JP2003271151A - 電子楽器、差音出力装置、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

電子楽器、差音出力装置、プログラムおよび記録媒体

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JP2003271151A JP2002070628A JP2002070628A JP2003271151A JP 2003271151 A JP2003271151 A JP 2003271151A JP 2002070628 A JP2002070628 A JP 2002070628A JP 2002070628 A JP2002070628 A JP 2002070628A JP 2003271151 A JP2003271151 A JP 2003271151A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石造りの建物における豊かな低音を伴った演
奏音を再現可能な電子楽器、差音出力装置、プログラム
およびこのプログラムを記録した記録媒体を提供する。 【解決手段】 電子楽器は、異なる音高の楽音と、その
異なる音高の楽音から知覚される差音とを対応づけた差
音特定テーブルT4を記憶しており、異なる音高の楽音
を同時発音させる指示の場合は、差音特定テーブルT4
から異なる音高の楽音に対応する差音を抽出し、抽出し
た差音と、その異なる音高の楽音とに対応する音声信号
を生成して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子楽器、差音出
力装置、プログラムおよび記録媒体に関し、特に、石造
りの建物におけるパイプオルガンなどの楽器演奏音を再
現する電子楽器、上記演奏音を再現するための差音出力
装置、この演奏処理を記述したプログラム及びそのプロ
グラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】パイプオルガンが設置された近年の乾式
構造のホールにおいては、ヨーロッパ中世の石造りの教
会などと同じ残響時間の長い演奏音を再現できるよう
に、ホール内装の高剛性化、パイプの配置の最適化、オ
ルガンのレジストレーションによる対応、または、残響
時間を電子的に補間する音場支援システムの導入といっ
た対策が採られている。かかるホール内装の高剛性化や
音場支援システムの導入は、コストアップを招き、ま
た、楽器構造上の制約からパイプの配置の最適化が難し
い場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、石造りの建
物は低音域まで残響時間が長くなるため、演奏音からは
差音が知覚されやすい。ここで、差音とは、聴覚系で知
覚される音であり、異なる振動数f1(Hz)とf2
(Hz)の音を同一の耳で聞く場合に、聴覚器官内で共
鳴上のひずみ(蝸牛内の基底膜の非線形性)から相互の
振動数の差の振動(f1−f2)が発生することによっ
て聞こえる派生的な音である。このため、石造りの建物
では、楽器そのものの演奏音より低い音が遅れ時間を伴
って知覚され、これが「豊かな低音」として聞こえてく
る。
【0004】しかしながら、乾式構造の建物で石造りの
音響を再現する上記従来技術では、内装を石造りの建物
と同一の音響特性にするのは実際上困難である。また、
オルガンのレジストレーションや音場支援システムによ
り低音を強調することはできるが、差音による低音補強
とは異なるため、低音に物足りなさが残るという問題が
あった。
【0005】本発明は、上述された従来技術に介在する
問題を解決するためになされたものであり、石造りの建
物における豊かな低音を伴った演奏音を再現可能な電子
楽器、差音出力装置、プログラムおよびこのプログラム
を記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述課題を解決するた
め、本発明は、複数の演奏用操作子と、前記演奏用操作
子の操作を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結
果に応じて前記各演奏用操作子に割り当てられた楽音の
音声信号を生成する手段であって、前記各演奏用操作子
に割り当てられた異なる音高の楽音を同時発音させる音
声信号を生成する場合は、前記異なる音高の楽音と、前
記異なる音高の楽音から知覚される差音に相当する楽音
とに対応する音声信号を生成する信号生成手段と、前記
信号生成手段によって生成された音声信号を出力する出
力手段とを備えることを特徴とする電子楽器を提供す
る。
【0007】この構成によれば、演奏用操作子に割り当
てられた異なる音高の楽音を同時発音させる音声信号を
生成する場合は、異なる音高の楽音と、その異なる音高
の楽音から知覚される差音に相当する楽音とに対応する
音声信号を生成することにより、従来、聴覚系で知覚さ
れていた差音を演奏音に含めて放音することができる。
これにより、実際の演奏音より低い音が放音されるの
で、石造りの建物におけるような豊かな低音を伴った演
奏音を放音することができる。
【0008】また、本発明は、楽音を指定する演奏情報
を入力する入力手段と、前記演奏情報によって指定され
る楽音に基づいて音声信号を生成する手段であって、前
記演奏情報によって異なる音高の楽音の同時発音が指示
された場合は、前記異なる音高の楽音と、前記異なる音
高の楽音から知覚される差音に相当する楽音とに対応す
る音声信号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手
段によって生成された音声信号を出力する出力手段とを
備えることを特徴とする差音出力装置を提供する。
【0009】この構成によれば、演奏情報によって異な
る音高の楽音の同時発音が指示された場合は、異なる音
高の楽音と、その異なる音高の楽音から知覚される差音
に相当する楽音とに対応する音声信号を生成することに
より、従来、聴覚系で知覚されていた差音を演奏音に含
めて放音することができ、上述と同様に、石造りの建物
におけるような豊かな低音を伴った演奏音を放音するこ
とができる。
【0010】また、本発明は、楽音を指定する演奏情報
を入力する入力手段と、前記演奏情報によって指定され
る楽音に基づいて音声信号を生成する手段であって、前
記演奏情報によって異なる音高の楽音の同時発音が指示
された場合は、前記異なる音高の楽音から知覚される差
音に相当する楽音とに対応する音声信号を生成する信号
生成手段と、前記信号生成手段によって生成された音声
信号を出力する出力手段とを備えることを特徴とする差
音出力装置を提供する。
【0011】この構成によれば、演奏情報によって異な
る音高の楽音の同時発音が指示された場合は、その異な
る音高の楽音から知覚される差音に相当する楽音とに対
応する音声信号を生成することにより、従来、聴覚系で
知覚されていた差音を放音することができる。
【0012】また、本発明は、複数の操作子と、前記操
作子の操作を検出する検出手段を有するコンピュータ
を、前記検出手段の検出結果に応じて前記各操作子に割
り当てられた楽音の音声信号を生成する手段であって、
前記各操作子に割り当てられた異なる音高の楽音を同時
発音させる音声信号を生成する場合は、前記異なる音高
の楽音と、前記異なる音高の楽音から知覚される差音に
相当する楽音とに対応する音声信号を生成する信号生成
手段と、前記信号生成手段によって生成された音声信号
を出力する出力手段として機能させるためのプログラム
を提供する。
【0013】この構成によれば、コンピュータがこのプ
ログラムを実行することにより、各操作子に割り当てら
れた異なる音高の楽音を同時発音させる音声信号を生成
する場合は、異なる音高の楽音と、その異なる音高の楽
音から知覚される差音に相当する楽音とに対応する音声
信号を生成することができる。これにより、従来、聴覚
系で知覚されていた差音を演奏音に含めて放音すること
ができ、上述と同様に、石造りの建物におけるような豊
かな低音を伴った演奏音を放音することができる。
【0014】また、本発明は、コンピュータを、楽音を
指定する演奏情報を入力する入力手段と、前記演奏情報
によって指定される楽音に基づいて音声信号を生成する
手段であって、前記演奏情報によって異なる音高の楽音
の同時発音が指示された場合は、前記異なる音高の楽音
から知覚される差音に相当する楽音とに対応する音声信
号を生成する信号生成手段と、前記信号生成手段によっ
て生成された音声信号を出力する出力手段として機能さ
せるためのプログラムを提供する。
【0015】この構成によれば、コンピュータがこのプ
ログラムを実行することにより、演奏情報によって異な
る音高の楽音の同時発音が指示された場合は、その異な
る音高の楽音から知覚される差音に相当する楽音とに対
応する音声信号を生成することができる。これにより、
従来、聴覚系で知覚されていた差音を演奏音に含めて放
音することができ、上述と同様に、石造りの建物におけ
るような豊かな低音を伴った演奏音を放音することがで
きる。
【0016】また、本発明は、上記プログラムを、CD
−ROMや、フロッピー(登録商標)ディスクや光記録
ディスクといった、コンピュータに読み取り可能な記録
媒体に格納して一般ユーザに配布したり、通信ネットワ
ークを介して一般ユーザに配布する、といった態様でも
実施され得る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳述する。本実施形態は、本発明の電子楽器を
電子音を発するパイプオルガン(以下、電子オルガンと
いう。)に適用した場合を説明する。かかる実施の形態
は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定
するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能で
ある。
【0018】(1) 第1実施形態 本第1実施形態に係る電子オルガン1は、乾式構造の建
物や屋外において、石造りの建物内で聴衆者に聞こえて
いた演奏音を放音することを目的としている。この目的
を達成するため、本実施形態の電子オルガン1は、各鍵
に一対一で対応する電子音の楽音を鍵盤操作に合わせて
放音するだけでなく、その楽音が複数同時発音されたと
きに従来は聴覚系で知覚されていた差音を特定し、その
差音を電子音で同時に放音するように構成されている。
以下、説明の便宜上、各鍵によって直接指定される楽音
を「鍵指定音」と表記し、2つの鍵指定音が同時受聴さ
れるときに聞こえる差音の楽音と区別して表記する。
【0019】(1−1) 実施形態の構成 図1は、電子オルガン1の電気的構成を示すブロック図
である。この電子オルガン1は、CPU10、操作部1
1、押鍵検出部12、RAM13、ROM14、音源装
置15、アンプ16およびスピーカ17によって構成さ
れる。CPU10は、バス18を介して接続された各
部、すなわち、操作部11、押鍵検出部12、RAM1
3、ROM14、音源装置15、アンプ16との間で各
種情報の授受を行い、この電子オルガン1の制御中枢と
して機能する。操作部11は、図示しない電源スイッチ
など操作ボタンの操作をCPU10に通知するものであ
る。
【0020】押鍵検出部12は、電子オルガン1が備え
る図示しないm個(m>2)の鍵のキーオンおよびキー
オフの検出を所定周期で行う。また、押鍵検出部12
は、キーオンを検出した場合はキーオンされた鍵のベロ
シティを検出してこれら検出結果をCPU10に通知す
る。なお、本実施形態では、CPU10が押鍵検出部1
2の検出結果に基づきMIDI(Musical Instrument D
igital Interface)データを音源装置15に供給するこ
とにより、音源装置15に演奏指示を行うようになされ
ている。ここで、MIDIデータは、ヘッダトラックと
複数のトラックブロックとから構成され、各トラックブ
ロックには、各演奏トラックの演奏イベント等の演奏情
報や演奏情報以外の各種イベントが格納される構成を採
る。
【0021】RAM13は、キーイベントテーブルT
1、鍵指定音発音テーブルT2、差音発音テーブルT
3、およびCPU10が読み出したプログラムデータな
どが一時的に記憶されるメモリである。キーイベントテ
ーブルT1は、押鍵検出部12の検出結果を格納してお
くテーブルである。例えば、図2に示すように、キーイ
ベントテーブルT1には、押鍵された鍵をデータ「1」
により示し、押鍵されていない鍵をデータ「0」により
示す鍵情報(Flag情報)と、押鍵された各鍵のベロシテ
ィ(vel)とが格納される。
【0022】鍵指定音発音テーブルT2は、ノートオン
イベントが出力された鍵指定音の楽音名(ノートナン
バ)、つまり、発音中の鍵指定音の楽音名を格納してお
くテーブルである。例えば、図3に示すように、鍵指定
音発音テーブルT2には、発音中の鍵指定音の楽音名が
先頭の発音ノート(note1)から順に格納される。差音
発音テーブルT3は、発音中の鍵指定音に対応する差音
の楽音名、つまり、発音中の差音の楽音名を格納するテ
ーブルである。例えば、図4に示すように、差音発音テ
ーブルT3には、発音中の差音の楽音名と、その差音に
対応する2つの鍵指定音とが対応づけて格納される。
【0023】ROM14は、2つの鍵指定音から知覚さ
れる差音を特定するための差音特定テーブルT4と、C
PU10が実行する各種プログラムなどが記憶されるメ
モリである。図5は、差音特定テーブルT4を示す図で
ある。
【0024】差音特定テーブルT4は、差音が知覚され
る2つの鍵指定音(noteA、noteB)と、差音の楽音名
と、音量係数とが対応づけられて格納されたテーブルで
ある。同図に示すように、本実施形態では、差音が知覚
される2つの鍵指定音の組み合わせとして、倍音関係に
ある楽音の組み合わせが記述される。具体的には、音程
が完全5度、完全4度、長3度、短3度の関係にある楽
音が記述される。これは、差音の知覚レベルは、任意の
基音に対する2つの倍音を同時発音した場合の方が、倍
音関係にない2音を同時発音した場合より知覚レベルが
高いためである。
【0025】また、差音特定テーブルT4に記述される
音量係数は、第2倍音と第3倍音を同時発音した場合の
差音の知覚レベルをL0とした場合に、その音量係数に
対応する2つの鍵指定音による差音の知覚レベルL1を
算出するためのL0の乗算係数である。具体的には、本
実施形態では、差音のベロシティをL1、この差音を知
覚させる2つの楽音(noteA、noteB)の音量レベルをL
A、LB、音量係数をkとすると、次式にて算出するよ
うになされている。
【0026】 L0[dB]=LA[dB]+LB[dB]−dL[dB]……(1) L1[dB]=k×L0[dB]……(2) なお、dLは、130[dB]または120[dB]の
値が適用される。
【0027】本実施形態では、このようにして算出した
知覚レベルL1を、発音させようとする差音のベロシテ
ィとして採用する。さらに、本実施形態では、図5に示
すように、音量係数kを、第2倍音と第3倍音(完全5
度の2音)の場合を値1とし、第3倍音と第4倍音(完
全4度の2音)の場合を値0.9とし、第4倍音と第5
倍音(長3度の2音)の場合を値0.8とし、第5倍音
と第6倍音(短3度)の場合を値0.7とした。これ
は、発明者らの実験によると、実際に、高次倍音ほどそ
の差音の知覚レベルが徐々に低くなっていたからであ
る。これにより、本実施形態では、差音の強さを、実際
の知覚レベルとほとんど同じ強さに設定できるようにな
っている。ただし、これら算出式や音量係数値はあくま
で一例であり、より精度の高い算出式や音量係数値があ
れば、それらを採用しても良いことは勿論である。
【0028】音源装置15は、CPU10から供給され
るMIDIデータに従って音声信号を生成して出力する
装置である。なお、本実施形態では、CPU10が、M
IDIデータに、鍵指定音の演奏イベントと、差音の演
奏イベントとを各々予め定めた異なるトラックブロック
に格納して音源装置15に供給する構成を採用してい
る。これに対応して、音源装置15は、演奏イベントが
含まれるトラックブロックに基づいて、その演奏イベン
トが鍵指定音の演奏イベントか、差音の演奏イベントか
を判別するように構成されている。
【0029】さらに、CPU10は、MIDIデータの
差音に割り当てられたトラックブロックには、その差音
に付加する残響係数を指定する残響指定イベントを格納
するように構成されている。この構成の下、音源装置1
5は、残響指定イベントに基づき差音に残響音を付加す
るエフェクトとしても機能する。なお、後段で詳述する
が、本実施形態の音源装置15は、デフォルトの状態で
鍵指定音についても残響音を付加するように構成されて
いる。
【0030】前掲図1に示すように、この音源装置15
は、音源部20とエフェクト部21とから構成される。
音源部20は、MIDIデータの各トラックブロック内
の演奏イベントに応じて音声信号を生成する。具体的に
は、音源部20は、演奏イベントがノートオンイベント
の場合は、そのイベントによって指定される楽音名(ノ
ートナンバ)およびベロシティに対応した音声信号を生
成する一方、ノートオフイベントの場合には、そのイベ
ントによって指定される楽音名の音声信号の生成を中止
する。
【0031】エフェクト部21は、石造りの建物の残響
音を付加するための複数の残響係数が記憶されるメモリ
(図示せず)と、これら残響係数を音声信号に畳み込み
演算する畳み込み演算部(図示せず)とから構成され
る。このエフェクト部21のメモリに記憶される残響係
数について説明する。まず、図6に、第2倍音(2f
0)と第3倍音(3f0)を石造りの建物で発音させた
場合の差音の知覚レベルL0の解析結果を示す。このエ
フェクト部21のメモリには、第2倍音または第3倍音
の鍵指定音の残響特性C1(図6参照)を再現するため
の残響係数ks1と、第2および第3倍音からなる2つ
の鍵指定音のうち一方の鍵指定音がキーオフされてから
両方の鍵指定音がキーオフされるまでの残響特性C2A
(図6参照)を再現するための残響係数ks2Aと、両
方の鍵指定音がキーオフされた後の残響特性C2B(図
6参照)を再現するための残響係数ks2Bとが記憶さ
れる。
【0032】そして、エフェクト部21は、音源部20
が生成した各トラックに対応する音声信号のうち、鍵指
定音の音声信号については残響係数ks1を畳み込み演
算すると共に、差音の音声信号については残響指定イベ
ントに応じて残響係数ks2Aまたはks2Bを畳み込
み演算して出力するように構成されている。また、エフ
ェクト部21は、これらの残響音を付加した音声信号を
合成して外部に出力する。なお、実際には、畳み込み演
算部から出力された音声信号はディジタル信号であるた
め、音源装置15は、音声信号をディジタルアナログ変
換した後、外部に出力するように構成されている。
【0033】なお、図6に示すように、残響特性C1と
残響特性C2Bとはほぼ同じであるため、エフェクト部
21において、残響特性C1と残響特性C2Bについて
は1つの残響係数を共用するようにしてもよい。また、
同図に示すように、差音は所定の遅れ時間を伴って知覚
されるため、その遅れ時間分だけ、差音の発音タイミン
グを鍵指定音の発音タイミングより遅らせることが好ま
しい。また、ここでは、説明の便宜上、このエフェクト
部21が石造りの建物の残響音だけを付加する場合を説
明するが、その他の音響空間の残響係数をメモリに記憶
し、ユーザの選択に従っていずれかの音響空間の残響音
を付加するようにしてもよく、また、その他のエフェク
ト機能を備えるようにしてもよい。
【0034】アンプ16は、音源装置15から出力され
た音声信号を増幅し、スピーカ17を介して外部に演奏
音を放音させるものである。なお、スピーカ17は、左
右の2チャンネル構成のスピーカシステム、4チャンネ
ル構成のスピーカシステムなどが適用される。
【0035】(1.2) 第1実施形態の動作 この電子オルガン1において、操作部11の電源スイッ
チが操作されて電源が投入されると、CPU10は、R
OM14に記憶されたプログラムを実行することにより
以降に述べる処理を行う。図7はCPU10によって実
行されるメインルーチンを示すフローチャートである。
【0036】まず、CPU10は、電源が投入されると
初期化処理を行う(ステップS1)。このステップS1
において、CPU10は、RAM13の初期化処理、押
鍵検出部12のセンサ初期化処理、音源装置15の設定
の初期化処理などを行う。押鍵検出部12は、初期化処
理が終了するとキー操作(キーオンまたはキーオフ)の
検出処理を一定周期で行い、CPU10は、押鍵検出部
12によってキー操作が検出されたか否かを一定周期で
判断する(ステップS2)。
【0037】このステップS2の判断結果が「NO」で
ある場合、CPU10は、同判断を繰り返す。一方、キ
ー操作が検出されると、ステップS2の判断結果が「Y
ES」となり、CPU10の処理はステップS3に進
む。このステップS3において、CPU10は、押鍵検
出部12の検出結果に基づきキーイベントテーブルT1
に鍵の操作情報を格納する。これが終了すると、CPU
10の処理はステップS4に進み、演奏処理を開始す
る。この演奏処理は、押鍵検出部12によって検出され
たキー操作に対応する演奏音を放音させるための処理で
ある。そして、CPU10は、ステップS4の演奏処理
を行うと、処理をステップS2に移行する。このように
して、CPU10は、ステップS2→S3→S4という
処理を繰り返すことによって、演奏者の演奏に従った演
奏音を放音させる制御を行う。
【0038】図8および図9は、この演奏処理の処理ル
ーチンを示すフローチャートである。まず、CPU10
は、押鍵検出部12によってキーオフが検出されたか否
かを判断する(ステップS10)。この判断結果が「N
O」である場合、CPU10は、RAM13のキーイベ
ントテーブルT1に格納された鍵情報およびベロシティ
を取得し(ステップS11)、取得した鍵情報に基づい
てキーオンされた各鍵に対応する鍵指定音の楽音名を特
定し、鍵指定音発音テーブルT2に格納する(ステップ
S12)。それが終了すると、CPU10は、キーオン
された各鍵に対応する鍵指定音のノートオンイベントを
生成してRAM13に格納する(ステップS13)。
【0039】次に、CPU10は、ROM14に記憶さ
れた差音特定テーブルT4を参照して、鍵指定音発音テ
ーブルT2に格納された鍵指定音のうちの各2音の組み
合わせについて、その2音に対応づけられた差音がある
か否かを検索する(ステップS14)。このステップS
14の検索処理が終了すると、CPU10は、差音が抽
出されたか否かを判断する(ステップS15)。
【0040】このステップS15の判断結果が「NO」
である場合、CPU10、ステップS19に処理を進
め、ステップS13にて生成した鍵指定音のノートオン
イベントを所定のトラックブロックに格納したMIDI
データを生成し、このMIDIデータを音源装置15に
送信する。一方、ステップS14の検索処理で上記条件
を満たす差音が1つでも抽出された場合は、ステップS
15の判断結果が「YES」となり、CPU10は、ス
テップS16に処理を進める。
【0041】このステップS16においては、CPU1
0は、ROM14に記憶された差音特定テーブルT4か
ら、抽出した各差音に対応づけられた2つの鍵指定音の
楽音名をそれぞれ取得し、差音発音テーブルT3に格納
する。それが終了すると、CPU10は、処理をステッ
プS17に進め、差音特定テーブルT4から、さらに、
抽出した各差音の音量係数を取得すると共に、キーイベ
ントテーブルT1から各差音に対応づけられた2つの鍵
指定音のベロシティをそれぞれ取得し、上述した式
(1)および式(2)の演算処理を行うことにより、各
差音のベロシティを算出する。
【0042】そして、このステップS17の演算処理が
終了すると、CPU10は、処理をステップS18の処
理に進め、差音のノートオンイベントを生成してRAM
13に格納し、その後、処理をステップS19の処理に
進める。このステップS19においては、CPU10
は、上記ステップS18にて生成した差音のノートオン
イベントと、ステップS13にて生成した鍵指定音のノ
ートイベントとをそれぞれ定めたトラックブロックに格
納したMIDIデータを生成し、音源装置15に供給す
る。このステップS19の処理が終了すると、CPU1
0は、処理をステップS20に進めてキーイベントテー
ブルT1をクリアし、当該演奏処理を終了する。
【0043】一方、ステップS10の判断時において、
押鍵検出部12が鍵のキーオフを1つでも検出していた
場合は、ステップS10の判断結果が「YES」とな
り、CPU10の処理はステップS30の処理に進む。
このステップS30においては、CPU10は、キーオ
フされた各鍵に対応する鍵指定音の楽音名を、キーイベ
ントテーブルT1の格納情報に基づき特定する。
【0044】次に、CPU10は、処理をステップS3
1の処理に進め、キーオフされた鍵の楽音名(鍵指定
音)を鍵指定音発音テーブルT2からクリアした後、処
理をステップS32の処理に進め、特定した鍵指定音の
ノートオフイベントを生成してRAM13に格納する。
【0045】このステップS32の処理が終了すると、
CPU10の処理はステップS33の処理に進む。この
ステップS33においては、CPU10は、差音発音テ
ーブルT3に格納された差音のうち、ステップS30で
特定した鍵指定音のノートオフによって、その差音に対
応づけられた2つの鍵指定音の一方のみがノートオフさ
れることとなる差音を検索する。より具体的に説明する
と、CPU10は、差音発音テーブルT3に格納された
鍵指定音の中からステップS30で特定した鍵指定音と
対になる鍵指定音を検索し、その鍵指定音が鍵指定音発
音テーブルT2に格納されている差音を検索する。
【0046】このステップS33の検索処理が終了する
と、CPU10は、処理をステップS34の処理を進
め、上記条件を満たす差音が抽出されたか否かを判断す
る。このステップS34の判断において、上記条件を満
たす差音が1つでも抽出されれば、ステップS34の判
断結果が「YES」となり、CPU10は、処理をステ
ップS35の処理を進める。ステップS35において
は、CPU10は、上記抽出した差音に対して減衰係数
ks2Aを設定する残響指定イベントを生成してRAM
13に格納した後、処理をステップS36の処理に進め
る。
【0047】一方、ステップS34の判断結果が「N
O」である場合は、CPU10は、ステップS35の処
理を行わずにステップS36の処理に進める。ステップ
S36においては、CPU10は、差音発音テーブルT
3に格納された差音のうち、ステップS30で特定した
鍵指定音のノートオフによって、その差音に対応づけら
れた2つの鍵指定音の両方がノートオフされることとな
る差音を検索する。この検索処理は、上記ステップS3
3にて差音発音テーブルT3から特定したノートオフ対
象の鍵指定音と対になる鍵指定音が、鍵指定音発音テー
ブルT2に格納されていない差音を検索する処理を行え
ばよい。
【0048】このステップS36の検索処理が終了する
と、CPU10は、処理をステップS37の処理を進
め、差音に対応づけられた2つの鍵指定音の両方がノー
トオフされることとなる差音が抽出されたか否かを判断
する。このステップS37の判断において、差音が1つ
でも抽出されれば、ステップS37の判断結果が「YE
S」となり、CPU10は、処理をステップS38の処
理に進める。ステップS38においては、CPU10
は、その差音に、減衰係数ks2Bを設定する残響指定
イベントを生成してRAM13に格納した後、ステップ
S39に処理を進め、その差音を差音発音テーブルT3
からクリアする処理を行う。
【0049】ステップS39の処理が終了すると、また
は、ステップS37の判断結果が「NO」である場合
は、CPU10は、処理をステップS40の処理に進め
る。ステップS40においては、CPU10は、押鍵検
出部12によってキーオンが検出されたか否かを判断す
る。そして、このステップS40の判断結果が「YE
S」である場合は、CPU10は、処理をステップS1
1の処理に移行して、上述したステップS11〜S18
の鍵指定音および差音のノートオンイベント生成処理を
行う。
【0050】一方、ステップS40の判断結果が「N
O」である場合は、CPU10は、処理をステップS1
9の処理に進め、上記ステップS32、S35、S38
にて生成した各種イベントを所定のトラックブロックに
格納したMIDIデータを生成し、音源装置15に送信
する処理を行う。この送信処理が終了すると、CPU1
0は、処理をステップS20の処理に進め、キーイベン
トテーブルT1をクリアし、当該演奏処理を終了する。
【0051】このように、この電子オルガン1において
は、CPU10が、ステップS12においてキーオンさ
れた鍵指定音を鍵指定音発音テーブルT2に登録し、ス
テップS14において鍵指定音発音テーブルT2に登録
された鍵指定音に基づき差音特定テーブルT4を参照し
て差音を特定する。従って、新たにキーオンされた鍵指
定音と、現在発音中の鍵指定音のうちのいずれか2音か
ら知覚される差音を正しく特定することができる。そし
て、この電子オルガン1は、CPU10が、ステップS
19において、キーオンされた鍵指定音のノートイベン
トと、特定した差音のノートオンイベントとを含むMI
DIデータを生成して音源装置15に供給することによ
り、キーオンされた鍵指定音と、特定した差音とに対応
する演奏音を放音させることができる。
【0052】また、差音のベロシティについては、CP
U10が、ステップS17において、その差音を知覚さ
せる2音のベロシティと音量係数とに基づいて実際の知
覚レベルとほぼ同一の値に設定する。従って、この電子
オルガン1は、吸音特性の違いにより差音が知覚され難
かった乾式構造の音響空間や野外においても、自然な差
音を聞かせることができる。
【0053】また、この電子オルガン1は、キーオフが
検出された場合は、CPU10が、ステップS33にお
いて、差音発音テーブルT3に格納された差音のうち、
キーオフされた鍵指定音のノートオフによって、その差
音を知覚させる2つの鍵指定音の一方のみがノートオフ
されることとなる差音を検索する。そして、この差音に
ついては、ステップS35において、差音を知覚させる
2音のうち一方の音がキーオフされた場合の石造りの建
物の残響特性C2A(図5参照)を再現するための残響
係数ks2Aを設定する残響指定イベントを生成し、そ
のイベントを含めたMIDIデータを生成して音源装置
15に供給する。
【0054】さらに、この電子オルガン1は、CPU1
0が、ステップS36において、差音発音テーブルT3
に格納された差音のうち、キーオフされた鍵指定音のノ
ートオフによって、その差音を知覚させる2つの鍵指定
音の両方がノートオフされることとなる差音を検索す
る。そして、この差音については、ステップS38にお
いて、差音を知覚させる2音が両方ともキーオフされた
場合の石造りの建物の残響特性C2B(図5参照)を再
現するための残響係数ks2Bを設定する残響指定イベ
ントを生成し、そのイベントを含めたMIDIデータを
生成して音源装置15に供給する。
【0055】従って、この電子オルガン1は、音源装置
15が、上記残響指定イベントに従って差音に付加する
残響音を切り替えることによって、実際の石造りの建物
にて知覚される差音の残響音と同じように、差音に付加
する残響音を変化させることができる。なお、差音のノ
ートオフイベントについては記述していないが、音源装
置15が、減衰係数ks2Bを設定する残響指定イベン
トがあった差音についてノートオフするように予め設定
しておくか、CPU10が、この残響指定イベントをM
IDIデータに記述する際に、同じトラックブロックに
ノートオフイベントを記述するようにすればよい。
【0056】さらに、この電子オルガン1においては、
音源装置15が、鍵指定音については、石造りの建物で
発音させた場合の鍵指定音の残響特性C1を再現するた
めの残響係数ks1に基づいて残響音を付加して放音す
るように構成されている。これらにより、この電子オル
ガン1は、石造りの建物における鍵指定音の残響音、差
音および差音の残響音を再現した演奏音を放音すること
ができ、乾式構造の音響空間や野外においても、石造り
の建物の音響空間を再現することができる。
【0057】以上の記述から明らかなように、本実施形
態による電子オルガン1を使用すれば、従来、聴覚系で
知覚されていた差音を演奏音に含めて放音することがで
きる。言い換えれば、この電子オルガン1は、演奏音か
ら聞こえる差音を補強することができる。この結果、こ
の電子オルガン1は、乾式構造の音響空間などの任意の
音響空間において、実際の演奏音より低い音が聞こえ
る、いわゆる「豊かな低音」を伴った演奏音を放音する
ことができ、石造りの建物の音響空間を再現することが
できることとなる。
【0058】(2) 第2実施形態 図10は、第2実施形態に係る差音出力装置100の電
気的構成を示すブロック図である。この差音出力装置1
00が、第1実施形態に係る電子オルガン1と異なる点
は、押鍵検出部12に代えて、MIDIデータなどの演
奏情報を外部から入力する演奏情報入力部120を備え
る点と、CPU110が、演奏情報入力部120から入
力した演奏情報に基づいて上記演奏処理を行う点であ
る。なお、第1実施形態に係る電子オルガン1と同様の
構成については、同様の符号を付して示し、詳細な説明
は省略する。
【0059】この差音出力装置100において、演奏情
報入力部120は、MIDIインターフェースが適用さ
れ、CPU110の制御の下、通信ケーブルを介して接
続された演奏情報出力装置からMIDIデータを受信す
る。なお、演奏情報出力装置は、具体的には、MIDI
キーボードなどのMIDI機器、MIDIデータを出力
可能なコンピュータなどである。
【0060】CPU110は、演奏情報入力部120を
介して受信したMIDIデータの演奏イベントに基づ
き、第1実施形態におけるキー操作の検出処理(ステッ
プS2)、キーイベントテーブルT1の格納処理(ステ
ップS3)、演奏処理(ステップS4)を行う。なお、
この場合のキーイベントテーブルT1には、演奏イベン
ト中のノートナンバとベロシティを格納することとな
る。
【0061】次に、CPU110によって実行される演
奏処理が、第1実施形態に係る演奏処理と異なる点を説
明する。まず、CPU110は、ステップS10のキー
オフを検出する処理を、受信したMIDIデータ中のノ
ートオフイベントを検出することにより行う。また、C
PU110は、ステップS11及びS12の鍵指定音発
音テーブルT2に発音中の鍵指定音を格納する処理を、
MIDIデータ中のノートオンイベントに基づいて行
う。また、ステップS13の鍵指定音のノートイベント
を生成する処理は、受信したMIDIデータに既に記述
されているものを用いればよいので、必要としない処理
である。
【0062】同様に、ステップS30〜ステップS31
で示される処理も、受信したMIDIデータ中のノート
オフイベントに基づいてCPU110が行えばよく、ま
た、ステップS32のノートオフイベント生成処理も、
受信したMIDIデータに既に記述されているため必要
としない。そして、CPU110は、ステップS14〜
S18で示される差音の特定処理および差音のノートイ
ベント生成処理を実行した後、または、ステップS33
〜S39で示される差音の残響指定イベント生成処理を
実行した後、ステップS19においては、この生成した
差音の各種イベントと、受信したMIDIデータ中の演
奏イベントとに基づいてMIDIデータを生成して音源
装置15に送信するように構成される。
【0063】すなわち、第2実施形態に係る差音出力装
置100においては、受信したMIDIデータを、差音
の演奏イベントや残響指定イベントを含めたMIDIデ
ータに変換して音源装置15に供給するようになされて
いる。これにより、この差音出力装置100は、外部か
ら入力したMIDIデータに基づいて、当該MIDIデ
ータには含まれていない差音を付加した演奏音を放音す
ることができる。
【0064】以上の記述から明らかなように、この差音
出力装置100を使用すれば、従来のMIDIデータを
利用して、石造りの建物におけるような豊かな低音を伴
った演奏音を放音することができる。
【0065】(2.1) 第2実施形態の変形例 本実施形態では、演奏情報としてMIDIデータを受信
する場合について述べたが、音声信号そのものを入力す
るようにしてもよい。すなわち、入力した音声信号を既
存の方法でMIDIデータに変換すれば、この音声信号
に差音を付加した音声信号を生成することが可能とな
る。なお、音声信号は、モデムやTA(Terminal Adapt
er)などの通信装置を介して音声データの形で入力して
もよいし、マイクを介して外部音声から入力してもよ
い。
【0066】本実施形態では、入力した演奏情報に基づ
いて、その演奏情報に対応する演奏音に差音を含めた演
奏音を放音する差音出力装置100について述べた。本
発明はこれに限らず、この差音出力装置100が、入力
した演奏情報に基づいて差音のみを放音するように構成
してもよい。これにより、この差音出力装置100は、
音源を備えないMIDIキーボードなどの演奏装置に接
続することによって、いわゆる音源装置やトーンジェネ
レータとして使用する用途以外に、ホールなどの音場改
善に使用される音場支援装置などに適用することが可能
である。
【0067】(3) 変形例 本願発明は、上述した実施形態に限らず種々の態様にて
実施することができる。例えば、以下のような変形実施
が可能である。
【0068】(3.1)上述の各実施形態では、完全5
度、完全4度、長3度、短3度の関係にある楽音(鍵指
定音)を同時発音する場合に限って差音を発音させる場
合について述べた。本発明はこれに限る必要はなく、例
えば、鍵指定音を複数同時発音させる場合は、常に全て
の差音(これら鍵指定音相互の振動数の差の振動数の楽
音)を発音するようにしてもよい。
【0069】(3.2)上述の各実施形態では、式
(1)により求めた差音の知覚レベルL0に、音量係数
kを乗算した値を差音のベロシティL1とする場合につ
いて述べた。本発明はこれに限らず、音量係数kを用い
ずに、式(1)から求まる知覚レベルL0を差音のベロ
シティとするなど簡易に算出してもよい。これは、差音
の音量は鍵指定音よりかなり低い音量で知覚されるもの
であるため、必ずしもベロシティを厳密に算出しなくて
も充分な効果を得ることが可能だからである。この場
合、音量係数kを差音特定テーブルに格納する必要がな
いので、データ量が少なくてすみ、また、音量係数kを
抽出して演算に用いる、といった処理が必要ないので、
CPU10、110の処理負担を軽減することができ
る。
【0070】(3.3)また、上述の実施形態では、音
源装置15が予め定められた残響係数ks1、ks2
A、ks2Bに基づき残響音を付加するエフェクト処理
を行う場合について述べたが、ユーザが、残響音付加処
理における、立ち上がり時間、持続音レベル、減衰時間
1(減衰特性C2Aに対応)、減衰時間2(減衰特性C
2B)の設定を変更できるようにしてもよい。
【0071】(3.4)上述の第1実施形態では、本発
明の電子楽器を電子オルガンに適用する場合について述
べたが、電子ピアノなどの鍵盤楽器、電子バイオリンな
どの弦楽器などの種々の電子楽器に適用することが可能
である。また、電子楽器に限らず、ソフトウェア音源ま
たはハードウェア音源を備えるパーソナルコンピュータ
などの演奏機能を具備するコンピュータやトーンジェネ
レータなどに広く適用することができる。また。第2実
施形態に係る差音出力装置100は、従来、演奏音から
差音が知覚されやすかった楽器、例えば、パイプオルガ
ン、ピアノ、ベース、バイオリンの演奏音若しくは差音
を放音させるのに好適である。
【0072】(3.5)上述の各実施形態では、図7に
示すメインルーチンや、図8および図9に示す演奏処理
ルーチンを行うプログラムを予め電子オルガン1、差音
出力装置100などに記憶しておく場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、このプログラムを磁気記録
媒体、光記録媒体、半導体記憶媒体などのコンピュータ
が読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータがプ
ログラムを読み取って実行するようにしてもよい。ま
た、このプログラムをサーバに格納し、ネットワークを
介してサーバが送信要求のあったPCなどの端末にプロ
グラムを送信するようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、石造り
の建物における豊かな低音を伴った演奏音を再現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電子オルガンの電気
的構成を示すブロック図である。
【図2】 キーイベントテーブルを示す図である。
【図3】 鍵指定音発音テーブルを示す図である。
【図4】 差音発音テーブルを示す図である。
【図5】 差音特定テーブルを示す図である。
【図6】 第2倍音(2f0)と第3倍音(3f0)を
石造りの建物で発音させた場合の差音の知覚レベルL0
の解析結果を示す図である。
【図7】 メインルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図8】 演奏処理の処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図9】 図8の続きのフローチャートである。
【図10】 第2実施形態に係る差音出力装置の電気的
構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……電子オルガン、10、110……CPU、11…
…操作部、12……押鍵検出部、13……RAM、14
……ROM、15……音源装置、16……アンプ、17
……スピーカ、18……バス、20……音源部、21…
…エフェクト部、T1……キーイベントテーブル、T2
……鍵指定音発音テーブル、T3……差音発音テーブ
ル、T4……差音特定テーブル、100……差音出力装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 哲 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 増田 克彦 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D378 FF22 FF24 KK13 MM68 WW10 XX14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の演奏用操作子と、 前記演奏用操作子の操作を検出する検出手段と、 前記検出手段の検出結果に応じて前記各演奏用操作子に
    割り当てられた楽音の音声信号を生成する手段であっ
    て、前記各演奏用操作子に割り当てられた異なる音高の
    楽音を同時発音させる音声信号を生成する場合は、前記
    異なる音高の楽音と、前記異なる音高の楽音から知覚さ
    れる差音に相当する楽音とに対応する音声信号を生成す
    る信号生成手段と、 前記信号生成手段によって生成された音声信号を出力す
    る出力手段とを備えることを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 前記信号生成手段は、前記異なる音高の
    楽音と、前記異なる音高の楽音から知覚される差音に相
    当する楽音とに対応する音声信号を生成した後、少なく
    とも前記異なる音高の楽音のいずれかを消音させた音声
    信号を生成する場合は、前記消音させる楽音と、その楽
    音に対応する差音とを除く音声信号を生成することを特
    徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  3. 【請求項3】 前記異なる音高の楽音から知覚される差
    音は、前記異なる音高の楽音相互の振動数の差の振動数
    の楽音であることを特徴とする請求項1または2に記載
    の電子楽器。
  4. 【請求項4】 前記信号生成手段は、 異なる音高の楽音と、前記異なる音高の楽音から知覚さ
    れる差音とを対応づけた差音特定テーブルを記憶する記
    憶手段と、 異なる音高の楽音を同時発音させる音声信号を生成する
    場合に、前記異なる音高の楽音に対応する差音を、前記
    差音特定テーブルから検索する検索手段と、 前記検索手段により差音が抽出された場合は、前記差音
    と、前記異なる音高の楽音とに対応する音声信号を生成
    する一方、前記検索手段により差音が抽出されなかった
    場合は、前記異なる音高の楽音に対応する音声信号を生
    成する音源手段とを有することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の電子楽器。
  5. 【請求項5】 前記検索手段は、前記異なる音高の楽音
    と、前記異なる音高の楽音に対応する差音とに対応する
    音声信号を生成した後、前記異なる音高の楽音のいずれ
    かを消音させた音声信号を生成する場合は、前記消音さ
    せる楽音に対応づけられた差音を、前記差音特定テーブ
    ルから検索し、 前記音源手段は、前記検索手段により差音が抽出された
    場合は、前記差音と、前記消音させる楽音とを除く音声
    信号を生成する一方、前記検索手段により差音が抽出さ
    れなかった場合は、前記消音させる楽音を除く音声信号
    を生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    に記載の電子楽器。
  6. 【請求項6】 前記音源手段は、 同時発音させる楽音と差音とに残響音を付加した音声信
    号を生成するエフェクト手段を有することを特徴とする
    請求項4または5に記載の電子楽器。
  7. 【請求項7】 前記エフェクト部は、前記差音特定テー
    ブルにて差音に対応づけられた異なる音高の楽音につい
    て、一方の楽音が消音される場合と、両方の楽音が消音
    される場合とで、前記差音に付加する残響音を切り替え
    ることを特徴とする請求項4または5に記載の電子楽
    器。
  8. 【請求項8】 楽音を指定する演奏情報を入力する入力
    手段と、 前記演奏情報によって指定される楽音に基づいて音声信
    号を生成する手段であって、前記演奏情報によって異な
    る音高の楽音の同時発音が指示された場合は、前記異な
    る音高の楽音と、前記異なる音高の楽音から知覚される
    差音に相当する楽音とに対応する音声信号を生成する信
    号生成手段と、 前記信号生成手段によって生成された音声信号を出力す
    る出力手段とを備えることを特徴とする差音出力装置。
  9. 【請求項9】 楽音を指定する演奏情報を入力する入力
    手段と、 前記演奏情報によって指定される楽音に基づいて音声信
    号を生成する手段であって、前記演奏情報によって異な
    る音高の楽音の同時発音が指示された場合は、前記異な
    る音高の楽音から知覚される差音に相当する楽音とに対
    応する音声信号を生成する信号生成手段と、 前記信号生成手段によって生成された音声信号を出力す
    る出力手段とを備えることを特徴とする差音出力装置。
  10. 【請求項10】 複数の操作子と、前記操作子の操作を
    検出する検出手段を有するコンピュータを、 前記検出手段の検出結果に応じて前記各操作子に割り当
    てられた楽音の音声信号を生成する手段であって、前記
    各操作子に割り当てられた異なる音高の楽音を同時発音
    させる音声信号を生成する場合は、前記異なる音高の楽
    音と、前記異なる音高の楽音から知覚される差音に相当
    する楽音とに対応する音声信号を生成する信号生成手段
    と、 前記信号生成手段によって生成された音声信号を出力す
    る出力手段として機能させるためのプログラム。
  11. 【請求項11】 コンピュータを、 楽音を指定する演奏情報を入力する入力手段と、 前記演奏情報によって指定される楽音に基づいて音声信
    号を生成する手段であって、前記演奏情報によって異な
    る音高の楽音の同時発音が指示された場合は、前記異な
    る音高の楽音から知覚される差音に相当する楽音とに対
    応する音声信号を生成する信号生成手段と、 前記信号生成手段によって生成された音声信号を出力す
    る出力手段として機能させるためのプログラム。
  12. 【請求項12】 複数の操作子と、前記操作子の操作を
    検出する検出手段を有するコンピュータを、 前記検出手段の検出結果に応じて前記各操作子に割り当
    てられた楽音の音声信号を生成する手段であって、前記
    各操作子に割り当てられた異なる音高の楽音を同時発音
    させる音声信号を生成する場合は、前記異なる音高の楽
    音と、前記異なる音高の楽音から知覚される差音に相当
    する楽音とに対応する音声信号を生成する信号生成手段
    と、 前記信号生成手段によって生成された音声信号を出力す
    る出力手段として機能させるためのプログラムを記録し
    たことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒
    体。
  13. 【請求項13】 コンピュータを、 楽音を指定する演奏情報を入力する入力手段と、 前記演奏情報によって指定される楽音に基づいて音声信
    号を生成する手段であって、前記演奏情報によって異な
    る音高の楽音の同時発音が指示された場合は、前記異な
    る音高の楽音から知覚される差音に相当する楽音とに対
    応する音声信号を生成する信号生成手段と、 前記信号生成手段によって生成された音声信号を出力す
    る出力手段として機能させるためのプログラムを記録し
    たことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒
    体。
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