JP2003275593A - 新規なパラジウム触媒 - Google Patents

新規なパラジウム触媒

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JP2003275593A
JP2003275593A JP2002080931A JP2002080931A JP2003275593A JP 2003275593 A JP2003275593 A JP 2003275593A JP 2002080931 A JP2002080931 A JP 2002080931A JP 2002080931 A JP2002080931 A JP 2002080931A JP 2003275593 A JP2003275593 A JP 2003275593A
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JP
Japan
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carbon
palladium
double bond
bond
palladium black
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Application number
JP2002080931A
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English (en)
Inventor
Shojiro Maki
昌次郎 牧
Haruki Niwa
治樹 丹羽
Atsunori Sano
淳典 佐野
Keiji Ono
桂二 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解装置や電気的エネルギー源等
を使用せず容易に製造でき、摩擦等による静電気発火の
危険を伴わず安全に取り扱うことができ、且つその使用
によって加水素分解を伴わない水素添加反応等を選択的
に行うことを可能にするパラジウム触媒を提供するこ
と。 【解決手段】 パラジウムよりイオン化傾向の大
きい金属を含んで成る担体とパラジウムイオンを含む溶
液とを接触させることによって当該担体上に担持された
パラジウムブラックは、摩擦等による静電気発火の心配
がなく安全に取り扱うことが出来、当該パラジウムブラ
ックを触媒として使用すれば、加水素分解反応及び炭素
−炭素三置換二重結合及び/又は炭素−炭素四置換二重
結合の水素添加(還元)を伴わずに、炭素−炭素一置換
二重結合、炭素−炭素二置換二重結合及び/又は炭素−
炭素三重結合のみを選択的に水素添加(還元)反応させ
ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、選択的反応を誘導
する、パラジウムよりイオン化傾向が大きい金属を含ん
で成る担体に担持されたパラジウムブラック触媒に関す
る。
【0002】
【従来の技術】パラジウム触媒を用いた加水素分解反応
や水素添加反応は、工業的レベルから研究室レベルに至
るまで日常的に行われている。
【0003】しかしながら、従来のパラジウム触媒は粉
末であるため、該触媒を使用した反応後はその都度触媒
を濾過するという煩雑な作業が必要であり、また該触媒
はそれ自体発火性が高いというだけでなく、摩擦等によ
る静電気発火の危険性も伴っているため、その取り扱い
には細心の注意が必要であった。
【0004】そこで、本発明者等の一部は、触媒自体が
発火し難く、且つ反応後も反応液から触媒を容易に分離
できるパラジウム触媒として、陽極及び導電性物質から
なる陰極を用いてパラジウムイオンを含んで成る溶液を
電解することにより得られる、導電性物質上に担持され
たパラジウムブラックを見出した。
【0005】しかしながら、上記した如き方法では、発
火し難く取り扱い易いパラジウムブラックが得られると
はいえ、例えば電解層、電極、電気的エネルギー源等の
特別な装置等の使用が必須であり、簡便な方法であると
は言い難かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑み為されたものであり、電解装置や電気的エ
ネルギー源等の特別な装置等を使用せずに容易に製造で
き、摩擦等による静電気発火の危険を伴わず安全に取り
扱うことができ、且つその使用によって加水素分解を伴
わない水素添加反応等を選択的に行うことを可能にする
パラジウム触媒を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、パラジウムよ
りイオン化傾向の大きい金属を含んで成る担体とパラジ
ウムイオンを含む溶液とを接触させることを特徴とす
る、パラジウムブラックの当該担体への担持方法及び該
方法によって得られる、パラジウムよりイオン化傾向の
大きい金属を含んで成る担体に担持されたパラジウムブ
ラック、並びに上記した如きパラジウムよりイオン化傾
向の大きい金属を含んで成る担体に担持されたパラジウ
ムブラックの存在下、炭素−炭素二重結合及び/又は炭
素−炭素三重結合を有する化合物に水素ガスを接触させ
ることを特徴とする当該炭素−炭素二重結合及び/又は
炭素−炭素三重結合の水素添加反応方法、の発明であ
る。
【0008】また、本発明は、上記した如きパラジウム
よりイオン化傾向の大きい金属を含んで成る担体に担持
されたパラジウムブラックの存在下、加水素分解によ
って切断(除去)される基及び炭素−炭素二重結合及び
/又は炭素−炭素三重結合を有する化合物又は加水素
分解によって切断(除去)し得る基を有する化合物と炭
素−炭素二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合を有す
る化合物との混合物に水素ガスを接触させることを特徴
とする、加水素分解を伴わない当該炭素−炭素二重結合
及び/又は炭素−炭素三重結合の水素添加反応方法、及
び上記した如きパラジウムよりイオン化傾向の大きい金
属を含んで成る担体に担持されたパラジウムブラックの
存在下、A)炭素−炭素一置換二重結合、炭素−炭素二
置換二重結合及び炭素−炭素三重結合から選ばれた少な
くとも1つと炭素−炭素三置換二重結合及び/又は炭素
−炭素四置換二重結合を有する化合物、B)炭素−炭素
一置換二重結合、炭素−炭素二置換二重結合及び炭素−
炭素三重結合から選ばれた少なくとも1つを有する化合
物及びC)炭素−炭素三置換二重結合及び/又は炭素−
炭素四置換二重結合を有する化合物から成る群より、炭
素−炭素一置換二重結合、炭素−炭素二置換二重結合及
び炭素−炭素三重結合から選ばれた少なくとも1つと炭
素−炭素三置換二重結合及び/又は炭素−炭素四置換二
重結合とが共存するように選択された化合物若しくはそ
の組み合わせと、水素ガスとを接触させることを特徴と
する、当該炭素−炭素一置換二重結合、炭素−炭素二置
換二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合の選択的水素
添加反応方法、の発明である。
【0009】即ち、本発明者等は、上記目的を達成すべ
く鋭意研究を重ねた結果、イオン化傾向がパラジウムよ
り大きい金属を含んで成る担体とパラジウムイオンを含
む溶液とを接触させることによって、当該担体表面に存
在するパラジウムよりイオン化傾向の大きい金属上にパ
ラジウムブラックが担持(固定化)されること、更には
このようにして担持させたパラジウムブラックが、摩擦
等による静電気発火の心配がなく安全に取り扱うことが
出来、これを触媒として使用すれば、加水素分解反応を
伴わず選択的に水素添加反応のみ行うことができるこ
と、更には炭素−炭素三置換二重結合及び/又は炭素−
炭素四置換二重結合を水素添加(還元)せず、炭素−炭
素一置換二重結合、炭素−炭素二置換二重結合及び/又
は炭素−炭素三重結合のみを選択的に水素添加(還元)
反応させるという、従来のパラジウムブラック触媒を用
いた場合には行うことの出来なかった選択的反応を容易
に行うことが出来ることを見出し、本発明を完成するに
到った。
【0010】本発明のパラジウムよりイオン化傾向の大
きい金属を含んで成る担体に担持(固定化)させたパラ
ジウムブラック(以下、本発明の担持パラジウムブラッ
クと略記することがある。)を製造するには、例えば以
下のようにすればよい。
【0011】即ち、パラジウムよりイオン化傾向の大き
い金属を含んで成る担体とパラジウムイオンを含む溶液
とを接触させると、パラジウムよりイオン化傾向の大き
い金属を含んで成る担体の表面に存在する、パラジウム
よりイオン化傾向の大きい金属とパラジウムイオンを含
む溶液との接触面で、所謂金属交換が起こり、パラジウ
ムよりイオン化傾向の大きい金属は陽イオンとなり(金
属をMとすると例えば、M→M2++2e-)溶液に溶解し、溶
液中のパラジウムイオンはパラジウム(パラジウムブラ
ック)となり(Pd2++2e-→Pd)、イオン化傾向がパラジ
ウムより大きい金属上に担持されることによって、本発
明の担持パラジウムブラックが製造される。そして、パ
ラジウムイオンを含む溶液と、パラジウムよりイオン化
傾向の大きい金属との接触面が、担持されたパラジウム
ブラックで全て覆われると、パラジウムよりイオン化傾
向の大きい金属はそれ以上金属イオンとなって溶出する
ことはなく、ここでパラジウムブラックの担持も終了す
る。
【0012】尚、本発明の担持パラジウムブラックの
「パラジウムブラック」は、従来の所謂パラジウムブラ
ック(黒色微粉末パラジウム)と同様に黒色であり触媒
活性を有することから、ここでは支持体に担持されるも
のを便宜的にパラジウムブラックと呼んでいるが、これ
はあくまでも本発明者等によって見出された方法により
得られるものを意味する。
【0013】本発明に係る、パラジウムブラックが担持
される、パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属を含
んで成る担体としては、パラジウムよりイオン化傾向の
大きい金属がその表面に存在しているものであれば如何
なるものでもよい。
【0014】パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
としては、パラジウムの標準電極電位が+0.99Vで
あることから、それよりも標準電極電位の小さい金属が
挙げられ、中でもその値が−1.66〜+0.80Vで
ある金属が好ましい。パラジウムよりイオン化傾向の大
きい金属の具体例としては、例えばリチウム、ルビジウ
ム、カリウム、バリウム、ストロンチウム、カルシウ
ム、ナトリウム、マグネシウム、ベリリウム、アルミニ
ウム、ジルコニウム、チタン、マンガン、クロム、バナ
ジウム、亜鉛、鉄、カドミウム、インジウム、コバル
ト、ニッケル、スズ、鉛、銅、銀等が挙げられ、中でも
マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、
マンガン、クロム、バナジウム、亜鉛、鉄、カドミウ
ム、インジウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、銅、
銀が好ましく、さらに好ましいものとしては、マグネシ
ウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、バナジウ
ム、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、鉛、銅が挙げられる。
【0015】パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
を含んで成る担体としては、上記した如きパラジウムよ
りイオン化傾向の大きい金属のみから成るものでも、或
いは上記金属以外に例えばパラジウム、イリジウム、白
金、金等のイオン化傾向がパラジウムより大きくない金
属、即ち標準電極電位が+0.99V以上の金属や例え
ば炭素等パラジウムに反応性を示さない物質物等が上記
した如きパラジウムよりイオン化傾向の大きい金属中に
含まれているものでもよいが、パラジウムよりイオン化
傾向の大きい金属のみから成っている支持体が好まし
い。
【0016】また、パラジウムよりイオン化傾向の大き
い金属同士からなる合金も同様に本発明の方法に使用し
得る。
【0017】上記パラジウムよりイオン化傾向の大きい
金属を含んでなる担体の形状は、如何なるものであって
もよく、具体的には、例えばシート状、チューブ状、塊
状、棒状、球状、粉末状等が挙げられ、中でも表面積が
大きい形状であるシート状、粉末状等が好ましい。
【0018】パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
を含んで成る担体が粉末状である場合を除いて、当該担
体とパラジウムイオンを含む溶液とを接触させる際の当
該担体の厚さは、その形状に拘わらず通常0.01μm
〜10cm、好ましくは0.05μm〜1cm、より好
ましくは0.1μm〜1mmである。
【0019】上記した如きパラジウムよりイオン化傾向
の大きい金属を含んで成る担体を支持体としてそこにパ
ラジウムブラックを担持させる際、該担体に接触させる
パラジウムイオンを含む溶液としては、パラジウムイオ
ンを含んでいれば如何なるものでもよく、所謂陰イオン
やパラジウムイオン以外の陽イオンが混存していてもよ
いが、溶液中にパラジウムよりイオン化傾向の小さい陽
イオンが含まれている場合には、該陽イオンがパラジウ
ムイオンより先に支持体金属表面に担持されてしまうた
め、このような陽イオンの含有率が低い程好ましい。
【0020】上記パラジウムイオンを含む溶液に於ける
溶媒としては、例えば水、例えば例えばメタノール、テ
トラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸、ジメチルス
ルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ヘキサメチル
ホスホアミド等の水溶性有機溶媒、例えば無水酢酸、酢
酸エチル、塩化メチレン、ベンゼン、プロピレンカーボ
ネート、ニトロメタン、ヘキサメチルホスホアミド等の
非水溶性有機溶媒等が挙げられ、これら溶媒は単独でも
或いは二種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
【0021】尚、パラジウムイオンとしては、通常二
価、三価及び四価のものが挙げられるが、その入手し易
さから二価のものが好ましく、中でも水や水溶性有機溶
媒に溶解し易い、例えば塩化パラジウム、硫酸パラジウ
ム、硝酸パラジウム等のパラジウム塩に由来するものが
より好ましい例として挙げられる。
【0022】パラジウムイオンを含む溶液は、例えば前
記した如きパラジウム塩を水等の溶媒に溶解しても得る
ことが出来るが、通常0.3〜5N、好ましくは1〜2
Nの酸溶液に溶解させると容易に調製することが出来
る。例えばパラジウム塩として塩化パラジウムを用いる
場合、適当な濃度の塩酸溶液にそれを溶解させることに
より容易にパラジウムイオンを含む溶液を調製し得る。
【0023】パラジウムイオンを含む溶液中のパラジウ
ムイオンの濃度は、通常1×10 mol/L〜過飽和状
態まで、好ましくは1×10−4〜1×10−1mol/L
である。
【0024】支持体であるパラジウムよりイオン化傾向
の大きい金属を含んで成る担体とパラジウムイオンを含
む溶液とを接触させる方法としては、それらが接触する
ような方法であれば特に限定されないが、経済的観点か
ら考えれば、支持体をパラジウムイオンを含む溶液中に
浸漬させる方法が最も効率の良い方法である。
【0025】本発明の担持パラジウムブラックを得る際
に、支持体であるパラジウムよりイオン化傾向の大きい
金属を含んで成る担体にパラジウムイオンを含む溶液を
接触させる時間は、支持体のイオン化傾向の大きさや、
溶液中のパラジウムイオンの濃度等によって異なるが、
通常1秒〜10時間、好ましくは1秒〜1時間、より好
ましくは1秒〜20分である。
【0026】また、パラジウムよりイオン化傾向の大き
い金属を含んで成る担体とパラジウムイオンを含む溶液
とを接触させる際の溶液の温度は、支持体のイオン化傾
向の大きさや、溶液中のパラジウムイオンの濃度等によ
って異なるが、通常−20〜200℃、好ましくは0〜
100℃、より好ましくは10〜60℃である。
【0027】本発明の担持パラジウムブラックに於い
て、パラジウムブラックの支持体への担持量は、支持体
を構成する金属等の種類によっても異なるが、支持体表
面に存在する、パラジウムよりイオン化傾向の大きい金
属表面の単位面積当たり通常0.01〜1000mg/c
m2、好ましくは0.01〜100mg/cm2で、より好まし
くは1〜10mg/cm2である。
【0028】尚、本発明に於いては支持体に担持させる
ものとしてパラジウムブラックのみを挙げたが、例えば
白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウム等
のパラジウム以外の7〜10族の元素についても本発明
の方法と同様の操作によってそれらの元素よりイオン化
傾向の大きい金属を含んで成る支持体に担持させること
が可能であり、またそれらは繰り返し使用し得る触媒と
して有用である。
【0029】上記の如き方法によって得られた本発明の
担持パラジウムブラックは、通常例えば水、例えばアセ
トン等のケトン類、例えばメタノール、エタノール等の
アルコール類等の各種有機溶媒等によって洗浄した後、
或いはその後例えばドライヤー等による送風・温風、例
えば真空ポンプ等による減圧操作等によって乾燥した
後、各種反応に用いられる。
【0030】上記方法によって製造された、本発明の担
持パラジウムブラックは、温風にさらしても、或いは空
気中に放置しても全く発火せず、また、その触媒活性も
落ちることなく長期間安定に存在し得る。
【0031】本発明の担持パラジウムブラックは、非常
に細かい針状結晶が均一且つ密に、支持体表面を覆うよ
うに担持されたものであり、該針状結晶の長さは、通常
0.01〜1.5μm、好ましくは0.1〜1μmであ
り、幅は、通常0.01〜1μm、好ましくは0.05
〜0.5μである。
【0032】一方、従来の黒色粉末状のパラジウムブラ
ックは、径が約0.2〜30μmの大小様々な塊状物で
あったこと及び本発明者等が以前見出した、パラジウム
塩溶液の電解によって導電性を有する支持体である陰極
表面に担持させたパラジウムブラックは、1.5〜10
μmの径を有する球状粒子状物であったことから、本発
明の方法によって得られた本発明の担持パラジウムブラ
ックとは異なるものである。また、本発明の担持パラジ
ウムブラックは、従来のパラジウムブラックに比べ、結
晶形が異なり結晶の大きさも非常に小さいので、支持体
上に担持されたパラジウムブラック自体の表面積も従来
のものに比べて大きい。
【0033】また、本発明の担持パラジウムブラック
は、本発明者等がこれと同時に見出した、ガス透過性膜
又は水素吸蔵物質から成る支持体に担持させたパラジウ
ムブラックと比べてもその結晶が非常に細かく支持体上
に密に担持されている。
【0034】本発明のパラジウムブラックを得る方法
は、金属交換反応を利用した方法であり、特別な電解等
の装置や電気エネルギー等を必要としない点で、従来の
電気化学的手法によって支持体にパラジウムブラックを
担持させる方法に比べて非常に有用性が高いものであ
る。
【0035】上記した如き本発明の方法で得られた本発
明の担持パラジウムブラックは、従来のパラジウムブラ
ックと同様、その存在下、炭素−炭素二重結合及び/又
は炭素−炭素三重結合を有する化合物に水素ガスを接触
させることにより当該炭素−炭素二重結合及び/又は炭
素−炭素三重結合の水素添加を行うことが出来る。
【0036】また、上記した如き本発明の方法で得られ
た本発明の担持パラジウムブラックは、加水素分解を伴
わない水素添加反応の触媒として極めて有用である。
【0037】即ち、本発明の担持パラジウムブラックの
存在下、加水素分解によって切断(除去)される基及
び炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合を
有する化合物又は加水素分解によって切断(除去)し
得る基を有する化合物と炭素−炭素二重結合及び/又は
炭素−炭素三重結合を有する化合物との混合物に水素ガ
スを接触させることにより、加水素分解反応を伴わず
に、化合物中の当該炭素−炭素二重結合及び/又は炭素
−炭素三重結合のみの選択的水素添加反応(以下、本発
明の加水素分解を伴わない選択的水素添加反応と略記す
ることがある。)を行うことが出来る。
【0038】加水素分解(接触還元)によって切断(除
去)される基としては、通常の接触還元操作によって切
断(除去)される基が挙げられ、この様な基としては、
例えばアリルアルコール由来の基、ベンジルアルコール
由来の基等が挙げられ、中でも代表的な例として、例え
ばアリルオキシ基、ベンジルオキシカルボニル基
(Z)、t−ブチルオキシカルボニル基(Boc)、p
−ニトロベンジルオキシカルボニル基(Z(NO))、
p−メトキシベンジルオキシカルボニル基(Z(OM
e))、p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル
基(Bpoc)、9−フルオレニルメチルオキシカルボ
ニル基(Fmoc)、イソニコチニルオキシカルボニル
基(iNoc)、ジフェニルメチルオキシカルボニル基
(Dpmoc)、C6H5-N=N-C6H4CH2OCO-(Pz)、C6H4
(4OCH3)-N=N-C6H4CH2OCO-(Mz)、C6H4(4Cl)-CH2OCO-
(Z(Cl))、C6H3(2,4Cl2)-CH2OCO-(Z(2,4C
))、ベンジルオキシ基(OBzl)、C6H4(4NO2)-
CH2O-(OBzl(NO))、C6H4(4OCH3)-CH2O-(OB
zl(OMe))、 (OPic)、(C6H5)2CHO-(OBzh)、C6H5CH2OCH2
-(Bom)等及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0039】本発明の加水素分解を伴わない選択的水素
添加反応に於いて、加水素分解によって切断(除去)さ
れる基及び炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−炭素三
重結合を有する化合物、加水素分解によって切断(除
去)し得る基を有する化合物、及び炭素−炭素二重結合
及び/又は炭素−炭素三重結合を有する化合物として
は、夫々の化合物で定義される種類の基や結合を有する
ものであれば如何なるものでもよい。
【0040】触媒として反応系に存在させる本発明の担
持パラジウムブラックの使用量は、支持体を除いたパラ
ジウムブラック自体の量が反応基質に対して、通常1×
10 -5〜100wt%、好ましくは1×10-2〜100wt
%、より好ましくは5×10-1〜5wt%となる量である。
【0041】上記した如き本発明の加水素分解を伴わな
い選択的水素添加反応方法に於いては、適当な溶媒を用
いても或いは無溶媒で反応を行ってもよい。
【0042】溶媒を用いる場合の溶媒としては、反応温
度で液体であれば如何なるものでもよく、例えばプロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカ
ン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプ
タデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、シク
ロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘ
キサン、シクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類、例えば
ベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類、例えばト
ルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロ
ピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、イソブチルベ
ンゼン、t−ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ヘキ
シルベンゼン等のアルキル置換芳香族炭化水素類、例え
ばビフェニル、ターフェニル等のビフェニル類、例えば
フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロ
ベンゼン、テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベ
ンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、テトラクロロベ
ンゼン、ペンタクロロベンゼン、ヘキサクロロベンゼ
ン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、トリブロモベ
ンゼン、テトラブロモベンゼン、ペンタブロモベンゼ
ン、ヘキサブロモベンゼン、ヨードブロモベンゼン、ジ
ヨードベンゼン、トリヨードベンゼン、テトラヨードベ
ンゼン、ペンタヨードベンゼン、ヘキサヨードベンゼ
ン、クロロナフタレン、ジクロロナフタレン、フルオロ
トルエン、クロロトルエン、ブロモトルエン、ヨードト
ルエン等のハロゲン置換芳香族炭化水素類、例えばアニ
ソール、エトキシベンゼン、プロピルオキシベンゼン、
ブトキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、ヘキシル
オキシベンゼン等のアルコキシ置換芳香族炭化水素類
等、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカ
ノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノ
ール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ベンジル
アルコール等のアルコール類、例えばフェノール、カテ
コール、レゾルシノール、クレゾール等のフェノール
類、例えば蟻酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ブロピオン
酸エチル、プロピオン酸ブチル、ラク酸エチル、吉草酸
エチル、ヘキサン酸エチル、シュウ酸ジメチル、シュウ
酸ジエチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マ
ロン酸ジブチル、コハク酸ジメチルコハク酸ジエチル、
アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、アセト酢酸
エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、例えば安息香
酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香
酸ブチル等の芳香族カルボン酸、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン、ジエチルケトン、ヘキサノン、シクロ
ヘキシルアセトン、アセトフェノン、プロピオフェノ
ン、アセトイン等のケトン類、例えばジメチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサ
ン、シクロペンチルフェニルエーテル等のエーテル類、
例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒ
ド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ベンズ
アルデヒド、アニスアルデヒド、ニコチンアルデヒド、
グリセルアルデヒド、グリコールアルデヒド、マロンア
ルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、
アジピンアルデヒド、フタルアルデヒド、イソフタルア
ルデヒド、テレフタルアルデヒド、グリオキサル、アミ
ノアセトアルデヒド、アミノブチルアルデヒド、アスパ
ラギンアルデヒド等のアルデヒド類、例えばアンモニ
ア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、
1-エチルブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ナフチ
ルアミン、ベンゾフランアミン等のアミン類等の有機溶
媒等が挙げられる。これら溶媒は、反応基質の種類、反
応温度或いは目的とする反応時間等によって適宜選択さ
れ、単独で用いても二種以上適宜組み合わせて用いても
よい。尚、反応基質の水素添加反応が優先されるよう
に、炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合
等の水素添加反応を起こすような構造を有する化合物か
らなる溶媒でないものを用いることが好ましい。
【0043】上記溶媒の中でも例えば上記芳香族炭化水
素類、アルキル置換芳香族炭化水素類、ハロゲン置換芳
香族炭化水素類、アルコキシ置換芳香族炭化水素類等の
非プロトン性の芳香族炭化水素類を用いることにより、
反応基質の種類、反応温度或いは反応時間等に関係な
く、加水素分解を伴わずに炭素−炭素二重結合及び/又
は炭素−炭素三重結合のみを効果的に還元することが出
来る。
【0044】また、大過剰の上記非プロトン性芳香族炭
化水素類の溶媒に極微量の、例えば水、アルコール類、
フェノール類、カルボン酸エステル類、ケトン類、エー
テル類、ハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等を添加したものも反応条
件によっては本発明の加水素分解を伴わない選択的水素
添加反応の効果的な溶媒になり得る。
【0045】また、該溶媒に反応基質が完全に溶解しな
くとも、懸濁状態で反応を行うことができる。
【0046】溶媒を用いない場合には、反応基質を溶融
して反応を行ってもよく、また気相中で基質を反応させ
てもよい。
【0047】反応系に存在させる水素ガスの圧力は、通
常0.1〜10000気圧、好ましくは0.5〜10気
圧、より好ましくは約1〜2気圧である。
【0048】反応温度は、通常−200〜1000℃、
好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜30℃
である。
【0049】反応時間は、通常約1分〜1000時間、
好ましくは30分〜240時間、より好ましくは30分
〜72時間である。
【0050】尚、本発明の加水素分解を伴わない選択的
水素添加反応方法に於いて、上記した如き反応条件以外
の操作及び後処理法は、自体公知の水素添加反応に準じ
て行えばよい。
【0051】本発明の加水素分解を伴わない選択的水素
添加反応の終了後、反応系から取り出されて洗浄乾燥さ
れた本発明に係る担持パラジウムブラックは、上記の如
き使用によってもその触媒活性が低下しないため、触媒
として種々の反応に繰り返し使用することが可能であ
る。
【0052】また、本発明の担持パラジウムブラックを
触媒として用い、これの存在下、A)炭素−炭素一置換
二重結合、炭素−炭素二置換二重結合及び炭素−炭素三
重結合から選ばれた少なくとも1つと炭素−炭素三置換
二重結合及び/又は炭素−炭素四置換二重結合を有する
化合物、B)炭素−炭素一置換二重結合、炭素−炭素二
置換二重結合及び炭素−炭素三重結合から選ばれた少な
くとも1つを有する化合物及びC)炭素−炭素三置換二
重結合及び/又は炭素−炭素四置換二重結合を有する化
合物から成る群より、炭素−炭素一置換二重結合、炭素
−炭素二置換二重結合及び炭素−炭素三重結合から選ば
れた少なくとも1つと炭素−炭素三置換二重結合及び/
又は炭素−炭素四置換二重結合とが共存するように選ば
れた化合物若しくはその組み合わせと、水素とを接触さ
せることで、炭素−炭素三置換二重結合及び/又は炭素
−炭素四置換二重結合への水素添加反応を伴わずに単一
化合物或いは複数種の化合物が有する当該炭素−炭素一
置換二重結合、炭素−炭素二置換二重結合及び/又は炭
素−炭素三重結合のみの選択的水素添加(以下、本発明
の選択的水素添加反応と略記することがある。)が可能
となる。
【0053】上記した如きA)、B)及びC)から成る
群より選択される化合物若しくはその組み合わせとして
は、A)の化合物のみ、B)の化合物とC)の化合
物との組み合わせ、A)の化合物とB)の化合物との
組み合わせ、A)の化合物とC)の化合物との組み合
わせ、及びA)の化合物とB)の化合物とC)の化合
物との組み合わせが挙げられる。
【0054】尚、本発明の担持パラジウムブラックの存
在下、上記した如きA)〜C)の化合物の多種混合物に
水素を接触させても、上記と同様に化合物中の炭素−炭
素三置換二重結合及び/又は炭素−炭素四置換二重結合
は水素添加されず、炭素−炭素一置換二重結合、炭素−
炭素二置換二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合のみ
が水素添加される。
【0055】上記した如き本発明の選択的水素添加反応
方法に於いて、反応基質である上記A)の化合物、B)
の化合物及びC)の化合物としては、夫々の化合物で定
義される種類の結合を有するものであれば如何なるもの
でもよい。
【0056】反応系に存在させる本発明の担持パラジウ
ムブラック触媒の使用量としては、支持体を除いたパラ
ジウムブラック自体の量が反応基質全体に対して、通常
1×10-5〜100wt%、好ましくは1×10-2〜10
0wt%、より好ましくは5×10-1〜5wt%となる量であ
る。
【0057】上記した如き本発明の選択的水素添加反応
方法に於いては、適当な溶媒を用いても或いは無溶媒で
反応を行ってもよい。
【0058】溶媒を用いる場合の溶媒としては、反応温
度で液体であれば如何なるものでもよく、その具体例と
しては、前記如き本発明の加水素分解を伴わない選択的
水素添加反応に於ける溶媒と同じものが挙げられる。
【0059】また、溶媒の中でも例えば上記芳香族炭化
水素類、アルキル置換芳香族炭化水素類、ハロゲン置換
芳香族炭化水素類、アルコキシ置換芳香族炭化水素類等
の非プロトン性の芳香族炭化水素類を用いることによ
り、反応基質の種類、反応温度或いは反応時間等に関係
なく、水素添加反応に於いて炭素−炭素一置換二重結
合、炭素−炭素二置換二重結合及び/又は炭素−炭素三
重結合のみを効果的に還元することが出来る。
【0060】また、大過剰の上記非プロトン性芳香族炭
化水素類の溶媒に極微量の、例えば水、アルコール類、
フェノール類、カルボン酸エステル類、ケトン類、エー
テル類、ハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等を添加したものも反応条
件によっては本発明の選択的水素添加反応の効果的な溶
媒になり得る。
【0061】また、該溶媒に反応基質が完全に溶解しな
くとも、懸濁状態で反応を行うことができる。
【0062】溶媒を用いない場合には、反応基質を溶融
して反応を行ってもよく、また気相中で基質を反応させ
てもよい。
【0063】本発明の選択的水素添加反応の反応系に存
在させる水素ガスの圧力、反応温度及び反応時間は、前
記した如き本発明の加水素分解を伴わない選択的水素添
加反応に於けるそれと同じである。
【0064】尚、本発明の選択的水素添加反応方法に於
いて、上記した如き反応条件以外の操作及び後処理法
は、自体公知の水素添加反応に準じて行えばよい。
【0065】本発明の選択的水素添加反応の終了後、反
応系から取り出されて洗浄乾燥された本発明の担持パラ
ジウムブラックは、上記の如き使用によっても触媒活性
は低下しないため、触媒として種々の反応に繰り返し使
用することが可能である。
【0066】尚、本発明の加水素分解を伴わない選択的
水素添加反応及び本発明の選択的水素添加反応は、その
反応条件によっては同じ反応系で同時に行うことが可能
である。即ち、同じ反応系に加水素分解によって切断
(除去)し得る基、炭素−炭素一置換二重結合、炭素
−炭素二置換二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合及
び炭素−炭素三置換二重結合及び/又は炭素−炭素四
置換二重結合が存在する場合であっても、本発明の担持
パラジウムブラックを触媒として用いて水素添加反応を
行うことによって、炭素−炭素一置換二重結合、炭素
−炭素二置換二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合の
みの水素添加を行うことが可能となる。
【0067】また、本発明の担持パラジウムブラックを
触媒として用いて通常の接触還元操作を行うことによ
り、従来の黒色粉末状パラジウムブラックと同様、ニト
ロ化合物を還元して対応するアミンを、またニトリルを
還元して対応する第一アミンを製造することも可能であ
る。
【0068】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何等
限定されるものではない。
【0069】
【実施例】実施例1.本発明の担持パラジウムブラック
の製造 厚さ0.75mmのニッケルシート0.221gを、塩
化パラジウム50mgを1N塩酸10mlに溶解して2.8×10-2mol
/Lとした塩化パラジウム塩酸溶液に室温下で浸漬し、1
0分間放置してニッケルシート上にパラジウムブラック
(4mg/cm2)を担持させた。担持後、ニッケルシートを充
分に水及びアセトンで洗浄し、乾燥して溶媒を完全に取
り除き、本発明の担持パラジウムブラックを得た。該担
持パラジウムブラックの表面の走査電子顕微鏡写真を図
1及び2に示す。図1及び2から明らかな如く、ニッケ
ルシート上に担持されたパラジウムブラックは、非常に
細かい針状結晶が均一且つ密に支持体表面を覆うように
担持されていた。尚、該針状結晶の長さは約0.1〜1
μm、幅は約0.05〜0.5μであった。
【0070】比較例1.塩化パラジウム50mgを1N塩酸10
mlに溶解して2.8×10-2mol/Lとした塩化パラジウム塩酸
溶液に電解質として過塩素酸リチウム約100mgを加え
た。電解層に参照電極として飽和甘コウ電極と、陽極と
してグラッシーカーボン板(100mm/10mm/1mm, H/W/D)を
装着し、ポテンショスタットに配線した。尚、ポテンシ
ョスタットはガルバノスタットモードで使用した。0.
06gの短冊状パラジウム薄膜(5mm×25mm×50μm)が陰
極となるように、その先端約20mmを塩化パラジウム塩酸
溶液に浸して配線した。ガルバノスタットで15mAを1時
間かけて通電(約2F/mol相当)して、陰極であるパラジウ
ム薄膜表面にパラジウムブラック(15mg/cm2)を担持させ
た。パラジウムブラックが担持されたパラジウム薄膜を
十分に水洗、乾燥して溶媒を完全に取り除いて、パラジ
ウム薄膜担持パラジウムブラックを得た。該パラジウム
薄膜担持パラジウムブラックの表面の走査電子顕微鏡写
真を図3及び4に示す。図3及び4から明らかな如く、
従来の電気化学的な担持方法によって支持体上に担持さ
れて得られた担持型パラジウムブラックは、球状粒子状
物であり、その径は約1.5〜10μmであった。
【0071】参考例1.市販品である従来の黒色粉末状
パラジウムブラック(和光純薬工業株式会社製)の表面
を走査電子顕微鏡で観察した。走査電子顕微鏡写真を図
5に示す。図5から明らかな如く、従来のパラジウムブ
ラックは大小様々な塊状結晶であり、その径は約0.2
〜30μmであった。
【0072】参考例2.厚さ0.5μmのパラジウム薄
膜の片面に、塩化パラジウム50mgを1N塩酸10mlに溶解し
て2.8×10-2mol/Lとした塩化パラジウム塩酸溶液を、そ
の背面に常圧で水素ガスを接触させ室温で7時間放置
し、パラジウムブラック(30mg/cm2)を担持させた。担持
後、パラジウム薄膜を充分に水及びアセトンで洗浄し、
乾燥して溶媒を完全に取り除き、本発明の水素吸蔵物質
担持パラジウムブラックを得た。該担持パラジウムブラ
ックの表面の走査電子顕微鏡写真を図6及び7に示す。
図6及び7から明らかな如く、水素吸蔵物質上に担持さ
れたパラジウムブラックが粒子状物及び針状物からなる
混合物であることが確認できた。また粒子状物の径は約
0.3〜2μmであり、針状物の長さは約0.1〜1μ
m、幅は約0.5〜10μmであった。
【0073】実施例1、比較例1、参考例1及び2で得
られた担持型パラジウムブラックの担持表面を示す図1
〜7の比較から明らかなように、本発明の担持パラジウ
ムブラックは、従来法である電気化学的手法によって製
造された支持体に担持されたパラジウムブラック、従来
の黒色粉末状パラジウムブラックとは結晶形が異なって
おり、その大きさも電気化学的手法によって得られたも
のと比較すると非常に小さく、支持体表面上に均一且つ
密に担持しており、パラジウムブラック自体の表面積も
大きいことが判る。また、本発明の担持パラジウムブラ
ックは、水素ガスによって水素吸蔵金属上に担持された
パラジウムブラックと比較してもその結晶形や結晶の大
きさが異なっており、担持の状態や密度にも差が見られ
た。
【0074】実験例1.本発明の担持パラジウムブラッ
クの安定性 実施例1で得られた、ニッケルシートに担持させたパラ
ジウムブラックに可燃性有機溶媒であるアセトンを含ま
せた後、該担持パラジウムブラックをドライヤーで温風
乾燥させたが発火は起こらなかった。また、更に該担持
パラジウムブラックを大気中で24ヶ月間放置しても発
火は起こらなかった。また、温風乾燥及び大気放置後の
上記した担持パラジウムブラックを触媒として使用した
ところ、温風乾燥及び大気放置前の同担持パラジウムブ
ラックと同等の触媒活性が確認された。
【0075】実施例2.本発明の加水素分解を伴わない
選択的水素添加反応 加水素分解により切断(除去)される基及び炭素−炭素
二重結合を有する化合物 20mgをトルエン10mLに溶解し、該溶液中に実施例1
で得られた本発明の担持パラジウムブラック44.6mg
(パラジウムブラック量として0.8mg)を入れた後、水
素雰囲気下で約24時間撹拌反応させた。反応終了後、
反応液から本発明の担持パラジウムブラックを取り出し
た後、反応液を減圧濃縮して、 20mgを得た(収率100%)。また、反応開始から4時
間、8時間及び24時間後に於ける反応液中に存在する
化合物の割合をNMRによって測定した。その結果を表
1に示す。
【0076】実施例3.トルエンの代わりにベンゼンに
記載された溶媒10mLを使用した以外は実施例2と同様
にして反応を行った。得られた化合物の割合を表1に併
せて示す。
【0077】
【表1】
【0078】尚、表1の括弧中の数字は、下記式A、B
及びCで表される化合物の反応液中の存在割合を表し、
括弧右肩の数字は反応時間を示す。
【0079】 実施例4.本発明の選択的水素添加反応 炭素−炭素一置換二重結合及び炭素−炭素三置換二重結
合を有する化合物
【0080】
【0081】17mgをトルエン10mLに溶解し、該溶液
中に実施例1で得られた本発明の担持パラジウムブラッ
ク39.0mg(パラジウムブラック量として0.7mg)を
入れた後、水素雰囲気下で約48時間撹拌反応させた。
反応終了後、反応液から本発明の担持パラジウムブラッ
クを取り出した後、反応液を減圧濃縮して、
【0082】
【0083】17mgを得た(収率100%)。また、反応開
始から1時間、8時間、24時間及び48時間後に於け
る反応液中に存在する化合物の割合をNMRによって測
定した。その結果を表2に示す。
【0084】実施例5.トルエンの代わりにベンゼン溶
媒10mLを使用した以外は実施例4と同様にして反応を
行った。得られた化合物の割合を表2に併せて示す。
【表2】 尚、表2の括弧中の数字は、下記式A、B及びCで表さ
れる化合物の反応液中の存在割合を表し、括弧右肩の数
字は反応時間を示す。
【0085】比較例2〜5.従来のパラジウム触媒を用
いた反応 本発明の担持パラジウムブラック触媒の代わりに表3に
示した従来のパラジウム触媒を用いた以外は実施例4と
同様にして水素添加反応を行った。反応開始から数時間
経過後の反応液中に存在する化合物の割合を実施例4と
同様に測定し、その結果を表3に併せて示す。
【表3】
【0086】尚、従来のパラジウム触媒のうち自製Pd
ブラックは、蟻酸を用いて塩化パラジウムを還元すると
いう公知の方法で自製したものである。
【0087】表3に於ける数字は、下記式A、B及びC
で示される化合物の反応液中の存在割合を示すものであ
る。
【0088】 表3から明らかな如く、本発明の担持パラジウムブラッ
クを触媒として使用することにより、従来のパラジウム
触媒を使用した水素添加反応では不可能であった選択的
水素添加反応、即ち、炭素−炭素三置換二重結合を還元
することなく、炭素−炭素一置換及び二置換二重結合の
みの水素添加反応を行えることが分かる。
【0089】また、実施例2及び3からも分かるよう
に、本発明の担持パラジウムブラックを触媒として使用
すれば、従来のパラジウムブラックを用いた加水素分解
で切断(除去)される基が、切断(除去)されることな
く且つ炭素−炭素三置換二重結合及び炭素−炭素四置換
二重結合が還元されることなく、炭素−炭素一置換二重
結合又は炭素−炭素二置換二重結合のみ水素添加するこ
とができる。
【0090】
【発明の効果】以上述べた如く、特別な装置等を使用す
ることなく、パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
を含んで成る担体とパラジウムイオンを含む溶液とを接
触させることにより得られる本発明の担持パラジウムブ
ラックは、それ自体発火等の危険性がなく取り扱いが容
易であり、これを触媒として用いることにより、加水素
分解を伴わず且つ炭素−炭素三置換二重結合及び/又は
炭素−炭素四置換二重結合を還元せずに、炭素−炭素一
置換二重結合、炭素−炭素二置換二重結合及び/又は炭
素−炭素三重結合のみを選択的に水素添加反応させると
いう、従来では行うことの出来なかった選択的水素添加
反応が可能となった。
【0091】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた、本発明の担持パラジウム
ブラック表面の走査電子顕微鏡写真(×1000倍)で
ある。
【図2】実施例1で得られた、本発明の担持パラジウム
ブラック表面の走査電子顕微鏡写真(×10000)で
ある。
【図3】比較例1で得られた、電気化学的手法によって
得られた担持パラジウムブラックの担持表面の走査電子
顕微鏡写真(×1000)である。
【図4】比較例1で得られた、電気化学的手法によって
得られた担持パラジウムブラックの担持表面の走査電子
顕微鏡写真(×10000)である。
【図5】従来の黒色粉末状パラジウムブラックの走査電
子顕微鏡写真(×1000)である。
【図6】水素吸蔵金属に担持されたパラジウムブラック
の走査電子顕微鏡写真(×1000)である。
【図7】水素吸蔵金属に担持されたパラジウムブラック
の走査電子顕微鏡写真(×10000)である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 大野 桂二 埼玉県川越市大字的場1633 和光純薬工業 株式会社化成品研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 BB02B BC10A BC16A BC18A BC21A BC22A BC31A BC32A BC35A BC36A BC50A BC51A BC54A BC58A BC62A BC67A BC68A BC72A BC72B CB02 FB11 FB21 4H006 AA02 AC11 BA25 BA55 BA81 BA85 BB11 BC10 BC11 BJ50 BP30 KC14 4H039 CA19 CB10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
    を含んで成る担体とパラジウムイオンを含む溶液とを接
    触させることを特徴とする、パラジウムブラックの当該
    担体への担持方法。
  2. 【請求項2】パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
    を含んで成る担体とパラジウムイオンを含む溶液とを接
    触させることにより得られる、当該担体に担持されたパ
    ラジウムブラック。
  3. 【請求項3】パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
    の標準電極電位が、+0.99Vより小さい金属である
    請求項2に記載のパラジウムブラック。
  4. 【請求項4】パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
    の標準電極電位が、−1.66〜+0.80Vである請
    求項2に記載のパラジウムブラック。
  5. 【請求項5】パラジウムよりイオン化傾向の大きい金属
    が、マグネシウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタ
    ン、マンガン、クロム、バナジウム、亜鉛、鉄、カドミ
    ウム、インジウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、
    銅、銀である請求項2に記載のパラジウムブラック。
  6. 【請求項6】請求項2〜5の何れかに記載のパラジウム
    ブラックの存在下、炭素−炭素二重結合及び/又は炭素
    −炭素三重結合を有する化合物に水素ガスを接触させる
    ことを特徴とする当該炭素−炭素二重結合及び/又は炭
    素−炭素三重結合の水素添加反応方法。
  7. 【請求項7】請求項2〜5の何れかに記載のパラジウム
    ブラックの存在下、加水素分解によって切断(除去)
    される基及び炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−炭素
    三重結合を有する化合物又は加水素分解によって切断
    (除去)し得る基を有する化合物と炭素−炭素二重結合
    及び/又は炭素−炭素三重結合を有する化合物との混合
    物に水素ガスを接触させることを特徴とする、加水素分
    解を伴わない当該炭素−炭素二重結合及び/又は炭素−
    炭素三重結合の水素添加反応方法。
  8. 【請求項8】請求項2〜5の何れかに記載のパラジウム
    ブラックの存在下、A)炭素−炭素一置換二重結合、炭
    素−炭素二置換二重結合及び炭素−炭素三重結合から選
    ばれた少なくとも1つと炭素−炭素三置換二重結合及び
    /又は炭素−炭素四置換二重結合を有する化合物、B)
    炭素−炭素一置換二重結合、炭素−炭素二置換二重結合
    及び炭素−炭素三重結合から選ばれた少なくとも1つを
    有する化合物及びC)炭素−炭素三置換二重結合及び/
    又は炭素−炭素四置換二重結合を有する化合物から成る
    群より、炭素−炭素一置換二重結合、炭素−炭素二置換
    二重結合及び炭素−炭素三重結合から選ばれた少なくと
    も1つと炭素−炭素三置換二重結合及び/又は炭素−炭
    素四置換二重結合とが共存するように選択された化合物
    若しくはその組み合わせと、水素ガスとを接触させるこ
    とを特徴とする、当該炭素−炭素一置換二重結合、炭素
    −炭素二置換二重結合及び/又は炭素−炭素三重結合の
    選択的水素添加反応方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014020541A1 (en) 2012-07-30 2014-02-06 Uniwersytet Warszawski Selective catalyst, particularly for electroreduction of oxygen, an electrochemical system containing thereof, an palladium-inert gas alloy and use thereof, and a cell, particularly a photo¬ voltaic cell containing thereof
JP2015147754A (ja) * 2014-02-10 2015-08-20 信越化学工業株式会社 常圧水素添加反応を行う方法
WO2016188595A1 (en) 2015-05-23 2016-12-01 Uniwersytet Warszawski Palladium-platinum system for use as hydrogen storage material and/or electrocatalyst, preferably in fuel-cells

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