JP2003276351A - 平版形成用感熱型版材、平版原版、平版 - Google Patents
平版形成用感熱型版材、平版原版、平版Info
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Abstract
版であって、製版して得られる平版の耐傷性が極めて高
い平版形成用感熱型版材が求められていた。 【解決手段】 熱により変化して版面に親油性部を形成
する微粒子と親水性有機ポリマーとを有する平版形成用
感熱型版材において、前記平版形成用感熱型版材が含フ
ッ素ポリマーまたは有機有機ポリシロキサンを含有する
ことを特徴とする平版形成用感熱型版材。
Description
使用可能な平版形成用感熱型版材に関する。特に、耐傷
性に優れた平版形成用感熱型版材、平版原版および平版
に関する。
が従来より提案されている。特に、CTP(Computer T
o Plate)システムでは、DTP(Desktop Publishin
g)で編集および作製された印刷画像情報を、可視画像
化することなく直接版材に、レーザ若しくはサーマルヘ
ッドで描画することにより製版を行っている。このCT
Pシステムは、製版工程の合理化と製版時間の短縮化、
材料費の節減が可能となることから、商業印刷の分野で
大いに期待されている。
は、情報に応じた熱による描画を行うことにより、版面
(印刷時にインキを付ける面)に親油性部と非受容部を
形成する感熱タイプの版材であって、現像工程が不要で
耐刷性に優れた平版が得られる版材を提案した。この版
材を製版して得られた平版は、例えば、油性インキを使
用する印刷に使用され、製版時に、版面に油性インキの
受容部(親油性部)と非受容部(親水性部)が形成され
る。印刷時には、版面の親油性部にインキが保持され、
オフセット印刷法では、このインキがゴムブランケット
を介して紙に押し付けられることにより、版面の親油性
部に対応する画像が紙に形成される。
版材用の感熱材料として、熱により親油性部(画像部)
となる成分(親油性成分)が入ったマイクロカプセル
と、親水性ポリマー(親水性バインダーポリマー)とを
含有するものが開示されている。また、この親水性ポリ
マーは、3次元架橋し得る官能基と、熱によりマイクロ
カプセルが破壊した後にマイクロカプセル内の親油成分
と反応して化学結合する官能基を有している。
なる感熱層(親水層)を支持体面に形成した後に、親水
性ポリマーを3次元架橋させた版材が開示されている。
この公報によれば、この版材は、製版時の熱によってマ
イクロカプセルが破壊すると、マイクロカプセル内の親
油性成分がポリマーとなって親油性部(画像部)とな
り、これと同時にこの親油性成分と親水性ポリマーとが
反応して化学結合が生じる構成となっている。
不要であって、得られる平版の耐刷性に格段に優れ、親
水性部(非画像部)の性能にも優れているため地汚れの
ない鮮明な画像の印刷物を得ることができると記載され
ている。また、WO(国際公開)98/29258号公
報には、親水性ポリマーの3次元架橋を、窒素、酸素、
または硫黄を含むルイス塩基部分と、錫等の多価金属イ
オンとの相互作用によって生じさせることにより、特開
平7−1849号公報に記載の版材の耐刷性をさらに高
くすることが開示されている。
のように、現像工程が不要で耐刷性および親水性部(油
性インキの非受容部、非画像部)の性能に優れた平版が
得られる。しかしながら、これらの版材には、製版して
得られた平版の耐傷性の点で改良の余地がある。平版の
耐傷性が十分に高くないと、取扱時に平版の表面に傷が
入り易くなり、印刷時に傷部にインキが付着してしま
う。その結果、印刷物にも傷状の汚れが転写され、印刷
物の欠陥となってしまうという問題がある。
報には、平版形成用感熱型版材の感熱層に多価金属酸化
物または式(SiO2)nで表記される結合を有する分子
を含有させることにより、この版材を製版して得られる
平版の機械的強度および印刷性能をさらに高くすること
が開示されている。しかしながら、上述の耐傷性という
観点からは、まだ改良の余地があった。
不要な平版形成用感熱型版材において、製版して得られ
る平版の耐傷性が高い版材を提供することを課題とす
る。
解決するべく鋭意検討を進めてきたが、微粒子とバイン
ダーポリマーを含有する感熱層に、有機ポリシロキサン
または含フッ素ポリマーが含有されていると耐傷性が向
上することを発見し、本発明に到達した。すなわち本発
明は、 (1)熱により変化して版面に親油性部を形成する微粒
子と親水性有機ポリマーとを有する平版形成用感熱型版
材において、前記平版形成用感熱型版材が含フッ素ポリ
マーを含有することを特徴とする平版形成用感熱型版
材。 (2)熱により変化して版面に親油性部を形成する微粒
子と親水性有機ポリマーとを有する平版形成用感熱型版
材において、前記平版形成用感熱型版材が有機ポリシロ
キサンを含有することを特徴とする平版形成用感熱型版
材。
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共
重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフル
オライドより選ばれる少なくとも一種であることを特徴
とする請求項1記載の平版形成用感熱型版材。 (4)前記有機ポリシロキサンが、アミノ変性ポリシロ
キサン、カルボン酸基変性ポリシロキサン、アルコール
基変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン基変性ポ
リシロキサン、より選ばれる少なくとも一種であること
を特徴とする請求項2記載の平版形成用感熱型版材。
用感熱型版材を支持体上に形成してなる平版原版。 (6)熱により変化して版面に親油性部を形成する微粒
子と有機ポリマーとを有する感熱層が、支持体に支持さ
れている平版原版において、前記感熱層の表面側部分で
ある表面部は、有機ポリシロキサンおよび/または含フ
ッ素ポリマーを含有し、前記微粒子を含有せず、金属酸
化物を含有し、親水性有機ポリマーが前記金属酸化物に
より硬化されているものであり、この表面部は厚さ0.
1μm以上で存在し、前記感熱層の前記表面部より支持
体側部分であるベース部は、前記親水性有機ポリマーと
前記微粒子とを含有しているものである、ことを特徴と
する平版原版。
フルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラ
フルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオ
ロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共
重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフル
オライドより選ばれる少なくとも一種であることを特徴
とする請求項6記載の平版原版。 (8)前記有機ポリシロキサンが、アミノ変性ポリシロ
キサン、カルボン酸基変性ポリシロキサン、アルコール
基変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン基変性ポ
リシロキサン、より選ばれる少なくとも一種であること
を特徴とする請求項6記載の平版原版。 (9)請求項6乃至8記載の前記平版原版を描画してな
る平版。である。
はないが、有機ポリシロキサン誘導体および含フッ素ポ
リマーには、摩擦係数を下げる効果があるために、版表
面の滑り性が向上し、その結果傷が入りにくくなるもの
と推測される。
材、平版原版および平版に関連する。本発明における平
版形成用感熱型版材とは、支持体上に形成される感熱層
の材料を指す。また、本発明における平版原版とは、前
記平版形成用感熱型版材を支持体上に設けた、画像部形
成前の平版を指す。本発明の平版形成用感熱型版材を感
熱層として支持体上に設けることにより、平版原版とし
て利用できる。さらに前記平版原版をレーザーやサーマ
ルヘッドなどを用いて描画することにより画像部を形成
し、平版として利用できる。
材について、以下の通り説明する。本発明における平版
形成用感熱型版材は、有機ポリシロキサン誘導体および
/または含フッ素ポリマー、熱により変化して版面に親
油性部を形成する微粒子、親水性有機ポリマー、その他
添加剤などから構成される。本発明における有機ポリシ
ロキサンとは、ケイ素,酸素,水素からなる化合物のう
ちSi−O−Si結合を含むポリマーであって、ケイ素
上の水素の一部または全部が有機基によって置換された
ものを指す。
基、エポキシ基、などのアルキル基やフェニル基などに
代表される一般的な有機基が挙げられる。特に、カルボ
キシル基、リン酸基、スルホン酸基、アミド基、アミノ
基およびこれらの塩、水酸基、ポリオキシアルキレン基
などの親水性官能基を含有する有機基は、平版形成用感
熱型版材を支持体上に設けた平版の非画像耐刷性を向上
するため好ましい有機基である。
れないが、数平均分子量で200以上10000以下が
特に好ましい。分子量が低すぎると蒸発してしまう場合
がある。また、分子量が高すぎると固体になるため他の
材料と混合するのが困難になったり、特殊な溶媒が必要
になる場合がある。有機ポリシロキサンは線状構造、分
岐構造、環状構造、ラダー構造、三次元架橋構造などい
ずれであってもよく、特に制限されない。
量は、好ましくは1質量%以上40質量%以下が好まし
く、5質量%以上25質量%がより好ましい。有機ポリ
シロキサンが少なすぎると耐傷性が十分に発現しない場
合がある。また、多すぎると非画像耐刷性が低下した
り、レーザーによる描画時の感度が低下する場合があ
る。以上説明した有機ポリシロキサンとしては、例え
ば、「最新シリコーン技術開発と応用」(シーエムシ
ー)に記載されているものが挙げられ、具体的にはポリ
ジメチルシロキサンおよび、有機基の一部または全部を
メチル基以外の有機基に変性した変性ポリシロキサンが
例示できる。すなわち、アミノ変性ポリシロキサン、エ
ポキシ変性ポリシロキサン、カルボン酸基変性ポリシロ
キサン、アルコール基変性ポリシロキサン、ポリオキシ
アルキレン基変性ポリシロキサン、フッ化アルキル基変
性ポリシロキサン、メルカプト基変性ポリシロキサン等
が例示できる。
酸基変性ポリシロキサン、アルコール基変性ポリシロキ
サン、ポリオキシアルキレン基変性ポリシロキサンは、
平版の耐傷性向上効果が高く、しかも非画像耐刷性が高
いことから好ましい。さらに、図1の構造式であらわさ
れるポリオキシアルキレン基変性ポリシロキサンは平版
の耐傷性向上効果が特に高いためにより好ましい。ここ
で、−R10−Oはポリオキシアルキレン基をあらわし、
非画像耐刷性の点からポリオキシエチレン基またはポリ
オキシプロピレン基が好ましい。R1〜R9はアルキル基
をあらわし、耐傷性効果の点からメチル基が好ましい。
m、n、x、yは自然数をあらわす。
元素の中にフッ素を含むポリマーを指す。含フッ素ポリ
マーの分子量は特に制限されないが、数平均分子量で1
000以上200万以下が特に好ましい。分子量が低す
ぎると蒸発してしまう場合がある。また、分子量が高す
ぎると平版をレーザーによる描画時の感度が低下する場
合がある。
フッ素モノマーを重合する方法、フッ素系ブロックをブ
ロックコポリマー化する方法、およびフッ素系ブロック
をグラフト化する方法がある。含フッ素モノマーを重合
する場合は、付加重合、メタセシス重合、開環重合、環
化重合、重縮合反応、重付加反応などの反応方法があ
る。こうした重合反応に用いられるモノマーとしては、
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブテン、
1,1,2,2−テトラフルオロオキセタンヘキサフル
オロアセトン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、
クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライ
ド、ビニルフルオライド、パーフルオロアルケニルビニ
ルエーテル、パーフルオロビスビニルオキシメタンなど
が挙げられる。さらに例えば「高分子新素材OnePo
int−23フッ素系ポリマー」(共立出版)に記載さ
れる含フッ素モノマーも使用可能である。これらのモノ
マーはホモポリマーとしてもよいし、コポリマーとして
もよい。さらに、非フッ素系モノマーと共重合してもよ
い。
は、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下が好ま
しく、0.5質量%以上15質量%がより好ましい。含
フッ素ポリマーが少なすぎると耐傷性が十分に発現しな
い場合がある。また、多すぎると非画像耐刷性が低下し
たり、レーザーによる描画時の感度が低下する場合があ
る。後述の平版形成用感熱型版材を調製する手順におい
て、他の材料と容易に混合するために、含フッ素ポリマ
ーはゾルとして供給されるのが好ましい。
例えば「高分子新素材OnePoint−23フッ素系
ポリマー」(共立出版)に記載されるフッ素ポリマーが
挙げられる。中でもポリテトラフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共
重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリ
フルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデン
フルオライド、ポリビニルフルオライドは耐傷効果が高
いため好ましい。
性部を形成する微粒子としては以下の材料からなる微粒
子と、親油成分を含有するマイクロカプセルが挙げられ
る。前記材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、および熱可塑性ポリウレタン等の熱可塑性樹
脂、ろう、ワックスなどが挙げられる。レーザーやサー
マルヘッドなどによる描画により版に熱が印加される
と、微粒子が熱によって溶融して表面に露出したり、マ
イクロカプセルが親油成分を放出したり、溶融した微粒
子と親水性有機ポリマーが混合したり、あるいは、これ
らの現象が複合的に発生して版面に親油性部が形成され
る。また、上記現象と複合して、微粒子上に乗っていた
親水性有機ポリマーが除去されて、親油性部が形成され
る場合もある。これらの親油性部にインクが付着するこ
とにより画像が形成される。
m以下のものを使用することが好ましく、高解像力の用
途には平均粒径5μm以下のものを使用することが好ま
しい。微粒子の粒径は小さいほうが好ましいが、粒子の
取り扱い性を考慮すると、平均粒径が0.01μm以上
のものを使用することが好ましい。感熱層中おける前記
微粒子の含有量は、好ましくは5質量%以上95質量%
以下が好ましく、15質量%以上60質量%がより好ま
しい。微粒子が多すぎると表面の親水性が不十分になっ
て非画像性が悪くなる場合がある。また、少なすぎると
レーザーによる描画時の感度が低下する場合がある。
と、マイクロカプセル以外の微粒子を使用する場合と比
較して、描画時に必要な熱エネルギーを低く抑えること
ができる。そのため、微粒子としては、親油成分を含有
するマイクロカプセルを使用することが好ましい。特に
水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アリル基、ビニル
基、メタクリロイル基、アクリロイル基、チオール基、
エポキシ基、イソシアネート基等の反応性官能基を含有
する親油成分をマイクロカプセル化した場合、反応性官
能基の反応により画像耐刷性が高くなるため、好ましく
い。
にも、本発明の効果を損なわない範囲で、色素、光熱変
換物質、重合開始剤、重合禁止剤、触媒、その他の種々
の添加剤が芯物質として含有されていてもよい。これら
の添加剤についてもWO98−29258号公報等に記
載されている。特に色素および/または光熱変換物質が
含まれていると、描画時の熱源としてレーザーを使用で
きるので好ましい。このような色素および/または光熱
変換物質としては、色素、光熱変換物質が使用できる。
たとえば松岡賢著「JOEM ハンドブック2 アブソ
ープション スペクトル オブ ダイズ フォー ダイ
オード レイザーズ」ぶんしん出版(1990)、シー
エムシー編集部「90年代 機能性色素の開発と市場動
向」シーエムシー(1990)第2章2.3に記載され
ているポリメチン系色素(シアニン色素)、フタロシア
ニン系色素、ジチオール金属錯塩系色素、ナフトキノ
ン、アントラキノン系色素、トリフェニルメタン系色
素、アミニウム、ジインモニウム系色素、アゾ系分散染
料、インドアニリン金属錯体色素、分子間型CT色素等
の染料、顔料および色素がある。さらに、カーボンブラ
ックもかかる物質としては好適である。カーボンブラッ
クは吸収する波長領域が広く、レーザーの光エネルギー
を効率的に熱エネルギーに変換できるため特に好まし
い。
炭素−炭素結合から構成されるポリマー、または酸素、
窒素、硫黄、リンからなるヘテロ原子の少なくとも一種
で結合された炭素原子もしくは炭素−炭素結合から構成
されるポリマー、即ち、ポリ(メタ)アクリレート系、
ポリオキシアルキレン系、ポリウレタン系、エポキシ開
環付加重合系、ポリ(メタ)アクリル酸系、ポリ(メ
タ)アクリルアミド系、ポリエステル系、ポリアミド
系、ポリアミン系、ポリビニル系、多糖類系等もしくは
それらの複合系のポリマーを基本骨格とし、該構造中に
親水性官能基を少なくとも一種類以上含有する親水性有
機ポリマーである。
WO98−29258号公報、WO00−63026号
公報などに記載される親水性ポリマーが使用可能であ
る。親水性官能基としては、カルボキシル基、リン酸
基、スルホン酸基、アミド基、アミノ基およびこれらの
塩、水酸基、ポリオキシエチレン基などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸、そのアルカリ金属塩及びアミン
塩、イタコン酸、そのアルカリ金属塩およびアミン塩、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリル
アミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、ア
リルアミンおよびそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニル
プロピオン酸、そのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビ
ニルスルホン酸、そのアルカリ金属塩およびアミン塩、
2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アッシド
ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、アリルアミンおよびそのハロゲン化
水素酸塩等の、親水性基を有する親水性モノマーの少な
くとも一種を用いて合成された、ホモまたはコポリマー
は本発明における親水性ポリマーとして好適である。
としては1000〜200万が好ましく、5000〜1
00万がより好ましい。分子量が低すぎると感熱層の強
度が十分確保できないため好ましくなく、分子量が高す
ぎると塗布液の粘度が高くなるため支持体上への膜形成
が困難になるため好ましくない。感熱層中おける親水性
有機ポリマーの含有量は、好ましくは1質量%以上75
質量%以下が好ましく、5質量%以上50質量%以下が
より好ましい。親水性有機ポリマーが少なすぎると表面
の親水性が不十分になって非画像性が悪くなる場合があ
る。また、多すぎると感熱層の強度および/または耐水
性が低下して印刷時の物理的な刺激や水の供給により破
壊もしくは流出が発生してしまう場合がある。
8−29258号公報、WO00−63026号公報に
記載の親水性バインダーポリマーの架橋方法や硬化方法
を用いて、感熱層を硬膜化すると画像耐刷性および非画
像耐刷性が向上するため好ましい。特に、窒素、酸素ま
たは硫黄を含むルイス塩基部分を有する親水性ポリマー
を使用し、該ポリマーが多価金属酸化物によって硬化さ
れている場合、耐刷性が高くなるため好ましい。
ス塩基部分とは、窒素、酸素もしくは硫黄を含むルイス
塩基構造を指し、具体的には、カルボキシル基、リン酸
基、スルホン酸基、アミノ基およびこれらの塩、アミド
基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、トリ
アルキルアミノ基、イソウレイド基、イソチオウレイド
基、イミダゾリル基、イミノ基、ウレイド基、エピイミ
ノ基、ウレイレン基、オキサモイル基、オキサロ基、オ
キサロアセト基、カルバゾイル基、カルバゾリル基、カ
ルバモイル基、カルボキシラト基、カルボイミドイル
基、カルボノヒドラジド基、キノリル基、グアニジノ
基、スルファモイル基、スルフィナモイル基、スルホア
ミノ基、セミカルバジド基、セミカルバゾノ基、チオウ
レイド基、チオカルバモイル基、トリアザノ基、トリア
ゼノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾ基、ヒドラゾノ基、ヒ
ドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基、含窒素複素
環、ホルムアミド基、ホルムイミドイル基、3−モルホ
リニル基、モルホリノ基などが挙げられる。
2以上である金属原子または半金属原子をMとしてMx
Oyで示される化合物や、その水和物(MxOy・nH
2O)が使用できる(x,yは実数、nは自然数)。ま
た、過酸化物、低級酸化物、複合酸化物も使用できる。
複合酸化物の場合、複合酸化物を構成する金属酸化物の
うち少なくとも1つが多価金属酸化物であればよい。す
なわち、1価の金属酸化物と多価金属酸化物とからなる
複合酸化物も使用可能である。
属原子としては、Cu、Ag、Au、Mg、Ca、S
r、Ba、Be、Zn、Cd、Al、Ti、Si、Z
r、Sn、V、Bi、Sb、Cr、Mo、W、Mn、R
e、Fe、Ni、Co、Ru、Rh、Pd、Os、I
r、Pt、および希土類元素が挙げられる。多価金属酸
化物の具体例としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、二酸化
マンガン、酸化すず、過酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化ゲルマニウム、酸化
バナジウム、酸化アンチモン、および酸化タングステン
が挙げられる。これらの多価金属酸化物を単独で使用し
てもよいし、複数種類を併用して使用してもよい。
ム、酸化すず、過酸化チタン、酸化チタンは、親水性有
機ポリマーを水に対して不溶化し且つ硬くする効果が特
に大きくなるので好ましい。前記平版形成用感熱型版材
には、上述の成分に加えて、本発明の目的を損なわない
範囲で、WO98−29258号公報等に記載されるよ
うな増感剤、光熱変換物質、熱破壊剤、発色剤、反応性
物質、親水性調製剤、溶融物吸収剤、滑剤、界面活性
剤、などの添加剤を含有していてもよい。
るために平版形成用感熱型版材塗布液に界面活性剤を添
加してもよい。また、レーザーによる描画時の感度向上
を目的としてレーザーの波長に適合した吸収帯を有する
色素および/または光熱変換物質を添加してもよい。こ
のような物質としては、例えば上述のマイクロカプセル
の添加剤として説明した色素やカーボンブラックが使用
できる。特にカーボンブラックは描画時のレーザーの光
エネルギーを効率的に熱に変換するため、描画装置とし
てレーザーを使用する場合の好ましい添加剤である。
で、親水性物質を添加することができる。例えばポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポ
リエーテル化合物、テトラエトキシシラン、テトラメト
キシシランなどのケイ素化合物、ケイ酸ナトリウム、ケ
イ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどのケイ酸アルカリ
塩、コロイダルシリカ等が好ましい親水性物質として挙
げられる。これらの物質を平版形成用感熱型版材に添加
すると、平版版面の親水性が上がって印刷スタート時の
非画像立上り性(インク払い性)が向上する。
て支持体上に設けることにより、平版原版として利用で
きる。前記平版形成用感熱型版材を支持体上に感熱層と
して形成するには、従来より公知の技術を採用できる。
具体的には、平版形成用感熱型版材を含有する塗布液を
準備し、その塗布液をバーコート、ローラーコート、ダ
イコート、ブレードコート、ディップコート、ドクター
ナイフ、スプレーコート、フローコート、刷毛塗りなど
従来より公知の塗布技術により支持体上に塗布する。そ
の後溶媒を乾燥させて膜を形成する。溶媒を乾燥させる
際は、必要に応じて加熱してもよいし、場合によっては
減圧下で行ってもよい。また乾燥終了後さらに加熱す
る、いわゆるポストキュアという操作を行ってもよい。
つの液である必要はなく、複数の液として用意されても
差し支えない。たとえば平版形成用感熱型版材の成分が
相互に溶解しない場合や、後述のように感熱層にベース
部と表面部をわけて形成したい際は、平版形成用感熱型
版材は複数の塗布液として与えられる場合がある。前記
感熱層中では、上記平版形成用感熱型版材の成分は深さ
方向に均一に存在していてもよいし、本発明の目的を阻
害しなければ、一部の材料が深さ方向に不均一に分布し
てもよい。前記有機ポリシロキサンおよび前記含フッ素
ポリマーは、表面の平滑性を向上して耐傷性を向上させ
るため、感熱層の表面近傍に選択的に存在させることが
できれば、少量の使用で大きな効果が得られるために好
ましい。また、前記微粒子は、感熱層表面近傍に存在し
ていると非画像耐刷性が低くなる場合があるため、支持
体側に偏って分布しているほうが好ましい。
面部は、前記有機ポリシロキサンおよび/または前記含
フッ素ポリマーを含有し、前記微粒子を含有せず、金属
酸化物を含有し、親水性有機ポリマーが前記金属酸化物
により硬化されているものであり、この表面部は厚さ
0.1μm以上で存在し、一方、前記感熱層の前記表面
部より支持体側部分であるベース部は、前記親水性有機
ポリマーと前記微粒子とを含有している場合、非画像耐
刷性の観点から好ましい。この際、ベース部には前記有
機ポリシロキサンと前記含フッ素ポリマーのいずれも含
有していなくても差し支えない。また、ベース部にも金
属酸化物を含有し、親水性有機ポリマーが前記金属酸化
物により硬化されている場合は、耐刷性が向上するため
さらに好ましい。
成する方法としては、まず、支持体の上に前記ベース部
を形成した後、このベース部の上に、前記有機ポリシロ
キサンおよび/または前記含フッ素ポリマーと、親水性
有機ポリマーと、この有機ポリマーの硬化剤として作用
する金属酸化物と、を含有するコーティング液を塗布し
て乾燥させる、という方法がある。この方法によれば、
前記コーティング液の塗布厚を、乾燥後に前記表面部の
厚さが0.1μm以上となるように設定することによっ
て、前記表面部と前記ベース部とを備える感熱層を得る
ことができる。
方法にとしては、PCT/JP01/10243に記載
されている方法が採用できる。本発明に使用される支持
体について、以下の通り説明する。本発明における支持
体は、印刷分野に要求される性能とコストを勘案して公
知の材料から選択すればよい。多色刷りといった高寸法
精度が要求される場合、版胴への装着方式が金属支持体
に合わせて出来上がっている印刷機で用いる場合には、
アルミニウム、スチール製等の金属支持体が好ましい。
多色印刷せず高耐刷性が要求される場合はポリエステル
等のプラスチック支持体、さらに低コストが要求される
分野には紙、合成紙、防水樹脂ラミネート或いはコート
支持体が使用できる。また、紙やプラスチックシート上
にアルミ表面を蒸着もしくはラミネートなどの手段で設
けた複合支持体なども使用することができる。支持体と
接触する材料との接着性向上のために支持体自身の表面
処理を施したものを使用してもよい。プラスチックシー
トの場合は、コロナ放電処理、ブラスト処理等を好まし
い方法として挙げることができる。アルミニウムの場合
は、小久保定次郎著「アルミニウムの表面処理」(19
75年内田老鶴圃新社)、大門淑男著「PS版の製版印
刷技術」(1976年日本印刷)、米沢輝彦著「PS版
概論」(1993年印刷学会出版部)等の公知文献に記
載の方法を用いて、脱脂・表面粗面化処理や、脱脂・電
解研磨・陽極酸化処理等を施したものを使用することが
好ましい。
ベース層および表面層を形成してもよい。また、スリー
ブと呼ばれる円筒状の支持体にベース層および表面層を
形成して、これを印刷機の版胴に装着してもよい。上記
支持体上には必要に応じて接着層を設けることができ
る。接着層に使用される材料としてはγ-アミノプロピ
トリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランなどのシランカップリング剤や、山田章三
郎監「接着・粘着の辞典」朝倉書店刊(1986)、日
本接着協会編「接着ハンドブック」日本工業新聞社刊
(1980)等に記載のアクリル系、ウレタン系、セル
ロース系、エポキシ系、アリルアミン系等の接着剤が使
用できる。
ーで描画して製版することにより平版を得ることができ
る。以下、実施例によって本発明を具体的に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。な
お、耐傷性の評価にはERICHSEN社製引っ掻き式
硬度計(モデル318)を使用した。
レーザー素子搭載の印字装置(クレオ社、トレンドセッ
ター)を使用した。印刷評価は、トリミングした平版印
刷原版をオフセット印刷機(ハマダ印刷機械株式会社
製、HAMADA VS34II)に装着し上質紙に対
し印刷した。版の下にはアンダーシートを2枚差し、Pl
ate-Blanket圧を高めた加速条件で印刷を行った。イン
キはHartmann(HARTMANN Druckfarben GmbH)
を使用し、湿し水は精製水にCombifix XL(Ho
stmann-Steinberg Cell)4%、イソプロピルアルコール
10%を添加したものを使用した。
分の反射濃度1.2以上であること、5%網点の欠損が
ないこと、非画像部分に汚れがないこと、の4点を評価
し、耐刷性を判定した。ベタ部分の反射濃度は反射濃度
計(SpectroEye、GretagMacbeth社製)により測定し、
画像の鮮明さおよび非画像性(後半地汚れ)の確認は目
視で行った。網点の評価は30倍ルーペを用いて拡大
し、評価した。また、表面層の厚みは次のようにして測
定した。
ー保護膜を形成した。次に、この版材を、感熱層の表面
が約200μm×2mmとなるように切断した。次に、
この切り出された小片をメッシュに固定した後、この小
片をFIB(収束イオンビーム加工装置)で加工して、
断面TEM(透過型電子顕微鏡)観察用試料を得た。こ
の試料をTEM(日立HF−2000)にとりつけて、
感熱層の断面を20000倍で撮影し、撮影された画像
を4倍に引き延ばして80000倍のポジ像を得た。こ
のポジ像を用いて、感熱層の表面から最も近い位置にあ
るマイクロカプセル(親油性部形成粒子)までの距離L
(図2に表示)を、表面部の厚さとして測定した。TE
M観察用の試料は同じ版から10点作製し、その平均値
を採用した。
を形成する成分)を内部に入れたマイクロカプセルの作
製 トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンと
が3:1(モル比)で付加された付加体(日本ポリウレ
タン工業(株)製、商品名:コロネートL、25質量%
酢酸エチル含有物)をマイクロカプセル壁形成材として
4.24g、トリメチロールプロパントリアクリレート
(共栄社化学(株)製)を1.12g、近赤外線吸収色
素(日本化薬(株)製「KayasorbIR−820
B」)を0.93g、グリシジルメタクリレート21.
7g中に、均一に溶解させることにより油性成分を調製
した。
ピレングリコールエステル(「ダックロイドLF」紀文
フードケミファ(株)製、数平均分子量:2×105)
を3.6g、マイクロカプセル壁形成材としてポリエチ
レングリコール(「PEG400」三洋化成(株)製)
を2.91g、精製水116.4gに溶解することによ
り水相を調製した。次に、上記油性成分と水相を、ホモ
ジナイザーを用いて回転速度6000rpmで室温下で
混合することにより乳化した。次に、この乳化分散液を
容器ごと60℃に加温したウォーターバス中に移して、
回転速度500rpmで3時間攪拌した。これにより、
平均粒径2μmのマイクロカプセル(MC−A)が水中
に分散されている分散液が得られた。
プセルの内部に、親油成分(親油性部の形成成分)とし
て、グリシジルメタクリレートとトリメチロールプロパ
ントリアクリレートを含有し、色素として近赤外線吸収
色素を含有する。なお、マイクロカプセルの粒度は、堀
場製作所製の粒度分布測定器「HORIBA LA91
0」を用いて測定した。次に、精製工程として、得られ
たマイクロカプセル分散液を遠心分離器にかけて、この
分散液に含まれるマイクロカプセル以外の成分(マイク
ロカプセル内に取り込まれなかった油性成分、マイクロ
カプセルの壁形成材の残留物、保護コロイドなど)を除
去した後、水洗を3回繰り返した。精製の後に得られた
マイクロカプセル分散液のマイクロカプセル濃度は3.
5質量%であった。
製 ポリアクリル酸水溶液として、数平均分子量が約20万
であってポリアクリル酸濃度が20質量%である、日本
純薬製の商品名「AC10H」を用意した。このポリア
クリル酸水溶液7.5重量部と、濃度25質量%のアン
モニア水(関東化学製)1.87重量部と、精製水2
0.63重量部とを、容器内に入れて、室温にて、回転
速度250rpmで2時間撹拌することにより、ポリア
クリル酸アンモニウム塩の水溶液(BP−1)を調製し
た。
得られたMC−A:80gを容器に入れ、この容器の内
容物(液体)を回転速度250rpmで撹拌しながら、
この液体にカーボンブラック分散液(商品名「PSM−
ブラックC」、御国色素製)1.52gをゆっくりと滴
下した後、さらに1時間撹拌した。1時間経過した時点
で一旦撹拌を止め、前記液体に、濃度6質量%の酸化す
ずゾル(酸化すず粒子(平均粒径5nm)が6質量%の
濃度で水に分散された液体であって、アンモニアで安定
化されている。商品名「EPS−6」、山中化学製)を
16g添加した後、さらに1時間撹拌した。これによ
り、ベース部形成用のコーティング液(BC−1) を得
た。
製することで不純物を除去した。この精製により酸化す
ずゾルの濃度が7質量%になった。次にポリテトラフル
オロエチレンゾル(固形分重量60%、ダイキン工業
製、商品名:POLYFLON D−2C):0.17
gを精製水71.9gに溶解し、続いて親水性調製剤で
あるケイ酸ナトリウムケイ酸ナトリウム(SiO2/N
a2O=2.06〜2.31、固形分濃度52〜57質
量%:和光純薬製)の10倍水希釈品を3.43g添加
した。
1:9.27gと、親水性調製剤であるポリエチレング
リコール(「PEG#400」、三洋化成製):1.4
2gを追加し、この容器の内容物(液体)を回転速度2
50rpmで撹拌しながら、前述のカーボンブラック分
散液:0.40gをゆっくりと滴下した後、さらに1時
間撹拌した。1時間経過した時点で一旦撹拌を止め、濃
度7質量%の前記酸化すずゾルを13.3g添加して、
さらに1時間撹拌した。これにより、表面部形成用のコ
ーティング液(OC−1)を得た。
ミニウム板(324mm×492mm)を用意した。こ
の支持体の板面に、コーティング液BC−1をバーコー
ター(ロッド24番)で塗布して塗膜を形成した。この
塗膜が形成された支持体をオーブンに入れ、140℃×
2分間、無風の条件で、前記塗膜から溶媒とアンモニア
(親水性有機ポリマーの中和剤)を蒸発させた。これに
より、支持体上にベース部が形成された。このベース部
上に、コーティング液OC−1をバーコーター(ロッド
24番)で塗布して塗膜を形成した。この塗膜が形成さ
れた支持体をオーブンに入れ、140℃×2分間、無風
の条件で、前記塗膜から溶媒とアンモニア(親水性有機
ポリマーの中和剤、且つ酸化すずの安定化剤)を蒸発さ
せた。これにより、ベース部上に表面部が形成された。
これにより平版原版P−2が得られた。表面部の厚みは
0.4μmであった。
刷評価したところ印刷物には鮮明な画像が得られ、7万
部以上の耐刷性が得られた。また、また、印刷前にP−
1表面に、前記引っ掻き硬度計で50g、100g、2
00gの荷重を与えたが、印刷物には傷汚れは発生しな
かった。
クケミー製、商品名BYK307):0.5gを精製水
71.5gに溶解し、続いて親水性調製剤であるケイ酸
ナトリウムケイ酸ナトリウム(SiO2/Na2O=2.
06〜2.31、固形分濃度52〜57質量%:和光純
薬製)の10倍水希釈品を3.43g添加した。この溶
液に、実施例1(2)で得られたBP−1:9.27g
と、親水性調製剤であるポリエチレングリコール(「P
EG#400」、三洋化成製):1.42gを追加し、
この容器の内容物(液体)を回転速度250rpmで撹
拌しながら、前述のカーボンブラック分散液:0.40
gをゆっくりと滴下した後、さらに1時間撹拌した。1
時間経過した時点で一旦撹拌を止め、濃度7質量%の前
記酸化すずゾルを13.3g添加して、さらに1時間撹
拌した。これにより、表面部形成用のコーティング液
(OC−2)を得た。
ミニウム板(324mm×492mm)を用意した。こ
の支持体の板面に、実施例1で得られたコーティング液
BC−1をバーコーター(ロッド24番)で塗布して塗
膜を形成した。この塗膜が形成された支持体をオーブン
に入れ、140℃×2分間、無風の条件で、前記塗膜か
ら溶媒とアンモニア(親水性有機ポリマーの中和剤)を
蒸発させた。これにより、支持体上にベース部が形成さ
れた。このベース部上に、コーティング液OC−2をバ
ーコーター(ロッド24番)で塗布して塗膜を形成し
た。この塗膜が形成された支持体をオーブンに入れ、1
40℃×2分間、無風の条件で、前記塗膜から溶媒とア
ンモニア(親水性有機ポリマーの中和剤、且つ酸化すず
の安定化剤)を蒸発させた。これにより、ベース部上に
表面部が形成された。これにより平版原版P−2が得ら
れた。表面部の厚みは0.5μmであった。
し、印刷評価したところ印刷物には鮮明な画像が得ら
れ、7万部以上の耐刷性が得られた。また、印刷前にP
−2表面に、前記引っ掻き硬度計で50g、100g、
200gの荷重を与えたが、印刷物には傷汚れは発生し
なかった。
ウムケイ酸ナトリウム(SiO2/Na2O=2.06〜
2.31、固形分濃度52〜57質量%:和光純薬製)
の10倍水希釈品を3.43gを溶解した。次に、この
溶液に、実施例1(2)で得られたBP−1:9.27
gと、親水性調製剤であるポリエチレングリコール
(「PEG#400」、三洋化成製):1.42gを追
加し、この容器の内容物(液体)を回転速度250rp
mで撹拌しながら、前述のカーボンブラック分散液:
0.40gをゆっくりと滴下した後、さらに1時間撹拌
した。1時間経過した時点で一旦撹拌を止め、濃度7質
量%の前記酸化すずゾルを13.3g添加して、さらに
1時間撹拌した。これにより、表面部形成用のコーティ
ング液(OC−3)を得た。
ミニウム板(324mm×492mm)を用意した。こ
の支持体の板面に、実施例1で得られたコーティング液
BC−1をバーコーター(ロッド24番)で塗布して塗
膜を形成した。この塗膜が形成された支持体をオーブン
に入れ、140℃×2分間、無風の条件で、前記塗膜か
ら溶媒とアンモニア(親水性有機ポリマーの中和剤)を
蒸発させた。これにより、支持体上にベース部が形成さ
れた。このベース部上に、コーティング液OC−3をバ
ーコーター(ロッド24番)で塗布して塗膜を形成し
た。この塗膜が形成された支持体をオーブンに入れ、1
40℃×2分間、無風の条件で、前記塗膜から溶媒とア
ンモニア(親水性有機ポリマーの中和剤、且つ酸化すず
の安定化剤)を蒸発させた。これにより、ベース部上に
表面部が形成された。これにより平版原版P−3が得ら
れた。表面部の厚みは0.4μmであった。
し、印刷評価したところ印刷物には鮮明な画像が得ら
れ、7万部以上の耐刷性が得られた。また、印刷前にP
−3表面に前記引っ掻き硬度計で50g、100g、2
00gの荷重を加えたところ、50g、100g、20
0gいずれの傷部分も印刷物に傷状の汚れが発生した。
で、現像工程が不要な平版であって、製版して得られる
平版の耐傷性が極めて高い平版形成用感熱型版材が提供
される。その結果、本発明の版材を使用することによ
り、製版工程の合理化、製版時間の短縮化、および材料
の節減が可能なCTPシステムを、商業印刷の分野で実
用的なシステムとすることができる。
す。
Claims (9)
- 【請求項1】 熱により変化して版面に親油性部を形成
する微粒子と親水性有機ポリマーとを有する平版形成用
感熱型版材において、前記平版形成用感熱型版材が含フ
ッ素ポリマーを含有することを特徴とする平版形成用感
熱型版材。 - 【請求項2】 熱により変化して版面に親油性部を形成
する微粒子と親水性有機ポリマーとを有する平版形成用
感熱型版材において、前記平版形成用感熱型版材が有機
ポリシロキサンを含有することを特徴とする平版形成用
感熱型版材。 - 【請求項3】 前記含フッ素ポリマーがポリテトラフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合
体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオラ
イドより選ばれる少なくとも一種であることを特徴とす
る請求項1記載の平版形成用感熱型版材。 - 【請求項4】 前記有機ポリシロキサンが、アミノ変性
ポリシロキサン、カルボン酸基変性ポリシロキサン、ア
ルコール基変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン
基変性ポリシロキサン、より選ばれる少なくとも一種で
あることを特徴とする請求項2記載の平版形成用感熱型
版材。 - 【請求項5】 請求項1乃至4記載の前記平版形成用感
熱型版材を支持体上に形成していることを特徴とする平
版原版。 - 【請求項6】 熱により変化して版面に親油性部を形成
する微粒子と有機ポリマーとを有する感熱層が、支持体
に支持されている平版原版において、前記感熱層の表面
側部分である表面部は、有機ポリシロキサンおよび/ま
たは含フッ素ポリマーを含有し、前記微粒子を含有せ
ず、金属酸化物を含有し、親水性有機ポリマーが前記金
属酸化物により硬化されているものであり、この表面部
は厚さ0.1μm以上で存在し、前記感熱層の前記表面
部より支持体側部分であるベース部は、前記親水性有機
ポリマーと前記微粒子とを含有しているものである、こ
とを特徴とする平版原版。 - 【請求項7】 前記含フッ素ポリマーがポリテトラフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合
体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオラ
イドより選ばれる少なくとも一種であることを特徴とす
る請求項6記載の平版原版。 - 【請求項8】 前記有機ポリシロキサンが、アミノ変性
ポリシロキサン、カルボン酸基変性ポリシロキサン、ア
ルコール基変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン
基変性ポリシロキサン、より選ばれる少なくとも一種で
あることを特徴とする請求項6記載の平版原版。 - 【請求項9】 請求項6乃至8記載の前記平版原版を描
画してなる平版。
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JP2002085913A JP3789839B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 平版原版および平版 |
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Cited By (4)
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JP2003306616A (ja) * | 2002-04-16 | 2003-10-31 | Ceramission Kk | 水性組成物及び非水系組成物 |
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WO2019044566A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-07 | 富士フイルム株式会社 | 平版印刷版原版、平版印刷版の作製方法及び平版印刷方法 |
-
2002
- 2002-03-26 JP JP2002085913A patent/JP3789839B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2019044566A1 (ja) * | 2017-08-31 | 2019-03-07 | 富士フイルム株式会社 | 平版印刷版原版、平版印刷版の作製方法及び平版印刷方法 |
CN111051072A (zh) * | 2017-08-31 | 2020-04-21 | 富士胶片株式会社 | 平版印刷版原版、平版印刷版的制作方法及平版印刷方法 |
US10814610B2 (en) | 2017-08-31 | 2020-10-27 | Fujifilm Corporation | Lithographic printing plate precursor, method for producing lithographic printing plate, and lithographic printing method |
CN111051072B (zh) * | 2017-08-31 | 2021-08-03 | 富士胶片株式会社 | 平版印刷版原版、平版印刷版的制作方法及平版印刷方法 |
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