JP2003280030A - 表示素子およびその製造方法 - Google Patents

表示素子およびその製造方法

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JP2003280030A
JP2003280030A JP2002087133A JP2002087133A JP2003280030A JP 2003280030 A JP2003280030 A JP 2003280030A JP 2002087133 A JP2002087133 A JP 2002087133A JP 2002087133 A JP2002087133 A JP 2002087133A JP 2003280030 A JP2003280030 A JP 2003280030A
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Japan
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electrode
substrate
substrates
bonding
inter
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JP2002087133A
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Taizou Ikeguchi
太蔵 池口
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非表示領域を小さくするとともに、2つの電
極基板間での確実な導通を達成することができる表示素
子を提供する。 【解決手段】 各電極基板31,32は、各電極基板間
の導通を得るためのコモン電極37と接続電極48とが
対向する状態で、シール材33によって貼り合わされ
る。シール材33は、コモン電極37と接続電極48と
に部分的に挟まれる位置に設けられ、シール材33に
は、コモン電極37と接続電極48とに挟まれる部分だ
けに、導電性を有する導体材50が混入される。このよ
うにして、シール材33を配置する領域と、コモン電極
37、接続電極48および導体材50を配置する領域と
を、共用することができ、非表示領域53を小さくする
ことができるうえ、導体材50をコモン電極37および
接続電極48に確実に当接させて、各電極基板31,3
2間の確実な導通を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば液晶表示
素子などの表示素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の技術の液晶表示素子1の
一部を示す断面図である。図8は、液晶表示素子1全体
を示す断面図である。図9は、図8の切断面線S9−S
9から見て示す断面図である。液晶表示素子1は、アク
ティブマトリクス形の表示素子であって、アレイ基板2
とカラーフィルタ基板3とを有する。各基板2,3に
は、電極がそれぞれ形成され、各基板2,3が、電極の
形成される表面部を対向させて、エポキシ系樹脂から成
るシール材4によって貼り合わされ、各基板2,3間の
シール材4によって囲まれる空間に液晶材料15が封入
されて、液晶表示素子1が構成される。
【0003】液晶表示素子1では、この液晶表示素子1
を駆動するためのドライバとの接続の容易化を図るため
に、ドライバとの接続用の複数の端子5,6を全て、ア
レイ基板2に設けて、ドライバに一括して接続できるよ
うに構成されている。詳細に述べると、アレイ基板2に
形成される画素電極7とドライバとを電気的に接続する
ための複数のアレイ基板用端子5、およびカラーフィル
タ基板3に形成される対向電極8とドライバとを電気的
に接続するための複数のカラーフィルタ基板用端子6
が、アレイ基板2に形成されている。
【0004】このようにカラーフィルタ基板用端子6を
アレイ基板2に設ける場合、カラーフィルタ基板用端子
6と、カラーフィルタ基板3に形成される電極とを導通
させる必要がある。このために、アレイ基板2には、カ
ラーフィルタ基板用端子6に電気的に接続されるコモン
電極9が形成され、カラーフィルタ基板3には、コモン
電極9に対向する位置に、対向電極8に電気的に接続さ
れる接続電極10が形成され、コモン電極9と接続電極
10との間に、熱硬化性フェノール樹脂中にカーボン
粉、銀粉およびニッケル紛などの微細導電体紛を含有す
る導電ペースト11が設けられている。液晶表示素子1
では、画素電極7が設けられる表示領域12を外囲する
環状の非表示領域13において、環状にシール材4が設
けられ、シール材4から内側にずれた位置に、コモン電
極9、接続電極10および導電ペースト11が配置され
ている。
【0005】図10は、他の従来の技術の液晶表示素子
1A全体を示す断面図である。この液晶表示装置1A
は、図6〜図8の液晶表示装置1と類似しており、異な
る構成についてだけ説明し、同様の構成を有する部分
は、同一の符号を付し説明を省略する。図9に示す液晶
表示素子1Aは、特開2001−142084に示され
ている。この液晶表示装置1Aでは、微細な導電粒子が
混入されたシール材4Aが、コモン電極9に重なるよう
に設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】表示領域12の外側の
非表示領域13は、各端子5,6とドライバとをテープ
オーメイテッドボンディング(Tape Automated Bondin
g:TAB)方式を採用して接続するうえで必要となる
接続領域だけでなく、シール材4を配置するシール材配
置領域および導電ペースト11を配置する導電ペースト
配置領域として必要となり、これら接続領域、シール材
配置領域および導電ペースト配置領域を個別に設ける
と、非表示領域13の幅寸法L13が大きくなってしま
う。図6〜図8に示す液晶表示素子1では、シール材4
と導電ペースト11とが異なる種類の硬化材料であり、
導電ペースト11は、シール材4と重ならないように、
シール材4の内側に配置される。導電ペースト11は、
シール材4と重ならないようにすればよく、シール材4
の外側に配置されてもよいが、いずれにしても、シール
材4と導電ペースト11とを内外方向の個別の位置に配
置しなければならず、非表示領域13の幅寸法L13が
大きくなってしまう。
【0007】このように非表示領域13の幅寸法L13
が大きくなると、液晶表示素子1を用いて構成される表
示パネルのデザイン上の制約となり、表示画面の大きさ
に対して、いわゆる額縁が大きくなるデザインを余儀な
くされる。逆に言えば、アレイ基板2パターン設計にお
いて、表示パネル全体の寸法の割に表示領域が小さくな
ってしまう。さらに当然、表示パネルを用いて表示装置
を製造した場合に、表示装置の額縁が大きくなってしま
う。
【0008】また液晶表示素子1で用いられる導電ペー
スト11は、そのペースト内で複数の微細な導電体紛同
士が点接触することによって、導電性を有する構成であ
り、電気抵抗値が高いうえ、セルギャップが大きくなる
ほど、それにつれて電気抵抗値も大きくなってしまう。
【0009】図11は、液晶表示素子1Aのコモン電極
9付近を拡大して示す断面図である。図11において、
上側にカラーフィルタ基板3の表面部が示され、下側に
アレイ基板2の表面部が示されている。図9に示す特開
2001−142084の液晶表示素子1Aでは、図7
〜図9の液晶表示素子1の上記課題を解決することがで
きるが、新たな2つの課題を有する。
【0010】アレイ基板2では、構造上、コモン電極9
の表面と、コモン電極9に隣接して形成される積層膜1
7の表面とは、段差ΔH9を有している。コモン電極9
周辺には、アレイ基板用電極5の第1の絶縁膜が、窒化
珪素(SiNx)および酸化珪素(SiO2)などを用
いて、プラズマ化学蒸着(CVD)法によって成膜さ
れ、さらに積層されて、ソース線電極が、タンタル(T
a)などを用いて、スパッタリングによって成膜され、
さらに積層されて、第2の絶縁膜が、第1の絶縁膜と同
様にして成膜される。また場合によっては、平坦化膜と
して樹脂膜がオーバーコート塗布されて形成されること
もあり、このように積層して形成される積層膜17の表
面と、コモン電極9の表面との段差ΔH9は、3μm以
上になる場合もある。
【0011】シール材4Aに分散される導電粒子19の
粒子外経D19は、コモン電極9と接続電極10との間
に配置される状態で最適となる寸法に設定されるが、こ
の導電粒子19は、シール材14内に均一に分散される
ので、積層膜17に臨む領域にも介在してしまい、コモ
ン電極9と接続電極10との間隔L9が、粒子外径D1
9よりも大きくなって、コモン電極9と接続電極10と
の間に介在される導電粒子19がシール材4の樹脂材に
よって覆われ、コモン電極9と接続電極10との導通不
良が生じてしまう。これが第1の課題である。
【0012】また導電粒子17が均一に混入されたシー
ル材4Aは、表示領域12を外囲する状態で設けられる
ので、表示領域12内に配置される電極からアレイ基板
用電極5へ延びる接続線などが、導体粒子19によっ
て、他の電極および配線などと不所望に導通してしまう
ことを防ぐために、必ず絶縁層を形成する必要がある。
これが第2の課題である。しかもこの絶縁層を設けるこ
とは、第1の課題をさらに助長することになってしま
う。
【0013】本発明の目的は、非表示領域を小さくする
とともに、2つの電極基板間での確実な導通を達成する
ことができる表示素子を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、相互に対向し
て配置される2つの電極基板であって、各電極基板を相
互に導通させるための基板間導通用電極部が、相互に対
向する位置にそれぞれ形成される2つの電極基板と、各
基板間導通用電極部に部分的に挟まれる位置に設けら
れ、各電極基板を相互に貼合わせる貼合材と、導電性を
有し、貼合材の各基板間導通用電極部に挟まる部分だけ
に混入される導体材とを含むことを特徴とする表示素子
である。
【0015】本発明に従えば、2つの電極基板は、各電
極基板間を導通させるための基板間導通用電極部が対向
する状態で、貼合材によって貼り合わされる。貼合材
は、各基板間導通用電極部に部分的に挟まれる位置に設
けられ、貼合材には、導電性を有する導体材が混入され
る。このようにして、貼合材を配置する領域と、各基板
間導通用電極部および導体材を配置する領域とを、部分
的に一致させ、共用することができる。これによって、
貼合材、各基板間導通用電極部および導体材が配置され
る非表示領域を小さくすることができる。
【0016】また導体材は、貼合材全体に混入されるの
ではなく、貼合材の各基板間導通用電極部に挟まる部分
だけに混入される。したがって、各基板間導通用電極が
形成される部分と残余の部分とで、各電極基板の層構成
が異なっても、残余の部分の導体材がスペーサとなって
各基板間導通用電極部間の間隔を設計寸法よりも大きく
設定してしまうことが防がれ、導体材を各基板間導通用
電極部に確実に当接させ、各基板間導通用電極各部を確
実に電気的に接続することができる。このようにして非
表示領域を小さくするとともに、各電極基板間の確実な
導通を達成することができる。
【0017】また本発明は、導体材は、合成樹脂から成
る母粒子の表面に金属層が形成される導電性粒子である
ことを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、導体材が、合成樹脂から
成る母粒子の表面に金属層を形成して構成される導電性
粒子であるので、加圧することによって、導電性粒子を
変形させることができる。したがって導電性粒子の寸法
を、各基板間導通用電極部間の設計寸法よりも大きく設
定し、各電極基板の貼合時に加圧して導電性粒子を変形
させ、各電極基板の寸法誤差を許容して、各基板間導通
用電極部間を確実に導通させることができる。また導電
性粒子を各電極基板で挟んだ状態で加圧変形させること
によって、各基板間導通用電極部と導電性粒子とを確実
に面接触させることができ、これによっても各基板間導
通用電極部間の確実な導通を達成することができる。
【0019】また本発明は、2つの電極基板であって、
各電極基板を相互に導通させるための基板間導通用電極
部が形成される2つの電極基板のうち、いずれか一方の
基板間導通用電極部上を含む領域に、各電極基板を貼合
わせるための貼合材を設ける貼合材配置工程と、前記2
つの電極基板のうち、いずれか一方の基板間導通用電極
部上の領域に、揮発性材料で希釈され、貼合材と同様の
材料から成り、導体材が混入される保持材を設ける導体
材配置工程とを含むことを特徴とする表示素子の製造方
法である。
【0020】本発明に従えば、いずれか一方の電極基板
の基板間導通用電極部上を含む領域に、貼合材が設けら
れる。またいずれか一方の電極基板の基板間導通用電極
部上の領域に、揮発性材料で希釈され、貼合材と同様の
材料から成り、導体材が混入される保持材が設けられ
る。貼合材と保持材とは、同一の電極基板に設けてもよ
いし、異なる電極基板に設けてもよい。このような各電
極基板を、各基板間導通用電極部を対向させるように配
置して、貼合材によって貼合わせ、表示素子を製造する
ことができる。
【0021】導体材が混入される保持材を設けることに
よって、導体材を電極基板の基板間導通用電極部上に確
実に保持した状態で、各電極基板を貼合わせることがで
きる。このようにして製造される表示素子は、各基板間
導通用電極部に部分的に挟まれる位置に貼合材が設けら
れ、この貼合材の各基板間導通用電極部間に挟まる部分
だけに導体材が混入されている。
【0022】保持材は、貼合材と同様の材料から成り、
揮発性材料で希釈されるので、揮発性材料が蒸散すれ
ば、貼合材と同様に機能することができ、貼合材による
各電極基板の貼合わせに影響を与えることがない。しか
も揮発性材料の蒸散後の保持材の量を小さくすることが
でき、導体材が混入される各基板間導通用電極部間の貼
合材寸法を小さく抑えることができ、非表示領域を小さ
く抑えることができる。このようにして非表示領域を小
さくするとともに、各電極基板間の確実な導通を達成す
ることができる表示素子を容易に製造することができ
る。
【0023】また本発明は、2つの電極基板であって、
各電極基板を相互に導通させるための基板間導通用電極
部が形成される2つの電極基板のうち、いずれか一方の
基板間導通用電極部上を含む領域に、各電極基板を貼合
わせるための貼合材を設ける貼合材配置工程と、前記2
つの電極基板のうち、いずれか一方の電極基板の基板間
導通用電極部上の領域に、揮発性を有する材料から成
り、導体材が混入される保持材を設ける導体材配置工程
とを含むことを特徴とする表示素子の製造方法である。
【0024】本発明に従えば、いずれか一方の電極基板
の基板間導通用電極部上を含む領域に、貼合材が設けら
れる。またいずれか一方の電極基板の基板間導通用電極
部上の領域に、揮発性を有する材料から成り、導体材が
混入される保持材が設けられる。貼合材と保持材とは、
同一の電極基板に設けてもよいし、異なる電極基板に設
けてもよい。このような各電極基板を、各基板間導通用
電極部を対向させるように配置して、貼合材によって貼
合わせ、表示素子を製造することができる。
【0025】導体材が混入される保持材を設けることに
よって、導体材を電極基板の基板間導通用電極部上に確
実に保持した状態で、各電極基板を貼合わせることがで
きる。このようにして製造される表示素子は、各基板間
導通用電極部に部分的に挟まれる位置に貼合材が設けら
れ、この貼合材の各基板間導通用電極部間に挟まる部分
だけに導体材が混入されている。
【0026】保持材は、揮発性を有する材料から成るの
で、揮発性材料が蒸散すれば、導体材だけが残ることに
なり、貼合材による各電極基板の貼合わせに影響を与え
ることがない。しかも揮発性材料の蒸散後の保持材の量
を小さくすることができ、導体材が混入される各基板間
導通用電極部間の貼合材寸法を小さく抑えることがで
き、非表示領域を小さく抑えることができる。このよう
にして非表示領域を小さくするとともに、各電極基板間
の確実な導通を達成することができる表示素子を容易に
製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
表示素子30の一部を示す断面図である。図2は、表示
素子30全体を示す断面図である。図3は、図2の切断
面線S2−S2から見て示す断面図である。表示素子3
0は、本実施の形態では液晶表示素子であって、2つの
電極基板31,32が、相互に間隔をあけて対向する状
態に配置されて積層され、矩形の閉ループ状に設けられ
るシール材33によって貼り合わされ、各電極基板3
1,32間のシール材33に囲まれる空間に液晶材料3
4が封入されて、表示素子30が構成される。
【0028】第1電極基板31は、アレイ基板であっ
て、ガラス基板35の厚み方向一方側の表面に、複数の
膜が成膜積層される積層体36が形成されて構成され
る。第1電極基板31の積層体34は、走査電極である
ゲート線電極と、コモン電極37と、ゲート絶縁膜と、
半導体膜と、信号電極であるソース線電極と、ドレイン
電極とを有し、さらにインジウム錫酸化物(Indium Tin
Oxide:略称ITO)などから成るマトリクス状に並ぶ
表示画素毎の透明画素電極49と、ポリイミドなどから
成る液晶配向膜とを有する。
【0029】第2電極基板31は、カラーフィルタ基板
であって、ガラス基板38の厚み方向一方側の表面に、
複数の膜が成膜積層される積層体39が形成されて構成
される。第2電極基板31の積層体39は、表示画素毎
の赤(R)、緑(G)および青(B)の3原色層を備え
るフィルタと、ブラックマスク(略称BM)とを有し、
これらを平面化処理する平面化処理層を有し、さらに全
表示画素にわたってITOなどから成る透明対向電極4
2と、ポリイミドなどから成る液晶配向膜とを有する。
【0030】各電極基板31,32は、各積層体36,
39が形成される表面部を対向させ、透明画素電極49
が配置される表示領域52における配向膜間の間隔であ
るセルギャップを均一にし、この表示領域52における
液晶層の厚みを均一にするために、スペーサを用いて、
各ガラス基板35,36が予め定める間隔に保持される
状態で、シール材33によって貼り合わされる。シール
材33は、第1電極基板31に形成される透明画素電極
49が配置される表示領域40を全周にわたって外囲す
るように配置されて設けられる。スペーサは、透明画素
電極49が配置される表示領域52に設けられる面内ス
ペーサと、シール材33に混入される周辺スペーサとを
有する。
【0031】表示素子30は、ドライバインテグレイテ
ィッドサーキット(integratedcircuit:略称IC)に
電気的に接続され、ドライバICによって表示駆動され
る。具体的には、ドライバICによって、各透明画素電
極49と透明対向電極との間に、選択的に駆動電圧が印
加され、液晶材料34の配向状態が表示画素毎に選択さ
れる。
【0032】各透明画素電極49と透明対向電極との間
に選択的に電圧を印加するために、第1電極基板31に
は、透明画素電極49毎に、スイッチング素子としての
薄膜トランジスタ(TFT)が設けられている。ドライ
バICによって、透明対向電極に一定の電位を与え、各
TFTを制御して各透明画素電極49に、選択的に異な
る電位を与える。このようにして表示画素毎に、透明画
素電極49と透明対向電極との間の電圧を選択して液晶
材料34の配向状態を選択され、画像が表示される。
【0033】表示素子30には、ドライバICに電気的
に接続するための端子群43が形成され、この端子群4
3の各端子44,45に、テープオーメイテッドボンデ
ィング(Tape Automated Bonding:TAB)方式を用い
てドライバICに形成される端子郡の各端子が電気的に
接続される。このようにして、表示素子30とドライバ
ICとが電気的に接続される。表示素子30の端子群4
3は、第1電極基板31に形成される電極とドライバI
Cとを電気的に接続するための複数の一方基板用端子4
4と、第2電極基板31に形成される電極とドライバI
Cとを電気的に接続するための複数の他方基板用端子4
5とを有する。
【0034】さらに具体的に述べると、第1電極基板3
1では、TFTのゲート領域、ソース領域およびドレイ
ン領域に、ゲート線電極、ソース線電極およびドレイン
電極がそれぞれ電気的に接続され、ドレイン電極が各透
明画素電極49に電気的に接続されている。各ゲート線
電極および各ソース線電極に、接続線を介して、一方基
板用端子44が電気的に接続されており、ドライバIC
によって各透明画素電極49に異なる電位を与えること
ができる。これに対して、第2電極基板31では、透明
対向電極に一定の電位を与えればよく、透明対向電極に
他方基板用端子45が電気的に接続されている。
【0035】表示素子30とドライバICとの接続の容
易化を図るために、各端子44,45とドライバICの
端子とを一括して、すなわち一工程で電気的に接続する
ことができるようにするために、各端子44,45は、
全て第1電極基板31に形成される。つまり他方基板用
端子45も、第1電極基板31に形成される。第1電極
基板31は、第2電極基板31よりも大きく形成され、
積層された状態で、第2電極基板31よりも外方に突出
する部分に、各端子44,45が形成されている。
【0036】このように、一方基板用端子44は、第1
電極基板31のガラス基板35の一側縁辺部に配置さ
れ、ゲート線電極から接続線によって引き出されて形成
され、一側縁辺部に沿う方向に並ぶ並列状態で配置され
る複数のゲート用端子と、第1電極基板31のガラス基
板35の一側縁辺部に隣接する他側縁辺部に配置され、
ソース線電極から接続線によって引き出されて形成さ
れ、他側縁辺部に沿う方向に並ぶ並列状態で配置される
複数のソース用端子とを有する。また他方基板用端子4
5は、第1電極基板31のガラス基板35の他側縁辺部
に配置され、コモン電極37から接続線によって引き出
されて形成され、一方基板用端子44のソース用端子と
ともに他側縁辺部に沿う方向に並ぶ並列状態で配置され
る。
【0037】他方基板用端子45を、第1電極基板31
に形成する場合、各他方基板用端子45と第2電極基板
31の透明対向電極とを電気的に接続するために、各電
極基板31,32間にわたって、透明対向電極基板と他
方基板用端子とを導通させるための導通部を設ける必要
がある。このために、第1電極基板31には、他方基板
用電極45に接続線を介して電気的に接続されるコモン
電極37が形成され、第2電極基板31には、透明対向
電極42に電気的に接続される接続電極48が形成さ
れ、コモン電極37と接続電極48との間に導体材50
が設けられる。透明対向電極42と接続電極48とは、
1つの電極によって実現されてもよい。
【0038】表示素子30では、画像を表示する領域で
ある透明画素電極49が配置される表示領域52を、全
周にわたって外囲して、画像を表示しない非表示領域5
3が形成される。この非表示領域53に、シール材3
3、各端子44,45を有する端子群43、コモン電極
37、接続電極48および導体材50が配置される。
【0039】各電極基板31,32を相互に導通させる
ための基板間導通用電極部であるコモン電極37と接続
電極48とは、各電極基板31,32が積層される状態
で、相互に対向している。各電極基板31,32を相互
に貼合わせる貼合材であるシール材33は、コモン電極
37と接続電極48とに部分的に挟まれる位置に、つま
りコモン電極37と接続電極48とに挟まれる領域部分
を含む環状領域に設けられる。この環状領域は、非表示
領域53の一部である。
【0040】図4は、表示素子30のコモン電極37付
近を拡大して示す断面図である。導体材50は、合成樹
脂製母粒子(Plastic bead:PB)の表面に金属層が形
成される導電性粒子である。このような導体材50は、
シール材33のコモン電極37と接続電極48とに挟ま
る部分だけに混入される。
【0041】シール材33は、たとえば熱硬化性樹脂材
料および光熱併用硬化性合成樹脂材料を用いることがで
きる。熱硬化性樹脂材料は、たとえばエポキシ系樹脂な
どの熱硬化性樹脂から成り、熱硬化性樹脂から成るシー
ル材33として、たとえば三井化学製のXS−21S
(商品名)、協立化学産業製のW/R780P−45F
2(商品名)およびスリーボンド製のML3900P
(商品名)を用いることができる。光熱併用硬化性樹脂
材料は、たとえばエポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂
と、アクリレートなどの光硬化性樹脂とを混合した材料
であり、光熱併用硬化性樹脂材料から成るシール材33
として、たとえば協立化学産業製のD70−E1および
D70−E3(共に商品名)およびスリーボンド製の3
0Y392Dおよび30Y−447(共に商品名)を用
いることができる。
【0042】導体材50は、たとえば球形状の合成樹脂
製母粒子に金(Au)またなニッケル(Ni)などの金
属めっきを施した粒子、具体的には、たとえば積水化学
製のAUスペーサ(商品名)を用いることができる。
【0043】このような表示素子30によれば、シール
材33は、コモン電極37と接続電極48とに部分的に
挟まれる位置に設けられ、シール材33には、導電性を
有する導体材50が混入される。このようにして、シー
ル材33を配置する領域と、コモン電極37、接続電極
48および導体材50を配置する領域とを、部分的に一
致させ、共用することができる。これによって、これら
シール材33、コモン電極37、接続電極48および導
体材50が配置される非表示領域53を小さくすること
ができる。つまり非表示領域53の幅寸法L53を小さ
くすることができる。
【0044】したがって表示素子30にドライバICを
接続して構成される表示パネルにおいて、表示素子30
の表示領域52の外側の非表示領域53をカバー体など
で覆って形成される額縁の寸法を小さくし、狭額縁化を
図ることができる。これに伴って、表示パネルを用いて
構成される表示装置においても、表示領域52の外側の
部分を小さくすることができる。
【0045】また導体材50は、シール材33全体に混
入されるのではなく、シール材33のコモン電極37と
接続電極48とに挟まる部分だけに混入されるので、シ
ール材33が配置される環状領域において、コモン電極
37および接続電極48が形成される部分と残余の部分
とで、各電極基板31,32の層構成が異なっても、残
余の部分の導体材50が不所望に、セルギャップを設定
してしまうことが防がれる。詳細に述べると、第1電極
基板31において、構造上、コモン電極37が形成され
る部分と、この部分を除くシール材33が設けられる部
分とでは、積層体36の層構成が異なり、その表面が段
差ΔH37を有している。
【0046】コモン電極37が形成される部分では、積
層体36は、コモン電極37だけであるのに対して、部
分を除くシール材33が設けられる部分では、コモンで
電極37に隣接する部分を例に挙げると、一方基板用端
子44に連なる接続線を覆う第1の絶縁膜が、窒化珪素
(SiNx)および酸化珪素(SiO2)などを用い
て、プラズマ化学蒸着(CVD)法によって成膜され、
さらに積層されて、ソース線電極が、タンタル(Ta)
などを用いて、スパッタリングによって成膜され、さら
に積層されて、第2の絶縁膜が、第1の絶縁膜と同様に
して成膜される。また場合によっては、平坦化膜として
樹脂膜がオーバーコート塗布されて形成される。このよ
うにコモン電極37が形成される部分よりも、この部分
を除くシール材33が設けられる部分が、複雑な層構成
となり、厚みが大きくなって、前記表面の段差ΔH37
は、たとえば3μm以上になる場合もある。
【0047】この状態では、コモン電極37と接続電極
48との間隔L37よりも、コモン電極37が形成され
る部分を除くシール材33が設けられる部分における積
層体36と接続電極48との間隔L36が小さくなって
しまう。この点に鑑み、本発明では、コモン電極37と
接続電極48との間の部分だけに導体材50を混入す
る。これによってコモン電極37と接続電極48との部
分を除く部分の導体材50が、コモン電極37および接
続電極48間の間隔L37を設計寸法よりも大きく設定
してしまうことを防止し、導体材50をコモン電極37
および接続電極48に確実に当接させ、各導体材50を
コモン電極37および接続電極48を確実に電気的に接
続することができ、コモン電極37と接続電極48とを
確実に、しかも低い電気抵抗値で、導通させることがで
き、表示品位が高く安定した表示素子30を得ることが
できる。またセルギャップが不所望に設定されることに
よる表示品位の低下も防がれる。
【0048】また表示素子30では、スペーサによっ
て、セルギャップが予め定める設計寸法に設定される。
導体材50は、前記スペーサによって設定されるセルギ
ャップに対応した寸法に選ばれる。具体的には、導体材
50の外径D50は、セルギャップが設定される状態
で、コモン電極37と接続電極48との間隔L37より
も大きく、たとえば1.2倍(D50=1.2×L3
7)程度となるように設定される。たとえば、コモン電
極37と接続電極48との間隔L37が6.2μmであ
る場合、導体材50の外径D50は7.4μmに選ばれ
る。
【0049】導体材50が、合成樹脂から成る母粒子を
有するので、加圧することによって、変形させることが
できる。これによってガラス製スペーサによってセルギ
ャップを設定することによって、母粒子の可塑性を利用
して導体材50を変形させ、コモン電極37および接続
電極48に面接触させることができる。このようして、
コモン電極37と接続電極48との確実な導通を達成す
ることができるとともに、各電極基板31,32の製造
誤差などの寸法誤差を許容することができる。
【0050】図5は、表示素子30の製造方法を示すフ
ローチャートである。ステップa0で製造を開始する
と、まずステップa1で、各ガラス基板35,38に積
層体36,39を形成して、各電極基板31,32を形
成する。
【0051】各電極基板31,32の形成後、ステップ
a2で、第1電極基板31に、面内スペーサを設ける。
面内スペーサは、熱反応性固着タイプであり、たとえば
熱硬化性合成樹脂であって、透光性を有する樹脂から成
り、セルギャップに対応する寸法たとえば粒径を有す
る。この面内スペーサは、表示領域52に散布されて設
けられる。
【0052】面内スペーサを設けた後、ステップa3
で、第1基板31を加熱処理して、面内スペーサを固着
する。この面内スペーサ固着のための第1電極基板31
の加熱処理は、120℃に保持されるホットプレート上
に第1電極基板31を10分間放置する。これによっ
て、面内スペーサを加熱固化して固着させる。
【0053】面内スペーサを固着した後、ステップa4
で、第1電極基板31に導体材50を設ける。導体材5
0は、保持材に混入して、保持材に保持された状態で設
けられる。保持材は、シール材33と同様の材料、した
がってたとえば熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂から
成る材料を、揮発性を有する材料で約100倍に希釈し
て構成される。揮発性材料は、たとえばトルエン、酢酸
エチル、テトラヒドロフラン(THF)およびブチルカ
ルビトールなどを用いることができる。このような保持
材に、導体材50と保持材との混合比が重量比で1対5
00となるように、導体材50を混入される。この導体
材50が混入される保持材を、コモン電極37上に塗布
し、導体材50が設けられる。
【0054】この導体材50が混入される保持材は、た
とえば圧力吐出タイプのディスペンサを用いて、先端内
径が0.2mmのノズルを、塗布対象となるコモン電極
37とノズル先端との間隔が0.2mmになるように配
置して、このノズルから、約1mm2の表面積を有する
コモン電極37に直径が約200μmで高さが30μm
の略円柱状に吐出して塗布する。このようにしてコモン
電極37上に、40個/mm2、すなわち単位平方mm
の領域に、約40個の導体材50が保持される。
【0055】この保持材を設けた後、ステップa5で、
第1基板31を加熱処理して、保持材の揮発性材料を蒸
散(乾燥)させる。
【0056】この加熱処理においては、溶剤の種類によ
って発火を防ぐための温度に設定する必要があり、具体
的にはテトラヒドロフランを用いる場合、30℃に保持
したホットプレート上に10分間保持し揮発させる。
【0057】保持材の揮発性材料を蒸散させた後、ステ
ップa6で、第2電極基板32に、シール材33が設け
られる。シール材33は、ガラス製スペーサが混入され
る状態で、第2電極基板32の接続電極48上を含む領
域に、描画するように塗布される。
【0058】シール材33を設けた後、ステップa7
で、第2電極基板32を加熱処理して、シール材33の
仮焼成をする。シール材33を予備乾燥させるための第
2電極基板32の加熱処理は、90℃に保持されるホッ
トプレート上に第2電極基板32を60分間放置し、シ
ール材33を予備固化させる。
【0059】このように面内スペーサ、導体材50およ
びシール材33を設け、仮固定した後、ステップa8
で、各電極基板31,32を貼合わせる。この貼合わせ
は、たとえば各電極基板31,32を真空チャンバに収
容し、真空チャンバ内を真空引きした状態で、第2の電
極基板32のシール材33に囲まれる空間に、セル当量
分の液晶材料を滴下し、各電極基板31,32を、相互
の位置調整をして、シール材33によって貼合わせる。
【0060】このように各電極基板31,32を貼合わ
せた後、シール材33を本焼成して固化する熱処理な
ど、適宜後続処理をして、表示素子30が製造され、ス
テップa9で製造手順が終了する。
【0061】このように図5に示す製造方法は、基板間
導通用電極部であるコモン電極37および接続電極48
が形成される2つの電極基板31,32のうち、いずれ
か一方、本実施の形態では、第2電極基板32の接続電
極48上を含む領域に、各電極基板を貼合わせるための
シール材33を設ける貼合材配置工程と、各電極基板3
1,32のうち、いずれか他方、本実施の形態では、第
1電極基板31のコモン電極37上の領域に、揮発性材
料で希釈され、シール材33と同様の材料から成り、導
体材50が混入される保持材を設ける導体材配置工程と
を含む。
【0062】このような方法によれば、導体材50が混
入される保持材を塗布することによって、導体材50を
コモン電極37上に確実に保持した状態で、各電極基板
を貼合わせることができる。このようにしてコモン電極
37と接続電極48とに部分的に挟まれる位置にシール
材33が設けられ、このシール材33のコモン電極37
と接続電極48とに挟まる部分だけに導体材50が混入
されている表示素子30を製造することができる。つま
り、非表示領域53を小さくするとともに、各電極基板
31,32間の確実な導通を達成することができる表示
素子30を容易に製造することができる。
【0063】保持材として、シール材33と同様の材料
から成り、揮発性材料で希釈される保持材を用いること
によって、コモン電極37に塗布するときには、導体材
50に対する保持材の量を多くして、塗布作業を容易に
し、塗布後、各電極基板31,32の貼合前に加熱処理
して揮発性材料を蒸散させて、導体材50に対する保持
材の量を少なくすることができ、導体材50が混入され
る部分のシール材33寸法を小さく抑えることができ、
表示領域53の縮小化に寄与することができる。
【0064】しかも加熱処理しても、蒸散するのは揮発
性材料だけであり、全てが蒸散してしまうのではなく、
シール材33と同様の材料から成る一部は残留し、導体
材50の保持状態を維持することができる。さらに残留
する一部は、貼合時にシール材33混合されて同様に機
能するので、各電極基板31,32の貼合わせに影響を
与えることがない。またシール材33と保持材とを同一
の材料にすることによって、貼合時に、変形度合を統一
することができ、好適に貼合わせることができる。つま
り従来技術のようにシール材と異なる材料の導電ペース
トを用いる場合のようないずれか一方が変形せずに、貼
合わせ不良を生じてしまうことがない。
【0065】図5の方法では、面内スペーサの散布、面
内スペーサの固着、保持材の塗布、揮発性材料の蒸散、
シール材33の塗布およびシール材33の仮焼成をこの
順に行う説明をしたけれども、これに限定されず、面内
スペーサの散布の後にその固着処理をし、保持材の塗布
の後に揮発性材料の蒸散(乾燥)処理をし、シール材3
3の塗布の後にシール材33の仮焼成をするようにすれ
ば、その他の順序は、適宜入れ替わってもよく、同様に
表示素子30を得ることができ、同様の効果を達成する
ことができる。
【0066】図5の方法では、第1電極基板31のコモ
ン電極37上に導体材50を混入した保持材を塗布し、
第2電極基板32の接続電極48上を含む領域にシール
材33を塗布するようにしたけれども、第2電極基板3
2の接続電極48上に導体材50を混入した保持材を塗
布し、第1電極基板31のコモン電極37上を含む領域
にシール材33を塗布するようにしてもよい。この場合
面内スペーサを第2電極基板32に散布してもよい。
【0067】図6は、表示素子30の他の製造方法を示
すフローチャートである。図6の製造方法は、図5の製
造方法と類似している。ステップb0で製造を開始する
と、まずステップb1で、図5のステップa1と同様に
して、各電極基板31,32を形成する。各電極基板3
1,32の形成後、ステップb2で、図5のステップa
2と同様にして、第1電極基板31に、面内スペーサを
設ける。
【0068】面内スペーサを設けた後、ステップb3
で、第1電極基板31に導体材50を設ける。導体材5
0は、保持材に混入して、保持材に保持された状態で設
けられる。図6の方法では、保持材は、揮発性材料から
成る。揮発性材料は、たとえばトルエン、酢酸エチル、
テトラヒドロフラン(THF)およびプチカトルビトー
ルなどを用いることができる。このような保持材に、導
体材50と保持材との混合比が重量比で2対1000と
なるように、導体材50を混入される。この導体材50
が混入される保持材を、コモン電極37上に塗布し、導
体材50が設けられる。
【0069】この導体材50が混入される保持材は、た
とえば圧力吐出タイプのディスペンサを用いて、先端内
径が0.2mmのノズルを、塗布対象となるコモン電極
37とノズル先端との間隔が0.2mmになるように配
置して、このノズルから、約1mm2の表面積を有する
コモン電極37に直径が約300μmで高さが10μm
の略円柱状に吐出して塗布する。このようにしてコモン
電極37上に、約25個/mm2、すなわち単位平方m
mの領域に、約25個の導体材50が保持される。
【0070】面内スペーサおよび導体材50を保持材に
保持させて設けた後、ステップb4で、第1基板31を
加熱処理して、面内スペーサを固着するとともに、保持
材の揮発性材料を蒸散させる。この第1電極基板31の
加熱処理は、120℃に保持されるホットプレート上に
第1電極基板31を10分間放置する。このように面内
スペーサの固着処理と保持材の揮発性材料の蒸散処理と
を兼ねることができ、工程を少なくすることができる。
【0071】面内スペーサの固着および保持材の揮発性
材料を蒸散させた後、ステップb5で、図5のステップ
a6と同様にして、第2電極基板32に、シール材33
が設けられる。シール材33を設けた後、ステップb6
で、図5のステップa7と同様にして、シール材33を
予備固化させる。
【0072】このように面内スペーサ、導体材50およ
びシール材33を設け、仮固定した後、ステップb7
で、図5のステップa8と同様にして、各電極基板3
1,32を貼合わせる。このように各電極基板31,3
2を貼合わせた後、シール材33を本焼成して固化する
熱処理など、適宜後続処理をして、表示素子30が製造
され、ステップb8で製造手順が終了する。
【0073】このように図6に示す製造方法は、基板間
導通用電極部であるコモン電極37および接続電極48
が形成される2つの電極基板31,32のうち、いずれ
か一方、本実施の形態では、第2電極基板32の接続電
極48上を含む領域に、各電極基板を貼合わせるための
シール材33を設ける貼合材配置工程と、各電極基板3
1,32のうち、いずれか他方、本実施の形態では、第
1電極基板31のコモン電極37上の領域に、揮発性材
料から成り、導体材50が混入される保持材を設ける導
体材配置工程とを含む。
【0074】このような方法によれば、導体材50が混
入される保持材を塗布することによって、導体材50を
コモン電極37上に確実に保持した状態で、各電極基板
を貼合わせることができる。このようにしてコモン電極
37と接続電極48とに部分的に挟まれる位置にシール
材33が設けられ、このシール材33のコモン電極37
と接続電極48とに挟まる部分だけに導体材50が混入
されている表示素子30を製造することができる。つま
り、非表示領域53を小さくするとともに、各電極基板
31,32間の確実な導通を達成することができる表示
素子30を容易に製造することができる。
【0075】保持材として、揮発性材料から成る保持材
を用いることによって、コモン電極37に塗布するとき
には、導体材50に対する保持材の量を多くして、塗布
作業を容易にし、塗布後、各電極基板31,32の貼合
前に加熱処理して揮発性材料を蒸散させて、導体材50
に対する保持材の量を少なくすることができ、導体材5
0が混入される部分のシール材33寸法を小さく抑える
ことができ、表示領域53の縮小化に寄与することがで
きる。
【0076】この場合に用いる導体材50は粒径8μm
以下の粒子であり、電極基板31の搬送によって導体材
50が飛散してしまうことがない。これは保持材を揮発
させることで電極基板31と導体材50との間は静電気
的に安定な状態となるため動かそうとする力に対しても
安定状態に戻ろうとする力が働いているからである。
【0077】しかも保持材は、蒸散されて残留すること
がないので、貼合時にシール材33混合されて、各電極
基板31,32の貼合わせに影響を与えることがない。
また貼合時に、シール材33の変形度合を統一すること
ができ、好適に貼合わせることができる。つまり従来技
術のようにシール材と異なる材料の導電ペーストを用い
る場合のようないずれか一方が変形せずに、貼合わせ不
良を生じてしまうことがない。
【0078】図6の方法では、面内スペーサの散布、保
持材の塗布、面内スペーサの固着および揮発性材料の蒸
散、シール材33の塗布ならびにシール材33の仮焼成
をこの順に行う説明をしたけれども、これに限定され
ず、面内スペーサの散布の後にその固着処理をし、保持
材の塗布の後に揮発性材料の蒸散(乾燥)処理をし、シ
ール材33の塗布の後にシール材33の仮焼成をするよ
うにすれば、その他の順序は、適宜入れ替わってもよ
く、同様に表示素子30を得ることができ、同様の効果
を達成することができる。
【0079】また図6の方法では、第1電極基板31の
コモン電極37上に導体材50を混入した保持材を塗布
し、第2電極基板32の接続電極48上を含む領域にシ
ール材33を塗布するようにしたけれども、第2電極基
板32の接続電極48上に導体材50を混入した保持材
を塗布し、第1電極基板31のコモン電極37上を含む
領域にシール材33を塗布するようにしてもよい。この
場合面内スペーサを第2電極基板32に散布してもよ
い。
【0080】図5および図6の方法では、面内スペーサ
と導体材50を混入した保持材とを、同一の電極基板に
設け、異なるもう1つの電極基板にシール材33を設け
るようにしたけれども、これに限定されることはなく、
導体材50を混入した保持材とシール材33とを同一の
電極基板に設けるようにしてもよい。この場合、面内ス
ペーサは、これらと同一の基板に設けても、異なる基板
に設けてもよいし、保持材として、図5の保持材および
図6の保持材のいずれも採用することができる。
【0081】導体材50を混入した保持材とシール材3
3とを同一の電極基板に設ける場合においても、面内ス
ペーサの散布、面内スペーサの固着、保持材の塗布、面
内スペーサの固着および揮発性材料の蒸散、シール材3
3の塗布ならびにシール材33の仮焼成は、面内スペー
サの散布の後にその固着処理をし、保持材の塗布の後に
揮発性材料の蒸散(乾燥)処理をし、シール材33の塗
布の後にシール材33の仮焼成をするようにすれば、そ
の他の順序は限定されない。また導体材50を混入した
保持材とシール材33とを同一の電極基板に設ける場
合、シール材33の塗布および保持材50の塗布後(互
いの順序は変更化)に、シール材33の仮焼成をすれ
ば、このシール材の仮焼成によって、保持材の揮発性材
料の蒸散を兼ねることができ、工程を少なくすることが
できる。
【0082】上述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎ
ず、本発明の範囲内において、構成を適宜変更すること
ができる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、導体材が、貼合材の各
基板間導通用電極部に挟まる部分だけに混入されるの
で、スペースを有効に利用することができるとともに、
各基板間導通用電極が形成される部分と残余の部分と
で、各電極基板の層構成が異なっても、各基板間導通用
電極各部を確実に電気的に接続することができる。この
ようにして非表示領域を小さくするとともに、各電極基
板間の確実な導通を達成することができる。
【0084】また本発明によれば、導電性粒子の寸法
を、各基板間導通用電極部間の設計寸法よりも大きく設
定し、各電極基板の貼合時に加圧して導電性粒子を変形
させ、各電極基板の寸法誤差を許容して、各基板間導通
用電極部間を確実に導通させることができる。また導電
性粒子を各電極基板で挟んだ状態で加圧変形させること
によって、各基板間導通用電極部と導電性粒子とを確実
に面接触させることができ、これによっても各基板間導
通用電極部間の確実な導通を達成することができる。
【0085】また本発明によれば、基板間導通用電極部
上を含む領域に、貼合材が設けられるとともに、導体材
が混入される保持材が設けられ、このような各電極基板
を、各基板間導通用電極部を対向させるように配置し
て、貼合材によって貼合わせて、製造される表示素子
は、各基板間導通用電極部に部分的に挟まれる位置に貼
合材が設けられ、この貼合材の各基板間導通用電極部間
に挟まる部分だけに導体材が混入されている。このよう
にして非表示領域を小さくするとともに、各電極基板間
の確実な導通を達成することができる表示素子を容易に
製造することができる。
【0086】また保持材は、貼合材と同様の材料から成
り、揮発性材料で希釈されるので、揮発性材料が蒸散す
れば、貼合材と同様に機能することができ、貼合材によ
る各電極基板の貼合わせに影響を与えることがない。し
かも揮発性材料の蒸散後の保持材の量を小さくすること
ができ、導体材が混入される各基板間導通用電極部間の
貼合材寸法を小さく抑えることができ、非表示領域を小
さく抑えることができる。
【0087】また本発明によれば、基板間導通用電極部
上を含む領域に、貼合材が設けられるとともに、導体材
が混入される保持材が設けられ、このような各電極基板
を、各基板間導通用電極部を対向させるように配置し
て、貼合材によって貼合わせて、製造される表示素子
は、各基板間導通用電極部に部分的に挟まれる位置に貼
合材が設けられ、この貼合材の各基板間導通用電極部間
に挟まる部分だけに導体材が混入されている。このよう
にして非表示領域を小さくするとともに、各電極基板間
の確実な導通を達成することができる表示素子を容易に
製造することができる。
【0088】また保持材は、揮発性材料から成るので、
揮発性材料が蒸散すれば、貼合材と同様に機能すること
ができ、貼合材による各電極基板の貼合わせに影響を与
えることがない。しかも揮発性材料の蒸散後の保持材の
量を小さくすることができ、導体材が混入される各基板
間導通用電極部間の貼合材寸法を小さく抑えることがで
き、非表示領域を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の表示素子30の一部を
示す断面図である。
【図2】表示素子30全体を示す断面図である。
【図3】図2の切断面線S2−S2から見て示す断面図
である。
【図4】表示素子30のコモン電極37付近を拡大して
示す断面図である。
【図5】表示素子30の製造方法を示すフローチャート
である。
【図6】表示素子30の他の製造方法を示すフローチャ
ートである。
【図7】従来の技術の液晶表示素子1の一部を示す断面
図である。
【図8】液晶表示素子1全体を示す断面図である。
【図9】図8の切断面線S9−S9から見て示す断面図
である。
【図10】他の従来の技術の液晶表示素子1A全体を示
す断面図である。
【図11】液晶表示素子1Aのコモン電極9付近を拡大
して示す断面図である。
【符号の説明】
30 表示素子 31,32 電極基板 33 シール材 37 コモン電極 48 接続電極 50 導体材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 LA41 MA06Y PA17 QA11 QA16 TA02 TA07 2H092 GA39 HA13 HA23 NA07 PA04 5C094 AA14 AA53 BA43 CA19 DA07 EA02 EC01 FB06 GB01 5G435 AA17 AA18 BB12 CC09 EE42 HH12 KK05 LL07 LL08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に対向して配置される2つの電極基
    板であって、各電極基板を相互に導通させるための基板
    間導通用電極部が、相互に対向する位置にそれぞれ形成
    される2つの電極基板と、 各基板間導通用電極部に部分的に挟まれる位置に設けら
    れ、各電極基板を相互に貼合わせる貼合材と、 導電性を有し、貼合材の各基板間導通用電極部に挟まる
    部分だけに混入される導体材とを含むことを特徴とする
    表示素子。
  2. 【請求項2】 導体材は、合成樹脂から成る母粒子の表
    面に金属層が形成される導電性粒子であることを特徴と
    する請求項1記載の表示素子。
  3. 【請求項3】 2つの電極基板であって、各電極基板を
    相互に導通させるための基板間導通用電極部が形成され
    る2つの電極基板のうち、いずれか一方の基板間導通用
    電極部上を含む領域に、各電極基板を貼合わせるための
    貼合材を設ける貼合材配置工程と、 前記2つの電極基板のうち、いずれか一方の基板間導通
    用電極部上の領域に、揮発性材料で希釈され、貼合材と
    同様の材料から成り、導体材が混入される保持材を設け
    る導体材配置工程とを含むことを特徴とする表示素子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 2つの電極基板であって、各電極基板を
    相互に導通させるための基板間導通用電極部が形成され
    る2つの電極基板のうち、いずれか一方の基板間導通用
    電極部上を含む領域に、各電極基板を貼合わせるための
    貼合材を設ける貼合材配置工程と、 前記2つの電極基板のうち、いずれか一方の電極基板の
    基板間導通用電極部上の領域に、揮発性を有する材料か
    ら成り、導体材が混入される保持材を設ける導体材配置
    工程とを含むことを特徴とする表示素子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007047507A (ja) * 2005-08-10 2007-02-22 Mitsubishi Electric Corp 表示装置の製造方法
CN109891311A (zh) * 2016-09-05 2019-06-14 堺显示器制品株式会社 显示面板、显示装置及显示面板的制造方法

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