JP2003277412A - オレフィンの連続気相重合方法 - Google Patents
オレフィンの連続気相重合方法Info
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- JP2003277412A JP2003277412A JP2002086159A JP2002086159A JP2003277412A JP 2003277412 A JP2003277412 A JP 2003277412A JP 2002086159 A JP2002086159 A JP 2002086159A JP 2002086159 A JP2002086159 A JP 2002086159A JP 2003277412 A JP2003277412 A JP 2003277412A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡便かつ確実な設備と方法により、オレフィ
ン重合体粒子の滞留時間を均一にして、均一な重合度の
製品を得ることが可能な連続気相重合法の提供。 【解決手段】 竪型の流動床型気相重合槽であって、内
部が二以上の多孔板によって二以上の流動床型気相重合
室に区分され、該重合槽の底部から頂部へ向けてモノマ
ーガスを流すガス循環装置および各重合室から隣接する
下部の重合室へ触媒含有重合体粒子を移送する移送装置
を設けてなる気相多段重合槽であり、該移送装置が、上
部重合室からの重合体粒子抜出管(開閉弁つき)と隣接
する下部重合室への重合体粒子送り管とその間に設けた
エジェクターからなり、該エジェクターが循環モノマー
ガスの一部を用いて作動される気相多段重合槽を使用し
て、オレフィン類の連続気相重合反応を行う。
ン重合体粒子の滞留時間を均一にして、均一な重合度の
製品を得ることが可能な連続気相重合法の提供。 【解決手段】 竪型の流動床型気相重合槽であって、内
部が二以上の多孔板によって二以上の流動床型気相重合
室に区分され、該重合槽の底部から頂部へ向けてモノマ
ーガスを流すガス循環装置および各重合室から隣接する
下部の重合室へ触媒含有重合体粒子を移送する移送装置
を設けてなる気相多段重合槽であり、該移送装置が、上
部重合室からの重合体粒子抜出管(開閉弁つき)と隣接
する下部重合室への重合体粒子送り管とその間に設けた
エジェクターからなり、該エジェクターが循環モノマー
ガスの一部を用いて作動される気相多段重合槽を使用し
て、オレフィン類の連続気相重合反応を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン類の流
動床型連続気相重合のための多段重合槽および重合方法
に関する。
動床型連続気相重合のための多段重合槽および重合方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】流動床型連続気相重合法によるオレフィ
ン重合体の製造は、重合槽内で、触媒含有重合体粒子が
上向きの流れのモノマーガスによって流動層を形成しな
がら重合反応が進行してゆくものである。しかしなが
ら、個々の触媒含有重合体粒子の重合槽内における滞留
時間の相違のために生成重合体粒子に重合度のばらつき
があり、フィッシュアイの発生等、製品品質のばらつき
の原因となっていた。
ン重合体の製造は、重合槽内で、触媒含有重合体粒子が
上向きの流れのモノマーガスによって流動層を形成しな
がら重合反応が進行してゆくものである。しかしなが
ら、個々の触媒含有重合体粒子の重合槽内における滞留
時間の相違のために生成重合体粒子に重合度のばらつき
があり、フィッシュアイの発生等、製品品質のばらつき
の原因となっていた。
【0003】触媒含有重合体粒子の重合槽内の滞留時間
を均一にするには、重合槽の数を増やすことが最も確実
な手段であるが、設備コストが大きくなる。このため、
以前より1つの重合槽の内部を多段の重合室に区切っ
て、重合槽の数を増やすことと同様の効果を得ようとす
る試みがなされている。
を均一にするには、重合槽の数を増やすことが最も確実
な手段であるが、設備コストが大きくなる。このため、
以前より1つの重合槽の内部を多段の重合室に区切っ
て、重合槽の数を増やすことと同様の効果を得ようとす
る試みがなされている。
【0004】たとえば、二つの重合槽を縦に連結した構
造の多段重合槽の、下流側の気相重合帯域から排出され
るオレフィン重合体流の一部を上流側の気相重合帯域に
循環しながら気相重合を行なう方法(特開昭58-52
309号公報)、一つの重合槽を多孔分散板で区切った
構造の多段重合槽の、上流段重合室の流動床高さが一定
以上になるとガス上昇流量を脈動的に変動させることで
上流段流動床に衝撃を与え、触媒含有重合体粒子を多孔
分散板を通って下流段重合室へ落下移送させる方法(特
開昭60-245603号公報)により、多段重合の効
果を実現し、重合体粒子の重合槽内の滞留時間を均一に
しようとするものがある。
造の多段重合槽の、下流側の気相重合帯域から排出され
るオレフィン重合体流の一部を上流側の気相重合帯域に
循環しながら気相重合を行なう方法(特開昭58-52
309号公報)、一つの重合槽を多孔分散板で区切った
構造の多段重合槽の、上流段重合室の流動床高さが一定
以上になるとガス上昇流量を脈動的に変動させることで
上流段流動床に衝撃を与え、触媒含有重合体粒子を多孔
分散板を通って下流段重合室へ落下移送させる方法(特
開昭60-245603号公報)により、多段重合の効
果を実現し、重合体粒子の重合槽内の滞留時間を均一に
しようとするものがある。
【0005】しかしながら、前者の方法は、設備的にか
なりの重装備となって経済性に難がある。後者の方法
は、重合体粒子が多孔分散板を通るので、特に粘着性が
あったり、あるいは粒径分布不揃いな重合体粒子の場合
には、多孔分散板の目詰まりが起こり、重合体粒子の移
送も円滑に進まないおそれがある。なお、前者公報記載
の重合方法においても、上部重合室から下部重合室へ重
合体粒子を移送する工程があるが、上部重合室の重合体
粒子を抜き出しバルブを通して一旦サイクロンに貯め、
これを供給バルブを通して下部重合室へ供給するもの
で、重合体粒子の円滑な移送操作に難がある。
なりの重装備となって経済性に難がある。後者の方法
は、重合体粒子が多孔分散板を通るので、特に粘着性が
あったり、あるいは粒径分布不揃いな重合体粒子の場合
には、多孔分散板の目詰まりが起こり、重合体粒子の移
送も円滑に進まないおそれがある。なお、前者公報記載
の重合方法においても、上部重合室から下部重合室へ重
合体粒子を移送する工程があるが、上部重合室の重合体
粒子を抜き出しバルブを通して一旦サイクロンに貯め、
これを供給バルブを通して下部重合室へ供給するもの
で、重合体粒子の円滑な移送操作に難がある。
【0006】ここで、前者の特開昭58-52309号
公報記載の多段重合槽は、上部重合室と下部重合室は壁
で区切られているが、後者の特開昭60-245603
号公報記載の多段重合槽は、上部重合室と下部重合室が
多孔分散板で区切られている。後者の場合、重合槽の下
部から上部へ流れるモノマーガス流は、多孔分散板の通
過の際に圧力損失を生ずる。このため、上部重合室の圧
力は、下部重合室の圧力よりも低くなっている。したが
って、上部重合室から下部重合室への重合体粒子の移送
は、圧力に逆らっての移送であるため、本来的に困難な
ことである。
公報記載の多段重合槽は、上部重合室と下部重合室は壁
で区切られているが、後者の特開昭60-245603
号公報記載の多段重合槽は、上部重合室と下部重合室が
多孔分散板で区切られている。後者の場合、重合槽の下
部から上部へ流れるモノマーガス流は、多孔分散板の通
過の際に圧力損失を生ずる。このため、上部重合室の圧
力は、下部重合室の圧力よりも低くなっている。したが
って、上部重合室から下部重合室への重合体粒子の移送
は、圧力に逆らっての移送であるため、本来的に困難な
ことである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術の実情
に鑑み、本発明の目的は、簡便かつ確実な設備と方法に
より、オレフィンの連続気相重合を円滑に進行させ、滞
留時間を均一にして、均一な重合度の製品を得ることが
可能な多段気相重合槽および重合方法の提供にある。
に鑑み、本発明の目的は、簡便かつ確実な設備と方法に
より、オレフィンの連続気相重合を円滑に進行させ、滞
留時間を均一にして、均一な重合度の製品を得ることが
可能な多段気相重合槽および重合方法の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、竪型の流動床型多段重合槽において、上段の重合
室から隣接下段の重合室への重合体粒子の移送手段とし
て、エジェクターを利用することで、上段の重合室内の
重合体粒子をより圧力の高い下段の重合室へ極めて円滑
に移送できることを見出し、下段の重合室での重合反応
の続行により、触媒含有重合体粒子の滞留時間の均一化
がはかれ、フィッシュアイの発生が減少した、均一な重
合度の製品が得られることを知見し、本発明を完成し
た。
結果、竪型の流動床型多段重合槽において、上段の重合
室から隣接下段の重合室への重合体粒子の移送手段とし
て、エジェクターを利用することで、上段の重合室内の
重合体粒子をより圧力の高い下段の重合室へ極めて円滑
に移送できることを見出し、下段の重合室での重合反応
の続行により、触媒含有重合体粒子の滞留時間の均一化
がはかれ、フィッシュアイの発生が減少した、均一な重
合度の製品が得られることを知見し、本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は、流動床型気相多段重
合槽中でオレフィンを重合する方法において、エジェク
ターの吸引および移送作用を利用することにより、上部
重合室から隣接する下部重合室へ触媒含有重合体粒子を
移送することを特徴とするオレフィンの連続気相重合方
法を提供するものであり、また、竪型の流動床型気相重
合槽であって、内部が二以上の多孔板によって二以上の
流動床型気相重合室に区分され、該重合槽の底部から頂
部へ向けてモノマーガスを流すガス循環装置および各重
合室から隣接する下部の重合室へ触媒含有重合体粒子を
移送する移送装置を設けてなる気相多段重合槽であり、
該移送装置が、上部重合室からの重合体粒子抜出管(開
閉弁つき)と隣接する下部重合室への重合体粒子送り管
とその間に設けたエジェクターからなり、該エジェクタ
ーが循環モノマーガスの一部を用いて作動される気相多
段重合槽を提供するものである。
合槽中でオレフィンを重合する方法において、エジェク
ターの吸引および移送作用を利用することにより、上部
重合室から隣接する下部重合室へ触媒含有重合体粒子を
移送することを特徴とするオレフィンの連続気相重合方
法を提供するものであり、また、竪型の流動床型気相重
合槽であって、内部が二以上の多孔板によって二以上の
流動床型気相重合室に区分され、該重合槽の底部から頂
部へ向けてモノマーガスを流すガス循環装置および各重
合室から隣接する下部の重合室へ触媒含有重合体粒子を
移送する移送装置を設けてなる気相多段重合槽であり、
該移送装置が、上部重合室からの重合体粒子抜出管(開
閉弁つき)と隣接する下部重合室への重合体粒子送り管
とその間に設けたエジェクターからなり、該エジェクタ
ーが循環モノマーガスの一部を用いて作動される気相多
段重合槽を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき、より詳細に
説明する。
説明する。
【0011】本発明は、立体規則性触媒を用いてオレフ
ィン類を重合する連続気相重合方法に関し、そのための
気相多段重合槽に関する。該気相多段重合槽は、その中
で重合反応を開始し、完結させるものであってもよく、
前段階としてループ式反応槽によるスラリー重合等他の
重合槽で重合反応を行った次の重合槽であってもよい。
また、さらに次の気相重合槽で他の重合反応を行う場合
もある。
ィン類を重合する連続気相重合方法に関し、そのための
気相多段重合槽に関する。該気相多段重合槽は、その中
で重合反応を開始し、完結させるものであってもよく、
前段階としてループ式反応槽によるスラリー重合等他の
重合槽で重合反応を行った次の重合槽であってもよい。
また、さらに次の気相重合槽で他の重合反応を行う場合
もある。
【0012】立体規則性触媒は、チタンなどの遷移金属
の化合物と有機アルミニウムなどの有機金属化合物から
なり、場合により有機酸エステルなどの電子供与性化合
物を併用する、従来公知のものが使用され、オレフィン
類も、好ましくはエチレン、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフ
ィンを気相重合が可能な範囲で単独重合や共重合を行う
ものである。
の化合物と有機アルミニウムなどの有機金属化合物から
なり、場合により有機酸エステルなどの電子供与性化合
物を併用する、従来公知のものが使用され、オレフィン
類も、好ましくはエチレン、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフ
ィンを気相重合が可能な範囲で単独重合や共重合を行う
ものである。
【0013】(気相多段重合槽)本発明の気相多段重合
槽の一実施態様を、図1を参照しつつ以下に説明する。
槽の一実施態様を、図1を参照しつつ以下に説明する。
【0014】竪型の流動床型気相重合槽1は、第一多孔
板2によって第一重合室3、および第一多孔板2と第二
多孔板4によって下部重合室5に区切られている。コン
プレッサー6で昇圧されモノマー供給管7を経て重合槽
1の底部に供給されるオレフィンモノマーが、重合槽1
の底部から頂部へ向けて流れ、第一重合室3、第二重合
室5において第一多孔板2、第二多孔板4の上に重合反
応が進行する触媒含有重合体の第一流動層8、第二流動
層9を形成している。第一重合室3を通った未反応モノ
マーは、モノマー排出管10へ抜け、ガス循環管11を
通ってコンプレッサー6によって再び昇圧され、モノマ
ー供給管7から重合槽1の底部に供給されるという循環
系を形成している。
板2によって第一重合室3、および第一多孔板2と第二
多孔板4によって下部重合室5に区切られている。コン
プレッサー6で昇圧されモノマー供給管7を経て重合槽
1の底部に供給されるオレフィンモノマーが、重合槽1
の底部から頂部へ向けて流れ、第一重合室3、第二重合
室5において第一多孔板2、第二多孔板4の上に重合反
応が進行する触媒含有重合体の第一流動層8、第二流動
層9を形成している。第一重合室3を通った未反応モノ
マーは、モノマー排出管10へ抜け、ガス循環管11を
通ってコンプレッサー6によって再び昇圧され、モノマ
ー供給管7から重合槽1の底部に供給されるという循環
系を形成している。
【0015】なお、重合のために必要なモノマーの追加
仕込みは、モノマー仕込み管12によって行われる。ま
た、第一重合室3、第二重合室5は、触媒含有重合体の
第一流動層8、第二流動層9の混合状態をよくするため
の攪拌機を設けた構造であってもよい。さらに、第一多
孔板2、第二多孔板4、特に下方の第二多孔板4は、モ
ノマー流を止めた静止状態のときに重合体粒子が落下し
ないようなカバーがつけられた構造であってよい。
仕込みは、モノマー仕込み管12によって行われる。ま
た、第一重合室3、第二重合室5は、触媒含有重合体の
第一流動層8、第二流動層9の混合状態をよくするため
の攪拌機を設けた構造であってもよい。さらに、第一多
孔板2、第二多孔板4、特に下方の第二多孔板4は、モ
ノマー流を止めた静止状態のときに重合体粒子が落下し
ないようなカバーがつけられた構造であってよい。
【0016】第一重合室3の触媒含有重合体の第一流動
層8の下方部に重合体抜出し管13が設けられ、開閉弁
14を通してエジェクター15に繋がる。エジェクター
15には、コンプレッサー6の先でモノマー供給管7と
分岐したガス循環管16が来ており、ガス循環管16中
のモノマーガスがエジェクター15を駆動する流体にな
る。エジェクター15は、さらに第二重合室5への重合
体送り管17に連結されている。すなわち、第一重合室
3から第二重合室5への触媒含有重合体粒子の移送は、
抜出し管13、開閉弁14、エジェクター15および送
り管17を通って行われる。なお、開閉弁14は、第一
重合室3の第一流動層8の高さが一定範囲になるように
自動的に開閉する弁である。エジェクター15は、反応
設備の通例として、清掃等のために取り外しが可能なよ
うに、他の配管とはフランジで連結されるのが好まし
い。
層8の下方部に重合体抜出し管13が設けられ、開閉弁
14を通してエジェクター15に繋がる。エジェクター
15には、コンプレッサー6の先でモノマー供給管7と
分岐したガス循環管16が来ており、ガス循環管16中
のモノマーガスがエジェクター15を駆動する流体にな
る。エジェクター15は、さらに第二重合室5への重合
体送り管17に連結されている。すなわち、第一重合室
3から第二重合室5への触媒含有重合体粒子の移送は、
抜出し管13、開閉弁14、エジェクター15および送
り管17を通って行われる。なお、開閉弁14は、第一
重合室3の第一流動層8の高さが一定範囲になるように
自動的に開閉する弁である。エジェクター15は、反応
設備の通例として、清掃等のために取り外しが可能なよ
うに、他の配管とはフランジで連結されるのが好まし
い。
【0017】供給管18は、重合触媒あるいは前段階の
重合槽からの重合体スラリー等の仕込み管である。抜出
し管19は、製品あるいは次段階の重合槽への(モノマ
ー含有)重合体粒子の抜出し管である。
重合槽からの重合体スラリー等の仕込み管である。抜出
し管19は、製品あるいは次段階の重合槽への(モノマ
ー含有)重合体粒子の抜出し管である。
【0018】(連続気相重合反応方法)以下に、上記し
た気相多段重合槽を使用した、本発明の連続気相重合反
応方法の実施態様を説明する。
た気相多段重合槽を使用した、本発明の連続気相重合反
応方法の実施態様を説明する。
【0019】供給管18から重合触媒系が第一重合室3
内へ連続的に仕込まれる。仕込み方法は特に制限されな
いが、例えばペーストやスラリー状態として吹き込まれ
る。第一重合室3内では、重合触媒の存在下、流動層状
態で重合槽1の底部から吹き込まれたモノマーの重合が
進行する。重合体粒子量が増えて流動層のレベルが抜き
出し開始の設定値に達すると、センサーが感知して重合
体抜出し管13の先の開閉弁14が開く。開閉弁14の
先には、循環モノマーガスが高速で通過しているエジェ
クター15があるので、その吸引力により触媒含有重合
体粒子は極めてスムーズに抜き出され、エジェクター1
5、重合体送り管17を通って第二重合室5へ短時間で
移送される。そして、第一重合室3内の第一流動層8の
レベルが抜き出し終了の設定値に達すると、センサーが
感知して開閉弁14を閉じる。なお、開閉弁14の開閉
方法として、第一流動層8のレベルが一定範囲となるよ
うに一定時間毎に断続的に開閉するプログラムを組むこ
とも可能である。
内へ連続的に仕込まれる。仕込み方法は特に制限されな
いが、例えばペーストやスラリー状態として吹き込まれ
る。第一重合室3内では、重合触媒の存在下、流動層状
態で重合槽1の底部から吹き込まれたモノマーの重合が
進行する。重合体粒子量が増えて流動層のレベルが抜き
出し開始の設定値に達すると、センサーが感知して重合
体抜出し管13の先の開閉弁14が開く。開閉弁14の
先には、循環モノマーガスが高速で通過しているエジェ
クター15があるので、その吸引力により触媒含有重合
体粒子は極めてスムーズに抜き出され、エジェクター1
5、重合体送り管17を通って第二重合室5へ短時間で
移送される。そして、第一重合室3内の第一流動層8の
レベルが抜き出し終了の設定値に達すると、センサーが
感知して開閉弁14を閉じる。なお、開閉弁14の開閉
方法として、第一流動層8のレベルが一定範囲となるよ
うに一定時間毎に断続的に開閉するプログラムを組むこ
とも可能である。
【0020】第二重合室5へ移送された重合体粒子は触
媒を含有しているので、多孔板4を通って入ってくるモ
ノマーの重合がさらに進行する。このように、第一重合
室3、第二重合室5と二段で重合反応が進行するため
に、各触媒含有重合体粒子の滞留時間は均一化がはか
れ、フィッシュアイの発生も少ない、均一な重合度のも
のが得られる。なお、第二重合室5で重合を終えた重合
体粒子は、上記の如く、製品化工程あるいは次段階の重
合槽へ供される。
媒を含有しているので、多孔板4を通って入ってくるモ
ノマーの重合がさらに進行する。このように、第一重合
室3、第二重合室5と二段で重合反応が進行するため
に、各触媒含有重合体粒子の滞留時間は均一化がはか
れ、フィッシュアイの発生も少ない、均一な重合度のも
のが得られる。なお、第二重合室5で重合を終えた重合
体粒子は、上記の如く、製品化工程あるいは次段階の重
合槽へ供される。
【0021】各種重合条件は、モノマーの種類、生成重
合体の設計等により適宜選択されればよい。例えば、重
合反応温度は、オレフィン類の気相重合で通常行われる
温度でよく、50〜150℃の範囲などが採用できる。
また、重合圧力(すなわち重合室内のモノマーガス圧
力)も同様に特に制限はないが、例えば0.5〜3.0
MPaGが好ましく採用される。なお、エジェクター1
5を駆動するための循環モノマーガス量は、循環モノマ
ーガス量の1〜20%程度用いられるのが好ましい。本
多段重合槽1における平均滞留時間(重合時間)は、1
0分〜10時間、好ましくは30分〜6時間である。平
均滞留時間は、第一流動層8、第二流動層9の高さの制
御、重合触媒の注入量の制御によって行うことができ
る。
合体の設計等により適宜選択されればよい。例えば、重
合反応温度は、オレフィン類の気相重合で通常行われる
温度でよく、50〜150℃の範囲などが採用できる。
また、重合圧力(すなわち重合室内のモノマーガス圧
力)も同様に特に制限はないが、例えば0.5〜3.0
MPaGが好ましく採用される。なお、エジェクター1
5を駆動するための循環モノマーガス量は、循環モノマ
ーガス量の1〜20%程度用いられるのが好ましい。本
多段重合槽1における平均滞留時間(重合時間)は、1
0分〜10時間、好ましくは30分〜6時間である。平
均滞留時間は、第一流動層8、第二流動層9の高さの制
御、重合触媒の注入量の制御によって行うことができ
る。
【0022】具体的な運転条件を例示すると以下のよう
である。
である。
【0023】容量4M3の本多段重合槽を用いて、10
0kg/Hrの生産能力でポリプロピレンを製造する場
合、循環モノマーガス量:100M3/Hr、エジェク
ター駆動ガス量:10M3/Hr、第一流動層重合体
量:100kg、第二流動層重合体量:100kgであ
る。
0kg/Hrの生産能力でポリプロピレンを製造する場
合、循環モノマーガス量:100M3/Hr、エジェク
ター駆動ガス量:10M3/Hr、第一流動層重合体
量:100kg、第二流動層重合体量:100kgであ
る。
【0024】
【発明の効果】竪型の流動床型多段重合槽において、上
段の重合室から隣接下段の重合室への重合体粒子の移送
手段として、エジェクターを利用することで、上段の重
合室内の重合体粒子をより圧力の高い下段の重合室へ極
めて円滑に移送できる。その結果、下段の重合室での重
合反応の続行により、触媒含有重合体粒子の滞留時間の
均一化がはかれ、フィッシュアイの生成が減少した、均
一な重合度の製品が得られる。
段の重合室から隣接下段の重合室への重合体粒子の移送
手段として、エジェクターを利用することで、上段の重
合室内の重合体粒子をより圧力の高い下段の重合室へ極
めて円滑に移送できる。その結果、下段の重合室での重
合反応の続行により、触媒含有重合体粒子の滞留時間の
均一化がはかれ、フィッシュアイの生成が減少した、均
一な重合度の製品が得られる。
【図1】本発明の多段気相重合槽設備の一実施態様を示
す概略図である。
す概略図である。
1 流動床型気相重合槽
2 第一多孔板
3 第一重合室
4 第二多孔板
5 第二重合室
6 コンプレッサー
7 モノマー供給管
8 第一流動層
9 第二流動層
10 モノマー排出管
11 ガス循環管
12 モノマー仕込み管
13 重合体抜出し管
14 開閉弁
15 エジェクター
16 ガス循環管
17 重合体送り管
18 供給管
19 抜出し管
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(72)発明者 今野 容一
千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工
業株式会社内
Fターム(参考) 4J011 MA02 MA11 MB01
Claims (2)
- 【請求項1】 流動床型気相多段重合槽中でオレフィン
を連続重合する方法において、エジェクターの吸引およ
び移送作用を利用することにより、上部重合室から隣接
する下部重合室へ触媒含有重合体粒子を移送することを
特徴とするオレフィンの気相多段重合方法。 - 【請求項2】 竪型の流動床型気相重合槽であって、内
部が二以上の多孔板によって二以上の流動床型気相重合
室に区分され、該重合槽の底部から頂部へ向けてモノマ
ーガスを流すガス循環装置および各重合室から隣接する
下部の重合室へ触媒含有重合体粒子を移送する移送装置
を設けてなる気相多段重合槽であり、該移送装置が、上
部重合室からの重合体粒子抜出管(開閉弁つき)と隣接
する下部重合室への重合体粒子送り管とその間に設けた
エジェクターからなり、該エジェクターが循環モノマー
ガスの一部を用いて作動される気相多段重合槽。
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