JP2003274621A - 誘導電動機のロータ及びその製造方法 - Google Patents

誘導電動機のロータ及びその製造方法

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JP2003274621A
JP2003274621A JP2002073195A JP2002073195A JP2003274621A JP 2003274621 A JP2003274621 A JP 2003274621A JP 2002073195 A JP2002073195 A JP 2002073195A JP 2002073195 A JP2002073195 A JP 2002073195A JP 2003274621 A JP2003274621 A JP 2003274621A
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rotor
end ring
conductor bar
rotary tool
induction motor
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JP2002073195A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Takao
充良 高尾
Hirobumi Shin
博文 新
Yasuhide Fukushima
保秀 福島
Yasuhiro Endo
康浩 遠藤
Tadashi Kamiyama
正 上山
Hiroyuki Kikuchi
博幸 菊地
Tsutomu Kobayashi
努 小林
Mitsuru Sayama
満 佐山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合部における欠陥や電気的接合不良が生ず
ることなく接続強度を高く確保し、材料コストを抑えて
量産可能な誘導電動機のロータ及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 ロータ鉄心2のスロットに装着される導
体バー3と、導体バー3の端部3aを受け入れる収容部
4を間隔を開けて複数備えた円環状のエンドリング5と
を有する誘導電動機のロータ1において、導体バー3の
端部3aとエンドリング5とが、先端に凸部を備えた回
転工具をエンドリング5の収容部4に沿って周回させ摩
擦撹拌溶接により接合されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、誘導電動機のロ
ータ及びその製造方法に関し、特に、導体バーとエンド
リングとが摩擦撹拌溶接により接合された誘導電動機の
ロータ及びその製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】かご型ロータの製造法としては、特開昭
51−60906号公報、特開昭54−148213号
公報に示されているダイカスト法や、特開平8−294
256号公報に示されている遠心鋳造法が知られてい
る。また、実開昭58−11949号公報、特開昭54
−150608号公報に示されているように導体バーと
エンドリングとを組み合わせて溶接やろう付けにより製
造する方法もある。さらに、特開平8−340664号
公報に示されているように導体バーの端面をエンドリン
グにかしめる製造方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ダイカスト
法や遠心鋳造法によるかご型ロータの製造方法では、射
出時における空気の巻き込みや内部のガスなどにより鋳
湯時や冷却中において内部に空気などのガスが混入して
ロータやエンドリングの内部に小さな空洞が生ずるおそ
れがあり、このように製造時に空洞が生ずると、これが
鋳造欠陥につながり電動機の性能、強度を低下させてし
まうという問題がある。また、ろう付けによる方法では
真空炉又はガス雰囲気炉を必要とするため、製造時間が
かかると共にコストアップにつながるという問題もあ
る。
【0004】一方、かしめを利用して導体バーとエンド
リングを接合する方法では、接合部分の電気的接合が不
完全となりモータの性能が低下したり、接合強度を確保
できない場合があると共に、かしめしろを確保するため
導体バーの長さをその分だけ長く確保する必要があり材
料費が余分にかかるという問題がある。
【0005】これに対して、特開平6−153469号
公報に記載されているように、導体バーの端面とエンド
リングの接触面において摺動摩擦の発熱により電気的接
続を行う製造方法もあるが、互いに溶融した金属同志の
隣接部分が確実に融合しない場合には接続不良の原因と
なり、モータの性能及び強度を低下させるという問題が
ある。そこで、この発明は、接合部における欠陥や電気
的接合不良が生ずることなく接続強度を高く確保し、材
料コストを抑えて量産可能で高性能な誘導電動機のロー
タ及びその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載した発明は、ロータ鉄心(例えば、
実施形態におけるロータ鉄心2)のスロットに装着され
る導体バー(例えば、実施形態における導体バー3,1
3,23)と、導体バーの端部(例えば、実施形態にお
ける3a,13a,23a)を受け入れる収容部(例え
ば、実施形態における収容部4,14,24,34)を
間隔を開けて複数備えた円環状のエンドリング(例え
ば、実施形態におけるエンドリング5,15,25,3
5)とを有する誘導電動機のロータにおいて、導体バー
の端部とエンドリングとが、先端に凸部(例えば、実施
形態における凸部8)を備えた回転工具(例えば、実施
形態における回転工具9)をエンドリングの収容部に沿
って周回させる摩擦撹拌溶接により接合されていること
を特徴とする。このように構成することで、導体バーと
エンドリングとを、エンドリングの収容部において撹拌
され融合した状態で一体化することができる。請求項2
に記載した発明は、ロータ鉄心のスロットに装着される
導体バーと、導体バーの端部を受け入れる収容部を間隔
を開けて複数備えた円環状のエンドリングとを有する誘
導電動機のロータにおいて、導体バーの端部とエンドリ
ングとが、先端に凸部を備え位置を固定した回転工具に
対してロータのエンドリングを当接させると共に前記収
容部を回転工具が通過するようにロータの周方向に移動
させ摩擦撹拌溶接により接合されていることを特徴とす
る。このように構成した場合でも、導体バーとエンドリ
ングとを、エンドリングの収容部において撹拌され融合
した状態で一体化することができる。
【0007】請求項3に記載した発明は、ロータ鉄心の
スロットに装着される導体バーと、導体バーの端部を受
け入れる収容部を間隔を開けて複数備えた円環状のエン
ドリングとを接合する誘導電動機のロータの製造方法に
おいて、先端に凸部を備えた回転工具をエンドリングの
収容部に沿って周回させることにより前記導体バーの端
部とエンドリングとを摩擦撹拌溶接により接合したこと
を特徴とする。このように構成することで、回転工具の
凸部をエンドリング内に押し込み、この状態で、回転工
具をエンドリングの収容部に沿って周回させることによ
り、各収容部においてエンドリングと導体バーとが撹拌
されて融合した状態で、エンドリングと導体バーは接合
される。請求項4に記載した発明は、ロータ鉄心のスロ
ットに装着される導体バーと、導体バーの端部を受け入
れる収容部を間隔を開けて複数備えた円環状のエンドリ
ングとを有する誘導電動機のロータの製造方法におい
て、導体バーの端部とエンドリングとが、先端に凸部を
備え位置を固定した回転工具に対して回転工具の先端が
エンドリングに押し込まれるようロータを移動し、回転
工具の先端が押し込まれた状態で収容部を回転工具が通
過するようロータ全体を周方向に移動させ摩擦撹拌溶接
により接合したことを特徴とする。このように構成する
ことで、回転工具の凸部をエンドリング内に押し込み、
この状態で、前記収容部を回転工具が通過するようにロ
ータ全体を周方向に移動させることにより、各収容部に
おいてエンドリングと導体バーとが撹拌されて融合した
状態で、エンドリングと導体バーは接合される。
【0008】請求項5に記載した発明は、上記回転工
具、あるいは上記ロータ全体を複数回周回させることに
より回転工具を収容部に複数回通過させて摩擦撹拌溶接
を行うことを特徴とする。このように構成することで、
エンドリングの収容部の全域において導体バーとエンド
リングとが撹拌されて融合した状態で、導体バーとエン
ドリングの収容部との境界部分が確実に溶接される。
【0009】請求項6に記載した発明は、前記導体バー
の収容部をエンドリングの周方向に沿うように傾倒させ
て配置したことを特徴とする。このように構成すること
で、収容部を傾倒させない場合に比較してエンドリング
の収容部の直径方向の配置幅を小さくすることができ
る。また、導体バーの収容部の直径方向の幅が大きいも
ので収容部を傾倒させない場合には、接合強度を確保す
る為に回転工具を複数回通過(あるいは周回)させる必
要があるが、収容部を傾倒させることで回転工具の通過
回数(あるいは周回回数)を減らすことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
と共に説明する。図1はこの発明の第1実施形態の誘導
電動機のロータの分解斜視図である。ロータ1はいわゆ
るかご型ロータであって、図示しない誘導電動機のステ
ータ内に回転可能に設けられるものである。ロータ1
は、ロータ鉄心2と、このロータ鉄心2のスロットに装
着される導体バー3と、図2に示すように導体バー3の
上下の各端部3aを受け入れる収容部4を間隔を開けて
複数備えた一対の円環状のエンドリング5,5とを有し
ている。ここで、スロットとは導体バー3を収容するた
めロータ鉄心2に確保された空間部を示す。尚、この実
施形態では8個の収容部4を備えた場合を例にしたが、
収容部4の個数はこれに限られない(以下に示す実施形
態においても同様)。
【0011】ロータ鉄心2は複数の例えば鋼板製のプレ
ート6を積層して構成されたものであり、導体バー3に
より貫通される挿通孔7が形成されている。導体バー3
は例えば銅製(アルミニウム製でも良い)の低抵抗の金
属で形成され、この実施形態ではエンドリング5の外側
に対応する側では幅が広く、内側に行くほど幅の狭い断
面先細り形状で、かつ、全長に渡って一様な断面形状に
形成され、かつ、ロータ鉄心2の軸方向の寸法よりも長
く挿通孔7から突出するようになっている。
【0012】エンドリング5も導体バー3と同様に例え
ば銅製(アルミニウム製でも良い)の低抵抗の金属で円
環状に形成されたものであり、ロータ1の上下に一対設
けられている。エンドリング5には導体バー3の端部3
aが嵌入される収容部4が間隔を開けて複数形成されて
いる。収容部4は図2に示すようにエンドリング5の平
面から見て内側ほど幅が狭くなる先細り形状に形成され
た孔であり、各々がエンドリング5の中央部に向かうよ
うに設けられている。そして、上記各導体バー3をロー
タ鉄心2の挿入孔7に挿通した状態で、図3に示すよう
に導体バー3の両端部3aを各々対応するエンドリング
5の収容部4に嵌入し、この状態でエンドリング5の収
容部4と導体バー3の端部3aを後述する凸部8を有す
る回転工具9を用いて摩擦撹拌溶接により接合する。
【0013】摩擦撹拌溶接を行う際には、図4に示すよ
うに導体バー3がエンドリング5を貫通した状態で固定
セットし、図5に示す回転工具9の凸部8をエンドリン
グ5表面に押し当てて回転工具9を高速で回転させ、回
転工具9の凸部8をエンドリング5内に押し込む。ここ
で回転工具9の凸部8はその突出長さLがエンドリング
5の厚さHよりも短く設定され、同図に示すようにエン
ドリング5とロータ鉄心2との境界部分まで溶融撹拌部
分Y(点のハッチングで示す)となるような突出寸法を
有している(図9、図12において同様)。
【0014】この状態で、図6に矢印で示すように回転
工具9をエンドリング5の収容部4に沿って1回だけ周
回、もしくは、回転工具9の位置を固定しておきロータ
1のエンドリング5に回転工具9の先端が押し込まれる
ようロータ1を移動し、回転工具9の先端が押し込まれ
た状態で収容部4を回転工具9が通過するようロータ1
全体を周方向に移動させると、エンドリング5の各収容
部4の全域において各エンドリング5と導体バー3とが
撹拌されて融合し、エンドリング5と導体バー3の端部
3aとが接合される。つまり、この実施形態では図7に
示すように導体バー3の幅寸法の全範囲、即ち収容部4
全体を回転工具9により撹拌するため、導体バー3とエ
ンドリング5とが収容部4において確実に接合できるの
である。尚、図中細かい点々で示すハッチング範囲は溶
融撹拌部分Yを示す(図10、図13、図15において
同様)。
【0015】図8〜図10は、この発明の第2実施形態
であり、前記導体バー13とエンドリング15との取付
部の他の態様を示すものである。尚、前記実施形態と同
一部分には同一符号を付して説明は省略する。図8、図
9に示すように、この導体バー13はその端部13aに
ロータ鉄心6の挿通孔7に配置される中間部13bより
も断面形状の小さい断面円形のピン部13cを形成し、
このピン部13cをエンドリング15の円形断面形状の
収容部14に挿入した状態で導体バー13とエンドリン
グ15とを摩擦撹拌溶接により接合したものである。こ
の態様は導体バー13の中間部13bの断面積が比較的
大きいため、エンドリング15の幅寸法との関係で導体
バー13をそのままエンドリング15に挿入すると強度
が確保できない場合に適している。
【0016】この実施形態では、直径の小さなピン部1
3cと、これを受け入れるエンドリング15の収容部1
4を図10に示すように1回だけ回転工具9を周回、も
しくは、回転工具9の位置を固定しておき回転工具9の
先端がエンドリングに押し込まれるようロータ1を移動
し、回転工具9の先端が押し込まれた状態で収容部14
を回転工具9が通過するようロータ1全体を周方向に1
回だけ移動させることで回転工具9の凸部8によりエン
ドリング15の各収容部14の全域においてエンドリン
グ15と導体バー13のピン部13cとが撹拌されて融
合し、エンドリング15と導体バー13の端部13aと
が接合される。つまり、導体バー13の断面積が大きい
場合においても1回の周回で摩擦撹拌溶接を行うことが
できるのである。
【0017】図11〜図13は、この発明の第3実施形
態であって、第1実施形態の導体バー3よりも断面積が
大きく全長に渡って一様な断面積を有する導体バー23
を用いたものである。尚、前記実施形態と同一部分には
同一符号を付して説明は省略する。したがって、図11
に示すように導体バー23の端部23aを収容するため
にエンドリング25には第1実施形態のものよりも大き
な収容部24がエンドリング25の径方向に向くように
形成され、この収容部24に導体バー23を嵌入するよ
うなっている。この態様では断面積の大きな導体バー2
3をエンドリング25の収容部24に挿入することで高
性能なロータ1を得ることができる点で有利である。ま
た、導体バー23に前記実施形態のようにピン部を設け
なくてもよいため安価に導体バー23を製造できるよう
にしたものである。
【0018】一方、回転工具9により両者を摩擦撹拌溶
接する場合には、上記収容部24のエンドリング25の
径方向での配置寸法が大きいため、図12、図13に示
すようにエンドリング25の収容部24に沿って周回さ
せる回転工具9の周回位置をずらして周回回数を複数
回、例えば図13、図14に矢印で示すように2回周回
して摩擦撹拌溶接を行っている。したがって、エンドリ
ング25の直径方向のほぼ全域に渡る導体バー23の配
置部位、つまりエンドリング25の収容部24において
導体バー23とエンドリング25とを摩擦撹拌溶接によ
り強固に接合できる。尚、回転工具9の位置を固定して
おき回転工具9の先端がエンドリングに押し込まれるよ
うロータ1を移動し、回転工具9の先端が押し込まれた
状態で収容部14を回転工具9が通過するようロータ1
全体を周方向に移動させて接合させる場合には、回転工
具9の固定位置またはロータ1の移動経路をずらし、回
転工具9を収容部24に複数回通過させて摩擦撹拌溶接
を行えばよい。
【0019】図15はこの発明の第4実施形態を示す。
この実施形態では前記導体バー23の収容部34をエン
ドリング35の周方向に沿う方向に傾倒させて配置した
ものである。尚、この導体バー23は第3実施形態の図
13に示す導体バー23と同じものを使用している。即
ち、前記各実施形態の導体バー3,13,23は嵌入さ
れる収容部4,14,24に対してエンドリング5,1
5,25の径方向に向くように配置されているが、この
実施形態では各収容部34がエンドリング35の周方向
に沿う方向に傾斜して配置され、各収容部34のエンド
リング35の径方向における配置スペースを減少させる
ようにしている。
【0020】したがって、この実施形態においては収容
部34を傾倒させない場合に比較してエンドリング35
の収容部34の直径方向の配置幅を小さくすることがで
きるため、図示しない回転工具の周回により接合される
範囲を相対的に収容部34の広い範囲に及ぼして効果的
に導体バー23とエンドリング35を接合することがで
きる。これにより、この実施形態では上記導体バー23
を傾倒させない場合のように回転工具9を2回周回させ
る必要がなくなるため、断面積の大きい図13に示す導
体バーを使用しつつも、1回の周回で電気的接合面積を
確保した溶接を行うことができ、生産効率を高めつつ導
体バー23とエンドリング35との強固な結合を実現で
きるのである。
【0021】上記各実施形態によれば、導体バー3,1
3,23とエンドリング5,15,25,35とを、エ
ンドリング5,15,25,35の収容部4,14,2
4,34において撹拌し融合した状態で一体化すること
ができるため、接合部における欠陥や電気的接合不良が
生ずることなく接続強度を高く確保し、材料コストを抑
えることができる。
【0022】また、摩擦撹拌溶接の特質としてエンドリ
ング5,15,25,35へのひずみを最小限に食い止
めることができるため、回転する関係で動的バランスを
確保することが要求されるエンドリング5,15,2
5,35にひずみが生じないため、この点で不良発生率
が小さくなり歩留まりが向上すると共に、部材それ自体
で溶接を行うため材料コストを抑えて量産が可能とな
る。
【0023】そして、回転工具9の周回位置をずらし、
回転工具9を複数回周回させて摩擦撹拌溶接を行う場
合、あるいは、回転工具9の位置を固定しておき回転工
具9の先端がエンドリング5,15,25,35に押し
込まれるようロータ1を移動し、回転工具9の先端が押
し込まれた状態で収容部4,14,24,34を回転工
具9が通過するようロータ1全体を周方向に移動させて
接合させて行う方法において、回転工具9の固定位置ま
たはロータ1の移動経路をずらし、回転工具9を収容部
4,14,24,34に複数回通過させて摩擦撹拌溶接
を行う場合には、エンドリング5,15,25の収容部
24の全域において導体バー3,13,23とエンドリ
ング5,15,25とが撹拌されて融合し、導体バー
3,13,23とエンドリング5,15,25の収容部
4,14,24,34との境界部分が確実に溶接される
ため、接合強度を高く確保することができる。
【0024】尚、この発明は上記実施形態に限られるも
のではなく、例えば、図16に示すように、片側のエン
ドリングと導体バーとを予め一体で成形してエンドリン
グ・導体バーユニットUを形成し、これにロータ鉄心2
をセットする一方、エンドリング5に収容部4を形成し
て、上述したエンドリング・導体バーユニットUの各導
体バー部U3の端部U3aをエンドリング5の収容部4
に挿入した状態で摩擦撹拌溶接を行うようにしてもよ
い。この場合、導体バー部U3とエンドリング5の収容
部4との組み付けに上述した各実施形態を採用すること
ができる。このように構成することで部品点数を大幅に
削減することができる。また、ロータ鉄心2の装着作業
の際にエンドリング部U5が抜けることがないためロー
タ鉄心2の装着作業が行い易くなる。
【0025】また、図17に示すように、2つのエンド
リング・導体バーユニットU’を設け、各エンドリング
・導体バーユニットU’のエンドリング部U’5に導体
バー部U’3と交互に収容部4を形成し、一方の導体バ
ー部U’3を他方のエンドリング部U’5の収容部4に
嵌入して2つのユニットU’を連結して構成し、連結後
にエンドリング部U’5の収容部4に沿って図示しない
回転工具を周回させて摩擦撹拌溶接を行うようにしても
よい。このように構成することで両部品がバランス良く
結合できるため結合強度が高く、一種類のエンドリング
・導体バーユニットU’を製造するだけで製品を製造す
ることができるため、部品点数を削減できると共に組み
付け工数も削減できる。尚、導体バー部U’3とエンド
リング部U’5の収容部4との組み付けに上述した各実
施形態を採用することができることは前述した図16の
実施形態と同様である。
【0026】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1、2
に記載した発明によれば、導体バーとエンドリングと
を、エンドリングの収容部において撹拌され融合した状
態で一体化することができるため、接合部における欠陥
や電気的接合不良が生ずることなく接続強度を高く確保
し、材料コストを抑えることができる効果がある。
【0027】請求項3、4に記載した発明によれば、エ
ンドリングへのひずみを最小限に食い止めることができ
ると共に材料コストを抑えて量産が可能となるという効
果がある。
【0028】請求項5に記載した発明によれば、エンド
リングの収容部の全域において導体バーとエンドリング
とが撹拌されて融合し、導体バーとエンドリングの収容
部との境界部分が確実に溶接されるため、接合強度を高
く確保することができる効果がある。
【0029】請求項6に記載した発明によれば、収容部
を傾倒させない場合に比較してエンドリングの収容部の
直径方向の配置幅を小さくすることができるため、回転
工具の周回により接合される範囲を相対的に収容部の広
い範囲に及ぼして効果的に導体バーとエンドリングを接
合することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態の分解斜視図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図1の組立斜視図である。
【図4】 図3のB−B断面図である。
【図5】 図4の溶接状況を示す断面図である。
【図6】 図3に対応する溶接状況を示す斜視図であ
る。
【図7】 図2のA部の溶接状況を示す平面図である。
【図8】 この発明の第2実施形態の図4に相当する断
面図である。
【図9】 この発明の第2実施形態の図5に相当する断
面図である。
【図10】 この発明の第2実施形態の図7に相当する
平面図である。
【図11】 この発明の第3実施形態の図4に相当する
断面図である。
【図12】 この発明の第3実施形態の図5に相当する
断面図である。
【図13】 この発明の第3実施形態の図7に相当する
平面図である
【図14】 この発明の第3実施形態の図6に相当する
斜視図である。
【図15】 この発明の第4実施形態の図7に相当する
平面図である。
【図16】 この発明の他の実施形態の斜視図である。
【図17】 この発明の別の実施形態の斜視図である
【符号の説明】
2 ロータ鉄心 3,13,23 導体バー 3a,13a,23a 端部 4,14,24,34 収容部 5,15,25,35 エンドリング 8 凸部 9 回転工具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 保秀 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 遠藤 康浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 上山 正 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 菊地 博幸 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 小林 努 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 佐山 満 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H013 LL01 MM07 NN06 PP01 PP03 5H615 AA01 BB01 BB06 BB14 PP03 PP14 QQ03 QQ14 SS16 TT14 TT15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータ鉄心のスロットに装着される導体
    バーと、導体バーの端部を受け入れる収容部を間隔を開
    けて複数備えた円環状のエンドリングとを有する誘導電
    動機のロータにおいて、導体バーの端部とエンドリング
    とが、先端に凸部を備えた回転工具をエンドリングの収
    容部に沿って周回させ摩擦撹拌溶接により接合されてい
    ることを特徴とする誘導電動機のロータ。
  2. 【請求項2】 ロータ鉄心のスロットに装着される導体
    バーと、導体バーの端部を受け入れる収容部を間隔を開
    けて複数備えた円環状のエンドリングとを有する誘導電
    動機のロータにおいて、導体バーの端部とエンドリング
    とが、先端に凸部を備え位置を固定した回転工具に対し
    て回転工具の先端がエンドリングに押し込まれるようロ
    ータを移動し、回転工具の先端が押し込まれた状態で収
    容部を回転工具が通過するようにロータ全体を周方向に
    移動させ摩擦撹拌溶接により接合されていることを特徴
    とする誘導電動機のロータ。
  3. 【請求項3】 ロータ鉄心のスロットに装着される導体
    バーと、導体バーの端部を受け入れる収容部を間隔を開
    けて複数備えた円環状のエンドリングとを接合する誘導
    電動機のロータの製造方法において、先端に凸部を備え
    た回転工具をエンドリングの収容部に沿って周回させる
    ことにより前記導体バーの端部とエンドリングとを摩擦
    撹拌溶接により接合したことを特徴とする誘導電動機の
    ロータの製造方法。
  4. 【請求項4】 ロータ鉄心のスロットに装着される導体
    バーと、導体バーの端部を受け入れる収容部を間隔を開
    けて複数備えた円環状のエンドリングとを有する誘導電
    動機のロータの製造方法において、導体バーの端部とエ
    ンドリングとが、先端に凸部を備え位置を固定した回転
    工具に対して回転工具の先端がエンドリングに押し込ま
    れるようロータを移動し、回転工具の先端が押し込まれ
    た状態で収容部を回転工具が通過するようにロータ全体
    を周方向に移動させ摩擦撹拌溶接により接合したことを
    特徴とする誘導電動機のロータの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記回転工具、あるいは上記ロータ全体
    を複数回周回させることにより回転工具を収容部に複数
    回通過させて摩擦撹拌溶接を行うことを特徴とする請求
    項3又は請求項4に記載の誘導電動機のロータの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記導体バーの収容部をエンドリングの
    周方向に沿うように傾倒させて配置したことを特徴とす
    る請求項3、または請求項4に記載の誘導電動機のロー
    タの製造方法。
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