JP2003276319A - インクジェット記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録媒体及びその製造方法

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淳 鈴木
Koichi Yanagiuchi
晃一 柳内
Tadashi Yoshida
正 吉田
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敦 小野
Kinya Tamura
金也 田村
Yoshihide Kimura
義英 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク受理層を設ける際、風紋やロールパタ
ーンなどの塗工ムラやストリーク等が著しく改善された
インクジェット記録用紙およびそのような記録用紙の製
造方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に、インク受理層を設けてなる
インクジェット記録用紙において、該インク受理層が、
顔料50〜80重量%と接着剤20〜50重量%とを主
成分として含有し、かつ該インク受理層の接着剤が澱粉
類、ポリビニルアルコール、さらに酢酸ビニル系高分子
を必須成分とし、接着剤あたりそれぞれ50〜70重量
%、10〜25重量%、20〜35重量%の割合で配合
した塗料をブレードコーターで塗工してなるものである
ことを特徴とするインクジェット記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の所属する技術分野】本発明はインクジェット記
録用紙に関し、特に印字ムラが無く、印字濃度やインク
吸収性に優れたインクジェット記録媒体とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、フルカラー
化が容易なことや印字騒音が少ないことなどから近年急
速に普及してきた。この方式はノズルから記録媒体に向
けてインクの微小液滴を高速で飛翔、付着させて画像や
文字などの記録を行うものであり、インク中には多量の
溶媒を含む。従って、記録媒体としては速やかにインク
を吸収する必要がある。また、最近のコンピューターや
デジタルカメラの普及により、銀塩写真に近い画像が求
められるようになってきている。そこで、インクジェッ
ト記録用紙には高い発色性、解像度及び色再現性が必要
となり、これに対応するため表面にインク受理層を設け
たいわゆる塗工紙が開発されている。
【0003】例えば特開昭59−185690号公報に
は、インク受理層中の顔料としてインク吸収性が高いシ
リカを用い、接着剤としてポリビニルアルコールを単独
でもしくは高い比率で用いたインクジェット記録用紙が
提案されている。また特開平4‐298378号公報に
は、インクの均一な吸収のために、吸油性の大きい顔料
と、低粘度の変性澱粉を全水溶性接着剤の固形分当り3
〜30重量%含む水溶性接着剤を用いてインク受容性被
覆層を設けることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭59−
185690号公報、特開平4−298378号公報に
開示された実施例では、いずれも接着剤としてポリビニ
ルアルコールを高い比率で用いているため、ハイシェア
粘度は高くなり、また塗工液中の保水性も不足してい
る。このため、この塗料を用いて塗工を行う際、エアー
ナイフを用いた場合は風紋が、サイズプレスやゲートロ
ールコーターではロールパターンが、ブレードを用いた
場合はストリークが発生し、いずれの塗工方法でも重大
な問題が発生する。昨今の高画質化に伴いインクジェッ
ト用紙に対する要求品質も厳しくなっていることから、
これら問題の発生は致命的な欠点である。
【0005】そこで本発明の目的は、インク受理層を設
ける際、風紋やロールパターンなどの塗工ムラやストリ
ーク等が著しく改善されたインクジェット記録用紙およ
びそのような記録用紙の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、塗工ムラやス
トリークの発生には塗料のハイシェア粘度と保水性が大
きく関与しており、これらを適正値に保つためインク受
理層の接着剤の種類及び量を規定することで、塗工ムラ
やストリークが著しく改善され高速塗工も可能となる塗
料及び該塗料を塗工してなるインクジェット記録媒体を
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明のインクジェット記録媒体
は、支持体上に、インク受理層を設けてなるインクジェ
ット記録用紙において、該インク受理層は顔料50〜8
0重量%と接着剤20〜50重量%とを主成分として含
有し、かつ該インク受理層の接着剤が澱粉類、ポリビニ
ルアルコール、さらに酢酸ビニル系高分子を必須成分と
する塗料を塗工してなるものであることを特徴とするも
のである。
【0008】塗工ムラやストリークはハイシェア粘度や
保水性が高すぎても低すぎても発生し、この両者に適正
な値が存在する。通常多用されているポリビニルアルコ
ールのみでは必要なインク受理層の強度を保つ量使用す
ると、ハイシェア粘度が高くなりすぎ、かつ保水性が不
足する。保水性を高めるのに有効なことが知られている
澱粉類を、必要なインク受理層の強度を保つ量使用して
も、やはりハイシェア粘度が高くなりすぎてしまう。澱
粉類とポリビニルアルコールの配合割合をどのように変
更しても、インク受理層の強度を保つためには、ハイシ
ェア粘度と保水性を適切な値にすることはできなかっ
た。
【0009】これらの系に第3成分として酢酸ビニル系
高分子を適量配合することで、ハイシェア粘度が低下し
適切な値となることは思いもかけないことであった。そ
のような効果が得られる理由は明らかではなく、澱粉類
とポリビニルアルコールと酢酸ビニル系高分子の複雑な
相互作用により、塗料の微細な構造が変化したものと推
定される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録媒体
の支持体は特に制限されるものではなく、木材繊維主体
の紙、またはポリエチレンなどの熱可塑性樹脂シート、
もしくは木材繊維や合成繊維を主体とした不織布等のシ
ート状物質が挙げられ、必要に応じたとえば紙の場合は
内添サイズ剤の添加、サイズプレスによるサイズ剤や表
面改質剤の塗布を行う。
【0011】本発明の支持体に使用される木材パルプと
してはLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TM
P、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ
等のパルプを含み、必要に応じて従来公知の填料やバイ
ンダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、紙力増
強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙
機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機
にて紙匹を形成した後に、乾燥させて得ることができ
る。特にインク吸収性に優れた支持体を使用することが
望ましい。
【0012】インク受理層に用いる顔料としては、合成
非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミ
ナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リ
トポン、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化
マグネシウム、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カ
ルシウム、珪酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重
質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト等の白色無機顔料はもと
より、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系
プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプ
セル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料も使用する
ことが出来るが、コストと高い吸収性の点から、合成シ
リカが好ましく用いられる。
【0013】また、本発明のインクジェット記録媒体に
おいて、前記インク受理層が接着剤の固形分当り50〜
70重量%の澱粉類と、10〜25重量%のポリビニル
アルコール、さらに20〜35重量%の酢酸ビニル系高
分子を含有することが好ましい。
【0014】本発明の塗料中の接着剤として用いられる
澱粉類とは、エステル化澱粉、カルボキシメチル化澱
粉、エーテル化澱粉、燐酸澱粉、シラノール変性澱粉、
酸化澱粉などの変性澱粉である。本発明においては、こ
れらの中では安価であり強度発現効果の大きい酸化澱粉
が他の変性澱粉と同等に使用することができる。接着剤
における澱粉類の使用比率は、全接着剤固形分の50〜
70重量%、好ましくは50〜60重量%である。それ
より澱粉類の含有量が多いと表面強度の低下が、少ない
と保水性の悪化が起こり好ましくない。
【0015】本発明で使用することができるポリビニル
アルコールは特に限定されるものではなく、いわゆるポ
リビニルアルコールの他に、カルボキシ変性、シラノー
ル変性などの変性ポリビニルアルコールについても使用
可能である。本発明では、これらの中でも特に平均重合
度約1700〜2400、ケン化度98〜99モル%の
一般的なポリビニルアルコールが高価な変性ポリビニル
アルコールと同等に使用することができる。接着剤にお
けるポリビニルアルコールの使用比率は、全接着剤固形
分の10〜25重量%、好ましくは15〜20重量%で
ある。それよりポリビニルアルコールが多いと塗料粘度
が急激に上昇し、インク吸収性も悪化し好ましくない。
【0016】さらに酢酸ビニル系高分子としては酢酸ビ
ニル重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、アクリル酸
‐酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合
体などである。本発明によるときはこれらの中では安価
で一般的な酢酸ビニル重合体が他のより高価なものと同
等に使用することができる。酢酸ビニル系高分子の使用
比率は、全接着剤固形分の20〜35重量%、好ましく
は25〜30重量%である。それより酢酸ビニル系高分
子が多いとインク吸収性が悪化し好ましくない。なお、
本発明において、水性の酢酸ビニル系高分子エマルジョ
ンを用いると、インク受理層用塗工液を水性にする際に
有利である。
【0017】すなわちかかる接着剤が適正範囲を保つこ
とで、塗料のハイシェアー粘度の上昇を抑え、かつ塗工
液中の保水性を適性範囲に保つことができる。これによ
り特にストリークが出やすいブレードコーターでの塗工
ムラやストリークの発生が無く、塗工適性を付与するこ
とができる。また接着剤としてかかる物質を用いること
で、インク受理層の塗工の均一性とともにインクの吸収
性が著しく改善され、速やかにインクを吸収し、インク
による画像の発色が鮮やかで、滲みの無い高品位で均一
な画像が得られるという優れた画像特性を有する塗工層
も得られる。
【0018】さらに、本発明のインクジェット記録用紙
のインク受理層には上記の他、カチオン性化合物を含有
することが望ましい。本発明で使用されるカチオン性化
合物とは、水性染料インク中に含有される水溶性直接染
料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基
等アニオン性基と不溶な塩を形成する2級アミン、3級ア
ミンあるいは4級アンモニウム塩を含有するいわゆる染
料定着剤である。カチオン性化合物は単独または2種以
上を組み合わせて用いても良い。
【0019】また、支持体あるいはインク受理層に必要
に応じ、サイズ剤、界面活性剤、顔料分散剤、増粘剤、
流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、
発泡剤、浸透剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙
力増強剤、乾燥紙力増強剤、保水剤などを適宜配合する
こともできる。
【0020】本発明において、支持体上に設けられるイ
ンク受理層は支持体の片面あるいは両面に2層以上の複
数層として設けてもよい。また、インク受理層を支持体
の片面に設けた場合は、インク受理層と反対側の面にカ
ール矯正あるいは搬送性改良等の目的で塗工層を設ける
ことも可能である。
【0021】インク受理層の塗工量としては、インク受
理層のインク吸収容量及び実用に耐えられる程度のイン
ク受理層と支持体の接着強度を基準に決定することが好
ましく、乾燥塗工量が5〜40g/m2の範囲にあるこ
とが好ましい。乾燥塗工量が5g/m2に満たないと、
インク受理層である塗工層が支持体表面を完全に覆うこ
とが難しく、塗工層によるインクの吸収性が十分でない
ため、吸収ムラが発生し、インクジェット印字性能に悪
影響が生じる。また、乾燥塗工量が40g/m 2を超え
ると、インク受理層と支持体間の接着強度が実用に耐え
られないレベルとなり、粉落ちと呼ばれる支持体からの
塗工層の剥離等が発生し、重大な問題が生じる。
【0022】本発明においては、インク受理層を塗工し
た後にインク受理層をマシンカレンダー、スーパーカレ
ンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処
理することも可能である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
また、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示し
ない限り固形分重量部及び固形分重量%を示す。 <実施例1> 支持体 広葉樹漂白クラフトパルプ90%と針葉樹漂白クラフト
パルプ10%を混合叩解して濾水度を350mlに調整
したパルプに、炭酸カルシウム15部、カチオン化澱粉
4部、及びアニオン化ポリアクリルアミド0.3部を添
加し、長網抄紙機で抄造乾燥した後マシンカレンダー処
理を行い、坪量100g/m2の支持体を製造した。な
お作製した支持体のステキヒトサイズ度は、30秒であ
った。 インク受理層 合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B トクヤ
マ製)100部、酸化澱粉(MS#3600 日本食品
化工製)51部、ポリビニルアルコール(PVA―11
7 クラレ製)18部、ポリ酢酸ビニル(ヨドゾールV
Q553 ナショナルスターチ&ケミカル社製)20
部、スチレンアクリル樹脂(ポリマロン360 荒川化
学工業製)0.5部を配合した固形分が24%の塗料
を、前記支持体上にブレードコーターを用いて塗工量が
8g/mとなるように塗工し、インクジェット記録用
紙を得た。
【0024】<実施例2> インク受理層 実施例1の塗料の接着剤配合を、酸化澱粉(MS#36
00 日本食品化工製)29部、ポリビニルアルコール
(PVA―117 クラレ製)12部、ポリ酢酸ビニル
(ヨドゾールVQ553 ナショナルスターチ&ケミカ
ル社製)14部に変更した点以外は実施例1と全く同様
にしてインクジェット記録用紙を得た。 <実施例3> インク受理層 実施例1の塗料の接着剤配合を、酸化澱粉(MS#36
00 日本食品化工製)33部、ポリビニルアルコール
(PVA―117 クラレ製)9部、ポリ酢酸ビニル
(ヨドゾールVQ553 ナショナルスターチ&ケミカ
ル社製)13部に変更した点以外は実施例1と全く同様
にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0025】<実施例4> インク受理層 実施例1の塗料の接着剤配合を、酸化澱粉(MS#36
00 日本食品化工製)37部、ポリビニルアルコール
(PVA―117 クラレ製)7部、ポリ酢酸ビニル
(ヨドゾールVQ553 ナショナルスターチ&ケミカ
ル社製)11部に変更した点以外は実施例1と全く同様
にしてインクジェット記録用紙を得た。 <実施例5> インク受理層 実施例1の塗料の接着剤配合を、酸化澱粉(MS#36
00 日本食品化工製)18部、ポリビニルアルコール
(PVA―117 クラレ製)5部、ポリ酢酸ビニル
(ヨドゾールVQ553 ナショナルスターチ&ケミカ
ル社製)7部に変更した点以外は実施例1と全く同様に
してインクジェット記録用紙を得た。
【0026】<比較例1> インク受理層 実施例1の塗料の接着剤配合を、ポリ酢酸ビニルを使用
せず、酸化澱粉(MS#3600 日本食品化工製)5
部、ポリビニルアルコール(PVA―117 クラレ
製)26部のみに変更した点以外は実施例1と全く同様
にしてインクジェット記録用紙を得た。その結果、塗料
のハイシェア粘度は高く保水性が悪いため、塗工時にス
トリークや塗工ムラが発生した。 <比較例2> インク受理層 実施例1の塗料の接着剤配合を、酸化澱粉を使用せず、
ポリビニルアルコール(PVA―117 クラレ製)1
2部、ポリ酢酸ビニル(ヨドゾールVQ553ナショナ
ルスターチ&ケミカル社製)18部のみに変更した点以
外は実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用紙
を得た。その結果、塗料のハイシェア粘度は高く保水性
も若干悪いため、塗工時にストリークや塗工ムラが発生
した。
【0027】<比較例3> インク受理層 実施例1の塗料の接着剤配合を、ポリビニルアルコール
を使用せず、酸化澱粉(MS#3600 日本食品化工
製)18部、ポリ酢酸ビニル(ヨドゾールVQ553
ナショナルスターチ&ケミカル社製)12部のみに変更
した点以外は実施例1と全く同様にしてインクジェット
記録用紙を得た。その結果、塗料のハイシェア粘度は低
く保水性が悪いため、塗工時にストリークや塗工ムラが
発生した。 <比較例4> インク受理層 実施例1の塗料の接着剤配合を、ポリ酢酸ビニルを使用
せず、酸化澱粉(MS#3600 日本食品化工製)1
8部、ポリビニルアルコール(PVA―117クラレ
製)12部のみに変更した点以外は実施例1と全く同様
にしてインクジェット記録用紙を得た。その結果、塗料
のハイシェア粘度は高く保水性も若干悪いため、塗工時
にストリークや塗工ムラが発生した。
【0028】<評価方法>上記実施例1〜5及び比較例
1〜4で得られた塗料及びその記録用紙について、下記
に示す方法で種々の評価を行った。各項目において、△
以上の評価であれば実用することができる。 <ハイシェア粘度>上記塗料をハイシェア粘度計(He
rcules type MODEL HR801C、
熊谷理器工業製)で測定し、Fボブの回転数が6600
rpm、液温20℃の時の粘度の値を評価した。 ○:測定値が40〜55mPa・sである。 △:測定値が30〜40、もしくは55〜65mPa・
sである。 ×:測定値が30mPa・s以下もしくは65mPa・
s以上である。
【0029】<保水性>保水性測定装置(AA−GWR、K
ALTEC SCIENTIFIC,Inc.製)を用
いて、塗料20gに40秒間50kgfの圧をかけた
後、台紙に取られた水分量を評価した。 ○:測定値が40〜60g/mである。 △:測定値が30〜40、もしくは60〜70g/m
である。 ×:測定値が30g/m以下もしくは70g/m
上である。
【0030】<ストリーク>ブレードコーターを用いて
インク受理層を塗工したときの、ストリーク発生の有無
を目視評価した。 ○:ストリークは発生しない。 ×:ストリークは発生する。
【0031】<塗工ムラ>ブレードコーターを用いてイ
ンク受理層を塗工したときの、塗工ムラ発生の有無を目
視評価した。 ○:塗工ムラは発生する。 ×:塗工ムラは発生しない。
【0032】<発色性>セイコーエプソン社製のインク
ジェットプリンターPM−800Cを用いて、表計算ソ
フト『エクセル』でブラック、シアン、マゼンダ、イエ
ローのベタ画像を作製し、プリンター添付のプリンター
ドライバーの設定を、用紙についてはスーパーファイン
専用紙を、モード設定については推奨設定(きれい)を
それぞれ選択して印字した。恒温恒湿室にて24時間放
置した後、マクベス濃度計(RD915、Macbet
h社製)を用いて各色の印字濃度を測定し、得られた測
定値の合計により評価した。 ○:4色合計が6.70以上である。 △:4色合計が6.40以上6.70未満である。 ×:4色合計が6.40未満である。
【0033】<表面強度>サンプルに幅18mmの透明
粘着テープを貼り、ゴムローラーで20回強く擦った
後、それを180°の方向に剥がすのに要する力をデジ
タルフォースゲージを用いて測定した。 ○:測定値が600gf以上である。 △:測定値が500gf以上600gf未満である。 ×:測定値が500gf未満である。
【0034】<インク吸収>レッドとグリーンの各ベタ
画像を隣り合わせにして印字して、その境界部の滲み具
合で評価した。 ○:境界部が鮮明でかつ滲みが認められない。 △:境界部がやや不鮮明だが滲みは認められない。 ×:境界部が不鮮明で滲みが認められる。 評価の結果は表1に示した通りである。表中の○又は△
の評価であれば実用上問題ないが、×の評価では実用上
問題がある。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】表1から明らかなように、実施例1〜5
のインクジェット記録媒体は、塗工時のストリークの発
生が無く、さらに画像発色性,表面強度、及びインク吸
収性に優れている。以上のことから、本発明により得ら
れたインクジェット塗料は高いブレード適性を有してお
り、それを塗工して得られるインクジェット記録用紙は
塗工ムラが無く、しかも、表面強度は高く、インクの吸
収性・発色性が良好なため、均質で鮮明な画像が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 正 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 小野 敦 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 田村 金也 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 木村 義英 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 Fターム(参考) 2C056 EA04 FC06 2H086 BA01 BA15 BA33 BA35 BA36 4D075 AC53 CA35 DA04 DB18 DC27 EB07 EB11 EB15 EB56 EC13 EC54

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体に、インク受理層を設けてなるイ
    ンクジェット記録用紙において、インク受理層が、顔料
    50〜80重量%と接着剤20〜50重量%とを主成分
    として含有し、かつ該接着剤が澱粉類、ポリビニルアル
    コール、さらに酢酸ビニル系高分子を必須成分とするこ
    とを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記インク受理層が接着剤の固形分当り
    50〜70重量%の澱粉類と、10〜25重量%のポリ
    ビニルアルコール、さらに20〜35重量%の酢酸ビニ
    ル系高分子を含有することを特徴とする請求項1記載の
    インクジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】 支持体上に、顔料50〜80重量%と接
    着剤20〜50重量%とを主成分として含有し、かつ該
    接着剤が澱粉類、ポリビニルアルコール、さらに酢酸ビ
    ニル系高分子を必須成分とする塗料をブレードコーター
    で塗工することを特徴とするインクジェット記録媒体の
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7955669B2 (en) 2007-10-31 2011-06-07 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording medium and ink jet recording method

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