JP2003279645A - クラッタ抑圧装置及び方法 - Google Patents
クラッタ抑圧装置及び方法Info
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Abstract
の距離に関する分布に適応して短時間にクラッタ抑圧を
行う。固定クラッタと移動クラッタが重なっても高いク
ラッタ抑圧性能を得る。 【解決手段】 受信信号中に含まれるクラッタの中心周
波数を最大エントロピー法に基づいて推定し、それらの
周波数を零点周波数とする3つのノッチフィルタ4−
1、4−2、4−3を用意する。受信信号をそのまま出
力する経路と第1のノッチフィルタへの入力と第2のノ
ッチフィルタへの入力のうちの1つを選択する。選択す
べき信号経路は、クラッタ中心周波数推定手段2におい
て得られるARモデルの極と受信信号電力に基づき、各
ノッチフィルタによる処理前に判定手段3により複数の
連続するレンジビンからなるブロック毎に判定する。
Description
いて意図せずに受信される不要反射波(クラッタ)を抑
圧するクラッタ抑圧装置及び方法に関するものである。
雨などからの不要反射エコー(クラッタ)の抑圧は、目
標検出のためには必須である。図6は、特公平3−24
33号公報に開示されたクラッタ抑圧装置の構成を概念
的に表した図である。図6において、101はグランド
クラッタやシークラッタのような固定クラッタを抑圧す
るための固定クラッタ消去器、102は固定クラッタ消
去器101の出力信号の振幅と位相の補正を行うための
振幅・位相補正器、103はウェザクラッタのように反
射源が移動するクラッタを抑圧するための移動クラッタ
消去器である。なお、図6において、表記を簡略化する
ために、入力信号は、同相信号を実部、直交信号を虚部
とする複素信号とする。
01では、グランドクラッタやシークラッタのような反
射源が動かない、もしくは動いたとしても非常に速度の
遅い反射源からのクラッタを抑圧する。しかし、それだ
けでは、ウェザクラッタのような移動クラッタが存在す
れば、固定クラッタ消去器101だけでは消去できない
ため、これを抑圧するために、移動クラッタ消去器10
3を設けている。振幅・位相補正器102では、固定ク
ラッタ消去器101の出力信号に対して、移動クラッタ
が固定クラッタのように見えるように振幅と位相の補正
を行う。固定クラッタ消去器101と移動クラッタ消去
器103の実体は、ノッチ周波数が0の高域通過フィル
タである。伝達関数が1−z-1(z-1はパルス繰り返
し周期分の遅延)の単一消去器や、(1−z-1)2の
2重消去器はその例である。
知距離まで広がっているわけではない。通常、近距離ま
でしか広がっていない。移動クラッタはもっと複雑であ
る。レーダにおけるパルス間隔に依存して、距離アンビ
キュイティが存在する場合もある。すなわち、実際のク
ラッタの距離とドップラー周波数に関する分布は複雑で
ある。それに対して、図6に示す構成では、固定クラッ
タ消去器101も移動クラッタ消去器103も全距離に
わたって適用することになる。例えば、遠距離にしか移
動クラッタが存在しないのに、近距離に移動クラッタと
ほぼ同じドップラー周波数の目標信号があったとすれ
ば、目標信号まで消去してしまうことになる。
に適応してクラッタ抑圧を行うクラッタ抑圧装置が文献
1(A. Wojtkiewicz and M. Tuszynsky、"Polish radar
technology Part V. Adaptive MTI filters for unifo
rm and staggered sampling、"IEEE Transactions on A
erospace and Electronic Systems、 vol. 27、 No.5、
September 1991)に開示されている。
抑圧装置を示す構成図である。図7において、111は
固定クラッタを抑圧するための固定クラッタ抑圧フィル
タ、112は移動クラッタを抑圧するための移動クラッ
タ抑圧フィルタ、113はクラッタマップを生成するた
めのクラッタパラメータ推定器・クラッタマップ生成
器、114はクラッタパラメータ推定器・クラッタマッ
プ生成器113でのクラッタマップに基づいて固定クラ
ッタ抑圧フィルタと移動クラッタ抑圧フィルタを個別に
オン・オフ制御するフィルタ制御器である。なお、図7
において、表記を簡略化するために、入力信号は、同相
信号を実部、直交信号を虚部とする複素信号とする。
定器・クラッタマップ生成器113は、受信クラッタ電
力、固定クラッタ抑圧フィルタ111の出力電力、移動
クラッタのドップラー周波数を推定し、クラッタマップ
を生成する。図6に示す構成と異なり、これは距離に応
じたものとなるため、距離によってグランドクラッタ
(あるいはシークラッタ)やウェザクラッタの有無を知
ることができる。そして、生成したクラッタマップに基
づいて、フィルタ制御器114で固定クラッタ抑圧フィ
ルタと移動クラッタ抑圧フィルタに対して個別にオン・
オフの制御を行う。従って、実際のクラッタの距離に関
する分布に適応して、クラッタ抑圧を行うことができ
る。
た図7に示す構成では以下の問題点がある。・固定クラ
ッタ抑圧フィルタ111の入出力信号の電力からは目標
信号の有無はわからない。目標信号の消去を避けるため
にその存在を認識するには、アンテナビームを数回スキ
ャンしてクラッタマップを更新していかなければならな
い。
と移動クラッタの両方を抑圧するために固定クラッタ抑
圧フィルタと移動クラッタ抑圧フィルタを縦続接続した
とき、固定クラッタ抑圧フィルタを通過した信号はパル
ス間隔が不等間隔であるゆえに波形がひずんでしまい、
後段の移動クラッタ抑圧フィルタで十分にクラッタを抑
圧できない。図6に示す構成では、振幅・位相補正器1
02を設けているものの、正弦波ではないスペクトルの
広がったクラッタに対しては、個々の周波数成分に対し
て補正を行わなければならないため、現実には補正は困
難である。
る零点周波数を持つ時変フィルタを縦続に接続しても、
前段のフィルタの零点周波数に周波数特性の零点ができ
るが、もう一方の周波数に零点が形成されないため、パ
ワースペクトル形状に2つの山を持つ複峰性クラッタ抑
圧は困難である。実際に文献1に開示されているように
(Fig. 26とFig. 28)、特に送信パルスが不等間隔であ
るスタガトリガ時に移動クラッタ抑圧フィルタの阻止域
減衰量が十分にとれていない。これは移動クラッタの抑
圧能力が低いことを意味する。
変ノッチフィルタを縦続に接続しても、2つの周波数に
零点ができないことを例示する。パルス間隔は400μ
s、300μs、500μsで、3スタガである。そこ
で、零点周波数が0Hzと−600Hzの2つの時変フ
ィルタを縦続に接続したときの等価振幅2乗特性を図8
に示す。前段のフィルタが零点周波数0Hzである。そ
れぞれのフィルタは0Hzと−600Hzに零点が形成
されているが、縦続接続した総合特性は、0Hzに零点
ができているが、−600Hzには零点が形成されてい
ない。これでは、固定クラッタと移動クラッタが重なっ
たとき、特に、移動クラッタ抑圧は期待できない。
は、スタガを行わない場合の周波数特性に近似的に合わ
せることで、固定クラッタと移動クラッタが重なっても
十分なクラッタ抑圧性能を得ようとするクラッタ抑圧フ
ィルタの計算方法が開示されている。しかし、計算方法
はあくまで近似であり、必ずしも十分な阻止域減衰量が
得られるとは限らず、その場合には移動クラッタに対し
て十分なクラッタ抑圧性能が得られない。
ためになされたもので、複数のクラッタが重畳したとき
でもクラッタ抑圧性能の高いクラッタ抑圧装置及び方法
を提供するものである。
ターバル内で、目標信号の存在を考慮して実際のクラッ
タの距離に関する分布に適応してクラッタ抑圧を行うこ
とが可能となるクラッタ抑圧装置及び方法を提供するも
のである。
抑圧装置は、レーダにおいて受信される不要反射エコー
であるクラッタを抑圧するための1つ以上のノッチフィ
ルタを用い、前記ノッチフィルタの零点周波数を、最大
エントロピー法に基づいてクラッタ中心周波数を推定す
るクラッタ中心周波数推定手段における推定値に設定す
る手段を備えたクラッタ抑圧装置において、前記ノッチ
フィルタを選択する選択手段と、前記選択手段で選択す
べきノッチフィルタを、前記クラッタ中心周波数推定手
段において得られるAR(auto-regressive)モデルの
極および前記受信信号の電力に基づいて複数の連続する
レンジビンからなるブロック毎に判定する判定手段とを
備えたことを特徴とするものである。
択すべきノッチフィルタを、前記クラッタ中心周波数推
定手段において得られるARモデルの極、前記受信信号
の電力およびクラッタ中心周波数推定値に基づいて複数
の連続するレンジビンからなるブロック毎に判定するこ
とを特徴とするものである。
係数のノッチフィルタを用いたことを特徴とするもので
ある。
式のレーダを用いると共に、前記ノッチフィルタとし
て、時変係数ノッチフィルタを用いたことを特徴とする
ものである。
て、複峰性スペクトルを持つクラッタを抑圧するために
縦続に接続された複数の時変フィルタを備え、前記縦続
接続された複数の時変フィルタ全体としての周波数特性
が、前記クラッタ中心周波数推定手段により推定された
複数のクラッタ中心周波数推定値に周波数特性の零点を
持つように、前記複数の時変フィルタ係数を設定するこ
とを特徴とするものである。
は、レーダにおいて受信される不要反射エコーであるク
ラッタを抑圧するための1つの時不変もしくは時変係数
のノッチフィルタを用い、前記ノッチフィルタの零点周
波数を、最大エントロピー法に基づいてクラッタ中心周
波数を推定するクラッタ中心周波数推定手段における推
定値に設定する手段を備えたクラッタ抑圧装置におい
て、前記クラッタ中心周波数推定手段において得られる
AR(auto-regressive)モデルの極および前記レーダ
における受信信号の電力に基づいて、前記ノッチフィル
タの係数を、複数の連続するレンジビンからなるブロッ
ク毎に設定する設定手段を備えたことを特徴とするもの
である。
周波数推定手段において得られるARモデルの極、前記
受信信号の電力およびクラッタ中心周波数推定値に基づ
いて、前記ノッチフィルタの係数を、複数の連続するレ
ンジビンからなるブロック毎に設定することを特徴とす
るものである。
は、レーダにおいて受信される不要反射エコーであるク
ラッタを抑圧するための1つ以上のノッチフィルタを用
い、前記ノッチフィルタの零点周波数を、最大エントロ
ピー法に基づいてクラッタ中心周波数を推定するクラッ
タ中心周波数推定ステップにおける推定値に設定するよ
うにしたクラッタ抑圧方法において、前記ノッチフィル
タを選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択
すべきノッチフィルタを、前記クラッタ中心周波数推定
ステップにおいて得られるAR(auto-regressive)モ
デルの極および前記受信信号の電力に基づいて複数の連
続するレンジビンからなるブロック毎に判定する判定ス
テップとを備えたことを特徴とするものである。
ップで選択すべきノッチフィルタを、前記クラッタ中心
周波数推定ステップにおいて得られるARモデルの極、
前記受信信号の電力およびクラッタ中心周波数推定値に
基づいて複数の連続するレンジビンからなるブロック毎
に判定することを特徴とするものである。
係数のノッチフィルタを用いたことを特徴とするもので
ある。
式のレーダを用いると共に、前記ノッチフィルタとし
て、時変係数ノッチフィルタを用いたことを特徴とする
ものである。
て、複峰性スペクトルを持つクラッタを抑圧するために
縦続に接続された複数の時変フィルタを備え、前記縦続
接続された複数の時変フィルタ全体としての周波数特性
が、前記クラッタ中心周波数推定ステップにより推定さ
れた複数のクラッタ中心周波数推定値に周波数特性の零
点を持つように、前記複数の時変フィルタ係数を設定す
ることを特徴とするものである。
は、レーダにおいて受信される不要反射エコーであるク
ラッタを抑圧するための1つの時不変もしくは時変係数
のノッチフィルタを用い、前記ノッチフィルタの零点周
波数を、最大エントロピー法に基づいてクラッタ中心周
波数を推定するクラッタ中心周波数推定ステップにおけ
る推定値に設定するようにしたクラッタ抑圧方法におい
て、前記クラッタ中心周波数推定ステップにおいて得ら
れるAR(auto-regressive)モデルの極および前記レ
ーダにおける受信信号の電力に基づいて、前記ノッチフ
ィルタの係数を、複数の連続するレンジビンからなるブ
ロック毎に設定する設定ステップを備えたことを特徴と
するものである。
中心周波数推定ステップにおいて得られるARモデルの
極、前記受信信号の電力およびクラッタ中心周波数推定
値に基づいて、前記ノッチフィルタの係数を、複数の連
続するレンジビンからなるブロック毎に設定することを
特徴とするものである。
の実施の形態1に係るクラッタ抑圧装置を示す構成図で
ある。クラッタ抑圧装置は、通常レーダ装置を構成する
一要素であり、レーダ装置に組み込んだ形で使用する。
図1において、1は受信信号をそのまま出力するか、あ
るいは複数のノッチフィルタのどれに受信信号を送るか
を選択する選択手段、2は受信信号中のクラッタ中心周
波数を推定するクラッタ中心周波数推定手段、3は選択
手段1で選択すべきノッチフィルタを判定するための判
定手段、4−1は単峰性スペクトルを持つクラッタを抑
圧するための第1のノッチフィルタ(FIR形、FI
R:Finite Impulse Response)、4−2は2つのクラ
ッタが重畳したうちの一方のクラッタを抑圧するための
第2のノッチフィルタ(FIR形)、4−3は2つのク
ラッタが重畳したうちのもう一方のクラッタを抑圧する
ための第3のノッチフィルタ(FIR形)である。これ
らノッチフィルタは、フィルタ係数がサンプリング時刻
によらず固定である時不変係数のノッチフィルタであ
る。ノッチフィルタで信号処理するときのサンプリング
間隔はパルス繰り返し周期であり、本実施の形態では固
定値である。
iのノッチフィルタ4−iの係数を計算する第iのノッ
チフィルタ係数計算手段、6−iは第iのノッチフィル
タ4−iの係数の基となる零点周波数0のノッチフィル
タの係数を格納する第iの零点周波数0のフィルタ係数
格納手段、7は信号電力を正規化するための乗算器であ
り、その値は、例えば、白色雑音入力時の出力信号電力
が、入力雑音電力と同じになるように決める。
重畳して、ピークが2つ以上あるスペクトルのことを複
峰性スペクトルという。これに対し、単峰性スペクトル
とは、クラッタとして固定クラッタか移動クラッタの一
方のみ存在し、ピークが1つあるスペクトルのことをい
う。目標信号によるスペクトルのピークは数えないもの
とする。単峰性スペクトルを持つクラッタを単に単峰性
クラッタ、複峰性スペクトルを持つクラッタを単に複峰
性クラッタと呼ぶことにする。
ついて説明する。レーダの送信信号としては、パルス信
号あるいはパルス圧縮を行うために周波数変調あるいは
符号変調されたパルス信号を想定する。信号はレンジビ
ンとヒットの2次元形式で表現する。受信信号をu
(k、n)、第1のノッチフィルタ4−1の出力信号を
y 1(k、n)、第2のノッチフィルタ4−2の出力信
号をy2(k、n)、第3のノッチフィルタ4−3の出
力信号をy3(k、n)、図1の出力信号をz(k、
n)とする。kはレンジビン番号(k=1、2、・・
・、K)、nはヒット番号である(n=1、2、・・
・、N)。K、Nはそれぞれ1コヒーレントプロセッシ
ングインターバル中のレンジビン数とヒット数である。
受信信号は、受信機やA/D変換器などによりディジタ
ル同相・直交信号に変換されている。表記の簡単化のた
め、各信号は、同相信号を実部、直交信号を虚部とする
複素ディジタル信号とする。
づいて、受信信号をそのまま出力するか、第1のノッチ
フィルタ4−1に入力するか、第2のノッチフィルタ4
−2に入力するかを適当なサイズのレンジビンブロック
毎に割り振る。ここで、レンジビンブロックとは、全レ
ンジビン数Kを適当なブロック長Bでブロック分けした
ときのブロックである。判定手段3は、受信信号の当該
レンジビンブロックにおいて、クラッタの有無と、クラ
ッタがある場合は単峰性か複峰性(ここではクラッタス
ペクトルピーク数は最大2とする)かを判定することに
なる。クラッタがないと判定したときには、受信信号を
そのまま出力させ(選択手段1は図1のAを選択)、ク
ラッタが単峰性と判定した場合には、受信信号を第1の
ノッチフィルタ4−1に送り(選択手段1は図1のBを
選択)、クラッタが複峰性と判定した場合には、受信信
号を第2のノッチフィルタ4−2に送る(選択手段1は
図1のCを選択)。なお、判定手段3での判定アルゴリ
ズムについては後に説明する。
タ中心周波数推定手段2で推定された周波数を持つよう
にする。そのために、クラッタ中心周波数推定手段2
で、受信信号を単峰性および複峰性クラッタと仮定し
て、1次と2次のAR(auto-regressive)モデルを使
ってクラッタ中心周波数の推定を行う。これは、例えば
文献2(原沢、真野:“メジアンフィルタを用いたアダ
プティブMTI”電子情報通信学会論文誌B−II、 vol.
J79−B−II、 No. 12、 pp. 1013−1021、 Nov.、199
6)で開示されている方法を使う。最大エントロピー法
に基づいて、ARモデルを用いた推定を行っている。ま
た、この推定法は、目標信号を無視するように働く。つ
まり、目標信号のドップラー周波数は推定しないように
している。
f01 (b)、2次ARモデルによる推定値を
f 021 (b)、f022 (b)とする。肩文字bはレンジビ
ンブロック番号であり、b=1、2、・・・、K/Bで
ある。これらの周波数は、パルス繰り返し周波数PRF
で正規化した値とする。
算出について説明する。文献2の推定法では、クラッタ
中心周波数推定は受信信号のレンジビンとヒット毎に行
うため、クラッタ中心周波数推定値は、レンジビンkと
ヒットnに依存する。1次ARモデルによる推定値をf
c1(k、n)、2次ARモデルによる推定値をfc
21(k、n)、fc22(k、n)とする。そして、
f01 (b)、f021 (b)、f022 (b)はそれぞれ、f
c1(k、n)、fc21(k、n)、fc22(k、
n)をヒットおよびそのレンジビンブロック内で平均し
たものとする。数式で示せば、式(1)、(2)のよう
になる。なお、平均操作は、その周波数を偏角とする絶
対値1の複素数に対して行い、その結果の偏角をもって
平均の周波数とする。なお、必ずしもブロック内の全レ
ンジビンを使わなくても良い。たとえば、数レンジビン
毎に行ってもよい。
1、2、3)とそれに対応する係数計算手段について説
明する。想定されるクラッタ帯域幅に対応して、あらか
じめ周波数0近傍を阻止域とする適当な高域通過ディジ
タルフィルタ(周波数0に零点を持つことが望ましい)
を3種類用意しておく。それらの係数(実数)を第1の
ノッチフィルタ4−1用にam(m=0、1、・・・、
M1−1;M1はインパルス応答長)、第2のノッチフ
ィルタ4−2用にb1m(m=0、1、・・・、M2−
1;M2はインパルス応答長)、第3のノッチフィルタ
4−3用にb2 m(m=0、1、・・・、M3−1;M
3はインパルス応答長)とする。
周波数0のフィルタ係数格納手段6−1、6−2、6−
3に格納しておく。クラッタ中心周波数推定手段2で得
られた推定値(平均した結果)は、上述のようにf01
(b)、f021 (b)、f022 (b)である。第1のノッチ
フィルタ4−1の係数をαm (b)、第2のノッチフィル
タ4−2の係数をβ1m (b)、第3のノッチフィルタ4
−3の係数をβ2m (b)とすると、第iのノッチフィル
タ係数計算手段5−iでは式(3)の計算を行い、第i
のノッチフィルタ4−iに出力する。
る。最初に、全レンジビンのブロック分けを行う理由を
説明する。判定手段3では、どこに受信信号を送るかを
判定するが、その判定のための特徴量として、受信信号
の電力と、クラッタ中心周波数推定に利用するARモデ
ルの極を用いる。これらを用いてレンジビン毎に判定す
ると特徴量がばらついてしまい、判定結果がレンジビン
毎に変化してしまう可能性がある。そうなると、出力信
号の統計的性質もレンジビン毎に変わってしまう。
(constant false alarm)による目標検出処理に悪影響
を与える可能性がある。また、現実には、数十レンジビ
ンでクラッタ中心周波数が大きく変わることはほとんど
ない。そこで、全レンジを適当なブロック長Bでブロッ
ク分けし、特徴量をレンジビンブロック内で平均して判
定に用いる。判定はそのレンジビンブロック毎に行う。
そうすれば、判定を行う回数は多くならないし、出力信
号の統計的性質もそのレンジビンブロック内では均一に
保たれる。CFAR処理はそのレンジビンブロック内で
行えばよい。
徴量としては、受信信号のレンジビンブロック内の平均
電力、クラッタ中心周波数推定手段2で用いるARモデ
ルの極の絶対値をレンジビンブロック内で平均したもの
である。レンジビンブロック番号bにおける受信平均電
力は以下の式(4)から算出する。Pu (b)は受信信号
u(k、n)のレンジビンブロック番号bにおける平均
電力である。
絶対値の平均値について簡単に説明する。詳細は、特開
2001−183453号公報および特開2001−2
42238号公報に記されている。クラッタ中心周波数
推定手段2ではヒットおよびレンジビン毎に1次と2次
のARモデルを用いてクラッタ中心周波数を求める。中
心周波数推定値の基となった複素数値(偏角をとる前の
値)を極と呼ぶことにする。1次と2次のARモデルの
極もヒットおよびレンジビン毎に得られる。
ブロック内で平均する。平均した結果を1次ARモデル
に対してQ1 (b)、2次ARモデルに対してQ2i
(b)(i=1、2)とする。そして、ARモデルの極
の絶対値のレンジビンブロック内平均値(混同の恐れが
ないときは単にARモデルの極の絶対値と呼ぶ)につい
て数値的に調べると、以下のことがわかった。 ・クラッタが存在しないときは、1次ARモデルの極の
絶対値は小さくなる。 ・単峰性クラッタの場合は、1次ARモデルの極の絶対
値と、2次ARモデルの極の絶対値の一方は比較的大き
い値を取る。 ・複峰性クラッタの場合は、2次ARモデルの2つの極
の絶対値はともに比較的大きい値を取る。
2に示すフローチャートを参照して説明する。レンジビ
ンブロック番号b(b=1、2、・・・、K/B)に着
目する。 ステップS1:受信信号電力Pu (b)がしきい値Pth未
満かどうか調べる。P thは雑音電力よりやや大きい値
に設定する。Pu (b)<PthであればステップS2へ、
そうでなければステップS3へ移行する。 ステップS2:クラッタはないと判定して受信信号をそ
のまま出力する。つまり、選択手段1は図1のAを選択
し、判定操作を終了する。
値Q1 (b)が予め設定した極のしきい値Qthより小
さいかどうか調べる。Q1 (b)<Qthであればステ
ップS2へ。そうでなければステップS4へ。(このス
テップを設けているのは、クラッタがなくても目標信号
が存在する場合を想定している。) ステップS4:2次ARモデルの極の絶対値Q21
(b)、Q22 (b)の両方が極のしきい値Qth以上
かどうか調べる。両方がしきい値Qth以上あればステ
ップS6へ。そうでなければステップS5へ。 ステップS5:単峰性クラッタが存在すると判定して、
選択手段1は図1のBを選択して判定操作を終了する。 ステップS6:複峰性クラッタが存在すると判定して、
選択手段1は図1のCを選択して判定操作を終了する。
ば、もはやクラッタ中心周波数推定やARモデルの極の
絶対値を計算する必要は必ずしもない。同様に、ステッ
プS3でQ1 (b)<Qthであれば、2次ARモデリ
ングを行う必要は必ずしもない。
ようになる。これはレンジビンブロック毎に変わる。
y3(k、n)は式(7)、(8)で求められる。cは
正規化係数で、図1の乗算器7に対応する。cは例え
ば、第2のノッチフィルタ4−2に複素白色雑音を入力
したときに、第3のノッチフィルタ4−3の出力信号y
3(k、n)の電力が、入力雑音電力と同じになるよう
に決める。
を持つクラッタを対象にした処理であった。これを拡張
して、特開2001−183453号公報と同様、3つ
以上のスペクトルのピークを持つクラッタを対象にする
ことも可能である。例えば、最大3つのスペクトルのピ
ークを持つクラッタを対象にする場合は、3つのノッチ
フィルタを縦続接続したものを、図1の選択手段1の選
択肢に加えることになる。それに伴い、ノッチフィルタ
係数計算手段、零点周波数0のフィルタ係数格納手段も
増えることになる。また、クラッタ中心周波数推定手段
2で使用するARモデルも最大3次のものになる。判定
手段3において、図2のステップS4で”Yes”の場
合は、さらに3次ARモデルの極による判定が加わる。
3次ARモデルの極が3つともしきい値Qth以上であ
れば、3つのノッチフィルタを縦続接続したものでクラ
ッタ抑圧処理を行う。そうでない場合は、図1の選択手
段1の選択肢Cを選択する。
453号公報および特開2001−242238号公報
と異なる点は、選択手段1によるノッチフィルタ選択を
フィルタ処理の前に行う点にある。複数のフィルタ出力
を選択するのではない。よって、必要最小限のフィルタ
処理にとどめることができる。また、判定手段3におけ
る判定結果によっては、クラッタ中心周波数推定の必要
はなくなる場合もある。これらにより、信号処理演算量
の低減を図ることができる。
3で利用する特徴量が1コヒーレントプロセッシングイ
ンターバル内の受信信号で算出可能であるため、従来の
技術のように数回のスキャンを必要としないで実際のク
ラッタの距離に関する分布に適応してクラッタ抑圧を行
うことが可能となる。また、特徴量の算出には多数のヒ
ット数を必要としないため、1コヒーレントプロセッシ
ングインターバルあたりのパルスヒット数が少ない捜索
レーダでも良好なクラッタ抑圧性能を得ることができ
る。
態1を巡回的に不等間隔パルスを送信するスタガトリガ
方式に適用できるように変形したものである。図3は、
この発明の実施の形態2に係るクラッタ抑圧装置を示す
構成図である。クラッタ抑圧装置は、通常レーダ装置を
構成する一要素であり、レーダ装置に組み込んだ形で使
用する。図3において、図1と同じ構成要素については
説明を省略する。10−1は単峰性スペクトルを持つク
ラッタを抑圧するための第1の時変ノッチフィルタ(F
IR形)、10−2は2つのクラッタが重畳したうちの
一方のクラッタを抑圧するための第2の時変ノッチフィ
ルタ(FIR形)、11は第2の時変ノッチフィルタ1
0−2と縦続接続したときに、2つのクラッタの中心周
波数に零点を持つようにして、2つのクラッタが重畳し
たうちのもう一方も抑圧できるようにするための補償フ
ィルタ(FIR形)である。12−i(i=1、2、以
下同様)は第iの時変ノッチフィルタ10−iの係数を
計算する第iのノッチフィルタ係数計算手段、13は第
2の時変ノッチフィルタ10−2の係数を利用して補償
フィルタ11の係数を計算するための補償フィルタ係数
計算手段、14−iは第iの時変ノッチフィルタ10−
iの係数の基となる零点周波数が0の時変ノッチフィル
タの係数を格納する第iの零点周波数0の時変フィルタ
係数格納手段である。「時変」とは、フィルタの係数が
信号のサンプリング間隔に応じて変わるという意味であ
る。
nd M. W. Jelffs、 "Design of m.t.i. filters with s
taggered p.r.f: a pole-zero approach、" Proc. IE
E、 vol. 121、 no. 12、 p. 1460-1466、 1974)によ
れば、スタガトリガ方式の場合、従来の2重消去器など
のようにフィルタ係数を時不変とするのではなく、処理
を行おうとする信号のパルスの位置(あるいはパルス間
隔)に応じてフィルタ係数を変えると、スタガトリガ方
式でも周波数0に多重零点を持つ阻止域幅の広いノッチ
フィルタを得ることができる。本実施の形態でもそのよ
うな時変係数フィルタを採用することにする。
に記す。スタガトリガ方式スタガ数をLとして、i≦L
に対してはτi=PRIi、i>Lに対してはτL+1
=PRI1、τL+2=PRI2、・・・、τ2L−1
=PRIL−1、τ2L=PRIL、τ2L+1=PR
I1、・・・とする。
ラッタ中心周波数推定手段2、判定手段3の動作につい
ては実施の形態1と同じであるので、実施の形態1と異
なるフィルタの構成について説明する。受信信号をu
(k、tn)、第1の時変ノッチフィルタ10−1の出
力信号をy1(k、tn)、第2の時変ノッチフィルタ
10−2の出力信号をy2(k、tn)、補償フィルタ
11の出力信号をy3(k、tn)、図3の出力信号を
z(k、tn)とする。nはヒット番号(n=1、2、
・・・、N)である。第1の時変ノッチフィルタ10−
1は単峰性クラッタ抑圧用、第2の時変ノッチフィルタ
10−2と補償フィルタ11の縦続接続は複峰性クラッ
タ抑圧用である。クラッタ中心周波数推定手段2では既
に3種のクラッタ中心周波数f01 (b)、f021 (b)、
f022 (b)が推定されているものとする。
1、10−2、補償フィルタ11と対応するフィルタ係
数計算手段について説明する。想定されるクラッタ帯域
幅に対応して、あらかじめ周波数0近傍を阻止域とする
適当な時変高域通過ディジタルフィルタ(周波数0に零
点を持つことが望ましい)を2種類用意しておく。それ
らの係数(実数)を第1の時変ノッチフィルタ10−1
用にhim(m=0、1、・・・、M1−1;M1はイ
ンパルス応答長;i=0、1、2、・・・、L−1)、
第2の時変ノッチフィルタ10−2用にgim(m=
0、1、・・・、M 2−1;M2はインパルス応答長)
とする。これらはそれぞれ第1および第2の零点周波数
0の時変フィルタ係数格納手段14−1、14−2に格
納されている。これらは例えば文献3の方法で計算でき
る。
推定値は、上述のようにf01 (b)、f021 (b)(これ
は一般に固定クラッタに対応)、f022 (b)である。
これらは平均PRFで正規化された値とする。平均PR
Fとは、パルス繰返し周期の平均PRIavの逆数であ
る。第1の時変ノッチフィルタ10−1の係数をAi m
(b)、第2の時変ノッチフィルタ10−2の係数をB
im (b)とすると、第1、第2の時変ノッチフィルタ係
数計算手段14−1、14−2ではそれぞれ式(9)、
(10)の計算を行い、第1、第2のノッチフィルタ1
0−1、10−2に出力する。
0、1、・・・、M3−1;M3はインパルス応答長)
は、クラッタ中心周波数推定手段2における2次ARモ
デルによる式(10)で使わなかった推定値f022
(b)(これは一般に移動クラッタに対応)と、式(1
0)の第2の時変ノッチフィルタ10−2の係数をB
im (b)を用いて、補償フィルタ係数計算手段13で例
えば特開2001−242238号公報に記されている
連立方程式をL回解く方法で計算する。これによって第
2の時変ノッチフィルタ10−2と補償フィルタ11を
縦続接続したものはf 021 (b)とf022 (b)に零点を
形成する。補償フィルタ11を単純にノッチフィルタと
しては不都合が生ずるのは、既に説明した通りである。
る。これはレンジビンブロック毎に変わる。式(11)
で、y1(k、tn)は式(12)、y3(k、tn)
は式(13)(14)で求められる。
2の時変ノッチフィルタ10−2と補償フィルタ11の
縦続構成としたが、これを2つの周波数に零点を持つ単
一の時変フィルタとしてもよい。フィルタ係数計算のた
めの演算量は、図3の縦続接続構成の方が少ない。
を持つクラッタを対象にした処理であった。これを拡張
して、特開2001−242238号公報と同様に、3
つ以上のスペクトルのピークを持つクラッタを対象にす
ることも可能である。例えば、最大3つのスペクトルの
ピークを持つクラッタを対象にする場合は、1つの時変
ノッチフィルタと2つの補償フィルタを縦続接続したも
のを、図3の選択手段1の選択肢に加えることになる。
それに伴い、補償フィルタ係数計算手段、零点周波数0
のフィルタ係数格納手段も増えることになる。また、ク
ラッタ中心周波数推定手段2で使用するARモデルも最
大3次のものになる。判定手段3における動作は実施の
形態1で説明したのと同様である。
8号公報と異なる点は、選択手段1によるノッチフィル
タ選択をフィルタ処理の前に行う点にある。複数のフィ
ルタ出力を選択するのではない。よって、必要最小限の
フィルタ処理にとどめることができる。また、判定手段
3における判定結果によっては、クラッタ中心周波数推
定や時変ノッチフィルタ係数計算の必要がなくなる場合
もある。これらにより、信号処理演算量の低減を図るこ
とができる。
定手段3で利用する特徴量が1コヒーレントプロセッシ
ングインターバル内の受信信号で算出可能であるため、
従来の技術のように数回のスキャンを必要としないで実
際のクラッタの距離に関する分布に適応してクラッタ抑
圧を行うことが可能となる。固定クラッタと移動クラッ
タが重畳した場合も、複数のノッチ周波数を持つ阻止域
減衰量の多い従属な2つの時変フィルタの縦続接続で処
理するため、フィルタ係数の近似計算や波形ひずみに起
因するクラッタ抑圧性能の劣化はなく、複峰性クラッタ
抑圧性能が高い。また、特徴量の算出には多数のヒット
数を必要としないため、1コヒーレントプロセッシング
インターバルあたりのパルスヒット数が少ない捜索レー
ダでも良好なクラッタ抑圧性能を得ることができる。
択手段1が処理に用いるべきフィルタを切り替えてい
た。その代わりに、判定手段3の判定結果に基づいてフ
ィルタの係数を計算し、その係数を単一のクラッタ抑圧
用ノッチフィルタの係数として設定するようにしてもよ
い。図4は、実施の形態3に係るクラッタ抑圧装置を示
す構成図である。図4において、21はクラッタ抑圧用
のノッチフィルタ(FIR形)、22はノッチフィルタ
21の係数を計算するノッチフィルタ係数計算手段であ
り、ノッチフィルタとしては、時不変あるいは時変係数
のノッチフィルタを用いることが出来る。
て、スタガトリガ方式でない場合について説明する。ノ
ッチフィルタ係数計算手段22の中に判定手段3とおな
じ仕組みが含まれている。第bレンジビンブロックの受
信信号に対して、図2に対応して「A(受信信号)を選
択」(ステップS2)と判定した場合は、クラッタがな
いと判定されたので、ノッチフィルタ21の係数pm
(b)(m=0、1、・・・、M−1;Mはインパルス応
答長で、判定結果により異なる。bはレンジビンブロッ
ク番号)としては、p0 (b)=1(M=1)と設定す
る。これはフィルタがないのと同じで、信号をそのまま
通過させる。
て、図2に対応して「Bを選択(単峰性クラッタ抑圧フ
ィルタで処理)」(ステップS5)と判定した場合は、
ノッチフィルタ係数計算手段22はノッチフィルタ21
の係数pm (b)を式(15)のように設定する。αm
(b)は式(3)と同じである。第bレンジビンブロック
の受信信号に対して、図2に対応して「Cを選択(複峰
性クラッタ抑圧フィルタで処理)」(ステップS6)と
判定した場合は、ノッチフィルタ係数計算手段22はノ
ッチフィルタ21の係数pm (b)を式(16)のように
設定する。β1m (b)、β2m (b)は式(3)と同じであ
り、*は2つのフィルタのインパルス応答β1m (b)、
β2m (b)の畳み込み演算を意味する。ノッチフィルタ
21の出力信号z(k、n)は式(17)のようにな
る。
タ21の係数が時変であり、式(16)、(17)はそ
のまま適用できないことに注意すれば、動作は同様であ
る。以下、スタガトリガ方式の場合について説明する。
ノッチフィルタ21の係数をスタガトリガ方式でない場
合と区別してqim (b)(i=0,1,・・・,L−
1;m=0,1,・・・,M−1;Mはインパルス応答
長で、判定結果により異なる。bはレンジビンブロック
番号)と表す。第bレンジビンブロックの受信信号に対
して、図2に対応して「A(受信信号)を選択」(ステ
ップS2)と判定した場合は、クラッタがないと判定さ
れたので、ノッチフィルタ21の係数q im (b)とし
ては、qi0 (b)=1(M=1)と設定する。これは
フィルタがないのと同じで、そのまま信号を通過させ
る。
て、図2に対応して「Bを選択(単峰性クラッタ抑圧フ
ィルタで処理)」(ステップS5)と判定した場合は、
ノッチフィルタ係数計算手段22はノッチフィルタ21
の係数qim (b)を式(18)のように設定する。A
im (b)は式(9)と同じである。
て、図2に対応して「Cを選択(複峰性クラッタ抑圧フ
ィルタで処理)」(ステップS6)と判定した場合は、
ノッチフィルタ係数計算手段22はノッチフィルタ21
の係数qim (b)を式(19)のように設定する。式
(19)で、Dim (b)は式(20)のように計算す
る。式(20)で、Bim (b)(m=0,1,…,M
1−1)は式(10)と同じ、Cim (b)(m=0,
1,…,M2−1)は補償フィルタ11の係数(実施の
形態2で述べたように特開2001−242238号で
説明した方法で計算できる)、*は[ ]で囲んだ2つの
数列の畳み込み演算を意味する。+は畳込みの結果得ら
れた数列をベクトルとみなしたときのベクトルの加算で
ある。
通りである。t=t1,tL+1,t2L+ 1,・・・に対して
はC00 (b),C01 (b),・・・,C0、M2−1
(b)が対応、t=t2,tL+2,t2L+2,・・・に対し
てはC10 (b),C11 (b),・・・,C1、M2−1
(b)が対応、t=t3,tL+3,t2L+3,・・・に対し
てはC2 0 (b),C21 (b),・・・,C2、M2−1
(b)が対応する。以下同様である。時刻tkとBim
(b)の対応関係も同様である。式(20)のBim
(b)の添字の左側の値iが負の数になった場合は、i
=−1,−2,−3,・・・はそれぞれL−1,L−
2,L−3,・・・と読み替える。ノッチフィルタ21
の出力信号z(k,tn)は式(21)のようになる。
持つクラッタを抑圧する場合について説明したが、3つ
以上のスペクトルのピークを持つクラッタを対象にする
ように拡張することも可能である。
3号公報および特開2001−242238号公報と異
なる点は、受信信号の当該レンジビンブロックにクラッ
タがあるかどうか、クラッタがある場合は単峰性か複峰
性かを判定した後に、フィルタ係数を計算して単一のフ
ィルタの係数として設定する点にある。複数のフィルタ
出力を選択するのではない。よって、必要最小限のフィ
ルタ処理にとどめることができる。また、前記の判定結
果によっては、クラッタ中心周波数推定や時変ノッチフ
ィルタ係数計算の必要がなくなる場合もある。これらに
より、信号処理演算量の低減を図ることができる。
ィルタ係数計算手段22に含まれる判定で利用する特徴
量が1コヒーレントプロセッシングインターバル内の受
信信号で算出可能であるため、従来の技術のように数回
のスキャンを必要としないで実際のクラッタの距離に関
する分布に適応してクラッタ抑圧を行うことが可能とな
る。固定クラッタと移動クラッタが重畳した場合も、複
数のノッチ周波数を持つ阻止域減衰量の多い従属な2つ
の時変フィルタの縦続接続で処理するため、フィルタ係
数の近似計算や波形ひずみに起因するクラッタ抑圧性能
の劣化はなく、複峰性クラッタ抑圧性能が高い。また、
特徴量の算出には多数のヒット数を必要としないため、
1コヒーレントプロセッシングインターバルあたりのパ
ルスヒット数が少ない捜索レーダでも良好なクラッタ抑
圧性能を得ることができる。
形態3では、判定手段3にアルゴリズムとして図2に示
すフローチャートを用いたが、クラッタスペクトルの単
峰性と複峰性の判定として、クラッタ中心周波数推定結
果(レンジビンブロック内で平均化されたもの)を利用
すると、より精度の高い判定が行える。
定手段3における判定アルゴリズムを示したフローチャ
ートである。図2との違いは、ステップS4の次に、ス
テップSS1を設けたことである。
ロック内での絶対値の平均値)がともにしきい値Qth
以上であっても、2次ARモデルによるクラッタ中心周
波数推定値f021 (b),f022 (b)の差の絶対値|f
021 (b)−f022 (b)|が所定のしきい値fdthよ
り小さい場合は,単峰性クラッタとみなし,選択手段1
は図1のBを選択し、判定操作を終了する。上記に当て
はまらない場合は、クラッタは複峰性であると判定し、
選択手段1は図1のCを選択し、判定操作を終了する。
になる。ステップSS1:|f02 1 (b)−f022 (b)
|<fdthであれば、ステップS5へ移行する。そう
でない場合は、ステップS6へ移行する。ここで、クラ
ッタ中心周波数推定値f02 1 (b),f022 (b)は既に
得られているものであり、ステップSS1の追加による
演算負荷はわずかである。
ラッタスペクトルの単峰性と複峰性の判定精度を高める
ことが可能となる。
フィルタ選択をフィルタ処理の前に行うようにしたの
で、必要最小限のフィルタ処理にとどめることができ、
また、判定結果によっては、クラッタ中心周波数推定の
必要がなくなる場合もあり、信号処理演算量の低減を図
ることができる。
ントプロセッシングインターバル内の受信信号で算出可
能であるため、従来の技術のように数回のスキャンを必
要としないで実際のクラッタの距離に関する分布に適応
してクラッタ抑圧を行うことが可能となり、また、特徴
量の算出には多数のヒット数を必要としないため、1コ
ヒーレントプロセッシングインターバルあたりのパルス
ヒット数が少ない捜索レーダでも良好なクラッタ抑圧性
能を得ることができる。
タを、ARモデルの極、受信信号の電力およびクラッタ
中心周波数推定値に基づいて複数の連続するレンジビン
からなるブロック毎に判定するようにしたので、クラッ
タスペクトルの単峰性と複峰性の判定精度を高めること
が可能となる。
した場合も、複数のノッチ周波数を持つ阻止域減衰量の
多い従属な2つの時変フィルタの縦続接続で処理するた
め、フィルタ係数の近似計算や波形ひずみに起因するク
ラッタ抑圧性能の劣化はなく、複峰性クラッタ抑圧性能
が高い。
クにクラッタがあるかどうか、クラッタがある場合は単
峰性か複峰性かを判定した後に、フィルタ係数を計算し
て単一のフィルタの係数として設定するので、必要最小
限のフィルタ処理にとどめることができ、また、前記の
判定結果によっては、クラッタ中心周波数推定や時変ノ
ッチフィルタ係数計算の必要がなくなる場合もあり、信
号処理演算量の低減を図ることができる。
装置の構成図である。
チャートである。
装置の構成図である。
装置の構成図である。
おける判定方法を示したフローチャートである。
ある。
図である。
タ、零点周波数−600Hzに零点を持つ時変フィル
タ、およびその2つのフィルタを縦続接続したときの等
価振幅二乗特性を示した図である。
判定手段、4−1 第1のノッチフィルタ、4−2 第
2のノッチフィルタ、4−3 第3のノッチフィルタ、
5−1 第1のノッチフィルタ係数計算手段、5−2
第2のノッチフィルタ係数計算手段、5−3 第3のノ
ッチフィルタ係数計算手段、6−1 第1の零点周波数
0のフィルタ係数格納手段、6−2 第2の零点周波数
0のフィルタ係数格納手段、6−3 第3の零点周波数
0のフィルタ係数格納手段、7乗算器、10−1 第1
の時変ノッチフィルタ、10−2 第2の時変ノッチフ
ィルタ、11 補償フィルタ、12−1 第1の時変ノ
ッチフィルタ係数計算手段、12−2 第2の時変ノッ
チフィルタ係数計算手段、13 補償フィルタ係数計算
手段、14−1 第1の零点周波数0の時変フィルタ係
数格納手段、14−2 第2の零点周波数0の時変フィ
ルタ係数格納手段、21 ノッチフィルタ、22 ノッ
チフィルタ係数計算手段。
Claims (14)
- 【請求項1】 レーダにおいて受信される不要反射エコ
ーであるクラッタを抑圧するための1つ以上のノッチフ
ィルタを用い、前記ノッチフィルタの零点周波数を、最
大エントロピー法に基づいてクラッタ中心周波数を推定
するクラッタ中心周波数推定手段における推定値に設定
する手段を備えたクラッタ抑圧装置において、 前記ノッチフィルタを選択する選択手段と、 前記選択手段で選択すべきノッチフィルタを、前記クラ
ッタ中心周波数推定手段において得られるAR(auto-r
egressive)モデルの極および前記受信信号の電力に基
づいて複数の連続するレンジビンからなるブロック毎に
判定する判定手段とを備えたことを特徴とするクラッタ
抑圧装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のクラッタ抑圧装置にお
いて、 前記判定手段は、前記選択手段で選択すべきノッチフィ
ルタを、前記クラッタ中心周波数推定手段において得ら
れるARモデルの極、前記受信信号の電力およびクラッ
タ中心周波数推定値に基づいて複数の連続するレンジビ
ンからなるブロック毎に判定することを特徴とするクラ
ッタ抑圧装置。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のクラッタ抑圧
装置において、 前記ノッチフィルタとして、時不変係数のノッチフィル
タを用いたことを特徴とするクラッタ抑圧装置。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載のクラッタ抑圧
装置において、 前記レーダとして、スタガトリガ方式のレーダを用いる
と共に、 前記ノッチフィルタとして、時変係数ノッチフィルタを
用いたことを特徴とするクラッタ抑圧装置。 - 【請求項5】 請求項4に記載のクラッタ抑圧装置にお
いて、 前記時変係数ノッチフィルタとして、複峰性スペクトル
を持つクラッタを抑圧するために縦続に接続された複数
の時変フィルタを備え、 前記縦続接続された複数の時変フィルタ全体としての周
波数特性が、前記クラッタ中心周波数推定手段により推
定された複数のクラッタ中心周波数推定値に周波数特性
の零点を持つように、前記複数の時変フィルタ係数を設
定することを特徴とするクラッタ抑圧装置。 - 【請求項6】 レーダにおいて受信される不要反射エコ
ーであるクラッタを抑圧するための1つの時不変もしく
は時変係数のノッチフィルタを用い、前記ノッチフィル
タの零点周波数を、最大エントロピー法に基づいてクラ
ッタ中心周波数を推定するクラッタ中心周波数推定手段
における推定値に設定する手段を備えたクラッタ抑圧装
置において、 前記クラッタ中心周波数推定手段において得られるAR
(auto-regressive)モデルの極および前記レーダにお
ける受信信号の電力に基づいて、前記ノッチフィルタの
係数を、複数の連続するレンジビンからなるブロック毎
に設定する設定手段を備えたことを特徴とするクラッタ
抑圧装置。 - 【請求項7】 請求項6に記載のクラッタ抑圧装置にお
いて、 前記設定手段は、前記クラッタ中心周波数推定手段にお
いて得られるARモデルの極、前記受信信号の電力およ
びクラッタ中心周波数推定値に基づいて、前記ノッチフ
ィルタの係数を、複数の連続するレンジビンからなるブ
ロック毎に設定することを特徴とするクラッタ抑圧装
置。 - 【請求項8】 レーダにおいて受信される不要反射エコ
ーであるクラッタを抑圧するための1つ以上のノッチフ
ィルタを用い、前記ノッチフィルタの零点周波数を、最
大エントロピー法に基づいてクラッタ中心周波数を推定
するクラッタ中心周波数推定ステップにおける推定値に
設定するようにしたクラッタ抑圧方法において、 前記ノッチフィルタを選択する選択ステップと、 前記選択ステップで選択すべきノッチフィルタを、前記
クラッタ中心周波数推定ステップにおいて得られるAR
(auto-regressive)モデルの極および前記受信信号の
電力に基づいて複数の連続するレンジビンからなるブロ
ック毎に判定する判定ステップとを備えたことを特徴と
するクラッタ抑圧方法。 - 【請求項9】 請求項8に記載のクラッタ抑圧方法にお
いて、 前記判定ステップは、前記選択ステップで選択すべきノ
ッチフィルタを、前記クラッタ中心周波数推定ステップ
において得られるARモデルの極、前記受信信号の電力
およびクラッタ中心周波数推定値に基づいて複数の連続
するレンジビンからなるブロック毎に判定することを特
徴とするクラッタ抑圧方法。 - 【請求項10】 請求項8または9に記載のクラッタ抑
圧方法において、 前記ノッチフィルタとして、時不変係数のノッチフィル
タを用いたことを特徴とするクラッタ抑圧方法。 - 【請求項11】 請求項8または9に記載のクラッタ抑
圧方法において、 前記レーダとして、スタガトリガ方式のレーダを用いる
と共に、 前記ノッチフィルタとして、時変係数ノッチフィルタを
用いたことを特徴とするクラッタ抑圧方法。 - 【請求項12】 請求項11に記載のクラッタ抑圧方法
において、 前記時変係数ノッチフィルタとして、複峰性スペクトル
を持つクラッタを抑圧するために縦続に接続された複数
の時変フィルタを備え、 前記縦続接続された複数の時変フィルタ全体としての周
波数特性が、前記クラッタ中心周波数推定ステップによ
り推定された複数のクラッタ中心周波数推定値に周波数
特性の零点を持つように、前記複数の時変フィルタ係数
を設定することを特徴とするクラッタ抑圧方法。 - 【請求項13】 レーダにおいて受信される不要反射エ
コーであるクラッタを抑圧するための1つの時不変もし
くは時変係数のノッチフィルタを用い、前記ノッチフィ
ルタの零点周波数を、最大エントロピー法に基づいてク
ラッタ中心周波数を推定するクラッタ中心周波数推定ス
テップにおける推定値に設定するようにしたクラッタ抑
圧方法において、 前記クラッタ中心周波数推定ステップにおいて得られる
AR(auto-regressive)モデルの極および前記レーダ
における受信信号の電力に基づいて、前記ノッチフィル
タの係数を、複数の連続するレンジビンからなるブロッ
ク毎に設定する設定ステップを備えたことを特徴とする
クラッタ抑圧方法。 - 【請求項14】 請求項13に記載のクラッタ抑圧方法
において、 前記設定ステップは、前記クラッタ中心周波数推定ステ
ップにおいて得られるARモデルの極、前記受信信号の
電力およびクラッタ中心周波数推定値に基づいて、前記
ノッチフィルタの係数を、複数の連続するレンジビンか
らなるブロック毎に設定することを特徴とするクラッタ
抑圧方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002208483A JP4109918B2 (ja) | 2002-01-17 | 2002-07-17 | クラッタ抑圧装置及び方法 |
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---|---|---|---|
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JP2002008600 | 2002-01-17 | ||
JP2002208483A JP4109918B2 (ja) | 2002-01-17 | 2002-07-17 | クラッタ抑圧装置及び方法 |
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