JP2003278857A - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

油圧式オートテンショナ

Info

Publication number
JP2003278857A
JP2003278857A JP2002082522A JP2002082522A JP2003278857A JP 2003278857 A JP2003278857 A JP 2003278857A JP 2002082522 A JP2002082522 A JP 2002082522A JP 2002082522 A JP2002082522 A JP 2002082522A JP 2003278857 A JP2003278857 A JP 2003278857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
hydraulic
pressure chamber
rod
hydraulic oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002082522A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Hotta
浩二 堀田
Hirohito Terajima
宏仁 寺島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2002082522A priority Critical patent/JP2003278857A/ja
Publication of JP2003278857A publication Critical patent/JP2003278857A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鋼球の弁体を備える油圧式オートテンショナ
において、種々の仕様のエンジンでそのベルトまたはチ
ェーンに発生する張力の高周波変動に対応でき、かつ低
温時の作動を確保できるようにする。 【解決手段】 リザーバ室30の圧力を0.3MPa以
下とし、弁体61を鋼球とし移動可能距離aを0.15
mmから0.25mmの範囲内の所定値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 この発明は、内燃機関にお
いてクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝えるベ
ルト又はチェーン伝動装置に関して、特にベルトまたは
チェーンの張力を保持するように作用する油圧式オート
テンショナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】 内燃機関において、クランクシャフト
の回転をカムシャフトに伝える伝動装置では、クランク
シャフトとカムシャフトの間に歯付きベルト又はチェー
ンをかけ渡し、ベルトまたはチェーンの弛み側に油圧式
オートテンショナの調整力を付与してベルトまたはチェ
ーンの張力を保つようにしている。
【0003】このようなの油圧式オートテンショナとし
て、特開2001―32897号公報に記載されたもの
が知られている。このオートテンショナは作動油が充填
されるシリンダを有し、シリンダ内に設けられる圧力室
に出入するロッドを備えている。そして、ロッドにスプ
リングによる弾性力を付与してシリンダの外方向へ押し
出し、ベルトに張力を与えるよう構成している。またベ
ルトにはエンジンの回転数に応じて変動する張力が発生
する。張力が小さくなるとロッドはスプリングでシリン
ダの外部に押し出されるとともに、圧力室にリザーバか
らチェックバルブを通して作動油を導入される。一方、
ベルトまたはチェーンの張力が大きくなると圧力室の作
動油は隙間部を通過して圧力室からリザーバへ戻される
ように作動し、張力の変動によってベルトの振動が増幅
されるのを防ぐようダンピング力を発生する。
【0004】このように作動する油圧式オートテンショ
ナのチェックバルブは、エンジンが高回転数のときに発
生する高周波の変動に追従して開閉されると共に、低温
時においても粘性の高くなった作動油を所定の時間内に
確実に圧力室に導入できるように開放されるようにし
て、所定のダンピング力を発生させるものでなければな
らない。
【0005】高周波の変動に対する追従性を良くするた
めには、チェックバルブが備える弁体の移動量を小さく
して、また低温時に作動油の導入を良くするためには弁
体の移動量を大きくすることが有効であることが知られ
ている。
【0006】従来、一般的に油圧式オートテンショナの
チェックバルブの弁体として、製造精度および耐久性を
重視して鋼球のものが使用されてきた。しかし、特に5
00Hzに達する高周波ではチェックバルブの追従性の
確保が難しく、低温時の作動の確保を両立させるのが困
難であるとされた。このために、冒頭に引用した特開2
001―32897号公報の実施例では、鋼球より軽い
セラミックで作製した弁体を利用することによって、低
温時の作動を確保できる大きな移動量を備えて、かつ軽
量にしたことによって弁体が移動し易くなり高周波の変
動へのチェックバルブの追従性を可能にする方法を提案
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、油圧式
オートテンショナのチェックバルブにセラミックによる
弁体を使用することは、耐久性に問題が生じる恐れがあ
る。即ちセラミックの弁体は、すこしづつ磨耗するので
はなく突然大きく破損してしまうために、ユーザーが油
圧式オートテンショナの性能の劣化に気が付かず修理の
機会を逸して、エンジンの大きな故障を引き起してしま
う。この問題を解決するため、本発明は、鋼球の弁体を
備え耐久性と信頼性を確保する油圧式オートテンショナ
において、種々の仕様のエンジンでそのベルトまたはチ
ェーンに発生する張力の高周波の変動に対応でき、かつ
低温時の作動を確保できるようにするチェックバルブの
弁体の移動量を規定することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明が講じた第1の技術手段は、作動油を充填し
たシリンダと、前記シリンダ内に配置される圧力室と、
前記シリンダ内に配置され前記圧力室と前記作動油の流
通が可能なリザーバ室と、前記圧力室に対して出入可能
なロッドと、前記ロッドを前記シリンダ外に出すように
前記ロッドを付勢するスプリングと、前記ロッドが前記
シリンダ外に向けて移動するとき、前記圧力室へ前記作
動油を導入するように所定の移動可能量を有する弁体を
備えるチェックバルブと、前記リザーバ室の作動油を加
圧する加圧機構を備える油圧式オートテンショナにおい
て、前記加圧機構による前記加圧力を0.3MPa以上
に設定すると共に、前記弁体を鋼球で構成しその移動可
能量を0.15mmから0.25mmの範囲内に設定し
たである。
【0009】この構成によれば、加圧機構によって加圧
される作動油の圧力が高いため、小さな弁体の移動量で
低温時の作動油の導入が確保され、ダンピング力が短時
間で得られる。一方、移動可能量の最大値も0.25m
mと比較的に小さな値とすることで、加圧力に抗して5
00Hzに達するベルトの張力の高周波変動に対して、
弁体の追従性を備えることができるようになる。
【0010】また、上記の課題を解決するため、本発明
が講じた第2の技術手段は、作動油を充填したシリンダ
と、前記シリンダ内に配置される圧力室と、前記シリン
ダ内に配置され前記圧力室と前記作動油の流通が可能な
リザーバ室と、前記圧力室に対して出入可能なロッド
と、前記ロッドを前記シリンダ外に出すように前記ロッ
ドを付勢するスプリングと、前記ロッドが前記シリンダ
外に向けて移動するとき、前記圧力室へ前記作動油を導
入するように所定の移動可能量を有する弁体を備えるチ
ェックバルブを有する油圧式オートテンショナにおい
て、前記リザーバ室の圧力を0.3MPa以下に設定す
ると共に、前記弁体を鋼球出構成し、その移動可能量を
0.20mmから0.30mmの範囲内に設定したこと
である。
【0011】このように、鋼球の弁体で移動可能量を
0.20mmから0.30mmの範囲内に設定すれば、
500Hzに到達しない仕様のエンジンに対しては、リ
ザーバ室の圧力が0.3MPa以下でも低温時の作動油
の導入が確保され、その最大振動数に対する追従性も備
えることができるようになる。
【0012】更に、上記の課題を解決するため、本発明
が講じた第3の技術手段は、作動油を充填したシリンダ
と、前記シリンダ内に配置される圧力室と、前記シリン
ダ内に配置され前記圧力室と前記作動油の流通が可能な
リザーバ室と、前記圧力室に対して出入可能なロッド
と、前記ロッドを前記シリンダ外に出すように前記ロッ
ドを付勢するスプリングと、前記ロッドが前記シリンダ
外に向けて移動するとき、前記圧力室へ前記作動油を導
入するように所定の移動可能量を有する弁体を備えるチ
ェックバルブと、前記リザーバ室の作動油を加圧する加
圧機構を備える油圧式オートテンショナにおいて、前記
加圧の加圧力を0.3MPa以上に設定すると共に、前
記弁体を鋼球で構成し、該鋼球を前記作動油の導入を閉
じる方向に押えるバルブスプリングを設け、かつ前記鋼
球の移動可能量を0.20mmから0.40mmの範囲
内に設定したことである。
【0013】この構成のように、弁体を押えるバルブス
プリングを配置することによって、鋼球の弁体を高速に
移動できるようにし、弁体が閉じるときの遅れ、いわゆ
るシート遅れを解消している。その上で移動可能量の最
小値を0.20mmと大きく設定して低温時に作動油が
導入され易いようにして低温始動性を確保する。この結
果、500Hzの高周波振動に対する追従性と低温始動
性を備えることができるようになる。
【0014】更に、上記の課題を解決するため、本発明
が講じた第4の技術手段は、作動油を充填したシリンダ
と、前記シリンダ内に配置される圧力室と、前記シリン
ダ外より前記圧力室に前記作動油を供給する油圧供給源
と、前記圧力室に出入可能なロッドと、前記ロッドを前
記シリンダ外に移動させるように前記ロッドに弾性力を
付与するスプリングと、前記ロッドが前記シリンダ外に
向けて移動するとき、前記圧力室へ前記作動油を導入す
るように所定の移動可能量を有する弁体を備えるチェッ
クバルブを有する油圧式オートテンショナにおいて、前
記弁体を鋼球で構成し、前記鋼球の移動可能量を0.2
0mmから0.30mmの範囲内に設定したことことで
ある。
【0015】この構成によれば、シリンダ外から作動油
の供給を受け、主にチェーンを用いる伝動装置のための
油圧式オートテンショナに対して用いられ、供給圧力を
高く制御でき、大きな弁体の移動量に対して対応が可能
となる。そして、低温時の作動油の導入が確保され、そ
の上500Hzに達するチェーンの張力の高周波変動に
対する追従性も備えることができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
1乃至図4に基づいて説明する。
【0017】以下に、本発明に関わる鋼球の弁体を備え
るチェックバルブを有する油圧式オートテンショナにつ
いて、種々の仕様のエンジンに対して、そのベルトまた
はチェーンに発生する張力の高周波変動に対応を可能
に、しかも低温時の始動性を確保できるようにし、耐久
性と信頼性に優れる油圧式オートテンショナの構成と作
動を順次述べる。
【0018】先ず図2に、本発明に関わる第1の実施例
として、油圧式オートテンショナ10を示す。この油圧
式オートテンショナ10は後述する加圧機構7を備えて
いる。
【0019】図1に示されるように、油圧式オートテン
ショナ10はエンジン(図示せず)のクランク軸(図示
せず)の動力をカム軸(図示せず)に伝達するための動
力伝達部材であるベルト9に常時適正な張力を与えるた
めに用いられる。ベルト9の外周が係合するプーリー8
がアーム5に回転自在に取付けられ、アーム5は枢軸5
aでエンジン(図示せず)側に揺動自在に取付けられて
いる。また油圧式オートテンショナ10は取付け穴10
aでボルト(図示せず)などの手段でエンジン(図示せ
ず)側に固定される。油圧式オートテンショナ10は、
油圧式オートテンショナ10から伸縮できるロッド2を
備え、アーム5と当接してアーム5を揺動させることで
ベルト9の張力を調節可能としている。
【0020】図2に示されるように、油圧式オートテン
ショナ10はシリンダ3を備え、その内部には軸上に連
なってシリンダ室31と加圧シリンダ室32が形成され
ている。シリンダ室31の径は加圧シリンダ室32の径
より大きく各シリンダ室31、32の連結に肩部31a
が形成されている。
【0021】シリンダ室31内には肩部31aに当接す
るように、油圧ブロック4が配置されている。油圧ブロ
ック4はシリンダ室31の内径と所定の径方向の間隔を
持つように、シリンダ室31の軸に沿って延びるスリー
ブ42を有している。スリーブ42はその中心軸上に沿
って延びる円筒形状のブロック内径部45を有してい
る。ブロック内径部45はシリンダ室31と同じ方向で
一方側が開放され、反対側には後述するチェックバルブ
6が取付けられている。
【0022】図2に示されるように、ブロック内径部4
5には円柱形状のロッド2の一方端部が出入可能に挿入
され、ロッド2の端部とブロック内径部45とで圧力室
40を形成している。ブロック内径部45に対するロッ
ド2の摺動部には、所定の間隙41が生じるように各径
が決められている。ロッド2の他方の端部は、シリンダ
室31との間に設置されたロッドガイド46とシール3
6を貫通してシリンダ室31の外側に延びている。また
シリンダ室31内にあって、ロッド2の概略中間部分に
は環状の保持板21が止め輪22で支持されて取付けら
れている。そして油圧ブロック4とシリンダ室31間の
隙間内にスリーブ42の外径を取り巻くようにスプリン
グ51が配置され、スリーブ42保持板21と油圧ブロ
ック4に支持されている。スプリング51はロッド2に
対して、シリンダ室31の外に押し出すように作用力を
付与する。
【0023】図3に拡大して示されるように、チェック
バルブ6はその内部に鋼球の弁体61を備え、弁体61
を挟むように一方側にリテーナ62と反対側に弁座63
が配置される構成となっている。そしてチェックバルブ
6はブロック内径部45に固定して取付けられている。
リテーナ62には一部に作動油の通路となる穴62a
が、また弁座63には弁体61が嵌って開閉可能となる
油路穴63aが設けられている。また弁座63と弁体6
1が当接しているとき、リテーナ62と弁体61は互い
に間隔aを持つ構成となっている。したがって弁体61
が図3において右側方向に移動すると油路穴63aが開
放され、作動油が油路穴63aから穴62aを通してブ
ロック内径部45の圧力室と導入されるようになってい
る。弁体61は最大でリテーナ62側と当接するまでの
間隔aの距離移動することができる。また、弁体61が
図3において左側方向に移動し油路穴63aを塞ぐとき
はブロック内径部45からの流出を阻止するように作用
する。
【0024】図2に示されるように、加圧シリンダ室3
2内には、加圧機構7が備えられている。加圧機構7
は、加圧シリンダ室32内を摺動するフリーピストン7
2を備えている。フリーピストン72にはシール71が
取付けられ、加圧シリンダ室32を油室70側と空気室
39側に分割している。加圧シリンダ室32のシリンダ
室31側とは反対側端部にはキャップ38が固定して嵌
め込まれている。そして、キャップ38とフリーピスト
ン72の間にはフリーピストン72を油室70側に押し
付ける加圧スプリング52が取付けられている。これよ
って、作動油は0.3MPa以上の圧力で加圧される構
成となっている。
【0025】上記のように構成される油圧ベルトテンシ
ョナ10では、油圧ブロック4の外側、と油室70は座
部43の一部を切欠形成された通路43aによって作動
油が連通されていて、リザーバ室30を形成している。
そして、上記したように加圧機構7によってリザーバ室
30には圧力が与えられるようになっている。以上の説
明で明らかなように、この油圧ベルトテンショナ10で
は作動油がリザーバ室30と圧力室40に充填されてい
るだけで、油圧ベルトテンショナ10の外部から作動油
の供給を受けない、いわゆる密封型となっている。
【0026】この構成で、圧力室40がリザーバ室30
の圧力より低くなったとき、チェックバルブ6の弁体6
1は弁座63から離れ油路穴63aを開放し、リザーバ
室30に作動油を導入する。また圧力室40がリザーバ
室30の圧力より高くなると、弁体61が弁座63に当
接し、圧力室40内の作動油は隙間41を通してリザー
バ室30に排出される構成となっている。
【0027】図1に示されるように、アーム5を介して
ロッド2にベルト9からの変動荷重が加わるとロッド2
はスプリング51の抗力とのバランスで、圧力室40を
膨張又は圧縮するように作用し、上記のように作動油の
移動を発生させる。この作動油の移動にともなって、油
圧ベルトテンショナ10はダンピング力を発生し、ベル
ト9の振動を抑えるように作動する構成となっている。
【0028】次に、以上のように構成された油圧ベルト
テンショナ10を装着しているエンジンが高回転数で運
転しているとき、ベルト9の張力の変動による振動を吸
収する高周波数ダンピング特性と、エンジンの低温始動
性について説明する。
【0029】図4は油圧ベルトテンショナ10を所定の
条件のもとでテストし得られた、高周波数ダンピング特
性および低温始動性と弁体移動可能量との関係をグラフ
で示している。弁体移動可能量は、図3に示す弁体61
がリテーナ62側と当接するまでの間隔aである。低温
始動性とはエンジンが使用される環境での最低温度を想
定し、エンジン始動後いかに短時間でダンピング力を発
生できるかを示す指標であって、小さいほど良い。一
方、高周波数ダンピング特性は、適応されるエンジンの
概略最高回転数において所定のダンピング力を発生する
かを見る指標となっている。高周波数のベルトの張力変
動に対して弁体61が追従できて、ダンピング力が減少
したり不安定にならないことが必用で、図4の上側の領
域程良い。
【0030】図4は、加圧機構7と鋼球の弁体61を備
えて、500Hzに達する周波数で変動するベルト張力
に適用できるようにした油圧ベルトテンショナ10にお
けるテスト結果を示している。この結果から、弁体61
の移動可能量を0.15mmから0.25mmの領域内
に設定することによって、高周波数ダンピング特性と低
温始動性の両方を使用可能な領域で実現できることが分
かる。この弁体61の移動可能量の0.15mmから
0.25mmの範囲は、精度的に十分生産可能範囲であ
る。このように、弁体61を靭性が優れる鋼製とするた
めに、破砕などの突然故障することは避けられ、耐久性
と信頼性に優れる油圧ベルトテンショナが実現できる。
【0031】上記の第1実施例の構成の油圧ベルトテン
ショナのみならず、鋼球の弁体を備えるチェックバルブ
を有する異なる構造の油圧ベルトテンショナについても
弁体61の移動可能量の研究を実施した。
【0032】図5には、本発明に関わる第2の実施例を
示す。この油圧式オートテンショナ110は、ベルト張
力の変動周波数が500Hzに達しないエンジンに適応
可能され、かつリザーバ室の加圧力が0.3MPaに達
しない簡易的な油圧式オートテンショナである。ベルト
張力の変動周波数が500Hzに達しない場合は、実施
例1の場合より弁体161の追従性への要求が緩和され
るために移動可能量bを0.20mmから0.30mm
の範囲で設定することができる。また、弁体161の移
動可能量bを大きく設定できることによって、低温始動
性が有利になる。そして、図5に示すように単にダイヤ
フラム171を用いた簡易的な密封型の構成にすること
ができるようになる。
【0033】次に本発明に関わる第3の実施例について
説明する。第3の実施例の油圧式オートテンショナは、
第1の実施例の油圧式オートテンショナ10に対して図
6に示すチェックバルブの構成のみ異なり、他の部分は
同様のものである。具体的にはチェックバルブ206の
リテーナ262と弁体261間にバルブスプリング26
4が追加された構成となっている。バルブスプリング2
64は弁体261を常時弁座263の油路穴263aを
塞ぐように押し付ける構成となっている。バルブスプリ
ング264の追加によって、弁体261の高周波数での
変動荷重への追従性が改善される。これによって、ベル
ト張力の変動周波数が500Hzに達するエンジンに対
して適用され、しかも移動可能量cを0.20mmから
0.40mmと大きい範囲で設定することができる。こ
のために、チェックバルブの精度を上げないで製造でき
る利点がある。
【0034】図7には本発明に関わる第4の実施例を示
す。この油圧テンショナー310は上記第1から第3の
実施例の作動油が油圧テンショナー内に密封される型と
異なり、エンジンによって駆動する油圧供給源(図示せ
ず)から油路344を経由して作動油の供給を受けて作
動する。油圧テンショナー310の構成は既知のもので
ロッド302がスプリング351の作用力で押し出され
るときに、作動油はチェックバルブ360から圧力室3
40へと導入される。また、ロッド302がスプリング
351の作用力に抗して圧力室340内に引き込まれる
とき、作動油はシリンダ内径部331とロッド302の
外径部との隙間341を通り、エンジンの油圧回路30
0へと戻される構成となっている。このような非密封型
の油圧テンショナー310では、低温始動時は油圧ポン
プ(図示せず)からの油圧供給が少ないために、上記第
2実施例と同様の加圧機構を持たない油圧テンショナー
と同様に鋼球の弁体361の移動可能量dを0.20m
mと大きく設定する必要がある。一方、エンジンが高速
回転時になると油圧供給源(図示せず)から高圧の油圧
が供給されるために、ベルト張力の変動周波数が500
Hzに達するエンジンに対して弁体361移動可能量d
を0.3mmまで大きくしても追従性が確保できる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、鋼球
の弁体を備えても、所定のダンピング特性を維持できる
ようにして、また低温始動性を確保できる。その上で、
耐久性と信頼性に優れるオートテンショナを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る油圧オートテンショナの装着状
態を示す側面図
【図2】この発明に係る第1の実施例の油圧オートテン
ショナを示す断面図
【図3】この発明に係る第1の実施例の油圧オートテン
ショナにおいて、そのチェックバルブ部分を拡大して示
す断面図
【図4】この発明に係る油圧オートテンショナの高周波
数ダンピング特性、低温始動性と弁体移動可能量との関
係を示すグラフである。
【図5】この発明に係る油圧オートテンショナの第2実
施例の構成を示す断面図である。
【図6】この発明に係る油圧オートテンショナの第3実
施例でのチェックバルブの構成を示す断面図である。
【図7】この発明に係る油圧オートテンショナの第4実
施例の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
2、302 ロッド 6、106、206、306 チェックバルブ 7 加圧機構 30 シリンダ 40、340 圧力室 51、351 スプリング 61、161、261、361 弁体 264 バルブスプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動油を充填したシリンダと、 前記シリンダ内に配置される圧力室と、 前記シリンダ内に配置され前記圧力室と前記作動油の流
    通が可能なリザーバ室と、 前記圧力室に対して出入可能なロッドと、 前記ロッドを前記シリンダ外に出すように前記ロッドを
    付勢するスプリングと、 前記ロッドが前記シリンダ外に向けて移動するとき、前
    記圧力室へ前記作動油を導入するように所定の移動可能
    量を有する弁体を備えるチェックバルブと、 前記リザーバ室の作動油を加圧する加圧機構を備える油
    圧式オートテンショナにおいて、 前記加圧機構による前記加圧力を0.3MPa以上に設
    定すると共に、前記弁体を鋼球で構成しその移動可能量
    を0.15mmから0.25mmの範囲内に設定したこ
    とを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  2. 【請求項2】 作動油を充填したシリンダと、 前記シリンダ内に配置される圧力室と、 前記シリンダ内に配置され前記圧力室と前記作動油の流
    通が可能なリザーバ室と、 前記圧力室に対して出入可能なロッドと、 前記ロッドを前記シリンダ外に出すように前記ロッドを
    付勢するスプリングと、 前記ロッドが前記シリンダ外に向けて移動するとき、前
    記圧力室へ前記作動油を導入するように所定の移動可能
    量を有する弁体を備えるチェックバルブを有する油圧式
    オートテンショナにおいて、 前記リザーバ室の圧力を0.3MPa以下に設定すると
    共に、前記弁体を鋼球出構成し、その移動可能量を0.
    20mmから0.30mmの範囲内に設定したことを特
    徴とする油圧式オートテンショナ。
  3. 【請求項3】 作動油を充填したシリンダと、 前記シリンダ内に配置される圧力室と、 前記シリンダ内に配置され前記圧力室と前記作動油の流
    通が可能なリザーバ室と、 前記圧力室に対して出入可能なロッドと、 前記ロッドを前記シリンダ外に出すように前記ロッドを
    付勢するスプリングと、 前記ロッドが前記シリンダ外に向けて移動するとき、前
    記圧力室へ前記作動油を導入するように所定の移動可能
    量を有する弁体を備えるチェックバルブと、 前記リザーバ室の作動油を加圧する加圧機構を備える油
    圧式オートテンショナにおいて、 前記加圧の加圧力を0.3MPa以上に設定すると共
    に、前記弁体を鋼球で構成し、該鋼球を前記作動油の導
    入を閉じる方向に押えるバルブスプリングを設け、かつ
    前記鋼球の移動可能量を0.20mmから0.40mm
    の範囲内に設定したことを特徴とする油圧式オートテン
    ショナ。
  4. 【請求項4】 作動油を充填したシリンダと、 前記シリンダ内に配置される圧力室と、 前記シリンダ外より前記圧力室に前記作動油を供給する
    油圧供給源と、 前記圧力室に出入可能なロッドと、 前記ロッドを前記シリンダ外に移動させるように前記ロ
    ッドに弾性力を付与するスプリングと、 前記ロッドが前記シリンダ外に向けて移動するとき、前
    記圧力室へ前記作動油を導入するように所定の移動可能
    量を有する弁体を備えるチェックバルブを有する油圧式
    オートテンショナにおいて、 前記弁体を鋼球で構成し、前記鋼球の移動可能量を0.
    20mmから0.30mmの範囲内に設定したことを特
    徴とする油圧式オートテンショナ。
JP2002082522A 2002-03-25 2002-03-25 油圧式オートテンショナ Pending JP2003278857A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002082522A JP2003278857A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 油圧式オートテンショナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002082522A JP2003278857A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 油圧式オートテンショナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003278857A true JP2003278857A (ja) 2003-10-02

Family

ID=29230678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002082522A Pending JP2003278857A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 油圧式オートテンショナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003278857A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006017214A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Ntn Corp 2輪車エンジン用チェーンテンショナ
JP2006090440A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Ntn Corp チェーンテンショナ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006017214A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Ntn Corp 2輪車エンジン用チェーンテンショナ
US7775923B2 (en) * 2004-07-01 2010-08-17 Ntn Corporation Chain tensioner for two-wheeled vehicle engine
JP2006090440A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Ntn Corp チェーンテンショナ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5993342A (en) Hydraulic tensioner with force limiting tensioner spring
US5707309A (en) Hydraulic tensioner with modular inlet check valve with pressure relief
EP0908646B1 (en) Hydraulic chain tensioner with a deep drawn bore cup
JP4136302B2 (ja) チェーンテンショナ
CN108431455B (zh) 用于链传动装置的液压的张紧设备
WO2020032094A1 (ja) チェーンテンショナ
US5273494A (en) Automatic tensioner for a timing belt
WO2020189403A1 (ja) チェーンテンショナ
WO2019049936A1 (ja) 補機ベルト用テンショナユニット
US10006535B2 (en) Driving force transmission system for engine
JP2003278857A (ja) 油圧式オートテンショナ
JP5574229B2 (ja) ベルト伝動装置
JPH0272252A (ja) 揺動型チェックボール式オートテンショナ
JP6263409B2 (ja) 油圧式オートテンショナ
JP2006312969A (ja) 油圧式オートテンショナ
JP2001032897A (ja) 油圧式オートテンショナおよびベルト伝動装置
JP2010112426A (ja) 油圧式オートテンショナおよびベルト伝動装置
JP5311226B2 (ja) オートテンショナ
KR100411800B1 (ko) 내연기관의 타이밍벨트 오토텐셔너
JP7100467B2 (ja) チェーンテンショナ
WO2007092708A1 (en) Pump using torsional energy from a rotating or non-rotating shaft
JP2001227603A (ja) 油圧式オートテンショナ
WO2022191195A1 (ja) チェーンテンショナ
JP2007127249A (ja) 油圧式オートテンショナ
JP2007239818A (ja) 補機駆動用ベルトの張力調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050216

A977 Report on retrieval

Effective date: 20080130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20080205

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080610

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02