JP2003276462A - トランスファー用切替装置 - Google Patents

トランスファー用切替装置

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JP2003276462A JP2002081727A JP2002081727A JP2003276462A JP 2003276462 A JP2003276462 A JP 2003276462A JP 2002081727 A JP2002081727 A JP 2002081727A JP 2002081727 A JP2002081727 A JP 2002081727A JP 2003276462 A JP2003276462 A JP 2003276462A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスファー本体側の設計変更の負担を軽
減することができるトランスファー用切替装置を提供す
る。 【解決手段】 シフトアクチュエータ17は、シフトレ
バーが直結可能な変速切替用シャフト21及び分配切替
用シャフト31の各取付具41,42にそれぞれ直結さ
れる取付部材47b,48bを有する変速切替用ラック
付シャフト47及び分配切替用ラック付シャフト48を
備えている。シフトアクチュエータ17は、駆動ユニッ
トにより分配切替用ラック付シャフト48を往復移動さ
せて分配切替用シャフト31を介して2輪駆動・4輪駆
動の切り替えを行うとともに、変速切替用ラック付シャ
フト47を往復移動させて変速切替用シャフト21を介
して変速比の切り替えを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2輪駆動・4輪駆
動の切り替え及び高速側・低速側での変速比の切り替え
を行うトランスファー用切替装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、4輪駆動車において2輪駆動・4
輪駆動を切り替えるトランスファーとしては種々のもの
が提案されており、特に4輪駆動時の悪路走行性能の向
上のために変速比を高速側と低速側とで切り替え可能な
トランスファーも知られている。
【0003】図7は、こうした2輪駆動・4輪駆動の切
替機構、高速側・低速側の切替機構を併せ備えたトラン
スファー90を示す部分断面図である。同図に示される
ように、上記切替機構等を収容するトランスファー本体
側のハウジング91には、運転席の近傍において凹部9
1aが形成されている。変速比を高速側と低速側とで切
り替える変速切替用シャフト92及び2輪駆動・4輪駆
動を切り替える分配切替用シャフト93は、図7におい
て紙面と直交する方向に並設されており、それぞれその
基端部を凹部91aに現出させている。これら変速切替
用シャフト92及び分配切替用シャフト93は、軸線方
向に移動されることでそれぞれ対応する切り替えを行
う。
【0004】変速切替用シャフト92及び分配切替用シ
ャフト93の各基端部には、略有底筒状の取付具94,
95が固着されている。この取付具94,95にはそれ
ぞれ一側方向(図7の上下方向)に取付溝94a,95
aが形成されており、シフトレバー96の係合ピン96
aが連結されている。シフトレバー96は、例えば2輪
駆動時において一側(図7の左側)に操作されることで
取付具95を介して分配切替用シャフト93を軸線方向
に引き戻し、4輪駆動へと切り替える。また、シフトレ
バー96は、4輪駆動時において他側(図7において紙
面と直交する下側)に操作(セレクト)され、更に一側
(図7の左側)に移動されることで取付具94を介して
変速切替用シャフト92を軸線方向に引き戻し、変速比
を高速側から低速側へと切り替える。
【0005】ところで、こうした手動(マニュアル)操
作による各切り替えの煩わしさを解消するために切り替
え用のアクチュエータを採用したトランスファーも提案
されており、例えば特開平10−109563号公報に
記載されたものが知られている。
【0006】この公報に記載のトランスファーは、変速
切替用シャフト(Hi−Lo切替スリーブを操作するロ
ッド)及び分配切替用シャフト(2−4切替スリーブを
操作するロッド)に連結されるアクチュエータを備えて
いる。すなわち、このアクチュエータはモータに回転駆
動される大径ギヤ及び小径ギヤを備えており、それぞれ
変速切替用シャフト及び分配切替用シャフトの各ラック
部に噛合連結されている。従って、モータにより大径ギ
ヤ及び小径ギヤが回転駆動されることにより変速切替用
シャフト及び分配切替用シャフトがそれぞれ軸線方向に
移動し、変速比の切り替え及び2輪駆動・4輪駆動の切
り替えがそれぞれ行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このアクチ
ュエータは、変速切替用シャフト及び分配切替用シャフ
トの各ラック部に直に大径ギヤ及び小径ギヤが噛合連結
されてモータの駆動力を変速切替用シャフト及び分配切
替用シャフトに直接伝達する構成を採用している。この
ため、シフトレバーが連結可能な従来品のトランスファ
ー本体側に対し大幅な設計変形を余儀なくされている。
【0008】本発明の目的は、トランスファー本体側の
設計変更の負担を軽減することができるトランスファー
用切替装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、シフトレバーが直結可
能な分配切替用シャフト及び変速切替用シャフトの各取
付部にそれぞれ直結される取付部材を有する分配切替用
出力シャフト及び変速切替用出力シャフトと、前記分配
切替用出力シャフトを往復移動させて前記分配切替用シ
ャフトを介して2輪駆動・4輪駆動の切り替えを行うと
ともに、前記変速切替用出力シャフトを往復移動させて
前記変速切替用シャフトを介して変速比の切り替えを行
う駆動源とを備えたことを要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のトランスファー用切替装置において、前記分配切替用
出力シャフト及び変速切替用出力シャフトの少なくとも
一方を所定切替位置に位置決めする位置決め手段を備え
たことを要旨とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のトランスファー用切替装置において、前記位置決め手
段は、前記分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力
シャフトの少なくとも一方の径方向に凹設された係止凹
部と、該分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力シ
ャフトの少なくとも一方の所定切替位置において該係止
凹部に付勢される係止ボールにより構成されたことを要
旨とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載のトランスファー用切替装置において、前記位置
決め手段は、前記分配切替用出力シャフト及び変速切替
用出力シャフトのいずれか一方が往復移動するときに他
方の往復移動を規制するインターロック構造を備えたこ
とを要旨とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載のトランスファー用切替装置において、
前記分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力シャフ
トは、前記駆動源の出力軸に設けられた2段欠歯ピニオ
ンに噛合連結されて選択的に往復移動されることを要旨
とする。
【0014】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
シフトレバーが直結可能な分配切替用シャフト及び変速
切替用シャフトの各取付部にそれぞれ直結される取付部
材を有する分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力
シャフトを備えている。従って、トランスファー本体側
に配設される分配切替用シャフト及び変速切替用シャフ
トの各取付部にシフトレバー若しくは分配切替用出力シ
ャフト及び変速切替用出力シャフトの取付部材を選択的
に直結すれば、手動(マニュアル)での切替構造、駆動
源を用いた切替構造のいずれにも対応可能である。この
ため、トランスファー本体側の設計変更の負担が軽減さ
れ、その汎用性も向上される。
【0015】請求項2又は3に記載の発明によれば、上
記分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力シャフト
の少なくとも一方を所定切替位置に位置決めする位置決
め手段を備えている。従って、分配切替用出力シャフト
及び変速切替用出力シャフトの少なくとも一方を介した
分配切替用シャフト若しくは変速切替用シャフトの所定
切替位置での作動がより確実化される。
【0016】請求項4に記載の発明によれば、分配切替
用出力シャフト及び変速切替用出力シャフトのいずれか
一方が往復移動するときに他方の往復移動を規制するイ
ンターロック構造を備えている。従って、分配切替用シ
ャフト若しくは変速切替用シャフトの所定切替位置での
作動が更に確実化される。
【0017】請求項5に記載の発明によれば、上記分配
切替用出力シャフト及び変速切替用出力シャフトは、前
記駆動源の出力軸に設けられた2段欠歯ピニオンに噛合
連結されて選択的に往復移動される。従って、例えば上
記分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力シャフト
に対してそれぞれ個別に駆動源の出力軸を配設し、それ
ぞれに設けられたピニオンにて分配切替用出力シャフト
及び変速切替用出力シャフトを独立で往復移動させる場
合に比べてその駆動のための構成は簡易なものとされ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図6に従って説明する。図1は、本実施形
態が適用されるトランスファー10を示す部分断面図で
ある。同図に示されるように、このトランスファー10
は、トランスファー本体側を構成する変速機構11、分
配機構12、リアドライブシャフト13、フロントドラ
イブシャフト14、アイドラシャフト15、並びにこれ
ら変速機構11及び分配機構12等を収容するハウジン
グ16と、シフトアクチュエータ17とを備えている。
【0019】上記変速機構11は、変速切替用シャフト
21の先端側に固着された変速切替用フォーク22を介
して変速切替用スリーブ23が軸線方向一側及び他側に
選択的に移動されることで変速比を高速側若しくは低速
側に切り替える。すなわち、上記リアドライブシャフト
13にはスプライン24が固着されており、その一側及
び他側(図1の左側及び右側)にはそれぞれエンジン側
の駆動力が伝達される入力ギヤ25及び低速ギヤ26が
軸支されている。一方、アイドラシャフト15には、こ
れら入力ギヤ25及び低速ギヤ26に噛合連結されたア
イドラギヤ27が軸支されている。変速切替用スリーブ
23が軸線方向一側(図1の左側)に移動すると、入力
ギヤ25は変速切替用スリーブ23を介してスプライン
24(リアドライブシャフト13)に連結される。従っ
て、リアドライブシャフト13は入力ギヤ25の回転数
のまま高速で回転する。また、変速切替用スリーブ23
が軸線方向他側(図1の右側)に移動すると、入力ギヤ
25はスプライン24から切り離される。そして、低速
ギヤ26は、変速切替用スリーブ23を介してスプライ
ン24(リアドライブシャフト13)に連結される。従
って、リアドライブシャフト13は、アイドラギヤ27
及び低速ギヤ26を介した変速比(減速比)に応じた入
力ギヤ25の回転数で低速回転する。
【0020】上記分配機構12は、分配切替用シャフト
31の先端側に固着された分配切替用フォーク32を介
して分配切替用スリーブ33が軸線方向一側及び他側に
選択的に移動されることで2輪駆動若しくは4輪駆動に
切り替える。すなわち、上記リアドライブシャフト13
にはスプライン34が固着されており、その他側(図1
の右側)には分配出力用スプロケット35が軸支されて
いる。一方、フロントドライブシャフト14には、分配
入力用スプロケット36が固着されており、これら分配
出力用スプロケット35及び分配入力用スプロケット3
6にはチェーン37が掛架されている。分配切替用スリ
ーブ33が軸線方向一側(図1の左側)に移動すると、
分配出力用スプロケット35はスプライン34(リアド
ライブシャフト13)から切り離される。従って、フロ
ントドライブシャフト14には駆動力が分配されず、リ
アドライブシャフト13のみが回転する。そして、エン
ジンの駆動力が後輪のみへと伝達される(2輪駆動)。
また、分配切替用スリーブ33が軸線方向他側(図1の
右側)に移動すると、分配出力用スプロケット35は分
配切替用スリーブ33を介してスプライン34(リアド
ライブシャフト13)に連結される。従って、フロント
ドライブシャフト14に駆動力が分配され、リアドライ
ブシャフト13とともに回転する。そして、エンジンの
駆動力が後輪及び前輪へと伝達される(4輪駆動)。
【0021】ここで、上記ハウジング16には、運転席
の近傍において凹部16aが形成されている。そして、
この凹部16aの開口側は、略平坦となる取付面16b
となっている。図1において紙面と直交する方向に並設
された変速切替用シャフト21及び分配切替用シャフト
31は、それぞれその基端部を凹部16aに現出させて
いる。これら変速切替用シャフト21及び分配切替用シ
ャフト31の各基端部には、取付部を構成する略有底筒
状の取付具41,42が固着されている。この取付具4
1,42にはそれぞれ一側方向(図1の上下方向)に取
付溝41a,42aが形成されており、後述の態様で前
記シフトアクチュエータ17が連結されている。なお、
これら取付具41,42は、シフトレバー(96)の係
合ピン(96a)が直結可能な取付具(94,95)を
兼ねている(図7参照)。従って、シフトレバーの連結
時には、その操作に応じて取付具41,42を介して変
速切替用シャフト21若しくは分配切替用シャフト31
が軸線方向に移動され、変速比の切り替え、2輪駆動・
4輪駆動の切り替えが行われる。
【0022】次に、本実施形態のシフトアクチュエータ
17について図2〜図4を併せ参照して説明する。図2
(a)及び図2(b)は、それぞれシフトアクチュエー
タ17を示す平面図及び側面図である。同図に示される
ように、このシフトアクチュエータ17は、駆動源とし
ての駆動ユニット46と、変速切替用出力シャフトとし
ての変速切替用ラック付シャフト47と、分配切替用出
力シャフトとしての分配切替用ラック付シャフト48
と、これら変速切替用ラック付シャフト47及び分配切
替用ラック付シャフト48が収容されて駆動ユニット4
6が取り付けられるハウジング49とを備えている。
【0023】上記駆動ユニット46は減速機付電動モー
タを備えており、前記変速切替用ラック付シャフト47
及び分配切替用ラック付シャフト48に対応してその長
手方向と略直交する方向に出力軸51を現出させてい
る。この出力軸51には、上記変速切替用ラック付シャ
フト47及び分配切替用ラック付シャフト48に選択的
に噛合連結される2段欠歯ピニオン52が固着されてい
る。詳述すると、上記2段欠歯ピニオン52には、第1
ピニオン部52a及び同第1ピニオン部52aよりも小
径となる第2ピニオン部52bが形成されている。そし
て、駆動ユニット46は、第1ピニオン部52aが変速
切替用ラック付シャフト47に噛合連結されることでこ
れを軸線方向に移動させる。また、駆動ユニット46
は、第2ピニオン部52bが分配切替用ラック付シャフ
ト48に噛合連結されることでこれを軸線方向に移動さ
せる。
【0024】図3に示されるように、上記分配切替用ラ
ック付シャフト48の基端部には、上記第2ピニオン部
52bに対応して分配切替用ラック部48aが形成され
ている。そして、この分配切替用ラック付シャフト48
は、第2ピニオン部52bが分配切替用ラック部48a
に噛合連結されることで同第2ピニオン部52bの回動
に連動して軸線方向に移動する(図3(a)〜
(f))。また、分配切替用ラック付シャフト48は、
第2ピニオン部52bの欠歯の部分が分配切替用ラック
部48aに対向することでその連結が切り離され、第2
ピニオン部52bを空転させて当該位置に停止する(図
3(f)〜(g))。
【0025】上記分配切替用ラック付シャフト48の先
端部には、その長手方向と略直交する方向に伸びる取付
部材48bが設けられている。図1に示されるように、
分配切替用ラック付シャフト48は、取付部材48bが
前記取付具42の取付溝42aに嵌め込まれることで分
配切替用シャフト31に連結される。従って、上記分配
切替用シャフト31は、分配切替用ラック付シャフト4
8が軸線方向に移動することで一体となって軸線方向に
移動する。
【0026】ここで、例えば駆動ユニット46により第
2ピニオン部52bが一側方向(図3において反時計回
り方向)に回転駆動されたとする。このとき、分配切替
用ラック付シャフト48(取付部材48b)は分配切替
用シャフト31とともに軸線方向一側(図1及び図3の
右側)に移動する。これにより、分配切替用フォーク3
2を介して分配切替用スリーブ33が分配出力用スプロ
ケット35に結合され、リアドライブシャフト13の回
転がフロントドライブシャフト14へと伝達されるよう
になる。
【0027】図4に示されるように、上記変速切替用ラ
ック付シャフト47の基端部には、上記第1ピニオン部
52aに対応して変速切替用ラック部47aが形成され
ている。そして、この変速切替用ラック付シャフト47
は、第1ピニオン部52aの欠歯の部分が変速切替用ラ
ック部47aに対向することでその連結が切り離され、
第1ピニオン部52aを空転させて当該位置に停止する
(図4(a)〜(b))。なお、第2ピニオン部52b
による分配切替用ラック付シャフト48の軸線方向の移
動、すなわち2輪駆動・4輪駆動の切り替えは、第1ピ
ニオン部52aが空転している間に完了されるのはいう
までもない。また、変速切替用ラック付シャフト47
は、第1ピニオン部52aが変速切替用ラック部47a
に噛合連結されることで同第1ピニオン部52aの回動
に連動して軸線方向に移動する(図4(b)〜
(f))。
【0028】上記変速切替用ラック付シャフト47の先
端部には、その長手方向と略直交する方向に伸びる取付
部材47bが設けられている。図1に示されるように、
変速切替用ラック付シャフト47は、取付部材47bが
前記取付具41の取付溝41aに嵌め込まれることで変
速切替用シャフト21に連結される。従って、上記変速
切替用シャフト21は、変速切替用ラック付シャフト4
7が軸線方向に移動することで一体となって軸線方向に
移動する。
【0029】ここで、例えば駆動ユニット46により第
1ピニオン部52aが一側方向(図4において反時計回
り方向)に回転駆動されたとする。このとき、変速切替
用ラック付シャフト47(取付部材47b)は変速切替
用シャフト21とともに軸線方向一側(図1及び図4の
右側)に移動する。これにより、変速切替用フォーク2
2を介して変速切替用スリーブ23が低速ギヤ26に結
合され、リアドライブシャフト13は低速で回転するよ
うになる。
【0030】図3及び図4にそれぞれ示されるように、
上記変速切替用ラック付シャフト47及び分配切替用ラ
ック付シャフト48の軸線方向略中間部には、それぞれ
径方向一側(図3、図4の各上側)に凹設された係止凹
部47c,48cが形成されている。これら係止凹部4
7c,48cは、低速側若しくは4輪駆動への切替時に
おける変速切替用ラック付シャフト47及び分配切替用
ラック付シャフト48の軸線方向の位置決めのためのも
のである。すなわち、前記ハウジング49には、低速側
若しくは4輪駆動の切替状態における係止凹部47c,
48cの位置に対応して一側(図3、図4の各上側)に
突設された略有蓋筒状のばね収容部49a,49bが設
けられている。これらばね収容部49a,49bにはそ
れぞればね53が収容されており、その先端にはディテ
ントボール54が対応するラック付シャフト47,48
に付勢されている。
【0031】ここで、例えば分配切替用ラック付シャフ
ト48が4輪駆動の切替位置に至るまでの間では、ディ
テントボール54は分配切替用ラック付シャフト48上
をその軸線に沿って転動或いは摺動する(図3(a)〜
(d))。そして、分配切替用ラック付シャフト48が
4輪駆動の切替位置に達すると、ディテントボール54
はばね53に付勢されて係止凹部48cに係止される
(図3(e)〜(g))。これより、分配切替用ラック
付シャフト48は当該切替位置に位置決めされ、振動等
に伴う位置ずれが抑制されている。また、これと同時に
第2ピニオン部52bの欠歯の噛合始めの位相合わせが
なされる。
【0032】また、変速切替用ラック付シャフト47が
高速側の切替位置に配置されるときでは、ディテントボ
ール54はばね53に付勢されて係止凹部47cに係止
されている(図4(a)〜(b))。これより、変速切
替用ラック付シャフト47は当該切替位置に位置決めさ
れ、振動等に伴う位置ずれが抑制されている。また、こ
れと同時に第1ピニオン部52aの欠歯の噛合始めの位
相合わせがなされる。そして、変速切替用ラック付シャ
フト47が低速側の切替位置へと移動を開始すると、デ
ィテントボール54はばね53の付勢力に抗して係止凹
部47cから外れ、変速切替用ラック付シャフト47上
をその軸線に沿って転動或いは摺動する(図4(c)〜
(f))。
【0033】前記ハウジング49は、上記ラック付シャ
フト47,48を軸線方向に摺動自在に支持するシャフ
ト支持部55と、同ラック付シャフト47,48の取付
部材47b,48bを覆う蓋体部56とを有している。
シャフト支持部55は、前記2段欠歯ピニオン52に対
応して開口しており、これによりラック付シャフト4
7,48のラック部47a,48aが露出されてピニオ
ン部52a,52bとの噛合がなされている。また、蓋
体部56の開口端面は前記ハウジング16の取付面16
bに対応して略平坦となる取付面56aとなっている。
【0034】従って、シフトアクチュエータ17は、ラ
ック付シャフト47,48の取付部材47b,48bが
取付溝41a,42aに嵌め込まれ、蓋体部56の取付
面56aがハウジング16の取付面16bに当接する態
様で同ハウジング16に固定されている。そして、シフ
トアクチュエータ17の駆動力は、変速機構11若しく
は分配機構12へと選択的に伝達される。
【0035】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、トランスファー本体側に配設さ
れる分配切替用シャフト31及び変速切替用シャフト2
1の各取付具41,42にシフトレバー(96)若しく
は変速切替用ラック付シャフト47及び分配切替用ラッ
ク付シャフト48の取付部材47b,48bを選択的に
直結できる。これにより、手動(マニュアル)での切替
構造、駆動ユニット46を用いた切替構造のいずれにも
対応可能である。このため、トランスファー本体側の設
計変更の負担を軽減し、その汎用性も向上できる。
【0036】(2)本実施形態では、変速切替用ラック
付シャフト47及び分配切替用ラック付シャフト48を
所定切替位置に位置決めする構造(係止凹部47c,4
8c及びディテントボール54等)を備えている。従っ
て、変速切替用ラック付シャフト47及び分配切替用ラ
ック付シャフト48を介した変速切替用シャフト21の
高速側の切替位置及び分配切替用シャフト31の4輪駆
動の切替位置での作動をより確実化できる。
【0037】(3)本実施形態では、分配切替用ラック
付シャフト48及び変速切替用ラック付シャフト47
は、駆動ユニット46の出力軸51に設けられた2段欠
歯ピニオン52に噛合連結されて選択的に往復移動され
る。従って、分配切替用ラック付シャフト48(分配切
替用シャフト31)及び変速切替用ラック付シャフト4
7(変速切替用シャフト21)の駆動のための構成を簡
易なものにできる。
【0038】(4)本実施形態では、ラック付シャフト
47,48の軸線方向の移動に応じて同ラック付シャフ
ト47,48上を転動或いは摺動するディテントボール
54によりこれらの軸線方向の位置決めを行った。従っ
て、ラック付シャフト47,48が過剰に噛み込まれて
ロッキングされることも回避できる。
【0039】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。 ・前記実施形態において、図5及び図6に示されるよう
に、ラック付シャフト47,48の軸線方向の位置決め
用にインターロック構造61を追加してもよい。詳述す
ると、ラック付シャフト47,48を区画する隔壁62
に連通孔62aを形成する。また、ラック付シャフト4
7,48に、各所定の切替位置において相反する径方向
に凹設された係止凹部47d,48dを形成する。そし
て、連通孔62aに、隔壁62の厚さ及び一方の係止凹
部47d,48dの深さを加算した長さの直径を有する
略球体のインターロックピン63を収容する。図6
(a)に示されるように、ラック付シャフト47,48
の係止凹部47d,48dが略対向配置されていると、
両係止凹部47d,48dの深さ分、径方向においてイ
ンターロックピン63は遊嵌されている。そして、図6
(b)に示されるように、一方のラック付シャフト48
が軸線方向に移動すると、インターロックピン63は係
止凹部48dに沿ってラック付シャフト47の係止凹部
47d側に押し出される。これにより、ラック付シャフ
ト47は、係止凹部47dにおいて押し出されたインタ
ーロックピン63により係止される。このように変更す
ることで、前記実施形態の(1)〜(4)と同様の効果
に加え、分配切替用シャフト31及び変速切替用シャフ
ト21の所定切替位置での作動を更に確実化できる。な
お、インターロックピン63は、球体に限らず略楕円球
体や係止凹部47d,48dに対向する先端が曲成され
た略円柱体のものを採用してもよい。
【0040】・前記実施形態において、変速切替用ラッ
ク付シャフト47を低速側の切替位置に位置決めする構
造を採用してもよい。 ・前記実施形態において、分配切替用ラック付シャフト
48を2輪駆動の切替位置に位置決めする構造を採用し
てもよい。
【0041】・前記実施形態において、駆動ユニット4
6とラック付シャフト47,48との連結構造は一例で
あってその他の構造を採用してもよい。 ・前記実施形態においては、減速機付電動モータを備え
た駆動ユニット46を採用したが、例えば油圧や負圧を
利用した駆動源であってもよい。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、トランスファー本体側の設計変更の負担
を軽減することができる。
【0043】請求項2〜4のいずれかに記載の発明によ
れば、分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力シャ
フトの少なくとも一方を介した分配切替用シャフト若し
くは変速切替用シャフトの所定切替位置での作動をより
確実化できる。
【0044】請求項5に記載の発明によれば、分配切替
用出力シャフト及び変速切替用出力シャフトの駆動のた
めの構成を簡易なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用されるトランスファ
ーの部分断面図。
【図2】同実施形態の平面図及び側面図。
【図3】同実施形態の動作を示す説明図。
【図4】同実施形態の動作を示す説明図。
【図5】同実施形態の別例を示す部分断面図。
【図6】同実施形態の別例の動作を示す説明図。
【図7】従来形態の部分断面図。
【符号の説明】
17 シフトアクチュエータ 21 変速切替用シャフト 31 分配切替用シャフト 41,42 取付部を構成する取付具 46 駆動源としての駆動ユニット 47 変速切替用出力シャフトとしての変速切替用ラッ
ク付シャフト 48 分配切替用出力シャフトとしての分配切替用ラッ
ク付シャフト 47b,48b 取付部材 47c,48c 位置決め手段を構成する係止凹部 51 出力軸 52 2段欠歯ピニオン 54 位置決め手段を構成する係止ボールとしてのディ
テントボール 61 位置決め手段を構成するインターロック構造 96 シフトレバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D043 AA06 AB01 AB17 EA02 EA17 EA32 EA40 EB02 EB12 EB14 3J067 AA01 AA21 AB01 AB23 AC05 AC51 BA19 BA56 BB06 DA07 DA42 DA53 DB32 EA04 EA23 FA26 FA44 FB61 FB90 GA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シフトレバーが直結可能な分配切替用シ
    ャフト及び変速切替用シャフトの各取付部にそれぞれ直
    結される取付部材を有する分配切替用出力シャフト及び
    変速切替用出力シャフトと、 前記分配切替用出力シャフトを往復移動させて前記分配
    切替用シャフトを介して2輪駆動・4輪駆動の切り替え
    を行うとともに、前記変速切替用出力シャフトを往復移
    動させて前記変速切替用シャフトを介して変速比の切り
    替えを行う駆動源とを備えたことを特徴とするトランス
    ファー用切替装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトランスファー用切替
    装置において、 前記分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力シャフ
    トの少なくとも一方を所定切替位置に位置決めする位置
    決め手段を備えたことを特徴とするトランスファー用切
    替装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のトランスファー用切替
    装置において、 前記位置決め手段は、前記分配切替用出力シャフト及び
    変速切替用出力シャフトの少なくとも一方の径方向に凹
    設された係止凹部と、該分配切替用出力シャフト及び変
    速切替用出力シャフトの少なくとも一方の所定切替位置
    において該係止凹部に付勢される係止ボールにより構成
    されたことを特徴とするトランスファー用切替装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載のトランスファー
    用切替装置において、 前記位置決め手段は、前記分配切替用出力シャフト及び
    変速切替用出力シャフトのいずれか一方が往復移動する
    ときに他方の往復移動を規制するインターロック構造を
    備えたことを特徴とするトランスファー用切替装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のトラン
    スファー用切替装置において、 前記分配切替用出力シャフト及び変速切替用出力シャフ
    トは、前記駆動源の出力軸に設けられた2段欠歯ピニオ
    ンに噛合連結されて選択的に往復移動されることを特徴
    とするトランスファー用切替装置。
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