JP2003275294A - 骨再生シート - Google Patents

骨再生シート

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 他の組織細胞の接触を遮断して骨形成作用を
促進し、骨欠損部の修復速度を向上する。 【解決手段】 間葉系幹細胞をシート状に培養した培養
細胞シート2と、生分解性物質をシート状に形成した生
分解性シート3とを積層してなる骨再生シート1を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、骨の欠損部を再
生する際に使用する骨再生シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、再生工学の進歩により、骨腫瘍摘
出や外傷等により生じた骨の欠損部に、骨補填材を補填
することにより、骨を再生させて欠損部を修復すること
が可能になってきている。骨補填材としては、体内に異
物を残さないとする考え方から、例えば、β−TCPの
ようなリン酸カルシウム多孔体からなる足場材が使用さ
れる。β−TCPを骨欠損部の骨組織に接触させておく
と、破骨細胞がβ−TCPを食べ、骨芽細胞が新しい骨
を形成する、いわゆるリモデリングが行われる。すなわ
ち、骨欠損部に補填された骨補填材は、経時的に自家骨
に置換されていくことになる。
【0003】体内の空間において骨の形成作用を促進す
る技術として、体内空間に配置した骨補填材を骨膜によ
って覆う技術がある。骨膜は、骨補填材を体内空間の所
定位置に保持することができるとともに、リモデリング
において重要となる細胞形成の働きを有するために、骨
補填材と骨細胞との接触部位からのみならず、骨補填材
と骨膜との接触部位からも骨の細胞形成が開始され、骨
の形成作用を促進することができる。
【0004】しかしながら、骨膜は、骨を覆う膜である
ため、患者本人から入手する場合には外科手術を伴うこ
とになり、またその量も限られている。また、第三者や
動物からの入手も困難な場合が多いという問題がある。
【0005】一方、人体から採取した幹細胞を培養皿に
おいて適当な培地で培養し、得られたシート状の培養細
胞を外傷等による皮膚等の欠損部に配置して、その細胞
形成作用を利用することにより、欠損部を修復する技術
がある。この技術を利用すれば、培養細胞シートを工業
的に製造することができるので、例えば、火傷患者に対
し、欠損部の皮膚を修復するために、その患者の体の他
の部位から皮膚を切り取るような手術を行う必要がな
く、患者にかかる負担が少なくて済むという利点があ
る。したがって、このような培養細胞シートを、骨膜に
代えて、体内空間における骨欠損の修復に用いることが
できれば便利である。
【0006】また、歯科の分野では、歯周疾患等による
歯槽骨の骨欠損を修復する技術として、以下の技術が提
案されている。すなわち、骨欠損部における歯周組織の
新付着を得るために、歯根面上に歯根膜由来の細胞を増
殖させる必要があるが、歯肉組織の細胞が先に歯根面上
に到達すると歯根膜由来の細胞の増殖が妨げられること
が知られており、これを防止するために、バリヤーメン
ブレンを使用する。
【0007】バリヤーメンブレンには、例えば、GORE社
製のゴアテックスメンブレン、シージー社製のシージー
メンブレン等がある。図4に示されるように、これらの
バリヤーメンブレン23は、歯根面20と歯肉組織21
との間に配置され、歯根面20上に歯根膜由来の細胞を
増殖させるための空間22を確保するようになってい
る。この場合に、バリヤーメンブレン23が口腔内に露
出していると細菌に汚染されやすくなるので、バリヤー
メンブレン23の表面を歯肉弁で覆っておく必要があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなバリヤーメンブレン23には骨形成作用がないの
で、骨欠損部における歯根膜由来の細胞の増殖は、歯根
面20のみから行われる。したがって、骨欠損部を迅速
に修復することができないという問題がある。一方、バ
リヤーメンブレン23に代えて培養細胞シートを使用
し、培養細胞シートの骨形成作用により、骨欠損部の修
復速度を向上させることが考えられる。しかしながら、
この場合には、培養細胞シートを歯肉組織21によって
覆う必要があるため、培養細胞シートに接触する歯肉組
織21の細胞が増殖することになり、歯根膜由来の細胞
の増殖が妨げられるという問題がある。
【0009】この発明は、上述した事情に鑑みてなされ
たものであって、他の組織細胞の接触を遮断して骨形成
作用を促進し、骨欠損部の修復速度を向上することがで
きる骨再生シートを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、以下の手段を提供する。請求項1に係
る発明は、間葉系幹細胞をシート状に培養した培養細胞
シートと、生分解性物質をシート状に形成した生分解性
シートとを積層してなる骨再生シートを提供する。
【0011】この発明によれば、間葉系幹細胞等の間葉
系細胞により形成された培養細胞シートに骨芽細胞への
分化誘導因子を接触させることにより、骨芽細胞を増殖
させて骨欠損部の修復を促進するとともに、該培養細胞
シートに積層された生分解性シートによって、他の細胞
が培養細胞シートに接触するのを防止することが可能と
なる。その結果、他の細胞によって骨形成作用を妨げら
れることなく、骨欠損部を迅速に修復することができ
る。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
骨再生シートにおいて、培養細胞シートが、その少なく
とも一面に細胞外マトリックスを備え、該細胞外マトリ
ックスにより生分解性シートに接着されている骨再生シ
ートを提供する。この発明によれば、培養した培養細胞
シートを生分解性シートに重ねておくだけで、細胞外マ
トリックスの接着作用によって培養細胞シートを生分解
性シートに接着することができるので、極めて簡易に骨
再生シートを製造することができる。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1に記載の
骨再生シートにおいて、培養細胞シートが、その一面に
細胞外マトリックスを備え、他の面に生分解性シートが
接着されている骨再生シートを提供する。この発明によ
れば、培養細胞シートの表面に備えられた細胞外マトリ
ックスを露出させた骨再生シートが製造される。したが
って、骨欠損部に骨再生シートを配置するときには、そ
の細胞外マトリックスの接着作用を利用して骨再生シー
トの固定を容易にすることができるとともに、該細胞外
マトリックスに書き込まれている情報を骨欠損部に配さ
れている他の細胞の受容体に引き渡し、骨形成を促進す
ることが可能となる。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1または請
求項3に記載の骨再生シートにおいて、培養細胞シート
と生分解性シートとが、フィブリン糊などの接着剤によ
り接着されている骨再生シートを提供する。この発明に
よれば、積層された培養細胞シートと生分解性シートと
が接着剤により接着されることにより一体化された骨再
生シートを製造することができる。
【0015】請求項5に係る発明は、請求項1から請求
項4のいずれかに記載の骨再生シートにおいて、生分解
性シートが、コラーゲンまたはポリ乳酸からなる骨再生
シートを提供する。この発明によれば、生分解性シート
を生体適合性に優れたコラーゲンまたはポリ乳酸により
製造することにより、培養細胞を保護しながら、他の細
胞の培養細胞への接触を防止することができる。
【0016】請求項6に係る発明は、請求項1から請求
項5のいずれかに記載の骨再生シートにおいて、培養細
胞シートを複数積層した骨再生シートを提供する。この
発明によれば、培養細胞シートを複数積層することによ
り、骨形成作用を増大させることが可能となる。また、
生分解性シートの膜厚と相俟って骨再生シートの剛性を
調整することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態に係る
骨再生シートについて、図面を参照して以下に説明す
る。本実施形態に係る骨再生シート1は、図1に示され
るように、間葉系幹細胞を培養することによりシート状
に形成した培養細胞シート2と、生分解性物質をシート
状に形成した生分解性シート3とを積層して、相互に接
着させたものである。
【0018】培養細胞シート2は、例えば、単層のもの
であって、厚み約5〜50μm程度である。また、生分
解性シート3は、例えば、コラーゲンからなるシートで
あって、厚み約10〜300μm程度である。これら培
養細胞シート2と生分解性シート3とは、フィブリン糊
4によって相互に接着され、一体的に保持されている。
培養細胞シート2の表面には、細胞外マトリックス5が
接着状態に配置されている。細胞外マトリックス5は、
例えば、培養の間に合成されたものであって、細胞膜表
面に発現した受容体を介して細胞に接着状態に配されて
いる。
【0019】このように構成された本実施形態の骨再生
シート1の作用について、以下に説明する。本実施形態
に係る骨再生シート1は、培養細胞シート2を一面側に
備え、生分解性シート3を他面側に備えているので、培
養細胞シート2の表面を修復したい骨欠損部に面する方
向に向けて配置することにより、骨欠損部に存在する分
化誘導因子によって、培養細胞を分化させ、骨欠損部に
新しい細胞を増殖させることが可能となる。
【0020】この場合において、培養細胞シート2の表
面には、細胞外マトリックス5が形成されているので、
培養細胞シート2を骨欠損部に向けて配置すると、該細
胞外マトリックス5の接着作用により、骨欠損部に配さ
れている骨補填材等に容易に固定することができる。ま
た、細胞外マトリックス5を介して接触している骨補填
材に含まれている分化誘導因子の情報が培養細胞シート
2に伝達され、培養細胞の分化、増殖が開始されること
になる。
【0021】すなわち、骨欠損部において、骨面からの
骨形成作用に加えて、培養細胞シート2からの骨形成作
用が生ずるので、骨欠損部の修復をより迅速に行うこと
ができる。また、この場合において、培養細胞シート2
の裏面には生分解性シート3が接着されているので、培
養細胞シート2の裏面に他の細胞が接触することはな
い。したがって、生分解性シート3により、他の細胞の
影響が培養細胞シート2に及ぶことを阻止することがで
きる。
【0022】上述した本実施形態に係る骨再生シート1
の作用について、骨再生シート1を歯周疾患等による歯
槽骨の骨欠損の修復に使用する場合を例に挙げて、図2
を参照して説明する。図2の(a)は歯周疾患等により
生じた歯槽骨6の骨欠損部7の断面図であり、上皮組織
である歯肉組織8が骨欠損部7を覆っている状態を示し
ている。
【0023】本実施形態に係る骨再生シート1を使用す
るには、まず、図2の(b)に示されるように、骨欠損
部7を覆っている歯肉組織8を切開して骨欠損部7を露
出させ、そこに、骨補填材9を補填する。骨補填材9
は、例えば、β−TCPに適当な分化誘導因子を添加し
たものにより構成する。次に、図2の(b)に示される
ように、骨欠損部7に補填された骨補填材9を覆うよう
に本実施形態に係る骨再生シート1を固定する。図中、
符号10は、骨再生シート1を歯槽骨6に固定する生分
解性物質からなるステープルである。
【0024】この場合において、骨再生シート1は、一
面に配されている培養細胞シート2を骨補填材9の方向
に向けて、骨補填材9に接触するように配置されるとと
もに、他面に配されている生分解性シート3を外側に向
けて配置される。そして、口腔内において生分解性シー
ト3が細菌により汚染されることを防止するために、骨
再生シート1を被覆するように切開した歯肉組織8を引
っ張って縫合する。これにより、図2の(c)に示され
る状態となる。
【0025】このように構成された骨再生シート1によ
れば、歯槽骨6側からの通常の骨形成作用に加えて、培
養細胞シート2側からの骨形成作用が生じ、骨欠損部7
が高い速度で修復されることになる。また、この場合の
ように、上皮組織である歯肉組織8が骨欠損部7に存在
する場合であっても、生分解性シート3によって、当該
歯肉組織8の培養細胞シート2への接触を遮断すること
ができる。したがって、培養細胞シート2は、歯肉組織
8によって歯根膜由来の細胞の増殖を阻害されず、歯槽
骨6の骨欠損部7を効果的に修復することができる。
【0026】そして、このように構成された骨再生シー
ト1を使用することにより、骨欠損部7に配置された培
養細胞シート2および骨補填材9が経時的に自家骨化さ
れるとともに、生分解性シート3は分解されて吸収さ
れ、図2の(d)に示される状態となる。
【0027】本実施形態に係る骨再生シート1は、別々
に構成した培養細胞シート2と生分解性シート3とを接
着した構造を有しているので、適用箇所に応じて、任意
の剛性を有するものを選択することができる。例えば、
本実施形態では、培養細胞シート2を単層の細胞からな
るものとし、50μm程度の生分解性シート3を採用し
たので、比較的柔軟な骨再生シート1が構成されてい
る。したがって、比較的自由に形状を変更することがで
き、任意の形状に適合させることが可能である。
【0028】さらに剛性が必要とされる箇所に適用する
場合には、生分解性シート3の厚みが厚いものを選択す
ることにより対応することができる。また、骨欠損7の
大きさが大きく、多くの間葉系幹細胞が必要とされる場
合には、培養細胞シート2を重層化することにしてもよ
い。この場合には、間葉系幹細胞の表面に形成される細
胞外マトリックス5の接着作用により、複数枚の培養細
胞シート2を積層状態に配置するだけで、相互に接着し
た多層の培養細胞シート2を構成することができる。
【0029】なお、上記実施形態においては、培養細胞
シート2と生分解性シート3とをフィブリン糊4で接着
することにしたが、この発明はこれに限定されるもので
はなく、他の任意の生分解性接着剤を採用することにし
てもよい。また、接着剤を使用することなく、間葉系幹
細胞の培養時に細胞に接着状態に形成される細胞外マト
リックス5の接着作用を利用して、培養細胞シート2と
生分解性シート3とを積層状態に接着させることにして
もよい。
【0030】次に、本実施形態に係る骨再生シート1の
製造方法について、図3を参照して説明する。本実施形
態に係る骨再生シート1の製造方法は、間葉系幹細胞を
所定の培養温度下において培養皿11上で培養する培養
ステップと、培養皿11の温度を前記培養温度より低い
所定の剥離温度まで低下させ、培養皿11から培養細胞
シート2を回収する剥離ステップと、得られた培養細胞
シート2を生分解性シート3に積層して接着する接着ス
テップとを備えている。
【0031】培養皿11は、温度応答性高分子ポリ(N
−イソプロピルアクリルアミド)を共有結合で表面に固
定化した温度応答性培養皿である。この培養皿11の表
面は、32℃を境にして、それ以上では市販の細胞溶媒
用皿と同等の弱い疎水性を示し、種々の細胞を培養でき
る一方、32℃以下では急激に親水化する性質を有して
いる。
【0032】したがって、培養ステップは、32℃より
高い温度、例えば、人間の体温に近い、37℃程度の培
養温度に維持して行われる。具体的には、培養皿11の
上に骨髄細胞を載せて37℃程度の培養温度に維持する
ことにより、骨髄細胞内の間葉系幹細胞12を培養皿1
1の表面に沈着させる。37℃では、培養皿11の表面
は弱い疎水性を示しているので、増殖した間葉系幹細胞
12は培養皿11の表面に貼り付いた状態となる。この
とき、間葉系幹細胞12は、培養の間に、細胞外マトリ
ックス5を合成・分泌・沈着し、細胞外マトリックス5
は、培養皿11表面と間葉系幹細胞12の層との間に配
置される(図3(a)参照)。
【0033】また、剥離ステップは、32℃より低い温
度、例えば、30℃に冷却する。32℃以下では培養皿
11の表面は高い親水性を示すので、細胞外マトリック
ス5を介して培養皿11表面に貼り付いていた間葉系幹
細胞12は、単層の培養細胞シート2として容易に剥離
されることになる。このとき、単層の間葉系幹細胞12
を備えた培養細胞シート2の培養皿11に面していた表
面には、上述したように細胞外マトリックス5が接着し
た状態に配されており、該細胞外マトリックス5も間葉
系幹細胞12とともに培養皿11から剥離されて回収さ
れる。
【0034】そして、接着ステップは、上記剥離ステッ
プにおいて回収された培養細胞シート2を、公知の方法
で製造したコラーゲンからなる生分解性シート3の表面
に積層し、両者を接着させることにより行われる。培養
細胞シート2と生分解性シート3との接着は、例えば、
両者間にフィブリン糊4を塗布することにより行う。こ
のとき、培養細胞シート2の表面の内、上述した細胞外
マトリックス5が接着状態に配されている面とは反対側
の面に生分解性シート3を接着する。これにより、一面
に細胞外マトリックス5が露出し、他面を生分解性シー
ト3によって被覆された骨再生シート1が製造される。
【0035】このように本実施形態に係る骨再生シート
1の製造方法によれば、温度応答性培養皿を使用するこ
とにより、培養皿11表面に付着した培養細胞12を剥
離させるために、トリプシンなどの蛋白質分解酵素によ
る処理を行うことなく、重層化していない単層の間葉系
幹細胞12や、その表面に形成されている細胞外マトリ
ックス5をも非侵襲的に回収することができ、簡易に骨
再生シート1を製造することができる。
【0036】なお、上記製造方法において言及した培養
温度および剥離温度は、例として示したものであり、培
養可能な温度範囲および培養皿11の表面が疎水性から
親水性に変化する温度に応じて、適宜設定してよい。ま
た、上記実施形態では、剥離ステップの後に接着ステッ
プを行うこととしたが、これに代えて、接着ステップの
後に剥離ステップを行うことにしてもよい。
【0037】また、フィブリン糊4を用いて接着するこ
とに代えて、培養細胞シート2の表面に生成された細胞
外マトリックス5を接着剤として利用して、培養細胞シ
ート2と生分解性シート3とを接着することにしてもよ
い。さらに、生分解性シート3としてコラーゲンシート
を採用したが、これに代えて、ポリ乳酸からなるシート
等、他の任意の生分解性シートを採用することにしても
よい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る骨
再生シートによれば、培養細胞シートに接着された生分
解性シートによって、他の細胞が骨欠損部へ侵入するこ
とを防止して、骨面からの通常の骨形成作用が妨げられ
ないように保持することができるとともに、培養細胞シ
ートの骨形成作用が他の細胞によって妨げられることを
も防止するので、骨欠損部を迅速に修復することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係る骨再生シート
の縦断面図である。
【図2】 図1の骨再生シートを歯槽骨の骨欠損部の
修復に適用する場合を説明するための断面図である。
【図3】 図1の骨再生シートを温度応答性培養皿か
ら剥離する状態を説明する断面図である。
【図4】 従来の歯槽骨の骨欠損部の修復方法を説明
するための断面図である。
【符号の説明】
1 骨再生シート 2 培養細胞シート 3 生分解性シート 4 フィブリン糊(接着剤) 5 細胞外マトリックス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間葉系幹細胞をシート状に培養した培
    養細胞シートと、生分解性物質をシート状に形成した生
    分解性シートとを積層してなる骨再生シート。
  2. 【請求項2】 培養細胞シートが、その少なくとも一
    面に細胞外マトリックスを備え、該細胞外マトリックス
    により生分解性シートに接着されている請求項1に記載
    の骨再生シート。
  3. 【請求項3】 培養細胞シートが、その一面に細胞外
    マトリックスを備え、他の面に生分解性シートが接着さ
    れている請求項1に記載の骨再生シート。
  4. 【請求項4】 培養細胞シートと生分解性シートと
    が、フィブリン糊などの接着剤により接着されている請
    求項1または請求項3に記載の骨再生シート。
  5. 【請求項5】 生分解性シートが、コラーゲンまたは
    ポリ乳酸からなる請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の骨再生シート。
  6. 【請求項6】 培養細胞シートを複数積層した請求項
    1から請求項5のいずれかに記載の骨再生シート。
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