JP2003269924A - 膜厚モニタリング装置および膜厚モニタリング方法 - Google Patents
膜厚モニタリング装置および膜厚モニタリング方法Info
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Abstract
0/4の整数倍に高精度で制御することを可能とするモ
ニタリング装置および方法を実現すること。 【解決手段】成膜室2内の基板3上に、ECRスパッタ
源4からのスパッタによって、誘電体膜を成膜する過程
において、光源5からの光を光ファイバ6を通して、基
板3に入射させ、基板3からの透過光を光ファイバ9を
通して分光器10に入力し、分光器10の出力である分
光スペクトルのデータを演算器11に入力し、λ0に対
応する波数κ0を中心として対称な低波数側波数領域と
高波数側波数領域の分光スペクトルの値をそれぞれの波
数領域において積分して得る2つの積分値の差F(特徴
量差)を用いて、前記誘電体膜の膜厚が、波長λ0を設
計波長とする多層膜の構成要素である誘電体膜の膜厚と
して適当であるか否かを判別することを特徴とする膜厚
モニタリング装置および方法を構成する。
Description
装置および膜厚モニタリング方法に関し、特に、光通信
装置や光学デバイスおよび半導体装置等に使用される多
層膜を形成する場合に使用される膜厚モニタリング装置
および方法に関する。
いての状況について述べる。
積み重ねて形成する多層膜は、眼鏡等のガラス上および
プラスチック上への無反射コーティング、ビデオカメラ
の色分解プリズム、各種光学フィルタ、発光レーザの端
面コーティング等に使用されている。
通信(DWDM通信)に用いる合波フィルタや分波フィ
ルタに応用されるようになってきた。多層膜の層数も数
十層から数百層と非常に多くなり、膜厚や膜質の均一性
もこれまで以上に高精度なものが要求されるようになっ
てきた。このような層数の多い多層膜を作製する際に
は、後述理由によって、実基板とは別の膜厚モニタリン
グ用のモニタ基板を実基板に接近させて設置し、そのモ
ニタ基板によって膜厚制御を行い、しかも、1つの多層
膜を作製するのに、モニタ基板を何回か新しいものと交
換しなければならないので、多層模作製の効率が低下す
るという問題があり、その問題を解決するために、多層
膜を堆積する実基板を、直接、膜厚モニタリングの対象
として膜厚制御を行いたいという要求が高まってきてい
る。
(H膜)と低屈折率膜(L膜)とを交互に重ねて一体化
したものであり、設計波長と呼ばれる光の波長λ0、H
膜の屈折率をnH、L膜の屈折率をnLとしたときに、
H膜の膜厚およびL膜の膜厚が、それぞれ、λ0/(4n
H)の整数倍およびλ0/(4nL)の整数倍に等しい、
という条件を満足するものである。多くの場合に、上記
の整数は1または2である。
例を示す。物理的膜厚に光学的屈折率を乗じた光学的膜
厚が設計波長λ0の2分の1つまりλ0/2(この場合
に、上記の整数は2である)となるようなキャビティ層
と呼ばれる層を、光学的膜厚がλ0/4の高屈折率膜と
低屈折率膜に相当する膜を交互に積層して形成した多層
膜で上下を挟んだ構造となっている。
基板を用い、高屈折率膜として屈折率が2.14のTa
2O5を、低屈折率膜とて屈折率が1.48のSiO2
を、キャビティ層に屈折率が1.48のSiO2を用
い、下層に高屈折率膜と低屈折率膜の対を21層、上層
に高屈折率膜と低屈折率膜の対を21層、その間にキャ
ビティ層を1層堆積した場合の透過率の波長依存性を示
す。この場合の設計波長λ 0は、1550nmとした。
mの赤外光領域と、500nmから550nmの可視光
領域の波長領域において非透過領域が存在することがわ
かる。それぞれの非透過領域には設計波長λ0に対応
し、半値幅が約0.1nmの非常に狭い透過領域が存在
する。
は、この半値幅が約0.1nmの非常に狭い透過領域を
光学フィルタとして用いるのであるが、このように層数
の非常に多い多層膜を成膜する場合には、成膜中の多層
膜を直接観察し、高屈折率膜の膜厚と低屈折率膜の膜厚
とを制御する方法が、成膜効率向上のために、極めて望
ましいとされている。
としては、単色測光法や二色測光法がある。しかし、い
ずれの方法も、層数が少ない場合には有効であるが、層
数が数十以上と非常に多い場合には、精度よく膜厚をモ
ニタすることは難しいという問題がある。
簡単に説明する。
成してゆく過程で、光学的膜厚dn(ここに、dは物理
的膜厚であり、nは膜の屈折率である)が、設計波長の
4分の1(λ0/4)の整数倍に相当するときに、透過
率または反射率の時間変化が極値をとることを利用す
る。たとえば、高屈折率膜と低屈折率膜を組み合わせて
多層膜を形成する場合、高屈折率膜の成膜中に設計波長
λ0の光を照射し、透過率または反射率を観察しなが
ら、その変化率が0になったときに成膜を停止する。こ
のときの膜厚は、(λ0/4)/(高屈折率膜の屈折率)
となり、高屈折率膜にとってλ0/4の光学的膜厚とな
る。続いて、低屈折率膜の成膜に切替えて、上記と同様
に設計波長λ0の光を照射しながら透過率または反射率
を観測し、その変化率が0になったときに成膜を停止す
る。このときの膜厚は、(λ0/4)/(低屈折率膜の屈折
率)となり、低屈折率膜にとってλ0/4の光学的膜厚
となる。この操作を順次繰り返すことによって、各屈折
率膜にとってλ0/4の多層膜を形成することができ
る。
基板を用い、高屈折率膜として屈折率が2.14のTa
2O5を用い、低屈折率膜として屈折率が1.48のS
iO2を用い、高屈折率膜と低屈折率膜の対を26層堆
積した場合の透過率の堆積膜厚依存性の計算結果を示
す。ただし、設計波長λ0は1550nmで、設計波長
に相当する波数κ0(κ0=1/λ0、以下これを設計
波数と呼ぶ)は6451cm−1で、波長分解能は赤外
分光器の一般的な値の3nmとした。光学的膜厚がλ0
であるTa2O5の膜厚はλ0/(Ta2O5の屈折率)
すなわち724nmであり、光学的膜厚がλ0/4であ
るTa2O5の膜厚は181nmとなり、光学的膜厚が
λ0であるSiO2の膜厚はλ0/(SiO2の屈折率)
すなわち1047nmであり、光学的膜厚がλ0/4で
あるSiO2の膜厚は261nmとなる。
に、設計波長λ0、すなわち、設計波数κ0=1/λ0
における透過率は、堆積膜厚が増加するに従って、高屈
折率膜の堆積で減少し、低屈折率膜の堆積で増加すると
いう周期的変化を示すが、層数が増加するにつれて透過
率は減少してゆき、10層以上で変化する割合が非常に
小さくなる。赤外分光器の測定分解能の限界、および、
赤外光領域における熱ノイズ(雑音)の影響により、極
値を観測することできるのは最大値の1%程度であり、
通常は、数%程度で信号/雑音比(S/N比)が取れなく
なってしまう。そのため層数15以上の多層膜におい
て、透過率が赤外分光器の安定測定範囲(図12に示
す)の限界に近づき、λ0/4の光学的膜厚を判定する
ことが困難となる。このことは、1枚のモニタ基板で精
度よくモニタリングできるのは、15層程度が限度であ
り、それ以上の多層膜を堆積するためには、膜厚モニタ
リング用基板を新しいものと交換する必要があることを
示している。
と同様に、層数の多い多層膜(たとえば、8層以上の多
層膜)を堆積するためには、膜厚モニタリング用基板を
新しいものと交換する必要がある。
波数に対して透過率または反射率の変化を示した場合、
上記光学的膜厚がλ0/4の整数倍のときに、分光スペ
クトルが、設計波数κ0を中心に対称となることを利用
する。設計波数κ0を中心として、等間隔離れた任意の
波数の対(たとえば、これらをκ1とκ2とし、これら
に対応する波長をλ1とλ2とする)について観測する
と、光学的膜厚がλ0/4になるごとにλ1、λ2の透
過率または反射率は等しくなる。従って、観測している
波長λ1とλ2の透過率または反射率が等しくなるたび
に、堆積する膜種を切替えて・高屈折率膜と低屈折率膜
を堆積することで、各屈折率膜にとってλ0/4の多層
膜を形成することができる。
47の石英とし、高屈折率膜として屈折率が2.15の
Ta2O5を、低屈折率膜として屈折率が1.48のS
iO2を用いた場合のある波長の対の透過率差の膜厚依
存性を図13に示す。ただし、設計波長λ0は1550
nmで、設計波数κ0は6451cm−1で、波長分解
能は3nmとした。ここでは波長の対を、図中に示すよ
うに、λ1:2188nm(κ1:4570c
m−1)、λ2:1200nm(κ2:8333cm
−1)とした。1層目から7層目までは、λ0/4のと
きに透過率差((λ1の透過率)−(λ2の透過率))
は周期的に変化し、透過率差が0となるのを観測するこ
とで膜厚を制御しながら多層膜を堆積することができ
る。しかしながら、7層目と8層目の堆積時に急激に透
過率差が小さくなると同時に透過率差が0にならず、膜
厚をモニタリングできなくなる。このことは、8層以上
の多層膜を形成するためには、モニタ基板交換しながら
層を堆積する必要があることを示している。
の伝送損失の関係で、主に1550nmを中心とした1
260nmから1675nmの赤外光領域で設計された
デバイスを用いる。そのため単色測光法と二色測光法と
もに赤外領域の測光で行われる。しかし、赤外分光器
は、一般的に熱ノイズの影響が大きく1nm以下の波長
分解能を得ることが困難である。より高い分解能が得ら
れるグレーティングを用いた測光方法は、測定速度が遅
く、かつ、駆動部を有するために長時間となる多層膜の
堆積の間、安定して測光することは難しい。また、CC
Dを用いた測光方法では、測定速度は高速だが、波長分
解能がCCDの素子分解能に支配されてしまい、1nm
以下の波長分解能を実現することは難しい。あえて高精
度でリアルタイムに測光できるシステムを作ったとして
も、かなり高価なものになっしまう。さらに、単色光で
あるレーザ光を用いて、基板を透過または反射した光強
度を用いた単色測光法や二色測光法を行っている例もあ
る。しかし、単色測光法では、原理的に多層膜が多くな
ればなるほど信号強度は落ちてゆくので、多層膜が25
層程度を越えるとモニタ基板を定期的に交換する必要が
ある。二色測光法でも、図13の様に定期的に信号が急
激に小さくなり、多層膜の総数が増えるとさらに高い測
定分解能を要求される。さらに、レーザ光を用いた場
合、JIS C6802(日本工業規格、レーザ製品の
安全基準)やIEC 60820(レーザ製品の国際基
準)に準拠する安全対策をする必要がある。
膜を作製する際の、従来の単色測光法による膜厚モニタ
リングにおいて、上記のように、層数が増加するにつれ
て透過率は減少して行き、層数15以上の多層膜におい
て、透過率が赤外分光器の安定測定範囲(図12に示
す)の限界に近づき、λ0/4の光学的膜厚を判定する
ことが困難となる。このことは、1枚のモニタ基板で精
度よくモニタリングできるのは、15層程度が限界であ
り、それ以上の多層膜を堆積するためには、膜厚モニタ
リング用モニタ基板を新しいものと交換する必要がある
ことを意味する。この様なモニタ基板の交換は、多層膜
作製効率の低下を招くので、多層膜作成上の問題とな
り、この解決が重要な課題となっている。
を作製する際の、従来の二色測光法による膜厚モニタリ
ングにおいては、たとえば図13に示したように、層数
が増加するにつれて減衰域の両端付近での透過率の変化
はほとんどなくなり、8層以上の層数では、この方式で
膜厚を制御することは難しく、これ以上の多層膜を形成
するためには、モニタ基板を交換しながら、層を堆積す
る必要があることがわかり、単色測光法の場合と同様
に、多層膜作製効率の低下を招くので、多層膜作成上の
問題となる。
基板交換の問題点や膜厚の均一性の高精度化の課題を解
決し、λ0を設計波長とする多層膜の光学的膜厚をλ0
/4の整数倍に高精度で制御することを可能とする膜厚
モニタリング装置および膜厚モニタリング方法を実現す
ることを目的とする。
に、本発明においては、請求項1に記載のように、基板
上に形成された波長λ0を設計波長とする多層膜の上に
重ねて形成された誘電体膜の膜厚をモニタリングする膜
厚モニタリング装置であって、光源と、前記光源からの
光を前記基板と前記多層膜と前記誘電体膜との合体物に
照射する光照射部と、前記照射によって生じる前記合体
物からの透過光または反射光を入力とし前記合体物の分
光スペクトルを出力する光測定部と、前記光測定部の出
力である前記分光スペクトルのデータから、前記設計波
長λ0に対応する設計波数κ 0を中心として対称の関係
にある低波数側波数領域と高波数側波数領域とにおける
前記分光スペクトルの値をそれぞれの前記波数領域にお
いて積分して得る2つの積分値の差を特徴量差として求
め、前記特徴量差を用いて、前記誘電体膜の膜厚が、波
長λ0を設計波長とする多層膜の構成要素である誘電体
膜の膜厚として適当であるか否かを判別する演算処理手
段とを有することを特徴とする膜厚モニタリング装置を
構成する。
のように、基板上に形成された波長λ0を設計波長とす
る多層膜の上に重ねて形成された誘電体膜の膜厚をモニ
タリングする膜厚モニタリング方法であって、前記基板
と前記多層膜と前記誘電体膜との合体物の分光スペクト
ルを測定し、前記設計波長λ0に対応する設計波数κ0
を中心として対称の関係にある低波数側波数領域と高波
数側波数領域とにおける前記分光スペクトルの値をそれ
ぞれの前記波数領域において積分して得る2つの積分値
の差を特徴量差として求め、前記特徴量差を用いて、前
記誘電体膜の膜厚が、波長λ0を設計波長とする多層膜
の構成要素である誘電体膜の膜厚として適当であるか否
かを判別することを特徴とする膜厚モニタリング方法を
構成する。
のように、波数κにおける前記合体物の透過率をT
(κ)とし、前記設計波数κ0よりも波数差xだけ大な
る波数κ0+xにおける透過率T(κ0+x)と、前記
設計波数κ0よりも波数差xだけ小なる波数κ0−xに
おける透過率T(κ0−x)との差を△T(x)とし、δ
κおよびΔκを0≦δκ<Δκを満足する定数とし、△
T(x)を、区間 δκ≦x≦Δκ内で、xに関して積分
して得る積分値Fを前記特徴量差とし、Fが測定と計算
に起因する誤差の範囲内において0に等しいか否かによ
って、前記誘電体膜の膜厚が、波長λ0を設計波長とす
る多層膜の構成要素である誘電体膜の膜厚として適当で
あるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載
の膜厚モニタリング方法を構成する。
の問題点や膜厚や膜質の均一性の高精度化の課題を解決
し、λ0を設計波長とする多層膜の光学的膜厚をλ0/
4の整数倍に制御することを可能とする膜厚モニタリン
グ装置および膜厚モニタリング方法を実現することがで
きる。
び方法が、従来の単色測光法と二色測光法と大きく異な
る点は、膜厚モニタリングに用いる光の波長と演算であ
る。すなわち、従来の単色測光法においては設計波長λ
0を用いているのに対し、本発明においては、設計波長
λ0に対応する設計波数κ0を中心に適度な波数だけ離
れた対称となる波数領域における透過光または反射光の
分光スペクトルの、低波数側のスペクトルと高波数側の
スペクトルの特徴の差を表す特徴量差Fを算出し、この
特徴量差を膜厚モニタリングに用いる。
長を挟んだ固定された2つの波長対を用いているのに対
し、本発明においては、設計波長λ0に対応する設計波
数κ 0を中心に適度な波数だけ離れた対称となる波数領
域における透過光または反射光の分光スペクトルの、低
波数側のスペクトルと高波数側のスペクトルの特徴の差
を表す特徴量差Fを算出し、この特徴量差を膜厚モニタ
リングに用いる。
長λ0を設計波長とする多層膜の上に重ねて形成された
誘電体膜の膜厚をモニタリングする膜厚モニタリング装
置であって、光源と、前記光源からの、光を前記基板と
前記多層膜と前記誘電体膜との合体物に照射する光照射
部と、前記照射によって生じる前記合体物からの、透過
光または反射光の分光スペクトルを測定する光測定部
と、前記分光スペクトルのデータから、前記設計波長λ
0に対応する設計波数κ0を中心に、適度な波数だけ離
れた対称となる波数領域における低波数側のスペクトル
と高波数側のスペクトルの透過率または反射率の積分値
の差を用いて、前記誘電体膜の膜厚が、波長λ0を設計
波長とする多層膜の構成要素である誘電体膜の膜厚とし
て適当であるか否かを判別する演算処理手段とを有する
ことを特徴とする膜厚モニタリング装置を構成する。こ
こで、「誘電体膜の膜厚が、波長λ0を設計波長とする
多層膜の構成要素である誘電体膜の膜厚として適当であ
るか否か」は、その誘電体膜の光学的膜厚(屈折率×膜
厚)がλ0/4の整数倍に、測定と計算に起因する誤算
の範囲内で、等しいか否かを意味する。
れた波長λ0を設計波長とする多層膜の上に重ねて形成
された誘電体膜の膜厚をモニタリングする膜厚モニタリ
ング方法であって、前記基板と前記多層膜と前記誘電体
膜との合体物の分光スペクトルを測定し、前記設計波長
λ0に対応する設計波数κ0を中心として対称の関係に
ある低波数側波数領域と高波数側波数領域とにおける前
記分光スペクトルの値をそれぞれの前記波数領域におい
て積分して得る2つの積分値の差を特徴量差として求
め、前記特徴量差を用いて、前記誘電体膜の膜厚が、波
長λ0を設計波長とする多層膜の構成要素である誘電体
膜の膜厚として適当であるか否かを判別することを特徴
とする膜厚モニタリング方法を構成する。この、本発明
に係る膜厚モニタリング方法は、上記の、本発明に係る
膜厚モニタリング装置によって実行することができる。
ングステンランプ等が用いられる。上記の、光源からの
光を上記合体物に照射する光照射部としては、光ファイ
バを用いることができる。光ファイバは、上記合体物か
らの透過光または反射光を上記の光測定部に導く手段と
しても用いられる。
る。この分光器は、上記合体物の赤外光における分光ス
ペクトル(分光器への入力が透過光である場合には分光
透過スペクトル、入力が反射光である場合には分光反射
スペクトル)を測定する。
ソナルコンピュータ等の演算器を用いることができる。
この演算処理手段によって、上記の光測定部の出力であ
る、分光スペクトルのデータは、あらかじめ取得し記憶
されている参照データで規格化されて、透過率または反
射率の分光スペクトルデータに変換される。ただし、前
記の分光器が透過率または反射率の分光スペクトルを出
力する場合には、この変換は不要である。
長の観測による膜厚モニタリングではなく、分光スペク
トルの特徴量差を用いて、単層膜および多層膜の膜厚モ
ニタリングを行うことができる。この場合、層数の多い
多層膜だけでなく、単層膜を含む層数が少ない多層膜の
膜厚モニタリングを高精度で行うことができる。
層膜や多層膜の成膜装置内に組み込まれて使用された場
合に、その効果を発揮する。
に波長λ0を設計波長とする多層膜が形成される成膜工
程中、上記の誘電体膜に該当する最上層の高屈折率膜
(H層)または低屈折率膜(L層)およびキャビティ層
(C層)の膜厚が膜厚モニタリング装置によってモニタ
リングされ、その膜厚が適当であると判断された時点
で、その膜の成膜は停止され、他の膜種の成膜が開始さ
れるか、または、多層膜成膜工程が終了する。
なお、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸
脱しない範囲で主旨の変更あるいは改良を行い得ること
は言及するまでもない。
例を示す。本実施例において、本発明に係る膜厚モニタ
リング装置は成膜装置1と組み合わせて設置される。成
膜装置1は、基板3上に膜物質をスパッタするECRス
パッタ源4を有し、これによって、基板3上に多層膜の
成膜を行う。本発明に係る膜厚モニタリング装置は、光
源5と、光源5が発する光を成膜装置1に導く光ファイ
バ6と、光ファイバ6が出射する光を成膜室内に導入
し、基板3に照射するための真空封止窓7と、基板3お
よびその上の多層膜を透過した光を分光器10に導くた
めの真空封止窓8および光ファイバ9と、基板3および
その上の多層膜を透過した光を入力とし基板3およびそ
の上の多層膜の合体物の分光透過スペクトルを出力する
分光器10と、前記多層膜の設計波長λ0に対応する設
計波数κ0を対称の中心として位置する低波数側波数領
域と高波数側波数領域との間の分光スペクトル値の各波
数領域内での積分値の差である特徴量差を算出し、前記
特徴量差を用いて、前記誘電体膜の膜厚が、波長λ0を
設計波長とする多層膜の構成要素である誘電体膜の膜厚
として適当であるか否かを判別する演算処理手段である
演算器11とを構成要素とする。光ファイバ6と真空射
止窓7とが請求項1に記載の「光照射部」を構成し、基
板3およびその上の多層膜の合体物が請求項1に記載の
「合体物」に該当し、分光器10が請求項1に記載の
「光測定部」に該当する。
鳴スパッタ(ECRスパッタ)装置4を図に示している
が、言及するまでもなく、他の成膜装置、例えば、高周
波バイアススパッタ装置(RFバイアススパッタ装
置)、マグネトロンスパッタ装置、抵抗加熱蒸着装置、
プラズマ化学気相堆積装置(プラズマCVD装置)、分
子線ビーム成長装置(MBE装置)、原子層成長装置
(ALE装置およびALD装置)、有機金属熱分解堆積
装置(MOCVD装置)等を用いても良い。
の透過スペクトルを測定できるように、基板3に対して
斜めにECRスパッタ源4を配置してある。基板3上で
の膜の均一性を向上するために基板3を成膜中に回転で
きる構造とした。
いて、基板3上にECRスパッタ源4からのスパッタに
よって誘電体膜(H膜、L膜)が形成され、光源5から
の光は、光ファイバ6を通り、成膜装置1の真空封止窓
7を通って、基板3に垂直に入射し、基板3を透過した
光は真空封止窓8を通り、光ファイバ9を通って、分光
器10に入り、分光器10によって透過光の各波長にお
ける強度が計測され、その測定値から上記合体物の分光
スペクトル(この場合には分光透過スペクトル)が求め
られ、出力される。分光器10の出力である透過スペク
トルのデータが演算器11に入力される。この場合に、
成膜中のH層またはL層が請求項1および2に記載の
「誘電体膜」に該当する。
ロゲンランプを用いているが、赤外領域に対する発光強
度の安定性がある程度得られ、安価に光源を得ることが
できる。また、ハロゲンランプよりも高い発光強度が得
られるキセノンランプなども使用できる。
ために、また、透過光を分光器10に導くために、光フ
ァイバ6、9を用いているが、反射ミラーやハーフミラ
ー等を用いた光学系を用いてもよい。
は、ANSI標準のI/Oバスである小規模コンピュー
タシステムインターフェイス(SCSI)を使用して演
算器11にデータ転送を行った。演算器11としては、
汎用のパーソナルコンピュータを用いているが、専用の
演算回路を有する装置を作製して使用しても良い。ま
た、インターフェイスもSCSIに限定するものではな
く、シリアル、USB、IEEE1394、光ファイバ
ーリンク等の方法でも良い。転送されたデータは、演算
器11上で成膜前に取得した参照データで規格化され、
これによって、前記合体物の透過率のスペクトルが得ら
れる。ただし、分光器10が透過率スペクトルを算出す
る機能を有する場合には、このような規格化は必要な
い。
トルを用いて、差分法や積分法などの数値処理を行うこ
とにより、成膜中の膜の膜厚が、多層膜の構成要素であ
る膜の膜厚として適当であるか否かを判別し、その判別
結果によって膜厚制御(成膜を続けるか、膜種を切替え
るか、等)を行うための信号を出力する。
の一例を以下に説明する。
とし、高屈折率膜として屈折率が2.14のTa
2O5、低屈折率膜として屈折率が1.48のSiO2
を用い、下層に高屈折率膜と低屈折率膜の対を21層、
上層に高屈折率膜と低屈折率膜の対を21層、その間に
キャビティ層1層堆積した場合の設計波長λ0に当たる
波数付近の透過率の波長依存性を示す。ただし、設計波
長λ0は1550nm(設計波数κ0は6451cm
−1)である。測定に使用した光の波長範囲は、設計波
長λ0を含む1100nmから2500nmの範囲であ
り、波長分解能は3nmとした。図の横軸は波数で示し
た。本実施例では、高屈折率膜としてTa2O5、低屈
折率膜としてSiO2を用いているが、他の膜種の組み
合わせても同様の効果が得られる。
24nmであり、光学的膜厚λ0/4に相当する膜厚は
181nmとなり、光学的膜厚λ0のSiO2の膜厚
は、1047nmであり、光学的膜厚λ0/4に相当す
る膜厚は261nmとなる。
00nmから2500nmの赤外光領域の波長に対応す
る波数において設計波数を含んだ非透過領域(ただし、
この非透過領域内の設計波数に対応する波長が光フィル
タとして用いる透過領域となる)が存在し、その両側に
対称的にサブピークが形成されていることがわかる。薄
膜の光学膜厚がλ0/4の整数倍をなすときにみられる
設計波長κ0を中心とする対称性は、次の光の原理式よ
り導かれる。
基板上に、透明な屈折率n1の光学媒質膜をd1の膜厚
で形成した場合を考える。この光学媒質膜に光が入射し
たときの境界面での反射を考慮すると、下記(式1)の
ような行列の等式で特性マトリックス(M)を定義する
ことができる。ただし、入射する光の波長はλとし、入
射角は入射面の法線に対しθであり、r=(n1)・c
os(θ)、iは虚数単位を示すものである。
反射率係数および透過率係数を求めることができる。
λの逆数、つまり、波数κの関数であることがわかる。
今、波長λの光が、膜面に対して垂直に入射し入射角θ
が0のときを考える。(n1)・(d1)の積が、光の波
長λの1/4の整数倍(λ/4やλ/2など)の場合に、
βはπ/2の整数倍となり、cos(β)やsin(β)
の絶対値が0または1となり、結果的に大きな反射率や
大きな透過率が得られる条件となる。この条件下で、
(n1)・(d1)=λ/4となるλを設計波長λ0とし、
λ0に相当する波数を設計波数κ0とすることができ
る。(式2)より、βは、波長λの逆数つまり波数κの
関数であるため、(n1)・(d1)/λが1となる設計波
長λ0(設計波数κ0)を中心とした、透過率または反
射率の対称性がみられることになる。
定数△κだけ離れた対称となる2波数までの領域を考え
る。これらの2波数のうち低波数側をκ1とし、高波数
側をκ2とすると、κ0とκ1、κ2には、次のような
関係がある。
らκ2までの波数領域における誘電体膜の屈折率が一定
であると見なせるような値であることが好ましい。ま
た、△κの値は、1つの誘電体膜の膜厚をモニタリング
する過程においては定数でなければならないが、すでに
形成されている多層膜の層数に応じて、適宜選択された
ものであってもよい。
0/4の整数倍をなすときには、分光透過スペクトル
は、設計波数κ0に対して対称になる。しかし、多層膜
のある層を成膜している途中では、膜厚がλ0/4の整
数倍にならないために、図7の様に、上記スペクトルは
非対称になってしまう。この波数に対する透過率の関係
は、波数に対するある特徴の関係とみることができる。
で折り返し、高波数側の波形と重ねると、それぞれの波
数において低波数側の波形と高波数側の波形の差を求め
ることができる。T(κ)を波数κにおける透過率と
し、低波数側の特徴量をF1、高波数側の特徴量を
F2、さらにF1とF2との差をFとすると、F1、F
2及びFは波数領域 κ1≦x≦κ2 内のxの微小変位
dxを用いて、それぞれ次式で表すことができる。
れた対称となる領域において低波数側の特徴と高波数側
の特徴の差を表しているとも言える。そのため、Fをx
に対する特徴量差と呼ぶことにする。
る。その一例として、次式のように透過率差△T(κ)
を求めて積分する方法がある。すなわち、 △T(x)= T(κ0+x)− T(κ0−x) (式5) で表される△T(x)をxに対して、波数領域 0≦x≦
△κ内で積分することによって、
(式6)においては、積分値を、実際には、有限複数個
の微小長さ△xの区間についての総和として求める意味
において、積分記号の代りに総和記号(Σ)を用いてい
る。(式6)は(式4)から容易に導くことができる。
示した領域F1’、F2’、F3’、F4’、F5’、
F6’、F7’の面積(それぞれ、領域と同じ記号で表
す)の和としても表現できる。すなわち、 F = F1'+F2'+F3'+F4'+F5'+F6'+F7' (式7) ただし、領域F1’、F3’、F4’、F6’は、△T
(x)が正である領域であり、これらの領域の面積は正
であるとし、領域F2’、F5’、F7’は、△T
(x)が負となる領域であり、これらの領域の面積は負
であるとする。このような特徴量差Fの計算法は、(式
6)において、積分(実際には総和)の下限を、0では
なく、0<δκ<△κを満足する、或る定数δκで置き
換えて計算すること、すなわち、積分区間をδκ≦x≦
△κとして積分計算を行うことに相当する。
δκ内で△T(x)=0であるように選ばれているの
で、(式7)で計算されるFの値は、(式6)で計算さ
れるFの値に等しくなる。
られる特徴量差Fは、このようにして計算されるものに
限らず、単に0<δκ<△κを満足する定数δκを総和
の下限として、(式6)によって計算されるものであっ
てもよい。
出するための積分区間は複数個であってもよい。たとえ
ば、上記の領域F2’、F5’、F7’に対応する波数
差xの区間を、それぞれ、δκ2≦x≦△κ2、δκ5
≦x≦△κ5、δκ7≦x≦△κ7とし、Fの値とし
て、△T(x)をこれらの区間において積分して得る値
の総和を用いてもよい。このように、複数の積分区間を
適当に選ぶことによって、分光スペクトルの非対称性が
Fに強く現われるようにし、膜厚モニタリングの精度を
高めることができる。このような、複数の積分区間を用
いて(式6)によってFの値を算出する方法は、請求項
1および2において、低波数側波数領域と高波数側波数
領域とが、それぞれ、複数の積分区間からなる場合の特
徴量差の算出方法に相当する。
△κなど)は、1つの誘電体膜の膜厚をモニタリングす
る過程においては定数でなければならないが、すでに形
成されている多層膜の層数に応じて、適宜選択されたも
のであってもよい。
的膜厚がλ0/4の整数倍をなすときには、0となる。
すなわち、 F = 0 (式8) が成り立つ。
の層の光学的膜厚がλ0/4の整数倍をなしていないと
きには、0に等しくない。すなわち、 F ≠ 0 (式9) が成り立つ。
Fを常に計算し、(式8)のように、特徴量差Fが、測
定と計算に起因する誤差の範囲内において0に等しくな
ったときに成膜を停止すれば、膜厚をλ0/4の整数
倍、すなわち、多層膜の構成要素である誘電体膜の膜厚
として適当な値に制御することが可能となる。
タリング装置および方法を用いて、各層の膜厚を正確に
制御しながら、多層膜を作製することができる。この特
徴量差Fは、誘電体膜の膜厚により大きく変化するため
に、S/N比よく膜厚を制御することができる。
とし、高屈折率膜として屈折率が2.14のTa
2O5、低屈折率膜として屈折率が1.48のSiO2
を用い、下層に高屈折率膜と低屈折率膜の対を21層、
低屈折率膜のキャビティ層を1層、上層に高屈折率膜と
低屈折率膜の対を20層成膜し、その上に1層を堆積す
るときの(式7)から求めた特徴量差Fと成膜堆積度
(光学的膜厚がλ0/4のときに1とする)との関係を
示す。ただし、設計波長λ0は1550nm(設計波数
κ 0は6451cm−1)である。特徴量差Fを求めた
波数領域は、0≦設計波数κ0と波数との差の絶対値≦
1800cm−1であり、波長分解能は3nmとした。
図より、はじめ0であった特徴量差Fは、膜厚が増加す
るに従って増加し、半分程度膜厚が堆積するころから減
少し、λ0/4で0となる。このように、特徴量差F=
0で成膜を停止することで、膜厚をλ0/4の整数倍に
できることがわかる。
ものとして示したが、実際には、誘電体の屈折率には波
長依存性が存在し、その程度によっては、設計波長λ0
からはずれた多層膜が形成される場合がある。このよう
な場合には、あらかじめ誘電体の屈折率の波長依存性を
分光エリプソメータ等で測定し、その数値を基に、シミ
ュレーションによる事前比較を実施して、その結果を実
際の成膜停止時点の決定に反映することで、設計波長λ
0の多層膜を得ることができる。
ゆくにしたがい不規則に変化してゆく。そのため、通常
の二色測光法のように波長が固定されている場合は、信
号の変化が非常に小さくなる層が存在し、赤外分光器の
波長分解能と測定感度が大きくないために、全層にわた
って精度良く測定することはできない。これに対して、
本発明のように、特徴量差Fを用いれば、そのような困
難無しに、精度の高い膜厚制御か可能となる。
κ0を中心とする低波数側と高波数側の特徴の差をみる
ことから、多層成膜の初期堆積段階からでも精度のよい
膜厚モニタリングが可能となる。
て、高波数側の波形から低波数側の波形を引くような形
式をとっていたが、低波数側の波形から高波数側の波数
を引くようにしても、特徴量差Fの符号が変わるだけ
で、効果は変化しない。
して透過率スペクトルに変換するための参照光を成膜途
中で定期的に取得できるように、光源からの光を2分岐
光ファイバ12と切替器13により直接分光器に取り込
める構成を示す。この構成を用いることで長時間の成膜
を行う場合でも、光源の出力を定期的に測定して、その
変動の影響を除去する構成とすることができるため、よ
り正確な分光透過率の測定が可能となる。
発明の実施例を示す。本実施例は、基板3上に成膜を行
うECRスパッタ源4を構成要素とする成膜装置1、基
板3に光を投光するための光源5、光投光用光ファイバ
6と光を成膜室1内に導入するための真空封止用窓7を
含む投光部、多層膜を堆積する基体となり適当な反射率
を示す基板3と、基板3で反射した光を分光器10に導
くためのハーフミラー14と光ファイバ9を含む受光部
と、受光部で受けた光を分光反射率スペクトルとして測
光する光測定部である分光器10と、分光反射率スペク
トルから特徴量差Fを計算する演算処理をする演算処理
手段である演算器11とからなる。
基板3上への成膜でも膜厚モニタリングが可能となる。
リコン基板上に、高屈折率膜として屈折率が2.14の
Ta2O5、低屈折率膜として屈折率が1.48のSi
O2を用い、下層に高屈折率膜と低屈折率膜の対を21
層、上層に高屈折率膜と低屈折率膜の対を21層、その
間にキャビティ層を1層堆積した場合を例にして、本発
明の膜厚モニタリング動作を説明する。
5、低屈折率膜としてSiO2を用いているが、他の膜
種の組み合わせでも同様の効果が得られる。
(κ)は、透過率T(κ)と次のような関係がある。
らの反射光から求められる。(式10)で求められるT
(κ)について波数κにおける透過率の波長依存性を示
すと図5になる(ただし、図の横軸は波数とする)。透
過率T(κ)が求められれば、(式4)より特徴量差F
を求めて、実施例1と同様な手順で膜厚の制御が可能と
なる。
量差Fを算出しても、Fの符号が変わるだけであるか
ら、本発明の目的は上記と同様に達成される。
ゆくにしたがい不規則に変化してゆく。そのため、通常
の二色測光法のように波長が固定されている場合は、信
号の変化が非常に小さくなる層が存在し、赤外分光器の
波長分解能と測定感度が大きくないために、全層にわた
って精度良く測定することはできない。これに対して、
本発明のように、特徴量差Fを用いれば、そのような困
難無しに、精度の高い膜厚制御か可能となる。
κ0を中心とする低波数側と高波数側の特徴の差をみる
ことから、多層成膜の初期堆積段階からでも精度のよい
膜厚モニタリングが可能となる。
率分光スペクトルに変換するための参照光を成膜途中で
定期的に取得できるように、光源からの光を2分岐光フ
ァイバ12と切替器13により直接分光器に取り込める
構成を示す。この構成を用いることで長時間の成膜を行
う場合でも、光源の出力を定期的に測定して、その変動
の影響を除去する構成とすることができるため、より正
確な測定が可能となる。
は、分光器で測定した透過率や反射率に様々なノイズが
載っており、このノイズが膜厚モニタリングの精度を落
とす可能性がある。そのために、測定した信号光に対し
て、平滑化をかけてノイズの影響を低減することによっ
て膜厚モニタリングの精度を向上させる方法が知られて
いる。この平滑化の方法によっては、得られた信号の特
徴量差Fをノイズに比べて顕著にし、モニタリング精度
を向上させることが可能である。これは、平滑化によっ
て信号を抽象化して特徴を顕著化させることができるか
らである。
平滑化を実施したものである。図に見られるように、平
滑化をかけることで、測定時のノイズを除去することが
できた。
数κ0を中心に、適度な波数だけ離れて対称となる2つ
の波数領域において低波数側の特徴と高波数側の特徴の
差を表す特徴量差Fを算出し、この特徴量差Fが0とな
る時を検知して、成膜を停止することで、膜厚をλ0/
4の整数倍に制御でき、非常に簡便に、層数が少ない多
層膜から層数が多い多層膜までも、膜厚を正確にモニタ
リングすることができる。また、直接、成膜基板を測定
対象とすることができるため、モニタ基板の交換が不要
で、迅速に精度よく多層膜を形成することができる。
する多層膜の光学的膜厚をλ0/4の整数倍に高精度で
制御することを可能とするモニタリング装置および方法
を実現することができる。
に、2分岐光ファイバと切換器を用いた構成を示す図で
ある。
に、2分岐光ファイバと切換器を用いた構成を示す図で
ある。
合の波数の透過率の波数依存性を示す図である。
である。
い場合の波数の透過率の波数依存性を示す図である。
膜厚依存性を示す図である。
い場合の波数の透過率の波数依存性を示す図である。
示す図である。
クトルを示す図である。
示す図である。
示す図である。
ッタ源、5…光源、6…光ファイバ、7、8…真空封止
窓、9…光ファイバ、10…分光器、11…演算器、1
2…2分岐光ファイバ、13…切替器、14…ハーフミ
ラー。
Claims (3)
- 【請求項1】基板上に形成された波長λ0を設計波長と
する多層膜の上に重ねて形成された誘電体膜の膜厚をモ
ニタリングする膜厚モニタリング装置であって、光源
と、前記光源からの光を前記基板と前記多層膜と前記誘
電体膜との合体物に照射する光照射部と、前記照射によ
って生じる前記合体物からの透過光または反射光を入力
とし前記合体物の分光スペクトルを出力する光測定部
と、前記光測定部の出力である前記分光スペクトルのデ
ータから、前記設計波長λ0に対応する設計波数κ 0を
中心として対称の関係にある低波数側波数領域と高波数
側波数領域とにおける前記分光スペクトルの値をそれぞ
れの前記波数領域において積分して得る2つの積分値の
差を特徴量差として求め、前記特徴量差を用いて、前記
誘電体膜の膜厚が、波長λ0を設計波長とする多層膜の
構成要素である誘電体膜の膜厚として適当であるか否か
を判別する演算処理手段とを有することを特徴とする膜
厚モニタリング装置。 - 【請求項2】基板上に形成された波長λ0を設計波長と
する多層膜の上に重ねて形成された誘電体膜の膜厚をモ
ニタリングする膜厚モニタリング方法であって、前記基
板と前記多層膜と前記誘電体膜との合体物の分光スペク
トルを測定し、前記設計波長λ0に対応する設計波数κ
0を中心として対称の関係にある低波数側波数領域と高
波数側波数領域とにおける前記分光スペクトルの値をそ
れぞれの前記波数領域において積分して得る2つの積分
値の差を特徴量差として求め、前記特徴量差を用いて、
前記誘電体膜の膜厚が、波長λ0を設計波長とする多層
膜の構成要素である誘電体膜の膜厚として適当であるか
否かを判別することを特徴とする膜厚モニタリング方
法。 - 【請求項3】波数κにおける前記合体物の透過率をT
(κ)とし、前記設計波数κ0よりも波数差xだけ大な
る波数κ0+xにおける透過率T(κ0+x)と、前記
設計波数κ0よりも波数差xだけ小なる波数κ0−xに
おける透過率T(κ0−x)との差を△T(x)とし、δ
κおよびΔκを0≦δκ<Δκを満足する定数とし、△
T(x)を、区間 δκ≦x≦Δκ内で、xに関して積分
して得る積分値Fを前記特徴量差とし、Fが測定と計算
に起因する誤差の範囲内において0に等しいか否かによ
って、前記誘電体膜の膜厚が、波長λ0を設計波長とす
る多層膜の構成要素である誘電体膜の膜厚として適当で
あるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載
の膜厚モニタリング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002075524A JP3737442B2 (ja) | 2002-03-19 | 2002-03-19 | 膜厚モニタリング装置および膜厚モニタリング方法 |
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Publications (2)
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- 2002-03-19 JP JP2002075524A patent/JP3737442B2/ja not_active Expired - Lifetime
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