JP2003270441A - 偏光板、光学素子および画像表示装置 - Google Patents
偏光板、光学素子および画像表示装置Info
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Abstract
光が特定の色相を呈しない、表示品位の優れたものを提
供すること。 【解決手段】 偏光子の両側に透明基材フィルムが設け
られ、かつ片側の透明基材フィルムに、ハードコート
層、および当該ハードコート層よりも屈折率が低い低屈
折率層がこの順で積層されている偏光板において、当該
偏光板の全反射率が2.3%以下であり、かつ380n
mおよび700nmにおける反射率がいずれも3%以下
であることを特徴とする偏光板。
Description
る偏光板に関する。さらには当該偏光板を用いた光学素
子及び画像表示装置に関する。かかる反射防止機能を有
する偏光板、光学素子は液晶ディスプレイ、有機EL表
示装置、PDP、CRT等の各種画像表示装置において
好適に利用できる。たとえば、ワープロ、コンピュータ
ー、テレビ、カーナビゲーション用モニター、ビデオカ
メラ用モニター、携帯電話、PHS等に利用できる。
レイがある。近年、液晶ディスプレイの広視野角化、高
精細化といった表示デバイスとしての視認性向上の要望
がよりいっそう高まっている。液晶ディスプレイの視認
性向上を追求すると、液晶ディスプレイ表面、すなわち
偏光板表面の表面反射によるコントラストの低下を無視
できない。とりわけ、例えばカーナビゲーション用モニ
ター、ビデオカメラ用モニター、携帯電話、PHS等の
屋外で使用する頻度の高い各種携帯情報端末は表面反射
による視認性の低下が顕著である。このため偏光板には
反射防止処理を施すことが一般的となっている。特に前
記携帯情報端末機器に装着される偏光板では、反射防止
処理が必要不可欠になっている。
パッタリング法、CVD法等の手法により、屈折率の異
なる材料からなる複数の薄膜の多層積層体として作製
し、可視光領域の反射をできるだけ低減できるような設
計が行われている。しかし、該構造を有する反射防止層
は、多層積層体を構成している各層の膜厚が、同一層の
範囲内において一定であるために、原理上、可視光領域
全域にわたる完全な反射防止はできない。
付近の反射防止に重点をおき、かつできるだけ広い波長
領域で反射できるような設計が行われている。このよう
な設計上の理由から、現状では特定波長領域以外の反射
防止効果が充分ではなく、可視光の短波長領域の一部及
び長波長領域の一部の反射率が、可視光領域の他の波長
領域の反射率よりも大きい。その結果として反射光が特
定の色相を呈し、表示品位を落としてしまうという問題
がある。
能を有する偏光板であって、反射光が特定の色相を呈し
ない、表示品位の優れたものを提供することを目的とす
る。また当該偏光板を用いた光学素子、当該光学素子等
を搭載した画像表示装置を提供することを目的とする。
を解決すべく反射防止機能を有する偏光板について鋭意
検討を重ねた結果、以下に示す偏光板により前記目的を
達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
材フィルムが設けられ、かつ片側の透明基材フィルム
に、ハードコート層、および当該ハードコート層よりも
屈折率が低い低屈折率層がこの順で積層されている偏光
板において、当該偏光板の全反射率が2.7%以下であ
り、かつ380nmおよび700nmにおける反射率が
いずれも3. 5%以下であることを特徴とする反射防止
フィルム、に関する。
フィルム、ハードコート層、および低屈折率を設けるこ
とにより反射防止機能を付与し、これらを組み合わせる
ことにより、全反射率、および可視光の長・短波長にお
ける反射率を一定値以下に制御できることを見出したも
のである。かかる本発明の偏光板は、反射光が色相を呈
しない品位表示に優れた偏光板であり、反射光の無彩色
化も可能である。偏光板の全反射率は2.7%以下であ
り、小さいほど好ましく、2. 3%以下であるのが好ま
しい。また偏光板の380nmおよび700nmにおけ
る反射率はいずれも3. 5%以下であり、かかる反射率
も小さいほど好ましく、3%以下であるのが好ましい。
び700nmにおける反射率は詳しくはJIS Z87
01「2度視野XYZ系による色の表示方法」に基づき
測定される。すなわち、偏光板の低屈折率層が設けられ
ていない面に、黒色アクリル板(厚さ2.0mm)を粘
着剤にて貼り合せ裏面の反射をなくす。次いで、島津製
作所製UV2400PC/8°傾斜積分球月分光光度計
にて分光反射率を測定し、C光源/2°視野の全反射率
(Y値)を求めた。分光反射率からの全反射率への変換
は分光光度計内に組まれている計算プログラムに基づ
く。ただし、380nmおよび700nmにおける反射
率は分光反射率の値をそのまま用いた。
面が凹凸形状となっていることが好ましい。ハードコー
ト層の表面を凹凸形状とすることにより光拡散による防
眩性を付与することができる。光拡散性の付与は、前記
全反射率および可視光の長・短波長における反射率を低
減するうえでも好ましい。
折率が、1.5〜1.54であることが好ましい。ハー
ドコート層の屈折率は特に制限されないが、前記範囲の
屈折率を有するものが前記全反射率および可視光の長・
短波長における反射率を低減するうえでも好ましい。特
に、ハードコート層の表面が凹凸形状の場合に好適であ
る。ハードコート層の屈折率が小さくなると反射率が上
がり、反射防止機能を損なうおそれがあることから、ハ
ードコート層の屈折率は1.5以上、さらには1.51
以上とするのが好ましい。一方、ハードコート層の屈折
率が大きくなると反射光が色相を呈する傾向があること
から、ハードコート層の屈折率は1.54以下、さらに
は1.53以下とするのが好ましい。ハードコート層の
屈折率は1.51〜1.53の範囲であるのがより好ま
しい。
折率が透明基材フィルムの屈折率より高く、低屈折率層
の屈折率が透明基材フィルムの屈折率より低いことが好
ましい。反射率の観点からハードコート層には高屈折率
が求められ、低屈折率層にはより低い屈折率が求められ
る。反射防止効果がよく、表示品位の高い反射防止フィ
ルムを得るには、屈折率が前記関係:ハードコート層>
透明基材フィルム>低屈折率層となるように、ハードコ
ート層と低屈折率層の屈折率差が大きいことが好まし
い。
設けられていない側の面に、さらに光学層が積層されて
いることを特徴とする光学素子、に関する。さらに本発
明は、前記偏光板または光学素子を搭載した画像表示装
置、に関する。本発明の偏光板、光学素子は、反射光を
低減できる。これら偏光板、光学素子は、各種の用途に
用いることができ、これを搭載した液晶表示装置等の画
像表示装置は表示品位がよい。
を、図面を参照しながら説明する。図1は、偏光子4の
両側に、透明基材フィルム3を有し、片側の透明基材フ
ィルム3にはハードコート層1、次いでハードコート層
1の屈折率より低い屈折率材料よりなる低屈折率層2が
形成されている偏光板である。
械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れる
ものが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマ
ー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等
のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマ
ー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー
等の透明ポリマーからなるフィルムがあげられる。また
ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等
のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィ
ン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポ
リマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリ
アミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなる
フィルムもあげられる。さらにイミド系ポリマー、スル
ホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポ
リエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレン
スルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、
塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマ
ー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリ
マー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物
等の透明ポリマーからなるフィルムなどもあげられる。
透明保護フィルムは、位相差等の光学的異方性が少ない
ほど好ましい場合が多い。前記の透明保護フィルムを形
成するポリマーとしてはトリアセチルセルロースが最適
である。
しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性な
どの点より10〜300μm程度である。特に20〜3
00μmが好ましく、30〜200μmがより好まし
い。透明基材フィルム3の屈折率は1.43〜1.6程
度、好ましくは1.45〜1.5程度である。
材料としては層形成後の皮膜として十分な強度を持ち、
透明性のあるものを特に制限なく使用できる。前記樹脂
としては熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、紫外線硬化型樹
脂、電子線硬化型樹脂、二液混合型樹脂などがあげられ
るが、これらのなかでも紫外線照射による硬化処理に
て、簡単な加工操作にて効率よくハードコート層1を形
成することができる紫外線硬化型樹脂が好適である。紫
外線硬化型樹脂としては、ポリエステル系、アクリル
系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系
等の各種のものがあげられ、紫外線硬化型のモノマー、
オリゴマー、ポリマー等が含まれる。好ましく用いられ
る紫外線硬化型樹脂は、例えば紫外線重合性の官能基を
有するもの、なかでも当該官能基を2個以上、特に3〜
6個有するアクリル系のモノマーやオリゴマーを成分を
含むものがあげられる。また、紫外線硬化型樹脂には、
紫外線重合開始剤が配合されている。
るために平均粒子径0.1μm以下の超微粒子を含有さ
せることができる。かかる超微粒子としては、例えばP
MMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリウレタン、
ポリスチレン、メラミン樹脂等の各種ポリマーからなる
架橋又は未架橋の有機系微粒子、ガラス、シリカ、アル
ミナ、酸化カルシウム、チタニア、酸化ジルコニウム、
酸化亜鉛等の無機系粒子や、酸化錫、酸化インジウム、
酸化カドミウム、酸化アンチモンまたはこれらの複合物
等の導電性無機系粒子などがあげられる。前記超微粒子
のなかでも導電性無機系粒子を用いると効果的に挨付着
性を改善できる。超微粒子としては、特に、ITO(酸
化インジウム/酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸
化錫)、酸化錫等を用いるのが好ましい。
ィルム3の屈折率より高くなるように調整するのが好ま
しい。ハードコート層1の屈折率は、前述の通り、1.
5〜1.54程度になるように調整するのが好ましい。
て防眩性を付与することができる。ハードコート層1に
防眩性を付与する手段は特に制限されない。たとえば、
サンドブラスト、エンボスロール、化学エッチング等の
適宜な方式で粗面化処理して表面に凹凸構造を付与する
方法、金型による転写方式等にて表面に凹凸構造を付与
する方法、微粒子を分散含有させた樹脂層により凹凸構
造を形成する方法などがあげられる。また表面凹凸構造
は、ハードコート層1表面に凹凸構造を有する樹脂塗布
層を積層する方法、ハードコート層1に平滑な塗布層を
積層した後に表面に凹凸構造を付与する方法があげられ
る。さらには表面凹凸構造のハードコート層1の表面に
は塗布層を形成することができる。これら表面凹凸構造
の付与は、2種以上の方法を組み合わせることもでき
る。
は、凹凸構造の形成性の観点より微粒子を分散含有させ
た樹脂層により形成する方法が好ましい。前記凹凸構造
を形成する微粒子としては、前記例示の微粒子と同様の
材料のものを使用できる。防眩性達成の点より微粒子の
平均粒子径は0.5〜5μm、さらには1〜4μmのも
のが好ましい。微粒子により凹凸構造を形成する場合、
微粒子の使用量は樹脂100重量部に対して、1〜30
重量部程度とするのが好ましい。
には、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤等
の添加剤を含有させることができる。ハードコート層
(防眩層)1の形成に当たり、チクソトロピー剤(0.
1μm以下のシリカ、マイカ等)を含有させることによ
り、防眩層表面において、突出粒子により凹凸構造を容
易に形成することができる。
れず、適宜な方式を採用することができる。たとえば、
前記透明基材フィルム3上に、前記樹脂を塗工し、乾燥
後、硬化処理する。前記樹脂が微粒子を含有する場合に
は表面に凹凸形状を呈するようなハードコート層(防眩
層)1を形成する。前記樹脂の塗工は、ファンテン、ダ
イコーター、キャスティング、スピンコート、ファンテ
ンメタリング、グラビアロールコーター、ドクターブレ
ード等の適宜な方式で塗工される。なお、塗工にあた
り、前記樹脂は、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプ
ロピルアルコール、エチルアルコール等の一般的な溶剤
で希釈してもよく、希釈することなくそのまま塗工する
こともできる。また、ハードコート層1は樹脂フィルム
を予め形成しておき、その樹脂フィルムを透明基材フィ
ルム3上に接着することもできる。
されないが、厚くなるとカール、クラック等が生じやす
く、一方、薄くなると光干渉によるムラが生じやすいた
め、1〜20μm程度、特に1〜10μmとするのが好
ましい。
いが、ハードコート層1の屈折率よりも低い屈折率の低
屈折率材料を用いた湿式塗工法が、真空蒸着法等に比べ
てて簡易な方法であり好ましい。低屈折率層2を形成す
る材料としては、例えば、紫外線硬化型アクリル樹脂等
の樹脂系材料、樹脂中にコロイダルシリカ等の無機微粒
子を分散させたハイブリッド系材料、テトラエトキシシ
ラン、チタンテトラエトキシド等の金属アルコキシドを
用いたゾル−ゲル系材料等があげられる。また、それぞ
れの材料は、表面の防汚染性付与するためフッ素基含有
化合物が用いられる。耐擦傷性の面からは、無機成分含
有量が多い低屈折率層材料が優れる傾向にあり、特にゾ
ル−ゲル系材料が好ましい。
としては、パーフルオロアルキルアルコキシシランを例
示できる。パーフルオロアルキルアルコキシシランとし
ては、たとえば、一般式(1):CF3 (CF2 )n C
H2 CH2 Si(OR)3 (式中、Rは、炭素数1〜5
個のアルキル基を示し、nは0〜12の整数を示す)で
表される化合物があげられる。具体的には、たとえば、
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオ
ロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオク
チルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルト
リエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメト
キシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシ
ランなどがあげられる。これらのなかでも前記nが2〜
6の化合物が好ましい。
チタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム、セリア等
をアルコール溶媒に分散したゾルなどを添加しても良
い。その他、金属塩、金属化合物などの添加剤を適宜に
配合することができる。
1の屈折率よりも低い。また透明基材フィルム3の屈折
率よりも低くなるように調整するのが好ましい。低屈折
率層2の屈折率は、低くなりすぎると、反射光が色相を
呈しやすくなるため、1.35〜1.45、さらには
1.37〜1.4であるのが好ましい。
適宜な方式にてハードコート層1上に施される。例え
ば、ドクターブレード法、グラビアロールコーター法、
デイッピング法等の適宜な方式にて形成することができ
る。低屈折率層2の厚さは特に制限されず、通常、平均
80〜150nm程度である。低屈折率層2の厚さは、
利用する材料の屈折率および入射光の設定波長により、
目標波長付近となうように決定される。目標波長=設定
波長÷4÷屈折率。たとえば、低屈折率層2の屈折率が
1.38、低屈折率層2への入射光の設計波長を550
nmとすると、低屈折率層2の目標厚み=550nm÷
4÷1.38=100nm程度である。
の間には、透明基材フィルム3の屈折率よりも屈折率が
高く、ハードコート層1の屈折率よりも屈折率が低い中
屈折率層を有することができる。かかる中屈折率層を設
けることにより、ハードコート層1として高屈折率のも
のを用いた場合にも反射光の干渉縞を有効に防止するこ
とができる。
層1と透明基材フィルム3の中間の屈折率を有するもの
であれば特に制限されず、その形成方法も特に制限はな
い。中屈折率層を形成する材料としては、ハードコート
層1の形成材料と同様の材料、さらにはアルコキシシラ
ン溶液等の無機系材料が用いられる。これらのなかでも
熱硬化型樹脂系材料、紫外線硬化型樹脂系材料が好まし
い。中屈折率層は、これらを熱または紫外線硬化処理す
ることにより形成できる。中屈折率層にも、例えば、平
均粒子径0.1μm以下の、ITO(酸化インジウム/
酸化錫)、ATO(酸化アンチモン/酸化錫)、酸化錫
等の導電性超微粒子を分散含有させることができる。中
屈折率層の厚さは特に制限されないが、1μm程度以
下、特に50〜500nmとするのが好ましい。
層した透明基材フィルム3は、偏光子4の片面に設けら
れている。偏光子は、特に制限されず、各種のものを使
用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアル
コール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコ
ール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分
ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や
二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したも
の、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニ
ルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげら
れる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィル
ムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適であ
る。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的
に、5〜80μm程度である。
で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニル
アルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染
色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することが
できる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水
溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色
の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して
水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水
洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚
れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほか
に、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させること
で染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸
はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら
延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色しても
よい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中
でも延伸することができる。
けられる。透明基材フィルム3は、表裏で同じポリマー
材料からなるものを用いてもよく、異なるポリマー材料
等からなるものを用いてもよい。なお、透明基材フィル
ム3は偏光子4の両側に設けられていればよく、図2に
示すように、偏光子4の両側に透明基材フィルム3を設
けた偏光板の片側に、ハードコート層1、低屈折率層2
を設けた透明基材フィルム3を積層してもよい。
着処理には、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアル
コール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテック
ス系、水系ポリエステル等が用いられる。
層、プライマー層、接着剤層、粘着剤層、帯電防止層、
導電層、ガスバリヤー層、水蒸気遮断層、水分遮断層等
を挿入、または偏光板表面へ積層しても良い。また。偏
光板の各層を作成する段階では、例えば、導電性粒子あ
るいは帯電防止剤、各種微粒子、可塑剤等を各層の形成
材料に添加、混合等することにより改良を必要に応じて
おこなっても良い。
層5を積層した光学素子(光学フィルム)とすることが
できる。その光学層については特に限定はないが、例え
ば反射板や半透過板、位相差板(1/2 や1/4 等の波
長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等
の形成に用いられることのある光学層を1層または2層
以上用いることができる。特に、偏光板に更に反射板ま
たは半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または
半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてな
る楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フ
ィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光
板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好
ましい。楕円偏光板、光学補償付き偏光板等では偏光板
側に反射防止フィルムが付与される。
耐候性、耐湿熱性、耐熱性、耐湿性、透湿性、帯電防止
性、導電性、層間の密着性向上、機械的強度向上等の各
種特性、機能等を付与するための処理、または機能層の
挿入、積層等を行うこともできる。
もので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表
示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのもの
であり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶
表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反
射型偏光板の形成は、必要に応じ、前記透明保護フィル
ム等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付
設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
じマット処理した透明保護フィルムの片面に、アルミニ
ウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射
層を形成したものなどがあげられる。
直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた
適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどと
して用いることもできる。なお反射層は、通常、金属か
らなるので、その反射面が透明保護フィルムや偏光板等
で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低
下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層
の別途付設の回避の点などより好ましい。
射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透
過型の反射層とすることにより得ることができる。半透
過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表
示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、
視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示
し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバ
ックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源
を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを
形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲
気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節
約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用い
て使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用で
ある。
円偏光板または円偏光板について説明する。直線偏光を
楕円偏光または円偏光に変えたり、楕円偏光または円偏
光を直線偏光に変えたり、あるいは直線偏光の偏光方向
を変える場合に、位相差板などが用いられる。特に、直
線偏光を円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える
位相差板としては、いわゆる1 /4 波長板(λ/4 板と
も言う)が用いられる。1 /2 波長板(λ/2 板とも言
う)は、通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用い
られる。
(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じ
た着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のな
い白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三
次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を
斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)するこ
とができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー
表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場
合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有す
る。上記した位相差板の具体例としては、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレ
フィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリ
マーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィ
ルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配
向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位
相差板は、例えば各種波長板や液晶層の複屈折による着
色や視角等の補償を目的としたものなどの使用目的に応
じた適宜な位相差を有するものであってよく、2種以上
の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したも
のなどであってもよい。
は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せ
で積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射
型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液
晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することによっ
ても形成しうるが、前記の如く予め楕円偏光板等の光学
フィルムとしたものは、品質の安定性や積層作業性等に
優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点
がある。
を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合で
も、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるた
めのフィルムである。このような視角補償位相差板とし
ては、例えば位相差フィルム、液晶ポリマー等の配向フ
ィルムや透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を支持し
たものなどからなる。通常の位相差板は、その面方向に
一軸に延伸された複屈折を有するポリマーフィルムが用
いられるのに対し、視角補償フィルムとして用いられる
位相差板には、面方向に二軸に延伸された複屈折を有す
るポリマーフィルムとか、面方向に一軸に延伸され厚さ
方向にも延伸された厚さ方向の屈折率を制御した複屈折
を有するポリマーや傾斜配向フィルムのような二方向延
伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとして
は、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着し
て加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを
延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマー
を斜め配向させたものなどが挙げられる。位相差板の素
材原料ポリマーは、先の位相差板で説明したポリマーと
同様のものが用いられ、液晶セルによる位相差に基づく
視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡
大などを目的とした適宜なものを用いうる。
より、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液
晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリ
アセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相
差板が好ましく用いうる。
偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用
される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバッ
クライトや裏側からの反射などにより自然光が入射する
と所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射
し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィ
ルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光
源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると
共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射され
る。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後
ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フ
ィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態
の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の
増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給
して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図る
ことにより輝度を向上させうるものである。すなわち、
輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液
晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合に
は、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する
光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透
過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によって
も異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてし
まい、その分、液晶画像表示等に利用しうる光量が減少
し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸
収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させ
ずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側
に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィ
ルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反
射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るよ
うな偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは
透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの
光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画
面を明るくすることができる。
散板を設けることもできる。輝度向上フィルムによって
反射した偏光状態の光は上記反射層等に向かうが、設置
された拡散板は通過する光を均一に拡散すると同時に偏
光状態を解消し、非偏光状態となる。すなわち、拡散板
は偏光を元の自然光状態にもどす。この非偏光状態、す
なわち自然光状態の光が反射層等に向かい、反射層等を
介して反射し、再び拡散板を通過して輝度向上フィルム
に再入射することを繰り返す。このように輝度向上フィ
ルムと上記反射層等の間に、偏光を元の自然光状態にも
どす拡散板を設けることにより表示画面の明るさを維持
しつつ、同時に表示画面の明るさのむらを少なくし、均
一で明るい画面を提供することができる。かかる拡散板
を設けることにより、初回の入射光は反射の繰り返し回
数が程よく増加し、拡散板の拡散機能と相俟って均一の
明るい表示画面を提供することができたものと考えられ
る。
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液
晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム
基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいず
れか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示
すものなどの適宜なものを用いうる。
透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光
をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることによ
り、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過さ
せることができる。一方、コレステリック液晶層の如く
円偏光を投下するタイプの輝度向上フィルムでは、その
まま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑
制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化し
て偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相
差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を
直線偏光に変換することができる。
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡
色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他
の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板とし
て機能する位相差層とを重畳する方式などにより得るこ
とができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に
配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層から
なるものであってよい。
反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3
層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域
等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることが
でき、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得る
ことができる。
の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層し
たものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏
光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型
楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても
行うことができるが、これらを予め積層したのものは、
品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置な
どの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着
層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板やその
他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的
とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とするこ
とができる。
層積層されている光学素子の片面には、液晶セル等の他
部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘
着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばア
クリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素
系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするもの
を適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル
系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝
集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性など
に優れるものが好ましく用いうる。
剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や
液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる
液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐
熱性に優れる粘着層が好ましい。
類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビー
ズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔
料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されること
の添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して
光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエン
や酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からな
る溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分
散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、
それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で光学素
子上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレー
タ上に粘着層を形成してそれを光学素子上に移着する方
式などがあげられる。粘着層は、各層で異なる組成又は
種類等のものの重畳層として設けることもできる。粘着
層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定
でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μm
が好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
までの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着さ
れてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着
層に接触することを防止できる。セパレータとしては、
上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴ
ムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属
箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に
応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モ
リブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなど
の、従来に準じた適宜なものを用いうる。
学素子、粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エス
テル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリ
アゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッ
ケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式など
の方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであって
もよい。
等の各種装置の形成などに好ましく用いることができ
る。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。す
なわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学素子、及
び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組
立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、
本発明においては本発明による光学素子を用いる点を除
いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについ
ても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイ
プのものを用いうる。
配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライト
あるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置
を形成することができる。その場合、本発明による光学
素子は液晶セルの片側又は両側に設置することができ
る。両側に光学素子を設ける場合、それらは同じもので
あってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、
液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチ
グレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レン
ズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な
部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することがで
きる。
(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機
EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と
金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミ
ネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層
は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニ
ルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン
等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あ
るいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電
子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入
層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み
合わせをもった構成が知られている。
とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と
電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によっ
て生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍
光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原
理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般
のダイオードと同様であり、このことからも予想できる
ように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴
う強い非線形性を示す。
での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透
明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(IT
O)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として
用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上
げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが
重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を
用いている。
て、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜
で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と
同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に
透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを
透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面
側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示
装置の表示面が鏡面のように見える。
表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面
側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス
発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表
面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光
板との間に位相差板を設けることができる。
て金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するた
め、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視
認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4
波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向の
なす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に
遮蔽することができる。
る外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過す
る。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光とな
るが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と
位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏
光となる。
薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透
明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光
となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と
直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、
金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
明するが、本発明はこれら実施例によって何等限定され
るものではない。各例中、特記ない限り、部および%は
重量基準である。本発明の屈折率の測定は、(株)アタ
ゴ製アッベ屈折率計により行った。
m)の両面にポリビニルアルコール系接着剤を介して、
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(透明
基材フィルム:屈折率1. 49)を接着して偏光板を作
成した。別途、アクリル系紫外線硬化型樹脂(屈折率
1.52)100部に、紫外線重合開始剤(ベンゾフェ
ノン)5部を溶媒(トルエン)を介して混合し、さらに
平均粒子径2.5μmの球形シリカ微粒子2.5部を混
合し、塗布液を調製した。上記偏光板の片面に、バーコ
ーターにて前記塗布液を塗布し、溶剤乾燥後、紫外線照
射して硬化処理し、厚さ3μmの防眩層(ハードコート
層)を形成した。防眩層の屈折率は1.52であった。
この防眩層上に、屈折率1.38のフッ素変性アルコキ
シシラン溶液をワイヤーバーにて1層塗布し、乾燥・硬
化処理を行い平均厚み約100nmの低屈折率層を形成
した。
2.2μmのものを用いたこと以外は実施例1と同様の
操作を行った。
に、アクリル系紫外線硬化型樹脂(屈折率1.55)を
用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
に、アクリル系紫外線硬化型樹脂(屈折率1.49)を
用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
防止機能を有する偏光板について全反射率および380
nmおよび700nmにおける反射率を測定した。結果
を表1に示す。
射光は色相を呈することはなく表示品位が良好であっ
た。一方、比較例では反射光は色相を呈し、表示品位が
不良であった。
Claims (6)
- 【請求項1】 偏光子の両側に透明基材フィルムが設け
られ、かつ片側の透明基材フィルムに、ハードコート
層、および当該ハードコート層よりも屈折率が低い低屈
折率層がこの順で積層されている偏光板において、当該
偏光板の全反射率が2.7%以下であり、かつ380n
mおよび700nmにおける反射率がいずれも3. 5%
以下であることを特徴とする偏光板。 - 【請求項2】 ハードコート層の表面が凹凸形状となっ
ていることを特徴とする請求項1記載の偏光板。 - 【請求項3】 ハードコート層の屈折率が、1.5〜
1.54であることを特徴とする請求項1または2記載
の偏光板。 - 【請求項4】 ハードコート層の屈折率が透明基材フィ
ルムの屈折率より高く、低屈折率層の屈折率が透明基材
フィルムの屈折率より低いことを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の偏光板。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板
の低屈折率層が設けられていない側の面に、さらに光学
層が積層されていることを特徴とする光学素子。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板
または請求項5記載の光学素子を搭載した画像表示装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002074496A JP2003270441A (ja) | 2002-03-18 | 2002-03-18 | 偏光板、光学素子および画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2002074496A JP2003270441A (ja) | 2002-03-18 | 2002-03-18 | 偏光板、光学素子および画像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003270441A true JP2003270441A (ja) | 2003-09-25 |
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ID=29203877
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003270441A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009150998A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-09 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 防眩フィルム、防眩性偏光板および画像表示装置 |
JP2009156939A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 防眩フィルム、防眩性偏光板および画像表示装置 |
US11126818B2 (en) | 2017-11-07 | 2021-09-21 | Lg Chem, Ltd. | Sheet and an optical fingerprint scanner |
-
2002
- 2002-03-18 JP JP2002074496A patent/JP2003270441A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP2009150998A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-09 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 防眩フィルム、防眩性偏光板および画像表示装置 |
JP2009156939A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 防眩フィルム、防眩性偏光板および画像表示装置 |
US11126818B2 (en) | 2017-11-07 | 2021-09-21 | Lg Chem, Ltd. | Sheet and an optical fingerprint scanner |
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