JP2003271953A - 画像品質予測装置、同方法および同手順を記録した記録媒体 - Google Patents

画像品質予測装置、同方法および同手順を記録した記録媒体

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JP2003271953A
JP2003271953A JP2002073232A JP2002073232A JP2003271953A JP 2003271953 A JP2003271953 A JP 2003271953A JP 2002073232 A JP2002073232 A JP 2002073232A JP 2002073232 A JP2002073232 A JP 2002073232A JP 2003271953 A JP2003271953 A JP 2003271953A
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Katsumi Yamaguchi
勝己 山口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像記録装置のドット位置の変動の影響を含
めて、出力画像品質の高精度な予測、評価を可能にする
画像品質予測装置を得る。 【解決手段】 入力画像データがある。また、画像記録
装置の基本仕様データである記録密度データと基本反射
率分布データも入力される。ただし、ある画像データに
対する出力画像の反射率分布を求める場合に、以前に入
力された記録密度データと基本反射率分布データをその
まま利用できる場合には、画像データだけを入力すれば
よい。逆に、同じ画像データを用い、記録密度データ及
び/又はドット反射率分布データを変更して出力画像の
シミュレーションを行いたい場合には、画像データを再
度入力する必要はない。注目画素からの方向を含めた近
傍画素データを検出し、その検出結果に応じてドット配
置位置を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像品質予測装
置、同方法および同手順を記録した記録媒体に関し、た
とえば、画像評価、より詳細には画像出力機の定量的画
質評価を行う、画像品質予測装置、同方法および同手順
を記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像品質予測装置、同方法および
同手順を記録した記録媒体は、たとえば、画像評価を自
動で行う装置、方法、および同手順を記録した記録媒体
として適用される。
【0003】画像品質は一般的に、観察者の主観により
評価され、通常は定性的なものであるが、古くからこの
主観的、定性的な画像品質を客観的、定量的に評価する
試みがなされている。
【0004】本発明と技術分野の類似する先願発明例と
しの特開平1−286084号公報の「視覚に感じる画
像ノイズ(ざらつき)の定量化方法」は、評価画像の2
次元の輝度分布を2次元フーリエ変換した後、1次元化
した後、視覚の空間周波数で補正し積分した値を評価画
像の画像ノイズ(ざらつき)とする。
【0005】特開平1−286084号公報(富士ゼロ
ックス) に示された画像ノイズ(均一な濃度であるべ
き画像に発生する濃度ムラによるざらつき)の定量化方
法は、光学的に読みとった被評価画像の輝度分布を2次
元のフーリエ変換した後、1次元化し視覚の空間周波数
特性で補正し、積分した値を画像ノイズとしている。こ
れはノイズの中でも目に付きやすい周波数成分に重みを
かけ主観的なざらつきと客観的な評価量の対応を良くす
ることを目的としている。このように画像品質の定量評
価手法は測定された物理量を人間の視覚特性で補正する
ことで主観的な画像品質と客観的な物理量の相関を改善
することが一般的で、デジタル出力機の斜め線のギザギ
ザ(ジャギー)の評価や鮮鋭さの評価にも同様の方法が
とられる。
【0006】特開平10−023191号公報の「視覚
に感じる画像ノイズ(ざらつき)の定量化方法」では、
汎用のカラースキャナーやモノクロスキャナを用いて画
像ノイズ(ざらつき)を評価する。特開平10−023
191号公報も、汎用のスキャナで被評価画像を読み取
り、画像ノイズを求めるものである。
【0007】特開2000−22858号公報の「画像
出力装置の基本仕様データ(記録密度、ドットの反射率
分布など)と変動成分データ(ドット位置変動、ドット
反射率分布形状変動データ) とから、出力画像の反射率
分布を算出することにより画像品質を予測している。
【0008】上記のような画像の定量化手法の開発によ
り、画像品質を定量的に評価することが可能となってき
たが、評価のためには被評価画像をスキャナやマイクロ
デンシトメータなどの画像入力装置で光学的に読み取る
必要がある。評価のためには高精度で高解像度の読み取
りが必要なため、画像取り込み工程では十分な速度が得
られず、画質評価には非常に時間がかかる場合が多い。
また、評価を行うためには対象となる画像記録装置が必
要であり、製品開発においてはある程度、記録装置の開
発が進み画像出力が可能なレベルになっていることが不
可欠である。従って、開発当初にその記録装置の画像品
質を予測することはできない。
【0009】例えば、開発中の画像記録装置の画像処理
方法を開発する場合、画像記録装置の開発と同時に着手
しても画像処理手法の良否の評価はできない。このた
め、後回しとなり、短期間での開発が不可欠となってい
た。
【0010】また、開発した記録装置の仕様を一部変更
(例えば記録装置の記録密度の変更)などした場合画像
品質がどのように改善されるかを確認するためには、仕
様を変更した記録装置を実際に試作し評価することにな
り、評価には非常に時間がかかることになる。
【0011】そのために、例えば特開2000−022
858号公報は、実際に画像出力を行うのではなく評価
対象となる画像記録装置のドット反射率分布データを入
力画像データに従ってコンピュータ上の仮想平面上の所
定位置に順次配置し、合成することにより画像記録装置
から出力される出力画像の反射率分布を算出し、プリン
タなどの画像記録装置の画像品質を予測し、短時間で評
価することを可能としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電子写真方式の画像記録装置においては、その記録
特性は単純ではなく、画像記録装置の記録密度に従う所
定位置にドット反射率分布データを配置/合成しただけ
では、画像の微細構造までは厳密には再現しない。すな
わち、孤立1ドットにおいては基本的に所定位置にトナ
ー像が形成されるが、ドットを形成する画素数が増加す
るに従いその中心部にトナーが引き寄せられる傾向があ
り、上述のような単純なモデルでは正確に画像を再現す
ることが難しくなる。
【0013】図23はその様子を示す一例を示すもので
あり、図23(a)は600dpiのプリンタで106線のド
ット集中型の組織的ディザ処理を施した中間調画像を出
力した実画像、図23(b)は同一画像を上記モデルに
よりコンピュータによる計算で再現した画像であり、そ
れぞれ明度55で二値化して表示したものである。ま
た、図24は3種の中間調処理を施された二値画像に対
して入力レベル(画像面積率) と出力画像の平均明度の
関係(ガンマ特性) を実測結果と上記モデルによるシミ
ュレーション結果について対比して示したものである。
【0014】図24(a)は150線のドット集中型の
組織的ディザ処理、図24(b)は同じく106線のド
ット集中型の組織的ディザ処理、図24(c)は誤差拡
散処理を施した画像であり、実験機は600dpiのプリンタ
を用いた。また、図25は図24で示されたガンマ特性
の(a) 実測結果と(b)シミュレーション結果を各
中間処理方式についてそれぞれ同一図にまとめて示した
ものである。
【0015】図23からシミュレーションによる画像は
網点を構成する画素数が増加するに従い、実画像に比べ
て画像部(黒部)の比率が大きくなり、鮮鋭性など画像
の微細構造の影響を受ける画質特性の再現が困難となる
ことが分かる。また、図24では(a)150線ディザ
と(c)誤差拡散では、シミュレーション結果と実測値
が良く一致しているのに対して、(b)106線ディザ
では両者の違いが比較的大きくなっていることがわか
る。また、図25から、(a)実測結果では、画像の基
本周波数((c)>(a)>(b))の順) が高くなる
に従いガンマカーブの傾きが急峻となるのに対して、シ
ミュレーション結果では、中間調処理間のガンマカーブ
の差異が小さく、忠実な再現しているとは言えないこと
が分かる。
【0016】本発明は、画像記録装置から出力されるで
あろう画像の反射率分布を画像データに依存する画像記
録装置の出力特性まで含めて、より高精度にガンマ特性
や画像の微細構造に依存する鮮鋭性などの出力画像品質
の予測、評価を可能にする、画像品質予測装置、同方法
および同手順を記録した記録媒体を提供することを目的
とする。
【0017】本発明のもう一つの目的は、画像記録装置
のドット位置の変動の影響を含めて、出力画像品質の高
精度な予測、評価を可能にする、画像品質予測装置、同
方法および同手順を記録した記録媒体を提供することに
ある。
【0018】本発明のもう一つの目的は、画像記録装置
のドットの反射率分布などの変動の影響を含めて、出力
画像品質の高精度な予測、評価を可能にする、画像品質
予測装置、同方法および同手順を記録した記録媒体を提
供することにある。
【0019】本発明のもう一つの目的は、電子写真方式
のように、現像、転写、定着といった複数の工程により
画像を形成する画像記録装置に対し、各工程での画像の
ぼけ、つぶれなどの劣化による影響を含めて、出力画像
品質の高精度な予測、評価を可能にする、画像品質予測
装置、同方法および同手順を記録した記録媒体を提供す
ることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の画像品質予測装置は、画像記録装置の出力
画像の画像品質を予測する画質品質予測装置であって、
注目画素のドット位置を算出するドット位置算出手段
と、入力画像データから注目画素の近傍画素データを注
目画素からの方向を含めて検出する近傍画素データ算出
手段と、ドット位置算出手段で算出された注目画素のド
ット位置を近傍画素データ検出手段で算出された近傍画
素データに基づいて補正するドット位置補正手段と、注
目画素のドット反射率分布を算出するドット反射率分布
算出手段と、ドット位置補正手段において算出された各
画素のドット位置と、ドット反射率分布算出手段におい
て算出された各画素のドット反射率分布に基づいて、画
像記録装置より出力されるであろう画像の反射率分布を
算出する画像反射率分布算出手段と、を備えることを特
徴とする。
【0021】また、上記のドット位置算出手段は、画像
記録装置の記録密度データと、ドット位置変動データと
から記録されるドット位置を算出し、反射率分布算出手
段は、基本反射率分布データと、ドット反射率変動デー
タとから注目画素のドット反射率分布を算出することを
特徴とする。
【0022】さらに、上記の画像反射率分布算出手段に
おいて算出された反射率分布を、画像記録装置の画像形
成に関わる1つ以上の工程の劣化特性に従って補正する
画像反射率分布補正手段を更に備え、反射率に代えて、
濃度、明度、輝度などの特定の物理量が用いられ、画像
記録装置より出力されるであろう画像の特定の物理量の
分布が得られるとよい。
【0023】請求項6記載の発明の画像品質予測方法
は、画像記録装置の出力画像の画像品質を予測する画質
品質予測方法であって、注目画素のドット位置を算出す
るドット位置算出工程と、入力画像データから注目画素
の近傍画素データを注目画素からの方向を含めて検出す
る近傍画素データ算出工程と、ドット位置算出工程で算
出された注目画素のドット位置を近傍画素データ検出工
程で算出された近傍画素データに基づいて補正するドッ
ト位置補正工程と、注目画素のドット反射率分布を算出
するドット反射率分布算出工程と、ドット位置補正工程
において算出された各画素のドット位置と、ドット反射
率分布算出工程において算出された各画素のドット反射
率分布に基づいて、画像記録装置より出力されるであろ
う画像の反射率分布を算出する画像反射率分布算出工程
と、を含むことを特徴とする。
【0024】また、上記ドット位置算出工程は、画像記
録装置の記録密度データと、ドット位置変動データとか
ら記録されるドット位置を算出し、反射率分布算出工程
は、基本反射率分布データと、ドット反射率変動データ
とから注目画素のドット反射率分布を算出することを特
徴とする。
【0025】さらに、上記画像反射率分布算出工程にお
いて算出された反射率分布を、画像記録装置の画像形成
に関わる1つ以上の工程の劣化特性に従って補正する画
像反射率分布補正工程を更に有し、反射率に代えて、濃
度、明度、輝度などの特定の物理量が用いられ、画像記
録装置より出力されるであろう画像の特定の物理量の分
布が得られるとよい。
【0026】請求項11記載の発明の画像品質予測手順
を記録した記録媒体は、請求項6から10の何れかに記
載の画像品質予測手順を、コンピュータシステムにおい
て実行させるためのプログラムを格納したことを特徴と
する。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
による画像品質予測装置、同方法および同手順を記録し
た記録媒体の実施の形態を詳細に説明する。図1から図
22を参照すると、本発明の画像品質予測装置、同方法
および同手順を記録した記録媒体の一実施形態が示され
ている。
【0028】図面を参照し、本発明の実施の形態につい
て説明する。また、以下の説明において、最終的に求め
る出力画像の物理量として反射率が用いられるが、それ
以外の濃度、明度などの任意の物理量を使用し、その分
布を求めてもよい。その場合には、以下の説明中で用い
られる反射率分布、ドット反射率分布データ、ドット反
射率分布変動データ、反射率分布補正データなどの「反
射率」を、使用する濃度、明度などの「物理量」に読み
替えればよい。
【0029】本発明は、専用のハードウェアによって実
施してもよいことは当然であるが、一般的なコンピュー
タを利用しソフトウェアで実施してもよい。ソフトウェ
アで実施する場合、本発明の画像シミュレーション方法
のためのプログラムが、例えば、同プログラムが記録さ
れた磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、DV
D、メモリカード等々の記録媒体からコンピュータのメ
インメモリに直接読み込まれてCPUに実行され、又
は、ハードディスクなどの補助記憶装置に一旦格納され
た後、必要な時にメインメモリへ読み込まれてCPUに
より実行されることにより、本発明の画像シミュレーシ
ョン方法が実施される。
【0030】また、同プログラムを、それを記録したR
OMとしてコンピュータに実装する形態も可能である。
また、LAN又はWANで複数のコンピュータが接続さ
れたシステムにおいて、あるローカルのコンピュータに
他のコンピュータから同プログラムを取り込んで処理を
実行するような処理形態や、同プログラムを格納してい
るコンピュータに対し、ローカルなコンピュータから必
要なデータを与えて処理を実行させ、その結果をローカ
ルなコンピュータが受け取るような処理形態も可能であ
る。
【0031】処理の開始にあたって必要なデータは、例
えば、上記のような記録媒体から入力されたり、イメー
ジスキャナなどの入力装置から入力されたり、あるいは
ネットワークなどを経由して外部装置から入力される。
そのような処理の開始にあたって必要なデータや処理の
中間データのための記憶域は、例えばコンピュータのメ
インメモリ上に静的又は動的に割り当てられる。最終的
な処理結果は、例えば、コンピュータ上で動作する他の
アプリケーションプログラムに渡されたり、ハードディ
スクなどの補助記憶装置やフロッピー(登録商標)ディ
スクなどの記録媒体に書き出されたり、あるいはネット
ワークなどを経由して外部装置へ出力される。
【0032】(第1の実施例)本発明の第1の実施例に
係る画像シミュレーション装置の処理フローの一例を図
1に示し、また、ブロック構成の一例を図2に示す。以
下、図1及び図2を参照して本実施例について説明する
が、前述のように、図1に示す処理は一般的なコンピュ
ータ上で実施することも可能である。このことは後記の
各実施例についても同様である。
【0033】まず画質品質予測処理に必要なデータが入
力される。ただし、このデータ入力のための手段は、図
2には示されていない。また、入力されたデータは少な
くとも一時的に記憶されるが、その記憶手段は図2には
図示されていない。図2に示す画像シミュレーション装
置は、入力画像データ1、反射分布算出2、反射分布
3、近傍画像データ4、ドット位置補正5、ドット位置
算出6、記録密度7、ドット位置変動データ8、ドット
反射率分布データ算出9、基本ドット反射率分布データ
10、ドット反射率変動データ11、を有して構成され
る。
【0034】本発明においては、画質品質予測のターゲ
ット装置である画像記録装置(以下、単に画像記録装置
と呼ぶ)に、ある画像データを入力した場合に出力され
るであろう画像の反射率分布(又はその他の特定の物理
量の分布)を得ることを目的としているので、ここで入
力されるデータとしては、まず画像データ(入力画像デ
ータ1)がある。また、画像記録装置の基本仕様データ
である記録密度データと基本反射率分布データも入力さ
れる。ただし、ある画像データに対する出力画像の反射
率分布を求める場合に、以前に入力された記録密度デー
タと基本反射率分布データをそのまま利用できる場合に
は、画像データだけを入力すればよい。逆に、同じ画像
データを用い、記録密度データ及び/又はドット反射率
分布データを変更して出力画像のシミュレーションを行
いたい場合には、画像データを再度入力する必要はな
い。
【0035】入力画像データは、ターゲット装置が2値
の画像記録装置の場合にはドットがONかOFFかを
“ 0 ”と“ 1 ”で表す1bit /画素のデータ列(ド
ットがONかOFFかを“ 0 ”と“255 ”で表す8bit
/画素のデータ列でも良い)であり、多値の画像記録装
置の場合にはドットの大きさもしくは濃さを複数ビット
(通常は8bit /画素)で表すデータ列である。記録密
度データは、画像記録装置の解像度を一般にdpi(dot
per inch)の単位で表すデータである。なお、カラー画
像を形成する画像記録装置の出力画像のシミュレーショ
ンを行う場合には、カラー画像の各成分のデータが入力
画像データとして入力される(必要ならば、ドット反射
率分布データも各成分別に用意される)。以下の説明に
おいて、特に断らない限り入力画像データはドットがO
NかOFFかを“ 0 ”と“ 1 ”で表す2値の画像デ
ータであるものとする。
【0036】基本反射率分布データ(図3)は、出力画
像の測定結果に基づいて、あるいは予測・推定に基づい
て予め準備されるもので、1ドットの反射率分布を算出
する際の基本データである。基本ドット反射率分布デー
タは、実際には例えば、ドットの中心からの距離を変数
とした関数や、ドットの中心を原点とするローカルな直
交座標や極座標等で表された関数( 例えば、f(r') やf
(x',y')の形) 、もしくは2次元のLUT( ルックアッ
プテーブル) の形で与えられる。
【0037】必要なデータが入力されると、この後、入
力画像データの各画素毎の繰り返し処理が始まる(図
1)(この他にも後述するようにいくつかの入力データ
が場合により存在するがこれらは必要に応じて追加され
る)。まず、入力画像データ中の1つの画素が注目画素
として選ばれ、注目画素がON(“ 1 ”)であるか判
定される。この判定は、図2においては、例えば反射率
分布算出部で行われる。注目画素がOFF(“ 0 ”)
ならば、その画素は無視され、注目画素選択ステップに
戻り、次の注目画素が選ばれる。
【0038】注目画素がONであれば、注目画素のドッ
ト位置は、記録密度データによりドットの記録されるべ
き基本ドット位置(記録密度の逆数のピッチでx,y両
方向に等間隔に配置される)に対して、ドット位置変動
データに基づく所定の変動量を付加することにより算出
される。このドット位置の計算は、図2ではドット位置
算出部で行われる。
【0039】次に、入力画像データより注目画素の近傍
画素データが検出される。この近傍画素データの検出
は、図2では近傍画素データ検出部によって行われる。
なお、この近傍画素データの検出とドット位置の算出と
は順序を逆にすることも可能である。そして、ドット位
置補正部では、検出された近傍画素データに基づきドッ
ト位置の補正を行う。
【0040】近傍画素データは、注目画素近傍の画素デ
ータの状態を注目画素からの方向も含めて検出される。
これは例えば、空間フィルタリング処理により実行され
る。図4は、その最も簡単な例を示しており、それぞれ
注目画素の左右(x方向)及び上下(y方向) の隣接画
素を検出する2つのフィルタ( フィルタ1,フィルタ
2)により、近傍画素データを各画素に対して検出す
る。(この検出は、すべての画素に対して行っても良
く、この例のようにONの画素のみに行っても良い。)
そして、例えば連続した3*3 画素がONである3*
3ドットの画像に対しては図に示したように、x、y両
方向の近傍画素データが検出され、これにそれぞれ所定
量Δxo ,Δyoを乗じた値がドット位置補正量として、各
ドットの配置位置に加算されることにより補正が行われ
る。
【0041】ここで、Δxo ,Δyoの値は例えば画像記録
装置の特性に従って設定される。3*3ドットの中心画
素についてはその左右方向、上下方向ともに対称的であ
るためドット配置位置の補正量は0であるのに対し、3
*3ドットの右側3画素は左側に(マイナス方向:ドッ
トの中心方向)、左側の3ドットは右側に(プラス方
向:ドットの中心方向) 所定の移動量Δxoだけ移動す
るように補正される。また、同様に、3*3ドットの上
側3画素は下に (プラス方向:ドットの中心方向) 、下
側の3ドットは上に(マイナス方向:ドットの中心方
向)所定の移動量Δyoだけ移動するように補正される。
この様子を模式的に示したのが図5から図7であり、図
5はドット配置位置の補正を示すもので、黒丸が本来ド
ットが配置されるべき位置、白丸が補正されたドット配
置位置を示す。
【0042】図6はドット配置位置の補正なしに3*3
ドットを形成した様子を模式的に示した図である。図7
はドット配置位置を補正した時の3*3ドットを模式的
に示した図である。これらの図からドット配置位置を補
正することにより、3*3ドットがドット中央に凝縮さ
れ、相対的に小さなドットとして形成されるようになる
ことが分かる。
【0043】近傍画素データを検出するフィルタとして
は他に、例えば、Sobel フィルタ(図8)などのエッジ
検出用のフィルタが使用可能である。また、図9は、注
目画素からの距離に応じて強度が減衰する様にして各要
素を構成したフィルタの一例を示す。図9(a)はx方
向、図9(b)はy方向の近傍画素を検出するフィルタ
である。
【0044】次に、注目画素のドット反射率分布デー
タ、すなわち注目画素に対応して記録されるドットの反
射率分布を表すデータが、基本ドット反射率分布データ
に対し、ドット反射率変動データに基づいて所定の変動
量を付加することにより算出される。さらに、このドッ
ト反射率分布データが注目画素に対応したドット位置に
貼り付けられる、すなわち、そのドット反射率分布デー
タがドット位置と対応付けられて記憶される。図2で
は、ドット反射率分布データの算出はドット反射率分布
データ算出部で行われ、その注目画素のドット位置への
貼り付けは反射率分布算出部で行われる。
【0045】なお、このドット位置及びドット反射率分
布データを算出するステップにおける近傍画素データに
基づく変動量の付加は必要に応じて行われるものであ
り、いずれか、または両方のステップにおいて省略可能
であり、シミュレーションの目的に応じて、または、画
像記録装置の特性に応じて設定されるべきものである。
また、注目画素のON,OFFに関係なく近傍画素デー
タの検出と、その近傍画素データの状態に基づいたドッ
ト反射率分布データの算出、およびドット位置算出を行
うようにし、反射率分布算出部において、注目画素がO
Nの場合にのみ、算出されたドット反射率分布データを
対応したドット位置に貼り付けるようにしてもよい。こ
のことは、後記各実施例においても同様である。
【0046】ドット位置算出は、記録密度から算出され
る基本ドット位置に対してドット位置変動データに基づ
く所定の変動量を付加することにより、各画素に適用す
るドット配置位置を算出する。図10はその具体的な算
出方法の一例を模式的に示す説明図である。基本位置変
動量は出力画像の測定結果や予測・推定に基づくドット
位置変動量の基本データ、若しくは任意に入力可能な入
力データの一つである。ドット位置変動データはここで
は例えばx方向及びy方向のドット位置変動量の標準偏
差であり、この基本位置変動量は各画素の近傍画素デー
タに基づいて位置変動量補正部で補正をされ、正規乱数
を乗じられた後、記録密度データから算出された各ドッ
トの基本ドット位置に変動量として加算されることによ
り各ドットのドット位置が算出される。このようにする
ことにより、ドット位置変動の空間周波数依存性が低い
場合に良好にドット位置変動を再現することができる。
【0047】ドット位置変動はドット位置変動の空間周
波数特性として与えることもできる。そのような空間周
波数特性の一例を図11に示す。この例は、記録用紙の
送り誤差による周期的なドット位置変動、画像記録装置
の部品加工誤差によるランダムな高い周波数のドット位
置変動、記録媒体(電子写真における感光体など)に関
連した低い周波数のドット位置変動など、いろいろな空
間周波数成分を含んでいる。このようなドット位置変動
の空間周波数特性が基本ドット位置変動データとして与
えられた場合における、ドット位置算出部の内部構成の
一例を図12に示す。
【0048】基本ドット位置は記録密度データに基づい
て計算される。一方、ホワイトノイズ発生手段によりホ
ワイトノイズを発生させ、これをFFT手段により高速
フーリエ変換( FFT) して空間周波数空間へ変換す
る。この変換データとドット位置変動データ(空間周波
数特性)をフィルタリング処理で掛け合わせた後に、逆
FFT処置手段により逆FFT処置をすることにより、
目的とする空間周波数特性をもったノイズすなわちドッ
ト位置変動量が生成される。このドット位置変動量は位
置変動量補正部で近傍画素データに基づいて変動量の補
正を施され、加算手段によって基本ドット位置に加算す
ることにより、ドット位置変動データ(空間周波数特
性)に従った位置変動分が付加されたドット位置が算出
され、これがドット位置補正部へ与えられる。
【0049】ドット反射率分布算出は、ドット反射率変
動データに基づいて、基本反射率分布データに対し、そ
の強度、サイズのいずれか若しくは両方を画像記録装置
の特性に応じた変動量を加える(図13、14)ことに
より、注目画素に適用するドット反射率分布データを算
出する。図15はその具体的な算出方法の一例を模式的
に示す説明図である。ここではドットサイズ及びドット
強度の基本変動量からなる基本反射率変動データで、こ
れらは実際の出力画像の測定結果や予測・推定に基づく
ドット反射率分布変動量の基本データ、若しくは任意に
入力可能な入力データの一つである。基本ドットサイズ
変動量および基本ドット強度変動量はここでは例えばそ
れぞれドットサイズ変動量の標準偏差、ドット強度変動
量の標準偏差であり、これらに正規乱数を乗じられた
後、基本反射率データに変動量として付加することによ
り各ドットのドット反射率分布データが算出される。こ
れらの変動の付加は演算部において行われる。反射率分
布変動量の標準偏差に正規乱数を乗じることにより、ド
ット反射率分布変動量の空間周波数依存性が低い場合に
良好にドット反射率変動を再現することができる。
【0050】図16は、ある入力画像データに対するシ
ミュレーション結果すなわち出力画像の反射率分布を、
濃淡画像として模式的に示したものである。図16にお
いて、規則的に配置されている黒点が、記録密度データ
に基づいて算出された本来ドットが記録されるべき基本
ドット位置を示している。基本ドット位置に所定の変動
量を付加され、更にドット位置補正をされた各ドットの
ドット位置にドットが記録されるのは、そのドット位置
に対応した画素がONであるときであり、そのドット位
置には、対応した画素の反射率分布データが貼り付けら
れていることは前述した通りである。
【0051】反射率分布算出部では、記録密度よりも細
かなピッチで(図16に破線によって模式的に示した)
で各点の反射率を計算する。例えば点aの反射率を求め
る場合には、もっと近いドットAの中心からの距離(も
しくは座標)と、そのドット位置に貼り付けられたドッ
ト反射率分布データとに基づいて計算する。ドット反射
率分布データが前述のような関数で与えられている場合
には、ドットAの中心(算出されたドット位置)からの
距離(もしくは座標)を、その関数に代入することによ
って反射率を計算する。また、点bのようにドットA,
B(一般的には複数のドット) からの影響を受けるよう
な点では、ドットAに貼り付けられたドット反射率分布
データとドットAの中心からの距離(もしくは座標)を
用いて点bの反射率を計算し、また、ドットBに貼り付
けられたドット反射率分布データとドットAの中心から
の距離(もしくは座標)を用いて点bの反射率を計算
し、それら2つの反射率を掛け合わせることにより点b
の反射率を求める。
【0052】このようにして出力画像上の各点の反射率
を順次求めることにより、出力画像の反射率分布データ
が得られる。この算出の際に、前述のように、算出され
たドット位置が、対応する画素のドットの中心(換言す
れば反射率分布の中心)として扱われる。このようにし
て得られた反射率分布データは補助記憶装置などへ出力
され、一連のシミュレーション処理を終了する。
【0053】なお、OFFの画素に対応したドット位置
にも、その画素の近傍画素データの状態に応じて選択し
たドット反射率分布データを貼り付けておき、出力画像
の各点での反射率を計算する際に、関連したドット位置
に対応した画素のON、OFFを調べ、OFFの画素に
対応したドット位置のドット反射率分布データを無視す
るようにしてもよい。これは、後記の各実施例において
も同様である。
【0054】また、記録紙の反射率が1.0で近似でき
ない場合、つまり、ドット反射率分布の周辺部の反射率
が1.0(100%)で近似できない場合がある。この
場合は、図16に例示するように、ドット反射率分布の
最大値(記録紙自体の反射率)Rpで除して正規化した
ドット反射率分布データを用いて前述のような出力画像
の反射率分布の計算を行い、その後に、算出された画像
の反射率分布全体にRpを乗ずることにより最終的な反
射率分布を求めればよい。このことは、後記各実施例で
も同様である。また、ONのドットの比率が高い場合な
どに、複数のドットが重なってしまい反射率を順次乗算
して行くと、非常に小さな反射率となってしまう場合が
ある。このようなときは、例えば、Solid 画像出力時の
反射率をリミッタとして設定し、これより反射率が小さ
くならないように設定することが望ましい。
【0055】なお、前述のように、出力画像の物理量と
して、反射率以外の(光学的)濃度、明度なども使用可
能であるが、ドットの重なり部分における物理量の重ね
合わせ方は、使用する物理量に応じて適切に設定する必
要がある。
【0056】以上のようにして得られた出力画像の反射
率分布を用いることにより、各種画質評価手法を適用で
きる。例えば、反射率分布の平均値から平均画像濃度、
平均明度などが求まり、画像記録装置のガンマ特性や階
調濃度特性の評価が可能となる。また、反射率分布をグ
ラフ化したり、反射率に応じた輝度信号に変換してCR
Tモニタなどに表示することで、簡単な画像評価が可能
となる。また、反射率分布データを画像品質評価装置
(若しくはプログラム)に入力することにより、所望の
画質評価量を定量的に計算することができる。例えば、
特開平10-23191号公報に述べられているような
画像評価装置に反射率分布データを入力することによ
り、画像のノイズ評価が可能である。また、入力画像デ
ータとして、図17に示すようなラインペア画像のデー
タを入力して反射率分布を求め、その反射率分布からM
TFを求めることができる。
【0057】入力画像データが、例えば8ビット/画素
でドットの大きさ又は濃さを表現する多値データである
場合についても適用可能であり、例えば、近傍画素デー
タ算出時は、フィルタの各要素を1/255にしてやれ
ばそのまま適用可能である。また、注目画素の反射率デ
ータについてはその画素データ(0〜255)に従って
ドット強度を連続的に変化させるようにすれば良い。
【0058】(具体例)600dpiのプリンタを対象に本発
明による画質品質予測を行った結果と、実画像の測定結
果について以下に示す。シミュレーション時には、近傍
画素データを算出するためのフィルタは図9に示したも
のを使用し、ドット位置補正量としては、算出されたx,
y 両方向の近傍画素データにそれぞれ、0.25*画素
周期(42.3μm)を乗じた値を用いた。ドット反射率変
動データとしては、ドットサイズ、ドット強度の両方を
使用し、これに正規乱数を用いてドット反射率分布デー
タに反映した(図16) 。但し、ドット位置算出には、
記録密度により算出された基本ドット位置を用い、その
後、上述したドット位置補正を行った。
【0059】この様にして、106線のドット集中型の
組織的ディザ処理を施した中間調画像を画像データとし
た時のシミュレーション画像を明度55で2値化した画
像を図18(b)に示す。比較のため実画像についても
同一画像データを出力した画像を明度55で二値化した
画像を図18(a)に示す。
【0060】また、図19は3種の中間調処理を施され
た二値画像に対して画像データの画像面積率と出力画像
の平均明度の関係(ガンマ特性)を実測結果と本発明に
よるシミュレーション結果について対比して示したもの
である。図19(a)は150線のドット集中型の組織
的ディザ処理、図19(b)は同じく106線のドット
集中型の組織的ディザ処理、図19(c)は誤差拡散処
理を施した画像である。また、図20は図19で示され
たガンマ特性の(a)実測結果と(b)本シミュレーシ
ョン結果を各中間処理方式についてそれぞれ同一図にま
とめて示したものである。
【0061】図18から画像の微細構造まで実画像を良
く再現していることが分かる。また、図19からいずれ
の中間調処理方式においても実測のガンマカーブと良い
一致を示していることが分かる。また、図20から画像
の基本周波数((c)>(a)>(b)の順) が高くな
るに従いガンマカーブの傾きが急峻となるという実測結
果の特性をシミュレーション結果でも良く再現している
ことが分かる。
【0062】(第2の実施例)本発明の第2の実施例に
係る画像品質予測装置の簡略化したブロック構成の一例
を図21に示す。図21と図2を対照すれば明らかなよ
うに、反射率分布算出部の出力側に反射率分布補正部が
追加され、この反射率分布補正部に対し反射率分布補正
データが入力されることが第1の実施例と異なる点であ
る。したがって、本実施例の処理フローは、図1に示し
た処理フローの反射率分布算出のステップと結果出力の
ステップの間に反射率分布補正部による補正処理のステ
ップを追加したものとなる。また、処理フローのデータ
入力のステップで入力されるデータに、反射率分布補正
データも含まれることになる。
【0063】例えば、電子写真式画像記録装置のように
現像、転写、定着といった複数の工程により画像を形成
する画像記録装置では、各工程で画質の劣化が生じる。
また、記録紙の内部での光の散乱により、紙上に記録さ
れた画像がぼける光学ドットゲインの影響も無視できな
いことがある。そのような様々な要因による劣化の影響
を反映させた出力画像の反射率分布を得るため、本実施
例においては、反射率分布補正部で、反射率分布算出部
より出力された反射率分布データに対し反射率分布補正
データに従って補正を施す。
【0064】反射率分布補正データは、現像、転写、定
着などの工程における劣化特性などを表すものである
が、具体的には、例えば、劣化特性に応じた応答関数又
は空間周波数特性の形で与えることができる。
【0065】一例を挙げれば、反射率分布補正データと
して、図21に示すように、転写工程の劣化(ぼけ)特
性に応じた応答関数(1)、定着工程の劣化(つぶれ)
特性に応じた応答関数(2)が与えられる。この場合、
反射率分布補正部は、反射率分布算出部によって算出さ
れた反射率分布(現像工程後の反射率分布に相当)デー
タに対し、応答関数(1)を用いてコンボリューション
演算を行い、その結果に対し、応答関数(2)を用いた
コンボリューション演算を行うことにより、転写工程に
よるぼけ、定着工程によるつぶれによる影響を付加し
た、最終的な反射率分布データを得る。
【0066】なお、反射率分布補正データとして、異な
った要因による3つ以上の劣化特性に応じた応答関数を
与えてもよく、逆に、2つ以上の劣化特性を表す応答関
数を1つの応答関数にまとめた形で与えてもよい。
【0067】また、前述のように、反射率分布補正デー
タとして、劣化特性に応じた空間周波数特性を与えても
よい。この場合の反射率分布補正部の内部構成(補正処
理の内容)の一例を図22に示す。この例では、反射率
分布補正データとして、転写工程の劣化特性を表す空間
周波数特性(1)と定着工程の劣化特性を表す空間周波
数特性(2)が与えられる。反射率分布補正部において
は、反射率分布算出部によって生成された反射率分布デ
ータをFFT手段により空間周波数空間へ変換し、その
変換データに対し乗算手段で空間周波数特性(1)を乗
じ、この結果に対し乗算手段で空間周波数特性(2)を
乗じることにより、反射分布を劣化特性に従って補正
し、この補正結果に逆FFT手段で高速フーリエ逆変換
を施すとによって、転写工程と定着工程による劣化を反
映させた最終的な反射率分布データを得る。
【0068】なお、この場合においても、反射率分布補
正データとして、3つ以上の空間周波数特性を与え、こ
れらを空間周波数空間に変換した反射率分布と順次乗算
するようにしてもよく、逆に、2以上の空間周波数特性
を1つにまとめた形で与えることも可能である。
【0069】この実施例においては例えば、ドット反射
率分布データとして、感光体上に形成されたドットのト
ナー像の測定結果、若しくは予測や仮定に基づく1 ドッ
トの反射率分布のデータ、もしくは別途シミュレーショ
ンされた1 ドットの反射率分布のデータを使用すること
により、様々な解析や予測が可能となると共に、画質仕
様を満たすための各作像工程における仕様を求めたり、
高画質化への指針を示したりすることが可能となる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1項および6項に記載の発明の画像品質予測装置、同方
法は、注目画素からの方向を含めた近傍画素データを検
出し、その検出結果に応じてドット配置位置を補正する
ようにしたので、画像データに依存する画像記録装置の
出力特性まで含めて、より高精度に出力画像の予測が可
能となる。また、ガンマ特性や画像の微細構造に依存す
る鮮鋭性などの出力画像品質の高精度な予測、評価を可
能となる。
【0071】請求項2、7記載の発明は、ドット位置を
そのドット位置変動データによって変動させることによ
り、それらの変動の影響を反映させた出力画像の反射率
(又は他の物理量)分布を得ることができるため、ドッ
ト位置の変動による影響を含め、出力画像品質を高精度
に予測、評価することが可能になる。出力画像品質のバ
ラツキが大きい(繰り返し再現性が良好でない)画像記
録装置や、出力画像がノイジーな(S/N比が良好でな
い)画像記録装置でも、ドット位置の変動が出力画像品
質に与える影響を精度良く定量的に予測することが可能
となる。
【0072】請求項3、8記載の発明はドット反射率
(又は他の物理量)分布をその変動データによって変動
させることにより、それらの変動の影響を反映させた出
力画像の反射率(又は他の物理量)分布を得ることがで
きるため、ドット反射率(又は他の物理量)分布の変動
による影響を含め、出力画像品質を高精度に予測、評価
することが可能になる。出力画像品質のバラツキが大き
い(繰り返し再現性が良好でない)画像記録装置や、出
力画像がノイジーな(S/N比が良好でない) 画像記録装置
でも、ドット反射率(又は他の物理量)分布の変動が出
力画像品質に与える影響を精度良く定量的に予測するこ
とが可能となる。
【0073】請求項4、9記載の発明は、例えば、電子
写真式画像記録装置の現像、転写、定着といった1つ又
は複数の作像工程でのぼけ、にじみ等々の画質劣化に対
応した応答関数や空間周波数特性などを用いて、出力画
像の反射率(又は他の物理量)分布を補正することによ
り、複数の作像工程を持つ画像記録装置の出力画像の反
射率(又は他の物理量)分布を高精度な反射率分布が可
能となり、出力画像品質の高精度な予測、評価が可能に
なる。
【0074】請求項5、10記載の発明は、上記の効果
に加え、画質の定量的評価を行うにあたり物理量の変換
を不要とし、短時間で評価が可能な画像シミュレーショ
ンが可能になる。
【0075】請求項11記載の発明の画像品質予測手順
を記録した記録媒体は、上記の高精度な画像品質予測を
コンピュータ上で実現可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像品質予測装置の実施形態の処理フ
ロー例を示したフローチャートである。
【図2】画像シミュレーション装置の構成例を示すブロ
ック図である。
【図3】基本反射率分布データを示した図である。
【図4】空間フィルタリング処理を例示した図である。
【図5】ドット配置位置の補正例を示す図である。
【図6】ドット配置位置の補正なしに3*3 ドットを形成
した様子を模式的に示した図である。
【図7】ドット配置位置を補正した時の3*3 ドットを模
式的に示した図である。
【図8】Sobel フィルタの一例を示す図である。
【図9】x方向およびy方向の近傍画素を検出するフィ
ルタの一例を示した図である。
【図10】ドット位置算出部のより詳細な構成例を示す
ブロック図である。
【図11】空間周波数特性の一例を示した図である。
【図12】ドット位置算出部の内部構成の一例を示した
図である。
【図13】ドット反射率分布算出の手順を説明するため
の図である。
【図14】ドット反射率分布算出の手順を説明するため
の図である。
【図15】ドット反射率分布算出の具体的な算出方法の
一例を模式的に示す説明図である。
【図16】出力画像の反射率分布を濃淡画像として模式
的に示したものである。
【図17】ラインペア画像の一例を示す。
【図18】2値化した実画像とシミュレーション画像例
を示す。
【図19】画像面積率と出力画像の平均明度の関係を実
測結果と本発明によるシミュレーション結果について対
比して示したものである。
【図20】ガンマ特性の(a)実測結果と(b)本シミ
ュレーション結果を示したものである。
【図21】第2の実施例に係る画像品質予測装置のブロ
ック構成例を示す。
【図22】反射率分布補正部の内部構成(補正処理の内
容)の一例を示す。
【図23】従来の実像とシュミレーションとの画像の再
現性を示す図である。
【図24】3種の入力レベルと出力画像の平均明度の関
係を示した図である。
【図25】ガンマ特性の(a)実測結果と(b)シミュ
レーション結果を示している。
【符号の説明】
1 入力画像データ 2 反射分布算出 3 反射分布 4 近傍画像データ 5 ドット位置補正 6 ドット位置算出 7 記録密度 8 ドット位置変動データ 9 ドット反射率分布データ算出 10 基本ドット反射率分布データ 11 ドット反射率変動データ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像記録装置の出力画像の画像品質を予
    測する画質品質予測装置であって、 注目画素のドット位置を算出するドット位置算出手段
    と、 入力画像データから注目画素の近傍画素データを注目画
    素からの方向を含めて検出する近傍画素データ算出手段
    と、 前記ドット位置算出手段で算出された注目画素のドット
    位置を前記近傍画素データ検出手段で算出された近傍画
    素データに基づいて補正するドット位置補正手段と、 注目画素のドット反射率分布を算出するドット反射率分
    布算出手段と、 前記ドット位置補正手段において算出された各画素のド
    ット位置と、前記ドット反射率分布算出手段において算
    出された各画素のドット反射率分布に基づいて、前記画
    像記録装置より出力されるであろう画像の反射率分布を
    算出する画像反射率分布算出手段と、を備えることを特
    徴とする画像品質予測装置。
  2. 【請求項2】 前記ドット位置算出手段は、画像記録装
    置の記録密度データと、ドット位置変動データとから記
    録されるドット位置を算出することを特徴とする請求項
    1記載の画像品質予測装置。
  3. 【請求項3】 前記反射率分布算出手段は、基本反射率
    分布データと、ドット反射率変動データとから注目画素
    のドット反射率分布を算出することを特徴とする請求項
    1または2記載の画像品質予測装置。
  4. 【請求項4】 前記画像反射率分布算出手段において算
    出された反射率分布を、前記画像記録装置の画像形成に
    関わる1つ以上の工程の劣化特性に従って補正する画像
    反射率分布補正手段を更に備えることを特徴とする請求
    項1から3の何れかに記載の画質品質予測装置。
  5. 【請求項5】 前記反射率に代えて、濃度、明度、輝度
    などの特定の物理量が用いられ、前記画像記録装置より
    出力されるであろう画像の前記特定の物理量の分布が得
    られることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載
    の画質品質予測装置。
  6. 【請求項6】 画像記録装置の出力画像の画像品質を予
    測する画質品質予測方法であって、 注目画素のドット位置を算出するドット位置算出工程
    と、 入力画像データから注目画素の近傍画素データを注目画
    素からの方向を含めて検出する近傍画素データ算出工程
    と、 前記ドット位置算出工程で算出された注目画素のドット
    位置を前記近傍画素データ検出工程で算出された近傍画
    素データに基づいて補正するドット位置補正工程と、 注目画素のドット反射率分布を算出するドット反射率分
    布算出工程と、 前記ドット位置補正工程において算出された各画素のド
    ット位置と、前記ドット反射率分布算出工程において算
    出された各画素のドット反射率分布に基づいて、前記画
    像記録装置より出力されるであろう画像の反射率分布を
    算出する画像反射率分布算出工程と、を含むことを特徴
    とする画像品質予測方法。
  7. 【請求項7】 前記ドット位置算出工程は、画像記録装
    置の記録密度データと、ドット位置変動データとから記
    録されるドット位置を算出することを特徴とする請求項
    6記載の画像品質予測方法。
  8. 【請求項8】 前記反射率分布算出工程は、基本反射率
    分布データと、ドット反射率変動データとから注目画素
    のドット反射率分布を算出することを特徴とする請求項
    6または7記載の画像品質予測方法。
  9. 【請求項9】 前記画像反射率分布算出工程において算
    出された反射率分布を、前記画像記録装置の画像形成に
    関わる1つ以上の工程の劣化特性に従って補正する画像
    反射率分布補正工程を更に有することを特徴とする請求
    項6から8の何れかに記載の画質品質予測方法。
  10. 【請求項10】 前記反射率に代えて、濃度、明度、輝
    度などの特定の物理量が用いられ、前記画像記録装置よ
    り出力されるであろう画像の前記特定の物理量の分布が
    得られることを特徴とする請求項6から9の何れかに記
    載の画質品質予測方法。
  11. 【請求項11】 請求項6から10の何れかに記載の画
    像品質予測手順をコンピュータシステムにおいて実行さ
    せるためのプログラムを格納したことを特徴とする画像
    品質予測手順を記録した記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016180610A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 セイコーエプソン株式会社 測色装置、画像形成装置、電子機器、カラーチャート、及び測色方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016180610A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 セイコーエプソン株式会社 測色装置、画像形成装置、電子機器、カラーチャート、及び測色方法

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