JP2003277830A - 板幅方向に均一な磁気特性を有する方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

板幅方向に均一な磁気特性を有する方向性電磁鋼板の製造方法

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JP2003277830A
JP2003277830A JP2002088034A JP2002088034A JP2003277830A JP 2003277830 A JP2003277830 A JP 2003277830A JP 2002088034 A JP2002088034 A JP 2002088034A JP 2002088034 A JP2002088034 A JP 2002088034A JP 2003277830 A JP2003277830 A JP 2003277830A
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浩一 平嶋
Takashi Suzuki
隆史 鈴木
Toshiro Fujiyama
寿郎 藤山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅方向端部のインヒビターの粗大化による二
次再結晶不良を、特別な装置を用いることなく工業的に
安定した手段で解決するための製造方法について提案す
る。 【解決手段】 方向性珪素鋼スラブを、熱間圧延により
熱延板とし、次いで熱延板焼鈍後、中間焼鈍を挟む2回
以上の冷間圧延にて最終板厚としたのち、湿水素中で脱
炭焼鈍を施してからMgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗
布し、仕上げ焼鈍を行って方向性電磁鋼板を製造するに
当り、上記中間焼鈍後の冷間圧延は、板幅方向中央部で
の圧下率に比し端部での圧下率を低くして仕上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、方向性電磁鋼板
の製造方法に関して、特に板幅方向にわたる磁気特性の
均一化を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、鋼スラブを熱間圧延
し、次いで冷間圧延した後、脱炭焼鈍し、その後2次再
結晶のための仕上げ焼鈍を行う一連の工程によって製造
されるのが一般的である。方向性電磁鋼板の製造工程に
おいて、特に2次再結晶は重要な工程であり、この2次
再結晶は、インヒビターと呼ばれる微細なAlN 、MnS お
よびMnSe等の析出物が1次再結晶粒の正常粒成長を抑制
することにより達成される。そして、良好な2次再結晶
を起こさせるには、インヒビターを均一かつ微細に分散
させる必要があり、従って熱間圧延前にインヒビター形
成成分を十分に固溶させることが肝要である。そのため
には、けい素鋼スラブを熱間圧延前に1300℃以上の高温
に加熱することが有効である。
【0003】しかしながら、スラブ端部は、中央部に比
べて温度上昇が不十分になり易いため、インヒビター形
成成分の固溶が不完全となり、これが熱間圧延後粗大な
析出物となって磁気特性の低下を招く原因となる。
【0004】この問題を解決する方法として、例えば特
開昭62−13562 号公報には、加熱炉で加熱したスラブを
誘導加熱炉でさらに高温に加熱する際に、該加熱炉の入
側もしくは出側においてスラブ幅方向の温度分布を検出
し、検出した温度偏差をなくすために幅方向投入電力お
よび時間を補正して均一に加熱をする、誘導加熱炉の温
度制御方法が記載されている。
【0005】また、引き続く熱間圧延において、前記し
たスラブの高温加熱で一旦固溶させたインヒビターを微
細に析出させるが、この熱間圧延では、幅方向の端部で
の冷却速度が中央部に比べて速いために、不均一な析出
が起こる。そこで、例えば特開平1−176032号公報で
は、スラブ抽出から熱間圧延終了までの間に鋼片の両縁
部を保熱または加熱し、1100℃以上の温度で熱間圧延を
終了させることによって、鋼片端部における磁気特性の
向上を図る方法が提案されている。また、特開昭61−71
104 号公報には、熱間粗圧延機と仕上圧延機との間にエ
ッジバーナーもしくはエッジ部保熱カバーを配すること
により、エッジ部を1150〜1250℃の範囲に加熱または保
熱し、インヒビターの粗大化を防ぐ方法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
加熱方法や過度な冷却を防ぐ等の方法によって二次再結
晶を安定化するには限界があり、幅方向端部は二次再結
晶の安定性に欠けることは、依然として問題であった。
【0007】そこで、この発明は、上記の従来技術をも
ってしても解決できなかった、幅方向端部のインヒビタ
ーの粗大化による二次再結晶不良を、特別な装置を用い
ることなく工業的に安定した手段で解決するための製造
方法について、提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
C:0.02〜0.15mass%、Si:2.0 〜4.0 mass%およびM
n:0.03〜1.0 mass%を含み、さらにSおよびSeのいず
れか1種または2種を合計で0.005 〜0.050 mass%含有
する成分組成になる鋼スラブを、熱間圧延により熱延板
とし、次いで熱延板焼鈍後、中間焼鈍を挟む2回以上の
冷間圧延にて最終板厚としたのち、湿水素中で脱炭焼鈍
を施してからMgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、
仕上げ焼鈍を行って方向性電磁鋼板を製造するに当り、
上記中間焼鈍後の冷間圧延は、板幅方向中央部での圧下
率に比し端部での圧下率を低くして仕上げることを特徴
とする板幅方向に均一な磁気特性を有する方向性電磁鋼
板の製造方法。
【0009】ここで、上記中間焼鈍後の冷間圧延につい
て、板幅方向中央部での圧下率に比し端部での圧下率を
低くするには、中間焼鈍に先立つ冷間圧延において板幅
方向端部の板厚を中央部より薄く圧延し、次いで中間焼
鈍を施した後の冷間圧延により、幅方向の板厚を同等の
厚さに仕上げる、手段が適合する。
【0010】また、上記鋼スラブが、さらにAl:0.005
〜0.50mass%およびN:0.003 〜0.010 mass%を含有す
る成分組成として、AlN をインヒビターとして利用する
ことも可能である。
【0011】なお、上記した板幅方向端部とは、板幅方
向における最端部から、通常の圧延での2次再結晶良好
部と不良部との境界位置までの領域を指すものとし、具
体的には最端部から中央側へ150mm 程度までの領域であ
る。そして、この領域より板幅方向中央を中央部とし、
両者の境界の、圧下率の変化する領域はできるだけ短く
することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、この発明を導くに到った
実験結果について具体的に説明する。すなわち、C:0.
06mass%、Si:3.25mass%、Mn:0.06mass%およびS:
0.018 mass%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物の
成分組成になる鋼スラブを、1350℃に加熱し、粗圧延次
いで仕上圧延からなる熱間圧延を行って2.2mm 厚に仕上
げ、1020℃×20秒の熱延板焼鈍を施したのち、所定の中
間板厚まで冷間圧延(1回目の冷間圧延)後、950 ℃×
60秒の中間焼鈍を施し、その後最終板厚0.23mmまで冷間
圧延(2回目の冷間圧延)を行った。その際、1回目の
冷間圧延後の中間板厚を変更することにより、2回目の
冷間圧延における板幅方向の圧下率を変更した。
【0013】次いで、最終冷延板をアルカリ脱脂により
清浄化した後、830 ℃の脱炭焼鈍を行ってから、MgO を
主成分とする焼鈍分離剤を塗布してコイル状に巻き取
り、1200℃×5時間保持する仕上焼鈍を施した。このよ
うにして得られた製品板の中央部と端部(エッジから30
mmの部分)のそれぞれからエプスタインサイズの試験片
を採取し、磁束密度B8 (磁化力800 A/mで励磁した
ときの磁束密度)を測定した。その測定結果を2回目の
冷間圧延(中間焼鈍後の冷間圧延)での圧下率について
整理したものを図1に示す。図1から、鋼板の幅方向中
央部と端部とが同じ圧下率であると、中央部と端部との
磁束密度の差は大きくなるが、端部の圧下率を中央部の
圧下率より低くすることにより、両者の磁気特性差は小
さくなることがわかる。
【0014】次いで、発明者らは中間焼鈍前の冷間圧延
時に幅方向中央部の板厚に比べて端部の板厚が小さくな
るように圧延を行い、中間焼鈍後の冷間圧延により最終
板厚が幅方向で均一になるように圧延を行った。具体的
には、C:0.07mass%、Si:3.40mass%、Mn:0.07mass
%およびSe:0.020 mass%を含有し、残部Feおよび不可
避的不純物の成分組成になるスラブを、1420℃に加熱
し、粗圧延および仕上げ圧延からなる熱間圧延を行って
2.0mm 厚に仕上げた後、1000℃×30秒の熱延板焼鈍を施
し、酸洗により鋼板表面のスケールを除去した。
【0015】上記のコイルを2つ用意し、一方のコイル
Aは通常通り幅方向の板厚が均一になるように0.60mm厚
まで冷間圧延し、他方のコイルBは幅方向中央部が0.60
mm厚に、かつ同端部(エッジから30mmの部分)が0.55mm
厚になるように、ロールクラウンを調整しながら冷間圧
延した。その後、975 ℃×60秒の中間焼鈍を施してか
ら、2回目の冷間圧延では幅方向に板厚が均一になるよ
うに0.23mm厚まで冷間圧延を行って最終板厚とした。こ
のとき、コイルAの幅方向中央部および端部の圧下率は
61.7%であり、一方コイルBでは、その幅方向中央部の
圧下率が61.7%および同端部の圧下率が58.2%であっ
た。
【0016】その後、冷延鋼板はアルカリ脱脂による清
浄化処理を施してから、820 ℃の脱炭焼鈍を行い、次い
でMgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布してコイル状に
巻き取り、1200℃×5時間保持する仕上げ焼鈍を施し
た。 かくして得られた製品板の板幅方向中央部と端部と
からエプスタインサイズの試験片を採取し、その磁束密
度を測定した。この測定結果を、板幅方向の磁気特性の
変化として、図2に示す。
【0017】図2から、従来方法に従うコイルAを用い
て得た鋼板では、幅方向端部の電磁特性が不安定であり
磁束密度が低下しているが、コイルBを用いて得た鋼板
では、幅方向端部においても安定した磁気特性が得られ
ている。すなわち、1回目の冷間圧延において幅方向の
板厚を中央部で厚くする操作を行って、2回目の冷間圧
延における圧下率を幅方向中央部より端部で低くした結
果、板幅方向の磁気特性が安定することが、ここに判明
した。この発明は、上記の知見に由来するものである。
【0018】次に、この発明の方法について、詳しく説
明する。まず、この発明における鋼スラブの成分組成に
ついて説明する。 C:0.02〜0.15mass% Cは、良好な一次再結晶組織を得るために0.02mass%以
上は必要であるが、0.15mass%を超えると脱炭不良とな
り磁気特性が劣化するため、含有量を0.02〜0.15mass%
とする。
【0019】Si:2.0 〜4.0 mass% Siは、鋼板の電気抵抗を高めて渦電流損を低減させるた
めに必要な成分であり、2.0 mass%未満では最終仕上焼
鈍中にα−γ変態によって結晶方位が損なわれ、一方4.
0 mass%を超えると冷延性に問題が生ずるため、含有量
を2.0 〜4.0 mass%とする。
【0020】Mn:0.03〜1.0 mass% Mnは、熱間加工性を向上させるのに有用な元素であり、
またSまたはSeと化合物を形成し、インヒビターとして
機能するものである。そのためには、0.03mass%以上が
必要であるが、1.0 mass%を超えると、スラブ加熱の際
に必要となる温度が高くなりすぎて実用的ではないた
め、含有量は0.03〜1.0 mass%とする。
【0021】SおよびSeのいずれか1種又は2種を合計
で0.005 〜0.050 mass% SおよびSeは、インヒビターとして機能するものであ
り、SおよびSeが単独又は合計で0.005 mass%未満の場
合はインヒビター機能が不十分になり、一方SおよびSe
が単独又は合計で0.050 mass%超えると、スラブ加熱の
際に必要とする温度が高くなり、インヒビター機能が損
なわれるため、含有量は0.005 〜0.050 mass%とする。
【0022】上記の基本成分に加えて、さらにAl:0.00
5 〜0.50mass%およびN:0.003 〜0.010 mass%を含有
することが可能である。すなわち、インヒビターとして
AIN を利用することができ、良好な鉄損を得るために
は、Alを0.005 〜0.50mass%およびNを0.003 〜0.010
mass%の範囲とすることが望ましい。かかるAlおよびN
のそれぞれの上限値を超える含有量では、AlN の粗大化
を招いて粒成長抑制力を失い、一方下限値を下回る含有
量ではインビビターとしてのAlN の量が不足する。
【0023】その他、補助インヒビター形成成分とし
て、P、Cr、B、Te、Nb、Bi、Sn、SbおよびMo等を添加
することができる。
【0024】次に、上記の成分組成になる鋼スラブは、
ガス燃焼炉、誘導加熱炉もしくは両者の併用により、11
50〜1460℃の高温のスラブ加熱に供される。このスラブ
加熱後のスラブは、常法により熱間圧延を施される。そ
の後、必要に応じて熱延板焼鈍を施し、中間焼鈍を挟む
複数回の冷間圧延によって最終板厚とされる。熱延板焼
鈍と中間焼鈍は、熱間圧延もしくは冷間圧延で導入した
歪みを利用して再結晶させるために、900 ℃以上の高温
で行うことが好ましい。
【0025】なお、中間焼鈍後から最終板厚までの冷延
圧下率つまり最終圧下率は、インヒビターとしてMnS や
MnSeを用いる場合は、50〜70%とすることが好ましく、
MnSやMnSeとAIN とを併用する場合には、70〜95%とす
ることが好ましい。いずれも下限未満であると二次再結
晶粒の方位が悪くなり、一方上限を超えると二次再結晶
が困難となる。
【0026】ここで、中間焼鈍後の冷間圧延での板幅方
向端部の圧下率を中央部の圧下率より低くすることが肝
要である。とりわけ、板幅方向端部の圧下率を中央部の
圧下率より1〜5%低くすることが好ましい。なぜな
ら、板幅方向端部の圧下率の中央部に対する低下が1%
未満では、端部の二次再結晶が困難になる。これは、板
幅中央部に比べ端部でインヒビター強度が劣化したた
め、端部での適正な圧下率が変化し、端部の圧下率を中
央部より1%以上低下させることにより、二次再結晶が
可能になったものと考えられる。一方、5%をこえる
と、端部の二次再結晶粒の方位が中央部の方位に比べて
著しく悪くなるため、端部の磁気特性が劣化する。
【0027】また、中間焼鈍後の冷間圧延での板幅方向
端部の圧下率を中央部の圧下率より低くするには、中間
焼鈍に先立つ冷間圧延において、板幅方向端部の板厚を
中央部より薄く圧延し、次いで中間焼鈍を施した後の冷
間圧延により、幅方向の板厚を同等に仕上げることが適
合する。その他、中間焼鈍に先立つ冷間圧延では幅方向
の板厚を同等にしておき、中間焼鈍を施した後の冷間圧
延で端部を中央部より厚く仕上げ、製品のスリット加工
時に端部と中央部との境界でせん断し、異なる板厚の別
々の製品とする、などの手法も採用できる。
【0028】最終冷間圧延後は、必要に応じて鋼板表面
に溝を設ける、磁区細分化処理を施し、脱炭焼鈍を行
う。この脱炭焼鈍は、通常750 〜950 ℃程度の温度域で
1〜5分の時間、湿水素と窒素ガスとの混合雰囲気に
て、雰囲気の露点:20〜70℃程度として施す。
【0029】脱炭焼鈍後は、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗
布した後、コイル状を巻き取り、仕上焼鈍に供される。
この仕上焼鈍は、二次再結晶と高温での純化処理とを兼
ねる焼鈍である。最終仕上焼鈍後の鋼板は、必要に応じ
て絶縁コーティングと平坦化処理とを施し、製品とされ
る。このとき、製品にレーザー照射やプラズマジェット
を照射し、磁区細分化処理を施してもよく、鉄損をさら
に向上させる効果もある。
【0030】
【実施例】C:0.06mass%、Si:3.25mass%、Mn:0.07
mass%、Se:0.018 mass%、Al:0.025 mass%および
N:0.007 mass%を含有し、残部Feおよび不可避的不純
物からなる鋼スラブを、1400℃に加熱した後、熱間圧延
を施して板厚2.5 mmおよび板幅1000mmに仕上げた。その
後、1050℃および30秒の熱延板焼鈍を行ったのち、酸洗
により鋼板表面のスケールを除去した。
【0031】上記圧延コイルを2本用意して、中間焼鈍
に先立つ1回目の冷間圧延において、まず一方のコイル
(コイルA)は、1回目の圧延後の板幅方向中央部の板
厚が1.50mmおよび幅方向端部(最端部から30mmの部分)
の板厚が1.30mmとなるように、ロールクラウンを調整し
ながら圧延した(発明例)。残る他方のコイル(コイル
B)は、従来どおりに幅方向全長にわたり、板厚が1.50
mmとなるように圧延した(比較例)。
【0032】その後、両コイルともに、1000℃および60
秒の中間焼鈍を施し、その後の2回目の冷間圧延におい
て、コイルAは圧延後の幅方向の板厚が全て最終板厚0.
30mmとなるように圧延した。このとき、幅方向中央部の
圧下率は80.0%および同端部の圧下率は76.9%であっ
た。 一方、コイルBについては、従来どおりの方法で最
終板厚0.30mmとなるように圧延した。
【0033】次いで、840 ℃および2分間の脱炭焼鈍を
行ってから、MgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布して
コイル状に巻取り、1200℃で5時間保持する仕上焼鈍を
行った。かくして得られた鋼板について、コイル幅方向
中央部およびコイル幅方向端部から30mmの各位置よりエ
プスタインサイズの磁気測定用試料を採取し、磁束密度
8 および鉄損W17/50 を測定した。
【0034】その結果、コイルA(発明例)では、幅方
向中央部の磁気特性がB8 :1.932T、W17/50 :1.06
W/kgであり、幅方向端部では、B8 :1.925 T、W
17/50:1.06W/kgであった。 これに対して、コイルB
(比較例)では、幅方向中央部の磁気特性がB8 :1.93
0 T、W17/50 :1.02W/kgであり、幅方向端部では、
8 :1.884 T、W17/50 :1.31W/kgであった。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
従来不可避であった板幅方向端部の磁気特性の劣化が、
未然に防止されるため、全幅にわたって磁気特性が安定
して優れた方向性電磁鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 板幅方向における2回目の冷間圧延圧下率と
磁気特性との関係を示す図である。
【図2】 板幅方向における磁気特性の分布を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/16 H01F 1/16 B (72)発明者 藤山 寿郎 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4K033 AA02 BA02 FA12 HA03 LA02 MA00 5E041 AA02 CA01 NN01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.02〜0.15mass%、Si:2.0 〜4.0 ma
    ss%およびMn:0.03〜1.0 mass%を含み、さらにSおよ
    びSeのいずれか1種または2種を合計で0.005 〜0.050
    mass%含有する成分組成になる鋼スラブを、熱間圧延に
    より熱延板とし、次いで熱延板焼鈍後、中間焼鈍を挟む
    2回以上の冷間圧延にて最終板厚としたのち、湿水素中
    で脱炭焼鈍を施してからMgO を主成分とする焼鈍分離剤
    を塗布し、仕上げ焼鈍を行って方向性電磁鋼板を製造す
    るに当り、 上記中間焼鈍後の冷間圧延は、板幅方向中央部での圧下
    率に比し端部での圧下率を低くして仕上げることを特徴
    とする板幅方向に均一な磁気特性を有する方向性電磁鋼
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】中間焼鈍に先立つ冷間圧延において板幅方
    向端部の板厚を中央部より薄く圧延し、次いで中間焼鈍
    を施した後の冷間圧延により、幅方向の板厚を同等の厚
    さに仕上げることを特徴とする請求項1に記載の板幅方
    向に均一な磁気特性を有する方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】鋼スラブが、さらにAl:0.005 〜0.50mass
    %およびN:0.003 〜0.010 mass%を含有する成分組成
    になることを特徴とする請求項1または2に記載の板幅
    方向に均一な磁気特性を有する方向性電磁鋼板の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018125425A (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 新日鐵住金株式会社 ブランク、鉄心構成部材および積み鉄心
JP2018123377A (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 新日鐵住金株式会社 方向性電磁鋼板およびその製造方法

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