JP2003278129A - 緑化可能な侵食防止パネルとその敷設法 - Google Patents

緑化可能な侵食防止パネルとその敷設法

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JP2003278129A
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Atsushi Hattori
敦 服部
Nobutaka Miura
信隆 三浦
Kishio Hokan
貴志郎 法貫
Takayuki Masuo
孝之 桝尾
Takanobu Sugiyama
孝信 杉山
Kosuke Miyazaki
興介 宮崎
Kiyokazu Nakai
清和 中井
Tomohisa Yamanaka
智央 山中
Takahiro Kuramoto
隆宏 倉本
Takashi Nishida
孝 西田
Toshio Okamoto
敏雄 岡本
Masashi Minamimoto
政司 南本
Hidefumi Maeda
英史 前田
Yukichi Fukuda
諭吉 福田
Hirobumi Tanaka
博文 田中
Minoru Suzuki
実 鈴木
Atsushi Nishimura
淳 西村
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直也 三荒
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正彦 河野
Keizo Tsujimoto
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Tadayuki Sakobe
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Asahi Kasei Corp
Tanaka Ltd
Mitsubishi Plastics Inc
Unitika Fibers Ltd
National Institute for Land and Infrastructure Management
Taiyo Kogyo Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
Mitsui Chemicals Industrial Products Ltd
Maeda Kosen Co Ltd
National Research and Development Agency Public Works Research Institute
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Minister for Public Works for State of New South Wales
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質構造体内に充填する土砂、および覆土
さらに張り芝を含めて一体パネル化して、法面を美観上
良好な構成とするとともに、流水によるパネル体からの
植物の流失の危険がなく、法面への敷設工程の効率化に
より、コスト低減をはかることができる緑化可能な侵食
防止パネルとその敷設体を提供する。 【解決手段】 底壁10と側壁11とからなる全体が網
状の箱体9と、合成樹脂の糸状材13やテープ状材、ネ
ット状材あるいはこれらの複合材で構成された多孔質構
造体であって、前記箱体9内に挿入されて前記底壁の上
面を覆う侵食防止シート12と、前記侵食防止シート内
に充填された土壌と、前記侵食防止シートの上に配した
覆土14と、前記侵食防止シートの全面に亙って植栽さ
れた芝などの植物15とから構成したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緑化可能な侵食防
止パネルに係り、詳しくは、河川の岸や法面の護岸と美
観向上に用いられ、内部に土壌を充填して植物の育成を
はかるとともに、河川の流水による前記土壌の流失を防
ぐ機能を備えた侵食防止パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川などの堤防において、頂上面
から下方に傾斜する面からなる法面を、河川の増水時な
どの流水による侵食から守り、自然の植物による緑化で
美観の向上を可能とした侵食防止シート・マットが提案
されている。
【0003】この緑化可能な侵食防止シート・マット
は、特許第2963987号公報に示されているごと
く、糸状材などの積層体で形成した多孔質構造体からな
る侵食防止シート・マットを堤防の法面などへ敷設する
ことにより、張り芝などの植物の根がシート・マットの
空隙に入り込み、また糸状材と植物の根が絡まり合い、
さらに植物の根が多孔質構造体の下面から法面の地中に
侵入することで地面と連結するようにしたものである。
【0004】これにより、流水による植物の流失を防止
して繁茂させるとともに、流水によるシート・マットの
めくれ上がりを防止する機能を有し、またシート・マッ
トにより流水の地表面上を流れる流速を低下させて土砂
を移動させる力、いわゆる掃流力を小さくし、シート・
マット内およびその下の土砂の移動を抑制することによ
って、土砂が流水にさらされて流失することを防止する
掃流力低減機能を有することで法面を保護する効果的な
ものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
侵食防止シートを使用した地面保護工法は、施工時にお
いて、法面を成形した後に、侵食防止シートを法面上に
敷設する工程、シート内に土砂を吐出して充填する工
程、さらにシート上に覆土する工程、そして張り芝とい
う4工程が必要であり、施工作業が煩雑となることから
効率の向上とともにコストの低減が望まれていた。
【0006】上記課題に対応する構成として、侵食防止
シート、土砂、および張り芝を一体化するためには、多
孔質構造体は植物の根が入り込んで根を張るだけの空隙
を必要とすることから、土砂を多孔質構造体から脱落し
ないように所定形状に保持する必要があるとともに、且
つ一体成型品を運搬移動して、さらに法面上に設置が容
易な構造とすることがさらなる課題となっていた。
【0007】本発明はこの点に着目してなされたもの
で、侵食防止シートを多孔質構造体内に充填する土砂、
および覆土、さらに張り芝を含めて一体パネル化し、法
面を美観上良好な構成とするとともに、パネル体からの
植物の流失の危険がなく、法面への敷設工程の効率化に
より、コスト低減をはかることができる緑化可能な侵食
防止パネルとその敷設体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、緑化可能な侵食防止パネル
を、少なくとも底壁と側壁とからなる全体が網状の箱体
と、合成樹脂の糸状材、テープ状材、ネット状材あるい
はこれらの複合材で構成された多孔質構造体であって、
前記箱体内に挿入されて前記底壁の上面を覆う侵食防止
シートと、前記侵食防止シート内に充填された土壌と、
前記侵食防止シートの上に配した覆土と、前記侵食防止
シートの全面に亙って植栽された芝などの植物とからな
ることを特徴とするものである。
【0009】この構成により、従来のように堤防施工
時、法面を成形した後に、侵食防止シートの法面上への
敷設、シート内への土砂の充填、シート上への覆土、そ
して張り芝という4工程を堤防現場でおこなう必要がな
く、内部の空隙部に土砂が充填された多孔質の侵食防止
シート、その上層の覆土、さらに植生された植物を、網
状の箱体内に一体化した侵食防止パネルであることか
ら、土砂の脱落を防いで所定形状に保持でき、且つ運搬
移動や法面上への設置作業も容易であり、法面成形後の
施工は、この侵食防止パネルを法面上に敷設し、相互に
固定するだけの作業でよいため、作業効率は大幅に向上
し、コスト低減できるものである。
【0010】また、一体化した所定形状の侵食防止パネ
ルであることから、施工の際の破損が少なく耐久性に優
れているとともに、撤去作業も容易であり、侵食防止シ
ート内の空隙部への土砂の充填作業も法面とは別の場所
でできるため容易となり、パネル上への植物の張り付け
や播種作業、またあらかじめ植物を植栽して育成してお
くこともでき、植栽した植物の根も侵食防止シートの空
隙部に充填した土砂の間を通って法面内に達しやすくで
きるものである。
【0011】請求項2記載の発明は、網状の箱体を金網
や樹脂あるいは繊維材料を樹脂でコーティングしたもの
で形成したことを特徴とするものであり、長期に亙る箱
体の耐久力や、土壌保持やある程度の重量下においての
形状を保持する強度を得ることができる。
【0012】請求項3の発明は、網状の箱体は、侵食防
止シートと、この侵食防止シート内に充填された土壌
と、覆土、および植栽された植物をその内部に入れた状
態で持ち運びが可能な剛性を有するようにしたものであ
り、個々の侵食防止パネルの製造時の移動や運搬、法面
への敷設作業を容易におこなうことができる。
【0013】請求項4の発明は、あらかじめ所定の形状
および厚みに成形した侵食防止シートを、網状の箱体内
に収納配設したことを特徴としたものであり、侵食防止
パネルの製造工程を標準化でき、組立場所についても柔
軟なものとすることができる。
【0014】請求項5記載の発明は、網状の箱体内に、
溶融した糸状材からなる絡合体を直接注入して多孔質の
侵食防止シートを形成し、侵食防止シートを前記箱体に
接着したことを特徴としており、この構成により、別工
程で侵食防止シートを成形せずともよく、侵食防止パネ
ルの製造工程の簡略化をはかることができ、安価な構成
が得られる。
【0015】請求項6記載の発明は、網状の箱体の多数
を縦横に隣接させて堤防の法面などに平面状に敷設し
て、前記箱体の隣接する側壁間を連結具で係合し連結し
たことを特徴とする侵食防止パネルの敷設体であり、堤
防の法面に多数敷設した侵食防止パネルを、連結具の相
互の挟着により、法面上に強固に保持固定した敷設体を
得ることができる。
【0016】請求項7記載の発明は、連結具を、断面ほ
ぼコ字状をなしてその端部を外方に広げて箱体側壁への
挿入ガイド部とし、箱体の隣接する側壁長さとほぼ同等
の長さを有する形状としたものであり、多数の侵食防止
パネルの敷設作業を簡単な相互の挟着によって容易にお
こなうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の1実
施形態について説明する。図1にその断面構造を示す河
川の堤防(1)は、頂上面である天端(2)からなだら
かに下方傾斜する面からなる法面(3)を有し、法面
(3)の途中に比較的狭い平坦部からなる小段部(4)
を設け、さらに法面(3)の下部に比較的広い平坦部で
ある高水敷(5)を形成し、さらに高水敷(5)の端部
から下方に傾斜する河岸(6)とから構成されている。
【0018】河岸(6)の高さは通常の流水量で流れて
いる場合に、流水(7)が河岸(6)の端を越えないよ
うに設計されている。法面(3)や小段部(4)は、流
水量が一時的に増加する非常増水時に、流水(7)によ
る侵食から堤防(1)を守る機能が求められている。
【0019】前記法面(3)や小段部(4)には、美観
を考慮して、緑化を可能とし侵食を防止するための多数
の侵食防止パネル(8)を全面に亙って敷設している。
この侵食防止パネル(8)は、図2および図3に示すよ
うに、金網や樹脂あるいは繊維材料を樹脂でコーティン
グしたものを、底壁(10)と周囲の側壁(11)から
なる箱状に形成した箱体(9)を設け、この箱体(9)
の底部に合成樹脂からなる糸状材(13)を絡み合わせ
て内部に空隙部を有する構造体としてシート化するとと
もにその内部の空隙部に土砂を充填した侵食防止シート
(12)を配設し、侵食防止シート(12)の上面はさ
らに土(14)で覆い、この土壌面に張り芝などの植物
(15)を植栽したものである。
【0020】前記箱体(9)は図3に示すように、例え
ばステンレスの細い線材を編んだものであり、幅および
奥行き寸法を各50センチメートル程度とするととも
に、高さを7センチメートル程度としている。
【0021】侵食防止シート(12)は、直径が0.1
〜5ミリメートルのポリエステルやポリエチレンなどの
熱可塑性樹脂の糸状材(13)やテープ状材、ネット状
材、あるいはこれらの複合材で構成されており、空隙率
(単位面積当たりの空隙の占める割合)が80%以上の
三次元構造の多孔質構成であり、前記金網製や樹脂製な
どの箱体(9)の底部に載置されるよう幅奥行きとも5
0センチメートルとして、その厚み寸法は3センチメー
トル程度とした平板状に形成している。
【0022】前記糸状材(13)は、直径が0.1ミリ
メートル未満であると曲げ強度などの強度が充分でな
く、5ミリメートルを越えると強度は強くなるが、柔軟
性が低下するとともに空隙率が小さくなるため好ましく
なく、上記範囲でより好ましいのは0.1〜2.0ミリ
メートルである。
【0023】この侵食防止シート(12)は、加熱溶融
した熱可塑性樹脂を糸状材(13)として押出成形機か
ら連続的に吐出し、図示しない成形ローラーで複数本の
糸状材(13)を不規則に絡ませ、任意の部分を接着さ
せて所定の厚みに成形し、冷却溶媒中に導いて冷却固化
するとともに、所定長さに切断することで得られる。
【0024】なお、侵食防止シート(12)を製造する
方法は、上記方法に限定されるものではなく、例えば、
(a)捲縮した糸状材を不規則に絡ませて、絡み点でバ
インダーによって接着する方法、(b)熱可塑性樹脂製
の糸状材を不規則に絡ませて、絡み点を熱融着によって
固定する方法、(c)熱可塑性樹脂製の糸状材、テープ
状材などを編んだ網を空隙率を高めて複数枚重ね、絡み
点で固着する方法、(d)熱可塑性樹脂製の糸状材、テ
ープ状材などを編んだ網の上に、糸状材、テープ状材な
どを配置して固着する方法、(e)上記(a)(b)
(c)(d)で得たものの表面にさらに網状材を配置し
て固着する方法、などが考えられ、侵食防止シート(1
2)はいずれもあらかじめ所定の形状および厚みに成形
しているので、網状の箱体形状と合わせて製造工程を標
準化でき、組立場所についても工場や堤防の施工現場な
どを適宜選択でき、柔軟なものとすることができる。
【0025】上記実施形態においては、侵食防止シート
(12)はあらかじめ所定形状に成型しておき、網状箱
体内に配設する構成を示したが、これに限らず、軟化溶
融状態の糸状材(13)を直接網状の箱体(9)内に吐
出し、空隙部を形成しつつ充填して所定厚みの状態で冷
却固化させ、箱体(9)に接着することで、実質上一体
にパネル化させてもよい。
【0026】このように、金網や樹脂あるいは繊維材料
を樹脂でコーティングしたものなどによる網状の箱体
(9)、侵食防止シート(12)、覆土(14)、植栽
された植物(15)とからなる前記侵食防止パネル
(8)は、基本的には堤防などの施工場所ではなく、あ
らかじめ製造工場で製造されたものである。すなわち、
個々のパネル状態で前記侵食防止シート(12)の空隙
部内に土砂を充填するとともに、その表面に、本発明の
出願人らが特願2000−47706として出願中の土
砂充填用振動加圧装置を載置して振動を与え、さらにそ
の上部に覆土(14)をさらに3センチメートル程度積
層し、これに芝などの植物(15)を植栽あるいは播種
することで侵食防止パネル(8)として一体化したもの
である。なお、侵食防止パネル(8)を上記寸法とした
場合、体積は約0.02立方メートルとなり、植生土嚢
とほぼ同じ容積となるため植物の育成に適当である。こ
の侵食防止パネル(8)は、さらに堤防の法面とは別の
場所で植物を所定期間育成したものを法面(3)に運搬
し敷設するようにしてもよい。
【0027】前述のごとく、工場において多数製造され
た侵食防止パネル(8)は、堤防の法面(3)施工時
に、その多数を相互に縦横に隣接させて、平面状に敷設
し固定されるものである。
【0028】侵食防止パネル(8)は、図2および図4
に示すように、各パネル体(8)(8´)の隣接する側
壁(11)に対して所定の長さを持った断面ほぼコ字状
の連結具(16)を配置し、前記コ字状部で二つのパネ
ルの互いに対向する隣接側壁(11)を挟持することで
保持固定する。
【0029】前記連結具(16)は、コ字状部の端部を
外方に広げて箱体側壁(11)への挿入ガイド部とし、
その長さ寸法を箱体の隣接する側壁長さとほぼ同等の長
さとすることにより、多数のパネル(8)(8´)の隣
接部を挟持する敷設作業を簡単にして、流水に対しても
容易に剥がれることのない強固な敷設体とすることがで
きる。
【0030】図4に示すごとく、傾斜する法面(3)に
対して、縦横に隣接する各パネル(8)(8´)の固定
は、前記連結具(16)を各パネル(8)(8´)のす
べての隣接辺に配置して固定するようにすれば、流水に
対する抵抗がより強くなってパネル(8)のめくれ上が
りがなく、流失を防ぐことができる。
【0031】前記金網製箱体(9)は、堤防に敷設後
は、安全のためにも完全に土中に埋没していなくてはな
らず、パネル(8)全体の厚みより多少薄く形成する必
要がある。
【0032】また、芝などを約一年養生した後、移動し
設置する場合も考えられるため、箱体(9)は数十年間
の耐久性が必要であり、材質としては、土壌保持やある
程度の重量下においての形状保持が必要であり、侵食防
止シート、充填された土壌、覆土、および植栽された植
物を入れた状態で運搬できる剛性が必要であることか
ら、上述のステンレス製のほか、アルミニウム製や樹脂
材料あるいは繊維材料を樹脂コーティングしたものが好
適である。
【0033】さらに、芝などの植物の根は、下と横方向
に生育するため、この根の生育を妨げないよう前記網状
の箱体(9)の目合いは、あまり細かくしないようにす
べきであり、また目合いが大き過ぎると充填されている
土砂の保持が困難となり、吸い出し防止材などの別部品
を内部に敷設しなくてはならなくなるため、2〜4ミリ
メートル程度が適当である。
【0034】上記実施形態においては、網状の箱体を直
方体で形成したが、これに限らず、図5に示すように、
侵食防止パネル(18)(18´)を六角形のハニカム
形状として上記と同様の連結具(16)で連結固定して
もよく、三角形状にしてもよい。要はパネル同士を隙間
なく連結できる構成であればよく、また製造方法はプレ
ス成形でおこなうことが可能である。
【0035】上記のように堤防の法面(3)上に敷設さ
れた侵食防止パネル(8)とその敷設体は、図1および
図2に示すように、植物(15)の育成により、法面
(3)上で繁茂して堤防を緑化させ、美観を向上すると
ともに、その根がパネルの侵食防止シート(12)にお
ける糸状材(13)やテープ状材などの空隙に容易に入
り込み、さらに網状の箱体(9)の目から法面(3)の
土中に侵入し、根を張り巡らせることによって法面を保
護強化し、流水によってもめくれ上がることのないもの
であり、また、侵食防止パネルを張り替える目的で撤去
する場合も比較的容易に取り外すことができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明請求項1の
侵食防止パネルによれば、従来のように堤防施工時、法
面を成形した後に、侵食防止シートの法面上への敷設、
シート内への土砂の充填、シート上への覆土、そして張
り芝という4工程を堤防現場でおこなう必要がなく、内
部の空隙部に土砂が充填された侵食防止シート、その上
層の覆土、さらに植栽された植物とを網状の箱体内に一
体化した所定形状の侵食防止パネルであることから、土
砂の脱落を防いで所定形状に保持でき、且つ運搬移動や
法面上への設置作業も容易であり、法面成形後の施工
は、この侵食防止パネルを法面上に敷設し、相互に固定
するだけの作業でよいため、作業効率は大幅に向上し、
コストを低減できるものである。
【0037】また、侵食防止パネルは、侵食防止シー
ト、その上層の覆土、植栽された植物を網状の箱体内に
一体化した所定形状のものであることから、施工の際の
破損が少なく耐久性に優れているとともに、撤去作業も
容易であり、侵食防止シート内の空隙部への土砂の充填
作業も法面とは別の場所でできるため容易となり、パネ
ル上への植物の張り付けや播種作業、さらにはあらかじ
め植物を植栽して育成しておくこともでき、植栽した植
物の根も侵食防止シートの空隙部に充填した土砂の間を
通って法面内に達しやすくできるものであり、流水にさ
らされても容易に剥がれることがなく、堤防の緑化と保
護に好適な構成を提供できるものである。
【0038】また、請求項2のように、網状の箱体を金
網や樹脂あるいは繊維材料を樹脂でコーティングしたも
のとすることにより、長期に亙る箱体の耐久力や、土壌
保持やある程度の重量下においての形状を保持する強度
を得ることができ、請求項3の発明によれば、個々の侵
食防止パネルの製造時の移動や運搬、法面への敷設作業
を容易におこなうことができる。
【0039】請求項4の発明によれば、侵食防止パネル
の製造工程を標準化でき、組立場所についても柔軟なも
のとすることができる。
【0040】請求項5の発明によれば、別工程で侵食防
止シートを成形せずともよく、侵食防止パネルの製造工
程の簡略化をはかることができ、安価な構成が得られ
る。
【0041】請求項6の発明によれば、堤防の法面に多
数敷設した侵食防止パネルを、連結具で相互に挟着する
ことができ、法面上に強固に保持固定した敷設法を得る
ことができる。
【0042】請求項7の発明によれば、多数の侵食防止
パネルの敷設作業を、連結具の簡単な相互の挟着によっ
て容易におこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示す河川における堤防の
断面図である。
【図2】本発明における侵食防止パネルの内部構成を示
す断面図である。
【図3】本発明における網状の箱体および侵食防止シー
トの構成を示す斜視図である。
【図4】
【図1】の堤防法面における侵食防止パネルの敷設状態
を示す平面図である。
【図5】本発明の侵食防止パネルの他の実施形態を示す
平面図である。
【符号の説明】
1 堤防 3 法面 8 侵食防止パネル 9 網状の箱体 12 侵食防止シート 13 糸状材 14 覆土 15 植物 16 連結具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390039114 株式会社田中 大阪府泉大津市宮町12番23号 (71)出願人 000003160 東洋紡績株式会社 大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号 (71)出願人 000201490 前田工繊株式会社 福井県坂井郡春江町沖布目第38号3番地 (71)出願人 000175021 三井化学産資株式会社 東京都文京区湯島3丁目39番10号 (71)出願人 000236159 三菱化学産資株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 (71)出願人 000006172 三菱樹脂株式会社 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 (71)出願人 399065497 ユニチカファイバー株式会社 大阪府大阪市中央区備後町四丁目1番3号 (71)出願人 501198039 国土交通省国土技術政策総合研究所長 茨城県つくば市大字旭1番地 (72)発明者 藤田 光一 三重県津市広明町297 国土交通省中部地 方整備局三重工事事務所 (72)発明者 服部 敦 茨城県つくば市大字旭1番地 国土交通省 国土技術政策総合研究所内 (72)発明者 三浦 信隆 茨城県猿島郡境町大字染谷106 旭化成株 式会社内 (72)発明者 法貫 貴志郎 東京都目黒区東山三丁目22番1号 太陽工 業株式会社内 (72)発明者 桝尾 孝之 東京都目黒区東山三丁目22番1号 太陽工 業株式会社内 (72)発明者 杉山 孝信 東京都目黒区東山三丁目22番1号 太陽工 業株式会社内 (72)発明者 宮崎 興介 大阪府泉大津市宮町12番23号 株式会社田 中内 (72)発明者 中井 清和 大阪府泉大津市宮町12番23号 株式会社田 中内 (72)発明者 山中 智央 大阪府泉大津市宮町12番23号 株式会社田 中内 (72)発明者 倉本 隆宏 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 西田 孝 東京都中央区日本橋小網町17番9号 (72)発明者 岡本 敏雄 福井県坂井郡春江町沖布目38号3番地 前 田工繊株式会社内 (72)発明者 南本 政司 福井県坂井郡春江町沖布目38号3番地 前 田工繊株式会社内 (72)発明者 前田 英史 福井県坂井郡春江町沖布目38号3番地 前 田工繊株式会社内 (72)発明者 福田 諭吉 埼玉県久喜市河原井町9番地 三井化学産 資株式会社研究所内 (72)発明者 田中 博文 埼玉県久喜市河原井町9番地 三井化学産 資株式会社研究所内 (72)発明者 鈴木 実 埼玉県久喜市河原井町9番地 三井化学産 資株式会社研究所内 (72)発明者 西村 淳 東京都文京区湯島三丁目39番10号 三井化 学産資株式会社内 (72)発明者 新谷 秀人 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 三 菱化学産資株式会社内 (72)発明者 小菅 理宏 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 三 菱樹脂株式会社内 (72)発明者 三荒 直也 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内 (72)発明者 河野 正彦 滋賀県長浜市三ツ矢町5番8号 三菱樹脂 株式会社長浜工場内 (72)発明者 辻本 啓三 大阪市中央区備後町四丁目1番3号 ユニ チカファイバー株式会社内 (72)発明者 石田 善一 大阪市中央区備後町四丁目1番3号 ユニ チカファイバー株式会社内 (72)発明者 迫部 唯行 大阪市中央区備後町四丁目1番3号 ユニ チカファイバー株式会社内 Fターム(参考) 2D018 DA06 2D044 DA16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも底壁と側壁とからなる全体が
    網状の箱体と、合成樹脂の糸状材、テープ状材、ネット
    状材あるいはこれらの複合材で構成された多孔質構造体
    であって、前記箱体内に挿入されて前記底壁の上面を覆
    う侵食防止シートと、前記侵食防止シート内に充填され
    た土壌と、前記侵食防止シートの上に配した覆土と、前
    記侵食防止シートの全面に亙って植栽された芝などの植
    物とからなることを特徴とする緑化可能な侵食防止パネ
    ル。
  2. 【請求項2】 網状の箱体を金網や樹脂あるいは繊維材
    料を樹脂でコーティングしたもので形成したことを特徴
    とする請求項1記載の緑化可能な侵食防止パネル。
  3. 【請求項3】 網状の箱体は、侵食防止シートと、この
    侵食防止シート内に充填された土壌と、覆土、および植
    栽された植物をその内部に入れた状態で持ち運びが可能
    な剛性を有することを特徴とする請求項1または2記載
    の緑化可能な侵食防止パネル。
  4. 【請求項4】 あらかじめ所定の形状および厚みに成形
    した侵食防止シートを、網状の箱体内に収納配設したこ
    とを特徴とする請求項1記載の緑化可能な侵食防止パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 網状の箱体内に、溶融した糸状材からな
    る絡合体を直接注入して多孔質の侵食防止シートを形成
    し、侵食防止シートを前記箱体に接着したことを特徴と
    する請求項1記載の緑化可能な侵食防止パネル。
  6. 【請求項6】 網状の箱体の多数を縦横に隣接させて堤
    防の法面などに平面状に敷設してなり、前記箱体の隣接
    する側壁間を連結具で係合し連結したことを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の緑化可能な侵食防止
    パネルの敷設法。
  7. 【請求項7】 連結具は、断面ほぼコ字状をなしてその
    端部を外方に広げて箱体側壁への挿入ガイド部とし、箱
    体の隣接する側壁長さとほぼ同等の長さを有することを
    特徴とする請求項6記載の緑化可能な侵食防止パネルの
    敷設法。
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