JP2003276049A - 多層成形品の製造方法 - Google Patents

多層成形品の製造方法

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JP2003276049A
JP2003276049A JP2002080498A JP2002080498A JP2003276049A JP 2003276049 A JP2003276049 A JP 2003276049A JP 2002080498 A JP2002080498 A JP 2002080498A JP 2002080498 A JP2002080498 A JP 2002080498A JP 2003276049 A JP2003276049 A JP 2003276049A
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Hideo Akimoto
英郎 秋元
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般的な射出成形機を用い、肉厚
を制限されることなく、また表面にウエルドマークをほ
とんど発生させることなく、外観良好な多層成形品を効
率的に製造する方法を提供すること。 【解決手段】 射出成形用金型が開いた状態でそ
の金型内面に向かって少なくとも一部が溶融した樹脂粉
末を溶射して金型内面に樹脂層を形成し、次いで金型を
閉じてそこに形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出
する多層成形品の製造方法である。前記の金型は、加熱
および冷却手段を備えていることが望ましく、樹脂粉末
が溶射される金型は、少なくともその溶射時に、樹脂粉
末の軟化点以上かつ融点以下の温度に調整されているこ
とが好ましい。この方法は、2色成形品の製造に適して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色や材質の異なる
層を積層した多層成形品を射出成形によって製造する方
法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】成形品の表面と内部とで色あるい
は材質を変えた製品が、これまでに種々製造され使用さ
れてきた。例えば、使用する着色剤が高価な場合に、表
面層のみにその着色剤を配合し、内部を無着色にする方
法をとると、製品表面を希望の着色にできると共に、製
品の製造コストを低下できるメリットがある。
【0003】しかし、多層成形品を多色射出成形によっ
て製造する場合、複数のシリンダーを備えた多層射出成
形機を必要とするが、そのような成形機は高価であると
共に汎用性に欠けると言う難点がある。また、着色剤と
してメタリック顔料を使用すると、製品表面にウエルド
マークが目立ち易くなり、外観を損ねることがある。一
方、予め用意していた表面材をインサート成形する方法
をとると、製造効率が低いだけでなく、肉厚の薄い成形
品に限られてくる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、一般
的な射出成形機を用いて、肉厚を制限されることなく、
効率的に多層成形品を製造する方法の提供を目的にす
る。また、本発明は、表面にウエルドマークをほとんど
発生させることなく、外観良好な多層成形品の製造方法
の提供を目的にする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、射出
成形用金型が開いた状態でその金型内面に向かって少な
くとも一部が溶融した樹脂粉末を溶射して金型内面に樹
脂層を形成し、次いで金型を閉じてそこに形成されるキ
ャビティ内に溶融樹脂を射出する多層成形品の製造方法
に関する。
【0006】前記の金型は、加熱および冷却手段を備え
ていることが望ましく、樹脂粉末が溶射される金型は、
溶射開始時に樹脂粉末の軟化点以上かつ融点以下の温度
に調整されていることが望ましい。
【0007】また、前記の樹脂粉末の溶射は、好ましく
は樹脂粉末が溶射される金型の手前に設置された遮蔽膜
の開口部を通して行なわれる。このような多層成形品の
製造方法において、前記の樹脂粉末は、その中に着色剤
を含有していてもよい。
【0008】
【発明の具体的説明】次に図面を参照して、本発明に係
わる多層成形品の製造方法についてその一例を説明す
る。
【0009】図1〜5は、射出成形用金型等の動きを示
しながら、射出成形工程を概略的に説明するための模式
図である。ここで用いる射出成形機は、特別な構造であ
る必要はなく、通常樹脂の射出成形に使用される射出成
形機であればいずれをも使用することができる。
【0010】図1は、樹脂の射出成形に先立ち、樹脂粉
末を金型内面に溶射するための準備工程を示している。
成形金型1を構成する雌型2および雄型3は、互いに離
合可能に設置されており、その移動は自動制御可能にな
っている。この図では、両方の型が互いに離れ、成形金
型が開いた状態を示している。
【0011】また、雌型2および雄型3は、通常冷却手
段を備えており、水または冷却水を供給する方法が一般
に採用されている。本発明では、その雌型2および/ま
たは雄型3は、さらに加熱手段を備えていることが望ま
しい。この場合、樹脂粉末の溶射が、どちらの金型内面
に行なわれるかによって変ってくるが、少なくとも樹脂
粉末が溶射される側の金型に加熱手段が備えられてい
る。加熱手段としては、高周波加熱、電熱ヒーター、発
光ヒーターであってもよいし、あるいは加熱媒体が供給
される手段が採用されていてもよい。
【0012】冷却および加熱媒体を用いて金型の温度制
御を行なう場合には、金型中に両媒体が別々に通る2本
の通路を設けてもよいし、媒体の切替手段を介して1本
の通路を設けてもよい。この図では、加熱媒体としての
スチーム、冷却媒体としての水が切替手段を経由して送
られてくる供給排出口5が各金型に設けられている。こ
の溶射開始前の工程では、金型を好ましくは樹脂粉末の
軟化点以上かつ融点以下の温度に調整しておくと、溶射
された樹脂粉末が金型内面上で造膜した樹脂層を形成し
易くなる。金型温度が前記の温度範囲内であると、金型
内面上で樹脂粉末がたれることなく均一な厚さの膜を形
成しやすく、かつ表面の耐スクラッチ性も良好である。
【0013】図2は、樹脂粉末を金型内面の希望する方
向に向けて溶射する工程を示している。溶射は、溶射ガ
ン21を樹脂粉末が溶射される金型の手前、すなわち雌
型2および雄型3の中間に設置し、その溶射ガン21か
ら金型内面に向かって行なわれるが、その際金型内面の
すべての方向に向かって行われてもよいし、製品の一部
表面層を形成する方向に向かって行われてもよい。この
図では、雌型2の特定の内面部分6に向けて樹脂粉末を
溶射している。この樹脂粉末の溶射によって、金型内面
の特定部分に樹脂層が形成され、最終的に製品の一部表
面層を形成する。
【0014】樹脂粉末は、後述するように樹脂粉末流動
タンク20から溶射ガン21へと送られ、溶射ガン21
へ別途供給される圧縮気体の助けを得て溶射される。樹
脂粉末の溶射範囲を必要な区画に限定し、製品の特定表
面部分にのみ樹脂粉末層を形成させたい場合には、溶射
ガン21の先端出口の口径と向きとを規制する方法がと
られる。しかし、より好ましい方法は、この図では雌型
2の手前に、すなわち溶射される金型と溶射ガン21と
の中間に開口部7を有する遮蔽膜8を設置し、その開口
部7を通して溶射ガン21から樹脂粉末を溶射する方法
である。その場合、溶射ガン21の金型内面からの距離
と開口部の面積とによって、樹脂粉末の溶射範囲が決ま
ってくる。形成される樹脂層の厚さは、溶射ガンのスキ
ャン速度で調整することができる。
【0015】また、溶射される樹脂粉末は、溶射ガン2
1へ燃料ガスの供給装置23から供給される燃料ガスの
燃焼熱によって少なくともその一部が溶融し、それによ
って樹脂粉末表面が金型内表面上で互いに融着して造膜
した樹脂層が形成される。溶射速度および樹脂加熱温度
は、樹脂粉末の融点等の物性によって異なってくるが、
樹脂が発煙を起さない状態を保ちつつ溶射できる範囲に
する。そしてこの段階でも、金型は、好ましくは樹脂粉
末の軟化点以上かつ融点以下の温度に調整しておく。
【0016】図3は、所定量の樹脂粉末を溶射し終わっ
た後、射出成形を開始するための準備工程を示してい
る。溶射ガン21を雌型2と雄型3との間から外部へと
移動させ、そして雌型2および雄型3を合体させて成形
金型1を閉ざす。この図では、雌型2および雄型3で囲
まれた空間が樹脂を射出するためのキャビティ9として
形成されると共に、雌型2の内面に樹脂粉末が溶射され
て形成した樹脂層10が膜を形成している。
【0017】図4は、溶融樹脂が射出される工程を示し
ている。溶融樹脂は、雄型3に設けられたゲート4を通
して成形金型1内のキャビティ9へと射出充填される。
その際、先に形成された樹脂層10は、射出樹脂の持つ
熱量で全体が溶融して完全な一層になる。その後、成形
金型を好ましくは50℃以下に冷却し、キャビティ9を
充填した溶融樹脂は冷却されて成形品11の形状にな
る。なお、射出する樹脂は、発泡剤を含んだ発泡性樹脂
であってもよく、その場合には発泡成形品11になる。
なお、この射出成形には、射出圧縮成形や射出プレス成
形に代表される低圧成形も含まれる。
【0018】図5は、冷却した製品12を取り出す工程
を示している。雌型2と雄型3とを互いに離間させて成
形金型を開くと、樹脂粉末から形成された樹脂層10と
射出樹脂から形成された成形品層11とが一体化した製
品12が取り出される。樹脂層10は、製品12の表面
の一部を形成し、2層構造体になっている。
【0019】これ迄は2層成形品の製造方法について説
明したが、3層以上の成形品を製造する場合には、溶射
を2段階以上に分けて行なうか、或いは溶射工程と従来
から行なわれている多色成形とを併用する方法をとれば
よい。
【0020】一方、図6は、図2で用いた樹脂粉末の溶
射装置の一例を示す概略図である。図6において、樹脂
粉末流動タンク20には、その下部に金網や目皿等によ
ってスクリーン24が設置されており、その上部空間に
樹脂粉末が予め充填されている。また、その底部には気
体供給源25が接続し、タンク20の内部から頂部へと
延びている錘状部分27には溶射ガン21へとつながる
ライン26が接続されている。気体供給源25から供給
される空気や窒素等の気体は、タンク20の底部に設け
られているスクリーン24を通過して噴出し、タンク2
0内に充填されている樹脂粉末を流動化させる。流動化
した樹脂粉末は上昇し、錘状部分27へと移動してい
く。
【0021】一方、別の圧縮気体の供給源28から供給
される圧縮空気等の気体は、ライン29を経由して溶射
ガン21へ直接送気されると共に、ライン30を経由し
てタンク20の錘状部分27へも送気される。従って、
タンク20内で流動している樹脂粉末は、ライン30を
経由して送られてくる圧縮気体によってタンク20内の
錘状部分27から溶射ガン21へと圧送され、また溶射
ガン21へライン29を経由して直接送られる気体の助
けを得て溶射ガン21から噴射される。この錘状部分2
7によって、溶射時に樹脂粉末の凝集を抑制ないし防止
することができる。
【0022】さらに、溶射ガン21には、燃料ガスの供
給源23につながる燃料補給ライン31が接続してお
り、燃料ガスは、溶射ガン21内に設けられているバー
ナーで燃焼し、その時の炎の熱量で噴射される樹脂粉末
の少なくとも一部が溶融する。
【0023】樹脂層を形成する樹脂粉末は、溶射時に溶
融し易いように比較的に低融点で、かつ加熱する炎で劣
化しにくい樹脂が好ましい。融点が90〜200℃の範
囲にある樹脂を用いると、溶射ガン21で溶融し易いと
共に、金型内面上で樹脂層の皮膜を形成し易いので好ま
しい。さらに、射出樹脂と同質ないし類似の材料である
と、両層の層間接着性が良好であるので好ましい。
【0024】このような観点から、樹脂層を形成する好
ましい樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、その部分けん化物、エチレン・(メタ)アクリ
ル酸共重合体、その金属イオン架橋物、いわゆるアイオ
ノマー樹脂等のポリオレフィン樹脂、ナイロン10、ナ
イロン11、ナイロン12、ナイロン610等のポリア
ミド樹脂を例示することができる。これらの樹脂は、市
販されており、容易に入手し使用することができる。
【0025】その樹脂は、ASTM D−1238に準
拠し、230℃、2.16kg荷重下で測定されるメル
トフローレート(MFR)の値が、好ましくは10〜1
000(g/10分)、より好ましくは20〜500
(g/10分)であることが望ましい。MFR値がこの
範囲にあると、溶射時に溶融し易く、気泡をまき込みに
くく、また金型内面上で「だれ」を起こしにくく、そし
て均一な厚さで強度の高い膜を形成することができる。
【0026】樹脂粉末の粒径は、好ましくは10〜20
0μm、より好ましくは40〜150μmの範囲にあっ
て、平均粒径は、好ましくは30〜100μm、より好
ましくは40〜80μmである。粒径が前記の範囲にあ
ると、溶射の工程で溶融し易くかつ劣化しにくく、また
ボイドがほとんどなくかつ機械的強度の高い樹脂層を均
一厚さで形成することができる。このような粒径に調整
された樹脂粉末は、機械粉砕、冷凍粉砕、化学粉砕等の
粉砕法、エマルジョンやディスパージョンからの分離
法、水溶液等の溶液からのスプレードライ法等によって
調製することができる。特に、着色剤や添加剤等を混合
した後に、粉砕する方法が好ましい。
【0027】本発明において、粉末樹脂が溶射される金
型内面は、好ましくは樹脂粉末の軟化点以上かつ融点以
下の温度に制御されるが、その樹脂の軟化点および融点
は、次の方法で測定することができる。すなわち、樹脂
の融点は、試料を示差走査型熱量計(DSC)を用いて
10℃/分の速度で昇温し、その時観察される吸熱ピー
クのピーク位置から測定される。また、軟化点は、ヴィ
カット軟化点の測定法によって求めることができる。
【0028】この樹脂粉末には、本発明の目的から逸脱
しない範囲内で、各種の添加剤を必要に応じて加えるこ
とができる。そのような添加剤としては、酸化防止剤、
耐熱安定剤、耐候安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、塩
酸吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、銅害防
止剤、中和剤、架橋剤、過酸化物、抗菌剤、防カビ剤、
ワックス等を挙げることができる。樹脂層に製品の装飾
的役割を期待する場合には、顔料等の着色剤を配合する
が、中でもメタリック系の着色剤は好適に使用でき、目
だったウエルドマークはほとんど発生しない。その際、
樹脂と着色剤とを混練りした後、あるいはドライブレン
ドした後粉砕処理する方法をとることが望ましい。
【0029】射出用の樹脂は、射出成形可能な樹脂であ
れば特に限定されず、製品の使用目的から選択すればよ
い。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレン・2,6−ナフタレ
ート等のポリエステル樹脂、ナイロン−6、ナイロン−
66、ナイロン−11、ナイロン−12等のポリアミド
樹脂、ポリオキシメチレン等のポリエーテル樹脂、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリ
ル酸共重合体、それを金属イオン架橋したいわゆるアイ
オノマー樹脂等のエチレン・ビニルモノマー共重合体樹
脂、ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系樹脂を例
示することができる。これらの樹脂は、市販されてお
り、容易に入手し使用することができる。
【0030】これらの中でも、溶射によって形成された
樹脂層との接着性、物性、機械的強度、成形性、コスト
等を考慮すると、ポリオレフィン樹脂が好ましく、特に
ポリエチレンおよびポリプロピレンが好ましい。ポリエ
チレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、または線状低密度ポリエチ
レンのいずれでもよい。ポリプロピレンとしては、プロ
ピレン単独重合体であってもよいし、プロピレンとα−
オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合
体であってもよい。また、それらのブレンド体であって
もよい。これらの樹脂は、公知の方法、例えばオレフィ
ンの立体規則性重合法によって製造することができる。
【0031】特に好ましい樹脂は、ポリプロピレンであ
って、その密度が好ましくは0.890〜0.920
(g/cm)、より好ましくは0.900〜0.91
0(g/cm)であって、ASTM D−1238に
準拠し、230℃、2.16kg荷重下で測定したメル
トフローレート(MFR)の値が、好ましくは0.5〜
200(g/10分)、より好ましくは2〜120(g
/10分)である。この範囲内にあると、高速射出成形
が可能であって、また剛性と耐衝撃性とのバランスに優
れている。樹脂粉末から形成された樹脂層が、エチレン
系またはプロピレン系樹脂で構成されている場合には、
それとの接着性が良好なポリプロピレンは製品本体を形
成する樹脂として特に好ましい。
【0032】このような射出用の樹脂には、本発明の目
的から逸脱しない範囲内で、他の重合体や添加剤を配合
することができる。他の重合体としては、オレフィン系
またはスチレン系の熱可塑性エラストマーを挙げること
ができ、それによって樹脂の耐衝撃性を向上させること
ができる。中でも、エチレン・プロピレン共重合体、エ
チレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−オクテン
共重合体、プロピレ・エチレン共重合体、プロピレン・
1−ブテン・エチレン共重合体、エチレン・プロピレン
・ジエン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーが好ましい。
【0033】また、無機充填材を配合することができ、
それによって樹脂の剛性を向上させる効果が生じる。そ
の例として、タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウ
ム、ガラス繊維等を挙げることができる。
【0034】さらに別の添加剤としては、酸化防止剤、
耐熱安定剤、耐候性安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、
塩酸吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、核剤、滑材、着色
剤、発泡剤、架橋剤過酸化物などの流れ性改良剤、ウエ
ルド強度改良剤、ワックス等を用いることができる。
【0035】
【実施例】次に実施例を通して本発明を説明するが、本
発明はそれらの実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
【0036】(実施例1)融点が98℃、ASTM D
−1238に準拠し、230℃、2.16kg荷重下で
測定したMFRが25(g/10分)で、メタクリル酸
含量が9重量%のエチレン・メタクリル酸共重合体にア
ルミニウム粉末(東洋アルミニウム株式会社製品、平均
粒径40μm)を4重量%配合し、溶融混練してペレッ
トを得た。その後、そのペレットを冷凍粉砕し、粒径が
10μm以下、および100μm以上の粒子を除き、平
均粒径58μmの樹脂粉末を得た。
【0037】その樹脂粉末をバーナー加熱法の溶射ガン
(スルザーメテコ社製品)に供給し、95℃に保持した
射出成形機の雌型内面に向かって溶射し、縦120m
m、横130mm、厚さ0.5mmの層を形成した。
【0038】次いで金型を閉じ、融点166℃、MFR
58(g/10分)のプロピレンホモポリマーを、シリ
ンダー温度190℃で、2点ゲートより射出成形した。
金型温度を50℃に下げ、25秒間冷却してから金型を
開き、製品を取り出した。
【0039】得られた製品の形状は、縦200mm、横
300mm、厚さ3mmの成形体であって、その表面中
央部に先に溶射法で形成した樹脂層が埋め込まれてお
り、両層は互いに強固に接着していた。また、製品表面
にはウエルドマークは見られなかった。
【0040】(実施例2)融点167℃、アイソタクチ
ックペンタッド分率が97.5%、MFRが14(g/
10分)のプロピレンホモポリマーに、平均粒径10μ
mのアルミニウム粉末を4重量%配合し、溶融混練して
ペレットを得た。その後、ペレットをボールミルを用い
て粉砕し、粒径が40μm以下、および125μm以上
の粒子を除き、平均粒径82μmの樹脂粉末を得た。
【0041】その樹脂粉末をバーナー加熱法の溶射ガン
に供給し、155℃に保持した射出成形機の雌型内面に
向かって溶射し、縦120mm、横130mm、厚さ
0.3mmの層を形成した。
【0042】次いで金型を閉じ、融点166℃、MFR
14(g/10分)の結晶性プロピレン・エチレンブロ
ック共重合体を、シリンダー温度190℃で、2点ゲー
トより射出成形した。金型温度を50℃に下げ、25秒
間冷却してから金型を開き、成形品を取り出した。
【0043】得られた製品の形状は、縦200mm、横
300mm、厚さ3mmの成形体であって、その表面中
央部に先に溶射法で形成した樹脂層が埋め込まれてお
り、両成形体は互いに強固に接着していた。また、製品
表面にはウエルドマークは見られなかった。
【0044】
【発明の効果】本発明に係わる多層成形品の製造方法に
よると、一般的な射出成形機を用いた射出成形工程の前
に、溶射と言う樹脂皮膜を形成させる工程を付加するこ
とによって、希望する面積と厚さとを持った表面樹脂層
と製品本体部分になる射出成形品とが強固に接合した多
層成形品を効率よく製造することができる。また、成形
品表面には、目だったウエルドマークがほとんど生じな
いので、得られた製品の外観は良好である。
【0045】従って、この製造方法を用いて2色成形を
行うと、加飾効果を与える表面層を持った2層成形品
が、きれいな外観でかつ安価に製造することができる。
また、表面層の色を変えるだけでなく、硬度の高い表面
層、帯電防止効果を持った表面層、光沢の良好な表面層
等、特殊な機能を有する表面層を積層した成形品の製造
に好適である。
【0046】それ故にこの製造方法は、ドアトリム、イ
ンストルーメントパネル等の自動車内装材、サイドプロ
テクトモール、バンパー、ソフトフェイシア、マッドガ
ード等の自動車外装材、家電用ハウジング、事務用品、
日用雑貨、台所用品、建材用品、スポーツ用品等の製造
に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 樹脂粉末を溶射するための準備工程を示す概
略図である。
【図2】 樹脂粉末を溶射する工程を示す概略図であ
る。
【図3】 射出成形を開始するための準備工程を示す概
略図である。
【図4】 溶融樹脂の射出工程を示す概略図である。
【図5】 製品を取り出す工程を示す概略図である。
【図6】 樹脂粉末の溶射装置の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 成形金型 2 雌型 3 雄型 5 加熱冷却媒体の供給排出口 6 金型内面 7 開口部 8 遮蔽膜 9 キャビティ 10 樹脂層 11 成形品 12 製品 20 樹脂粉末流動タンク 21 溶射ガン 23 燃料ガスの供給装置 24 スクリーン 25 気体供給源 26、29、30、31 ライン 27 錘状部分 28 圧縮気体の供給源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA11 AA45 AB12 AC04 AG03 AR06 CA11 CB01 CB12 CN01 CN21 4F206 AA04 AA11 AB12 AC04 AD05 AD09 AD11 AF10 AF14 AG03 AH23 AH24 AH25 AH26 AH47 AH59 AM36 JA07 JB22 JB28 JF01 JF23 JL02 JQ06 JQ81 JQ90

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出成形用金型が開いた状態でその金型内
    面に向かって少なくとも一部が溶融した樹脂粉末を溶射
    して金型内面に樹脂層を形成し、次いで金型を閉じてそ
    こに形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出すること
    を特徴とする多層成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記の金型は、加熱および冷却手段を備え
    ていることを特徴とする請求項1に記載の多層成形品の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記の樹脂粉末が溶射される金型は、溶射
    開始時に樹脂粉末の軟化点以上かつ融点以下の温度に調
    整されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    の多層成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記の樹脂粉末の溶射は、樹脂粉末が溶射
    される金型の手前に設置された遮蔽膜の開口部を通して
    行なわれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の多層成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記の樹脂粉末は、その中に着色剤を含有
    していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の多層成形品の製造方法。
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