JP2003277190A - 磁性ガーネット材料、ファラデー回転子、光デバイス、光通信システムおよびビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法 - Google Patents

磁性ガーネット材料、ファラデー回転子、光デバイス、光通信システムおよびビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法

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JP2003277190A
JP2003277190A JP2002081981A JP2002081981A JP2003277190A JP 2003277190 A JP2003277190 A JP 2003277190A JP 2002081981 A JP2002081981 A JP 2002081981A JP 2002081981 A JP2002081981 A JP 2002081981A JP 2003277190 A JP2003277190 A JP 2003277190A
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crystal film
optical
faraday rotator
light
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Tamotsu Sugawara
保 菅原
Atsushi Oido
敦 大井戸
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TDK Corp
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、光アイソレータに用いられていたレン
ズを排除するか、またはレンズを用いたとしても従来よ
りも薄いレンズの使用を可能とする磁性ガーネット材料
の提供を課題とする。 【解決手段】 単結晶膜の育成過程において、冷却速度
を次第に速くすると、単結晶膜44内のBi濃度に勾配
がつく。Bi濃度に勾配がつくと、単結晶膜44内の屈
折率にも勾配がつく。この屈折率の勾配を用いて、ファ
ラデー回転子にレンズ機能を持たせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性ガーネット材
料、磁性ガーネット材料を用いたファラデー回転子、フ
ァラデー回転子を用いた光アイソレータ等の光デバイ
ス、さらには光デバイスを備えた光通信システムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在、伝送容量の小さい電気通信に対し
て、光通信の普及が加速している。光通信は、高速大容
量伝送が可能であること、中継器が少なくてすむために
長距離伝送に有利であること、さらに電磁ノイズの影響
を受けないという利点があるからである。現在の光通信
システムは、電気信号を光送信器のLD(レーザ・ダイ
オード)で光信号に変換し、この光信号を光ファイバで
伝送してから、光受信器のPD(フォト・ダイオード)
で電気信号に変換する。このように、光通信システムに
不可欠な要素は、LD、PD、光ファイバおよび光コネ
クタである。比較的低速かつ近距離の通信システムはと
もかく、高速かつ長距離の通信システムにおいては、以
上の要素のほかに、光増幅器、光分配器などの光伝送機
器、これら機器に適用される光アイソレータ、光サーキ
ュレータ、光カプラ、光分波器、光スイッチ、光変調
器、光減衰器などの光部品(光デバイス)が必要とな
る。
【0003】高速・長距離伝送、あるいは多分岐の光通
信システムで、とりわけ重要となるのは光アイソレータ
である。現在の光通信システムにおいて、光アイソレー
タは、光送信器のLDモジュールおよび中継器の中で使
用されている。光アイソレータは、電磁波を一方向にだ
け伝え、途中で反射して戻ってくる電磁波を阻止する役
割を持った光デバイスである。光アイソレータは、磁気
光学効果の一種であるファラデー効果を応用している。
ファラデー効果は、ファラデー効果を示す材料、すなわ
ち希土類鉄ガーネット単結晶膜などのファラデー回転子
を透過した光の偏波面が回転する現象をいう。ファラデ
ー効果のように光の偏波方向が回転する性質を旋光性と
呼ぶが、通常の旋光性と異なって、ファラデー効果にお
いては、光の進行方向を逆にしても元に戻らずに、さら
に偏波方向が回転する。ファラデー効果によって光の偏
波方向が回転する現象を利用した素子をファラデー回転
子という。
【0004】光送信器のLDの場合、LDから出射され
る光の振動方向(偏波方向)は1方向に決まっているの
で、構造の簡易な偏波依存型の光アイソレータが用いら
れる。従来の偏波依存型の光アイソレータは、ガーネッ
ト単結晶膜から構成されるファラデー回転子と、ファラ
デー回転子を取り囲みかつファラデー回転子を磁化する
ための円筒状の永久磁石と、ファラデー回転子の表裏両
面に配置される一対の偏光子とから構成される。この偏
光子は、45°の相対角度をもって配置される。なお、
光アイソレータにおいて、光が進む方向を順方向と、ま
た反射して戻る方向を逆方向と呼ぶことにする。
【0005】ファラデー回転子は光アイソレータの性能
を左右する。したがって、ファラデー回転子を構成する
材料の特性が、高性能な光アイソレータを得るために重
要となる。ファラデー回転子を構成する材料を選択する
上で重要な点は、使用波長(光ファイバの場合、1.3
1μm,1.55μm)におけるファラデー回転角が大
きいこと、および透明度が高いことである。このような
条件を具備する材料として、当初にはYIG(イットリ
ウム鉄ガーネット,Y3Fe512)が用いられていた
が、量産性、小型化の点で不十分であった。その後、ガ
ーネット型結晶の希土類サイトをビスマス(Bi)で置
換するとファラデー回転能が飛躍的に向上することが見
出され、以後はこのBi置換型希土類鉄ガーネット単結
晶がファラデー回転子に用いられるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図11は、従来のLD
モジュールの構成を示す図である。図11において、L
Dモジュールは、ケース内に配置されるLD322と、
LD322から出力される光(信号)が透過するレンズ
323aと、レンズ323aを透過した光(信号)の偏
波面を回転する光アイソレータ324と、光アイソレー
タ324を透過した光を収束するレンズ323bとを備
えている。ここで、レンズ323aは光アイソレータ3
24への光の入射を効率よく行うため、レンズ323b
は光アイソレータ324から出射された光を収束して光
ファイバ4への入射を効率よく行うために配設してい
る。ところが、レンズ323a,323bの存在は、光
アイソレータ324の小型化の妨げになっていた。ま
た、レンズ323a,323bの存在は、光の反射、吸
収を引き起こすので、挿入損失の観点からも望ましいも
のではない。特開2002−23104号公報には、フ
ァラデー回転子をレンズ状に加工し、屈折率を付与する
提案がなされている。ところが、磁性ガーネットは、そ
の膜厚を600μm程度の厚さとするのが限界であり、
レンズ形状に制約があるため、屈折率が制限される。
【0007】そこで、本発明は、従来用いられていたレ
ンズを排除するか、またはレンズを用いたとしても従来
よりも薄いレンズの使用を可能とする磁性ガーネット材
料の提供を課題とする。本発明は、そのような磁性ガー
ネット材料を得るのに好適な製造方法を提供する。また
本発明は、そのような磁性ガーネット材料を用いること
により、レンズの使用を排除するか、または従来よりも
薄いレンズの使用を可能にするファラデー回転子の提供
を課題とする。さらに本発明は、そのようなファラデー
回転子を使用することにより、小型化の可能な光デバイ
スの提供を課題とする。さらにまた本発明は、そのよう
な光デバイスを用いる光通信システムの提供を課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述のように、ファラデ
ー回転子とともに用いられるレンズの一方はファラデー
回転子に入射される光を収束し、また他方のレンズはフ
ァラデー回転子から出射される光を収束するためのもの
である。ここで、ファラデー回転子自体にレンズの機能
が付与されていれば、レンズは不要となる。ところで、
屈折率の均一な円柱状部材を光、例えば平行光が透過す
る場合、平行光は平行光のままで当該部材を出射する。
ところが、当該部材内部の周囲から中心軸にかけて屈折
率が高ければ、当該部材から出射される光は、前記中心
軸方向に収束する。つまり、ファラデー回転子に所定の
屈折率の勾配を形成すれば、ファラデー回転子にレンズ
機能を付与することができる。
【0009】磁性ガーネット材料から構成されるファラ
デー回転子において、このような機能を付与することが
できるかが問題となる。ところが、本発明者の検討によ
れば、磁性ガーネット材料、例えば、ビスマス置換型希
土類鉄ガーネット単結晶膜においては、単結晶膜内にお
いて構成元素、例えばビスマスの濃度に勾配をつけれ
ば、この勾配に追従して屈折率の勾配が形成される。そ
して、単結晶膜の育成過程において、ビスマス等のガー
ネット単結晶膜の構成元素の濃度に分布を形成させるこ
とのできる要因(以下、分布要因)がいくつか存在して
おり、この要因を制御することにより、ビスマス置換型
希土類鉄ガーネット単結晶膜内にビスマスの濃度に勾配
を形成することができる。かくして、本発明では、ファ
ラデー回転子にレンズ機能を付与することが可能となっ
た。
【0010】本発明は以上の技術的思想に基づくもので
あり、ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜から
構成され、この単結晶膜内に屈折率の勾配が形成されて
いることを特徴とする磁性ガーネット材料を提供する。
この磁性ガーネット材料単体または組み合わせることに
より、レンズ機能を付与することができる。本発明のビ
スマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜としては、そ
の化学組成が、Bi3-xxFe(5-y)y12(ただし、
A=Yを含む希土類元素、CaおよびLiの一種または
二種以上、M=Ga、Al、Ge、Sc、In、Si、
Ti、Mg、Mn、Zr、LiおよびTaの一種または
二種以上、0.2≦x≦2.5,0≦y≦2.0)のも
のを用いることができる。この単結晶膜は、詳しくは後
述するが、構成元素の最適な組み合わせによって、硬磁
性を発現することもできる。本発明の磁性ガーネット材
料において、屈折率の勾配は、単結晶膜の育成方向に形
成することができる。単結晶膜の育成過程において、単
結晶膜を構成する元素の分布要因を制御、具体的には変
動させることにより、屈折率の勾配を形成することがで
きるからである。
【0011】本発明により提供される磁性ガーネット材
料は、意識的に当該単結晶膜内においてその構成元素の
濃度に分布を形成するが、ファラデー回転子にレンズ機
能を付与するためには、その濃度の分布がレンズ機能を
具現できるように、規則的に変動したものである必要が
ある。したがって本発明は、Bi3-xxFe(5-y)y
12(ただし、A=Yを含む希土類元素、CaおよびLi
の一種または二種以上、M=Ga、Al、Ge、Sc、
In、Si、Ti、Mg、Mn、Zr、LiおよびTa
の一種または二種以上、0.2≦x≦2.5,0≦y≦
2.0)の化学組成を有する単結晶膜から構成され、こ
の単結晶膜を構成する所定の元素の濃度の分布が、前記
単結晶膜内で規則的に変動することを特徴とする磁性ガ
ーネット材料を提供する。この磁性ガーネット材料にお
いて、所定の元素としてBiの濃度の分布を規則的に変
動させることが、光アイソレータとして必要な屈折率の
勾配を形成する上で望ましい。ただし、本発明は、濃度
分布を形成する元素をBiに限定されるものでなく、上
記化学式中のA元素、FeおよびM元素のいずれの元素
であってもよい。
【0012】本発明は、入射された光の偏波面を回転さ
せるファラデー回転子を提供する。このファラデー回転
子は、1または2以上の磁性ガーネット単結晶膜から構
成することができる。そして、磁性ガーネット単結晶膜
の少なくとも1つを、屈折率が連続的に変化するものと
することにより、ファラデー回転子にレンズ機能を付与
することが可能となる。ここで、屈折率の連続的な変化
には、いくつかの形態がある。その1つとして、単結晶
膜の厚さ方向に亘って、屈折率が単調に減少しまたは単
調に増加する変化するものがある。この単結晶膜を2以
上組み合わせたファラデー回転子は、レンズ機能を持つ
ことができる。単一の単結晶膜で構成したファラデー回
転子がレンズ機能を備えるためには、単結晶膜の成長中
期に屈折率のピークが存在するように変化させればよ
い。
【0013】本発明は以上説明したファラデー回転子を
用いることにより以下の光デバイスを提供する。本発明
は、順方向の光が入射される第1の光学素子と、第1の
光学素子と所定間隔を隔てて対向配置され順方向の光が
出射される第2の光学素子と、第1の光学素子と第2の
光学素子との間に配置され、第1の光学素子を透過した
光の偏波面を回転させて第2の光学素子に向けて出射す
るとともに、第2の光学素子を透過した逆方向の光の透
過を阻止するファラデー回転子とを備え、ファラデー回
転子は、光の進行方向と垂直な方向に屈折率の勾配が形
成されていることを特徴とする光デバイスである。この
光デバイスのファラデー回転子において、ファラデー回
転子の前記垂直な方向の周端部から中央部に向けて屈折
率を高くすることが望ましい。
【0014】また本発明の利用形態として光通信システ
ムがある。この光通信システムは、電気信号から変換さ
れた光信号を発する光発信器と、光発信器から発せられ
る光信号を伝送する光伝送ラインと、光伝送ラインを介
して伝送された光信号を受信し、かつ受信した光信号を
電気信号に変換する光受信器とを備えている。そして、
光発信器または光伝送ラインに配設される光アイソレー
タとして、出射される光を収束させるファラデー回転子
を備え、このファラデー回転子によって光の偏波面を回
転させる。ファラデー回転子におけるレンズ機能は、フ
ァラデー回転子内における所定元素の変動によって形成
される。
【0015】本発明に用いられるビスマス置換型希土類
鉄ガーネット単結晶膜は、液相エピタキシャル法により
得ることができる。この製造方法は、希土類鉄ガーネッ
ト成分を構成する酸化物およびフラックス成分を坩堝に
投入するステップ(a)と、酸化物を加熱して融液を得
るステップ(b)と、回転状態にある単結晶膜育成基板
を融液に接触させ、かつビスマス置換型希土類鉄ガーネ
ット単結晶膜を構成する元素の変動要因を連続的または
断続的に変化させながら単結晶膜の育成を行うステップ
(c)とを備える。本発明の製造方法において、前記変
動要因には、前記育成中における、単結晶膜の冷却速度
および/または単結晶膜育成基板の回転速度がある。し
たがって、冷却速度および/または単結晶膜育成基板の
回転速度を変動することにより、単結晶膜中に構成元素
の濃度分布を形成することができる。また、前記育成中
に融液の濃度を変動させることも有効である。さらに、
以上では液相エピタキシャル法による単結晶膜の成長過
程で濃度勾配を形成することについて述べたが、ビスマ
ス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜を得た後に濃度勾
配を形成することもできる。イオン交換法によって濃度
勾配をつける方法である。例えば、屈折率を高くする元
素(前述のM元素の一つであるTa)、または屈折率を
低くする元素(前述のM元素またはA元素のLiのよう
に原子番号の小さい元素)を含む適当な溶媒に、ビスマ
ス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜を浸し、数百度で
加熱する。そうすると、ビスマス置換型希土類鉄ガーネ
ット単結晶膜内に、屈折率を高くする元素または低くす
る元素が拡散し、これら元素の濃度勾配を形成すること
ができる。この濃度勾配は同心円状とすることが可能
で、この濃度勾配によってレンズの機能を付与すること
ができる。また、液相エピタキシャル法以外でも濃度勾
配を有するビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜
を得ることができる。例えば、気相成長法の1つである
MOCVD(Metallorganic Chemical Vapor Depositio
n)法により成膜条件を制御することによって、膜厚方
向に濃度勾配をつけることもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
より詳細かつ具体的に説明する。まず、図1を用いて、
本発明が適用される光通信システム1について説明す
る。光通信システム1は、送信側と受信側との間で情報
を光信号によって伝送するためのシステムである。送信
側には光送信器2が、また受信側には光受信器3が配設
されている。光送信器2と光受信器3とは、光ファイバ
からなる光伝送ライン4で接続されている。光伝送ライ
ン4上には光増幅器5が介在している。光増幅器5は、
光伝送ライン4の長さに応じた数だけ設けられる。
【0017】光送信器2は、電子回路21と、LDモジ
ュール22とを備えている。伝送の対象となるデータを
電気信号として受けた電子回路21は、所定の処理を施
した後にLDモジュール22に出力する。LDモジュー
ル22は、受けた電気信号を光信号に変換した後に、光
伝送ライン4に伝送する。光受信器3は、PDモジュー
ル31と、電子回路32とを備えている。光伝送ライン
4から伝送された光信号を受けたPDモジュール31
は、電気信号に変換して電子回路32に出力する。電子
回路32は、受けた電気信号を受信側に出力する。光伝
送ライン4上に配置された光増幅器5は、光伝送ライン
4を伝送される光信号の減衰を防止するために増幅す
る。
【0018】図2は、LDモジュール22の構成を示す
図である。LDモジュール22は、ケース内に配置され
るLD222と、LD222から出力される光(信号)
の偏波面を回転する光アイソレータ224とを備えてい
る。従来のLDモジュールは、光アイソレータ224の
前後にレンズを配設していたのに対して、本実施の形態
によるLDモジュール22は、光アイソレータ224を
構成するファラデー回転子が、レンズとしての機能を兼
備するため、レンズの配設を不要とした。図3は、光ア
イソレータ224の構成を示す図である。図3に示すよ
うに、光アイソレータ224は、2つの偏光子224
a,224cの間にファラデー回転子224bが配置さ
れた構成を有する。2つの偏光子224a,224c
は、所定の間隔を隔てて対向配置される。いま、偏光子
224aに順方向の光が入射されるものとすると、順方
向の光は偏光子224cから光伝送ライン4に向けて出
射される。偏光子224a、224cは公知の材料を用
いることができる。例えば、コーニング社製のポーラ・
コア(商品名)が望ましいが、これに限定されるもので
はない。
【0019】ファラデー回転子224bは、偏光子22
4aを透過した光の偏波面を回転させて偏光子224c
に向けて出射する。また、ファラデー回転子224b
は、偏光子224cからの逆方向の光の透過を阻止す
る。本発明において、このファラデー回転子224bを
ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜で構成す
る。そして、このファラデー回転子224bは、光アイ
ソレータ224等の光デバイスの一部として機能する。
【0020】ファラデー回転子224bに用いるビスマ
ス置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜は、Bi3-xx
(5-y)y12(ただし、A=Yを含む希土類元素、C
aおよびLiの一種または二種以上、M=Ga、Al、
Ge、Sc、In、Si、Ti、Mg、Mn、Zr、L
iおよびTaの一種または二種以上、0.2≦x≦2.
5,0≦y≦2.0)の化学組成を有することが望まし
い。本発明に用いるビスマス置換型希土類鉄ガーネット
単結晶膜は、軟磁性および硬磁性のいずれのタイプであ
っても構わないが、主に軟磁性タイプに適用される。硬
磁性タイプの場合には、永久磁石が不要となるため、さ
らなる小型化が可能となる。本発明のビスマス置換型希
土類鉄ガーネット単結晶膜において、A元素は、Yを含
む希土類元素(Y、Gd、Tb、Yb、Sm,Eu,D
y,Lu,Tm,Er,Ho)、CaおよびLiの一種
または二種以上である。A元素の量であるxは、0.2
≦x≦2.5である。xが0.2未満になると、イオン
半径の大きいBiの量が相対的に多くなり、LPE法に
より単結晶膜を育成するためのLPE基板との格子定数
の整合性が取れなくなる。また、xが2.5を超える
と、逆にBiの量が相対的に少なくなり、ファラデー回
転能が小さくなる。結果として、単結晶膜の厚さを厚く
しなければならず、LPE法による単結晶膜の育成が難
しくなり、歩留まりの低下を来たす。xの望ましい範囲
は1.0≦x≦2.3、さらに望ましい範囲は1.3≦
x≦2.0である。
【0021】希土類元素としては、Gd、TbおよびY
bの3つの元素を選択するのが望ましい。Gdは磁気モ
ーメントが希土類元素の中で最も大きいため、飽和磁化
(4πMs)の低減に有効である。また、GdBi系の
ガーネットは、磁化反転温度が−10℃程度と、TbB
i系のガーネットの−50℃に比べて室温に近いため、
硬磁性のビスマス置換型希土類鉄ガーネット材料を得る
場合には有利である。さらに、Gdは1.2μm以上の
波長の光の吸収がないため、挿入損失にとって有利であ
る。Tbは、温度特性、波長特性を確保するために有効
な元素である。Gdは磁気異方性が大きく高保磁力化に
有効な元素であるが、保持力への寄与はTbのほうが大
きい。本発明のビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結
晶膜は、LPE法により形成することができるが、Yb
は、当該単結晶膜の格子定数を基板の格子定数と整合さ
せるために含有される。ファラデー回転能を大きくする
ためには、Biを多く含む結晶とすることが望まれる。
ここで、LPE法に用いられる基板(以下、LPE基
板)は、所定の格子定数を有している。Biはイオン半
径が大きいために、単にBiの量を多くしたのでは、得
たい結晶膜の格子定数と基板の格子定数の整合が取れな
くなる。そこで、Biの量を多くしつつ、イオン半径の
小さいYbを含有せしめることにより、得たい結晶膜の
格子定数と基板の格子定数の整合を取るのである。そし
て、Ybは光通信に使用される光の波長域で光吸収がな
いので、挿入損失を劣化させることもない。また、S
m、EuおよびDyはGdおよびTbと同様に磁気異方
性が大きい。また、Lu,Tm,Er,HoおよびY
は、Dyよりもイオン半径が小さい点でYbと共通す
る。
【0022】本発明のビスマス置換型希土類鉄ガーネッ
ト材料において、MはFeの一部を置換する元素であ
り、Ga、Al、Ge、Sc、In、Si、Ti、M
g、Mn、Zr、LiおよびTaの一種または二種以上
から選択される。この中では4πMsの低減の観点から
Gaが最も望ましい元素である。MのFeに対する置換
量であるyは0≦y≦2.0とする。yが2.0を超え
ると、単結晶の育成中に溶融部分に不必要な結晶核が生
成して単結晶の健全な育成が困難となる。望ましいyの
範囲は0≦y≦1.7、さらに望ましいyの範囲は0≦
y≦1.5である。
【0023】本発明のビスマス置換型希土類鉄ガーネッ
ト単結晶膜は、LPE法により形成されることを前提と
するが、Ybは、当該単結晶膜の格子定数を基板の格子
定数と整合させるために含有される。ファラデー回転能
を大きくするためには、Biを多く含む結晶とすること
が望まれる。ここで、ファラデー回転角は、ファラデー
回転子224bを構成する材料の厚さに比例し、単位厚
さあたりの回転角をファラデー回転能と呼ぶ。また、光
アイソレータ224に用いられるファラデー回転子22
4bの回転角は45°であるから、ファラデー回転能が
大きいほどファラデー回転子224bの厚さを薄くで
き、小型化にとって有利となる。
【0024】また、LPE法に用いられる基板(以下、
LPE基板)は、所定の格子定数を有している。Biは
イオン半径が大きいために、単にBiの量を多くしたの
では、得たい結晶膜の格子定数と基板の格子定数の整合
が取れなくなる。そこで、Biの量を多くしつつ、イオ
ン半径の小さいYbを含有せしめることにより、得たい
結晶膜の格子定数と基板の格子定数の整合を取るのであ
る。そして、Ybは光通信に使用される光の波長域で光
吸収がないので、挿入損失を劣化させることもない。
【0025】本発明によるファラデー回転子224b
は、以上説明したビスマス置換型希土類鉄ガーネット材
料を例えばLPE法により育成した単結晶膜から構成す
ることができる。この単結晶膜は、以下に示すとおり、
その構成元素の濃度分布に勾配がある。
【0026】次に、単結晶膜育成工程について説明す
る。本発明による単結晶膜は、LPE法により育成する
ことができる。図4はLPE法により単結晶膜を育成し
ている様子を示している。図4に示すように、例えば白
金製の坩堝40に得たい単結晶膜の原料とフラックスと
を投入する。坩堝40に投入された原料とフラックスと
は、加熱コイル41へ通電することにより加熱、溶融し
てメルト42を形成する。メルト42の温度を下げて過
冷却状態にして、LPE基板43を回転させながらメル
ト42に接触させると、LPE基板43上に、単結晶膜
44がエピタキシャル成長する。なお、育成された単結
晶膜44には、フラックスおよび坩堝40から不純物が
不可避的に混入するが、本発明がこのような不可避的不
純物の混入を許容することは言うまでもない。もちろ
ん、本発明の効果を実行あらしめるために、これら不純
物の混入を低減することが望ましいことは言うまでもな
い。
【0027】本発明では、単結晶膜44の育成過程で、
冷却速度およびLPE基板43の回転速度のいずれか一
方または双方を変動させる。育成される単結晶膜44
に、その構成元素の濃度分布に勾配を形成するためであ
る。前述した組成のビスマス置換型希土類鉄ガーネット
単結晶膜の場合、冷却速度、LPE基板43の回転速度
を変動させることにより、Biの濃度を変動させること
ができる。具体的には、冷却速度またはLPE基板43
の回転速度を速くすればBiの濃度が高くなり、逆に、
冷却速度またはLPE基板43の回転速度を遅くすれば
Biの濃度が低くなる。この現象を利用することによ
り、単結晶膜44に構成元素の濃度勾配を形成する。B
iの濃度分布に勾配があると、単結晶膜44の屈折率に
も勾配が形成される。本発明は、このBiの濃度分布に
勾配があることを利用して、ファラデー回転子224b
にレンズ機能を付与する。この点については、後述す
る。
【0028】単結晶膜44に形成される屈折率の勾配に
は、いくつかのパターンがある。このうち、典型的なパ
ターンを図5〜図8に基づいて説明する。1つ目は、屈
折率が単調増加(または単調減少でもよい)するパター
ン(以下、パターンA)である。パターンAは、単結晶
膜44の育成初期から育成後期にかけて、Biの濃度変
動要因、具体的には冷却速度および/またはLPE基板
43の回転速度を、連続的に増大することにより実現す
ることができる。図5は、単結晶膜44の育成時間(横
軸)と、冷却速度およびBiの濃度(縦軸)との関係を
概念的に示すグラフである。図5に示すように、冷却速
度の増大とともにBiの濃度が上昇する勾配が形成され
る。得られた単結晶膜44を概念的に示すのが図6であ
る。図6のグラデーションは、Biの濃度を表してお
り、色が濃いほどBiの濃度が高く、色が薄いほどBi
の濃度が低い。図6に示すように、単結晶膜44の育成
方向に単調増加(または単調減少でもよい)するBiの
濃度勾配が形成されており、この単結晶膜44の屈折率
もまた育成方向に勾配が形成されることになる。なお、
以上では、冷却速度および/またはLPE基板43の回
転速度を、連続的に増大(減少)する例を示したが、断
続的に増大(減少)することができることはいうまでも
ない。
【0029】2つ目として、単調増加と単調減少の組み
合わせからなるパターンがある。例えば、単結晶膜44
の育成初期から中期にかけて冷却速度を速くしていき、
中期を過ぎて育成後期にかけて冷却速度を遅くしていく
というパターン(以下、パターンB)である。図7は、
パターンBにおける育成時間(横軸)と、冷却速度およ
びBiの濃度(縦軸)との関係を概念的に示している。
また、図8に得られた単結晶膜44におけるBiの濃度
を概念的に示す。図7および図8に示すように、パター
ンBによれば、単結晶膜44の育成方向中期にBiの濃
度ピークが存在する。つまり、単結晶膜44の膜厚の中
央部分でピークを示す屈折率の勾配が形成されている。
パターンAおよびパターンBはともに、Biの濃度分布
が規則的に変動しており、このような単結晶膜44を用
いることにより、レンズ機能を有するファラデー回転子
224bを得ることができる。
【0030】そこで、以下では、この単結晶膜44を用
いたファラデー回転子224bの構成について説明す
る。図9は、前述のパターンAによる単結晶膜44を用
いて構成したファラデー回転子224bを示す図であ
る。このファラデー回転子224bは、パターンAによ
る単結晶膜44に加工を施して構成される。つまり、図
9(a)、(b)に示すように、まず、単結晶膜44か
ら、所定寸法(例えば2mm角)の部材441、442
を2つ切り出す。この切り出された部材441、442
を、図9(c)に示すように、Biの濃度の濃い側同士
を突き合わせて貼り合わせる。貼り合わせは、部材44
1、442の貼り合わせ面を高精度に研磨することによ
り、オプティカル・コンタクトで実現することができ
る。部材441および442を貼り合わせることにより
得られたファラデー回転子224bは、光の進行方向と
垂直な方向に屈折率の勾配が形成されている。より具体
的には、光の進行方向の周縁部から中央部に向けて屈折
率が高くなっている。図9(d)に一点鎖線で示すよう
に、ファラデー回転子224bがレンズ機能を有してい
るため、このファラデー回転子224bを出射する光は
収束する。
【0031】次に、パターンBによる単結晶膜44の場
合は、必要なサイズに切り出すだけで、ファラデー回転
子224bを構成することができる。つまり、図10
(a)に示すように、単結晶膜44から所定のサイズで
部材443を切り出す。この部材443を、図10
(b)に示すように、単結晶膜44の育成方向をファラ
デー回転子224bの光の進行方向に一致するように配
置する。そうすると、光の進行方向の周縁部から中央部
に向けて屈折率が高くなるファラデー回転子224bが
構成されることになる。この場合も、ファラデー回転子
224bは、レンズ機能を備える。
【0032】以上では、断面が矩形のファラデー回転子
224bについて説明したが、本発明は断面が円形等他
の形状のファラデー回転子224bに適用することがで
きる。例えば、断面が円形のファラデー回転子224b
の場合には、同心円状に屈折率の分布を形成することも
できる。例えば、断面が円形のファラデー回転子の場合
には、イオン交換法や育成条件を適宜変動することによ
り、同心円状に屈折率の分布を形成することもできる。
また、育成条件を適宜変動することにより、種々の屈折
率の勾配のパターンを有する単結晶膜44を得ることが
でき、この単結晶膜44を単独または組み合わせること
により、任意の屈折率の分布を有するファラデー回転子
224bを得ることが可能となる。
【0033】以下本発明の具体的な実施例について説明
する。 (実施例1)酸化ビスマス(Bi23,4N)、酸化第
2鉄(Fe23,4N)、酸化ガドリニウム(Gd
23,5N)、酸化テルビウム(Tb47,3N) 、
を原料として、図4に示す装置を用いて、エピタキシャ
ル成長により、厚さ300μmのビスマス置換型希土類
鉄磁性ガーネット単結晶膜を育成した。用いたLPE基
板は、(111)ガーネット単結晶((GdCa)
3(GaMgZr)512)である。この基板の格子定数
は、1.2497±0.0002nmである。単結晶膜
の育成過程において、LPE基板の回転速度を育成初期
から育成後期にかけて10rpmから300rpmまで
連続的に変動させた。なお、前記原料のほかに、酸化鉛
(PbO,4N)および酸化ほう素(B23,5N)を
フラックスとして白金製の坩堝40に投入した。
【0034】得られた単結晶膜44の組成分析を行った
結果、育成初期がBi0.3Gd1.0Tb1.7Fe
5.012.0、育成後期がBi1.5Gd0.5Tb1.0Fe5.0
12.0であった。また、この単結晶膜44の屈折率を測
定したところ、育成初期が2.20、後期が2.48で
あった。この単結晶膜44は、軟磁性タイプのものであ
る。この単結晶膜44を用いれば,図9に示した形態の
ファラデー回転子224bを得ることができる。この結
果、レンズが不要かもしくは厚さの薄いレンズで足りる
光アイソレータ224を得ることができる。
【0035】(実施例2)酸化ビスマス(Bi23,4
N)、酸化第2鉄(Fe23,4N)、酸化ガドリニウ
ム(Gd23,5N)、酸化テルビウム(Tb47,3
N) 、酸化イッテルビウム(Yb23,4N)、酸化
ガリウム(Ga23,4N)を原料として、図4に示す
装置を用いて、エピタキシャル成長により、厚さ500
μmのビスマス置換型希土類鉄磁性ガーネット単結晶膜
を育成した。用いたLPE基板は、(111)ガーネッ
ト単結晶((GdCa)3(GaMgZr)512)であ
る。この基板の格子定数は、1.2497±0.000
2nmである。単結晶膜の育成過程において、育成初期
の冷却速度を0.1℃/hとし、これを育成中期にかけ
て3℃/hまで連続的に増大させ、育成中期から育成後
期にかけて0.1℃/hまで連続的に減少させた。な
お、前記原料のほかに、酸化鉛(PbO,4N)および
酸化ほう素(B23,5N)をフラックスとして白金製
の坩堝40に投入した。
【0036】得られた単結晶膜44の組成分析を行った
結果、育成初期および後期がBi0. 4Gd0.8Tb1.3
0.5Fe4.1Ga0.912.0、育成中期がBi1.4Gd
0.5Tb 0.9Yb0.2Fe4.1Ga0.912.0であった。こ
の単結晶膜44は、硬磁性を示し、一度着磁すると、外
部磁界を取り除いても単磁区を維持でき、永久磁石を使
用しない光アイソレータを得ることができる。また、こ
の単結晶膜44の屈折率を測定したところ、育成初期お
よび後期が2.25、育成中期が2.46であった。こ
の単結晶膜44を用いれば,図10に示した形態のファ
ラデー回転子224bを得ることができる。この結果、
レンズが不要かもしくは厚さの薄いレンズで足りる光ア
イソレータ224を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光アイソレータ等の光デバイスで従来用いられてきたレ
ンズを排除するか、またはレンズを用いたとしても従来
よりも薄いレンズの使用を可能とする磁性ガーネット材
料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態による光通信システムの構成を
示す図である。
【図2】 本実施の形態によるLDモジュールの構成を
示す図である。
【図3】 本実施の形態による光アイソレータの構成を
示す図である。
【図4】 LPE法を説明するための図である。
【図5】 本実施の形態による単結晶膜のBiの濃度勾
配を示すグラフである。
【図6】 本実施の形態による単結晶膜のBiの濃度勾
配を模式的に示す図である。
【図7】 本実施の形態による単結晶膜のBiの濃度勾
配の他の例を示すグラフである。
【図8】 本実施の形態による単結晶膜のBiの濃度勾
配の他の例を模式的に示す図である。
【図9】 本実施の形態によるファラデー回転子の一例
を示す図である。
【図10】 本実施の形態によるファラデー回転子の他
の例を示す図である。
【図11】 従来のLDモジュールの構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…光通信システム、2…光送信器、21…電子回路、
22…LDモジュール、222…LD、224…光アイ
ソレータ、224a,224c…偏光子、224b…フ
ァラデー回転子、3…光受信器、31…PDモジュー
ル、32…電子回路、4…光伝送ライン、5…光増幅
器、40…坩堝、41…加熱コイル、42…メルト、4
3…LPE基板、44…単結晶膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H079 AA03 AA12 BA02 DA13 2H099 AA01 BA02 CA11 4G077 AA03 BC22 BC25 BC27 BC28 CG02 CG07 EH07 EH08 HA01 QA04 QA11 QA38

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス置換型希土類鉄ガーネット型単
    結晶膜から構成され、 前記単結晶膜内に屈折率の勾配が形成されていることを
    特徴とする磁性ガーネット材料。
  2. 【請求項2】 前記単結晶膜の化学組成が、 Bi3-xxFe(5-y)y12 (ただし、A=Yを含む希土類元素、CaおよびLiの
    一種または二種以上、M=Ga、Al、Ge、Sc、I
    n、Si、Ti、Mg、Mn、Zr、LiおよびTaの
    一種または二種以上、0.2≦x≦2.5,0≦y≦
    2.0)であることを特徴とする請求項1に記載の磁性
    ガーネット材料。
  3. 【請求項3】 前記単結晶膜の育成方向に前記屈折率の
    勾配が形成されていることを特徴とする請求項1または
    2に記載の磁性ガーネット材料。
  4. 【請求項4】 Bi3-xxFe(5-y)y12 (ただし、A=Yを含む希土類元素、CaおよびLiの
    一種または二種以上、M=Ga、Al、Ge、Sc、I
    n、Si、Ti、Mg、Mn、Zr、LiおよびTaの
    一種または二種以上、0.2≦x≦2.5,0≦y≦
    2.0)の化学組成を有する単結晶膜から構成され、 前記単結晶膜を構成する所定の元素の濃度の分布が、前
    記単結晶膜内で規則的に変動することを特徴とする磁性
    ガーネット材料。
  5. 【請求項5】 前記所定の元素がBiであることを特徴
    とする請求項4に記載の磁性ガーネット材料。
  6. 【請求項6】 入射された光の偏波面を回転させるファ
    ラデー回転子であって、 前記ファラデー回転子は、1または2以上の磁性ガーネ
    ット単結晶膜から構成され、 前記磁性ガーネット単結晶膜の少なくとも1つは、屈折
    率が連続的に変化することを特徴とするファラデー回転
    子。
  7. 【請求項7】 前記単結晶膜の厚さ方向に亘って、屈折
    率が単調に減少しまたは単調に増加する変化であること
    を特徴とする請求項6に記載のファラデー回転子。
  8. 【請求項8】 前記単結晶膜の成長中期に屈折率のピー
    クが存在することを特徴とする請求項6に記載のファラ
    デー回転子。
  9. 【請求項9】 順方向の光が入射される第1の光学素子
    と、 前記第1の光学素子と所定間隔を隔てて対向配置され前
    記順方向の光が出射される第2の光学素子と、 前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との間に配置
    され、前記第1の光学素子を透過した光の偏波面を回転
    させて前記第2の光学素子に向けて出射するとともに、
    前記第2の光学素子を透過した逆方向の光の透過を阻止
    するファラデー回転子とを備え、 前記ファラデー回転子は、前記光の進行方向と垂直な方
    向に屈折率の勾配が形成されていることを特徴とする光
    デバイス。
  10. 【請求項10】 前記屈折率の勾配は、前記ファラデー
    回転子の前記垂直な方向の周端部から中央部に向けて屈
    折率が高くなることを特徴とする請求項9に記載の光デ
    バイス。
  11. 【請求項11】 電気信号から変換された光信号を発す
    る光発信器と、 前記光発信器から発せられる前記光信号を伝送する光伝
    送ラインと、 前記光伝送ラインを介して伝送された前記光信号を受信
    し、かつ受信した前記光信号を電気信号に変換する光受
    信器と、 前記光発信器または前記光伝送ラインに配設される、入
    射した光の偏波面を回転して出射させる光アイソレータ
    と、を備えた光通信システムであって、 前記光アイソレータは、出射される光を収束させるファ
    ラデー回転子によって前記光の偏波面を回転させること
    を特徴とする光通信システム。
  12. 【請求項12】 前記ファラデー回転子は、所定元素の
    変動によって出射される光を収束させることを特徴とす
    る請求項11に記載の光通信システム。
  13. 【請求項13】 液相エピタキシャル法によりビスマス
    置換型希土類鉄ガーネット単結晶膜を製造する方法であ
    って、 希土類鉄ガーネット成分を構成する酸化物およびフラッ
    クス成分を坩堝に投入するステップ(a)と、 前記酸化物を加熱して融液を得るステップ(b)と、 回転状態にある単結晶膜育成基板を前記融液に接触さ
    せ、かつ前記ビスマス置換型希土類鉄ガーネット単結晶
    膜を構成する元素の変動要因を連続的または断続的に変
    化させながら前記単結晶膜の育成を行うステップ(c)
    と、を備えたことを特徴とするビスマス置換型希土類鉄
    ガーネット単結晶膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記ステップ(c)において、前記単
    結晶膜の冷却速度および/または前記単結晶膜育成基板
    の回転速度を連続的または断続的に変化させることを特
    徴とする請求項13に記載のビスマス置換型希土類鉄ガ
    ーネット単結晶膜の製造方法。
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