及び”Fieser著Advanced
Organic Chemistry”(Reinh
old,N.Y.,1961)に記載されている製造方
法及びそれに準じた方法により、容易に合成できる。
【0174】好ましい具体例としては、例えば、特開2
000−321711に記載されている化合物例を挙げ
ることができる。
【0175】前記の一般式〔1〕及び〔2〕で表される
化合物の添加量は、感光材料に対して、通常10-3〜1
-1モル/m2、好ましくは5×10-3〜5×10-2
ル/m2である。
【0176】なお、上記これらの化合物は、本発明の感
光材料の構成層中に含有させることができるが、還元剤
を有している層に含有させることが好ましい。
【0177】また、還元剤を不活性化し還元剤が脂肪族
カルボン酸銀塩を銀に還元できないようにする化合物と
しては、反応活性種がハロゲン原子でないものが好まし
いが、ハロゲン原子を活性種として放出する化合物は、
活性種がハロゲン原子でない活性種を放出する化合物と
併用することにより、使用することができる。ハロゲン
原子を活性種として放出できる化合物は多くのものが知
られており、併用することは、本発明の効果をより奏す
る点で好ましい。
【0178】これらの活性ハロゲン原子を生成する化合
物の具体例としては、以下に挙げる一般式〔4〕で表さ
れる化合物が挙げられる。
【0179】
【化22】
【0180】一般式〔4〕において、Q2はアリール基
又はヘテロ環基を表す。X1、X2及びX3は水素原子、
ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、スルホニル基、アリール基
を表すが、これらの中で、少なくとも一つはハロゲン原
子であることが好ましい。Yは−C(=O)−基、−S
O−基又は−SO2 -基を表す。
【0181】Q2で表されるアリール基中の環は、単環
又は縮合環を形成してもよく、好ましくは炭素数6〜3
0の単環又は該縮合環としては、例えば、フェニル基、
ナフチル基等、より好ましくはフェニル基、ナフチル
基、更に好ましくはフェニル基である。
【0182】Q2で表されるヘテロ環残基は、N(窒素
原子)、O(酸素原子)及びS(硫黄原子)から選ばれ
る少なくとも一つの原子を有する3〜10員の飽和又は
不飽和のヘテロ環残基であり、該ヘテロ環残基中のヘテ
ロ環は単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形
成してもよい。
【0183】上記ヘテロ環として好ましくは、縮合環を
有していてもよい5〜6員の不飽和ヘテロ環残基であ
り、より好ましくは縮合環を有していてもよい5〜6員
の芳香族ヘテロ環残基である。更に好ましくは窒素原子
を含む縮合環を有していてもよい5〜6員の芳香族ヘテ
ロ環残基であり、特に好ましくは窒素原子を1〜4原子
含む縮合環を有していてもよい5〜6員の芳香族ヘテロ
環残基である。
【0184】このようなヘテロ環残基中のヘテロ環とし
て、好ましくはイミダゾール、ピラゾール、ピリジン、
ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、ト
リアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジ
アゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、
ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリ
ン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェ
ナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベ
ンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾ
ール、インドレニン、テトラザインデンであり、より好
ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジ
ン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジア
ゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナ
フチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミ
ダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テ
トラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾール、
ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリア
ゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリン、フタ
ラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シ
ンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾ
ール、ベンズチアゾール等の各ヘテロ環であり、特に好
ましくはピリジン、チアジアゾール、キノリン、ベンズ
チアゾール等の各環である。
【0185】Q2で表されるアリール基及びヘテロ環残
基は−Y−C(X1)(X2)(X3)の他に、置換基を
有していても良く、置換基として好ましくはアルキル
基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキ
シ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルア
ミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニ
ル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ハロゲン原子、シ
アノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基又はヘテ
ロ環基、より好ましくはアルキル基、アリール基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイ
ル基、カルバモイル基、ウレイド基、リン酸アミド基、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又はヘテロ環基、更
に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホ
ニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ハ
ロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、特に好
ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であ
る。
【0186】X1、X2及びX3は好ましくはハロゲン原
子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、スルホニル基、ヘテロ環基であり、よ
り好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、スルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原
子、トリハロメチル基であり、特に好ましくはハロゲン
原子である。ハロゲン原子の中でも好ましくは塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素
原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子であ
る。
【0187】Yは−C(=O)−基、−SO−基、−S
2−基を表し、好ましくは−SO2−基である。
【0188】これらの化合物の添加量は、実質的にハロ
ゲン化銀の生成によるプリントアウト銀の増加が問題に
ならない範囲が好ましく、前記活性ハロゲンラジカルを
生成しない化合物に対する比率で、最大150%以下、
更に好ましくは100%以下であることが好ましい。
【0189】なお、上記の化合物の他に、本発明の銀塩
光熱写真ドライイメジング材料中には、従来カブリ防止
剤として知られている化合物が含まれてもよいが、上記
の化合物と同様な反応活性種を生成することができる化
合物であっても、カブリ防止機構が異なる化合物であっ
てもよい。
【0190】例えば、米国特許第3,589,903
号、同4,546,075号、同4,452,885
号、特開昭59−57234号、米国特許第3,87
4,946号、同4,756,999号、特開平9−2
88328号、同9−90550号に記載されている化
合物が挙げられる。更に、その他のカブリ防止剤として
は、米国特許第5,028,523号及び欧州特許第6
00,587号、同605,981号、同631,17
6号に開示されている化合物が挙げられる。
【0191】本発明においては、特に、前記銀イオン還
元剤の少なくとも一種がビスフェノール誘導体化合物を
単独又は他の還元剤と併せて用いることが好ましい。
【0192】本発明に用いられる還元剤としては、下記
一般式(A)で表されるビスフェノール誘導体が特に好
ましく用いられる。
【0193】
【化23】
【0194】前記一般式(A)において、Xが表すカル
コゲン原子としては、例えば、硫黄原子、セレン原子、
テルル原子等が挙げられ、好ましくは硫黄原子である。
【0195】Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数が7
以下の脂肪族基又は6員環以下の環残基を表し、ハロゲ
ン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子等であり、炭素数が7以下の脂肪族基としては、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、ビニル基、アリル基、ブテニル
基、ヘキサジエニル基、エテニル−2−プロペニル基、
3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−
ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基等、6員環
以下の環残基としては、例えば、脂環式残基、ヘテロ環
残基、炭素環式残基としては、シクロブテン基、シクロ
ペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、
シクロへキセニル基、シクロヘキサジエニル基、フェニ
ル基等の4〜6員環が好ましく、ヘテロ環残基中のヘテ
ロ環としては、ピラゾール環、ピロール環、ピロリジン
環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリジン環、トリアジ
ン環、チアゾール環、フラン環、ピラン環等の5、6員
環が好ましく、特に好ましくは、水素原子又はシクロア
ルキル基、シクロアルケニル基、フェニル基などの環状
構造を有する基である。
【0196】これらの基は更に置換基を有していても良
く、置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)、シクロアルキル基(例え
ば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、シクロ
アルケニル基(例えば、1−シクロアルケニル基、2−
シクロアルケニル基等)、アルコキシ基(例えば、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アルキルカル
ボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基等)、アル
キルチオ基(例えば、メチルチオ基、トリフルオロメチ
ルチオ基等)、カルボキシル基、アルキルカルボニルア
ミノ基(例えば、アセチルアミノ基等)、ウレイド基
(例えば、メチルアミノカルボニルアミノ基等)、アル
キルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルア
ミノ基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンス
ルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等)、カ
ルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメ
チルカルバモイル基、N−モルホリノカルボニル基
等)、スルファモイル基(スルファモイル基、N,N−
ジメチルスルファモイル基、モルフォリノスルファモイ
ル基等)、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ニ
トロ基、シアノ基、アルキルスルホンアミド基(例え
ば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基
等)、アルキルアミノ基(例えばアミノ基、N,N−ジ
メチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、スル
ホ基、ホスフォノ基、サルファイト基、スルフィノ基、
アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタ
ンスルホニルアミノカルボニル基、エタンスルホニルア
ミノカルボニル基等)、アルキルカルボニルアミノスル
ホニル基(例えば、アセトアミドスルホニル基、メトキ
シアセトアミドスルホニル基等)、アルキニルアミノカ
ルボニル基(例えば、アセトアミドカルボニル基、メト
キシアセトアミドカルボニル基等)、アルキルスルフィ
ニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニル
アミノカルボニル基、エタンスルフィニルアミノカルボ
ニル基等)等が挙げられる。また、置換基が二つ以上あ
る場合は、同じでも異なっていても良い。
【0197】R′、R″は水素原子、ハロゲン原子又は
置換基を表し、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、置換基として
は、例えば、アルキル基、アリール基、シクロアルキル
基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル
基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミ
ノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバ
モイル基、アルキルチオ基、スルホニル基、アルキルス
ルホニル基、スルフィニル基、シアノ基、ヘテロ環基等
が挙げられる。複数のR′、R″は同じでも異なってい
ても良い。
【0198】R′は、炭素数2以上が好ましい。R″は
炭素数1〜5が好ましく、さらに好ましくは炭素数1で
ある。
【0199】これらの基は更に置換基を有していても良
く、置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基等)、シクロアルキル基(例えば、
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、アルケニル
基(例えば、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニ
ル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル
基、1−メチル−3−ブテニル基等)、シクロアルケニ
ル基(例えば、1−シクロアルケニル基、2−シクロア
ルケニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、
1−プロピニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アルキルカルボ
ニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基等)、アルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ基、トリフルオロメチル
チオ基等)、カルボキシル基、アルキルカルボニルアミ
ノ基(例えば、アセチルアミノ基等)、ウレイド基(例
えば、メチルアミノカルボニルアミノ基等)、アルキル
スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ
基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホ
ニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等)、カルバ
モイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチル
カルバモイル基、N−モルホリノカルボニル基等)、ス
ルファモイル基(スルファモイル基、N,N−ジメチル
スルファモイル基、モルフォリノスルファモイル基
等)、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ニトロ
基、シアノ基、アルキルスルホンアミド基(例えば、メ
タンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)、
アルキルアミノ基(例えばアミノ基、N,N−ジメチル
アミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、スルホ基、
ホスフォノ基、サルファイト基、スルフィノ基、アルキ
ルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスル
ホニルアミノカルボニル基、エタンスルホニルアミノカ
ルボニル基等)、アルキルカルボニルアミノスルホニル
基(例えば、アセトアミドスルホニル基、メトキシアセ
トアミドスルホニル基等)、アルキニルアミノカルボニ
ル基(例えば、アセトアミドカルボニル基、メトキシア
セトアミドカルボニル基等)、アルキルスルフィニルア
ミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニルアミノ
カルボニル基、エタンスルフィニルアミノカルボニル基
等)等が挙げられる。
【0200】本発明の前記一般式(A)で示される化合
物の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
【0201】
【化24】
【0202】
【化25】
【0203】
【化26】
【0204】
【化27】
【0205】その他、米国特許第3,589,903
号、同4,021,249号又は英国特許第1,48
6,148号各明細書、特開昭51−51933号、同
50−36110号、同50−116023号、同52
−84727号または特公昭51−35727号公報に
記載されているポリフェノール化合物、例えば、2,
2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′
−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナ
フチル等の米国特許第3,672,904号に記載され
ているビスナフトール類、更に、例えば、4−ベンゼン
スルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミ
ドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホ
ンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフ
トール等の米国特許第3,801,321号に記載され
ているスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナ
フトール類も使用することができる。
【0206】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×1
-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
【0207】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料に使用される還元剤の量は、有機銀塩や還元剤の種
類、その他の添加剤によって変化するが、一般的には有
機銀塩1モル当たり、通常0.05〜10モル、好まし
くは0.1〜3モルである。
【0208】また、この量の範囲内において、上述した
還元剤は2種以上併用されてもよい。
【0209】本発明においては、前記還元剤を塗布直前
に感光性ハロゲン化銀及び有機銀塩粒子及び溶媒からな
る感光乳剤溶液に添加混合して塗布した方が、停滞時間
による写真性能変動が小さく好ましい場合がある。
【0210】本発明の感光性ハロゲン化銀には化学増感
を施すことができる。特願2000−57004及び特
願2000−61942に記載されている方法等、例え
ば、硫黄原子等のカルコゲン原子を放出する化合物又は
金イオン等の貴金属イオンを放出する貴金属化合物を用
い、化学増感核を付与することができる。
【0211】本発明においては、以下に示すカルコゲン
原子を含有する有機増感剤により化学増感されているの
が好ましい。
【0212】これらカルコゲン原子を含有する有機増感
剤は、ハロゲン化銀へ吸着可能な基と不安定カルコゲン
原子部位を有する化合物であることが好ましい。
【0213】これらの有機増感剤としては、特開昭60
−150046号、特開平4−109240号、同11
−218874号等に開示されている種々の構造を有す
る有機増感剤を用いることができるが、それらのうちカ
ルコゲン原子が炭素原子又はリン原子と二重結合で結ば
れている構造を有する化合物の少なくとも1種であるこ
とが好ましい。
【0214】有機増感剤であるカルコゲン化合物の使用
量は、使用するカルコゲン化合物、ハロゲン化銀粒子、
化学増感を施す際の反応環境などにより変わるが、ハロ
ゲン化銀1モル当たり、10-8〜10-2モルが好まし
く、より好ましくは10-7〜10-3モルである。化学増
感環境としては、特に制限はないが、感光性ハロゲン化
銀粒子上のカルコゲン化銀又は銀核を消滅或いはそれら
の大きさを減少させ得る化合物の存在下において、又、
特に銀核を酸化しうる酸化剤の共存下において、カルコ
ゲン原子を含有する有機増感剤を用いてカルコゲン増感
を施すことが好ましく、該増感条件として、pAgとし
ては6〜11が好ましく、より好ましくは7〜10であ
り、pHは4〜10が好ましく、より好ましくは5〜
8、又温度としては30℃以下で増感を施すことが好ま
しい。
【0215】従って、本発明の銀塩光熱写真ドライイメ
ージング材料においては、感光性ハロゲン化銀が、該粒
子上の銀核を酸化しうる酸化剤の共存下において、カル
コゲン原子を含有する有機増感剤を用いて、温度30℃
以下において化学増感を施され、且つ、脂肪族カルボン
酸銀塩と混合して分散され、脱水及び乾燥された感光性
乳剤を用いることが好ましい。
【0216】また、これらの有機増感剤を用いた化学増
感は、分光増感色素又はハロゲン化銀粒子に対して、吸
着性を有するヘテロ原子含有化合物の存在下で行われる
ことが好ましい。ハロゲン化銀に吸着性を有する化合物
の存在下化学増感を行うことで、化学増感中心核の分散
化を防ぐことができ高感度、低カブリを達成できる。分
光増感色素については後述するが、ハロゲン化銀に吸着
性を有するヘテロ原子含有化合物は、特開平3−245
37号に記載されている含窒素複素環化合物が好ましい
例として挙げられる。
【0217】含窒素複素環化合物中の複素環としては、
例えば、ピラゾール環、ピリミジン環、1,2,4−ト
リアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,3,
4−チアジアゾール環、1,2,3−チアジアゾール
環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チア
ジアゾール環、1,2,3,4−テトラゾール環、ピリ
ダジン環、1,2,3−トリアジン環等、これらの環が
2〜3個結合した環、例えば、トリアゾロトリアゾール
環、アザインデン環、ジアザインデン環、トリアザイン
デン環、ペンタアザインデン環等が挙げられる。
【0218】単環の複素環及び芳香族環と縮合した複素
環としては、例えば、フタラジン環、ベンズイミダゾー
ル環、インダゾール環、ベンズチアゾール環等が挙げら
れる。
【0219】これらの中で好ましいのはアザインデン環
であり、且つ、置換基としてヒドロキシル基を有するア
ザインデン化合物、例えばヒドロキシトリアザインデ
ン、テトラヒドロキシアザインデン、ヒドロキシペンタ
アザインデン化合物等が更に好ましい。
【0220】上記複素環にはヒドロキシル基以外の置換
基を有してもよい。該置換基として、例えばアルキル
基、置換アルキル基、アルキルチオ基、アミノ基、ヒド
ロキシアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ
基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカ
ルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
【0221】これ含複素環化合物の添加量は、ハロゲン
化銀粒子の大きさ、組成その他の条件等に応じて広い範
囲に亘って変化するが、通常はハロゲン化銀1モル当た
りの量で10-6モル〜1モルの範囲であり、好ましくは
10-4モル〜10-1モルの範囲である。
【0222】本発明の感光性ハロゲン化銀には、金イオ
ンなどの貴金属イオンを放出する化合物を利用して貴金
属増感を施すことができる。例えば、金増感剤として、
塩化金酸塩や有機金化合物が利用できる。
【0223】また、上記の増感法の他、還元増感法等も
用いることができ、還元増感の貝体的な化合物として
は、アスコルビン酸、2酸化チオ尿素、塩化第1スズ、
ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリ
アミン化合物等を用いることができる。また、乳剤のp
Hを7以上又はpAgを8.3以下に保持して熟成する
ことにより還元増感することができる。
【0224】本発明に好ましく用いられる化学増感を施
すハロゲン化銀は、有機銀塩の存在下で形成されたので
も、有機銀塩の存在しない条件下で形成されたもので
も、また、両者が混合されたものでもよい。
【0225】本発明における感光性ハロゲン化銀は、分
光増感色素を吸着させ分光増感を施すことが好ましい。
【0226】分光増感色素としては、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプ
レックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色
素、ヘミオキソノール色素等挙げられる。
【0227】例えば、特開昭63−159841号、同
60−140335号、同63−231437号、同6
3−259651号、同63−304242号、同63
−15245号、米国特許第4,639,414号、同
4,740,455号、同4,741,966号、同
4,751,175号、同4,835,096号に記載
された増感色素が使用できる。
【0228】本発明に使用される有用な増感色素は、例
えばRD17643IV−A項(1978年12月p.2
3)、同18431X項(1978年8月p.437)
に記載もしくは引用された文献に記載されている。
【0229】特に各種レーザイメージャーやスキャナー
の光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を
用いるのが好ましい。例えば、特開平9−34078
号、同9−54409号、同9−80679号に記載の
化合物が好ましく用いられる。
【0230】有用なシアニン色素は、例えばチアゾリン
核、オキサゾリン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサ
ゾール核、チアゾール核、セレナゾール核及びイミダゾ
ール核などの塩基性核を有するシアニン色素である。有
用なメロシアニン染料で好ましいものは、上記の塩基性
核に加えて、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキ
サゾリジンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツー
ル酸核、チアゾリノン核、マロノニトリル核及びピラゾ
ロン核などの酸性核も含む。
【0231】本発明においては、特に赤外に分光感度を
有する増感色素を用いることもできる。好ましく用いら
れる赤外分光増感色素としては、例えば米国特許第4,
536,473号、同4,515,888号、同4,9
59,294号等に開示されている赤外分光増感色素が
挙げられる。
【0232】赤外分光増感色素については、ベンズアゾ
ール環のベンゼン環上にスルフィニル基が置換されてい
ることを特徴とした長鎖のポリメチン色素が特に好まし
い。
【0233】上記の赤外増感色素は、例えばエフ・エム
・ハーマー著、The Chemistry of H
eterocyclic Compounds第18
巻、The Cyanine Dyes and Re
lated Compounds(A.Weissbe
rger ed.Interscience社刊、Ne
w York 1964年)に記載の方法によって容易
に合成することができる。
【0234】これらの赤外増感色素の添加時期はハロゲ
ン化銀調製後のどの時点でもよく、例えば溶剤に添加し
て、或いは微粒子状に分散した所謂固体分散状態でハロ
ゲン化銀粒子或いはハロゲン化銀粒子/脂肪族カルボン
酸銀塩粒子を含有する感光性乳剤に添加できる。又、前
記のハロゲン化銀粒子に対し吸着性を有するヘテロ原子
含有化合物と同様に、化学増感に先立ってハロゲン化銀
粒子に添加し吸着させた後、化学増感を施すこともで
き、これにより化学増感中心核の分散化を防ぐことがで
き高感度、低カブリを達成できる。
【0235】本発明において、上記の分光増感色素は単
独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、
増感色素の組合せは、特に強色増感の目的でしばしば用
いられる。
【0236】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料に用いられる感光性ハロゲン化銀、脂肪族カルボン
酸銀塩を含有する乳剤は、増感色素とともに、それ自身
分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に
吸収しない物質であって、強色増感効果を発現する物質
を乳剤中に含ませ、これによりハロゲン化銀粒子が強色
増感されていてもよい。
【0237】有用な増感色素、強色増感を示す色素の組
合せ及び強色増感を示す物質は、RD17643(19
78年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは特公平
9−25500号、同43−4933号、特開昭59−
19032号、同59−192242号、特開平5−3
41432号等に記載されているが、強色増感剤として
は、下記で表される複素芳香族メルカプト化合物が又は
メルカプト誘導体化合物が好ましい。
【0238】Ar−SM 式中、Mは水素原子又はアルカリ金属原子であり、Ar
は1個以上の窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレニウ
ム原子及び又はテルリウム原子から選ばれる少なくとも
1種の原子を有する複素芳香環残基又は縮合複素芳香環
残基である。
【0239】上記複素芳香環の好ましい具体例として
は、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンズ
チアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾール、
ナフトオキサゾール、ベンズセレナゾール、ベンズテル
ラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、
トリアゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、
ピラジン、ピリジン、プリン、キノリン又はキナゾリン
等の各環が挙げられる。しかし、この他の複素芳香環も
用いることができる。
【0240】なお、脂肪族カルボン酸銀塩及び/又はハ
ロゲン化銀粒子乳剤の分散物中に含有させたときに実質
的に上記のメルカプト化合物を生成するメルカプト誘導
体化合物も含まれる。特に下記で表されるメルカプト誘
導体化合物が、好ましい例として挙げられる。
【0241】Ar−S−S−Ar 式中のArは上記で説明したArと同義である。
【0242】上記の複素芳香環は、例えばハロゲン原子
(例えば、Cl原子、Br原子、I原子)、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基(例え
ば、1個以上の炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素
原子を有するもの)及びアルコキシ基(例えば、1個以
上の炭素原子、好ましくは、1〜4個の炭素原子を有す
るもの)からなる群から選ばれる置換基を有しうる。
【0243】上記の強色増感剤の他に、特願2000−
70296に開示されている次の一般式〔5〕で表され
る化合物と大環状化合物を強色増感剤として使用でき
る。
【0244】
【化28】
【0245】一般式〔5〕において、Arは芳香族炭化
水素基又は芳香族複素環基を表し、T31は脂肪族炭化水
素基からなる2価の連結基又は連結基を表し、J31は酸
素原子、硫黄原子又は窒素原子を一つ以上含む2価の連
結基又は連結基を表す。Ra、Rb、Rc及びRdは各
々、水素原子、アシル基、脂肪族炭化水素基、アリール
基又は複素環基を表し、又はRaとRb、RcとRd、
RaとRc或いはRbとRdの間で結合して含窒素複素
環基を形成することができる。M31は分子内の電荷を相
殺するに必要なイオンを表し、k31は分子内の電荷を相
殺するに必要なイオンの数を表す。
【0246】一般色〔5〕において、T31で表される脂
肪族炭化水素基からなる2価の連結基としては、直鎖、
分岐又は環状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜2
0のアルキレン基、より好ましくは炭素数1〜16のア
ルキレン基、更に好ましくは炭素数1〜12のアルキレ
ン基)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20のア
ルケニル基、より好ましくは炭素数2〜16のアルケニ
ル基、更に好ましくは炭素数2〜12のアルケニル
基)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20のアル
キニル基、より好ましくは炭素数の2〜16のアルキニ
ル基、更に好ましくは炭素数2〜12のアルキニル基)
であり、置換基を有していてもよく、例えば脂肪族炭化
水素残基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基
(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好まし
くは炭素数1〜16のアルキル基、更に好ましくは炭素
数1〜12のアルキル基)、アルケニル基(好ましくは
炭素数2〜20のアルケニル基、より好ましくは炭素数
2〜16のアルケニル基、更に好ましくは炭素数2〜1
2のアルケニル基)、アルキニル基(好ましくは炭素数
2〜20のアルキニル基、より好ましくは炭素数2〜1
6のアルキニル基、更に好ましくは炭素数2〜12のア
ルキニル基)であり、アリール基としては、炭素数6〜
20の単環又は縮合環のアリール基(例えば、フェニル
基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基)
であり、複素環残基としては、3〜10員の飽和、不飽
和のヘテロ環残基(例えば、2−チアゾリル、1−ピペ
ラジニル、2−ピリジル、3−ピリジル、2−フリル、
2−チエニル、2−ベンズイミダゾリル、カルバゾリル
等の各基)であり、これらの基中のヘテロ環は単環であ
っても、他の環と縮合環を形成してもよい。
【0247】これらの各基は任意の個所に置換基を有し
ていてもよく、例えば、アルキル基(シクロアルキル
基、アラルキル基を含み、好ましくは炭素数1〜20の
アルキル基、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル
基、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ヘプチル、n
−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ヘキサ
デシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、ベンジル、フェネチル等の各基が挙げられ
る。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20のア
ルケニル基、より好ましくは炭素数2〜12のアルケニ
ル基、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であ
り、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテ
ニル等の各基が挙げられる。)、アルキニル基(好まし
くは炭素数2〜20のアルキニル基、より好ましくは炭
素数2〜12のアルキニル基、特に好ましくは炭素数2
〜8のアルキニル基であり、例えばプロパルギル、3−
ペンチニル等の各基が挙げられる。)、アリール基(好
ましくは炭素数6〜30のアリール基、より好ましくは
炭素数6〜20のアリール基、特に好ましくは炭素数6
〜12のアリール基であり、例えば、フェニル、p−ト
リル、O−アミノフェニル、ナフチル等の各基が挙げら
れる。)、アミノ基(好ましくは炭素数、0〜20のア
ミノ基、より好ましくは炭素数0〜10のアミノ基、特
に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えばア
ミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ
等の各基が挙げられる。)、イミノ基(好ましくは炭素
数1〜20のイミノ基、より好ましくは炭素数1〜18
のイミノ基、特に好ましくは炭素数1〜12のイミノ基
であり、例えばメチルイミノ、エチルイミノ、プロピル
イミノ、フェニルイミノ等の各基)アルコキシ基(好ま
しくは炭素数1〜20のアルコキシ基、より好ましくは
炭素数1〜12アルコキシ基、特に好ましくは炭素数1
〜8アルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキ
シ、ブトキシ等の各基)、アリールオキシ基(好ましく
は炭素数6〜20のアリールオキシ基、より好ましくは
炭素数6〜16のアリールオキシ基、特に好ましくは炭
素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えばフェニ
ルオキシ、2−ナフチルオキシ等の各基)、アシル基
(好ましくは炭素数1〜20のアシル基、より好ましく
は炭素数1〜16のアシル基、特に好ましくは炭素数1
〜12のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイ
ル、ホルミル、ピバロイル等の各基)、アルコキシカル
ボニル基(好ましくは炭素数2〜20のアルコキシカル
ボニル基、より好ましくは炭素数のアルコキシカルボニ
ル基2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコ
キシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニ
ル基(好ましくは炭素数7〜20のアリールオキシカル
ボニル基、より好ましくは炭素数7〜16のアリールオ
キシカルボニル基、特に好ましくは炭素数7〜10のア
リールオキシカルボニル基であり、例えばフェニルオキ
シカルボニル基等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素
数1〜20のアシルオキシ基、より好ましくは炭素数1
〜16のアシルオキシ基、特に好ましくは炭素数1〜1
0のアシルオキシ基であり、例えばアセトキシ、ベンゾ
イルオキシ等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素1〜16、特に好ましくは
炭素数1〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチ
ルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルコキシカル
ボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20のアルコキ
シカルボニルアミノ基、より好ましくは炭素数2〜16
のアルコキシカルボニルアミノ基、特に好ましくは炭素
数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例
えばメトキシカルボニルアミノ等)、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20のアリー
ルオキシカルボニルアミノ基、より好ましくは炭素数7
〜16のアリールオキシカルボニルアミノ基、特に好ま
しくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミ
ノ基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ
等)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20
のスルホニルアミノ基、より好ましくは炭素数1〜16
のスルホニルアミノ基、特に好ましくは炭素数1〜12
のスルホニルアミノ基であり、例えばメタンスルホニル
アミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、スルファ
モイル基(好ましくは炭素数0〜20のスルファモイル
基、より好ましくは炭素0〜16のスルファモイル基、
特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であ
り、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル
基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイ
ル基等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20
のカルバモイル基、より好ましくは炭素1〜16のカル
バモイル基、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモ
イル基であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイ
ル基等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20
のアルキルチオ基、より好ましくは炭素数1〜16のア
ルキルチオ基、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキ
ルチオ基であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基
等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20のア
リールチオ基、より好ましくは炭素6〜16のアリール
チオ基、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ
基であり、例えばフェニルチオ基等)、スルホニル基
(好ましくは炭素数1〜20のスルホニル基、より好ま
しくは炭素数1〜16のスルホニル基、特に好ましくは
炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えばメタンス
ルホニル、トシル等)、スルフィニル基(好ましくは炭
素数1〜20のスルフィニル基、より好ましくは炭素数
1〜16のスルフィニル基、特に好ましくは炭素数1〜
12のスルフィニル基であり、例えばメタンスルフィニ
ル基、ベンゼンスルフィニル基等が挙げられる。)、ウ
レイド基(好ましくは炭素数1〜20のウレイド基、よ
り好ましくは炭素数1〜16のウレイド基、特に好まし
くは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えばメチル
ウレイド基、エチルウレイド基、フェニルウレイド基
等)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20のリ
ン酸アミド基、より好ましくは炭素数1〜16のリン酸
アミド基、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミ
ド基であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニル
リン酸アミド基等)、ヒドロキシル基、メルカプト基、
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、スルフィノ
基、カルボキシル基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ニト
ロ基、ヒドロキサム酸基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基
(例えば、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、チアゾ
リル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、ピリジル、フ
リル、ピペリジル、モルホリノ等)等が挙げられる。
【0248】上記の基のうちヒドロキシル基、メルカプ
ト基、スルホ基、スルフィノ基、カルボキシル基、ホス
ホノ基、ホスフィノ基等の塩形成可能な基はそれらの塩
であってもよい。これらの置換基は更に置換されてもよ
い。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異な
ってもよい。
【0249】置換基として好ましくは、アルキル基、ア
ラルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチオ
基、アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルファモ
イル基、スルホニル基、スルホニルアミノ基、ウレイド
基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヘテロ環基、
アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホ基、
カルバモイル基、カルボキシル基であり、より好ましく
はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルキルチ
オ基、アシル基、アシルアミノ基、イミノ基、スルホニ
ルアミノ基、ウレイド基、アミノ基、ハロゲン原子、ニ
トロ基、ヘテロ環基、アルコキシカルボニル基、ヒドロ
キシル基、スルホ基、カルバモイル基、カルボキシル基
であり、更に好ましくはアルキル基、アルコキシ基、ア
リール基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、イミノ
基、ウレイド基、アミノ基、ヘテロ環基、アルコキシカ
ルボニル基、ヒドロキシル基、スルホ基、カルバモイル
基、カルボキシル基である。アミジノ基としては、置換
基を有するものを含み、置換基としては、例えばアルキ
ル基(メチル、エチル、ピリジルメチル、ベンジル、フ
ェネチル、カルボキシベンジル、アミノフェニルメチル
等の各基)、アリール基(フェニル、p−トリル、ナフ
チル、o−アミノフェニル、o−メトキシフェニル等の
各基)、複素環基(2−チアゾリル、2−ピリジル、3
−ピリジル、2−フリル、3−フリル、2−チエノ、2
−イミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル等の
各基)等が挙げられる。
【0250】J31で表される酸素原子、硫黄原子又は窒
素原子を一つ以上含む2価の連結基としては、例えば以
下のものが挙げられる。また、これらの組み合わせであ
ってもよい。
【0251】
【化29】
【0252】ここで、Re及びRfは各々、前述したR
a〜Rdに定義した内容に同義である。
【0253】Arで表される芳香族炭化水素基として
は、好ましくは炭素数6〜30のものであり、より好ま
しくは炭素数6〜20の単環又は縮環のアリール基であ
り、例えば、フェニル、ナフチル等の各基が挙げられ、
特に好ましくはフェニル基である。Arで表される芳香
族複素環基としてはN(窒素原子)、O(酸素原子)及
びS(硫黄原子)から選ばれる少なくとも一つの原子を
有する5〜10員の不飽和のヘテロ環残基であり、これ
らの基中のヘテロ環は単環であってもよいし、更に他の
環と縮合環を形成してもよい。
【0254】このようなヘテロ環残基中のヘテロ環とし
て好ましくは、5〜6員の芳香族ヘテロ環及びそのベン
ゾ縮合環であり、より好ましくは窒素原子を含む5〜6
員の芳香族ヘテロ環及びそのベンゾ縮合環であり、更に
好ましくは窒素原子を1〜2原子含む5〜6員の芳香族
ヘテロ環及びそのベンゾ縮合環である。
【0255】ヘテロ環基中のヘテロ環の具体例として
は、例えばチオフェン、フラン、ピロール、イミダゾー
ル、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ト
リアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、
プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリ
ン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾ
リン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナン
トロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オ
キサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾー
ル、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、ベンゾトリ
アゾール、テトラザインデン、カルバゾール等の各環が
挙げられる。これらのヘテロ環は前述した置換基を有し
ても良い。
【0256】これらのヘテロ環中で、好ましいヘテロ環
としては、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラ
ジン、インドール、インダゾール、チアジアゾール、オ
キサジアゾール、キノリン、フェナジン、テトラゾー
ル、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、
ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾ
リン、ベンゾトリアゾール、テトラザインデン、カルバ
ゾールの各々の環であり、更に好ましくは、イミダゾー
ル、ピリジン、ピラジン、キノリン、フェナジン、テト
ラゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイ
ミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾリン、ベ
ンゾトリアゾール、カルバゾールの各々の環である。
【0257】Arで表される芳香族炭化水素基並びに芳
香族複素環基は置換基を有していてもよく、置換基とし
ては、例えばT31の置換基として挙げた基と同様のもの
を挙げることができ、好ましい範囲も同様である。これ
らの置換基は更に置換されてもよく、また、置換基が二
つ以上ある場合には各々、同じでも異なってもよい。A
rで表される基は好ましくは芳香族複素環基である。
【0258】Ra、Rb、Rc、Rdで表される脂肪族
炭化水素残基、アリール基及び複素環残基は、前記T31
に於て脂肪族炭化水素残基、アリール基及び複素環残基
の例として挙げたと同様のものを挙げることができ、好
ましい範囲も同様である。
【0259】Ra、Rb、Rc、Rdで表されるアシル
基としては炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族のアシル
基であり、具体的にはアセチル、ベンゾイル、ホルミ
ル、ピバロイル等の各基が挙げられる。
【0260】RaとRb、RcとRd、RaとRc又は
RbとRdの間で結合して形成する含窒素複素環基とし
ては3〜10員の飽和、不飽和のヘテロ環基(例えば、
ピペリジン環、ピペラジン環、アクリジン環、ピロリジ
ン環、ピロール環、モルフォリン環等の環基)が挙げら
れる。
【0261】M31で表される分子内の電荷を相殺するに
必要なイオンとして、酸アニオンの具体例としては、例
えばハロゲンイオン(例えば、塩素イオン、臭素イオ
ン、沃素イオン等)、p−トルエンスルホン酸イオン、
過塩素酸イオン、4フッ化ホウ素イオン、硫酸イオン、
メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、メタンスルホン
酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙
げられる。
【0262】本発明に好ましく用いられる強色増感剤
は、有機銀塩及びハロゲン化銀粒子を含む感光層中に銀
1モル当たり0.001〜1.0モルで用いるのが好ま
しい。特に好ましくは、銀1モル当たり0.01〜0.
5モルの量が好ましい。
【0263】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料に好適なバインダーは、透明又は半透明で、一般に
無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポ
リマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラ
チン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ヒドロキ
シエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロー
スアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、カゼ
イン、デンプン、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリ
ル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、コポリ(ス
チレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリ
ロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
ビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及
びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレ
タン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエ
ポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテー
ト、セルロースエステル類、ポリアミド類がある。親水
性でも非親水性でもよい。
【0264】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料の感光層に好ましいバインダーはポリビニルアセタ
ール類であり、特に好ましいバインダーはポリビニルブ
チラールである。詳しくは後述する。
【0265】また、上塗り層や下塗り層、特に保護層や
バックコート層等の非感光層に対しては、より軟化温度
の高いポリマーであるセルロースエステル類、特にトリ
アセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート
等のポリマーが好ましい。なお、必要に応じて、上記の
バインダーは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0266】該バインダーは、バインダーとして機能す
るのに効果的な範囲で用いられる。効果的な範囲は当業
者が容易に決定しうる。
【0267】例えば、感光層において少なくとも脂肪族
カルボン酸銀塩を保持する場合の指標としては、バイン
ダーと脂肪族カルボン酸銀塩との割合は15:1〜1:
2が好ましく、特に8:1〜1:1の範囲が好ましい。
【0268】即ち、感光層のバインダー量が感光材料に
対して、1.5〜6g/m2であることが好ましい。更
に好ましくは1.7〜5g/m2である。1.5g/m2
未満では未露光部の濃度が大幅に上昇し、使用に耐えな
い場合がある。
【0269】本発明の請求項16の発明の現像処理温度
は100〜150℃の温度であることを特徴としてい
る。
【0270】現像処理した後の熱転移点温度が46〜2
00℃であることが、本発明の効果をより奏する点で好
ましい。
【0271】本発明でいう熱転移点温度とは、VICA
T軟化点又は環球法で示した値であり、示差走査熱量計
(DSC)、例えばEXSTAR6000(セイコー電
子社製)、DSC220C(セイコー電子工業社製)、
DSC−7(パーキンエルマー社製)等を用いて、熱現
像済みの感光層を単離して測定した際の吸熱ピークをさ
す。
【0272】一般的に高分子化合物はガラス転移点Tg
を有しているが、銀塩光熱写真ドライイメージング材料
においては、感光層に用いているバインダー樹脂のTg
値よよりも低いところに、大きな吸熱ピークが出現す
る。
【0273】ガラス転移温度(Tg)は、ブランドラッ
プらによる“重合体ハンドブック”III−139頁からI
II−179頁(1966年、ワイリー アンド サン社
版)に記載の方法で求めたものであり、バインダーが共
重合体樹脂である場合のTgは下記の式で求められる。
【0274】Tg(共重合体)(℃)=v1Tg1+v
2Tg2+・・・+vnTgn 式中、v1、v2・・・vnは共重合体中の単量体の質
量分率を表し、Tg1、Tg2・・・Tgnは、共重合
体中の各単量体から得られる単一重合体のTg(℃)を
表す。上式に従って計算されたTgの精度は、±5℃で
ある。
【0275】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料において、支持体上に脂肪族カルボン酸銀塩、感光
性ハロゲン化銀粒子、還元剤等を含有する感光層に含有
するバインダーとしては、従来公知の高分子化合物を用
いることができる。Tgが通常70〜105℃、数平均
分子量が通常1,000〜1,000,000、好まし
くは10,000〜500,000、重合度が通常約5
0〜1,000程度のものである。
【0276】このような高分子化合物の具体例として
は、例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩
化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタ
クリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、
ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル
等のエチレン性不飽和モノマーを構成単位として有する
重合体又は共重合体よりなる化合物、ポリウレタン樹
脂、各種ゴム系樹脂がある。
【0277】また、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アル
キド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エ
ポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げら
れる。
【0278】これらの樹脂については、朝倉書店発行の
「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されてい
る。これらの高分子化合物に、特に制限はなく、誘導さ
れる重合体のガラス転移温度(Tg)が70〜105℃
の範囲にあれば、単独重合体でも共重合体でもよい。
【0279】このようなエチレン性不飽和モノマーを構
成単位として含む重合体又は共重合体としては、アクリ
ル酸アルキルエステル類、アクリル酸アリールエステル
類、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸ア
リールエステル類、シアノアクリル酸アルキルエステル
類、シアノアクリル酸アリールエステル類などを挙げる
ことができ、これらのアルキル基、アリール基は置換さ
れていてもされていなくてもよく、具体的にはメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミ
ル、ヘキシル、シクロヘキシル、ベンジル、クロロベン
ジル、オクチル、ステアリル、スルホプロピル、N−エ
チル−フェニルアミノエチル、2−(3−フェニルプロ
ピルオキシ)エチル、ジメチルアミノフェノキシエチ
ル、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、フェニル、
クレジル、ナフチル、2−ヒドロキシエチル、4−ヒド
ロキシブチル、トリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、2−メトキシエチル、3−メトキシブチ
ル、2−アセトキシエチル、2−アセトアセトキシエチ
ル、2−エトキシエチル、2−iso−プロポキシエチ
ル、2−ブトキシエチル、2−(2−メトキシエトキ
シ)エチル、2−(2−エトキシエトキシ)エチル、2
−(2−ブトキシエトキシ)エチル、2−ジフェニルホ
スホリルエチル、ω−メトキシポリエチレングリコール
(付加モル数n=6)、アリル、ジメチルアミノエチル
メチルクロライド塩等の化合物を挙げることができる。
【0280】その他、下記のモノマー等も使用できる。
ビニルエステル類:その具体例としては、ビニルアセテ
ート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニ
ルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロ
アセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニ
ルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルな
ど;N−置換アクリルアミド類、N−置換メタクリルア
ミド類及びアクリルアミド、メタクリルアミド:N−置
換基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t
ert−ブチル、シクロヘキシル、ベンジル、ヒドロキ
シメチル、メトキシエチル、ジメチルアミノエチル、フ
ェニル、ジメチル、ジエチル、β−シアノエチル、N−
(2−アセトアセトキシエチル)、ジアセトンなど;オ
レフィン類:例えば、ジシクロペンタジエン、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタ
ジエン、2,3−ジメチルブタジエン等;スチレン類:
例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチ
ルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、
tert−ブチルスチレン、クロルメチルスチレン、メ
トキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレ
ン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香
酸メチルエステルなど;ビニルエーテル類:例えば、メ
チルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシル
ビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ジメ
チルアミノエチルビニルエーテルなど;N−置換マレイ
ミド類:N−置換基として、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、ベン
ジル、n−ドデシル、フェニル、2−メチルフェニル、
2,6−ジエチルフェニル、2−クロルフェニルなどを
有するもの等;その他、クロトン酸ブチル、クロトン酸
ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、
マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸
ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマ
ル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケ
トン、メトキシエチルビニルケトン、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、N−ビニルオキサ
ゾリドン、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、
メタアクリロニトリル、メチレンマロンニトリル、塩化
ビニリデンなどを挙げることができる。
【0281】これらのうち、特に好ましい例としては、
メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸アリー
ルエステル類、スチレン類等が挙げられる。このような
高分子化合物のなかでも、アセタール基を持つ高分子化
合物を用いることが更に好ましい。アセタール基を持つ
高分子化合物では、生成する脂肪族カルボン酸との相溶
性に優れるため膜の柔軟化を防ぐ効果が大きく好まし
い。
【0282】アセタール基を持つ高分子化合物として
は、下記一般式(V)で表される化合物が、特に好まし
い。
【0283】
【化30】
【0284】一般式(V)において、R51はアルキル
基、置換アルキル基、アリール基又は置換アリール基を
表すが好ましくはアリール基以外の基である。R52は無
置換アルキル基、置換アルキル基、無置換アリール基、
置換アリール基、−COR53又は−CONHR53を表
す。R53はR51と同義である。
【0285】R51、R52、R53で表される無置換アルキ
ル基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、特に
好ましくは炭素数1〜6である。これらは直鎖であって
も分岐していてもよく、好ましくは直鎖のアルキル基が
好ましい。このような無置換アルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n
−アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘ
キシル基、n−ヘプシル基、n−オクチル基、t−オク
チル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デ
シル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基等が挙げ
られるが、特に好ましくはメチル基もしくはプロピル基
である。
【0286】無置換アリール基としては、炭素数6〜2
0のものが好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基等
が挙げられる。上記のアルキル基、アリール基に置換可
能な基としては、アルキル基(例えば、メチル基、n−
プロピル基、t−アミル基、t−オクチル基、n−ノニ
ル基、ドデシル基等)、アリール基(例えば、フェニル
基等)、ニトロ基、水酸基、シアノ基、スルホ基、アル
コキシ基(例えば、メトキシ基等)、アリールオキシ基
(例えば、フェノキシ基等)、アシルオキシ基(例え
ば、アセトキシ基等)、アシルアミノ基(例えば、アセ
チルアミノ基等)、スルホンアミド基(例えば、メタン
スルホンアミド基等)、スルファモイル基(例えば、メ
チルスルファモイル基等)、ハロゲン原子(例えば、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子)、カルボキシ基、カル
バモイル基(例えば、メチルカルバモイル基等)、アル
コキシカルボニル基(例えば、メトキシルボニル基
等)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル基等)
などが挙げられる。この置換基が2つ以上あるときは、
同じでも異なっていてもよい。置換アルキル基の総炭素
数は、1〜20が好ましく、置換アリール基の総炭素数
は6〜20が好ましい。
【0287】R52としては、−COR53(R53はアルキ
ル基又はアリール基)、−CONHR53(R53はアリー
ル基)が好ましい。a、b、cは各繰り返し単位の質量
をモル(mol)%で示した値であり、aは40〜86
モル%、bは0〜30モル%、cは0〜60モル%の範
囲で、a+b+c=100モル%となる数を表し、特に
好ましくは、aが50〜86モル%、bが5〜25モル
%、cが0〜40モル%の範囲である。a、b、cの各
組成比をもつ各繰り返し単位は、それぞれ同一のものの
みで構成されていても、異なるもので構成されていても
よい。
【0288】本発明で好ましく用いることのできるポリ
ウレタン樹脂としては、構造がポリエステルポリウレタ
ン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエス
テルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポ
リエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロ
ラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。こ
こに示したすべてのポリウレタンについて、必要に応
じ、−COOM、−SO 3M、−OSO3M、−P=O
(OM)2、−O−P=O(OM)2、(Mは水素原子又
はアルカリ金属塩基を表す)、−N(R542、−N
+(R543(R54は炭化水素基を表し、複数のR54は同
じでも異なっていてもよい)、エポキシ基、−SH基、
−CN基などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性
基を共重合又は付加反応で導入したものを用いることが
好ましい。このような極性基の量は10 -1〜10-8モル
/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gであ
る。これら極性基以外に、ポリウレタン分子末端に少な
くとも1個ずつ、合計2個以上のOH基を有することが
好ましい。OH基は硬化剤であるポリイソシアネートと
架橋して3次元の網状構造を形成するので、分子中に多
数含むほど好ましい。特に、OH基が分子末端にある方
が、硬化剤との反応性が高いので好ましい。ポリウレタ
ンは、分子末端にOH基を3個以上有することが好まし
く、4個以上有することが特に好ましい。ポリウレタン
を用いる場合は、ガラス転移温度が70〜105℃、破
断伸びが100〜2000%、破断応力は0.5〜10
0N/mm2が好ましい。
【0289】本発明の上記一般式(V)で表される高分
子化合物は、「酢酸ビニル樹脂」桜田一郎編(高分子化
学刊行会、1962年)等に記載の一般的な合成方法で
容易に合成することができる。
【0290】これらの高分子化合物をバインダーとして
単独で用いてもよいし、2種類以上をブレンドして用い
てもよい。本発明の感光性銀塩含有層(好ましくは感光
層)には上記ポリマーを主バインダーとして用いる。
【0291】ここで言う主バインダーとは「感光性銀塩
含有層の全バインダーの50質量%以上を上記ポリマー
が占めている状態」をいう。従って、全バインダーの5
0質量%未満の範囲で他のポリマーをブレンドして用い
てもよい。これらのポリマーとしては、本発明に用いら
れるポリマーが可溶となる溶媒であれば、特に制限はな
い。より好ましくはポリ酢酸ビニル、ポリアクリル樹
脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0292】以下に、本発明に好ましく用いられる高分
子化合物の構成を示す。なお、下記化合物中のTgは、
セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計(DSC)に
より測定した値である。
【0293】
【化31】
【0294】なお、上記P−9はソルーシア社製ポリビ
ニルブチラール樹脂B−79である。
【0295】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、還
元可能な銀源(脂肪族カルボン酸銀塩)、感光性ハロゲ
ン化銀粒子、還元剤及び必要に応じて銀の色調を調整す
る色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分
散した状態で含有していることが好ましい。
【0296】好適な色調剤の例は、RD17029号、
米国特許第4,123,282号、同3,994,73
2号、同3,846,136号及び同4,021,24
9号に開示されている。特に好ましい色調剤としてはフ
タラジノン又はフタラジンとフタル酸類、フタル酸無水
物類の組み合わせである。
【0297】なお、従来医療診断用の出力画像の色調に
関しては、冷調の画像調子の方が、レントゲン写真の判
読者にとって、より的確な記録画像の診断観察結果が得
やすいと言われている。ここで冷調な画像調子とは、純
黒調もしくは黒画像が青味を帯びた青黒調であり、温調
な画像調子とは、黒画像が褐色味を帯びた温黒調である
ことを言う。
【0298】色調に関しての用語「より冷調」及び「よ
り温調」は、最低濃度Dmin及び光学濃度D=1.0
における色相角habにより求められる。色相角hab
は国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した知
覚的にほぼ均等な歩度を持つ色空間であるL***
空間の色座標a*、b*を用いて次の式によって求める。
【0299】hab=tan−1(b*/a*) 本発明において、好ましいhabの範囲は180°<h
ab<270°であり、更に好ましくは200°<ha
b<270°、最も好ましくは220°<hab<26
0°である。
【0300】本発明においては、銀塩光熱写真ドライイ
メージング材料の表面層に(感光層側、又支持体をはさ
み感光層の反対側に非感光層を設けた場合にも)、現像
前の取り扱いや熱現像後の画像の傷つき防止のためマッ
ト剤を含有することが好ましく、バインダーに対し、質
量比で0.1〜30%含有することが好ましい。
【0301】マット剤の材質は、有機物及び無機物のい
ずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第
330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,2
96,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,1
73,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミ
ウム、亜鉛等の炭酸塩等をマット剤として用いることが
できる。有機物としては、米国特許第2,322,03
7号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号
や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導
体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアル
コール、スイス特許第330,158号等に記載のポリ
スチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,
079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米
国特許第3,022,169号等に記載されたポリカー
ボネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0302】マット剤は平均粒径が0.5〜10μmで
あることが好ましく、更に好ましくは1.0〜8.0μ
mである。又、粒子サイズ分布の変動係数としては、5
0%以下であることが好ましく、更に、好ましくは40
%以下であり、特に好ましくは30%以下となるマット
剤である。
【0303】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分
散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布
した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法
を用いてもよい。また複数の種類のマット剤を添加する
場合は、両方の方法を併用してもよい。
【0304】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料に用いる支持体の素材としては、各種高分子材料、
ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(例えば、ア
ルミニウム)等が挙げられるが、情報記録材料としての
取り扱い上は可撓性のあるシート又はロールに加工でき
るものが好適である。従って本発明の銀塩光熱写真ドラ
イイメージング材料における支持体としては、プラスチ
ックフィルム(例えばセルロースアセテートフィルム、
ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミ
ドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセ
テートフィルム又はポリカーボネートフィルム等)が好
ましく、本発明においては2軸延伸したポリエチレンテ
レフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚みと
しては50〜300μm程度、好ましくは70〜180
μmである。
【0305】本発明においては帯電性を改良するため
に、金属酸化物及び/又は導電性ポリマーなどの導電性
化合物を構成層中に含ませることができる。これらはい
ずれの層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バ
ッキング層、感光層と下引の間の層などに含まれる。本
発明においては米国特許第5,244,773号カラム
14〜20に記載された導電性化合物が好ましく用いら
れる。
【0306】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料は、支持体上に感光層を有している。支持体の上に
感光層のみを形成してもよいが、感光層の上に少なくと
も一層の非感光層を形成するのが好ましい。例えば、感
光層の上には保護層が、感光層を保護する目的で、又、
支持体の反対の面には感光材料間の、或いは感光材料ロ
ールのくっつきを防止する為に、バックコート層が設け
られるのが好ましい。
【0307】これらの保護層やバックコート層に用いる
バインダーとしては熱現像層よりもガラス転位点が高
く、擦り傷や、変形の生じにくいポリマー、例えばセル
ロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等
のポリマーが、前記のバインダーのなかから選ばれる。
なお、階調調整等のために、感光層を支持体の一方の側
に2層以上又は支持体の両側に1層以上設置してもよ
い。
【0308】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料においては、感光層を透過する光の量又は波長分布
を制御するために感光層と同じ側又は反対の側にフィル
ター層を形成するか、感光層に染料又は顔料を含有させ
ることが好ましい。
【0309】用いられる染料としては、感光材料の感色
性に応じて種々の波長領域の光を吸収する公知の化合物
が使用できる。
【0310】例えば、本発明の銀塩光熱写真ドライイメ
ージング材料を赤外光による画像記録材料とする場合に
は、特願平11−255557号に開示されているよう
なチオピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明
細書ではチオピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)及
びピリリウム核を有するスクアリリウム染料(本明細書
ではピリリウムスクアリリウム染料と呼ぶ)、又スクア
リリウム染料に類似したチオピリリウムクロコニウム染
料、又はピリリウムクロコニウム染料を使用することが
好ましい。
【0311】尚、スクアリリウム核を有する化合物と
は、分子構造中に1−シクロブテン−2−ヒドロキシ−
4−オンを有する化合物であり、クロコニウム核を有す
る化合物とは分子構造中に1−シクロペンテン−2−ヒ
ドロキシ−4,5−ジオンを有する化合物である。ここ
で、ヒドロキシル基は解離していてもよい。以下本明細
書ではこれらの色素を便宜的に一括してスクアリリウム
染料とよぶ。
【0312】なお、染料としては特開平8−20195
9号の化合物も好ましい。本発明の銀塩光熱写真ドライ
イメージング材料は、上述した各構成層の素材を溶媒に
溶解又は分散させた塗布液を作り、それら塗布液を複数
同時に重層塗布した後、加熱処理を行って形成されるこ
とが好ましい。
【0313】ここで「複数同時に重層塗布」とは、各構
成層(例えば感光層、保護層)の塗布液を作製し、これ
を支持体へ塗布する際に各層個別に塗布、乾燥の繰り返
しをするのではなく、同時に重層塗布を行い乾燥する工
程も同時に行える状態で各構成層を形成しうることを意
味する。即ち、下層中の全溶剤の残存量が70質量%以
下となる前に、上層を設けることである。
【0314】各構成層を複数同時に重層塗布する方法に
は特に制限はなく、例えばバーコーター法、カーテンコ
ート法、浸漬法、エアーナイフ法、ホッパー塗布法、エ
クストリュージョン塗布法などの公知の方法を用いるこ
とができる。これらのうちより好ましくはエクストリュ
ージョン塗布法と呼ばれる前計量タイプの塗布方式であ
る。該エクストリュージョン塗布法はスライド塗布方式
のようにスライド面での揮発がないため、精密塗布、有
機溶剤塗布に適している。この塗布方法は感光層を有す
る側について述べたが、バックコート層を設ける際、下
引きとともに塗布する場合についても同様である。
【0315】なお、本発明において、塗布銀量は銀塩光
熱写真イメージング材料の目的に応じた適量を選ぶこと
が好ましいが、医療用画像を目的とする場合には、0.
6g/m2〜2.5g/m2が好ましい。更には1.0g
/m2〜1.7g/m2が好ましい。該塗布銀量の内、ハ
ロゲン化銀に由来するものは全銀量に対して2〜18%
を占めることが好ましい、更には3〜15%がより好ま
しい。
【0316】また、本発明において、0.01μm以上
(球相当換算粒径)のハロゲン化銀粒子の塗布密度は1
×1014個/m2以上、1×1018個/m2以下が好まし
い。更には、1×1015個/m2以上、1×1017個/
2以下が好ましい。
【0317】更に本発明の脂肪族カルボン酸銀塩の塗布
密度は、0.01μm以上(球相当換算粒径)のハロゲ
ン化銀粒子1個当たり、10-17g以上、10-15g以
下、更には10-16〜10-14gが好ましい。
【0318】上記のような範囲内の条件において塗布し
た場合には、一定塗布銀量当たりの銀画像の光学的最高
濃度、即ち、銀被覆量(カバーリング・パワー)及び銀
画像の色調等の観点から好ましい結果が得られる。
【0319】本発明において、現像条件は使用する機
器、装置又は手段に依存して変化するが、典型的には適
した高温において、像様に露光した銀塩光熱写真ドライ
イメージング材料を加熱することを伴う。
【0320】露光後に得られた潜像は、中程度の高温
(例えば、約80〜200℃、好ましくは約100〜2
00℃)で十分な時間(一般には約1秒〜約2分間)、
銀塩光熱写真ドライイメージング材料を加熱することに
より現像することができる。加熱温度が80℃未満では
短時間に十分な画像濃度が得られず、又、200℃を越
えるとバインダーが溶融し、ローラーへの転写など、画
像そのものだけでなく搬送性や、現像機等へも悪影響を
及ぼす。加熱することで脂肪族カルボン酸銀塩(酸化剤
として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により
銀画像を生成する。この反応過程は、外部からの水等の
処理液の一切の供給なしに進行する。
【0321】本発明の請求項12の発明の現像処理温度
は100〜200℃であることを特徴としている。
【0322】加熱する機器、装置、手段はホットプレー
ト、アイロン、ホットローラー、炭素又は白色チタン等
を用いた熱発生器である典型的な加熱手段で行ってよ
い。
【0323】本発明においては、保護層の設けられた銀
塩光熱写真ドライイメージング材料は、保護層を有する
側の面を加熱手段と接触させ加熱処理するのが、均一な
加熱を行う上で、又、熱効率、作業性の点などから好ま
しく、該面をヒートローラに接触させながら搬送し加熱
処理して現像することがより好ましい。
【0324】本発明の銀塩光熱写真ドライイメージング
材料の露光は、該感光材料に付与した感色性に対し、適
切な光源を用いることが望ましい。例えば、該感光材料
を赤外光に感じ得るものとした場合は、赤外光域ならば
如何なる光源にも適用可能であるが、レーザパワーがハ
イパワーであること及び感光材料を透明にできる等の観
点から、赤外半導体レーザ(780nm、820nm)
がより好ましく用いられる。
【0325】本発明において、露光はレーザ走査露光に
より行うことが好ましいが、その露光方法には種々の方
法が採用できる。
【0326】例えば、第1の好ましい方法として、感光
材料の露光面と走査レーザ光のなす角が実質的に垂直に
なることがないレーザ走査露光機を用いる方法が挙げら
れる。
【0327】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とは、レーザ走査中に最も垂直に近い角度として、
好ましくは55〜88度、より好ましくは60〜86
度、更に好ましくは65〜84度、最も好ましくは70
〜82度であることをいう。
【0328】レーザ光が、感光材料に走査されるときの
感光材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは
200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。
【0329】これは、スポット径が小さい方がレーザ入
射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好まし
い。
【0330】なお、ビームスポット直径の下限は10μ
mである。このようなレーザ走査露光を行うことにより
干渉縞様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化
を減じることが出来る。
【0331】また、第2の方法として、本発明における
露光は縦マルチである走査レーザ光を発するレーザ走査
露光機を用いて行うことも好ましい。縦単一モードの走
査レーザ光に比べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化
が減少する。
【0332】縦マルチ化するには、合波による戻り光を
利用する、高周波重畳をかけるなどの方法がよい。な
お、縦マルチとは露光波長が単一でないことを意味し、
通常露光波長の分布が5nm以上、好ましくは10nm
以上になるとよい。露光波長の分布の上限には特に制限
はないが、通常60nm程度である。
【0333】なお、上述した第1、第2の方法の画像記
録方法において、走査露光に用いるレーザとしては、一
般によく知られている、ルビーレーザ、YAGレーザ、
ガラスレーザ等の固体レーザ;HeNeレーザ、Arイ
オンレーザ、Krイオンレーザ、CO2レーザ、COレ
ーザ、HeCdレーザ、N2レーザ、エキシマーレーザ
等の気体レーザ;InGaPレーザ、AlGaAsレー
ザ、GaAsPレーザ、InGaAsレーザ、InAs
Pレーザ、CdSnP2レーザ、GaSbレーザ等の半
導体レーザ;化学レーザ、色素レーザ等を用途に併せて
適時選択して使用できるが、これらの中でもメンテナン
スや光源の大きさの等の観点から、走査波長が600〜
1200nmの半導体レーザを用いるのが好ましい。
【0334】なお、レーザ・イメージャやレーザ・イメ
ージセッタで使用されるレーザにおいて、銀塩光熱写真
ドライイメージング材料に走査されるときの該材料露光
面でのビームスポット径は、一般に短軸径として5〜7
5μm、長軸径として5〜100μmの範囲であり、レ
ーザ光走査速度は銀塩光熱写真ドライイメージング材料
固有のレーザ発振波長における感度とレーザパワーによ
って、感光材料ごとに最適な値に設定することができ
る。
【0335】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。
【0336】実施例1 《支持体の作製》濃度0.170に青色着色したポリエ
チレンテレフタレートフィルムベース(厚み175μ
m)の片方の面に、0.5kV・A・min/m2のコ
ロナ放電処理を施した後、その上に下記の下引塗布液A
を用いて下引層aを、乾燥膜厚が0.2μmになるよう
に塗設した。更に、もう一方の面に同様に0.5kV・
A・min/m2のコロナ放電処理を施した後、その上
に下記の下引塗布液Bを用い、下引層bを、乾燥膜厚が
0.1μmとなるように塗設した。その後、複数のロー
ル群からなるフィルム搬送装置を有する熱処理式オーブ
ンの中で、130℃にて15分熱処理を行った。
【0337】(下引塗布液A)n−ブチルアクリレート
30質量%、t−ブチルアクリレート20質量%、スチ
レン25質量%及び2−ヒドロキシエチルアクリレート
25質量%の共重合体ラテックス液(固形分30%)2
70g、界面活性剤(UL−1)0.6g及びメチルセ
ルロース0.5gを混合した。更に、シリカ粒子(サイ
ロイド350、富士シリシア社製)1.3gを水100
gに添加し、超音波分散機(ALEXCorporat
ion(株)製、Ultrasonic Genera
tor、周波数25kHz、600W)にて30分間分
散処理した分散液を加え、最後に水で1000mlに仕
上げて、下引塗布液Aとした。
【0338】(コロイド状酸化スズ分散液の調製)塩化
第2スズ水和物65gを、水/エタノール混合溶液20
00mlに溶解して均一溶液を調製した。次いで、これ
を煮沸し、共沈殿物を得た。生成した沈殿物をデカンテ
ーションにより取り出し、蒸留水にて数回水洗した。沈
殿物を洗浄した蒸留水中に硝酸銀を滴下し、塩素イオン
の反応がないことを確認後、洗浄した沈殿物に蒸留水を
添加し、全量を2000mlとする。更に、30%アン
モニア水を40ml添加し、水溶液を加温して、容量が
470mlになるまで濃縮してコロイド状酸化スズ分散
液を調製した。
【0339】(下引塗布液B)前記コロイド状酸化スズ
分散液37.5g、n−ブチルアクリレート20質量
%、t−ブチルアクリレート30質量%、スチレン27
質量%及び2−ヒドロキシエチルアクリレート28質量
%の共重合体ラテックス液(固形分30%)3.7g、
n−ブチルアクリレート40質量%、スチレン20質量
%、グリシジルメタクリレート40質量%の共重合体ラ
テックス液(固形分30%)14.8gと界面活性剤U
L−1、0.1gを混合し、水で1000mlに仕上げ
て下引塗布液Bとした。
【0340】
【化32】
【0341】《バック面側塗布》メチルエチルケトン
(MEK)830gを攪拌しながら、セルロースアセテ
ートブチレート(Eastman Chemical
社、CAB381−20)84.2g及びポリエステル
樹脂(Bostic社、VitelPE2200B)
4.5gを添加し、溶解した。次に溶解した液に、0.
30gの赤外染料1を添加し、更にメタノール43.2
gに溶解したフッ素系活性剤(旭硝子社、サーフロンK
H40)4.5gとフッ素系活性剤(大日本インク社、
メガファッグF120K)2.3gを添加して、溶解す
るまで十分に攪拌を行った。最後に、メチルエチルケト
ンに1質量%の濃度でディゾルバ型ホモジナイザにて分
散したシリカ(W.R.Grace社、シロイド64X
6000)を75g添加、攪拌しバック面側用の塗布液
を調製した。
【0342】
【化33】
【0343】このように調製したバック面塗布液を、乾
燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターにて
塗布、乾燥を行った。乾燥温度100℃、露点温度10
℃の乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0344】 《感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製》 溶液(A1) フェニルカルバモイル化ゼラチン 88.3g 化合物(A)(10%メタノール水溶液) 10ml 臭化カリウム 0.32g 水で5429mlに仕上げる。
【0345】 溶液(B1) 0.67mol/L硝酸銀水溶液 2635ml 溶液(C1) 臭化カリウム 51.55g 沃化カリウム 1.47g 水で660mlに仕上げる。
【0346】 溶液(D1) 臭化カリウム 154.9g 沃化カリウム 4.41g 塩化イリジウム(1%溶液) 0.93ml 水で1982mlに仕上げる。
【0347】 溶液(E1) 0.4mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 溶液(F1) 水酸化カリウム 0.71g 水で20mlに仕上げる。
【0348】 溶液(G1) 56%酢酸水溶液 18.0ml 溶液(H1) 無水炭酸ナトリウム 1.72g 水で151mlに仕上げる。
【0349】化合物(A): HO(CH2CH2O)n(CH(CH3)CH2O)
17(CH2CH2O)mH(m+n=5〜7) 特公昭58−58288号に示される混合攪拌機を用い
て溶液(A1)に、溶液(B1)の1/4量及び溶液
(C1)全量を温度30℃、pAg8.09に制御しな
がら、同時混合法により4分45秒を要して添加し、核
形成を行った。1分後、溶液(F1)の全量を添加し
た。この間pAgの調整を、水溶液(E1)を用いて適
宜行った。6分間経過後、溶液(B1)の3/4量及び
溶液(D1)の全量を、温度30℃、pAg8.09に
制御しながら、同時混合法により14分15秒かけて添
加した。5分間攪拌した後、40℃に降温し、溶液(G
1)を全量添加し、ハロゲン化銀乳剤を沈降させた。
【0350】沈降部分2000mlを残して上澄み液を
取り除き、水を10L加え、攪拌後、再度ハロゲン化銀
乳剤を沈降させた。沈降部分1500mlを残し、上澄
み液を取り除き、更に水を10L加え、攪拌後、ハロゲ
ン化銀乳剤を沈降させた。
【0351】沈降部分1500mlを残し、上澄み液を
取り除いた後、溶液(H1)を加え、60℃に昇温し、
更に120分攪拌した。最後にpHが5.8になるよう
に調整し、銀量1モル当たり1161gになるように水
を添加し、乳剤を得た。
【0352】この乳剤は平均粒子サイズ0.040μ
m、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率9
2%の単分散立方体沃臭化銀粒子であった。
【0353】次に上記乳剤に硫黄増感剤S−5(0.5
%メタノール溶液)240mlを加え、更にこの増感剤
の1/20モル相当の金増感剤Au−5を添加し、55
℃にて120分間攪拌して化学増感を施した。これを感
光性ハロゲン化銀乳剤Aとする。
【0354】《粉末脂肪族カルボン酸銀塩Aの調製》4
720mlの純水にベヘン酸130.8g、アラキジン
酸67.7g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸
2.3gを80℃で溶解した。次に1.5mol/Lの
水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し、濃硝
酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナト
リウム溶液を得た。該脂肪酸ナトリウム溶液の温度を5
5℃に保ったまま、45.3gの上記の感光性ハロゲン
化銀乳剤Aと純水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0355】次に1mol/Lの硝酸銀溶液702.6
mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し脂肪族カル
ボン酸銀塩分散物を得た。
【0356】その後、得られた脂肪族カルボン酸銀塩分
散物を水洗容器に移し、脱イオン水を加えて攪拌後、静
置させて脂肪族カルボン酸銀塩分散物を浮上分離させ、
下方の水溶性塩類を除去した。
【0357】その後、排水の電導度が50μS/cmに
なるまで脱イオン水による水洗、排水を繰り返し、遠心
脱水を実施した後、得られたケーキ状の脂肪族カルボン
酸銀塩を、気流式乾燥機フラッシュジェットドライヤー
(株式会社セイシン企業製)を用いて、窒素ガス雰囲気
及び乾燥機入り口熱風温度の運転条件により、含水率が
0.1%になるまで乾燥して粉末脂肪族カルボン酸銀塩
Aを得た。脂肪族カルボン酸銀塩組成物の含水率測定に
は赤外線水分計を使用した。
【0358】《予備分散液Aの調製》ポリビニルブチラ
ール樹脂P−9,14.57gをメチルエチルケトン1
457gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディ
ゾルバDISPERMATCA−40M型にて攪拌しな
がら、粉末脂肪族カルボン酸銀塩A、500gを徐々に
添加して十分に混合することにより予備分散液Aを調製
した。
【0359】《感光性乳剤分散液Aの調製》予備分散液
Aをポンプを用いてミル内滞留時間が1.5分間となる
ように、0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製トレ
セラム)を内容積の80%充填したメディア型分散機D
ISPERMAT SL−C12EX型(VMA−GE
TZMANN社製)に供給し、ミル周速8m/sにて分
散を行なうことにより感光性乳剤分散液Aを調製した。
【0360】《安定剤液の調製》1.0gの安定剤1、
0.31gの酢酸カリウムをメタノール4.97gに溶
解し安定剤液を調製した。
【0361】《赤外増感色素液Aの調製》19.2mg
の赤外増感色素1、1.488gの2−クロロ−安息香
酸、2.779gの安定剤2及び365mgの5−メチ
ル−2−メルカプトベンズイミダゾールを、31.3m
lのMEKに暗所にて溶解し、赤外増感色素液Aを調製
した。
【0362】《添加液aの調製》現像剤として現像剤1
−14を14.5gと1.54gの4−メチルフタル
酸、0.48gの前記赤外染料1をMEK110gに溶
解し、添加液aとした。
【0363】《添加液bの調製》3.56gのカブリ防
止剤2、3.43gのフタラジンをMEK40.9gに
溶解し、添加液bとした。
【0364】《感光層塗布液Aの調製》不活性気体雰囲
気下(窒素97%)において、前記感光性乳剤分散液A
(50g)及びMEK15.11gを攪拌しながら21
℃に保温し、カブリ防止剤1(10%メタノール溶液)
390μlを加え、1時間攪拌した。更に臭化カルシウ
ム(10%メタノール溶液)494μlを添加して20
分攪拌した。続いて、安定剤液167mlを添加して1
0分間攪拌した後、1.32gの前記赤外増感色素液を
添加して1時間攪拌した。その後、温度を13℃まで降
温して更に30分攪拌した。13℃に保温したまま、バ
インダー樹脂としてポリビニルアセタール樹脂P−1を
13.31g添加して30分攪拌した後、テトラクロロ
フタル酸(9.4質量%MEK溶液)1.084gを添
加して15分間攪拌した。更に攪拌を続けながら、1
2.43gの添加液a、1.6mlのDesmodur
N3300/モーベイ社製の脂肪族イソシアネート(1
0%MEK溶液)、4.27gの添加液bを順次添加し
攪拌することにより感光層塗布液Aを得た。
【0365】《マット剤分散液の調製》セルロースアセ
テートブチレート(Eastman Chemical
社、7.5gのCAB171−15)をMEK42.5
gに溶解し、その中に、炭酸カルシウム(Specia
lity Minerals社、Super−Pfle
x200)5gを添加し、ディゾルバ型ホモジナイザに
て8000rpmで30min分散し、マット剤分散液
を調製した。
【0366】《表面保護層塗布液の調製》MEK(メチ
ルエチルケトン)865gを攪拌しながら、セルロース
アセテートブチレート(Eastman Chemic
al社、CAB171−15)を96g、ポリメチルメ
タクリル酸(ローム&ハース社、パラロイドA−21)
を4.5g、ビニルスルホン化合物(VSC)を1.5
g、ベンズトリアゾールを1.0g、フッ素系活性剤
(旭硝子社、サーフロンKH40)を1.0g、添加し
溶解した。次に上記マット剤分散液30gを添加して攪
拌し、表面保護層塗布液を調製した。
【0367】
【化34】
【0368】
【化35】
【0369】《銀塩光熱写真ドライイメージング材料試
料101の作製》感光層塗布液Aと表面保護層塗布液
を、公知のエクストルージョン型コーターを用いて、同
時に重層塗布することにより試料101を作製した。塗
布は感光層が塗布銀量1.0g/m2、表面保護層が乾
燥膜厚で2.5μmになる様にして行った。その後、乾
燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風を用いて、10
分間乾燥を行い、試料101を得た。
【0370】感光層塗布液A中の添加液bの後に表1に
記載の本発明の一般式(1)〜(3)で表される化合物
の1%メタノール溶液1.0gを添加することおよび、
架橋剤を脂肪族イソシアネートから表1に記載したもの
に変更する以外は、試料101と同様にして、試料10
2〜123を作製した。
【0371】《露光及び現像処理》上記のように作製し
た試料の乳剤面側から、高周波重畳にて波長800〜8
20nmの縦マルチモード化された半導体レーザを露光
源とした露光機により、レーザ走査による露光を与え
た。この際に、試料の露光面と露光レーザ光の角度を7
5度として画像を形成した(なお、該角度を90度とし
た場合に比べ、ムラが少なく、且つ予想外に鮮鋭性等が
良好な画像が得られた。)。
【0372】その後、ヒートドラムを有する自動現像機
を用いて、試料の保護層とドラム表面が接触するように
して、125℃で15秒熱現像処理した。その際、露光
及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行っ
た。得られた画像の評価を濃度計により行った。測定の
結果は、感度(未露光部分よりも1.0高い濃度を与え
る露光量の比の逆数)、カブリ及び最高濃度で評価し、
試料101の感度及び最高濃度を100とする相対感度
で表1に示した。
【0373】〈保存安定性の評価〉25℃で相対湿度5
5%に保たれた容器中に各試料を入れた密封容器を2部
用意し、一方を50℃の条件下で7日間保存した(これ
を強制劣化処理試料という)。他方は、比較用として2
5℃の条件下で同じく7日間保存した(これを基準試料
という)。
【0374】このようにして用意した強制劣化処理試料
および比較の基準試料を上記露光、現像処理を行い下記
のように最小濃度及び最高濃度変化率を測定し保存安定
性を評価した。
【0375】(1)最小濃度(Dmin)変化率の測定 強制劣化処理試料の最小濃度(D2)と基準試料の最小
濃度(D1)をそれぞれ測定し、以下の式より最小濃度
変化率(%)を算出した。
【0376】最小濃度変化率(%)=(D2/D1)×
100 (2)最高濃度(Dmax)変化率の測定 上記最小濃度変化率の測定と同様の方法にて作製した各
熱現像処理済み試料を、下記により最高濃度変化率を測
定し、それを保存安定性の尺度とした。
【0377】最高濃度変化率(%)=(強制劣化処理試
料の最高濃度/基準試料の最高濃度)×100
【0378】
【表1】
【0379】表1から明らかなように、本発明の銀塩光
熱写真ドライイメージング材料は、比較に比べ、感度が
同等以上でありながら、カブリが少なく、保存安定性に
優れていることが分かる。
【0380】実施例2 以下に示す以外は実施例1と同様にして、銀塩光熱写真
ドライイメージング材料を作製した。
【0381】《粉末脂肪族カルボン酸銀塩Bの調製》4
720mlの純水にベヘン酸104.6g、アラキジン
酸54.2g、ステアリン酸34.9g、パルミチン酸
1.8gを80℃で溶解した。次に1.5Mの水酸化ナ
トリウム水溶液432.2mlを添加し、濃硝酸5.5
mlを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナトリウム溶
液を得た。該脂肪酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保
ったまま、36.2gの上記の感光性ハロゲン化銀乳剤
Aと純水450mlを添加し5分間攪拌した。
【0382】次に1mol/Lの硝酸銀溶液562.1
mlを2分間かけて添加し、10分間攪拌し脂肪族カル
ボン酸銀塩分散物を得た。以下は実施例1の粉末脂肪族
カルボン酸銀塩Aと同様にして、粉末脂肪族カルボン酸
銀塩Bを調製した。
【0383】《粉末脂肪族カルボン酸銀塩Cの調製》4
720mlの純水にベヘン酸130.8g、アラキジン
酸67.7g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸
2.3gを80℃で溶解した。次に1.5mol/L
(%)Mの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添
加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して脂
肪酸ナトリウム溶液を得た。上記の脂肪酸ナトリウム溶
液の温度を55℃に保ったまま、t−ブチルアルコール
347mlを添加し20分間攪拌した後、45.3gの
上記の感光性ハロゲン化銀乳剤Aと純水450mlを添
加し5分間攪拌した。
【0384】以下は実施例1の粉末脂肪族カルボン酸銀
塩Aと同様にして、粉末脂肪族カルボン酸銀塩Cを調製
した。
【0385】《粉末脂肪族カルボン酸銀塩Dの調製》4
720mlの純水にベヘン酸130.8g、アラキジン
酸67.7g、ステアリン酸32.2g、パルミチン酸
2.3g、イソアラキジン酸17.0gを80℃で溶解
した。次に1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液540.
2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に
冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。上記の脂肪酸ナ
トリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、45.3g
の上記の感光性ハロゲン化銀乳剤Aと純水450mlを
添加し5分間攪拌した。
【0386】以下は実施例1の粉末脂肪族カルボン酸銀
塩Aと同様にして、粉末脂肪族カルボン酸銀塩Dを調製
した。
【0387】《粉末脂肪族カルボン酸銀塩Eの調製》4
720mlの純水にベヘン酸130.8g、アラキジン
酸67.7g、ステアリン酸37.6g、パルミチン酸
2.3g、オレイン酸6.0gを80℃で溶解した。次
に1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液540.
2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に
冷却して脂肪酸ナトリウム溶液を得た。該脂肪酸ナトリ
ウム溶液の温度を55℃に保ったまま、45.3gの上
記の感光性ハロゲン化銀乳剤Aと純水450mlを添加
し5分間攪拌した。
【0388】以下は実施例1の粉末脂肪族カルボン酸銀
塩Aと同様にして、粉末脂肪族カルボン酸銀塩Eを調製
した。
【0389】《粉末脂肪族カルボン酸銀塩Fの調製》4
720mlの純水にベヘン酸130.8g、アラキジン
酸67.7g、ステアリン酸43.6g、パルミチン酸
2.3g及びポリビニルアルコール1.5g(クラレ社
製PVA−205)を80℃で溶解した。次に1.5M
の水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し濃硝
酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して脂肪酸ナト
リウム溶液を得た。上記の脂肪酸ナトリウム溶液の温度
を55℃に保ったまま、45.3gの上記の感光性ハロ
ゲン化銀乳剤Aと純水450mlを添加し5分間攪拌し
た。
【0390】以下は実施例1の粉末脂肪族カルボン酸銀
塩Aと同様にして、粉末脂肪族カルボン酸銀塩Fを調製
した。
【0391】《予備分散液B〜Fの調製》粉末脂肪族カ
ルボン酸銀塩B〜Fに変更する他は、実施例1と同様に
して調製した。
【0392】《感光性乳剤分散液B〜Fの調製》予備分
散液B〜Fに変更する他は、実施例1と同様にして調製
した。
【0393】《感光層塗布液B〜Fの調製》実施例1の
感光層塗布液Aと同様にして、感光性乳剤分散液B〜F
を用いて感光層塗布液B〜Fを調製した。
【0394】《銀塩光熱写真ドライイメージング材料試
料201の作製》感光層塗布液Bと実施例1の表面保護
層塗布液を用いて、実施例1と同様にして試料201を
作製した。
【0395】感光層塗布液中の感光性乳剤分散液と芳香
族イソシアネート化合物を表2に記載したものに変更す
る以外は、試料201と同様にして、試料202〜22
4を作製した。
【0396】〈脂肪族カルボン酸銀塩の粒径と厚さの測
定〉分散後の脂肪族カルボン酸銀塩を希釈してカーボン
支持膜付きグリッド上に分散し、透過型電子顕微鏡(日
本電子製、2000FX型)を用いて直接倍率5000
倍で撮影し、スキャナーにてネガをデジタル画像として
取り込み、画像処理装置LUZE XIII(ニコレ社製)
を用いて300個の粒径を測定し、この平均値を求め
た。
【0397】次に厚さを求めるため、支持体上に塗布さ
れた感光層を接着剤によりホルダーに貼り付け、支持体
面と垂直な方向にダイヤモンドナイフを用いて厚さ0.
1〜0.2μmの超薄切片を作製した。超薄切片を銅メ
ッシュに支持させ、グロー放電により親水化されたカー
ボン膜上に移し、液体窒素により−130℃以下に冷却
しながら上記透過型電子顕微鏡を用いて、倍率5,00
0〜40,000で明視野像を観察し画像をフィルムに
記録した。この画像を画像処理装置LUZEXIII(ニコ
レ社製)を用いて300個の厚さを測定し、この平均値
を求めた。
【0398】露光、現像処理及び各種の評価は実施例1
と同様にして行った。
【0399】
【表2】
【0400】表2から明らかなように、本発明の銀塩光
熱写真ドライイメージング材料は、比較に比べ最高濃度
が高く、高感度でありながら、カブリが少なく、現像処
理後の保存性及び保存安定性に優れていることが分か
る。
【0401】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明による銀
塩光熱写真ドライイメージング材料、それを用いた画像
記録方法及び画像形成方法は最高濃度が高く、カブリが
少なく、保存安定性が良好で優れた効果を有する。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子及び
    感光性ハロゲン化銀粒子を有する感光性乳剤、銀イオン
    還元剤、バインダー及び架橋剤を含有する銀塩光熱写真
    ドライイメージング材料において、該架橋剤の少なくと
    も一種が芳香族多価イソシアネート化合物であり、且
    つ、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物から選
    ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴と
    する銀塩光熱写真ドライイメージング材料。 【化1】 〔式中、R11、R12及びR13は水素原子又は一価の置換
    基を表し、X11は電子供与性のヘテロ環残基、シクロア
    ルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキ
    ルアミノ基又はシクロアルケニル基を表す。〕 【化2】 〔式中、R21はアルキル基を表し、R22及びR23は水素
    原子又は一価の置換基を表し、X21は電子吸引性基を表
    し、L21は芳香族炭素環基を表し、n2は0又は1を表
    す。〕 【化3】 〔式中、X31は電子吸引性のヘテロ環残基、ハロゲン原
    子又はハロアルキル基を表し、R31又はR32の何れか一
    方が水素原子であり、他方がヒドロキシル基を表す。〕
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)における、R11が電子
    吸引性基であることを特徴とする請求項1に記載の銀塩
    光熱写真ドライイメージング材料。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)又は一般式(2)にお
    けるR11、X21で表される電子吸引性基がシアノ基であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の銀塩光熱写
    真ドライイメージング材料。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)又は一般式(2)にお
    けるR12及びR13、又はR22及びR23のいずれか一方が
    水素原子であり、他方が電子供与性基であることを特徴
    とする請求項1〜3の何れか1項に記載の銀塩光熱写真
    ドライイメージング材料。
  5. 【請求項5】 前記芳香族多価イソシアネートが下記一
    般式(Z)で表される化合物であることを特徴とする請
    求項1〜4の何れか1項に記載の銀塩光熱写真ドライイ
    メージング材料。 一般式(Z) (X2=C=N)v2−L−〔J1−(N=C=X2v1n 〔式中、v1は1以上の整数を示し、v2は0又は1以
    上の整数を示し、nは1以上の整数であり、v2が0の
    場合、v1又はnが2以上の整数である。J1は置換、
    無置換のアリーレン基又はヘテロ環基であり、Lは置
    換、無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル
    基、アリール基及びヘテロ環基から選ばれる少なくとも
    1種の基から誘導される連結基、又はこれらの連結基が
    結合基により結合された連結基であり、X2は酸素原子
    又は硫黄原子である。〕
  6. 【請求項6】 非感光性脂肪族カルボン酸銀塩粒子が結
    晶成長抑制剤又は分散剤として機能する化合物の存在下
    で形成されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1
    項に記載の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
  7. 【請求項7】 前記結晶成長抑制剤又は分散剤として機
    能する化合物がヒドロキシル基又はカルボキシル基を有
    する有機化合物であることを特徴とする請求項6に記載
    の銀塩光熱写真ドライイメージング材料。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れか1項に記載の銀塩
    光熱写真ドライイメージング材料に、露光面とレーザ光
    のなす角度が実質的に垂直になることがないレーザを用
    いて走査露光を行い、画像を記録することを特徴とする
    画像記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7の何れか1項に記載の銀塩
    光熱写真ドライイメージング材料に、露光波長が単一で
    ない縦マルチレーザを用いて、走査露光を行い、画像を
    記録することを特徴とする画像記録方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7の何れか1項に記載の銀
    塩光熱写真ドライイメージング材料に、2本以上のレー
    ザを用いて、走査露光を行い、画像を記録することを特
    徴とする画像記録方法。
  11. 【請求項11】 前記走査露光に用いるレーザの波長が
    600〜1200nmであることを特徴とする請求項8
    〜10の何れか1項に記載の画像記録方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜7の何れか1項に記載の銀
    塩光熱写真ドライイメージング材料を100〜150℃
    の現像温度で処理することを特徴とする画像形成方法。
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