JP2003279827A - ズーム鏡胴 - Google Patents

ズーム鏡胴

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JP2003279827A
JP2003279827A JP2002080314A JP2002080314A JP2003279827A JP 2003279827 A JP2003279827 A JP 2003279827A JP 2002080314 A JP2002080314 A JP 2002080314A JP 2002080314 A JP2002080314 A JP 2002080314A JP 2003279827 A JP2003279827 A JP 2003279827A
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zoom lens
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Tetsuya Iwasaki
徹也 岩▲崎▼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト増大をおさえ小型にしつつ、鏡胴が外
部の衝撃等を受けても、カム筒は回転せず負荷が無くな
った時点で負荷のかかる前の位置に戻るようにしピント
のずれを起こさないズーム鏡胴を提供する。 【解決手段】 カム溝50の物体側の精度面に沿ってカ
ム筒5を回転させることにより撮影光学系の少なくとも
一部のレンズ群を保持する第1群2を直進筒4に沿って
光軸方向に移動させるズーム鏡胴に関する。第1群2を
カム溝50の物体側の精度面に向けて付勢するスプリン
グ8と、カム溝50の精度面に対向するカム溝面の少な
くとも一部が光軸に直交して形成されている平面とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鏡胴の先端等に外部
からの衝撃等の外力による負荷が加わったときに撮影光
学系の位置関係がずれることを防ぐ耐衝撃機能を有する
ズーム鏡胴に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、駆動源とカム筒を平歯ギヤで連結
し、カム筒を回転させ、撮影光学系を光軸方向に移動し
撮影倍率を変化させるズーム鏡胴では、鏡胴先端に予期
せぬ負荷、衝撃等を加えられた時にカム筒が回転してし
まい撮影光学系の位置関係を変えピントのずれを起こさ
せていた。これは、撮影光学系をある一定量の回転で必
要な位置に繰出す必要があるため、駆動のためのカム角
度を大きくとらなければならなく、駆動ピンを挟むカム
溝の精度面とは対面の面も精度面に沿う様に平行に形成
されていた。それにより衝撃を受けた際にカムの角度が
大きいと負荷によりカムを回転させる力を発生させ、カ
ム筒が回転してしまっていた。
【0003】これらの対策として、駆動源からの伝達ギ
ヤの第一もしくはその他のギヤをウォームギヤにする事
により、カム筒が外部からの負荷により回転しない構造
をとる事が知られている。また、撮影光学系と連動する
接片と抵抗板が設けられ、ズーム駆動直後と使用時に抵
抗値を読み出し、その抵抗値の変化により入撮影光学系
の位置が変化したかどうか検出する方法、特開2000
‐221382、実公平7‐3381号公報に記載され
ているような異常検出手段、異常記憶手段を備え、負荷
を受け撮影光学系が異常な位置に入る場合、基準位置に
移動、もしくは絶対位置を検出する事によりピントずれ
を防ぐこと等が知られている。このようにいずれかのギ
ヤをウォームギヤにすることによりカム筒が外部の力に
より回転し撮影光学系の位置をずらす事は無い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウォー
ムギヤを用いるとスペースを広く取るうえ、すべりによ
る効率低下、スラストガタによるバックラッシュの増大
などの問題がある。また、検出系を用いる方法はスペー
スをとる上にコストの増大の問題がある。特に、カム筒
の回転に連動し抵抗値を読んで絶対値を検出するもので
は、抵抗体の大きさを十分取らないと移動量に対する抵
抗値の変化量が小さくノイズなどの影響を受け検出でき
ないという問題がある。
【0005】そこで、本発明は、前記従来例の問題を鑑
みてコスト増大をおさえ小型にしつつ、鏡胴が外部の衝
撃等を受けても、カム筒は回転せず負荷が無くなった時
点で負荷のかかる前の位置に戻るようにしピントのずれ
を起こさないズーム鏡胴を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、カム溝の物体側の精度面に沿って
カム筒を回転させることにより撮影光学系の少なくとも
一部のレンズ群を保持する直進移動筒を直進筒に沿って
光軸方向に移動させるズーム鏡胴において、前記直進移
動筒を前記精度面に向けて付勢する弾性部材と、前記カ
ム溝の精度面に対向するカム溝面の少なくとも一部が光
軸に直交して形成されている平面とを備えていることを
特徴とするズーム鏡胴である。
【0007】この構成では、カム溝の物体側の精度面に
沿ってカム筒を回転させることにより撮影光学系の少な
くとも一部のレンズ群を保持する直進移動筒を直進筒に
沿って光軸方向に移動させるズーム鏡胴において、前記
カムの精度面に対向するカム溝面を光軸と垂直に形成す
ることにより、外部より衝撃等の負荷を受けた時に、そ
の負荷により直進移動筒がカムの精度面に対向するカム
溝面に押しつけられカム筒が回転することを防ぐことが
出来る。それにより撮影光学系は負荷がなくなると同時
に弾性部材により負荷のかかる前の位置に戻り前記一部
のレンズ群は元の位置関係を維持することが出来る。
【0008】また、請求項2の発明は、前記直進移動筒
が外部からの衝撃等の外力で負荷のかかる群を保持する
ものであることを特徴とする請求項1に記載のズーム鏡
胴である。
【0009】この構成では、外部からの衝撃等負荷の受
ける群の駆動カムに光軸と直交する平面を形成すること
により負荷のかかった状態でカム筒の回転を防ぎ負荷が
無くなると同時に元の位置関係を維持することが出来
る。
【0010】また、請求項3の発明は、前記直交カム溝
面が、前記精度面に沿うように階段状に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のズーム鏡胴で
ある。
【0011】この構成では、カムに形成された光軸に垂
直な平面部をカムの精度面に沿う様に階段状にすること
によりカム溝の穴となる面積を減らしカム自体の強度が
弱くなることを防ぐことができる。
【0012】また、請求項4の発明は、前記直交カム溝
面が、外部からの衝撃力等の外力で前記カム筒が回転す
る角度範囲にのみ形成されていることを特徴とする請求
項1〜3の何れかに記載のズーム鏡胴である。
【0013】この構成では、ある一定以上の負荷が加わ
ったときカムが回転してしまう角度である部分は請求項
1〜3に示す光軸に垂直な平面部となるようにし、その
他の範囲では精度面と平行に形成してあることでカム自
体の強度が弱くなることを防ぐことができる。
【0014】また、請求項5の発明は、前記直交カム溝
面が、外部からの衝撃力等の外力でカム筒が回転しない
範囲で直交からずれている角度範囲に対応する角度のカ
ム溝面を含んでいることを特徴とする請求項1〜4の何
れかに記載のズーム鏡胴である。
【0015】この構成では、請求項1〜4に示す光軸に
垂直な平面をある一定以上の負荷が加わったときカムが
その負荷により回転してしまわないような角度を持たせ
ることでカム自体の強度が弱くなることを防ぐことがで
きる。
【0016】また、請求項6の発明は、前記直交カム溝
面が短焦点距離端と長焦点距離端との間に対応する角度
範囲内に形成されていることを特徴とする請求項1〜5
の何れかに記載のズーム鏡胴である。
【0017】この構成では、収納から撮影初期位置に移
動するためのカムにおいて、停止動作をすることが無い
のでこの区間のカムの角度が大きくても請求項1〜5の
平面部を設けない。ワイドからテレにおいてのみ請求項
1〜5における平面部を設けることにより必要以上にカ
ムの溝を広げずカム筒自体の強度が下がることを防ぐこ
とが出来る。
【0018】また、請求項7の発明は、前記カム筒が弾
性部材により前記直進筒に付勢されていることを特徴と
する請求項1〜6の何れかに記載のズーム鏡胴である。
【0019】この構成では、請求項1〜6において、負
荷を受けた際、直進筒を付勢している弾性部材により直
接負荷より衝撃は和らぐが、さらにカム筒を別の弾性部
材により直進筒に付勢する構造にしておけば、負荷を受
けた際、両方の弾性部材によりさらに負荷を和らげる効
果をもたせることが出来、鏡胴自体の耐衝撃性を上げる
事が出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明に係る一実施形態の
ズーム鏡胴の右断面図、図2は図1のズーム鏡胴の分解
斜視図、図3は図1のズーム鏡胴に備える、駆動源から
ギヤで連結されたカム筒の斜視図である。ちなみに図に
関してはズーム駆動に関するものだけを載せてありその
他の機能の構成は割愛してある。
【0021】図1,2に示すように、このズーム鏡胴
は、直進移動筒である第1群2に保持される第1レンズ
群と、第2群3に保持される第2レンズ群と、図示しな
いレンズ群とからなる撮影光学系をズーム駆動するもの
である。
【0022】図1,2に示すように、カム筒5は鏡胴ベ
ース1と、鏡胴ベース1に固定されている固定筒である
直進筒4とにより挟みこまれている。カム筒5は直進筒
4の外面を自由に回転できるようになっている。カム筒
5には図4に示すように第1群2の位置を決めるカム溝
50と、第2群3の位置を決めるカム溝51とが形成さ
れており、直進筒4には第1群案内溝4a及び第2群案
内溝4bが設けられている。
【0023】第1群2には駆動ピン6を設けるとともに
第2群3には駆動ピン7を設け、これらの駆動ピン6,
7により第1群2及び第2群3を鏡胴に保持している。
駆動ピン6はカム筒5を回転させるとカム溝50に沿っ
て駆動され、直進筒4の案内溝4aにより回転方向が規
制され光軸方向に第1群2が直進する。同時に駆動ピン
7はカム筒5を回転させるとカム溝51に沿って駆動さ
れ、直進筒4の案内溝4bにより回転方向が規制され光
軸方向に第2群3が直進する。
【0024】第1群2、第2群3の各駆動ピン6,7は
弾性部材であるスプリング8によりカムの精度面5a、
5bに付勢され要求されたズーム曲線通りに位置関係を
変化させ変倍を行なうことができる。なお、弾性部材と
してスプリングの代わりに発泡ゴム等を用いてもよい。
【0025】図4は図1に示したズーム鏡胴のカム溝を
示す図である。図4において、符号6g、7gは収納位
置、符号6a、7aは短焦点端位置、符号6c、7cは
中間焦点位置、符号6e、7eは長焦点端位置を示す。
カム筒5は弾性部材であるスプリング9により直進筒4
の受け面4cに付勢される。スプリング9はスプリング
の代わりに弾性材、好ましくは発泡ゴムを用いて、カム
筒5を受ける面にすべりを良くする為に摩擦係数の少な
い金属板もしくはプラスチック板を貼ったものでも良
い。
【0026】図3は駆動源からギヤで連結されたカム筒
の斜視図である。図3に示すように、DCモーター10
から減速され、DCモーター10のトルクはギヤ13に
よりカム筒5の駆動面5fに伝達されカム筒5を回転す
ることが出来る。エンコーダを設けたギヤ12とフォト
インタラプタ11によりDCモーター10の回転数を検
出し、動作時のズームポジションを正確に知ることが出
来る。検出されたズームポジションからフォーカスレン
ズの繰出し量を算出し、フォーカスレンズを移動させる
ことによりピントを合わせる。通常、使用時はズーム移
動後、フォトインタラプタ11の検出動作は停止させて
入まうため、予期せぬ負荷によりカム筒5が回転してし
まい、撮影時にフォトインタラプタ11の検出結果が負
荷のかかる前と同じであった場合は、カム筒5が回転し
たとは認識されずズーム位置が変わったにもかかわら
ず、変化前のポジションでフォーカス繰出し位置を算出
してしまうので、ピントずれを起こす可能性がある。な
お、図1中、符号14は図13に示したDCモーター1
0、フォトインタラプタ11、ギヤ12及びギヤ13を
収納する駆動源カバーである。
【0027】図6は通常使用されているカム溝の拡大図
である。カム溝150の精度面5aに沿うように平行に
一方の面5cは形成されている。鏡胴使用状態では、第
1群は物体側前方に繰出しており、衝撃等負荷を受けや
すい状態にある。
【0028】図4〜7に示すように、第1群2に与えら
れた負荷は第1群2を直進筒4の案内溝4aに沿い撮像
面側に移動させ駆動ピン6をカム溝50のほぼ平面であ
る撮像面側の面5eに押し当てる。押し当てられた面5
eと光軸方向とのなす角度により、負荷はカム筒5を回
転させる方向に変換される。
【0029】図6に示すように、カムの角度をθ1と
し、負荷をF、カム筒の摩擦係数をμ、カム筒の回転に
対する摩擦力Nとすると、駆動ピンがカム筒を回転させ
る力fxは、図6より fx=Fcosθ1・sinθ1 …(1) カム筒の回転に対する摩擦力Nは、 N=cos2 θ1・μ …(2) となる。fx>Nとなる負荷Fと角度θの時、カム筒
は、負荷Fにより回転してしまう。
【0030】即ち、第1群2にかかった負荷Nにより、
例えば短焦点端では、駆動ピン6は物体側位置6hから
撮像側に移動して衝撃時の撮像位置6iとなり、駆動ピ
ン6がカム溝の撮像側の面5cにあたるが、カム筒5を
回転させる力fxが負荷Nより大きい場合には、カム筒
5は回転してしまう。
【0031】図7は図4に示したカム溝の拡大図であ
る。図7に示すように、カムの角度θ2を小さくする、
もしくは0°にすることで、ある負荷Nの時に、 fx≦N …(3) となるようにし、回転することはないように設定する。
【0032】第1群2にかかった負荷Nにより、短焦点
端では、駆動ピン6は撮像側に移動して衝撃時の撮像位
置6bとなり、駆動ピン6がカム溝の撮像側の面5eに
あたるが、カム筒5を回転させる力fxが負荷N以下で
あるならば、カム筒5は回転しない。負荷Nが無くなる
と同時に、駆動ピン6は第1群案内溝4aに沿って物体
側に移動して物体側位置6aに移動し、第1群2は衝撃
を受ける前と同じ位置に戻ることができる。
【0033】同様に、中間焦点では、駆動ピン6は撮像
側に移動して衝撃時の撮像位置6dとなり、駆動ピン6
がカム溝の撮像側の面5eにあたるが、カム筒5を回転
させる力fxが負荷N以下であるならば、カム筒5は回
転しない。負荷Nが無くなると同時に、駆動ピン6は第
1群案内溝4aに沿って物体側に移動して物体側位置6
cに移動し、第1群2は衝撃を受ける前と同じ位置に戻
ることができる。
【0034】また、同様に、長焦点端では、駆動ピン6
は撮像側に移動して衝撃時の撮像位置6fとなり、駆動
ピン6がカム溝の撮像側の面5eにあたるが、カム筒5
を回転させる力fxが負荷N以下であるならば、カム筒
5は回転しない。負荷Nが無くなると同時に、駆動ピン
6は第1群案内溝4aに沿って物体側に移動して物体側
位置6eに移動し、第1群2は衝撃を受ける前と同じ位
置に戻ることができる。
【0035】図4に示すように、カム溝50の撮像面側
の面5eと光軸に直交する方向との角度は、ここでは前
記不等式(3)を満足したθ2であるが、カム溝50の
撮像面側の面5eは光軸に垂直な面でも良い。
【0036】負荷を受けたとき、駆動ピン6はカム溝5
0の撮像面側の面5eにあたるが、カム角度が小さいた
めに負荷そのものの衝撃が駆動ピン6にかかり、駆動ピ
ン6を破壊してしまう懸念がある。それに対し、第1群
2及び第2群3をカムの精度面に付勢しているスプリン
グ8により、駆動ピン6の衝撃を和らげているが、さら
にカム筒5自体を直進筒4に付勢しているスプリング9
を設けることにより、駆動ピン6が衝撃により撮像面側
の面5e,5f(図5参照)に押しつけられてもカム筒
5と同時に物体側に動き衝撃を和らげる効果をもたせる
ことが出来る。これは、鏡胴が耐えられる負荷Nの値を
上げることととなり、鏡胴の耐衝撃性向上となる。
【0037】以上の実施形態では、撮影光学系の第1群
2とカム形成しているカム筒5を回転させることにより
第1群2を光軸方向に移動させ変倍させるズーム駆動手
段を持ち、第1群2は直進筒4の案内溝4aにより回転
方向を規制され直進方向のみの駆動を可能にしている。
また、第1群2はスプリング8により第1群2に設けら
れた固定ピンとしての駆動ピン6がカムの精度面5aに
従い駆動し第1群2の位置関係を保っているズーム鏡胴
において、カムの精度面5aに対向する面を光軸と垂直
に形成することにより、外部より衝撃等負荷を受けた時
に、その負荷により第1群2は固定ピンがカムの精度面
5aに対向する面に押しつけられカム筒5が回転するこ
とを防ぐことが出来る。それにより第1群2は負荷がな
くなると同時にスプリング8により負荷のかかる前の位
置に戻り第1群2は元の位置関係を維持することが出来
る。
【0038】図5は本発明に係る他の実施形態のズーム
鏡胴に備えるカム溝を示す図である。カム筒5が回転し
てしまうようなカム角度が大きい範囲が広い場合は、図
5に示すように、カム溝50の撮像面側の面を階段状の
面5dにし、カム溝50の面積をなるべく小さくなるよ
うにし、カム筒5自体の強度が下がることを防ぐ方が良
い。この階段状の面5dは、光軸方向に異なる位置に配
置されて光軸に直交する複数の直交面部分と、該面部分
の間を連結する光軸と平行な平行面部分とを備え、前記
直交面部分と平行面部分とで前記精度面に沿うように形
成されている。
【0039】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではない。例えば、上記実施形態ではカム筒を駆動
源により回転するズーム鏡胴について説明したが、カム
筒を手動で回転するズーム鏡胴についても本発明を適用
可能である。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種
々変形して実施することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、コスト増大をおさえ小型にしつつ、鏡胴が外部
の衝撃等を受けても、カム筒は回転せず負荷が無くなっ
た時点で負荷のかかる前の位置に戻るようにしたので、
スペースを取るようなウォームギヤを使わず、また、コ
ストアップやスペースを大きくさせる検出系を用いず
に、衝撃を受けてもズームポジションが変わることな
く、ピントズレを起こさないズーム鏡胴を提供すること
が出来る。
【0041】また、請求項2の発明によれば、カム溝の
穴になる部分の面積を小さくでき、カム筒の強度が下が
ることを防くことができる。
【0042】また、請求項3の発明によれば、カム溝の
平面部を精度面に沿うように階段状にすることで、カム
角度が大きい範囲が広い場合にカム溝の穴を大きく取る
必要は無くなり、カム筒の強度が下がることを防くこと
ができる。
【0043】また、請求項4の発明によれば、負荷がか
かったときに、回転してしまうようなカム角度を持つ範
囲にのみ請求項1〜4の発明を適用することで、カム範
囲すべてで平面にすることは無く、カム筒の強度が下が
ることを防くことができる。
【0044】また、請求項5の発明によれば、カム溝の
物体側の平面部は、耐えられる負荷が一定値以内である
のならば、その負荷にたしてカム筒が回転しないような
角度に設定してやれば良く、それによって、カム溝の穴
の面積を小さくでき、カム筒の強度が下がることを防く
ことができる。
【0045】また、請求項6の発明によれば、収納から
撮影初期位置に駆動させるためのカムの途中では、止ま
って動作をすることは無いので、この範囲は角度の大き
いカムであっても請求項1〜5に示す平面部は設けず、
短焦点距離端から長焦点距離端においての範囲にのみカ
ム溝の物体側に平面を設けることで、カム筒の強度が下
がることを防ぐことができる。
【0046】また、請求項7の発明によれば、カム筒を
弾性部材で付勢していることで、直進移動筒が衝撃によ
りカム溝に当てられたとしても、カム筒が移動し衝撃を
和らげ、直進移動筒の駆動ピンが破壊される限界負荷を
大きくすることが出来る。これは鏡胴の耐衝撃性を上げ
ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態のズーム鏡胴の右断面
図である。
【図2】図1のズーム鏡胴の分解斜視図である。
【図3】図1のズーム鏡胴に備える、駆動源からギヤで
連結されたカム筒の斜視図である。
【図4】図1に示したズーム鏡胴のカム溝を示す図であ
る。
【図5】本発明に係る他の実施形態のズーム鏡胴に備え
るカム溝を示す図である。
【図6】通常使用されているカム溝の拡大図である。
【図7】図4に示したカム溝の拡大図である。
【符号の説明】
1 鏡胴ベース 2 第1群(直進移動筒) 3 第2群 4 直進筒(固定筒) 5 カム筒 5a 精度面 5b 精度面 5c 撮像面側の面 5d 階段状の面 5e 撮像面側の面 5f 駆動面 6 第1群駆動ピン 7 第2群駆動ピン 7a 短焦点端位置 7c 中間焦点位置 7e 長焦点端位置 7g 収納位置 8 スプリング 9 スプリング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カム溝の物体側の精度面に沿ってカム筒
    を回転させることにより撮影光学系の少なくとも一部の
    レンズ群を保持する直進移動筒を直進筒に沿って光軸方
    向に移動させるズーム鏡胴において、 前記直進移動筒を前記精度面に向けて付勢する弾性部材
    と、前記カム溝の精度面に対向するカム溝面の少なくと
    も一部が光軸に直交して形成されている平面とを備えて
    いることを特徴とするズーム鏡胴。
  2. 【請求項2】 前記直進移動筒が外部からの衝撃等の外
    力で負荷のかかる群を保持するものであることを特徴と
    する請求項1に記載のズーム鏡胴。
  3. 【請求項3】 前記直交カム溝面が、前記精度面に沿う
    ように階段状に形成されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のズーム鏡胴。
  4. 【請求項4】 前記直交カム溝面が、外部からの衝撃力
    等の外力で前記カム筒が回転する角度範囲にのみ形成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
    のズーム鏡胴。
  5. 【請求項5】 前記直交カム溝面が、外部からの衝撃力
    等の外力でカム筒が回転しない範囲で直交からずれてい
    る角度範囲に対応する角度のカム溝面を含んでいること
    を特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のズーム鏡
    胴。
  6. 【請求項6】 前記直交カム溝面が短焦点距離端と長焦
    点距離端との間に対応する角度範囲内に形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のズーム
    鏡胴。
  7. 【請求項7】 前記カム筒が弾性部材により前記直進筒
    に付勢されていることを特徴とする請求項1〜6の何れ
    かに記載のズーム鏡胴。
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