JP2003270006A - 分流式流量測定配管ユニットおよびこれを用いた空調システム - Google Patents

分流式流量測定配管ユニットおよびこれを用いた空調システム

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JP2003270006A JP2002075095A JP2002075095A JP2003270006A JP 2003270006 A JP2003270006 A JP 2003270006A JP 2002075095 A JP2002075095 A JP 2002075095A JP 2002075095 A JP2002075095 A JP 2002075095A JP 2003270006 A JP2003270006 A JP 2003270006A
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flow rate
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Toru Aida
徹 合田
Hisashi Saito
久士 齋藤
Shoichi Nakai
章一 仲井
Kazuhide Shikamata
一秀 鹿又
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、配管内の流れを分流させるこ
とによって小口径の流量計で配管の流量を測定すること
ができる分流式流量測定配管ユニットを提供することに
ある。 【解決手段】本発明は、側面に流体の流れ方向に沿って
所定の間隔で二つの連通部10が設けられる主配管11
と、連通部10を介して主配管11に接続され、主配管
11の一方の連通部を経て主配管11の流体を分流した
のち、主配管11のもう一方の連通部を経て主配管11
に流体を合流させる、主配管11の管径よりも小さな管
径を有する分流管14と、分流管14に配設されて分流
管14の流れを測定する流量計17とを具備することを
特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管内の流れを分
流させることによって配管の流量を測定する分流式流量
測定配管ユニットおよびこれを用いた空調システムであ
って、特に、建物の空調負荷状態の変動に応じて熱媒流
量を可変制御する空調システムに好適な分流式流量測定
配管ユニットおよびこれを用いた空調システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】建物の空調設備では、安定かつエネルギ
ー効率の高い熱源制御の実現、あるいは、空調用エネル
ギー消費量の分析・評価等を目的として、各所で高精度
の熱媒流量測定が実施されている。熱媒流量を測定する
手段には、差圧式流量計、電磁流量計、超音波流量計、
渦流量計などの流量計が用いられる。
【0003】例えば、従来の一次・二次ポンプ方式によ
る空調システムでは、送水側管路および還水側管路を連
結するバイパス管に流量計が設けられており、バイパス
管内を流れる熱媒(冷水または温水)の状態(流量およ
び流れ方向)を常時計測することによって、熱源側(熱
源機)および負荷側(空調機)のエネルギー需給バラン
スを判断し、バイパス管流量=0を目標値とする冷温水
一次ポンプの流量制御が実施されている。
【0004】また、他の空調システムの例では、負荷側
の送水側管路と還水側管路に温度計、還水側管路に流量
計が設けられており、これらの計器の計測値を用いて、
負荷側におけるエネルギー消費量(熱量)を常時算出す
ることによって、需要に応じた安定的な熱源制御(熱源
機の台数制御や冷温水ポンプの回転数制御など)が実施
されている。なお、エネルギー消費量は、熱源制御用デ
ータとして利用されるだけではなく、建物全体を管理す
るビル管理用コンピュータシステムに定期的に取り込ま
れ、設備管理用データあるいは設備評価用データとして
活用される場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の一次ポンプ・二
次ポンプ方式による空調システムにおいて、バイパス管
には主に2つの重要な役割がある。1つは、空調負荷が
ある場合に、熱源側および負荷側のエネルギー需給バラ
ンスに関する情報を制御装置に提供することであり、も
う1つは、空調負荷が低い場合に、熱源機がその安定稼
働のために必要とする冷温水最低流量を常に確保できる
ようにすることである。大容量の熱源機が制御対象とな
る空調設備では、確保すべき冷温水最低流量が大きくな
るため、それに伴って必然的にバイパス管径やバイパス
管流量計の計測レンジも大きくなる。通常、流量計は、
口径や計測レンジが大きくなるほど高価になるため、熱
源機の容量が大きくなるほど、より高価な流量計を用い
なければならず、空調システムの導入コストが嵩む要因
となっていた。
【0006】一方、一次ポンプ方式による空調システム
では、負荷側流量に基づいて負荷側の空調負荷状態を判
断しているが、処理する空調負荷が大きい空調設備ほど
負荷側流量も大きくなるため、大規模な建物になるほ
ど、より大口径の流量計を使用せざるを得ず、同様に、
空調システムの導入コストが嵩む要因となっていた。
【0007】さらに、良好な精度の流量計測値を得るた
めには、流量計が取り付けられる配管上の位置の前後に
その口径に比例した長さの直管部を確保しなければなら
ないが、特に大容量の熱源機が制御対象となる場合は、
バイパス管や負荷側冷温水配管に大口径の流量計が設置
できるよう、設計・施工段階において、適切な流量計の
選定作業、配管ルートの確保や他機器の納まり等の煩雑
な検討作業が必要であるという問題点があった。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、高価な大口径流量計を用いる代わりに、配管内の流
れを分流させることによって小口径の流量計で配管の流
量を測定することができる分流式流量測定配管ユニット
を提供すること、および、この分流式流量測定配管ユニ
ットを利用することによって、安価な設計・施工コスト
で導入し得るととともに、建物の空調負荷状態の変動に
応じて熱媒流量を可変制御し、経済的かつ省エネルギー
効果の高い熱源制御を行い得る空調システムを提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の分流式流量測定配管ユニットは、両端に接続
部が設けられるとともに側面に流体の流れ方向に沿って
所定の間隔で二つの連通部が設けられる主配管と、前記
連通部を介して主配管に接続され、主配管の一方の連通
部を経て主配管の流体を分流したのち、主配管のもう一
方の連通部を経て主配管に流体を合流させる、主配管の
管径よりも小さな管径を有する分流管と、前記分流管に
配設されて分流管の流れを測定する流れ測定手段とを具
備することを特徴とするものである。
【0010】また本発明は、前記分流式流量測定配管ユ
ニットにおいて、主配管の流体を分流管に分流するよう
に連通部に主配管内に突出した突出部を設けることを特
徴とするものである。
【0011】また本発明は、前記分流式流量測定配管ユ
ニットにおいて、連通部における分流管の開口部とし
て、流体の上流側に比べて下流側を突出させた斜めに傾
斜させるように開口部を設けることを特徴とするもので
ある。
【0012】また本発明は、前記分流式流量測定配管ユ
ニットにおいて、連通部における分流管の開口部とし
て、流体の上流側に比べて下流側を突出させた段状の開
口部を設けることを特徴とするものである。
【0013】また本発明は、前記分流式流量測定配管ユ
ニットにおいて、一方の連通部における主配管内の流体
圧力ともう一方の連通部における主配管内の流体圧力に
差圧が生じるように両方の連通部間の主配管に狭い管路
部を設けることを特徴とするものである。
【0014】また本発明は、前記分流式流量測定配管ユ
ニットにおいて、流れ測定手段は流体の流量および流れ
方向を同時に計測することを特徴とするものである。
【0015】また本発明は、空調負荷を処理する負荷側
装置に熱源側装置から熱媒を供給するように熱媒を循環
供給させて建物の空調を行う空調システムであって、前
記記載の分流式流量測定配管ユニットを、負荷側装置へ
の熱媒送り側管路および負荷側装置からの熱媒還り側管
路を連結するバイパス管路に設けたことを特徴とするも
のである。
【0016】また本発明は、空調負荷を処理する負荷側
装置に熱源側装置から熱媒を供給するように熱媒を循環
供給させて建物の空調を行う空調システムであって、前
記記載の分流式流量測定配管ユニットを、負荷側装置へ
の熱媒送り側管路または負荷側装置からの熱媒還り側管
路に設けたことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態例を詳細に説明する。
【0018】図1(a)は本発明の実施形態例に係る分
流式流量測定配管ユニットを示す構成説明図である。
【0019】11は主配管であり、その両端には他の配
管への接続部となるフランジ12が設けられる。また、
主配管11の側面には、後述する分流管との連通部とし
て、管軸方向に平行して二つのサドル継手13が主配管
11から分岐するように設けられる。サドル継手13
は、例えば、一方の鍔状になった端部が全周にわたって
主配管11に溶接されるとともに、もう一方の端部は分
流管を接続可能とするためにネジ切り加工が施される。
【0020】14は分流管であり、2つのサドル継手1
3を介して主配管11に接続される。分流管14の管径
は、例えば50A(呼び径=50mm)であり、主配管
11と同一の管材とし、かつ、主配管11の管径よりも
小径とする。分流管14は直管部15およびエルボ部1
6を有し、直管部15には分流管14に対応する口径を
有する流量計17が設けられる。流量計17は、分流式
流量測定配管ユニットが使用される空調システムの種別
によって、流量のみならず分流管14内の流れが順流で
あるか逆流であるかが検知できるよう、流量および流れ
方向が同時に測定できるものが選定される場合と、流量
のみが測定できるものが選定される場合とがある。一次
・二次ポンプ方式の空調システムは前者に該当し、流量
計として電磁流量計または超音波流量計を用いるのが好
適となる。一方、一次ポンプ方式の空調システムは後者
に該当し、流量計として電磁流量計や超音波流量計の他
に、差圧式流量計や渦流量計など種々のものが利用でき
る。なお、流体が弁類やエルボ部を通過すると流速分布
が乱れ、下流側に設けられた電磁流量計の測定値に誤差
が生じる。これを防止するため、分流管には、流量計が
設置される箇所を起点として、上流側や下流側に所定長
の直管部長さが必要となる。電磁流量計が設置された分
流管では、流量計の上流側に、分流管管径の少なくとも
10倍の直管部長さが必要となる。したがって、例え
ば、一次・二次ポンプ方式の空調システムにおいて管径
が50Aの分流管を用いる場合は、順流時および逆流時
に対応できるよう、少なくとも1000mmの直管部長
さが必要となる。
【0021】この構造により、分流管14は、主配管1
1の一方のサドル継手13を介して主配管11の流体を
分流し、流体の流れ状態(流量および流れ方向)を計測
した後、主配管11のもう一方のサドル継手13を介し
て主配管11に流体を合流させることができる。
【0022】図1(b)は本発明の実施形態例に係る分
流式流量測定配管ユニットの主配管と分流管の連通部を
示す構成説明図である。すなわち、主配管11の流体を
確実に分流することができるよう、サドル継手13の一
方の端部を鍔状とする代わりに、サドル継手13の管端
部を管軸方向に対して斜めにあるいは段状に切断加工
し、主配管11内にその管端部の一部が突き出るように
各連通部10を構成しても良い。このとき、2つの連通
部10の対向する側の管端部が主配管11内に突き出る
ようにする。このように、主配管内の流れのガイド部材
として突出部を設けることにより、主配管の流量に応じ
て比例的に流れが分流管に導入されることになる。ま
た、一方の連通部における主配管内の流体圧力ともう一
方の連通部における主配管内の流体圧力に差圧が生じる
ように両方の連通部間の主配管に狭い管路部を設けるよ
うにしてもよい。
【0023】次に、本発明の分流式流量測定配管ユニッ
トを用いた空調システムの実施形態例について詳細に説
明する。
【0024】(1)一次・二次ポンプ方式 図2は本発明の実施形態例に係る空調システムを示す構
成説明図である。
【0025】図2において、冷温水発生機21は複数台
が並列して設けられ、それぞれに冷温水一次ポンプ2
2、冷却塔23、冷却水ポンプ24が対応して設けられ
る。冷温水一次ポンプ22および冷却水ポンプ24に
は、各々インバータINVが設けられる。25は空調
機、26は空調機25を流れる冷温水の流量を制御する
二方弁、27は冷温水二次ポンプである。30,31は
それぞれ冷温水発生機21からの冷水または温水を混合
させる往一次ヘッダ30、往二次ヘッダ31であり、3
2は冷温水発生機21へ戻る冷水または温水を混合させ
る還ヘッダである。バイパス管33は、往一次ヘッダ3
0および還水管34、または、往一次ヘッダ30および
還ヘッダ32を連結するように設けられる。配管系はこ
のバイパス管33を境として、冷温水発生機21等の熱
源機器が配置される熱源側と、空調機25等の負荷機器
が配置される負荷側に区分される。35は分流式流量測
定配管ユニットである。36は往二次ヘッダ31から空
調機25へ冷水または温水を送る送水管である。
【0026】この空調システムの通常制御動作は次のよ
うになる。すなわち、冷温水発生機21によって作られ
た冷水または温水は、冷温水一次ポンプ22により往一
次ヘッダ30へ圧送された後、冷温水二次ポンプ27に
より往二次ヘッダ31および送水管36を経由して空調
機25へ圧送される。空調機25に送られた冷水または
温水は、空調機25内の搬送空気と熱交換をした後、還
ヘッダ32および還水管34を経由して再び冷温水発生
機21に戻される。このようにして冷温水発生機21に
搬送された空調負荷は、冷却水回路の冷却水ポンプ24
および冷却塔23を介して外界へ排出される。このと
き、冷温水一次ポンプ22によって搬送される冷水また
は温水の流量と、冷温水二次ポンプ27によって搬送さ
れる冷水または温水の流量が平衡すると分流式流量測定
配管ユニット35の分流管14の流量は0となる。前者
の流量が後者の流量よりも大きい場合は、分流式流量測
定配管ユニット35には往一次ヘッダ30から還水管3
4へ向かう流れが形成され、反対に後者の流量が前者の
流量よりも大きい場合は、分流式流量測定配管ユニット
35には還水管34から往一次ヘッダ30へ向かう流れ
が形成される。
【0027】37は空調機25の負荷状態の変動に応じ
て冷温水一次ポンプ22や冷却水ポンプ24の最適な制
御を行う流量制御装置である。流量制御装置37には、
現在の運転状態や負荷状態を監視しデータとして取り込
む状態入力部38と、冷温水一次ポンプ22や冷却水ポ
ンプ24の制御信号を演算する流量制御演算部39と、
冷温水一次ポンプ22や冷却水ポンプ24に対する制御
信号を出力する制御出力部40が実装される。
【0028】空調システムの流量制御は図3に示すフロ
ーチャートのように実施される。すなわち、状態入力部
38において、各機器の運転状態や温度・流量等の負荷
状態に関する信号が周期的に入力・データ変換され、メ
モリ内の所定アドレスに格納される。次に、流量制御演
算部39では、状態入力部38からの入力信号に故障や
異常を示すデータがなければ、分流式流量測定配管ユニ
ット35の分流管流量設定値を目標値とするPID制御
によって最適な冷温水一次ポンプ22の制御出力が演算
される。分流管流量設定値は略0、好ましくは、送水温
度の安定性を考慮して往一次ヘッダ30から還ヘッダ3
2に向かう流れが若干生じる程度に設定される。ここ
で、冷却水ポンプ24の制御出力は、設計データを参照
して冷温水一次ポンプ22の制御出力に関する一次式と
してあらかじめ定義しておくことにより簡単に算出する
ことができる。一方、状態入力部38からの入力信号に
故障や異常を示すデータがある場合は、流量制御演算部
39では、異常の状態に対応した異常時対応制御が実施
される。なお、異常時対応制御には、例えば、冷温水送
水(または還水)温度異常に対応する送水(または還
水)温度補償制御、冷却水温度異常に対応する冷却水リ
ミット制御、流量不足に起因する流量制御異常に対応す
る流量制御解除制御、断線等のセンサー異常に対応する
センサー異常時制御などがある。そして、流量制御演算
部39によって演算された最新の制御出力は制御出力部
40へ出力され、冷温水一次ポンプ22や冷却水ポンプ
24に対する適切な制御信号が各機器に対して出力され
る。
【0029】(2)一次ポンプ方式 図4は本発明の他の実施形態例に係る空調システムを示
す構成説明図である。
【0030】図4において、冷温水発生機21は複数台
が並列して設けられ、それぞれに冷温水一次ポンプ2
2、冷却塔23、冷却水ポンプ24が対応して設けられ
る。冷温水一次ポンプ22および冷却水ポンプ24に
は、各々インバータINVが設けられる。25は空調
機、26は空調機25を流れる冷温水の流量を制御する
二方弁である。41は冷温水発生機21からの冷水また
は温水を混合させる往ヘッダであり、32は冷温水発生
機21へ戻る冷水または温水を混合させる還ヘッダであ
る。バイパス管33は、往ヘッダ41および還水管3
4、または、往ヘッダ41および還ヘッダ32を連結す
るように設けられ、バイパス管33にはバイパス管流量
を調整するバイパス弁42が設けられる。36は往ヘッ
ダ41から空調機25へ冷水または温水を送る送水管で
ある。配管系はこのバイパス管33を境として、冷温水
発生機21等の熱源機器が配置される熱源側と、空調機
25等の負荷機器が配置される負荷側に区分される。4
3は負荷側送水圧を測定する送水圧力計、44,35は
それぞれ負荷側冷温水配管(還水管34)に設けられた
分流式流量測定配管ユニット、バイパス管33に設けら
れた分流式流量測定配管ユニットである。なお、分流式
流量測定配管ユニットは負荷側冷温水配管(送水管3
6)に設けるようにしてもよい。
【0031】この空調システムは、空調負荷が高負荷で
あるか低負荷であるかによって制御動作が異なる。
【0032】空調負荷が高負荷状態となる場合、バイパ
ス弁42は全閉状態に制御されるとともに、空調機25
に供給される冷水または温水の量は冷温水一次ポンプ2
2の出力のみを変化させることにより可変制御される。
すなわち、冷温水発生機21によって作られた冷水また
は温水は、冷温水一次ポンプ22により往ヘッダ41お
よび送水管36を経由して空調機25へ圧送され、空調
機25内の搬送空気と熱交換をした後、還ヘッダ32お
よび還水管34を経由して再び冷温水発生機21に戻さ
れる。このようにして冷温水発生機21に搬送された空
調負荷は、冷却水回路の冷却水ポンプ24および冷却塔
23を介して外界へ排出される。
【0033】一方、空調負荷が低負荷状態となる場合
は、冷温水発生機21が冷温水流量不足に起因して異常
停止することがないように、冷温水一次ポンプ22は所
定の最低制御出力、例えば定格の50%出力に制御され
るとともに、空調機25に供給される冷水または温水の
量はバイパス弁42の開度のみを変化させることにより
可変制御される。すなわち、冷温水発生機21によって
作られた冷水または温水は、冷温水一次ポンプ22によ
り往ヘッダ41および送水管36を経由して空調機25
へ圧送され、同時に余剰の冷水または温水がバイパス管
33へ送られる。空調機25に送られた冷水または温水
は空調機25内の搬送空気と熱交換をした後、還ヘッダ
32および還水管34を経由して再び冷温水発生機21
に戻され、バイパス管33へ送られた冷水または温水は
負荷側と熱交換することなく還ヘッダ32および還水管
34を経由して再び冷温水発生機21に戻される。この
ようにして冷温水発生機21に搬送された空調負荷は、
冷却水回路の冷却水ポンプ24および冷却塔23を介し
て外界へ排出される。
【0034】45は空調機25の負荷状態の変動に応じ
て冷温水一次ポンプ22や冷却水ポンプ24やバイパス
弁42の最適な制御を行う流量制御装置である。流量制
御装置45には、現在の運転状態や負荷状態を監視しデ
ータとして取り込む状態入力部38と、空調機25の負
荷状態が高負荷状態にあるか低負荷状態にあるかを判定
する負荷状態判定部46と、高負荷時における冷温水一
次ポンプ22や冷却水ポンプ24やバイパス弁42の制
御信号を演算する高負荷制御演算部47と、低負荷時に
おける冷温水一次ポンプ22や冷却水ポンプ24やバイ
パス弁42の制御信号を演算する低負荷制御演算部48
と、冷温水一次ポンプ22や冷却水ポンプ24やバイパ
ス弁42に対する制御信号を出力する制御出力部40が
実装される。
【0035】空調システムの流量制御は図5に示すフロ
ーチャートのように実施される。すなわち、状態入力部
38において、各機器の運転状態や温度・流量等の負荷
状態に関する信号が周期的に入力・データ変換され、メ
モリ内の所定アドレスに格納される。続いて負荷状態判
定部46では、例えば状態入力部38を通じて取得した
還水管側分流式流量測定配管ユニット44の分流管流量
と所定の判定基準値とを比較することにより、負荷側の
負荷状態が高負荷であるか低負荷であるかが判定され
る。なお、所定の判定基準値には、運転中の冷温水発生
機21の定格時送水量QMAXに、係数aおよび負荷側
分流比b1を乗じた値を用いる。本実施形態例では、係
数aは0.6である。また、負荷側分流比b1は、例え
ば、還水管側分流式流量測定配管ユニット44の分流点
から合流点までの配管経路における主配管11および分
流管14の摩擦損失が等しいものとすれば、へーゼン・
ウィリアム公式を用いることにより、次式で定義するこ
とができる。
【0036】b1=(d/D)2.63 ここで、dは分流管の管径、Dは主配管の管径である。
【0037】還水管側分流式流量測定配管ユニット44
の分流管流量が所定値以上である場合は空調負荷が高負
荷状態にあると見なし、送水圧力設定値を目標値とする
PID制御によって最適な冷温水一次ポンプ22の制御
出力が演算される。冷却水ポンプ24の制御出力は、設
計データを参照して冷温水一次ポンプ22の制御出力に
関する一次式としてあらかじめ定義しておくことにより
簡単に算出することができる。なお、高負荷状態時で
は、バイパス弁42は全閉とする。ここで、送水圧力設
定値は分流管流量に関わらず一定(送水圧一定制御方
式)としても良く、また、対象熱源システムのポンプ特
性曲線や配管抵抗曲線に基づいて分流管流量と送水圧力
設定値の関係式をあらかじめ二次式で定義しておき、取
得した分流管流量をこの関係式に代入することにより容
易に求めるように(流量カスケード圧力制御方式)して
も良い。
【0038】一方、還水管側分流式流量測定配管ユニッ
ト44の分流管流量が所定値を下回る場合は空調負荷が
低負荷状態にあると見なし、バイパス管側分流式流量測
定配管ユニット35の分流管流量にバイパス分流比b2
の逆数を乗じた値、および、還水管側分流式流量測定配
管ユニット44の分流管流量に負荷側分流比b1の逆数
を乗じた値の合計値が流量設定値(目標値)となるよう
に、最適なバイパス弁開度がPID制御により演算され
る。バイパス分流比b2は、上述の負荷側分流比b1を
求める式において、還水管側分流式流量測定配管ユニッ
ト44の主配管11および分流管14を、それぞれ、バ
イパス管側分流式流量測定配管ユニット35の主配管1
1および分流管14に置きかえれば、同様の定義式で算
出することができる。なお、低負荷状態時では、冷温水
一次ポンプ22の制御出力を所定の最低制御出力に固定
する。これは、負荷状態に応じて無制限に冷温水一次ポ
ンプ22の制御出力を下げると冷温水流量が不足し、冷
温水発生機21が異常停止することを防止するためであ
る。バイパス弁42は、負荷側で必要としない余剰の冷
温水をバイパスする目的で操作される。
【0039】高負荷制御演算部47または低負荷制御演
算部48によって演算された最新の制御出力は制御出力
部40へ出力され、冷温水一次ポンプ22や冷却水ポン
プ24に対する適切な制御信号が各機器に対して出力さ
れる。なお、負荷変動に起因する高負荷状態と低負荷状
態の間の状態遷移を考慮するため、負荷側が高負荷状態
にあるときはバイパス弁42を確実に閉止する制御動作
を、また、負荷側が低負荷状態にあるときは冷温水一次
ポンプ22の制御出力を所定の最低制御出力に設定する
操作を必要に応じて実施する。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように本発明の分流式流量測
定配管ユニットによれば、高価な大口径流量計を用いる
代わりに、配管内の流れを分流させることによって小口
径流量計で配管の流量を測定することができるため、安
価な流量測定手段を提供することができる。また、分流
式流量測定配管ユニットは、接続部を介して他の配管に
接続するだけで据付作業が完了するため、現場施工時の
省力化に寄与できる。
【0041】また本発明によれば、この分流式流量測定
配管ユニットの分流管流量計測値に基づいて熱源機およ
び冷温水搬送装置の状態判定や制御を行うようにするた
め、熱源機の規模によらず、分流管の長さや流量計の口
径が一定となり、より安価な設計・施工コストで導入し
得る空調システムを提供することができる。さらに、建
物の空調負荷状態の変動に応じて熱媒流量を可変制御す
るため、経済的かつ省エネルギー効果の高い空調設備の
制御を行う空調システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態例に係る分流式流量
測定配管ユニットを示す構成説明図であり、(b)は本
発明の実施形態例に係る分流式流量測定配管ユニットの
主配管と分流管の連通部を示す構成説明図である。
【図2】本発明の実施形態例に係る空調システムを示す
構成説明図である。
【図3】本発明の実施形態例に係る空調システムの流量
制御を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態例に係る空調システムを
示す構成説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態例に係る空調システムの
流量制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 主配管 12 フランジ 13 サドル継手 14 分流管 15 直管部 16 エルボ部 17 流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01F 15/18 G01F 15/18 // F24F 5/00 101 F24F 5/00 101Z (72)発明者 仲井 章一 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目9番25号 ダイダン株式会社内 (72)発明者 鹿又 一秀 埼玉県入間郡三芳町北永井390番地 ダイ ダン株式会社内 Fターム(参考) 2F030 CB07 CC01 CC04 CF09 CF13 3L054 BF08 3L060 AA03 AA08 CC19 DD02 EE33 EE34 3L061 BA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端に接続部が設けられるとともに側面
    に流体の流れ方向に沿って所定の間隔で二つの連通部が
    設けられる主配管と、 前記連通部を介して主配管に接続され、主配管の一方の
    連通部を経て主配管の流体を分流したのち、主配管のも
    う一方の連通部を経て主配管に流体を合流させる、主配
    管の管径よりも小さな管径を有する分流管と、 前記分流管に配設されて分流管の流れを測定する流れ測
    定手段とを具備することを特徴とする分流式流量測定配
    管ユニット。
  2. 【請求項2】 主配管の流体を分流管に分流するように
    連通部に主配管内に突出した突出部を設けることを特徴
    とする請求項1に記載の分流式流量測定配管ユニット。
  3. 【請求項3】 連通部における分流管の開口部として、
    流体の上流側に比べて下流側を突出させた斜めに傾斜さ
    せるように開口部を設けることを特徴とする請求項2に
    記載の分流式流量測定配管ユニット。
  4. 【請求項4】 連通部における分流管の開口部として、
    流体の上流側に比べて下流側を突出させた段状の開口部
    を設けることを特徴とする請求項2に記載の分流式流量
    測定配管ユニット。
  5. 【請求項5】 一方の連通部における主配管内の流体圧
    力ともう一方の連通部における主配管内の流体圧力に差
    圧が生じるように両方の連通部間の主配管に狭い管路部
    を設けることを特徴とする請求項1に記載の分流式流量
    測定配管ユニット。
  6. 【請求項6】 流れ測定手段は流体の流量および流れ方
    向を同時に計測することを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか1項に記載の分流式流量測定配管ユニット。
  7. 【請求項7】 空調負荷を処理する負荷側装置に熱源側
    装置から熱媒を供給するように熱媒を循環供給させて建
    物の空調を行う空調システムであって、請求項1乃至6
    のいずれか1項に記載の分流式流量測定配管ユニット
    を、負荷側装置への熱媒送り側管路および負荷側装置か
    らの熱媒還り側管路を連結するバイパス管路に設けたこ
    とを特徴とする空調システム。
  8. 【請求項8】 空調負荷を処理する負荷側装置に熱源側
    装置から熱媒を供給するように熱媒を循環供給させて建
    物の空調を行う空調システムであって、請求項1乃至6
    のいずれか1項に記載の分流式流量測定配管ユニット
    を、負荷側装置への熱媒送り側管路または負荷側装置か
    らの熱媒還り側管路に設けたことを特徴とする空調シス
    テム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011013152A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Miyamoto Kogyosho Co Ltd 蓄熱式バーナの流量測定方法及び流量測定回路
CN107990949A (zh) * 2017-11-21 2018-05-04 武汉理工大学 一种基于光纤传感技术的管道气液体流量测量装置
CN111637933A (zh) * 2020-04-21 2020-09-08 安徽丹凤缘科技有限公司 一种低流动阻力的nb-iot物联网水表

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