JP2003277387A - ジシランの製造方法 - Google Patents
ジシランの製造方法Info
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Abstract
製造できる方法を提供することにある。 【解決手段】 不活性溶媒中、金属触媒(リチウム化合
物及び/又は金属ハロゲン化物)の存在下、下記式
(I)で表されるハロシランに、マグネシウム金属成分
を作用させることにより、下記式(II)で表されるジ
シランを製造する。 【化1】 (式中、R1〜R3及びR1a〜R3bは同一又は異なって、
水素原子、有機基又はシリル基を示し、Xはハロゲン原
子を示す)
Description
価にジシランを製造できる方法に関する。
ラミックス前駆体や光・電子材料(例えば、フォトレジ
スト、有機感光体などの光電子写真材料、光導波路など
の光伝達材料、光メモリなどの光記憶材料、エレクトロ
ルミネッセンス素子用材料など)などとして有用なケイ
素−ケイ素(Si−Si)結合を有する化合物の中間体
などとして注目されている。
ナトリウムなどのアルカリ金属あるいはアルカリ土類金
属を用いて、溶媒中のハロシランを溶媒の沸点程度の温
度で攪拌し、還元的にカップリングさせる方法が知られ
ている[J.Organomet.Chem.,13
(1968)323〜328]。しかし、この方法は、
過酷な反応条件(例えば、長時間の加熱が必要である)
を必要とすること、金属表面の酸化膜に由来してジシロ
キサンの副生が避けられないこと、工業的規模での生産
に際しては、アルカリ金属を大量に使用するので、安全
性に大きな問題があることなどの欠点を有している。
ランを室温で電極還元し、温和な条件下、ジシランを製
造する下記方法が提案されている。(1)水銀またはカ
ドミウムを陽極として用い、支持電解質として過塩素酸
テトラ−n−ブチルアンモニウムを用い、溶媒として
1,2−ジメトキシエタンを用いる方法[J.Orga
nomet.Chem.,212(1981)155] (2)電極としてMg、Alなどの金属を用い、支持電
解質として過塩素酸リチウムなどを用い、溶媒としてテ
トラヒドロフラン(THF)などを用いる方法[J.C
hem.Soc.,Chem.Commun.,116
0,1990及び特開平3−264683号公報] (3)電極としてAlを用い、溶媒としてTHF+ヘキ
サメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを用い、支
持電解質として安価な塩化リチウムを用いる方法[NA
TO ASI Ser.Ser.E,206,79−8
5,1992] (4)特定の金属(Al、Al合金、Mg、Mg合金、
Cu、Cu合金、ZnまたはZn合金)を陽極として用
い、かつ非プロトン性溶媒中、支持電解質としてLi
塩、さらに反応系内に通電性を確保するためAl塩、F
e塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V
塩、Cu塩、Ca塩、Na塩またはK塩を通電助剤とし
て用い、ハロシランを電極還元反応に供することによ
り、ジシランを製造する方法(特開平7−300488
公報)。
して水銀またはカドミウムを使用するので、操作性、安
全性、環境汚染などの点で問題があるのみならず、収率
も10%程度と低い。(2)の方法は、安全な金属を陽
極に用いる活性な電極還元系を見出したことにより、環
境を汚染することなく、操作性が高く、80〜90%程
度という高収率でジシランを製造できる。しかし、支持
電解質として用いる過塩素酸リチウムが、高価であり、
取扱いに留意する必要がある。(3)の方法は、安価で
取り扱いの容易な塩化リチウムを支持電解質として用い
ているが、THF溶媒だけでは、塩化リチウムの溶解度
が小さく、通電性が極めて悪いため、長時間の通電が必
要となり、事実上反応の完結が不可能である。そのた
め、反応を進行させるために、発ガン性が疑われている
HMPAなどの溶媒を添加することが必要である。
(4)の方法は、金属ハロゲン化物を通電助剤として用
いることによって安価な支持電解質が利用でき、短時間
で効率よくジシランを製造することができる。しかし、
特殊な電解槽を用いた電極還元反応であるため、反応溶
液中に溶出して消耗する陽極の補充方法、通電コスト、
製造装置のスケールアップなどに課題が残されている。
は、温和な条件下で、ジシランを効率よく製造できる方
法を提供することにある。
ことなく、安全、簡便かつ安価に、高い収率でジシラン
を製造できる方法を提供することにある。
達成するため鋭意検討した結果、ハロシランを、不活性
溶媒(非プロトン性溶媒)中、金属触媒の存在下、マグ
ネシウム金属成分と作用させることにより、温和な条件
下でジシランを効率よく得ることができることを見出
し、本発明を完成した。
溶媒中、金属触媒の存在下、下記式(I)で表されるハ
ロシランに、マグネシウム金属成分を作用させ、下記式
(II)で表されるジシランを製造する。
素原子、有機基又はシリル基を示し、Xはハロゲン原子
を示す。R1a、R1b、R2a、R2b、R3a及びR3bは同一
又は異なって、水素原子、有機基又はシリル基を示す) 前記ハロシラン(I)において、R1〜R3のうち少なく
とも1つがアリール基であってもよい。また、ハロシラ
ンは、複数のハロシランで構成してもよい。
化合物及び金属ハロゲン化物から選択された少なくとも
一種であってもよいし、リチウム化合物及び金属ハロゲ
ン化物の双方であってもよい。リチウム化合物は、塩化
リチウム又は過塩素酸リチウムであってもよい。金属ハ
ロゲン化物は、遷移金属元素(鉄Fe、コバルトCo、
パラジウムPd、銅Cu、亜鉛Zn、チタンTi、バナ
ジウムV、サマリウムSmなど)、周期表3B族元素
(アルミニウムAlなど)及び周期表4B族元素(スズ
Snなど)から選択された少なくとも一種の金属を含む
ハロゲン化物(例えば、塩化物又は臭化物)であっても
よい。例えば、金属触媒は、LiCl、FeCl2、F
eCl3、ZnCl2及びAlCl3から選択された少な
くとも一種の化合物であってもよい。
の使用量は、例えば、ハロシランのハロゲン原子に対し
て、マグネシウム換算で0.5〜10当量であってもよ
い。リチウム化合物及び/又は金属ハロゲン化物の使用
量は、ハロシラン100重量部に対して、それぞれ0.
1〜30重量部であってもよい。
チウム化合物及び金属ハロゲン化物の存在下、ジC1-6
アルキルモノC6-10アリールモノハロシラン、モノC
1-6アルキルジC6-10アリールモノハロシラン及びトリ
C6-10アリールモノハロシランから選択された少なくと
も一種に、マグネシウム金属成分を作用させ、ジシラン
を製造することができる。
されるモノハロシランとして、複数(種類の異なる複
数)のハロシランを用いてもよい。
キル基[メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、t−ブチル基などのC1-10アルキル基(好ましく
はC 1-6アルキル基、特にC1-4アルキル基など)]、シ
クロアルキル基(シクロヘキシル基などのC5-8シクロ
アルキル基、特にC5-6シクロアルキル基)、アリール
基(フェニル、ナフチル基などのC6-10アリール基な
ど)、アラルキル基[ベンジル、フェネチル基などのC
6-10アリール−C1-6アルキル基(C6-10アリール−C
1-4アルキル基など)など]、アルコキシ基[メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシ基などのC1-10アルコキシ基(好まし
くはC1-6アルコキシ基、特にC1-4アルコキシ基)な
ど]、カルボキシル基、エステル基[アルコキシカルボ
ニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど
のC1-10アルコキシカルボニル基など)、アシルオキシ
基(アセチルオキシ、プロピオニルオキシなどのC1-10
アシルオキシ基など)]、アミノ基、N−置換アミノ基
(前記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アシル基などで置換されたN−モノ又はジ
置換アミノ基など)などが挙げられる。
ール基又はアラルキル基を構成するアリール基などは、
1又は複数の置換基を有していてもよい。このような置
換基としては、前記例示のアルキル基(特にC1-6アル
キル基など)、前記例示のアルコキシ基などが挙げられ
る。このような置換基を有する有機基としては、例え
ば、トリル、キシリル、エチルフェニル、メチルナフチ
ル基などのモノ乃至トリC1-6アルキル−C6-10アリー
ル基(好ましくはモノ乃至トリC1-4アルキル−C 6-10
アリール基、特にモノ又はジC1-4アルキル−フェニル
基など);メトキシフェニル、エトキシフェニル、メト
キシナフチル基などのC1-10アルコキシ−C 6-10アリー
ル基(好ましくはC1-6アルコキシ−C6-10アリール
基、特にC1-4アルコキシ−フェニル基など)などが挙
げられる。
キル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基など
で置換された置換シリル基であってもよい。
ル基(例えば、C6-10アリール基)であることが好まし
く、複数、特に、R1〜R3の全てがアリール基であって
もよい。
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が含まれ、塩素原
子及び臭素原子(特に塩素原子)が好ましい。
リC1-6アルキルハロシラン(トリメチルクロロシラ
ン、トリブチルクロロシランなど)、ジC1-6アルキル
モノC6 -10アリールハロシラン(フェニルジメチルクロ
ロシラン、フェニルジブチルクロロシラン、トリルジメ
チルクロロシラン、キシリルジメチルクロロシランな
ど)、モノC1-6アルキルジC6-10アリールハロシラン
(メチルジフェニルクロロシラン、ブチルジフェニルク
ロロシラン、メチルフェニルトリルクロロシラン、メチ
ルフェニルキシリルクロロシラン、メチルジトリルクロ
ロシラン、メチルトリルキシリルクロロシラン、メチル
ジキシリルクロロシランなど)、トリC6-10アリールハ
ロシラン(トリフェニルクロロシラン、ジフェニルトリ
ルクロロシラン、ジフェニルキシリルクロロシラン、フ
ェニルジトリルクロロシラン、フェニルジキシリルクロ
ロシラン、トリトリルクロロシラン、ジトリルキシリル
クロロシラン、トリルジキシリルクロロシラン、トリキ
シリルクロロシランなど)が例示できる。ハロシランと
しては、少なくとも1つのC6-10アリール基を有するハ
ロシラン、例えば、ジC1-4アルキルモノC6-10アリー
ルモノハロシラン、モノC1-4アルキルジC6-10アリー
ルモノハロシラン、トリC6-10アリールモノハロシラン
が好ましく、さらに、複数のC6-10アリール基を有する
ハロシラン、例えば、モノC1-4アルキルジC6-10アリ
ールハロシラン(メチルジフェニルクロロシラン、メチ
ルフェニルトリルクロロシラン、メチルジトリルシラン
など)、トリC6-10アリールハロシラン(トリフェニル
クロロシラン、ジフェニルトリルクロロシラン、トリト
リルクロロシランなど)が特に好ましい。
あるハロシランが、副生成物であるシロキサン構造の生
成を抑制するという観点からも好ましい。例えば、液体
のハロシランについては、水素化カルシウムなどの乾燥
剤を用いて乾燥し、蒸留して使用するのが好ましく、固
体のハロシランについては、再結晶法などにより、精製
して使用するのが好ましい。
属成分は、少なくともマグネシウムが含まれていればよ
く、マグネシウム金属単体又はマグネシウム系合金、あ
るいは前記マグネシウム金属又は合金を含む混合物など
であってもよい。マグネシウム合金の種類は特に制限さ
れず、慣用のマグネシウム合金、例えば、アルミニウ
ム、亜鉛、希土類元素(サマリウム、スカンジウム、イ
ットリウムなど)などの成分を含むマグネシウム合金が
例示できる。これらのマグネシウム金属成分は、単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいマグネ
シウム金属成分は、マグネシウム単体である。
ンの反応を損なわない限り特に限定されないが、粉粒状
(粉体、粒状体など)、リボン状体、切削片状体、塊状
体、棒状体、平板などが例示され、特に表面積の大きい
形状(粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体など)で
あるのが好ましい。マグネシウム金属成分が粉粒状の場
合、平均粒径は、1〜10000μm、好ましくは10
〜5000μm、さらに好ましくは20〜1000μm
程度である。
どによっては、金属表面に被膜(酸化被膜など)が形成
されることがある。この被膜は反応に悪影響を及ぼすこ
とがあるので、必要に応じて、切削、酸洗浄(塩酸洗浄
など)などによって除去してもよい。
ハロシランのハロゲン原子に対して、マグネシウム換算
で、0.5〜10当量、好ましくは1〜5当量程度であ
る。
用(還元)して、ジシランを形成させるとともに、マグ
ネシウム自身は酸化されてハロゲン化物を形成する。
行うのが有利である。金属触媒は、反応を促進できる限
り特に制限されないが、通常、リチウム化合物及び金属
ハロゲン化物から選択された少なくとも一種である。特
に、リチウム化合物及び金属ハロゲン化物の双方の共存
下で反応を行うと、効率よくジシランを生成できる。
ロシランの反応を促進する触媒として機能する。リチウ
ム化合物としては、ハロゲン化リチウム(塩化リチウ
ム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムなど)、無機酸塩
(硝酸リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、硫
酸リチウム、過塩素酸リチウム、リン酸リチウムなど)
などが使用できる。これらのリチウム化合物は、単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいリチウ
ム化合物は、過塩素酸リチウム及び塩化リチウムであ
る。
物の濃度が、低すぎると反応が進行しない虞があり、高
すぎると還元されて析出したリチウムの量が多すぎて、
所望の生成物であるジシランのSi−Si主鎖結合が開
裂して、ジシランの分子量が低下する虞がある。従っ
て、溶媒(又は反応混合液)中のリチウム化合物の濃度
は、通常、0.05〜5mol/L、好ましくは0.1
〜4mol/L、特に0.15〜3mol/L程度であ
る。
量100重量部に対して、0.1〜30重量部、好まし
くは1〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部
程度である。
じく金属ハロゲン化物もハロシランの反応を促進する触
媒として機能する。金属ハロゲン化物としては、通常、
多価金属ハロゲン化物が使用される。多価金属ハロゲン
化物としては、例えば、遷移金属(例えば、サマリウム
などの周期表3A族元素、チタンなどの周期表4A族元
素、バナジウムなどの周期表5A族元素、鉄、コバル
ト、パラジウムなどの周期表8族元素、銅などの周期表
1B族元素、亜鉛などの周期表2B族元素など)、周期
表3B族金属(アルミニウムなど)、周期表4B族金属
(スズなど)などの金属のハロゲン化物(塩化物、臭化
物又はヨウ化物など)が挙げられる。金属ハロゲン化物
を構成する前記金属の価数は、特に制限されないが、好
ましくは2〜4価、特に2又は3価である。これらの金
属ハロゲン化物は、単独で又は二種以上組み合わせて使
用できる。
ト、パラジウム、銅、亜鉛、チタン、バナジウム、サマ
リウム、アルミニウム及びスズから選択された少なくと
も一種の金属塩化物又は金属臭化物が好ましい。
えば、塩化物(FeCl2、FeCl3などの塩化鉄;C
oCl2、ZnCl2、TiCl4、VCl2、PdC
l2、SmCl2、AlCl3、SnCl2など)、臭化物
(FeBr2、FeBr3などの臭化鉄など)、ヨウ化物
(SmI2など)などが例示できる。これらの金属ハロ
ゲン化物のうち、塩化物(FeCl2、FeCl3などの
塩化鉄、ZnCl2、AlCl3など)、臭化物が好まし
く、通常、FeCl2、FeCl3などの塩化鉄及び/又
はZnCl2が使用される。
の濃度が低すぎると、反応が十分に進行しない虞がある
とともに、高すぎると反応に関与しない虞がある。従っ
て、溶媒中の金属ハロゲン化物の濃度は、通常0.00
1〜6mol/L、より好ましくは0.005〜4mo
l/L、特に好ましくは0.01〜3mol/L程度で
ある。
ンの総量100重量部に対して、0.1〜30重量部、
好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは3〜15
重量部程度である。
割合は、例えば、反応性を損なわない範囲で選択でき、
例えば、マグネシウム金属成分1モルに対して、金属触
媒の使用量は、0.01〜10モル、好ましくは、0.
02〜1モル(例えば、0.03〜0.5モル)程度で
ある。
ハロゲン化物を使用する場合、その割合は、例えば、前
者/後者=95/5〜5/95(モル比)、好ましくは
90/10〜20/80(モル比)、さらに好ましくは
85/15〜60/40(モル比)程度の範囲から選択
できる。
に際しては、溶媒を使用できる。溶媒としては、不活性
溶媒(非プロトン性溶媒)が広く使用でき、例えば、エ
ーテル類(1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、
テトラヒドロピランなどの環状C4-6エーテル、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメト
キシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテルなど
の鎖状C4-6エーテル)、カーボネート類(プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネートなど)、ニトリル
類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ルなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホ
キシドなど)、ハロゲン含有化合物(塩化メチレン、ク
ロロホルム、ブロモホルム、クロロベンゼン、ブロモベ
ンゼンなどのハロゲン化炭化水素など)、芳香族炭化水
素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭
化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、シク
ロオクタンなどの鎖状又は環状炭化水素類など)などが
挙げられ、混合溶媒として使用してもよい。溶媒として
は、極性溶媒単独(テトラヒドロフラン、1,2−ジメ
トキシエタンなど)、二種以上の極性溶媒の混合物、極
性溶媒と非極性溶媒との混合物などが好ましい。極性溶
媒と非極性溶媒との混合物を使用する場合、両者の割合
は、前者/後者(重量比)=1/0.01〜1/20程
度である。
濃度が低すぎると、反応効率が低下する虞があるととも
に、高すぎると金属触媒の溶解性が低下する虞がある。
従って、溶媒(又は反応混合液)中のハロシランの濃度
は、通常、0.05〜20mol/L、好ましくは0.
2〜15mol/L、特に0.3〜13mol/L程度
である。
ば、密閉可能な反応容器に、ハロシラン、マグネシウム
金属成分ならびに金属触媒(リチウム化合物及び/又は
金属ハロゲン化物)を溶媒とともに収容し、好ましくは
機械的又は磁気的に攪拌しつつ、反応を行うことによ
り、ジシランを生成できる。出発原料のハロシランは、
単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
ハロシランと第2のハロシランとの割合は、例えば、前
者/後者=10/90〜90/10(モル比)、20/
80〜80/20(モル比)、30/70〜70/30
(モル比)程度の範囲から選択できる。
についての制限は特にない。反応容器内は、乾燥雰囲気
であればよいが、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素ガ
ス、ヘリウムガス、アルゴンガス)の雰囲気、特に、脱
酸素し、乾燥したアルゴンガス雰囲気が好ましい。
属成分、金属触媒の量などにより異なるが、5分以上で
あり、通常、30分〜100時間程度である。反応温度
は、通常、−20℃から溶媒の沸点までの温度範囲内か
ら選択され、好ましくは0〜70℃、さらに好ましくは
20〜60℃程度の範囲内にある。本発明では、例え
ば、室温近傍の温度で、光照射器、超音波照射装置、電
極反応装置などの特殊な装置を用いることなく、攪拌と
いう簡便な操作でジシランを製造できる。生成したジシ
ランは、慣用の方法、例えば、濾過、減圧留去などの方
法で分離精製してもよい。
表されるジシランを得ることができる。
びR3bは同一又は異なって、水素原子、有機基又はシリ
ル基を示す) R1a〜R3bで表される有機基及びシリル基は、前記R1
〜R3に対応しており、前記有機基及びシリル基が例示
できる。
の分野、例えば、触媒、光学材料(レンズ、光伝達のた
めの光導波路など)、フォトレジスト材料、感光体など
の感光又は電子写真材料、光メモリなどの光記憶材料、
エレクトロルミネッセンス前駆体などとして有用なSi
−Si結合を有する化合物を製造するための中間体とし
て利用できる。
ンを製造できる。また、特殊な装置(電極反応装置な
ど)を用いることなく、安全、簡便かつ安価に、高い収
率でジシランを製造できる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
に、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム2
0.0g、過塩素酸リチウム10.0g、塩化亜鉛5.
0gを仕込み、30℃で1mmHg(=133kPa)
に加熱減圧して乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器
内に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで
乾燥したテトラヒドロフラン200mlを加え、室温で
約30分間攪拌した。この混合物に、予め蒸留により精
製したトリフェニルクロロシラン60.0g(204m
mol)を加えた後、室温で24時間攪拌した。反応終
了後、反応混合物に水100ml、35%塩酸20ml
を投入し、さらにトルエン300mlで抽出した。トル
エン層を純水200mlで5回洗浄し、トルエン層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、トルエンを
減圧留去した。生成物をマススペクトルで確認したとこ
ろ、ヘキサフェニルジシランが得られた(収率95
%)。
に、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム4
0.0g、塩化リチウム20.0g、塩化亜鉛10.0
gを仕込み、30℃で1mmHg(=133kPa)に
加熱減圧して乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内
に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾
燥したテトラヒドロフラン200mlを加え、室温で約
30分間攪拌した。この混合物に、予め蒸留により精製
したトリフェニルクロロシラン90.0g(306mm
ol)を加えた後、室温で36時間攪拌した。反応終了
後、反応混合物に水100ml、35%塩酸20mlを
投入し、さらにトルエン300mlで抽出した。トルエ
ン層を純水200mlで5回洗浄し、トルエン層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、トルエンを減
圧留去した。生成物をIPAで洗浄し、マススペクトル
で確認したところ、ヘキサフェニルジシランが得られた
(収率90%)。
8g(300mmol)用いる以外は、実施例1と同様
にして反応を行ったところ、1,2−ジメチル−1,
1,2,2−テトラフェニルジシランが得られた(収率
83%)。
て反応を行ったところ、ヘキサフェニルジシランが得ら
れた(収率89%)。
は、実施例1と同様にして反応を行ったところ、ヘキサ
フェニルジシランが得られた(収率87%)。
(306mmol)とトリメチルシラン16.6g(1
53mmol)の混合物を用いる以外は、実施例1と同
様にして反応を行ったところ、ヘキサフェニルジシラン
と1,1,1−トリメチル−2,2,2−トリフェニル
ジシランの混合物が得られた。
Claims (12)
- 【請求項1】 不活性溶媒中、金属触媒の存在下、下記
式(I) 【化1】 (式中、R1〜R3は同一又は異なって、水素原子、有機
基又はシリル基を示し、Xはハロゲン原子を示す)で表
されるハロシランに、マグネシウム金属成分を作用さ
せ、下記式(II) 【化2】 (式中、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a及びR3bは同一
又は異なって、水素原子、有機基又はシリル基を示す)
で表されるジシランを製造する方法。 - 【請求項2】 R1〜R3のうち少なくとも1つがアリー
ル基である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 ハロシランが、複数のハロシランで構成
されている請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 金属触媒が、リチウム化合物及び金属ハ
ロゲン化物から選択された少なくとも一種である請求項
1記載の方法。 - 【請求項5】 金属触媒が、リチウム化合物及び金属ハ
ロゲン化物である請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 リチウム化合物が、塩化リチウム又は過
塩素酸リチウムである請求項4又は5記載の方法。 - 【請求項7】 金属ハロゲン化物が、遷移金属元素、周
期表3B族元素及び周期表4B族元素から選択された少
なくとも一種の金属を含むハロゲン化物である請求項4
又は5記載の方法。 - 【請求項8】 金属ハロゲン化物が、Fe、Co、P
d、Cu、Zn、Ti、V、Sm、Al及びSnから選
択された少なくとも一種の金属を含む塩化物又は臭化物
である請求項4又は5記載の方法。 - 【請求項9】 金属触媒が、LiCl、FeCl2、F
eCl3、ZnCl2及びAlCl3から選択された少な
くとも一種である請求項4記載の方法。 - 【請求項10】 マグネシウム金属成分の使用量が、ハ
ロシランのハロゲン原子に対して、マグネシウム換算で
0.5〜10当量である請求項1記載の方法。 - 【請求項11】 リチウム化合物及び/又は金属ハロゲ
ン化物の使用量が、ハロシラン100重量部に対して、
それぞれ0.1〜30重量部である請求項4又は5記載
の方法。 - 【請求項12】 不活性溶媒中、リチウム化合物及び金
属ハロゲン化物の存在下、ジC1-4アルキルモノC6-10
アリールモノハロシラン、モノC1-4アルキルジC6-10
アリールモノハロシラン及びトリC6-10アリールモノハ
ロシランから選択された少なくとも一種に、マグネシウ
ム金属成分を作用させる請求項1記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002079379A JP2003277387A (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | ジシランの製造方法 |
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JP2002079379A JP2003277387A (ja) | 2002-03-20 | 2002-03-20 | ジシランの製造方法 |
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JP (1) | JP2003277387A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010163405A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Univ Of Tokyo | ヒドロオリゴシランのアリール化体及びそれを含む発光材料又は電子輸送材料、並びにヒドロオリゴシランのアリール化体の製造方法 |
CN111453736A (zh) * | 2020-04-27 | 2020-07-28 | 江苏鑫华半导体材料科技有限公司 | 三氯氢硅净化系统和方法 |
CN114621279A (zh) * | 2022-04-19 | 2022-06-14 | 湖南农业大学 | 光催化下芳基硅烷自偶联合成芳基硅烷二聚物类化合物的制备方法 |
-
2002
- 2002-03-20 JP JP2002079379A patent/JP2003277387A/ja active Pending
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