JP2003270226A - 分析方法、分離方法、ミキサ、及び分析装置 - Google Patents
分析方法、分離方法、ミキサ、及び分析装置Info
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Abstract
正確に分離、検出することができる分析方法及び分離方
法を提供すること。 【解決手段】 試料SAは、試料注入装置23で溶離液
SSに注入されて補助ミキサ25やミキサ27を通過す
る。補助ミキサ25を通過する際に、注入された試料S
Aは、周囲の溶離液SSに徐々に拡散し緩やかな混合が
行われる。ミキサ27を通通過する際に、試料SAは、
ミキサ本体27bで溶離液SSと十分に混合され、均一
な混合液Mが得られる。ミキサ27を出射した混合液M
は、その後試料注入装置23から圧送される溶離液SS
に押し出されて分離カラム29の一端29aに導入さ
れ、試料SAの分離カラム29への充填が完了する。
Description
フィを利用した分析方法及び分離方法、並びにこれらに
用いるミキサ及び分析装置に関し、さらに詳しくは、溶
離液の組成を変化させて分析等を行うグラジエント型の
分析方法、分離方法等に関する。
に、溶離液の組成を経時的に変化させて成分分離及び成
分分析分析を行うグラジエント分析と呼ばれるものがあ
る。このようなグラジエント分析では、移動層を構成す
る溶離液の組成を経時的に変化させることにより、試料
中の目的とする成分を迅速かつ確実に分離・定量するこ
とができる。
分析を用いても、特定の被検対象については、ピーク形
状が非常に悪くなり、或いはピーク形状の経時変化も起
こって、精密な分析が困難になる場合があった。
の類縁物質についてグラジエント分析を行う場合におい
て、類縁物質を溶かす試料溶媒がアセトニトリルである
ものとする。また、類縁物質を分離するための溶離液の
基底状態が殆ど水であって溶離液中のアセトニトリルの
量を漸次増加させるものとする。この場合、試料注入時
の移動層の組成が殆ど水となる。このため、分離カラム
の入口側に試料を注入すると、試料溶媒は、あたかも移
動層のように振舞うこととなり、分離カラム中でアセト
ニトリルのバンドを形成しつつ移動する。この結果、分
離カラムの入口付近に濃縮されるべき試料溶質がアセト
ニトリル・バンドに押し出され、試料の分離すなわち類
縁物質の構成成分のピーク検出が困難となる。
中で移動層のように振舞うことを防止して、類縁物質等
を構成する近接するピークを有する成分を正確に分離、
検出することができる分析方法及び分離方法を提供する
ことを目的とする。
分離、検出することができるグラジエント型の液体クロ
マトグラフィの分析方法等に用いるミキサや分析装置を
提供することを目的とする。
め、本発明に係る分析方法は、液体クロマトグラフィを
利用することにより、溶離液の組成を変化させつつ試料
の成分を分析する分析方法であって、溶離液への試料の
注入に際して、前記試料を前記溶離液に拡散させる工程
と、前記溶離液に前記試料を拡散させた混合液を分離カ
ラムの一端に充填する工程と、前記分離カラムの一端に
溶離液を供給しつつ当該分離カラムの他端から吐出され
た溶出液の成分を逐次検出する工程とを備える。
端に充填する前に、試料を基底状態の溶離液に拡散させ
るので、このような拡散によって得た混合液は、分離カ
ラムの入口部に安定した状態で充填される。よって、従
来のように試料溶媒が分離カラム中で移動層のように振
舞うことを簡単に防止でき、グラジエント型の液体クロ
マトグラフィを用いた分析において、近接するピークを
有する成分を正確に分離、検出することができる。
前記試料を前記溶離液に拡散させる工程で、流路の断面
形状が流路に沿って変化する管状体を用いて前記試料と
前記溶離液とを混合する。この場合、簡単な構造の管状
体によって試料を溶離液に拡散させつつ適宜撹拌するこ
とができる。
は、前記管状体が、流路の断面形状が細長くなっている
複数のネック部を流路に沿って周期的に有するととも
に、隣接するネック部の断面長手方向を流路の延びる方
向の回りに所定角度単位で回転させている。この場合、
試料と溶離液とを効率よく混合することができる。
は、前記所定角度が、60゜である。この場合、試料と
溶離液とをさらに効率よく混合してより均一に攪拌する
ことができるので、近接するピークを有する成分の分離
・検出能を高めることができる。
は、前記管状体が、円形断面の流路を有する直管を軸方
向に沿った周期的な位置で押しつぶすように変形させる
ことによって形成される。この場合、ミキサを簡単な構
造で作製も容易なものとすることができる。
は、試料を注入した前記溶離液を、所定長以上の延長管
に通した後に、前記管状体に供給する。この場合、試料
と溶離液とをさらに効率よく混合し攪拌することがで
き、近接するピークを有する成分の分離・検出能を高め
ることができる。
は、試料を注入した前記溶離液を、前記管状体に供給し
た後に、所定長以上の延長管に通す。この場合も、試料
と溶離液とをさらに効率よく混合し攪拌することがで
き、近接するピークを有する成分の分離・検出能を高め
ることができる。
マトグラフィを利用することにより、溶離液の組成を変
化させつつ試料を成分に分離する分離方法であって、溶
離液への試料の注入に際して、前記試料を前記溶離液に
拡散させる工程と、前記溶離液に前記試料を拡散させた
混合液を分離カラムの一端に充填する工程と、前記分離
カラムの一端に溶離液を供給しつつ当該分離カラムの他
端から溶出液を吐出させる工程とを備える。
端に充填する前に溶離液に拡散させるので、このような
拡散によって得た混合液は、分離カラムの入口部に安定
した状態で充填され、近接するピークを有する成分を正
確に分離、検出することができる。
トグラフィ用の溶離液に試料を注入するための注入装置
側に連結される入口部と、流路の断面形状が流路に沿っ
て変化する管状体と、溶離液を通過させつつ試料を成分
に応じて分離するための分離カラム側に連結される出口
部とを備える。
配置される管状体が流路の断面形状が流路に沿って変化
するので、試料を分離カラムの一端に充填する前に溶離
液と試料とを適宜混合・撹拌することができる。このよ
うな撹拌によって得た混合液は、分離カラムの入口部に
安定した状態で充填されるので、グラジエント型の液体
クロマトグラフィを用いた分析において、近接するピー
クを有する成分を正確に分離、検出することができる。
記管状体が、流路の断面形状が細長くなっている複数の
ネック部を流路に沿って周期的に有するとともに、隣接
するネック部の断面長手方向を流路の延びる方向の回り
に所定角度単位で回転させている。この場合、試料と溶
離液とを効率よく混合することができる。
マトグラフィ用の溶離液に試料を注入する注入装置と、
前記注入装置の出口側に接続されるとともに、前記試料
を前記溶離液に拡散させる拡散手段と、前記拡散手段の
出口側に接続され、前記溶離液とともに一端に充填した
試料を前記溶離液を通過させつつ成分に応じて分離する
分離カラムと、当該分離カラムの他端から吐出された溶
出液の成分を逐次検出する検出手段とを備える。
端に充填する前に拡散手段が試料を溶離液に拡散させる
ので、このような拡散によって得た混合液は、分離カラ
ムの入口部に安定した状態で充填され、近接するピーク
を有する成分を正確に分離、検出することができる。
記拡散手段が、流路の断面形状が流路に沿って変化する
管状体を有する。この場合、簡単な構造の管状体によっ
て試料を溶離液に拡散させつつ適宜撹拌することができ
る。
の第1実施形態に係る分析方法を実施するための分析装
置を概念的に説明するブロック図である。
高速液体クロマトグラフィの装置であり、溶離液の組成
を経時的に変化させて成分分離及び成分分析を行うこと
ができる。この分析装置10は、複数の異なる溶媒A、
Bを所望の比率で混合して溶離液SSを生成する溶離液
供給装置21と、溶離液供給装置21の出口側に接続さ
れて溶離液SSに分析対象である試料SAを注入する試
料注入装置23と、試料注入装置23の出口側に接続さ
れて試料SAと溶離液SSとを補助的に混合する補助ミ
キサ25と、補助ミキサ25の出口側に接続されて試料
SAと所定量の溶離液SSとをより均一に混合するミキ
サ27と、ミキサ27を経た溶離液SS及び試料SAの
混合液Mが一端29aから注入される分離カラム29と
を備える。さらに、分析装置10は、分離カラム29の
他端29bに配管を介して接続されて試料SAから分離
された各成分の蛍光や吸光を検出するディテクタ部31
と、ディテクタ部31で検出した蛍光や吸光に対応する
信号を解析して分離成分の濃度等を計測する演算処理部
33と、ディテクタ部31を経た溶出液Sを収容するタ
ンク35とを備える。
源や圧送用のポンプを有しており、溶媒A、Bを所望の
比率で混合した溶離液SSを高圧で出射する。また、溶
離液供給装置21は、溶媒A、Bの混合比を適宜変更す
ることができ、試料SAを分離カラム29に充填した後
に分離カラム29に供給する溶離液SSの組成比を連続
的或いは段階的に変更することができる。これにより、
試料SAのグラジエント分析が可能になる。なお、溶媒
A、Bは、例えば水やアセトニトリル等の有機溶媒とす
ることができる。
から供給される溶離液SSに試料SAを所望量だけ注入
する。溶離液SSに注入する試料SAの量は、他の測定
条件等を考慮して適宜適宜変更することができる。な
お、試料SAは、分析対象である物質(被検対象)をア
セトニトリル等の試料溶媒に溶かしたものである。
延長管であり、試料注入装置23から供給される溶離液
SSと試料SAとを混合してある程度均一化する。この
補助ミキサ25は、内径0.25mm程度で250mm
〜1500mm程度の長さを有するSUS製の管を螺旋
状に形成したものであり、管内で液体を通過させる過程
において、この液体すなわち溶離液SS中で試料SAを
徐々に拡散させつつ混合することができる。
って変化する管状体からなり、管状体内に形成される乱
流によって所定量の溶離液SS中における試料SAの均
一な混合を達成し、ほぼ均一な組成の混合液Mを分離カ
ラム29の一端29aに供給する。なお、ミキサ27
は、補助ミキサ25とともに拡散手段を構成する。
図であり、図3は、図2のミキサ27の寸法例を説明す
る図である。また、図4は、図2及び図3に示すミキサ
27の縦断面構造を説明する図である。このミキサ27
は、内径1mm程度のSUS製の管を加工したものであ
り、補助ミキサ25に連結される入口部27aと、内部
の流路FPの断面形状が流路FPの方向に沿って変化す
る管状体からなるミキサ本体27bと、分離カラム29
側に連結される出口部27cとからなり、総容量50μ
l程度である。このうち入口部27aと出口部27c
は、円形断面の流路を有するが、ミキサ本体27bは、
スリット状の細長い流路断面を有するネック部NPを等
間隔で形成した構造となっており、隣接するネック部N
Pは、流路断面の長手方向が互いに直交する方向に延び
るようになされている。つまり、ミキサ本体27b中に
おける流路FPの断面は、矩形になっており、その縦横
の寸法比が周期的に増減を繰り返すとともに、長手方向
が周期的に切り換る。具体的作製例では、ミキサ本体2
7bの長さを21mmとし、断面形状の変化の周期を6
mmとしているので、直交するネック部NPは、9箇所
に形成されておりそれらの間隔は3mmとなっている。
混合・撹拌を説明する図である。ミキサ本体27bの内
部では、所定量の溶離液SSと試料SAとからなる液体
Lが細長い断面形状を直交する方向に周期的に変化させ
つつ流動する。このため、ミキサ本体27b内部では液
体Lに複雑な圧力が作用して乱流が形成され、液体Lに
含まれる溶離液SSと試料SAとを効率よく均一に混合
することができる。
部材からなり、内部に試料分離用の固定相としてシリカ
ゲル等を封入している。なお、分離カラム29の周囲に
は温度調節調節用のヒータ(不図示)等が配置されてお
り、分離カラム29内部の温度を一定に保つことができ
る。
て、分離カラム29の他端29bから吐出される溶出液
Sが通過するガラス管路等を備える。このディテクタ部
31では、これを通過する溶出液Sに紫外光を照射して
蛍光を検出したり、赤外線の吸光度を検出するといった
光学的な手法で分離された成分の検出が行われる。
出力される蛍光や吸光度に対応する信号に適当な処理を
施して、溶出液Sに含まれる分離成分の濃度やこれに対
応する数値をリテンションタイムとの相関として記録、
表示する。
終了した溶出液Sを回収するためのものであり、リテン
ションタイムを考慮してタンク35を切り換えれば、溶
出液Sを成分ごとに精密に分離することもできる。
いて説明する。まず、溶離液供給装置21を動作させ
て、グラジエント分析における基底状態に対応する溶離
液SSを一定流量で試料注入装置23、さらには分離カ
ラム29に導入する。例えば溶媒A、Bが水及びアセト
ニトリルである場合、基底状態の溶離液SSは水が主要
な成分となる。
23を介して溶離液SSに試料SAを所望量(例えば2
μl)だけ注入する。ここで、試料SAは、例えばアセ
トニトリルのみからなる試料溶媒に被検対象を溶かし込
むことによって調整されたものである。このように、試
料SAをアセトニトリルのみからなる試料溶媒で調整す
るのは、試料SAに含まれる被検対象が水によって分解
作用を受けやすい場合を考慮したものであり、特定種類
の被検対象については、その分析条件が試料SAの調整
方法、試料注入量等に関して基準書に詳細に規定されて
いて、これらを簡単に変更できないからである。
液SSに送り出されて補助ミキサ25やミキサ27を通
過する。補助ミキサ25を通過する際に、注入された試
料SAは、周囲の溶離液SSに徐々に拡散し緩やかな混
合が行われる。次に、ミキサ27を通通過する際に、試
料SAは、特にミキサ本体27bで溶離液SSと十分に
混合され、ほぼ均一な混合液Mが得られる。ここで、混
合液Mは、例えばアセトニトリルのみからなる試料溶媒
に被検対象を溶かし込むことによって得た試料SAと、
ほぼ水からなる溶離液SSとを混合して得たものであ
り、上記のような補助ミキサ25及びミキサ27を用い
ることにより、被検対象を例えば水:アセトニトリル=
1:1の溶媒に溶かした場合に近い状態とすることがで
きる。
試料注入装置23から圧送される溶離液SSに押し出さ
れて分離カラム29の一端29aに導入される。これに
より、試料SAの分離カラム29への充填が完了する。
液SSを分離カラム29に供給しつづけることにより、
分離カラム29の一端29aに充填された混合液Mすな
わち試料SAが成分ごとに徐々に分離しつつ分離カラム
29の他端29bに移動する。このような移動により、
試料SAが分離カラム29中で成分ごとのバンドに分離
され、特定の標準物質やその類縁物質等の精密な分離が
可能になる。この際、溶離液SSは、グラジエント分析
のために徐々にその組成を変化させる。例えば、溶離液
SS中の水の濃度を低下させアセトニトリルの濃度を増
加させる。これにより、試料SAの分離条件をある程度
の任意性をもって制御することができるので、迅速で高
精度の測定結果を得ることができる。すなわち、被検対
象である溶質の極性差が大きい場合に、当初水が多い分
離液で分離カラム29に保持されにくい極性の高い化合
物を分離し、その後次第にアセトニトリルの比率を増加
させて比較的極性の低い化合物を分離することができ
る。
7による拡散・希釈が過剰な場合、分離カラム29の一
端29aに充填される試料SAの濃度が希釈されだけで
なく、混合液Mとして広いバンドを有することになるの
で、分離カラム29による分離ピークのバンド幅が広が
って、成分分離の精度が却って低下する場合もある。そ
こで、補助ミキサ25及びミキサ27の寸法及び形状を
調節して、これらによる拡散、希釈が過剰にならない範
囲で、試料SAと溶離液SSの混合を行う。
7による拡散・希釈が全くない場合、基底状態にあって
水に近い組成の溶離液SSで安定している分離カラム2
9に、アセトニトリル等の有機溶媒のみにて調整した試
料SAが充填されることになる。この場合、分離カラム
29の一端29aに充填された試料SAは、あたかも移
動相すなわち溶離液SSのように振舞う。つまり、本来
は分離カラム29の一端29aに濃縮されるべき溶質す
なわち被検物質がアセトニトリル等の有機溶媒のバンド
とともに分離カラム29中で押し出されるように移動し
て各成分の溶出が早まって、特にリテンションタイムの
短い成分を含有する被検対象(例えば特定種類の標準物
質の類縁物質等)の分離が困難になる。
キサ25及びミキサ27を分離カラム29の一端29a
に近接して配置した場合、試料SAから極性の低い成分
を分離する際に得られる各ピーク形状の鋭さが改善さ
れ、ピーク形状の再現性も高まる。従来、試料SAはな
るべく高濃度のバンドにして分離カラム29に充填する
ことが望ましいと考えられていたが、本実施形態のよう
にミキサ27等を用いて試料SAのバンドを強制的に一
定範囲でブロードにすることで、却って測定精度や分離
精度が高まる場合があることが判明した。 〔第2実施形態〕以下、第2実施形態に係る分析方法等
を実施するための分析装置について説明する。第2実施
形態の分析方法等は、第1実施形態の分析方法等で用い
るミキサ27を変更したものであり、ここでは、改良し
たミキサについてのみ説明する。
視図であり、図7は、図6のミキサ127の寸法例を説
明する図である。
US製の管を加工したものであり、図1の補助ミキサ2
5に連結される入口部127aと、内部の流路FPの断
面形状が流路FPの方向に沿って変化するミキサ本体1
27bと、分離カラム29側に連結される出口部127
cとからなる。このうち入口部127aと出口部127
cは、円形断面の流路を有するが、ミキサ本体27b
は、スリット状の細長い流路断面を有する6つのネック
部NP1〜NP6を等間隔で形成した構造となっており、
隣接する一対のネック部NP1及びNP2(NP2及びN
P3、NP3及びNP4、…)は、流路断面の長手方向が
60°ずれた方向に延びるように形成されている。この
結果、ミキサ本体127b中における流路断面は、その
矩形状の縦横の寸法比が増減を繰り返し、その断面長手
方向が60°ずつ周期的に切り換る。具体的作製例で
は、ミキサ本体127bの長さを15mmとし、隣接す
るネック部NPの間隔を2.5mmとした。
た軸方向から見た形状を説明する図である。ネック部N
P2は、ネック部NP1に対して時計方向に60°回転し
て形成されており、ネック部NP3は、ネック部NP2に
対して時計方向に60°回転して形成される。この結
果、ミキサ本体127b内部の流路中CHでは、を試料
SAと溶離液SSとを含む液体が旋回するように断面形
状を変化させながら流動することになり、試料SAと所
定量の溶離液SSとを効率よく均一に混合することがで
きる。なお、実験的には、流路断面の長手方向の角度ず
れの単位を60°とすることで、溶離液SSと試料SA
の混合効率を高めることができ高い均一性が得られるこ
とが分かった。すなわち、隣接する断面長手方向の角度
ずれを第1実施形態のように90°とする場合から徐々
に減少させて効果を試したが、角度ずれを60°とした
場合に、分析において最もシャープなピークが得られ
た。
分析装置10としては、図1に示すような構造のものを
用いた。ただし、分離カラム29の一端29a側には、
第1実施形態のミキサ27でなく第2実施形態で説明し
たミキサ127を用いた。
分析における補助ミキサ25やミキサ127の効果を説
明するグラフである。図9は、補助ミキサ25やミキサ
127を特に設けない比較例であり、横軸はリテンショ
ンタイム(min)を示し、縦軸は強度を示す。この場
合、試料注入装置23から分離カラム29の一端29a
までの配管長は250mmとなっている。図10は、ミ
キサ127を設けた実施例の場合であり、試料注入装置
23から分離カラム29の一端29aまでの配管長は2
50mmとなっている。この場合、図9の比較例よりも
ピークがシャープになり、微小なピークが現れる。ま
た、図11は、補助ミキサ25のみを設けた場合であ
り、試料注入装置23から分離カラム29の一端29a
までの配管長は1000mmとなっている。この場合、
図9の比較例よりもピークがシャープになる。図12
は、補助ミキサ25及びミキサ127を設けた場合であ
り、試料注入装置23から分離カラム29の一端29a
までの配管長は1000mmとなっている。この場合、
図11の場合よりもさらにピークがシャープになり、微
小なピークが現れる。図13は、長めの補助ミキサ25
のみを設けた場合であり、試料注入装置23から分離カ
ラム29の一端29aまでの配管長は1500mmとな
っている。この場合、図11の比較例よりもさらにピー
クがシャープになる。図14は、長めの補助ミキサ25
及びミキサ127を設けた場合であり、試料注入装置2
3から分離カラム29の一端29aまでの配管長は15
00mmとなっている。この場合、図13の場合よりも
さらにピークがシャープになり、微小なピークが現れ
る。上記実施例では、溶媒Aとして10%アセトニトリ
ル水溶液にTFAを0.005%添加したものを用い、
溶媒BとしてアセトニトリルにTFAを0.005%添
加したものを用いた。また、分離カラム29に供給する
溶離液SSの流量を1.0ml/minとし、分離カラ
ム29の温度を40℃とし、試料SAの注入量を20μ
lとした。また、溶出液Sの検出には、240nmの紫
外吸収を用いた。
ことによって、メインピーク(リテンションタイム1
9.496min)に対し、相対リテンションタイム
0.98minにおけるピーク形状の分離及び改善が達
成されていることが分かる。また、上記メインピークの
面積値は、ミキサ127の装着の有無に関わらずほぼ等
しいが、ピークの高さがミキサ127を装着することに
よって約1.5倍となり、ピーク形状がシャープ化する
ことが分かる。その他のピークに関しても、ミキサ12
7を装着することによってピーク形状がシャープになっ
ており、補助ミキサ25の付加によってピークの高さが
さらに増加している。
に示す類縁物質に対応する標準物質の分析を説明するグ
ラフである。図16は、補助ミキサ25のみを設けた場
合であり、試料注入装置23から分離カラム29の一端
29aまでの配管長は1500mmとなっている。図1
7は、補助ミキサ25及びミキサ127を設けた場合で
あり、試料注入装置23から分離カラム29の一端29
aまでの配管長は1500mmとなっている。
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、ミキサ27、127の形状や寸法は、用途に応
じて適宜変更することができる。特にネック部NPの間
隔やずれ角を一定とする必要はなく、例えば不規則な間
隔でネック部NPを配置し、或いはずれ角を90°や6
0°に限らずランダムに設定することも可能である。
トニトリルで調整した場合について説明したが、他の溶
媒で調整した試料であっても、溶離液SSと親和性があ
れば上記実施形態と同様の効果が得られる。同様に、溶
離液SSの種類やグラジエント分析における組成変更の
レートも目的や用途に応じて適宜変更することができ
る。
に係る分析方法や分離方法等によれば、試料を分離カラ
ムの一端に充填する前に溶離液に拡散させることになる
ので、このような拡散によって得た混合液は、分離カラ
ムの入口部に安定した状態で充填され、近接するピーク
を有する成分を正確に分離、検出することができる。
分析装置を概念的に説明するブロック図である。
する図である。
ある。
である。
である。
である。
である。
である。
Claims (12)
- 【請求項1】液体クロマトグラフィを利用することによ
り、溶離液の組成を変化させつつ試料の成分を分析する
分析方法であって、 溶離液への試料の注入に際して、前記試料を前記溶離液
に拡散させる工程と、 前記溶離液に前記試料を拡散させた混合液を分離カラム
の一端に充填する工程と、 前記分離カラムの一端に溶離液を供給しつつ当該分離カ
ラムの他端から吐出された溶出液の成分を逐次検出する
工程とを備える分析方法。 - 【請求項2】前記試料を前記溶離液に拡散させる工程
で、流路の断面形状が流路に沿って変化する管状体を用
いて前記試料と前記溶離液とを混合することを特徴とす
る請求項1記載の分析方法。 - 【請求項3】前記管状体は、流路の断面形状が細長くな
っている複数のネック部を流路に沿って周期的に有する
とともに、隣接するネック部の断面長手方向を流路の延
びる方向の回りに所定角度単位で回転させていることを
特徴とする請求項2記載の分析方法。 - 【請求項4】前記所定角度は、60゜であることを特徴
とする請求項3記載の分析方法。 - 【請求項5】前記管状体は、円形断面の流路を有する直
管を軸方向に沿った周期的な位置で押しつぶすように変
形させることによって形成されることを特徴とする請求
項2から請求項4のいずれか記載の分析方法。 - 【請求項6】試料を注入した前記溶離液を、所定長以上
の延長管に通した後に、前記管状体に供給することを特
徴とする請求項2から請求項5のいずれか記載の分析方
法。 - 【請求項7】試料を注入した前記溶離液を、前記管状体
に供給した後に、所定長以上の延長管に通すことを特徴
とする請求項2から請求項5のいずれか記載の分析方
法。 - 【請求項8】液体クロマトグラフィを利用することによ
り、溶離液の組成を変化させつつ試料を成分に分離する
分離方法であって、 溶離液への試料の注入に際して、前記試料を前記溶離液
に拡散させる工程と、前記溶離液に前記試料を拡散させ
た混合液を分離カラムの一端に充填する工程と、 前記分離カラムの一端に溶離液を供給しつつ当該分離カ
ラムの他端から溶出液を吐出させる工程とを備える分離
方法。 - 【請求項9】液体クロマトグラフィ用の溶離液に試料を
注入するための注入装置側に連結される入口部と、 流路の断面形状が流路に沿って変化する管状体と、 溶離液を通過させつつ試料を成分に応じて分離するため
の分離カラム側に連結される出口部とを備えるミキサ。 - 【請求項10】前記管状体は、流路の断面形状が細長く
なっている複数のネック部を流路に沿って周期的に有す
るとともに、隣接するネック部の断面長手方向を流路の
延びる方向の回りに所定角度単位で回転させていること
を特徴とする請求項7記載のミキサ。 - 【請求項11】液体クロマトグラフィ用の溶離液に試料
を注入する注入装置と、 前記注入装置の出口側に接続されるとともに、前記試料
を前記溶離液に拡散させる拡散手段と、 前記拡散手段の出口側に接続され、前記溶離液とともに
一端に充填した試料を前記溶離液を通過させつつ成分に
応じて分離する分離カラムと、 当該分離カラムの他端から吐出された溶出液の成分を逐
次検出する検出手段とを備える分析装置。 - 【請求項12】前記拡散手段は、流路の断面形状が流路
に沿って変化する管状体を有することを特徴とする請求
項11記載の分析装置。
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- 2002-03-18 JP JP2002074555A patent/JP3913082B2/ja not_active Expired - Fee Related
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