JP2003279430A - 圧力検出装置及び製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】相対圧力検出装置の大気圧力を導入する構造
は、一般的に外装ケース８内部に大気圧力導入通路１７
を形成している。この大気圧力導入通路１７は、検出装
置に水がかかった場合でも装置内部に水が入らないよう
にするために複雑な構造とする必要が生じていた。本発
明では、外装ケース８の構造を簡略化し、安価な圧力検
出装置を提供することにある。 【解決手段】防水性が高く小型で安価な大気圧力導入部
１５をゲージケース３の大気圧力導入通路１７に外付け
することで、外装ケース８の構造を簡略化することが可
能であり、低コスト化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、圧力検出装置にお
ける外装ケース内部に実装した半導体センサへ大気圧力
を導入するための通路構造及び製造方法に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来の技術は、特開２００１−２９６１
９５号公報及び特開２００１−296196号公報に記載のよ
うに外装ケースの外側に防水フィルターを天地方向に設
け、内部に迷路状の大気圧力導入通路を設けることで被
水時の防水性と通気性を確保する構造となっているた
め、外装ケース構造が複雑になっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】圧力検出装置は、自動
車等に使用した場合、結露や被水の環境下にさらされる
ため大気圧力を導入する通路には、防水性と通気性が要
求される。

【０００４】上記従来技術は、外装ケースの簡略化や他
の機種との共用化についての配慮がされておらず、要求
を満足するために複雑な外装ケース構造となってしまう
問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、小型で高い防水性を有する大気圧力の導
入通路部を外装ケースに後付けすることで、従来外装ケ
ース内部に形成していた大気圧力導入通路を廃止して構
造の簡略化と小型化を図ると共に他機種の圧力検出装置
との共通化を図れるようにしたものである。

【０００６】また、被水時に水が装置内部に入り難くす
るために、大気圧力導入部におけるキャップの構造を傘
状とし、防水フィルタと大気の導入口をキャップ内側の
高い位置に設置したものである。

【０００７】さらに、ある方向からキャップ内部に水が
かかった場合でも、大気圧力の導入通路を確保するため
に大気圧力の導入口を複数個に区切り，方向を変えて設
置したものである。

【０００８】さらに、キャップ内側に水が入った場合で
も水の表面張力を破壊し水滴が溜まりにくくするため
に、キャップ側面に開口部、及びベースとの間に隙間を
設けたものである。

【０００９】さらにキャップ内側に入った水滴を排出し
やすくするために、キャップ側面の開口部の角部及びベ
ースとの隙間の対向する角部に面取りを施したものであ
る。

【００１０】また、小型で防水性の高い大気圧力の導入
通路部を安価に供給するために防水フィルタをベースと
キャップで挟み込み、熱加締め方式で固定する構造とし
たものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下図１〜図３を用いて、本発明
の一実施形態，構成について説明する。

【００１２】図１は圧力検出装置の縦断面図ある。

【００１３】半導体センサ１はシリコンから成る。半導
体センサ１はガラス台座２とアノーディックボンディン
グ等で接合されている。

【００１４】ゲージケース３はエポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂または、ＰＰＳ等の熱可塑性樹脂からなり、出力
端子７はニッケルメッキを施したリン青銅で構成され
る。

【００１５】前記ゲージケース３にはガラス台座２と接
合した半導体センサ１が接着剤６により接着固定されて
いる。また、ゲージケース３にインサート成型されてい
る出力端子７は、半導体センサ１とアルミ又は金から成
るワイヤ４で接続され、電気的接続がとられている。こ
の半導体センサ１はシリコーンゲル等の保護材５で被覆
することで腐食性ガス，液体から保護されている。尚、
ゲージケース３，ガラス台座２にはそれぞれ大気圧力導
入通路１７が設けられている。

【００１６】外装ケース８はＰＢＴ，ＰＰＳなどの樹脂
材と金属製のリード材９で構成される。

【００１７】外装ケース８は前記ゲージケース３を実装
するための開口部１１と圧力検出用開口部１０を有して
おり、外側をコネクタの形状とし、外部に信号を出力す
る構造となっている。

【００１８】図２は大気圧力導入部１５を上面から見た
図とその縦断面図である。

【００１９】大気圧力導入部１５は、ＰＢＴ，ＰＰＳな
どの樹脂から成るベース１２及びキャップ１４と通気性
を有する防水フィルタ１３で構成される。ベース１２
は、底面をゲージケース３の上部と勘合する形状となっ
ており、中央を凸としてキャップ１４を支持する形状と
しながらその内側に大気圧力導入通路１７を有してい
る。キャップ１４は傘状の形状とし、内側中央付近にス
リット状の大気圧力導入口１６を設けている。

【００２０】図３は大気圧力導入部の展開断面図であ
る。

【００２１】前記大気圧力導入部１５は、防水フィルタ
１３をベース１２内に設けた大気圧力導入通路１７の最
上部に環状に加工した両面テープ等を用いて貼り付け、
さらに、キャップ１４とベース１２で挟み込むように熱
加締めで接合している。

【００２２】図１で、前記各部品の組み立ては、外装ケ
ース８の開口部１１にゲージケース３を装着し、ゲージ
ケース３の出力端子７と外装ケース８のリード材９とを
溶接によって接続後、ゲージケース３の上部に大気圧力
導入部１５を装着した状態で、外装ケース開口部１１に
エポキシ，シリコーン等の封止用樹脂を注入硬化させて
圧力検出装置が完成される。

【００２３】図１〜図７において、本発明の特徴を説明
する。

【００２４】図１は、図上記記載の圧力検出装置の縦断
面図である。

【００２５】本実施例によれば、圧力検出装置の大気圧
力導入通路１７は、大気圧力導入口１６から防水フィル
タ１３を通りゲージケース３に至るまでを外装ケース８
の外側で構成している。この結果、外装ケース８に大気
圧力を導入するための通路を設ける必要がなくなるた
め、構造の簡略化及び小型化が可能となる。

【００２６】図２は、大気圧力導入部１５を上から見た
図とその縦断面図である。

【００２７】大気圧力を直接ゲージケース３に導くため
には、防水性の高い大気圧力導入部１５が必要となり、
本目的を満足するためには、大気圧力導入口１６と防水
フィルタ１３をベース１２よりも高くなる位置に設置
し、その上に傘状のキャップ１４を設けることで、大気
圧力導入口１６に水がかかりにくい大気圧力導入部１５
を得ることが可能となる。

【００２８】また、大気圧力導入口１６の形状を横長の
スリット状とし、複数個の区切りを設けることで、仮に
一方向から水がかかった場合でも別方向の大気圧力の導
入口１６から大気圧力が導入でき、安定した大気圧力の
供給が可能となる。

【００２９】図３は大気圧力導入部の展開断面図であ
る。

【００３０】水や異物が装置内部に浸入するのを防止す
るための防水フィルタ１３をベース１２とキャップ１４
で挟み込み２箇所ないし４箇所の熱加締めで固定するこ
とで、防水性の高い大気圧力導入部１５を安価に供給す
ることが可能となる。

【００３１】図４は図２の大気圧力導入部１５の側面図
である。

【００３２】キャップ１４の傘部側面及びベース１２と
の間に水の表面張力でも水の溜まらない開口部１８と隙
間部１９を設けることでキャップ１４の内側に水が入っ
ても、水滴が溜まりにくい大気圧力導入部１５が得られ
る。さらに前記開口部１８を、方向を変えて２箇所以上
設けることで水滴の排出効果を高めることが可能とな
る。

【００３３】図５は一実施例の大気圧力導入部１５の縦
断面図、図６は図５の大気圧力導入部１５の側面図で、
図７は一実施例の大気圧力導入部１５の縦断面図であ
る。

【００３４】図５，図６に示したようにキャップ１４側
面の開口部１８及び防水ベース１２との隙間部１９それ
ぞれの角に面取り部２０を設けることで更に水を排出し
やすくすることが可能となる。さらに、図７に示したよ
うにベース１２の底面から立ち上がる角部に１辺当り
０.５mm 以上かつ４５°の傾斜部２１を設けることで、
水滴を溜まりにくくすることが可能となる。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、安価で防水性の高い大
気圧力導入部を外付けすることで外装ケース内部に大気
圧力導入通路を形成する必要が無くなるため、外装ケー
ス構造の簡略化による低コスト化が図れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である圧力検出装置の縦断面
図である。

【図２】本発明の一実施例である大気圧力導入部を上か
ら見た図とその縦断面図である。

【図３】本発明の一実施例である大気圧力導入部の展開
断面図である。

【図４】図２の大気圧力導入部の側面図である。

【図５】本発明の一実施例である大気圧力導入部の縦断
面図である。

【図６】図５の大気圧力導入部の側面図である。

【図７】本発明の一実施例である大気圧力導入部の縦断
面図である。

【符号の説明】

１…半導体センサ、２…ガラス台座、３…ゲージケー
ス、４…ワイヤ、５…保護材、６…接着剤、７…出力端
子、８…外装ケース、９…リード材、１０…圧力検出用
開口部、１１…外装ケース開口部（封止用接着剤）、１
２…ベース、１３…防水フィルタ、１４…キャップ、１
５…大気圧力導入部、１６…大気圧力導入口、１７…大
気圧力導入通路、１８…開口部、１９…隙間部、２０…
面取り部、２１…傾斜部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 雅秀 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 宮▲崎▼ 敦史 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 菊池 勝彦 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社佐和サービス内 Ｆターム(参考） 2F055 AA40 BB03 CC02 DD05 EE13 FF38 GG01 GG25 HH09

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】外装ケース内に、圧力を電気信号に変換す
   る信号処理回路を有した半導体センサと、前記半導体セ
   ンサに外装ケース外部の大気圧力を導入するための開口
   部を有する圧力検出装置において、前記外装ケースに対
   し大気圧力導入部を別部品で構成したことを特徴とする
   圧力検出装置。
2. 【請求項２】請求項１の圧力検出装置において、前記大
   気圧力導入部をベースと防水フィルタと傘状のキャップ
   で構成し、更に大気圧力導入口をキャップ内側のかつ実
   際に設置した状態で高くなる位置にスリット状に設置
   し、その直下に防水フィルタを配置したことを特徴とす
   る圧力検出装置。
3. 【請求項３】請求項２の圧力検出装置において、前記大
   気圧力導入口を複数個に区切り，方向を変えて設けたこ
   とを特徴とする圧力検出装置。
4. 【請求項４】請求項２及び３の圧力検出装置において、
   前記キャップの側面に二箇所以上の開口部を設け更に前
   記ベースとの間にも隙間を設けたことを特徴とする圧力
   検出装置。
5. 【請求項５】請求項４の圧力検出装置において、前記キ
   ャップの側面開口部の角部及び前記ベースとの隙間の対
   向する角部を面取りしたことを特徴とする圧力検出装
   置。
6. 【請求項６】請求項４及び５の圧力検出装置において、
   前記ベースの底面からの立ち上がりの角部に１辺当たり
   ０.５mm 以上かつ４５°の傾斜を設けたことを特徴とす
   る圧力検出装置。
7. 【請求項７】請求項２の圧力検出装置において、防水フ
   ィルタをベースとキャップで挟み込み、２箇所ないし４
   箇所の熱加締めで固定する構造としたことを特徴とする
   圧力検出装置。