JP2003274529A - ケーブル延線工法およびそれに適用される制動装置 - Google Patents

ケーブル延線工法およびそれに適用される制動装置

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JP2003274529A
JP2003274529A JP2002076137A JP2002076137A JP2003274529A JP 2003274529 A JP2003274529 A JP 2003274529A JP 2002076137 A JP2002076137 A JP 2002076137A JP 2002076137 A JP2002076137 A JP 2002076137A JP 2003274529 A JP2003274529 A JP 2003274529A
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cable
balls
drawing machine
pair
wire drawing
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JP2002076137A
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Toru Kafuku
徹 加福
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、延線経路の下り傾斜部の頂上側
で、ケーブル走向方向に対してプラス方向に作用する因
子分に相当する量を相殺するようにケーブルに制動を加
えてケーブルを延線するようにしたケーブル延線工法お
よびそれに適用される制動装置を得る。 【解決手段】 ボール延線機3が、延線経路の下り傾斜
部に前後に配置され、制動装置100が延線経路の下り
傾斜部の頂上側に配置されている。そして、ケーブル1
が下り傾斜部を走向する際、制動装置100によりケー
ブル1に制動負荷を付加し、ケーブル走向方向に負荷さ
れるケーブルの重力エネルギ差に起因するケーブル張力
を相殺するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばプラント
建設のケーブル布設工事における電力ケーブルや制御ケ
ーブルのケーブル延線工法およびそれに適用される制動
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のケーブル延線工法について図9を
参照しつつ説明する。まず、ケーブル1の延線に先立っ
て、ケーブル1の延線経路の全長にわたってケーブルト
レイ(図示せず)が延設される。ついで、ケーブル1の
延線経路、即ちケーブルトレイに沿って、ボール延線機
3が所定間隙、例えば20m〜30m毎に設置される。
そして、延線経路の各コーナー部にはコーナーコロ4が
設置され、ボール延線機3間には直線コロ5および四面
コロ6が設置される。また、ケーブル1が巻回されてい
るケーブルドラム8が延線経路の後端側に設置され、ウ
インチ9が延線経路の先端側に設置される。さらに、各
ボール延線機3は延線機スイッチケーブル11を介して
延線機制御盤10に接続され、かつ、延線機電源ケーブ
ル13を介して電源12に接続されている。この延線機
制御盤10は、ボール延線機3の一括スイッチ制御(O
N/OFF)、インバータ制御(VVVF制御)により
ボール延線機3の速度を一括制御する。
【0003】そこで、作業者がケーブルドラム8に巻き
付けられたケーブル1を引き出し、牽引ロープ2を引き
出されたケーブル1の先端にケーブル把持具(図示せ
ず)を介して接続する。そして、作業者は、牽引ロープ
2を持って延線経路に沿って移動しつつ、後端側からボ
ール延線機3、直線コロ5、四面コロ6、コーナコロ4
に順次掛けていき、延線経路の先端側まで移動した後、
牽引ロープ2の先端をウインチ9のドラム9aに巻き付
ける。
【0004】ついで、ウインチ9を駆動して牽引ロープ
2の牽引を開始する。同時に、延線機制御盤10により
ボール延線機3を駆動し、さらにドラム駆動装置制御盤
14によりケーブルドラム8を駆動する。そこで、ケー
ブルドラム8から繰り出されたケーブル1は、ウインチ
9の牽引により、コーナー部ではコーナーコロ4に沿っ
て曲げられ、直線部では直線コロ5および四面コロ6を
回転させながら、またボール延線機3を通る際には、ボ
ール延線機3の送り力がケーブル1に直接作用して送り
出され、延線経路に沿って走行移動する。そして、ケー
ブル把持具が延線経路の先端まで到達すると、ウインチ
9、ボール延線機3およびケーブルドラム8の駆動が停
止され、ケーブル把持具をケーブル1から取り外す。つ
いで、作業者は、ケーブル把持具とともに牽引ロープ2
を持って後端側まで移動し、ケーブルドラム8側でケー
ブル1を切断し、所定の長さのケーブル1とする。その
後、作業者は、延線されたケーブル1を整線しながらケ
ーブルトレイ内に移し替え、1本のケーブル1の延線が
終了する。上述の作業を繰り返し行い、所定本数のケー
ブル1を延線することになる。
【0005】ここで、ボール延線機3は、一対のボール
3aを内蔵モータ(図示せず)で互いに逆方向に回転駆
動するように構成されており、ケーブル1を一対のボー
ル3a間に挟み、一対のボール3aを回転駆動すること
で、ケーブル1を押し出すものである。そこで、ボール
延線機3の後方におけるケーブルの張力、即ちバックテ
ンションがゼロとなる。このことから、ケーブル布設に
必要な張力が、ボール延線機3の能力範囲内となるよう
にボール延線機3の数、配置位置を設定することにな
る。
【0006】ついで、ボール延線機3の配置位置の設定
について、図10に示される各モデルを参照しつつ説明
する。なお、図10中、Tは各部分における延線張力、
は各部分入口での既有荷重、Lはルートの部分長、
μは摩擦係数、Wはケーブルの単位重量、αは傾斜角度
(度)、βは水平屈曲角度(rad)であり、矢印はケー
ブルの走向方向を示す。
【0007】まず、図10の(a)に示される水平直線
部のモデルでは、部分出口での延線張力Tは、T=T
+μWLで表される。そして、ボール延線機3の後方で
のバックテンションがゼロであることから、部分入口に
ボール延線機3を配置することで、部分出口での延線張
力TはμWLとなる。この延線張力T(μWL)は摩擦
力に起因するもので、ケーブル走向方向に対してマイナ
ス方向に作用するので、ケーブル1を走向させるには、
延線張力Tを越える力をケーブル走向方向に作用させる
必要がある。従って、延線経路の直線部では、ボール延
線機3の送り力>μWLとなるようにボール延線機3の
配置位置(ボール延線機3の設置間隔)を設定すること
になる。
【0008】また、図10の(b)に示される上り直線
傾斜部のモデルでは、部分出口での延線張力Tは、T=
+WL(μcosα+sinα)で表される。ここで、延
線張力(WLμcosα)は摩擦力に起因するもので、ケ
ーブル走向方向に対してマイナス方向に作用し、延線張
力(WLsinα)はケーブル1の重力位置エネルギ差に
起因するもので、ケーブル走向方向に対してマイナス方
向に作用する。そこで、ボール延線機3の後方でのバッ
クテンションがゼロであることから、延線経路の上り傾
斜部の直前にボール延線機3を設置し、部分出口での延
線張力TをWL(μcosα+sinα)として、上り傾斜部
のケーブル走向方向の前方に配置されるボール延線機3
の送り力の能力の増大を抑えている。
【0009】また、図10の(c)に示される下り直線
傾斜部のモデルでは、部分出口での延線張力Tは、T=
+WL(μcosα−sinα)で表される。ここで、延
線張力(WLμcosα)は摩擦力に起因するもので、ケ
ーブル走向方向に対してマイナス方向に作用し、延線張
力(WLsinα)はケーブル1の重力位置エネルギ差に
起因するもので、ケーブル走向方向に対してプラス方向
に作用する。そこで、上り直線傾斜部に比べて、部分出
口での延線張力は小さくなり、より小さい力でケーブル
1を走向させることができる。また、ボール延線機3の
後方でのバックテンションがゼロであることから、延線
経路の下り傾斜部の直前にボール延線機3を設置し、下
り傾斜部のケーブル走向方向の前方に配置されるボール
延線機3の送り力の能力の増大を抑えている。
【0010】また、図10の(d)に示される水平曲線
部のモデルでは、部分出口での延線張力Tは、T=T
cosh(μβ)+(T +(WR)1/2sinh
(μβ)で表される。なお、βが90度の場合、T≒
1.6Tとなる。そこで、ボール延線機3の後方での
バックテンションがゼロであることから、延線経路の水
平曲線部の直前にボール延線機3を設置し、水平曲線部
のケーブル走向方向の前方に配置されるボール延線機3
の送り力の能力の増大を抑えている。また、曲線部にコ
ーナーコロ4を配置し、ケーブル1が曲線部を低摩擦力
でスムーズに走向するようにしている。
【0011】また、図示していないが下り傾斜部の特殊
例である下り垂直部(ケーブルが垂直下方に走向)で
は、T=T−WLとなる。ここで、延線張力(WL)
はケーブル1の重力位置エネルギ差に起因するもので、
ケーブル走向方向に対してプラス方向に作用する。そこ
で、延線経路の垂直部の直前にボール延線機3を設置す
ることで、ケーブル1は垂直部を自重により落下する。
【0012】さらに、直線コロ5および四面コロ6は、
ケーブル摩擦係数を軽減するとともに、ケーブル1の弛
みに起因する損傷を防止するために、2m〜5mに1箇
所配置している。そして、ケーブル摩擦係数の軽減は、
ケーブル1の走向をスムーズにし、ボール延線機3の設
置間隔をのばしてボール延線機3の台数を削減し、さら
に送り力の能力の増大にともなうボール延線機3の大型
化を抑えることにつながる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のケー
ブル延線工法では、ケーブル1の張力バランスが悪い
と、張力の大きな場所付近でケーブル1に弛みが発生す
る。そして、ケーブル1がケーブル1の弛みに起因して
蛇行し、延線経路から外れ、ケーブルが損傷してしまう
という問題があった。そして、最悪の場合には、ケーブ
ル1が走向できなくなるという問題もあった。そこで、
従来、ケーブル1の弛み発生を抑えるために、次の対策
がとられていた。 (1)ボール延線機3の配置位置をずらしながらケーブ
ル張力のバランスをとる。 (2)直線コロ5および四面コロ6の設置数、設置位置
を変えてケーブル張力のバランスをとる。 (3)延線機制御盤10を複数台用意して、ボール延線
機3の延線速度を個別に調整してケーブル張力のバラン
スをとる。 (4)ウインチで大きな張力をかけて、ケーブル弛みを
強制的に除去して延線する。
【0014】しかしながら、延線経路の下り傾斜部およ
び下り垂直部では、図11および図12に示されるよう
に、延線張力Tにはケーブル走向方向に対してプラス方
向に作用する因子(WLsinα、WL)が含まれる。そ
して、傾斜部および垂直部の前後に配置されているボー
ル延線機3A、3Bが同じ送り力に制御されていること
から、これらの因子に起因するケーブル1の送り分がボ
ール延線機3Bで吸収できず、傾斜部あるいは垂直部の
最下点でケーブル1の弛みが生じる。そして、上述の
(1)(2)では、傾斜部あるいは垂直部の最下点にお
けるケーブル弛みを解消できなかった。また、上述の
(3)によれば、ボール延線機3Aの送り力をケーブル
走向方向に対してプラス方向に作用する因子分に相当す
る量だけ小さく制御するか、ボール延線機3Bの送り力
をケーブル走向方向に対してプラス方向に作用する因子
分に相当する量だけ大きく制御するかによって、傾斜部
あるいは垂直部の最下点におけるケーブル弛みを解消で
きる。しかし、ボール延線機3を個別に制御するために
は、延線機制御盤10の台数が多くなり、費用が著しく
増加してしまい、実用的な対策ではなかった。さらに、
各ボール延線機3の延線速度の制御・調整作業には熟練
を要し、延線の作業時間が長くなるという新たな問題を
生じてしまう。また、上述の(4)は、延線経路が長距
離となった場合には、ウインチ9によるテンションがケ
ーブル1まで伝わらなくなり、ケーブルを延線できなく
なるという問題を生じてしまう。
【0015】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、下り傾斜部の頂上側で、ケーブ
ル走向方向に対してプラス方向に作用する因子分に相当
する量を相殺するようにケーブルに制動を加えてケーブ
ルを延線するようにしたケーブル延線工法およびそれに
適用される制動装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係るケーブル
延線工法は、延線機をケーブルの延線経路の随所に配置
し、さらにコロを該延線機間に配置してケーブル延線路
を構築し、ケーブルが巻回されたケーブルドラムを上記
ケーブル延線路の後端側に設置した後、上記ケーブルを
上記ケーブルドラムから繰り出しつつ上記ケーブル延線
路の後端側から上記延線機およびコロに掛けながら、上
記延線機の送り力により上記ケーブル延線路の先端側に
走向移動させて、上記ケーブルを延線するケーブル延線
工法において、上記ケーブルの重力位置エネルギ差に起
因するケーブル張力がケーブル走向方向に付加される上
記ケーブル延線路の傾斜領域の前後に上記延線機を配置
し、かつ、上記ケーブルに反ケーブル走向方向の負荷を
生じさせる制動装置を上記ケーブル延線路の傾斜領域内
の反ケーブル走向方向側に配置して、上記ケーブルの重
力位置エネルギ差に起因して付加される上記ケーブル張
力を上記制動装置による上記負荷により低減させるよう
にしたものである。
【0017】また、ウインチを上記ケーブル延線路の先
端側に配置し、上記ケーブルの先端に連結され、かつ、
上記ケーブル延線路のすべての上記延線機およびコロに
掛けられた牽引ロープを上記ウインチのドラムに巻き付
けた後、上記ウインチおよび上記延線機を駆動して、上
記ケーブルを延線するようにしたものである。
【0018】また、ロープ径が先端側にステップ状に漸
次小さくなるように多段に形成され、かつ、各段部の長
さが上記延線機の配置間隔より長く形成された段付き牽
引ロープの後端を上記ケーブルの先端に連結した後、該
牽引ロープの先端側を上記ケーブル延線路に沿って上記
延線機およびコロに順次掛けながら、上記延線機の送り
力により上記ケーブルを延線するようにしたものであ
る。
【0019】また、この発明に係る制動装置は、軸心を
互いに平行にして架台に立設された一対の回転軸と、上
記一対の回転軸のそれぞれに固着された一対のボール
と、一対のボールを連動して互いに逆回りに回転させる
第1の動力伝達機構と、上記一対のボールの回転を制動
するブレーキ機構と、上記一対のボールの回転力を上記
ブレーキ機構に伝達する第2の動力伝達機構とを備えた
ものである。
【0020】また、この発明に係る制動装置は、軸心を
互いに平行とする対が複数列に配列されて架台に立設さ
れた複数対の回転軸と、上記複数対の回転軸のそれぞれ
に固着された複数対のボールと、上記複数対のボールの
回転方向が、対をなすボール間で逆方向となり、かつ、
配列方向で同一方向となるように、上記複数対のボール
を連動して回転させる第1の動力伝達機構と、上記複数
対のボールの回転を制動するブレーキ機構と、上記複数
対のボールの回転力を上記ブレーキ機構に伝達する第2
の動力伝達機構とを備えたものである。
【0021】また、対をなす上記ボールがボール間距離
を調整可能に構成されているものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係るケ
ーブル延線工法に適用される制動装置を示す上面図、図
2はこの発明の実施の形態1に係るケーブル延線工法に
適用される制動装置を示す側面図、図3は図1における
制動装置に適用されるブレーキ機構のブレーキ本体部の
構成を説明する図、図4はブレーキ機構のブレーキ本体
部の動作を説明する要部拡大図である。
【0023】各図において、制動装置100は、ギヤケ
ースを構成する架台20と、軸心を互いに平行にして架
台20に回転自在に取り付けられた一対の回転軸21
A、21Bと、各回転軸21A、21Bの架台20から
の延出部に固着され、それぞれエアーが封入されたゴム
製の中空構造体に作製された一対のボール22A、22
Bと、一対のボール22A、22B(一対の回転軸21
A、21B)を連動して互いに逆回りに回転させる第1
の動力伝達機構と、一対のボール22A、22Bの回転
を制動するブレーキ機構と、一対のボール22A、22
B(一対の回転軸21A、21B)の回転力をブレーキ
機構に伝達する第2の動力伝達機構と、架台20の前端
に回転軸21A、21Bの軸心と直交する軸回りに回転
自在に装着された主ローラ23と、主ローラ23に隣接
して架台20の前端に主ローラ23の軸と平行な軸回り
回転自在に装着された補助ローラ24と、架台20の後
端に主ローラ23の軸と平行な軸回り回転自在に装着さ
れた後部ローラ25とを備えている。なお、回転軸21
A、21Bは主ローラ23の軸方向に配列されている。
【0024】回転軸21Aは移動を規制されて架台20
に取り付けられ、回転軸21Bは、図1中矢印で示され
るように、主ローラ23の軸方向に回転軸21Aに対し
て接離可能に架台20に取り付けられている。そして、
回転軸21Bの位置はボール開閉用ナット26により調
整・固定されるようになっている。
【0025】ボール用スプロケット30A、30Bが軸
方向高さ位置を同じくして回転軸21A、21Bの架台
20内の部位に固着されている。そして、補助スプロケ
ット31がスプロケット30A、30Bと軸方向高さを
同じくして回転自在に架台20内のスプロケット30
A、30B間に配設されている。この補助スプロケット
31は、回転軸21Bに対する位置関係を保って、回転
軸21Bに連動してボール開閉用ナット26により位置
調整されるようになっている。さらに、張力調整用スプ
ロケット32が、スプロケット30A、30Bと軸方向
高さを同じくして回転自在に架台20内の所定位置に配
設されている。この張力調整用スプロケット32はチェ
ーン張り調節金具27により位置調整されるようになっ
ている。
【0026】そして、無端状のボール用ローラチェーン
33が、スプロケット30A、補助スプロケット31、
スプロケット30Bおよび張力調整用スプロケット32
に架け渡されて、第1の動力伝達機構を構成している。
これにより、一対のボール22A、22Bが連動して互
いに逆回りに回転される。そして、ボール用ローラチェ
ーン33が各スプロケットから脱落しないように、張力
調整用スプロケット32の位置がチェーン張り調節金具
27により調節・固定されている。
【0027】そして、第1動力伝達用スプロケット34
がスプロケット30Aと軸方向高さを異なるようにして
回転軸21Aの架台20内の部位に固着されている。ま
た、第2動力伝達用スプロケット35Aが架台20内の
回転軸21Aの後方に回転自在に配設された回転軸36
にスプロケット30Aと軸方向高さを同じくして固着さ
れ、第3動力伝達用スプロケット35Bが回転軸36に
スプロケット35Aと軸方向高さを異なるように固着さ
れている。さらに、第4動力伝達用スプロケット37が
架台20内の回転軸21Bの後方に回転自在に配設され
た回転軸38に第3動力伝達用スプロケット35Bと軸
方向高さを同じくして固着されている。そして、無端状
の第1動力伝達用ローラチェーン39Aが第1および第
2動力伝達用スプロケット34、35Aに架け渡され、
無端状の第2動力伝達用ローラチェーン39Bが第3お
よび第4動力伝達用スプロケット35B、37に架け渡
されて、第2の動力伝達機構を構成している。これによ
り、一対のボール22A、22Bの回転力が回転軸38
に伝達される。ここで、回転軸38にドラム39が一体
に固着されている。
【0028】ブレーキ本体部40は、環状の本体41
と、本体41内に同軸に、かつ、回転自在に配設された
カム42と、カム42の外周に配設されたブレーキシュ
ー43と、カム42とブレーキシュー43との間に配設
されたローラ44と、カム42を回転させるレバー45
とから構成されている。このブレーキ本体部40は、図
3に示されるように、回転軸38をカム42内を挿通さ
せて架台20に取り付けられ、ドラム39が本体41と
ブレーキシュー43との間に挿入されている。また、ブ
レーキ調整バー46が回転軸47周りに回動自在に架台
20内に配設され、ブレーキ調整ノブ48がブレーキ調
整バー46を回転軸47周りに回動させるように架台2
0に取り付けられている。さらに、ブレーキ調整バー4
6とレバー45とがワイヤ49により連結されている。
なお、ブレーキ本体部40、ブレーキ調整バー46、ブ
レーキ調整ノブ48およびワイヤ49によりブレーキ機
構を構成している。
【0029】ついで、ブレーキ機構の動作を図4を参照
しつつ説明する。まず、初期状態では、図4の(a)に
示されるように、カム42がローラ44に係合せず、ブ
レーキシュー43がドラム39から離反している。そし
て、ブレーキ調整ノブ48を回動することで、ブレーキ
調整レバー46が回転軸47周りに回動し、ブレーキ調
整レバー46の回動トルクがワイヤ49を介してレバー
45に伝達され、カム42が図4の(a)に矢印で示さ
れるように回動される。そして、このカム42の回動に
より、図4の(b)に示されるように、ローラ44が押
し上げられる。そして、カム42に押し上げられたロー
ラ44が回転しながらブレーキシュー43を押し上げ、
図4の(c)に示されるように、ブレーキシュー43が
ドラム39と接触し、ドラム39の回転に制動がかか
る。そこで、ブレーキ調整ノブ48の回動量を調整する
ことにより、第2の動力伝達機構を介して回転軸38に
伝達された第1および第2のボール22A、22Bの回
転に所定の制動を加えることができます。
【0030】ついで、この制動装置100を適用したケ
ーブル延線工法について図5および図6を参照して説明
する。なお、延線経路の下り傾斜部および垂直部(傾斜
部の特殊例)に制動装置100を配置している点を除い
て、図9に示される従来のケーブル延線工法と同様の機
器配置構成となっているので、延線経路の下り傾斜部お
よび垂直部以外については図9を参照する。まず、ケー
ブル1の延線に先立って、ケーブル1の延線経路の全長
にわたってケーブルトレイ(図示せず)が延設される。
ついで、ケーブル1の延線経路、即ちケーブルトレイに
沿って、ボール延線機3が所定間隙、例えば20m〜3
0m毎に設置される。そして、延線経路の各コーナー部
にはコーナーコロ4が設置され、ボール延線機3間には
直線コロ5および四面コロ6が設置される。さらに、延
線経路の下り傾斜部では、図5に示されるように、ボー
ル延線機3が下り傾斜部の前後に設置され、制動装置1
00が傾斜部の頂上部近傍に設置される。さらにまた、
延線経路の下り垂直部では、図6に示されるように、ボ
ール延線機3が下り垂直部の前後に設置され、制動装置
100が垂直部の頂上部近傍、中央部および底部近傍に
それぞれ設置される。また、ケーブル1が巻回されてい
るケーブルドラム8が延線経路の後端側に設置され、ウ
インチ9が延線経路の先端側に設置される。さらに、各
ボール延線機3は延線機スイッチケーブル11を介して
延線機制御盤10に接続され、かつ、延線機電源ケーブ
ル13を介して電源12に接続されている。この延線機
制御盤10は、ボール延線機3の一括スイッチ制御(O
N/OFF)、インバータ制御(VVVF制御)により
ボール延線機3の速度を一括制御する。
【0031】そこで、作業者がケーブルドラム8に巻き
付けられたケーブル1を引き出し、牽引ロープ2を引き
出されたケーブル1の先端にケーブル把持具(図示せ
ず)を介して接続する。また、一対のボール22A、2
2B間がケーブル1の太さに適合するように、即ちケー
ブル1とボール22A、22Bとの間に所定の摩擦力が
発生するように、回転軸21Bの位置をボール開閉用ナ
ット26により調整・固定する。さらに、ボール用ロー
ラチェーン33が各スプロケットから脱落しないよう
に、張力調整用スプロケット32の位置をチェーン張り
調節金具27により調節・固定する。そして、作業者
は、牽引ロープ2を持って延線経路に沿って移動しつ
つ、後端側からボール延線機3、直線コロ5、四面コロ
6、コーナコロ4、制動装置100に順次掛けていき、
延線経路の先端側まで移動した後、牽引ロープ2の先端
をウインチ9のドラム9aに巻き付ける。ここで、牽引
ロープ2は、主ローラ23と補助ローラ24との間を通
され、ついで一対のボール22A、22B間に通され、
その後後部ローラ25上を通されて、制動装置100に
掛けられる。
【0032】ついで、ウインチ9を駆動して牽引ロープ
2の牽引を開始する。同時に、延線機制御盤10により
ボール延線機3を駆動し、さらにドラム駆動装置制御盤
14によりケーブルドラム8を駆動する。そこで、ケー
ブルドラム8から繰り出されたケーブル1は、ウインチ
9により牽引ロープ2を介して牽引され、コーナー部で
はコーナーコロ4に沿って曲げられ、直線部では直線コ
ロ5および四面コロ6を回転させながら、さらに制動装
置100では一対のボール22A、22Bを回転させな
がら、またボール延線機3を通る際には、ボール延線機
3の送り力がケーブル1に直接作用して送り出され、延
線経路に沿って走行移動する。
【0033】そして、延線経路の下り傾斜部で、ブレー
キ調整ノブ48を回しながら、一対のボール22A、2
2Bの回転トルクが第1および第2動力伝達用ローラチ
ェーン39A、39Bを介して伝達されて回転している
回転軸38のドラム39に制動負荷をかけて、つまりケ
ーブル1に制動負荷をかけて、傾斜部の下部にケーブル
1の弛みが生じないようにケーブル1の張力を調整す
る。同様に、延線経路の下り垂直部で、ブレーキ調整ノ
ブ48を回しながら、ケーブル1に制動負荷をかけ、垂
直部の下部にケーブル1の弛みが生じないようにケーブ
ル1の張力を調整する。そして、ケーブル把持具が延線
経路の先端まで到達すると、ウインチ9、ボール延線機
3およびケーブルドラム8の駆動が停止され、ケーブル
把持具をケーブル1から取り外す。ついで、作業者は、
ケーブル把持具とともに牽引ロープ2を持って後端側ま
で移動し、ケーブルドラム8側でケーブル1を切断し、
所定の長さのケーブル1とする。その後、作業者は、延
線されたケーブル1を整線しながらケーブルトレイ内に
移し替え、1本のケーブル1の延線が終了する。上述の
作業を繰り返し行い、所定本数のケーブル1を延線する
ことになる。
【0034】このように、この実施の形態1では、ボー
ル延線機3が下り傾斜部の前後に設置され、制動装置1
00が傾斜部の頂上部近傍に設置され、さらに、ボール
延線機3が下り垂直部の前後に設置され、制動装置10
0が垂直部の頂上部近傍、中央部および底部近傍にそれ
ぞれ設置されている。そして、延線経路の下り傾斜部
で、ブレーキ調整ノブ48を回しながら、ケーブル1に
制動負荷をかけ、傾斜部の下部にケーブル1の弛みが生
じないようにケーブル1の張力を調整し、同様に、延線
経路の下り垂直部で、ブレーキ調整ノブ48を回しなが
ら、ケーブル1に制動負荷をかけ、垂直部の下部にケー
ブル1の弛みが生じないようにケーブル1の張力を調整
している。そこで、延線経路の下り傾斜部および下り垂
直部において、ケーブル1にケーブル走向方向に対して
プラス方向に作用する因子(WLsinα、WL)に相当
する分が、制動装置100による制動負荷により相殺さ
れるので、延線経路の下り傾斜部および下り垂直部の前
後に配置されたボール延線機3の速度を同一としても、
ケーブル1の弛みの発生が抑制される。従って、ケーブ
ル1がケーブル1の弛みに起因して蛇行して、延線経路
から外れ、ケーブルが損傷してしまう事故を防止でき
る。さらに、ケーブル1が走向不能となることもない。
また、ボール延線機3の速度を個別に制御する必要もな
く、単一の延線機制御盤10ですみ、低コスト化が図ら
れる。さらに、熟練を要するボール延線機3の速度調整
作業が不要となり、延線作業性が向上する。
【0035】また、制動装置100が、ギヤケースを構
成する架台20と、軸心を互いに平行にして架台20に
回転自在に取り付けられた一対の回転軸21A、21B
と、各回転軸21A、21Bの架台20からの延出部に
固着された一対のボール22A、22Bと、一対のボー
ル22A、22Bを連動して互いに逆回りに回転させる
スプロケット30A、30B、31、32とローラチェ
ーン33とからなる第1の動力伝達機構と、一対のボー
ル22A、22Bの回転を制動するブレーキ本体部4
0、ブレーキ調整バー46、ブレーキ調整ノブ48およ
びワイヤ49からなるブレーキ機構と、一対のボール2
2A、22Bの回転力をブレーキ機構に伝達するスプロ
ケット34、35A、35B、37とローラチェーン3
9A、39Bとからなる第2の動力伝達機構とから構成
されているので、簡易な構成でケーブル1に所望の制動
負荷を付与できる制動装置が実現できる。また、一対の
ローラ22A、22B間の隙間が調整可能に構成されて
いるので、太さの異なるケーブル1にも適用でき、優れ
た汎用性が得られる。
【0036】なお、上記実施の形態1では、下り垂直部
に3台の制動装置100を配置するものとして説明して
いるが、制動装置100の台数はこれに限定されるもの
ではなく、制動装置100を少なくとも下り垂直部の頂
上部近傍に配置すればよい。
【0037】実施の形態2.図7はこの発明の実施の形
態2に係る制動装置を示す上面図である。図7におい
て、回転軸21A、21Bの対が図7の左右方向に2列
に配列されている。そして、各対の回転軸21Aは架台
20に移動を規制されて取り付けられ、各対の回転軸2
1Bは回転軸21Aに対して接離可能に取り付けられて
いる。そして、両回転軸21Bの位置はボール開閉用ナ
ット26により調整・固定されるようになっている。さ
らに、ボール22A、22Bが各対の回転軸21A、2
1Bの架台20からの延出部にそれぞれ固着されてい
る。
【0038】ボール用スプロケット30A、30Bが軸
方向高さ位置を同じくして各対の回転軸21A、21B
の架台20内の部位に固着されている。そして、補助ス
プロケット31がスプロケット30A、30Bと軸方向
高さを同じくして回転自在に架台20内の両スプロケッ
ト30A、30B間にそれぞれ配設されている。各補助
スプロケット31は、回転軸21Bに対する位置関係を
保って、回転軸21Bに連動してボール開閉用ナット2
6により位置調整されるようになっている。さらに、2
つの張力調整用スプロケット32が、スプロケット30
A、30Bと軸方向高さを同じくして回転自在に架台2
0内の所定位置に配設されている。この2つの張力調整
用スプロケット32はチェーン張り調節金具27により
位置調整されるようになっている。
【0039】そして、無端状のボール用ローラチェーン
33が、一対の回転軸21A、21Bにおいて、スプロ
ケット30A、補助スプロケット31、スプロケット3
0Bおよび張力調整用スプロケット32に架け渡され、
さらにもう一対の回転軸21A、21B側において、張
力調整用スプロケット32、スプロケット30B、補助
スプロケット32およびスプロケット30Aに架け渡さ
れて、第1の動力伝達機構を構成している。これによ
り、2対のボール22A、22Bが、連動して、各対の
ボール22A、22Bを互いに逆回りに、かつ、両ボー
ル22A、22A(両ボール22B、22B)を同一回
りに回転される。そして、ボール用ローラチェーン33
が各スプロケットから脱落しないように、2つの張力調
整用スプロケット32の位置がチェーン張り調節金具2
7により一括して調節・固定されている。このように構
成された制動装置101の他の構成は、上記実施の形態
1の制動装置100と同様に構成されている。
【0040】従って、この実施の形態2においても、上
記実施の形態1の制動装置と同様に、簡易な構成でケー
ブルに所望の制動負荷を付与できる制動装置が実現でき
る。また、この制動装置101によれば、2対のボール
22A、22Bを備えているので、ケーブル1に付与で
きる制動負荷を大きくすることができる。そこで、大き
な重量のケーブル1の延線に適用しても、ケーブルの滑
りを抑えて制動負荷を確実にケーブルに付与できる。ま
た、上記実施の形態1によるケーブル延線工法におい
て、この制動装置101を制動装置100に代えて用い
ても、同様の効果が得られることはいうまでもないこと
である。
【0041】実施の形態3.図8はこの発明の実施の形
態3に係るケーブル延線工法を説明する模式図である。
ここで、この実施の形態3によるケーブル延線工法につ
いて図5、図6および図8を参照しつつ説明する。ま
ず、ケーブル1の延線に先立って、ケーブル1の延線経
路の全長にわたってケーブルトレイ50が延設される。
ついで、ケーブル1の延線経路、即ちケーブルトレイ5
0に沿って、ボール延線機3が所定間隙、例えば20m
〜30m毎に設置される。そして、延線経路の各コーナ
ー部にはコーナーコロ4が設置され、ボール延線機3間
には直線コロ5および四面コロ6が設置される。さら
に、延線経路の下り傾斜部では、図5に示されるよう
に、ボール延線機3が下り傾斜部の前後に設置され、制
動装置100が傾斜部の頂上部近傍に設置される。さら
にまた、延線経路の下り垂直部では、図6に示されるよ
うに、ボール延線機3が下り垂直部の前後に設置され、
制動装置100が垂直部の頂上部近傍、中央部および底
部近傍にそれぞれ設置される。また、ケーブル1が巻回
されているケーブルドラム8が延線経路の後端側に設置
される。さらに、各ボール延線機3は延線機スイッチケ
ーブル11を介して延線機制御盤10に接続され、か
つ、延線機電源ケーブル13を介して電源12に接続さ
れている。この延線機制御盤10は、ボール延線機3の
一括スイッチ制御(ON/OFF)、インバータ制御
(VVVF制御)によりボール延線機3の速度を一括制
御する。
【0042】そこで、作業者がケーブルドラム8に巻き
付けられたケーブル1を引き出し、牽引ロープ51を引
き出されたケーブル1の先端にケーブル把持具52を介
して接続する。また、一対のボール22A、22B間が
ケーブル1の太さに適合するように、即ちケーブル1と
ボール22A、22Bとの間に所定の摩擦力が発生する
ように、回転軸21Bの位置をボール開閉用ナット26
により調整・固定する。さらに、ボール用ローラチェー
ン33が各スプロケットから脱落しないように、張力調
整用スプロケット32の位置をチェーン張り調節金具2
7により調節・固定する。ここで、牽引ロープ51は、
ロープ径が先端側にステップ状に漸次小さくなるように
大径部(例えば直径:36mm)、中径部(例えば直
径:24mm)および小径部(例えば直径:12mm)
の3段の段付き構造に形成されている。そして、各段部
の長さがボール延線機3の配設間隔より長く形成されて
いる。また、牽引ロープ51の大径部の端部をケーブル
1に連結している。
【0043】ついで、延線機制御盤10によりボール延
線機3を駆動し、さらにドラム駆動装置制御盤14によ
りケーブルドラム8を駆動する。そして、作業者は、牽
引ロープ51の先端を持って延線経路に沿って移動しつ
つ、延線経路の後端の1番目のボール延線機3に牽引ロ
ープ51をかける。これにより、牽引ロープ51の小径
部が一対のボール3aの送り力により延線経路の先端側
に送り出される。そして、作業者は、1番目のボール延
線機3から送り出された小径部を持って直線コロ5、四
面コロ6上を走向させて、2番目のボール延線機3にか
け、2番目のボール延線機3から送り出された小径部を
持って直線コロ、四面コロ6、あるいはコーナーコロ4
上を走向させて、3番目のボール延線機3にかける。こ
のようにして、作業者は、牽引ロープ51の小径部を延
線方向に各ボール延線機3、各コロ、制動装置100に
順次かけて行く。ここで、牽引ロープ51は、主ローラ
23と補助ローラ24との間を通され、ついで一対のボ
ール22A、22B間に通され、その後後部ローラ25
上を通されて、制動装置100に掛けられる。
【0044】そして、牽引ロープ51の小径部が、2番
目のボール延線機3の送り力により送り出されると、こ
の2番目のボール延線機3の送り力により、牽引ロープ
51の中径部が1番目のボール延線機3の一対のボール
3a間に挟み込まれ、その後1番目のボール延線機3の
送り力により送り出される。同様に、牽引ロープ51の
中径部が、2番目のボール延線機3の送り力により送り
出されると、この2番目のボール延線機3の送り力によ
り、牽引ロープ51の大径部が1番目のボール延線機3
の一対のボール3a間に挟み込まれ、その後1番目のボ
ール延線機3の送り力により送り出される。同様に、牽
引ロープ51の大径部が、2番目のボール延線機3の送
り力により送り出されると、この2番目のボール延線機
3の送り力により、ケーブル1が1番目のボール延線機
3の一対のボール3a間に挟み込まれ、その後1番目の
ボール延線機3の送り力により送り出される。
【0045】また、延線経路の下り傾斜部では、ブレー
キ調整ノブ48を回しながら、一対のボール22A、2
2Bの回転トルクが第1および第2動力伝達用ローラチ
ェーン39A、39Bを介して伝達されて回転している
回転軸38のドラム39に制動負荷をかけて、つまりケ
ーブル1に制動負荷をかけて、傾斜部の下部にケーブル
1の弛みが生じないようにケーブル1の張力を調整す
る。同様に、延線経路の下り垂直部では、ブレーキ調整
ノブ48を回しながら、ケーブル1に制動負荷をかけ、
垂直部の下部にケーブル1の弛みが生じないようにケー
ブル1の張力を調整する。
【0046】そして、作業者が、牽引ロープ51の先端
側を持って、延線経路に沿ってボール延線機3、直線コ
ロ5、四面コロ6、コーナーコロ4および制動装置10
0に順次掛けていき、延線経路の先端側まで移動する。
また、ケーブル1は、作業者の移動を追うようにして、
ボール延線機3の送り力により延線経路の先端側まで走
向移動する。そして、ケーブル把持具52が延線経路の
先端まで到達すると、ボール延線機3およびケーブルド
ラム8の駆動が停止され、ケーブル把持具52をケーブ
ル1から取り外す。ついで、作業者は、ケーブル把持具
52とともに牽引ロープ51を持って後端側まで移動
し、ケーブルドラム8側でケーブル1を切断し、所定の
長さのケーブル1とする。その後、作業者は、延線され
たケーブル1を整線しながらケーブルトレイ50内に移
し替え、1本のケーブル1の延線が終了する。上述の作
業を繰り返し行い、所定本数のケーブル1を延線するこ
とになる。
【0047】従って、この実施の形態3においても、上
記実施の形態1と同様に、ケーブル1がケーブル1の弛
みに起因して蛇行して、延線経路から外れ、ケーブルが
損傷してしまう事故を防止できる。また、ボール延線機
3の速度を個別に制御する必要もなく、単一の延線機制
御盤10ですみ、低コスト化が図られる。さらに、熟練
を要するボール延線機3の速度調整作業が不要となり、
延線作業性が向上する。
【0048】また、この実施の形態3によれば、ウイン
チを不要としているので、例えば400mを越える長い
延線経路であっても、ケーブル1の走向不能を招くこと
なく、ケーブル1を延線することができる。また、ケー
ブル1の先頭引きをウインチから段付きの牽引ロープ5
1に代えているので、ケーブル自体加わるケーブル張力
を格段に(例えば1/10以下に)小さくすることがで
きる。そこで、ケーブル1に大きな力を加えることなく
延線でき、高品質のケーブル配線が実現できる。
【0049】なお、上記各実施の形態では、制動装置1
00がレバー45の回動具合によりブレーキシュー43
とドラム39との間の摩擦力を調整するローラベアリン
グの摩擦によるブレーキ機構を採用するものとして説明
しているが、ブレーキ機構として電磁クラッチ機構を用
いても、同様の効果が得られる。また、上記各実施の形
態では、延線機としてボール延線機3を用いるものとし
て説明しているが、延線機はボール延線機3に限定され
るものではなく、例えばキャタピラ式延線機でもよい。
【0050】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0051】この発明によれば、延線機をケーブルの延
線経路の随所に配置し、さらにコロを該延線機間に配置
してケーブル延線路を構築し、ケーブルが巻回されたケ
ーブルドラムを上記ケーブル延線路の後端側に設置した
後、上記ケーブルを上記ケーブルドラムから繰り出しつ
つ上記ケーブル延線路の後端側から上記延線機およびコ
ロに掛けながら、上記延線機の送り力により上記ケーブ
ル延線路の先端側に走向移動させて、上記ケーブルを延
線するケーブル延線工法において、上記ケーブルの重力
位置エネルギ差に起因するケーブル張力がケーブル走向
方向に付加される上記ケーブル延線路の傾斜領域の前後
に上記延線機を配置し、かつ、上記ケーブルに反ケーブ
ル走向方向の負荷を生じさせる制動装置を上記ケーブル
延線路の傾斜領域内の反ケーブル走向方向側に配置し
て、上記ケーブルの重力位置エネルギ差に起因して付加
される上記ケーブル張力を上記制動装置による上記負荷
により低減させるようにしたので、延線経路の下り傾斜
部の下部におけるケーブル弛みが解消され、安定して、
かつ、損傷させることなくケーブルを延線できるケーブ
ル延線工法が得られる。
【0052】また、ウインチを上記ケーブル延線路の先
端側に配置し、上記ケーブルの先端に連結され、かつ、
上記ケーブル延線路のすべての上記延線機およびコロに
掛けられた牽引ロープを上記ウインチのドラムに巻き付
けた後、上記ウインチおよび上記延線機を駆動して、上
記ケーブルを延線するようにしたので、作業者による先
頭引きがなくなり、作業負荷が軽減される。
【0053】また、ロープ径が先端側にステップ状に漸
次小さくなるように多段に形成され、かつ、各段部の長
さが上記延線機の配置間隔より長く形成された段付き牽
引ロープの後端を上記ケーブルの先端に連結した後、該
牽引ロープの先端側を上記ケーブル延線路に沿って上記
延線機およびコロに順次掛けながら、上記延線機の送り
力により上記ケーブルを延線するようにしたので、ケー
ブル張力を小さくでき、ケーブルに大きな力を加えるこ
となくケーブルを延線でき、高品質のケーブル配線が得
られる。
【0054】また、この発明によれば、軸心を互いに平
行にして架台に立設された一対の回転軸と、上記一対の
回転軸のそれぞれに固着された一対のボールと、一対の
ボールを連動して互いに逆回りに回転させる第1の動力
伝達機構と、上記一対のボールの回転を制動するブレー
キ機構と、上記一対のボールの回転力を上記ブレーキ機
構に伝達する第2の動力伝達機構とを備えたので、簡易
な構成で、制動負荷を付与できる制動装置を実現でき
る。
【0055】また、この発明によれば、軸心を互いに平
行とする対が複数列に配列されて架台に立設された複数
対の回転軸と、上記複数対の回転軸のそれぞれに固着さ
れた複数対のボールと、上記複数対のボールの回転方向
が、対をなすボール間で逆方向となり、かつ、配列方向
で同一方向となるように、上記複数対のボールを連動し
て回転させる第1の動力伝達機構と、上記複数対のボー
ルの回転を制動するブレーキ機構と、上記複数対のボー
ルの回転力を上記ブレーキ機構に伝達する第2の動力伝
達機構とを備えたので、簡易な構成で、大きな制動負荷
が得られる制動装置を実現できる。
【0056】また、対をなす上記ボールがボール間距離
を調整可能に構成されているので、太さの異なるケーブ
ルにも適用でき、汎用性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るケーブル延線
工法に適用される制動装置を示す上面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るケーブル延線
工法に適用される制動装置を示す側面図である。
【図3】 図1における制動装置に適用されるブレーキ
機構のブレーキ本体部の構成を説明する図である。
【図4】 ブレーキ機構のブレーキ本体部の動作を説明
する要部拡大図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係るケーブル延線
工法の延線経路の下り傾斜部における機器配置を説明す
る模式図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係るケーブル延線
工法の延線経路の下り垂直部における機器配置を説明す
る模式図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係るケーブル延線
工法に適用される制動装置を示す上面図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に係るケーブル延線
工法を説明する模式図である。
【図9】 従来のケーブル延線工法を説明する模式図で
ある。
【図10】 延線経路の各部におけるケーブル張力を説
明する図である。
【図11】 従来のケーブル延線工法の延線経路の下り
傾斜部におけるケーブル弛み発生状態を説明する模式図
である。
【図12】 従来のケーブル延線工法の延線経路の下り
垂直部におけるケーブル弛み発生状態を説明する模式図
である。
【符号の説明】 1 ケーブル、2 牽引ロープ、3 ボール延線機、4
コーナーコロ、5直線コロ、6 四面コロ、8 ケー
ブルドラム、9 ウインチ、9a ドラム、20 架
台、21A、21B 回転軸、22A、22B ボー
ル、30A、30B ボール用スプロケット(第1動力
伝達機構)、31 補助スプロケット(第1動力伝達機
構)、32 張力調整用スプロケット(第1動力伝達機
構)、33ボール用ローラチェーン(第1動力伝達機
構)、34 第1動力伝達用スプロケット(第2動力伝
達機構)、35A 第2動力伝達用スプロケット(第2
動力伝達機構)、35B 第3動力伝達用スプロケット
(第2動力伝達機構)、37第4動力伝達用スプロケッ
ト(第2動力伝達機構)、39A 第1動力伝達用ロー
ラチェーン(第2動力伝達機構)、39B 第2動力伝
達用ローラチェーン(第2動力伝達機構)、40 ブレ
ーキ本体部(ブレーキ機構)、46 ブレーキ調整バー
(ブレーキ機構)、48 ブレーキ調整ノブ(ブレーキ
機構)、49ワイヤ(ブレーキ機構)、51牽引ロー
プ、100、101 制動装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延線機をケーブルの延線経路の随所に配
    置し、さらにコロを該延線機間に配置してケーブル延線
    路を構築し、ケーブルが巻回されたケーブルドラムを上
    記ケーブル延線路の後端側に設置した後、上記ケーブル
    を上記ケーブルドラムから繰り出しつつ上記ケーブル延
    線路の後端側から上記延線機およびコロに掛けながら、
    上記延線機の送り力により上記ケーブル延線路の先端側
    に走向移動させて、上記ケーブルを延線するケーブル延
    線工法において、 上記ケーブルの重力位置エネルギ差に起因するケーブル
    張力がケーブル走向方向に付加される上記ケーブル延線
    路の傾斜領域の前後に上記延線機を配置し、かつ、上記
    ケーブルに反ケーブル走向方向の負荷を生じさせる制動
    装置を上記ケーブル延線路の傾斜領域内の反ケーブル走
    向方向側に配置して、上記ケーブルの重力位置エネルギ
    差に起因して付加される上記ケーブル張力を上記制動装
    置による上記負荷により低減させるようにしたことを特
    徴とするケーブル延線工法。
  2. 【請求項2】 ウインチを上記ケーブル延線路の先端側
    に配置し、上記ケーブルの先端に連結され、かつ、上記
    ケーブル延線路のすべての上記延線機およびコロに掛け
    られた牽引ロープを上記ウインチのドラムに巻き付けた
    後、上記ウインチおよび上記延線機を駆動して、上記ケ
    ーブルを延線するようにしたことを特徴とする請求項1
    記載のケーブル延線工法。
  3. 【請求項3】 ロープ径が先端側にステップ状に漸次小
    さくなるように多段に形成され、かつ、各段部の長さが
    上記延線機の配置間隔より長く形成された段付き牽引ロ
    ープの後端を上記ケーブルの先端に連結した後、該牽引
    ロープの先端側を上記ケーブル延線路に沿って上記延線
    機およびコロに順次掛けながら、上記延線機の送り力に
    より上記ケーブルを延線するようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載のケーブル延線工法。
  4. 【請求項4】 軸心を互いに平行にして架台に立設され
    た一対の回転軸と、上記一対の回転軸のそれぞれに固着
    された一対のボールと、一対のボールを連動して互いに
    逆回りに回転させる第1の動力伝達機構と、上記一対の
    ボールの回転を制動するブレーキ機構と、上記一対のボ
    ールの回転力を上記ブレーキ機構に伝達する第2の動力
    伝達機構とを備えたことを特徴とする制動装置。
  5. 【請求項5】 軸心を互いに平行とする対が複数列に配
    列されて架台に立設された複数対の回転軸と、上記複数
    対の回転軸のそれぞれに固着された複数対のボールと、
    上記複数対のボールの回転方向が、対をなすボール間で
    逆方向となり、かつ、配列方向で同一方向となるよう
    に、上記複数対のボールを連動して回転させる第1の動
    力伝達機構と、上記複数対のボールの回転を制動するブ
    レーキ機構と、上記複数対のボールの回転力を上記ブレ
    ーキ機構に伝達する第2の動力伝達機構とを備えたこと
    を特徴とする制動装置。
  6. 【請求項6】 対をなす上記ボールがボール間距離を調
    整可能に構成されていることを特徴とする請求項4又は
    請求項5記載の制動装置。
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KR102068671B1 (ko) * 2018-07-11 2020-02-17 제일이엔지(주) 케이블 포설 시스템

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