JP2003269876A - 薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用いた温度制御機器 - Google Patents

薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用いた温度制御機器

Info

Publication number
JP2003269876A
JP2003269876A JP2002070246A JP2002070246A JP2003269876A JP 2003269876 A JP2003269876 A JP 2003269876A JP 2002070246 A JP2002070246 A JP 2002070246A JP 2002070246 A JP2002070246 A JP 2002070246A JP 2003269876 A JP2003269876 A JP 2003269876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
liquid
loop
valve
valve body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002070246A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3860055B2 (ja
Inventor
Yoshinori Yokoyama
吉典 横山
Munehisa Takeda
宗久 武田
Toshiyuki Umemoto
俊行 梅本
Tetsuro Ogushi
哲朗 大串
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2002070246A priority Critical patent/JP3860055B2/ja
Publication of JP2003269876A publication Critical patent/JP2003269876A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3860055B2 publication Critical patent/JP3860055B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28DHEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
    • F28D15/00Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies
    • F28D15/02Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes
    • F28D15/0266Heat-exchange apparatus with the intermediate heat-transfer medium in closed tubes passing into or through the conduit walls ; Heat-exchange apparatus employing intermediate heat-transfer medium or bodies in which the medium condenses and evaporates, e.g. heat pipes with separate evaporating and condensing chambers connected by at least one conduit; Loop-type heat pipes; with multiple or common evaporating or condensing chambers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Details Of Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、流路の薄型化に伴う熱輸送性能
の低下を改善し、白井性が高く、かつ、安定した熱輸送
制御が行える薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用
いた温度制御機器を得る。 【解決手段】 放熱部7および受熱部8がループ状の流
路3により連結され、流路抵抗の異なる一対の流路制御
弁4a、4bが流路3内に液流通方向に所定距離離して
配設されている。そして、三角形のヒータ5がその三角
形頂部を流路抵抗の小さい流路制御弁4b近傍に位置さ
せて一対の流路制御弁4a、4b間に配設されている。
さらに、制御装置41が、ヒータ6への加熱量、加熱タ
イミングを制御できるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発熱部材から放
熱部材に熱を輸送して該発熱部材を冷却する薄型ループ
状流路デバイスおよびそれを用いた温度制御機器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】発熱部と放熱部とを一対のパイプで連結
してループ状の流路を構成し、加熱手段を流路の一部に
取り付けてなる従来のループ状(環状とも称す)ヒート
パイプが、例えば特開平7−286788号公報に提案
されている。
【0003】図27は例えば特開平7−286788号
公報に記載された従来のループ状ヒートパイプの構造を
示す概略図である。図27において、ループ状ヒートパ
イプは、一対の薄型平板状の金属ヘッダ50、51に細
径のパイプ52a、52bを溶接してループ状の流路を
形成し、加熱手段としてのヒータ53を流路の一部に取
り付け、そして液体を流路内に封入し、さらに不凝縮ガ
スを流路内から除去して、構成されている。なお、一対
の金属ヘッダ50、51の一方が発熱部、他方が放熱部
を構成する。
【0004】ここで、このように構成された従来のルー
プ状ヒートパイプの動作について説明する。例えば、発
熱部材が金属ヘッダ50に接続される。これにより、金
属ヘッダ50が加熱され、金属ヘッダ50内の液体が蒸
発する。この時、ヒータ53により流路内部の液体が間
欠的に加熱されると、加熱時間中にパイプ52a、52
b内で圧力のアンバランスが生じる。従って、ヒータ5
3がパイプ52bに取り付けられていると、パイプ52
b側の圧力が高くなり、発生した蒸気はパイプ52bか
らパイプ52aの方向に流れる。一方、ヒータ53によ
る加熱が休止されると、パイプ52b内の圧力が下が
る。この時、パイプ52a内は、気液二層流状態にある
ので、逆にパイプ52a側の圧力損失が大きくなる。こ
のため、流路内の液体あるいは蒸気はパイプ52aから
パイプ52bの方向に流れるようになる。この繰り返し
で液振動が起こる。発熱部での液の蒸発、および、発熱
部と放熱部との間での液振動によって、熱輸送性能が得
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
従来のループ状ヒートパイプにおける熱輸送動作は、ヒ
ータ53の加熱量や加熱時間等の外部条件に対して不安
定であり、ヒートパイプ内で液の振動、循環が混在した
状態が発生してしまうので、熱輸送性能が低下するとと
もに、どうしてもある程度の温度勾配が生じてしまうと
いう課題があった。また、ヒートパイプの熱輸送性能が
悪いと、発熱部(即ち、温度制御対象物である発熱部材
からの熱を受熱する部分であり、受熱部とも称す)と放
熱部との間にある程度の大きさの温度勾配が生じてしま
い、発熱部の温度を所定の値に維持するためには、放熱
部の放熱容量を大きくしなければならなくなる。従っ
て、熱輸送性能が悪いと、放熱部を大きくしなければな
らず、小型化が図れなくなるという課題もあった。
【0006】この発明は、上記のような課題を解決する
ために、液体の沸騰/凝縮により液体をループ状流路を
一方向に還流させるようにし、流路の薄型化に伴う熱輸
送性能の低下を改善するとともに、流路内での液体をそ
のまま熱輸送に使用できるため、熱輸送時間を短縮し、
温度勾配をより低減することができる安定した熱輸送制
御が行える薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用い
た温度制御機器を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る薄型ルー
プ状流路は、冷却機構が載置される放熱部と、負荷側対
象物が載置される受熱部と、上記放熱部と上記受熱部と
の間で液体が循環するように構成されたループ状流路
と、上記ループ状流路内に液流通方向に並んで配設され
た複数の弁体とを備えた薄型ループ状流路デバイスにお
いて、上記複数の弁体の隣接する2つの弁体が、第1弁
体と、該第1弁体に対して流路抵抗を大きく形成された
第2弁体とにより構成され、かつ、加熱部材が、上記第
1弁体近傍から気泡を発生させた後、上記第2弁体に向
かって該気泡を成長させるように上記第1および第2弁
体間に配置されて構成されたサーマルポンプと、上記第
1および第2弁体の流路抵抗の差を利用して上記液体が
上記ループ状流路内を一方向に還流するように上記加熱
部材への加熱量および加熱タイミングを制御する制御手
段とを備えたものである。
【0008】また、冷却機構が載置される放熱部と、負
荷側対象物が載置される受熱部と、上記放熱部と上記受
熱部との間で液体が循環するように構成されたループ状
流路と、上記ループ状流路内に液流通方向に並んで配設
された複数の弁体とを備えた薄型ループ状流路デバイス
において、上記複数の弁体の隣接する2つの弁体が、第
1弁体と、該第1弁体に対して気液界面を生じる毛管径
を小さく形成された第2弁体とにより構成され、かつ、
加熱部材が、上記第1弁体近傍から気泡を発生させた
後、上記第2弁体に向かって該気泡を成長させるように
上記第1および第2弁体間に配置されて構成されたサー
マルポンプと、上記第1および第2弁体の毛管径の差を
利用して上記液体が上記ループ状流路内を一方向に還流
するように上記加熱部材への加熱量および加熱タイミン
グを制御する制御手段とを備えたものである。
【0009】また、冷却機構が載置される放熱部と、負
荷側対象物が載置される受熱部と、上記放熱部と上記受
熱部との間で液体が循環するように構成されたループ状
流路と、上記ループ状流路内に液流通方向に並んで配設
された複数の弁体とを備えた薄型ループ状流路デバイス
において、上記複数の弁体の隣接する2つの弁体が、第
1弁体と、該第1弁体に対して流路抵抗を大きく、か
つ、気液界面を生じる毛管径を小さく形成された第2弁
体とにより構成され、かつ、加熱部材が、上記第1弁体
近傍から気泡を発生させた後、上記第2弁体に向かって
該気泡を成長させるように上記第1および第2弁体間に
配置されて構成されたサーマルポンプと、上記第1およ
び第2弁体の流路抵抗および毛管径の差を利用して上記
液体が上記ループ状流路内を一方向に還流するように上
記加熱部材への加熱量および加熱タイミングを制御する
制御手段とを備えたものである。
【0010】また、上記第1および第2弁体は、その流
路抵抗が上記液流通方向の上流側から下流側に向かって
大きくなるように形成された流路制御弁で構成されてい
るものである。
【0011】また、上記第1および第2弁体は、その流
路抵抗が上記液流通方向に関して一定となるように形成
された受動的一方向性弁で構成されているものである。
【0012】また、上記第1および第2弁体の一方は、
その流路抵抗が上記液流通方向の上流側から下流側に向
かって大きくなるように形成された流路制御弁で構成さ
れ、他方は、その流路抵抗が上記液流通方向に関して一
定となるように形成された受動的一方向性弁で構成され
ているものである。
【0013】また、上記第1弁体の濡れ性、上記第2弁
体の濡れ性および上記第1弁体と上記第2弁体との間の
濡れ性が、上記第2弁体の濡れ性>上記第1弁体の濡れ
性>上記第1弁体と上記第2弁体との間の濡れ性となる
ように構成されているものである。
【0014】また、上記サーマルポンプが上記ループ状
流路に直列に複数個構成されているものである。
【0015】また、上記ループ状流路の一部が複数の分
岐流路に分岐され、上記サーマルポンプが上記複数の分
岐流路のそれぞれに構成されているものである。
【0016】また、この発明に係る温度制御機器は、上
述のいずれかの薄型ループ状流路デバイスと、上記薄型
ループ状流路デバイスの受熱部に載置される負荷側対象
物を加熱する加熱機構と、上記薄型ループ状流路デバイ
スの放熱部に載置された放熱機構とを備えたものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1に係る薄
型ループ状流路デバイスの構造を模式的に示す平面図、
図2は図1のII−II矢視断面図、図3は図1のII
I−III矢視断面図である。なお、図2において、d
は流路の厚みを示している。
【0018】図1乃至図3において、ループ状流路デバ
イス100は、一対の平板状の基板1、2が相対して配
置され、流路3が一対の基板1、2間に気密にレースト
ラック状に形成され、一対の流路制御弁4a、4bが流
路3の一部に液流通方向に所定距離離間して形成され、
ヒータ5が一対の流路制御弁4a、4b間に位置するよ
うに配設され、さらに液体6が不凝縮ガスを除去した状
態に流路3内に封入されて、構成されている。このルー
プ状流路デバイス100は、全体として薄板状をなし、
冷却機構(図示せず)が密着して載置される放熱部7と
負荷側対象物(図示せず)が密着して載置される受熱部
8とが流路3により連結されている。ここで、流路制御
弁4bが第1弁体を構成し、流路制御弁4aが第2弁体
を構成し、ヒータ5が加熱部材を構成している。さら
に、このループ状流路デバイス100には、ヒータ5に
電力を供給するための電源40および電源40によるヒ
ータ5への通電量、加熱タイミング等を制御する制御手
段としての制御装置41を備えている。そして、一対の
流路制御弁4a、4bおよびヒータ5が形成された流路
3の部分がサーマルポンプを構成し、このサーマルポン
プと電源40および制御装置41とからサーマルポンプ
システムを構成している。
【0019】つぎに、ループ状流路デバイス100の製
造方法について説明する。まず、真空蒸着、スパッタ等
により、SiO等の絶縁層が銅等からなる平板状の基
板1上に成膜され、さらにチタン、ニッケル、ITO等
の電極層が絶縁層上に成膜される。そして、写真製版技
術、エッチング技術を用いて、電極層のパターニングを
行い、所望形状のヒータ5が基板1上の所定位置に形成
される。その後、真空蒸着、スパッタ等により、SiO
等の絶縁層が、ヒータ5が形成された基板1上に成膜
される。ついで、真空蒸着、スパッタ等により、銅等か
ら金属層10が基板1上に所望の厚さに成膜され、さら
に写真製版技術、エッチング技術を用いて、金属層10
のパターニングを行い、細溝がヒータ5上を通るように
レーストラック状に形成される。この時、一対の流路制
御弁4a、4bが同時にヒータ5を挟んで細溝内に形成
される。ついで、基板2が基板1上に接合される。これ
により、レーストラック状の細溝が一対の基板1、2に
より密閉され、流路3を構成している。そして、液体6
が流路3内に封入され、不凝縮ガスが除去されて、ルー
プ状流路デバイス100が作製される。
【0020】ここで、流路制御弁4a、4bは、その流
路抵抗が、流路3の液流通方向(図1中、流路3の反時
計方向とする)に関して、上流側から下流側に向かっ
て、漸次大きくなるように形成されている。また、流路
制御弁4aの流路抵抗は、流路制御弁4bの流路抵抗に
対して大きく形成されている。そして、流路抵抗の小さ
い流路制御弁4bが液流通方向の上流側に配設され、流
路抵抗の大きい流路制御弁4aが液流通方向の下流側に
配設されている。また、ヒータ5(加熱部材)は、気泡
発生点を流路抵抗の小さい流路制御弁4bの近傍に固定
するように構成する必要がある。ここでは、ヒータ5
は、形状・配置を工夫して気泡発生点を流路制御弁4b
の近傍に固定するもので、図1に示されるように、熱流
束が変化するように三角形形状に形成され、熱流束の最
も大きい三角形の頂点を流路制御弁4bに近接させて、
流路制御弁4a、4b間に配設されている。なお、ヒー
タ5は絶縁層に挟持されて、基板1、金属層10および
液体6に対して電気的に絶縁されている。また、液体6
は、流路3を構成する材料に対して安定なものであれば
よく、例えば水、アルコール等を用いることができる。
【0021】つぎに、このように構成されたループ状流
路デバイス100の動作について説明する。このループ
状流路デバイス100は、冷却機構が放熱部7に密着し
て載置され、負荷側対象物が受熱部8に密着して載置さ
れ、負荷側対象物の冷却に適用される。まず、ヒータ5
に通電されて一対の流路制御弁4a、4b間の流路3内
の液体6が加熱される。この時、ヒータ5の三角形頂部
の熱流束が最も大きいので、図1に示されるように、流
路制御弁4b近傍の液体6の一部が沸騰し、気泡9が発
生する。そして、気泡9が成長し、流路制御弁4bに接
すると、流路制御弁4bと気泡9との表面張力の効果で
流路制御弁4b側にはそれ以上成長することはできな
い。そこで、気泡9は、ヒータ5に沿って流路制御弁4
a側への成長が促進される。この気泡9の成長に伴っ
て、気泡9と流路制御弁4aとの間の液体6が流路制御
弁4aから排出される。そして、気泡9が流路制御弁4
aに接するまで成長した後、ヒータ5への通電が停止さ
れると、成長した気泡9の凝縮が開始される。この時、
流路制御弁4bの流路抵抗が流路制御弁4aの流路抵抗
より小さいので、放熱部7で冷却された液体6が流路制
御弁4bを通って流入する。そして、気泡9が消失する
と、ヒータ5への通電が開始される。
【0022】そこで、制御装置41により、電源40か
らヒータ5への加熱タイミングを上述のように制御する
ことで、サーマルポンプが駆動され、液体6が流路3内
を図1中反時計回りに還流する。そして、流路制御弁4
aから排出された液体6は、流路3を流通して受熱部8
に到達して負荷側対象物の熱により受熱部8を介して暖
められる。この暖められた液体6は、流路3を流通して
放熱部7に到達して冷却機構との間で熱交換して冷却さ
れた後、流路制御弁4bから流入する。そして、サーマ
ルポンプ(ヒータ5)における気泡発生に伴う体積増加
分は、放熱部7での気泡凝縮により吸収される。このよ
うにして、このループ状流路デバイス100では、液体
6および気泡9が流路3内を一方向に駆動される。な
お、ヒータ5への加熱量を大きくすれば、液体6の気化
に伴う圧力上昇が大きくなり、液体6の駆動速度を速く
することができる。そこで、ヒータ5への加熱量、加熱
タイミングの周期を調整することにより、液体6の駆動
速度を制御することができる。
【0023】この実施の形態1によれば、液体6の気化
にともなう急激な圧力上昇を動力源として液体6をレー
ストラック状の流路3内を一方向に駆動できる。そこ
で、機械可動部のある制御弁を必要としないので、極め
て高い信頼性が得られる10mm以下の薄型のループ状
流路デバイスを実現できる。特に、流路3の厚みdが1
mm以下となると、流路3の流路抵抗が増大してしま
い、液体6による熱輸送量の低下が起きやすいが、この
サーマルポンプシステムを採用することにより、熱輸送
量を増大させることができる。また、このサーマルポン
プシステムによる液体6への加熱量や加熱のタイミング
を調整することで液体6の駆動条件を制御できるので、
液体の熱輸送能力を簡易に制御することができる。従っ
て、このループ状流路デバイス100を用いれば、負荷
側対象物を所定の温度に精度よく制御することができ
る。
【0024】また、ヒータ5が流路3に露呈しているの
で、ヒータ5での発熱が液体6に速やかに伝達され、液
体6への加熱量の調整が容易となる。また、真空蒸着、
スパッタ等の真空成膜技術、写真製版技術、エッチング
技術を用いて、基板に細溝を形成しているので、細溝の
微細化が可能となり、ループ状流路デバイスのマイクロ
化が実現できる。
【0025】ここで、本願においては、加熱部材(ヒー
タ5)は、加熱開始時の気泡発生点が流路抵抗の小さな
流路制御弁4b近傍に固定され、その後気泡の成長を流
路抵抗の大きな流路制御弁4a側に促進できることが必
要となる。この実施の形態1では、ヒータ5の形状を三
角形形状とし、熱流束が最も大きくなる三角形頂部を流
路制御弁4b近傍に位置させることで、加熱部材を実現
している。しかし、図4の(a)に示されるように、三
角形のヒータ11bをその三角形頂部を流路制御弁4b
近傍に位置させて配設し、さらに矩形のヒータ11aを
ヒータ11aの液流通方向の下流側に配設してもよい。
この場合、ヒータ11bに通電して流路制御弁4b近傍
に気泡を発生させ、該気泡がヒータ11aの上流側まで
成長した時点で、ヒータ11bへの通電を停止するとと
もにヒータ11aに通電して、気泡を流路制御弁4a側
に成長させることで、同様の効果が得られる。また、図
4の(b)に示されるように、細長のヒータ12を流路
制御弁4bの近傍で流路3を横切るように配設してもよ
い。さらに、図4の(c)に示されるように、細長のヒ
ータ13をその長手方向を液流通方向に一致させて流路
制御弁4a、4b間に配設してもよい。この場合、流路
制御弁4b近傍の流路3の壁面に沸騰核を形成する必要
がある。これにより、ヒータ12、13への通電開始時
に、気泡が沸騰核から発生するので、気泡発生点が流路
制御弁4b近傍に固定され、同様の効果が得られる。従
って、ヒータ12、13と沸騰核とにより加熱部材を構
成していることになる。
【0026】この沸騰核は、図5の(a)に示されるよ
うに、針等の鋭利な先端を流路3の壁面に押し当てて微
小な窪み14aを形成することで実現できる。また、基
板をエッチングして形成された図5の(b)に示される
ような微小な凹部14bを沸騰核とすることができる。
さらに、基板としてシリコン基板を用いている場合に
は、エレクトロケミカルエッチングにより図5の
(c)、(d)に示されるような形状の凹部14c、1
4dを形成し、凹部14c、14dを沸騰核とすること
ができる。
【0027】なお、上記実施の形態1では、成長した気
泡9が流路制御弁4aに接した時点でOFFとし、凝縮
する気泡9が消失した時点でONとする加熱タイミング
で、電源40からヒータ5への通電を制御装置41によ
り制御するものとしているが、加熱タイミングはこのタ
イミングに限定されるものではなく、負荷側対象物の容
量や制御温度等に応じて適宜設定されることは言うまで
もないことである。また、上記実施の形態1では、基板
1、2の材料として銅を用いるものとしているが、基板
1、2の材料は銅に限定されるものではなく、例えば、
他の金属材料、シリコン、プラスチックでもよい。な
お、放熱部7および受熱部8における熱の授受を考慮す
れば、熱伝導率の良好な材料、例えば銅、アルミである
ことが望ましいが、基板1、2の厚みが薄いので、例え
ばシリコン基板、プラスチック基板を用いても、放熱部
7および受熱部8を介しての冷却機構および負荷側対象
物と液体6との間の熱伝達特性が大きく低下することは
ない。
【0028】また、上記実施の形態1では、2つの流路
制御弁4a、4bを液流通方向に隙間を持って連ねて設
けるものとしているが、流路制御弁の個数は2つに限定
されるものではなく、流路抵抗の小さい順に流路制御弁
を液流通方向の上流側から配列していれば、3つ以上で
あってもよい。そして、少なくとも1対の流路制御弁間
にヒータ5を配設すればよい。また、上記実施の形態1
では、流路制御弁4a、4bが流路3の厚みdと同等の
厚みに形成されているものとしているが、流路制御弁は
気泡9の成長を阻止できるものであればよく、図6の
(a)、(b)に示されるように、気泡9の成長を阻止
する高さ(流路3の厚さdより低い)の突起15a、1
5bを基板1上に形成し、流路制御弁として作用させて
もよい。なお、図6の(a)は平面図、図6の(b)は
図6の(a)のA−A矢視断面図である。また、上記実
施の形態1では、流路制御弁4a、4bが断面三角形に
形成されているものとしているが、流路制御弁は、流路
抵抗が液流通方向の上流側から下流側に漸次大きくなる
ように形成していればよく、例えば図7に示されるよう
に、断面台形に形成された流路制御弁16a、16bで
もよい。また、上記実施の形態1では、細溝が形成され
た基板1と平板状の基板2とを重ね合わせて流路3を形
成するものとしているが、細管を用いてループ状流路を
構成してもよい。この場合、細管の一部を絞って流路制
御弁4a、4bに相当する弁体を形成すればよい。
【0029】また、上記実施の形態1では、サーマルポ
ンプを備えたレーストラック状の流路3を1つ設けるも
のとしているが、該流路3を並列に複数形成してもよ
い。この場合、熱輸送能力を増大させることができる。
また、上記実施の形態1では、流路3をレーストラック
状に形成するものとしているが、流路はループ状に形成
されていればよく、例えば蛇行する形状であってもよ
い。この場合においても、熱輸送能力を増大させること
ができる。また、上記実施の形態1では、放熱部7がヒ
ートポンプの上流側に近接して構成されているものとし
ているが、放熱部7の配置構成はこれに限定されるもの
ではなく、放熱部7はその一部が少なくともヒートポン
プの上流側に位置していればよく、例えば受熱部8を除
く領域の全体に配置してもよく、或いはヒートポンプの
上流側からヒートポンプの全域を覆うように配置しても
よい。
【0030】また、上記実施の形態1では、ヒータ5が
絶縁層に挟持されているものとしているが、基板1の材
料が絶縁材料であれば、ヒータ5の上面(反基板1側の
面)にのみ絶縁層を被覆形成すればよい。また、細溝お
よびヒータ5が基板1上に形成されているものとしてい
るが、細溝を基板1上に形成し、ヒータ5を基板2上に
形成するようにしてもよい。また、上記実施の形態1で
は、加熱部材として抵抗体の薄膜からなるヒータ5を用
いるものとしているが、加熱部材は、ヒータ5に限定さ
れるものではなく、加熱開始時における気泡発生点を流
路制御弁4b近傍に固定できればよく、例えば、抵抗体
の線材からなるヒータ線を直接巻き付けて構成してもよ
いし、レーザ発生装置でもよい。
【0031】また、上記実施の形態1では、金属層10
を基板1上に成膜した後、写真製版技術、エッチング技
術を用いて金属層10をパターニングしてレーストラッ
ク状の細溝を形成するものとしているが、細溝の形成方
法はこれに限定されるものではなく、例えば下記の方法
により形成できる。写真製版技術を用いて、ヒータ5が
形成された基板1上にレーストラック状の保護層を形成
し、ついで真空蒸着、スパッタ等により金属層10を成
膜し、その後保護層を除去してレーストラック状の細溝
を形成してもよい。また、写真製版技術、エッチング技
術を用いて、基板の一部を除去してレーストラック状の
細溝を形成するようにしてもよい。また、切削技術や放
電加工を基板に施して、基板の一部を除去してレースト
ラック状の細溝を形成してもよい。さらに、基板の材料
によっては、プレス成形や射出成形によって、基板にレ
ーストラック状の細溝を形成してもよい。これらの場
合、ヒータ5はもう1つの基板上に形成されることにな
る。さらに、細溝の内周壁面を規定する外形形状を有す
るように形成された第1の部材と、細溝の外周壁面を規
定する内形形状を有するように形成された第2の部材と
を、基板1上に2重に配置し、接合一体化してもよい。
【0032】実施の形態2.図8はこの発明の実施の形
態2に係る薄型ループ状流路デバイスの構造を模式的に
示す平面図である。図8において、受動的一方向性弁1
7a、17bは、上記実施の形態1と同様に作製される
もので、それぞれ、その流路抵抗が、流路3の液流通方
向(図8中、流路3の反時計方向とする)に関して、一
定に形成されている。また、受動的一方向性弁17aの
流路抵抗は、受動的一方向性弁17bの流路抵抗に対し
て大きく形成されている。そして、流路抵抗の小さい受
動的一方向性弁17bが液流通方向の上流側に配設さ
れ、流路抵抗の大きい受動的一方向性弁17aが液流通
方向の下流側に配設されている。そして、ヒータ5が、
熱流束の最も大きい三角形の頂点を受動的一方向性弁1
7bに近接させるように、受動的一方向性弁17a、1
7b間に配設されている。そして、一対の受動的一方向
性弁17a、17bとヒータ5とが形成された流路3の
部分がサーマルポンプを構成している。ここで、受動的
一方向性弁16bが第1弁体を構成し、受動的一方向性
弁16aが第2弁体を構成している。なお、他の構成は
上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0033】ついで、このように構成されたループ状流
路デバイス101の動作について図9を参照しつつ説明
する。まず、ヒータ5に通電されて一対の受動的一方向
性弁17a、17b間の流路3内の液体6が加熱され
る。この時、図9の(a)に示されるように、ヒータ5
の三角形頂部の熱流束が最も大きいので、受動的一方向
性弁17b近傍の液体6の一部が沸騰し、気泡9が発生
する。そして、気泡9が成長し、受動的一方向性弁17
bに接すると、受動的一方向性弁17bと気泡9との表
面張力の効果で受動的一方向性弁17b側にはそれ以上
成長することはできない。そこで、気泡9は、図9に
(b)に示されるように、ヒータ5に沿って受動的一方
向性弁17a側への成長が促進される。この時、成長し
た気泡9により押しのけられた液体6は、図9の(b)
中矢印Aで示される方向に流れる。この気泡9の成長に
伴って、気泡9と受動的一方向性弁17aとの間の液体
6が受動的一方向性弁17aから排出される。そして、
図9の(c)示されるように、気泡9が受動的一方向性
弁17aに接するまで成長した後、ヒータ5への通電が
停止される。と同時に、熱損等によりポンプ内温度が低
下し、気泡9内の蒸気が凝縮し始め、気泡9が収縮す
る。この時、受動的一方向性弁17bの流路抵抗が受動
的一方向性弁17aの流路抵抗より小さいので、気液界
面が受動的一方向性弁17a、17bと接触していなく
とも、放熱部7で冷却された液体6が図9の(d)中矢
印Bで示される方向に流れる。つまり、液体6が受動的
一方向性弁17bを通ってポンプ内に流入する。そし
て、図9の(e)に示されるように、気泡9が凝縮して
縮小する。そして、気泡9が消失すると、ヒータ5への
通電が開始される。
【0034】そこで、制御装置41により、電源40か
らヒータ5への加熱タイミングを上述のように制御する
ことで、サーマルポンプが駆動され、液体6が流路3内
を図8中反時計回りに還流する。そして、受動的一方向
性弁16aから排出された液体6は、流路3を流通して
受熱部8に到達して負荷側対象物の熱により受熱部8を
介して暖められる。この暖められた液体6は、流路3を
流通して放熱部7に到達して冷却機構との間で熱交換し
て冷却された後、受動的一方向性弁16bから流入す
る。そして、サーマルポンプ(ヒータ5)における気泡
発生に伴う体積増加分は、放熱部7での気泡凝縮により
吸収される。
【0035】このように、この実施の形態2によるルー
プ状流路デバイス101では、サーマルポンプによる液
体6の気化にともなう急激な圧力上昇を動力源として液
体6をレーストラック状の流路3内を一方向に駆動でき
る。従って、この実施の形態2においても、上記実施の
形態1と同様の効果が得られる。
【0036】なお、上記実施の形態2では、1つの三角
形のヒータ5と一対の受動的一方向性弁17a、17b
とによりサーマルポンプを構成するものとしているが、
液体6を一方向に安定して還流させることができれば、
受動的一方向性弁およびヒータの個数はこれに限定され
るものではなく、例えば図10に示されるように、一対
の受動的一方向性弁17a、17b間に2つの三角形の
ヒータ5a、5bを液流通方向に隣接して配設するよう
にしてもよい。この場合、ヒータ5bに通電して受動的
一方向性弁17a近傍に気泡9を発生させ、該気泡9が
ヒータ5aの上流側まで成長した時点で、ヒータ5bへ
の通電を停止するとともにヒータ5aに通電して、気泡
9を受動的一方向性弁17a側に成長させることで、液
体6を一方向に安定して還流させることができる。
【0037】また、上記実施の形態2では、金属層10
をエッチングして受動的一方向性弁17a、17bを作
製するものとしているが、図11に示されるように、セ
ラミック等の多孔質体18a、18bを受動的一方向性
弁として流路3内に配設してもよい。この場合、多孔質
体18aの流路抵抗は多孔質体18bの流路抵抗より大
きく形成されている。また、上記実施の形態2では、放
熱部7がヒートポンプの上流側に近接して構成されてい
るものとしているが、放熱部7の配置構成はこれに限定
されるものではなく、放熱部7はその一部が少なくとも
ヒートポンプの上流側に位置していればよく、例えば受
熱部8を除く領域の全体に配置してもよく、或いはヒー
トポンプの上流側からヒートポンプの全域を覆うように
配置してもよい。
【0038】実施の形態3.図12はこの発明の実施の
形態3に係る薄型ループ状流路デバイスの構造を模式的
に示す平面図である。図12において、ループ状流路デ
バイス102は、リザーバ19が流路3の一部に形成さ
れ、気泡20がリザーバ19内に残留するように、液体
6が流路3内に封入されている。なお、他の構成は上記
実施の形態1と同様に構成されている。
【0039】この実施の形態3では、サーマルポンプに
おける気泡9の発生による体積増加分が、リザーバ19
内の気泡20の縮小により吸収される。従って、放熱部
7における気泡の有無に拘わらず、サーマルポンプを駆
動することができるので、液体6の一方向への還流がよ
り安定して行われる。その結果、この実施の形態3によ
れば、上記実施の形態1に比べて、熱輸送量の改善を図
ることができる。
【0040】実施の形態4.図13はこの発明の実施の
形態4に係る薄型ループ状流路デバイスの構造を模式的
に示す平面図である。図13において、ループ状流路デ
バイス103は、リザーバ19が流路3の一部に形成さ
れ、気泡20がリザーバ19内に残留するように、液体
6が流路3内に封入されている。なお、他の構成は上記
実施の形態2と同様に構成されている。
【0041】この実施の形態4では、サーマルポンプに
おける気泡9の発生による体積増加分が、リザーバ19
内の気泡20の縮小により吸収される。従って、放熱部
7における気泡の有無に拘わらず、サーマルポンプを駆
動することができるので、液体6の一方向への還流がよ
り安定して行われる。その結果、この実施の形態4によ
れば、上記実施の形態2に比べて、熱輸送量の改善を図
ることができる。
【0042】実施の形態5.図14はこの発明の実施の
形態5に係る薄型ループ状流路デバイスの構造を模式的
に示す平面図である。図14において、ループ状流路デ
バイス104は、一対の流路制御弁4a、4bとヒータ
5とからなるサーマルポンプを流路3の2箇所に直列に
配設するものとしている。即ち、各サーマルポンプは、
流路3の液流通方向(図14中、流路3の反時計方向)
に関して、流路抵抗の小さい流路制御弁4bが上流側
に、流路抵抗の大きい流路制御弁4aが下流側に位置す
るように配設されている。なお、他の構成は上記実施の
形態1と同様に構成されている。
【0043】この実施の形態5では、一方のサーマルポ
ンプで気泡9の成長工程が行われ、他方のサーマルポン
プで気泡9の凝縮工程が行われるように、各ヒータ5へ
の加熱タイミングを制御し、液体6を一方向に駆動する
ようにしている。そこで、一方のサーマルポンプにおけ
る気泡9の発生による体積増加分が、他方のサーマルポ
ンプで気泡9の凝縮により吸収される。従って、放熱部
7における気泡の有無に拘わらず、サーマルポンプを駆
動することができるので、液体6の一方向への還流がよ
り安定して行われる。また、リザーバ19が不要とな
り、上記実施の形態3に比べて、熱輸送量の改善を図る
ことができる。
【0044】なお、上記実施の形態5では、サーマルポ
ンプを流路3の2箇所に直列に配設するものとしている
が、サーマルポンプを流路3の3箇所以上に直列に配設
するようにしてもよい。
【0045】実施の形態6.図15はこの発明の実施の
形態6に係る薄型ループ状流路デバイスの構造を模式的
に示す平面図である。図15において、ループ状流路デ
バイス105は、一対の受動的一方向性弁17a、17
bとヒータ5とからなるサーマルポンプを流路3の2箇
所に直列に配設するものとしている。即ち、各サーマル
ポンプは、流路3の液流通方向(図15中、流路3の反
時計方向)に関して、流路抵抗の小さい受動的一方向性
弁17bが上流側に、流路抵抗の大きい受動的一方向性
弁17aが下流側に位置するように配設されている。な
お、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されてい
る。
【0046】この実施の形態6では、一方のサーマルポ
ンプで気泡9の成長工程が行われ、他方のサーマルポン
プで気泡9の凝縮工程が行われるように、各ヒータ5へ
の加熱タイミングを制御し、液体6を一方向に駆動する
ようにしている。そこで、一方のサーマルポンプにおけ
る気泡9の発生による体積増加分が、他方のサーマルポ
ンプで気泡9の凝縮により吸収される。従って、放熱部
7における気泡の有無に拘わらず、サーマルポンプを駆
動することができるので、液体6の一方向への還流がよ
り安定して行われる。また、リザーバ19が不要とな
り、上記実施の形態4に比べて、熱輸送量の改善を図る
ことができる。
【0047】なお、上記実施の形態6では、サーマルポ
ンプを流路3の2箇所に直列に配設するものとしている
が、サーマルポンプを流路3の3箇所以上に直列に配設
するようにしてもよい。
【0048】実施の形態7.図16はこの発明の実施の
形態7に係る薄型ループ状流路デバイスの構造を模式的
に示す平面図である。図16において、ループ状流路デ
バイス106は、リザーバ19が流路3の2箇所に設け
られ、液体6が各リザーバ19に残留するように流路3
内に封入されている。なお、他の構成は上記実施の形態
5と同様に構成されている。
【0049】この実施の形態7によれば、リザーバ19
が流路3の2箇所に設けられているので、1つのサーマ
ルポンプでの気泡9の発生による体積増加分が、もう1
つのサーマルポンプでの気泡9の凝縮およびリザーバ1
9内の気泡20の縮小で吸収することができる。従っ
て、流路3内の圧力が安定化され、液体6の一方向への
流れが安定化される。
【0050】なお、上記実施の形態7では、リザーバ1
9を流路3の2箇所に設けるものとしているが、リザー
バ19は流路3の少なくとも1箇所に設ければよい。
【0051】実施の形態8.図17はこの発明の実施の
形態8に係る薄型ループ状流路デバイスの構造を模式的
に示す平面図である。図17において、ループ状流路デ
バイス107は、リザーバ19が流路3の2箇所に設け
られ、気泡20が各リザーバ19に残留するように、液
体6が流路3内に封入されている。なお、他の構成は上
記実施の形態6と同様に構成されている。
【0052】この実施の形態8によれば、リザーバ19
が流路3の2箇所に設けられているので、1つのサーマ
ルポンプでの気泡9の発生による体積増加分が、もう1
つのサーマルポンプでの気泡9の凝縮およびリザーバ1
9内の気泡20の縮小で吸収することができる。従っ
て、流路3内の圧力が安定化され、液体6の一方向への
流れが安定化される。
【0053】なお、上記実施の形態8では、リザーバ1
9を流路3の2箇所に設けるものとしているが、リザー
バ19は流路3の少なくとも1箇所に設ければよい。
【0054】実施の形態9.上記実施の形態1では、流
路制御弁4a、4bの流路抵抗の差を利用して、気泡9
の凝縮時に液体6を一方向に流すように駆動するものと
しているが、この実施の形態9では、気泡9の流路制御
弁4aに形成される気液界面9aの毛管径と、気泡9の
流路制御弁4bに形成される気液界面9bの毛管径との
差を利用して、気泡9の凝縮時に液体6を一方向に流す
ように駆動するものとしている。なお、液体6の駆動方
法が異なる点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成
されている。
【0055】ここで、この実施の形態9による液体6の
駆動方法について図18を参照しつつ説明する。まず、
ヒータ5に通電されて一対の流路制御弁4a、4b間の
流路3内の液体6が加熱される。この時、ヒータ5の三
角形頂部の熱流束が最も大きいので、流路制御弁4b近
傍の液体6の一部が沸騰し、気泡9が発生する。そし
て、気泡9が成長し、流路制御弁4bに接すると、流路
制御弁4bと気泡9との表面張力の効果で流路制御弁4
b側にはそれ以上成長することはできない。そこで、気
泡9は、ヒータ5に沿って流路制御弁4a側への成長が
促進される。この気泡9の成長に伴って、気泡9と流路
制御弁4aとの間の液体6が流路制御弁4aから排出さ
れる。そして、気泡9が流路制御弁4aに完全に接し、
さらに流路制御弁4a内に食い込むまで成長した後、ヒ
ータ5への通電が停止される。この時、気泡9は、図1
8に示されるように、流路制御弁4a、4b内に食い込
んだ状態となっており、気泡9の流路制御弁4bに形成
される気液界面9bの毛管径が気泡9の流路制御弁4a
に形成される気液界面9aの毛管径より大きくなってい
る。そこで、気液界面9aは気液界面9bに比べて大き
な圧力差まで弁に付着できる。ヒータ5への通電停止
後、熱損等によりポンプ内温度が低下し、気泡9内の蒸
気が凝縮し始める。そして、気泡9内の圧力がある程度
低下すると、先に気液界面9bが流路制御弁4bから離
脱する。これにより、液体6が流路制御弁4bからポン
プ内に流入し、気泡9の収縮が促進される。この時、気
泡9内の圧力が低下し過ぎて、気液界面9aが流路制御
弁4aから離脱した場合、流路制御弁4bの流路抵抗が
流路制御弁4aの流路抵抗より小さいので、液体6は引
き続き流路制御弁4bを通ってポンプ内に流入する。そ
して、気泡9が消失すると、ヒータ5への通電が開始さ
れる。
【0056】そこで、制御装置41により、電源40か
らヒータ5への加熱タイミングを上述のように制御する
ことで、サーマルポンプが駆動され、液体6は流路3内
を一方向に還流する。従って、この実施の形態9におい
ても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0057】実施の形態10.上記実施の形態2では、
受動的一方向性弁17a、17bの流路抵抗の差を利用
して、気泡9の凝縮時に液体6を一方向に流すように駆
動するものとしているが、この実施の形態9では、気泡
9の受動的一方向性弁17aに形成される気液界面9a
の毛管径と、気泡9の受動的一方向性弁17bに形成さ
れる気液界面9bの毛管径との差を利用して、気泡9の
凝縮時に液体6を一方向に流すように駆動するものとし
ている。なお、液体6の駆動方法が異なる点を除いて、
上記実施の形態2と同様に構成されている。
【0058】ここで、この実施の形態10による液体6
の駆動方法について図19を参照しつつ説明する。ま
ず、ヒータ5に通電されて一対の受動的一方向性弁17
a、17b間の流路3内の液体6が加熱される。この
時、ヒータ5の三角形頂部の熱流束が最も大きいので、
受動的一方向性弁17b近傍の液体6の一部が沸騰し、
気泡9が発生する。そして、気泡9が成長し、受動的一
方向性弁17bに接すると、受動的一方向性弁17bと
気泡9との表面張力の効果で受動的一方向性弁17b側
にはそれ以上成長することはできない。そこで、気泡9
は、ヒータ5に沿って受動的一方向性弁17a側への成
長が促進される。この気泡9の成長に伴って、気泡9と
受動的一方向性弁17aとの間の液体6が受動的一方向
性弁17aから排出される。そして、気泡9が受動的一
方向性弁17aに完全に接し、さらに受動的一方向性弁
17a内に食い込むまで成長した後、ヒータ5への通電
が停止される。この時、気泡9は、図19に示されるよ
うに、受動的一方向性弁17a、17b内に食い込んだ
状態となっており、気泡9の受動的一方向性弁17bに
形成される気液界面9bの毛管径が気泡9の受動的一方
向性弁17aに形成される気液界面9aの毛管径より大
きくなっている。そこで、気液界面9aは気液界面9b
に比べて大きな圧力差まで弁に付着できる。ヒータ5へ
の通電停止後、熱損等によりポンプ内温度が低下し、気
泡9内の蒸気が凝縮し始める。そして、気泡9内の圧力
がある程度低下すると、先に気液界面9bが受動的一方
向性弁17bから離脱する。これにより、液体6が受動
的一方向性弁17bからポンプ内に流入し、気泡9の収
縮が促進される。この時、気泡9内の圧力が低下し過ぎ
て、気液界面9aが受動的一方向性弁17aから離脱し
た場合、受動的一方向性弁17bの流路抵抗が受動的一
方向性弁17aの流路抵抗より小さいので、液体6は引
き続き受動的一方向性弁17bを通ってポンプ内に流入
する。そして、気泡9が消失すると、ヒータ5への通電
が開始される。
【0059】そこで、制御装置41により、電源40か
らヒータ5への加熱タイミングを上述のように制御する
ことで、サーマルポンプが駆動され、液体6は流路3内
を一方向に還流する。従って、この実施の形態10にお
いても、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0060】実施の形態11.図20はこの発明の実施
の形態11に係る薄型ループ状流路デバイスのサーマル
ポンプ周りを模式的に示す平面図である。図20におい
て、サーマルポンプを含むポンプ近傍における流路3の
壁面に表面処理、例えば親水処理を施し、流路制御弁4
a、4bを含む壁面の表面状態の濡れ性を液流通方向に
変化を持たしている。つまり、流路制御弁4aより液流
通方向の下流側の流路3の壁面21(流路制御弁4aを
含む)と、流路制御弁4a、4b間の流路3の壁面22
と、流路制御弁4bより液流通方向の上流側の流路3の
壁面23(流路制御弁4bを含む)とにおいて、壁面2
1の濡れ性>壁面23の濡れ性>壁面22の濡れ性とし
ている。なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構
成されている。
【0061】ここで、この実施の形態11による液体6
の駆動方法について説明する。まず、ヒータ5に通電さ
れて一対の流路制御弁4a、4b間の流路3内の液体6
が加熱される。この時、ヒータ5の三角形頂部の熱流束
が最も大きいので、流路制御弁4b近傍の液体6の一部
が沸騰し、気泡9が発生する。そして、気泡9が成長
し、流路制御弁4bに接すると、流路制御弁4bと気泡
9との表面張力および壁面22、23の間の濡れ性の差
の効果で流路制御弁4b側にはそれ以上成長することは
できない。そこで、気泡9は、ヒータ5に沿って流路制
御弁4a側への成長が促進される。この気泡9の成長に
伴って、気泡9と流路制御弁4aとの間の液体6が流路
制御弁4aから排出される。そして、気泡9が流路制御
弁4aに完全に接し、さらに流路制御弁4a内に食い込
むまで成長した後、ヒータ5への通電が停止される。こ
の時、気泡9は、流路制御弁4a、4b内に食い込んだ
状態となっている。そして、壁面21の濡れ性>壁面2
3の濡れ性>壁面22の濡れ性となっているので、壁面
21、22の間(流路制御弁4a)で生じる毛管径は壁
面22、23の間(流路制御弁4b)で生じる毛管径よ
り小さくなる。そこで、気泡9の流路制御弁4aに形成
される気液界面9aは、気泡9の流路制御弁4bに形成
される気液界面9bに対して大きな圧力差まで弁に付着
できる。ヒータ5への通電停止後、熱損等によりポンプ
内温度が低下し、気泡9内の蒸気が凝縮し始める。そし
て、気泡9内の圧力がある程度低下すると、先に気液界
面9bが流路制御弁4bから離脱する。これにより、液
体6が流路制御弁4bからポンプ内に流入し、気泡9の
収縮が促進される。そして、気泡9内の圧力がさらに低
下し、気液界面9aが流路制御弁4aから離脱する。こ
の時、流路制御弁4bの流路抵抗が流路制御弁4aの流
路抵抗より小さく、かつ、壁面22、23の間の濡れ性
の差が壁面21、22の間の濡れ性の差より小さいの
で、液体6が引き続き流路制御弁4bを通ってポンプ内
に流入する。そして、気泡9が消失すると、ヒータ5へ
の通電が開始される。
【0062】そこで、制御装置41により、電源40か
らヒータ5への加熱タイミングを上述のように制御する
ことで、サーマルポンプが駆動され、液体6は流路3内
を一方向に還流する。従って、この実施の形態11によ
れば、壁面21の濡れ性>壁面23の濡れ性>壁面22
の濡れ性とし、壁面21、22の間の濡れ性の差を壁面
22、23の間の濡れ性の差より大きくしているので、
壁面21、22の間で生じる毛管径が壁面22、23の
間で生じる毛管径より小さくなり、毛管径の差の効果と
流路制御弁4a、4bの効果との相乗効果を生み、液体
6を一方向により安定して駆動することができる。
【0063】実施の形態12.図21はこの発明の実施
の形態12に係る薄型ループ状流路デバイスのサーマル
ポンプ周りを模式的に示す平面図である。図21におい
て、サーマルポンプを含むポンプ近傍における流路3の
壁面に表面処理、例えば親水処理を施し、壁面の表面状
態の濡れ性を液流通方向に変化を持たしている。つま
り、受動的一方向性弁17aより液流通方向の下流側の
流路3の壁面21(受動的一方向性弁16aを含む)
と、受動的一方向性弁17a、17b間の流路3の壁面
22と、受動的一方向性弁17bより液流通方向の上流
側の流路3の壁面21(受動的一方向性弁16bを含
む)とにおいて、壁面21の濡れ性>壁面23の濡れ性
>壁面22の濡れ性としている。なお、他の構成は上記
実施の形態2と同様に構成されている。
【0064】ここで、この実施の形態12による液体6
の駆動方法について説明する。まず、ヒータ5に通電さ
れて一対の受動的一方向性弁17a、17b間の流路3
内の液体6が加熱される。この時、ヒータ5の三角形頂
部の熱流束が最も大きいので、受動的一方向性弁17b
近傍の液体6の一部が沸騰し、気泡9が発生する。そし
て、気泡9が成長し、受動的一方向性弁17bに接する
と、受動的一方向性弁17bと気泡9との表面張力およ
び壁面22、23の間の濡れ性の差の効果で受動的一方
向性弁17b側にはそれ以上成長することはできない。
そこで、気泡9は、ヒータ5に沿って受動的一方向性弁
17a側への成長が促進される。この気泡9の成長に伴
って、気泡9と受動的一方向性弁17aとの間の液体6
が受動的一方向性弁17aから排出される。そして、気
泡9が受動的一方向性弁17aに完全に接し、さらに受
動的一方向性弁17a内に食い込むまで成長した後、ヒ
ータ5への通電が停止される。この時、気泡9は、受動
的一方向性弁17a、17b内に食い込んだ状態となっ
ている。そして、壁面21の濡れ性>壁面23の濡れ性
>壁面22の濡れ性となっているので、壁面21、22
の間(受動的一方向性弁17a)で生じる毛管径は壁面
22、23の間(受動的一方向性弁17b)で生じる毛
管径より小さくなる。そこで、気泡9の受動的一方向性
弁17aに形成される気液界面9aは、気泡9の受動的
一方向性弁17bに形成される気液界面9bに対して大
きな圧力差まで弁に付着できる。ヒータ5への通電停止
後、熱損等によりポンプ内温度が低下し、気泡9内の蒸
気が凝縮し始める。そして、気泡9内の圧力がある程度
低下すると、先に気液界面9bが受動的一方向性弁17
bから離脱する。これにより、液体6が受動的一方向性
弁17bからポンプ内に流入し、気泡9の収縮が促進さ
れる。そして、気泡9内の圧力がさらに低下し、気液界
面9aが受動的一方向性弁17aから離脱する。この
時、受動的一方向性弁17bの流路抵抗が受動的一方向
性弁17aの流路抵抗より小さく、かつ、壁面22、2
3の間の濡れ性の差が壁面21、22の間の濡れ性の差
より小さいので、液体6が引き続き受動的一方向性弁1
7bを通ってポンプ内に流入する。そして、気泡9が消
失すると、ヒータ5への通電が開始される。
【0065】そこで、制御装置41により、電源40か
らヒータ5への加熱タイミングを上述のように制御する
ことで、サーマルポンプが駆動され、液体6は流路3内
を一方向に還流する。従って、この実施の形態12によ
れば、壁面21の濡れ性>壁面23の濡れ性>壁面22
の濡れ性とし、壁面21、22の間の濡れ性の差を壁面
22、23の間の濡れ性の差より大きくしているので、
壁面21、22の間で生じる毛管径が壁面22、23の
間で生じる毛管径より小さくなり、毛管径の差の効果と
受動的一方向性弁17a、17bの効果との相乗効果を
生み、液体6を一方向により安定して駆動することがで
きる。
【0066】実施の形態13.図22はこの発明の実施
の形態13に係る薄型ループ状流路デバイスの要部を模
式的に示す平面図である。図22において、流路3A
は、流路3と同様にレーストラック状に形成され、第1
流路3aおよび第2流路3b(分岐流路)が並列に流路
3Aの一部に設けられている。そして、一対の流路制御
弁4a、4bが流路制御弁4bを液流通方向(図22中
矢印Aの方向)の上流側に位置させて液流通方向に所定
距離離れて第1流路3aに配設され、ヒータ5cが三角
形頂部を流路制御弁4b近傍に位置させて一対の流路制
御弁4a、4b間の第1流路3aに配設されている。ま
た、一対の受動的一方向性弁17a、17bが受動的一
方向性弁17bを液流通方向(図22中矢印Bの方向)
の上流側に位置させて液流通方向に所定距離離れて第2
流路3bに配設され、ヒータ5dが三角形頂部を受動的
一方向性弁17b近傍に位置させて一対の受動的一方向
性弁17a、17b間の第2流路3bに配設されてい
る。なお、他の構成は上記実施の形態1、2と同様に構
成されている。
【0067】ここで、この実施の形態13による液体6
の駆動方法について説明する。図22はヒータ5dへの
通電を停止し、同時にヒータ5cに通電した状態を示し
ている。この時、気泡9dは受動的一方向性弁17aに
ブロックされて凝縮を開始する。そこで、液体6は、矢
印Bで示されるように、受動的一方向性弁17bからサ
ーマルポンプ内に流入する。一方、気泡9cが流路制御
弁4a近傍で発生し、流路制御弁4bに接して流路制御
弁4b側への成長が阻止され、流路制御弁4a側に成長
する。そこで、液体6は、矢印Aで示されるように、気
泡9cに押されて流路制御弁4aから排出される。つい
で、気泡9cが流路制御弁4aに接するまで成長し、気
泡9dが消失した時点で、ヒータ5cへの通電を停止す
るとともに、ヒータ5dに通電する。そこで、気泡9c
は流路制御弁4aにブロックされて凝縮を開始し、液体
6が流路制御弁4bからサーマルポンプ内に流入する。
一方、気泡9dが受動的一方向性弁17a近傍で発生
し、受動的一方向性弁17bに接して受動的一方向性弁
17b側への成長が阻止され、受動的一方向性弁17a
側に成長する。そこで、液体6が気泡9dに押されて受
動的一方向性弁17aから排出される。
【0068】そこで、制御装置41により、電源40か
らヒータ5c、5dへの加熱タイミングを上述のように
制御することで、ヒータ5c、5dの加熱が交互に繰り
返され、液体6が流路3A内を一方向に還流する。従っ
て、この実施の形態13においても、液体6を一方向に
安定して駆動することができる。
【0069】なお、上記実施の形態13では、サーマル
ポンプを流路制御弁4a、4bの対、もしくは受動的一
方向性弁17a、17bの対で構成するものとしている
が、図23に示されるように、流路制御弁4bと受動的
一方向性弁17a(流路抵抗が流路制御弁4b対して大
きい)との対でサーマルポンプを構成しても、同様の効
果が得られる。
【0070】実施の形態14.図24はこの発明の実施
の形態14に係る薄型ループ状流路デバイスの要部を模
式的に示す平面図である。図24において、流路3B
は、流路3と同様にレーストラック状に形成され、その
一部に折り返し部が形成され、折り返し部の往路3cと
復路3dとが流路壁面を介して密接して平行に構成され
ている。そして、一対の受動的一方向性弁17a、17
bとヒータ5とからなるサーマルポンプが折り返し部の
液流通方向の下流側である往路3cに配設されている。
なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されて
いる。
【0071】この実施の形態14によれば、ヒータ5へ
の通電停止後、気泡9の凝縮が開始し、気泡9が縮小し
て受動的一方向性弁17bから離間したときに、液体6
が受動的一方向性弁17bから流入する。この受動的一
方向性弁17bから流入した液体6により、気泡9は受
動的一方向性弁17b側の気液界面から冷却され、その
凝縮が促進される。さらに、流路3Bの折り返し部で
は、往路3cと復路3dとを流れる液体6は対向流とな
り、放熱部7で冷却された液体6が復路3dを通って往
路3cに流れる。そこで、冷却された液体6が図24中
矢印Cに沿って復路3dを流れる際に流路壁面を介して
ポンプ内の気泡9を冷却する。従って、気泡9の凝縮が
さらに加速されるので、液体6の循環速度を速めること
ができ、熱輸送量が増大される。
【0072】なお、上記実施の形態14では、上記実施
の形態2におけるループ状流路デバイスに適用するもの
として説明しているが、上記実施の形態1におけるルー
プ状流路デバイスに適用しても、同様の効果が得られ
る。
【0073】実施の形態15.図25はこの発明の実施
の形態15に係る薄型ループ状流路デバイスの要部を模
式的に示す平面図である。図25において、流路3C
は、流路3と同様にレーストラック状に形成され、その
一部に往路3eと往路3eを囲繞する復路3fとの2重
管構造の折り返し部が形成されている。そして、一対の
受動的一方向性弁17a、17bとヒータ5とからなる
サーマルポンプが折り返し部の往路3eに配設されてい
る。なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成さ
れている。
【0074】この実施の形態15によれば、ヒータ5へ
の通電停止後、気泡9の凝縮が開始し、気泡9が縮小し
て受動的一方向性弁17bから離間したときに、液体6
が受動的一方向性弁17bから流入する。この受動的一
方向性弁17aから流入した液体6により、気泡9は受
動的一方向性弁17b側の気液界面から冷却され、その
凝縮が促進される。さらに、流路3Cの折り返し部で
は、往路3eと復路3fとを流れる液体6は対向流とな
り、放熱部で冷却された液体6が復路3fを通って往路
3eに流れる。そこで、冷却された液体6が図25中矢
印Dに沿って復路3fを流れる際に流路壁面を介して全
周から気泡9を冷却する。従って、気泡9の凝縮がさら
に加速されるので、液体6の循環速度を速めることがで
き、熱輸送量が増大される。
【0075】なお、上記実施の形態15では、上記実施
の形態2におけるループ状流路デバイスに適用するもの
として説明しているが、上記実施の形態1におけるルー
プ状流路デバイスに適用しても、同様の効果が得られ
る。
【0076】実施の形態16.図26はこの発明の実施
の形態16に係る温度制御機器を模式的に示す斜視図で
ある。図26において、温度制御機器110は、ループ
状流路デバイス100と、デバイス100の受熱部8に
密接して載置される負荷側対象物30と、負荷側対象物
30の加熱機構31と、デバイス100の放熱部7に密
接して載置される冷却機構32とから構成されている。
ここで、加熱機構31は負荷側対象物30を加熱できる
ものであればよく、例えば電気抵抗線からなるヒータや
レーザを用いることができる。また、冷却機構32は放
熱部7を介して流路3内の液体を冷却できるものであれ
ばよく、例えば水冷パイプ、冷却ファン、ペルチェ素子
などを用いることができる。
【0077】この温度制御機器110では、制御装置4
1(図示せず)によりサーマルポンプのヒータ5への加
熱量および加熱タイミングを制御し、液体6を流路3内
を一方向に駆動している。そして、負荷側対象物30の
熱は受熱部8を介して流路3内を流通する液体6との間
で熱交換され、負荷側対象物30が冷却されるととも
に、液体6が暖められる。この暖められた液体6は、流
路3を流通して放熱部7に到達し、放熱部7を介して冷
却機構32との間で熱交換され、冷却される。この冷却
された液体6は流路3を流通してサーマルポンプに還流
される。ここで、制御装置によりヒータ5への通電量、
加熱タイミング(周期)を制御することにより、液体6
の移動速度が調整され、液体6による熱輸送量が調整さ
れて、負荷側対象物30を設定温度に制御することがで
きる。この時、負荷側対象物30が設定温度以下となれ
ば、加熱機構31を用いて負荷側対象物30の加熱し
て、負荷側対象物30を設定温度に制御することができ
る。
【0078】このように、この温度制御機器110は、
ループ状流路デバイス100のサーマルポンプシステム
の加熱量(ヒータ5への加熱量)およびその周期と、加
熱機構31の加熱量およびその周期とを互いに適宜制御
することにより、負荷側対象物30により温められた受
熱部8の熱量を、流路3に流れる液体6により放熱部7
に高速に輸送し、放熱部7に設けられた冷却機構32に
より冷却するので、負荷側対象物30の温度を高速に制
御することができる。
【0079】なお、上記実施の形態16では、上記実施
の形態1によるループ状流路デバイスを用いるものとし
て説明しているが、上記実施の形態2〜15のいずれか
のループ状流路デバイスを用いてもよいことはいうまで
もないことである。
【0080】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0081】この発明によれば、冷却機構が載置される
放熱部と、負荷側対象物が載置される受熱部と、上記放
熱部と上記受熱部との間で液体が循環するように構成さ
れたループ状流路と、上記ループ状流路内に液流通方向
に並んで配設された複数の弁体とを備えた薄型ループ状
流路デバイスにおいて、上記複数の弁体の隣接する2つ
の弁体が、第1弁体と、該第1弁体に対して流路抵抗を
大きく形成された第2弁体とにより構成され、かつ、加
熱部材が、上記第1弁体近傍から気泡を発生させた後、
上記第2弁体に向かって該気泡を成長させるように上記
第1および第2弁体間に配置されて構成されたサーマル
ポンプと、上記第1および第2弁体の流路抵抗の差を利
用して上記液体が上記ループ状流路内を一方向に還流す
るように上記加熱部材への加熱量および加熱タイミング
を制御する制御手段とを備えている。そこで、流路の薄
型化に伴う熱輸送性能の低下が改善され、流路内での液
体をそのまま熱輸送に使用して熱輸送時間を短縮し、さ
らに温度勾配をより低減することができ、安定した熱輸
送制御が行える高い信頼性の薄型ループ状流路デバイス
を実現できる。
【0082】また、冷却機構が載置される放熱部と、負
荷側対象物が載置される受熱部と、上記放熱部と上記受
熱部との間で液体が循環するように構成されたループ状
流路と、上記ループ状流路内に液流通方向に並んで配設
された複数の弁体とを備えた薄型ループ状流路デバイス
において、上記複数の弁体の隣接する2つの弁体が、第
1弁体と、該第1弁体に対して気液界面を生じる毛管径
を小さく形成された第2弁体とにより構成され、かつ、
加熱部材が、上記第1弁体近傍から気泡を発生させた
後、上記第2弁体に向かって該気泡を成長させるように
上記第1および第2弁体間に配置されて構成されたサー
マルポンプと、上記第1および第2弁体の毛管径の差を
利用して上記液体が上記ループ状流路内を一方向に還流
するように上記加熱部材への加熱量および加熱タイミン
グを制御する制御手段とを備えている。そこで、流路の
薄型化に伴う熱輸送性能の低下が改善され、流路内での
液体をそのまま熱輸送に使用して熱輸送時間を短縮し、
さらに温度勾配をより低減することができる高い信頼性
の薄型ループ状流路デバイスを実現できる。さらに、発
泡した気泡の凝縮時に流入する液体による冷却時に、毛
管径の大きい気液界面から液体の流入が安定的に起こ
り、さらに安定した熱輸送制御が可能となる。
【0083】また、冷却機構が載置される放熱部と、負
荷側対象物が載置される受熱部と、上記放熱部と上記受
熱部との間で液体が循環するように構成されたループ状
流路と、上記ループ状流路内に液流通方向に並んで配設
された複数の弁体とを備えた薄型ループ状流路デバイス
において、上記複数の弁体の隣接する2つの弁体が、第
1弁体と、該第1弁体に対して流路抵抗を大きく、か
つ、気液界面を生じる毛管径を小さく形成された第2弁
体とにより構成され、かつ、加熱部材が、上記第1弁体
近傍から気泡を発生させた後、上記第2弁体に向かって
該気泡を成長させるように上記第1および第2弁体間に
配置されて構成されたサーマルポンプと、上記第1およ
び第2弁体の流路抵抗および毛管径の差を利用して上記
液体が上記ループ状流路内を一方向に還流するように上
記加熱部材への加熱量および加熱タイミングを制御する
制御手段とを備えている。そこで、流路の薄型化に伴う
熱輸送性能の低下が改善され、流路内での液体をそのま
ま熱輸送に使用して熱輸送時間を短縮し、さらに温度勾
配をより低減することができる高い信頼性の薄型ループ
状流路デバイスを実現できる。さらに、発泡した気泡の
凝縮時に流入する液体による冷却時に、毛管径の大きい
気液界面から液体の流入が安定的に起こり、さらに気液
界面が第1および第2弁体から離れたときも流路抵抗差
により第1弁体から安定的に流入し、さらに安定した熱
輸送制御が可能となる。
【0084】また、上記第1および第2弁体は、その流
路抵抗が上記液流通方向の上流側から下流側に向かって
大きくなるように形成された流路制御弁で構成されてい
るので、第1および第2弁体を簡易に構成することがで
きる。
【0085】また、上記第1および第2弁体は、その流
路抵抗が上記液流通方向に関して一定となるように形成
された受動的一方向性弁で構成されているので、第1お
よび第2弁体を簡易に構成することができる。
【0086】また、上記第1および第2弁体の一方は、
その流路抵抗が上記液流通方向の上流側から下流側に向
かって大きくなるように形成された流路制御弁で構成さ
れ、他方は、その流路抵抗が上記液流通方向に関して一
定となるように形成された受動的一方向性弁で構成され
ているので、第1および第2弁体を簡易に構成すること
ができる。
【0087】また、上記第1弁体の濡れ性、上記第2弁
体の濡れ性および上記第1弁体と上記第2弁体との間の
濡れ性が、上記第2弁体の濡れ性>上記第1弁体の濡れ
性>上記第1弁体と上記第2弁体との間の濡れ性となる
ように構成されているので、発泡した気泡の凝縮時に流
入する液体による冷却時に、小さい濡れ性の部分と中間
の濡れ性の部分との交差する気液界面から液体の流入が
起こり、安定した熱輸送制御が可能となる。
【0088】また、上記サーマルポンプが上記ループ状
流路に直列に複数個構成されているので、熱輸送量の改
善が図られる。
【0089】また、上記ループ状流路の一部が複数の分
岐流路に分岐され、上記サーマルポンプが上記複数の分
岐流路のそれぞれに構成されているので、液体を一方向
に安定して駆動することができる。
【0090】また、この発明によれば、上述のいずれか
の薄型ループ状流路デバイスと、上記薄型ループ状流路
デバイスの受熱部に載置される負荷側対象物を加熱する
加熱機構と、上記薄型ループ状流路デバイスの放熱部に
載置された放熱機構とを備えているので、サーマルポン
プの加熱部材と加熱機構との加熱量および周期を制御す
ることにより負荷側対象物を高速に温度制御することが
できる温度制御機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る薄型ループ状
流路デバイスの構造を模式的に示す平面図である。
【図2】 図1のII−II矢視断面図である。
【図3】 図1のIII−III矢視断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る薄型ループ状
流路デバイスにおけるヒータの実施態様を説明する図で
ある。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る薄型ループ状
流路デバイスにおける沸騰核構造を模式的に説明する図
である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る薄型ループ状
流路デバイスにおける流路制御弁の実施態様を説明する
図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に係る薄型ループ状
流路デバイスにおける流路制御弁の他の実施態様を説明
する図である。
【図8】 この発明の実施の形態2に係る薄型ループ状
流路デバイスの構造を模式的に示す平面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2に係る薄型ループ状
流路デバイスのサーマルポンプ動作を説明するための図
である。
【図10】 この発明の実施の形態2に係る薄型ループ
状流路デバイスにおけるヒータの実施態様を説明する図
である。
【図11】 この発明の実施の形態2に係る薄型ループ
状流路デバイスにおける受動的一方向性弁の実施態様を
説明する図である。
【図12】 この発明の実施の形態3に係る薄型ループ
状流路デバイスの構造を模式的に示す平面図である。
【図13】 この発明の実施の形態4に係る薄型ループ
状流路デバイスの構造を模式的に示す平面図である。
【図14】 この発明の実施の形態5に係る薄型ループ
状流路デバイスの構造を模式的に示す平面図である。
【図15】 この発明の実施の形態6に係る薄型ループ
状流路デバイスの構造を模式的に示す平面図である。
【図16】 この発明の実施の形態7に係る薄型ループ
状流路デバイスの構造を模式的に示す平面図である。
【図17】 この発明の実施の形態8に係る薄型ループ
状流路デバイスの構造を模式的に示す平面図である。
【図18】 この発明の実施の形態9に係る薄型ループ
状流路デバイスにおけるサーマルポンプ動作を説明する
図である。
【図19】 この発明の実施の形態10に係る薄型ルー
プ状流路デバイスにおけるサーマルポンプ動作を説明す
る図である。
【図20】 この発明の実施の形態11に係る薄型ルー
プ状流路デバイスのサーマルポンプ周りを模式的に示す
平面図である。
【図21】 この発明の実施の形態12に係る薄型ルー
プ状流路デバイスのサーマルポンプ周りを模式的に示す
平面図である。
【図22】 この発明の実施の形態13に係る薄型ルー
プ状流路デバイスの要部を模式的に示す平面図である。
【図23】 この発明の実施の形態13に係る薄型ルー
プ状流路デバイスにおけるサーマルポンプの実施態様を
説明する図である。
【図24】 この発明の実施の形態14に係る薄型ルー
プ状流路デバイスの要部を模式的に示す平面図である。
【図25】 この発明の実施の形態15に係る薄型ルー
プ状流路デバイスの要部を模式的に示す平面図である。
【図26】 この発明の実施の形態16に係る温度制御
機器を模式的に示す斜視図である。
【図27】 従来のループ状ヒートパイプの構造を示す
概略図である。を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
3、3A、3B、3C 流路、3a 第1流路(分岐流
路)、3b 第2流路(分岐流路)、4a、15a、1
6a 流路制御弁(第2弁体)、4b、15b、16b
流路制御弁(第1弁体)、5、5a、5b、5c、5
d、11a、11b、12、13 ヒータ(加熱部
材)、6 液体、7 放熱部、8 受熱部、9、9c、
9d 気泡、9a、9b 気液界面、17a、18a
受動的一方向性弁(第2弁体)、17b、18b 受動
的一方向性弁(第1弁体)、30 負荷側対象物、31
加熱機構、32 冷却機構、41 制御装置(制御手
段)、100、101、102、103、104、10
5、106、107 ループ状流路デバイス、110
温度制御機器。
フロントページの続き (72)発明者 梅本 俊行 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 大串 哲朗 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却機構が載置される放熱部と、負荷側
    対象物が載置される受熱部と、上記放熱部と上記受熱部
    との間で液体が循環するように構成されたループ状流路
    と、上記ループ状流路内に液流通方向に並んで配設され
    た複数の弁体とを備えた薄型ループ状流路デバイスにお
    いて、 上記複数の弁体の隣接する2つの弁体が、第1弁体と、
    該第1弁体に対して流路抵抗を大きく形成された第2弁
    体とにより構成され、かつ、加熱部材が、上記第1弁体
    近傍から気泡を発生させた後、上記第2弁体に向かって
    該気泡を成長させるように上記第1および第2弁体間に
    配置されて構成されたサーマルポンプと、 上記第1および第2弁体の流路抵抗の差を利用して上記
    流体が上記ループ状流路内を一方向に還流するように上
    記加熱部材への加熱量および加熱タイミングを制御する
    制御手段とを備えたことを特徴とする薄型ループ状流路
    デバイス。
  2. 【請求項2】 冷却機構が載置される放熱部と、負荷側
    対象物が載置される受熱部と、上記放熱部と上記受熱部
    との間で液体が循環するように構成されたループ状流路
    と、上記ループ状流路内に液流通方向に並んで配設され
    た複数の弁体とを備えた薄型ループ状流路デバイスにお
    いて、 上記複数の弁体の隣接する2つの弁体が、第1弁体と、
    該第1弁体に対して気液界面を生じる毛管径を小さく形
    成された第2弁体とにより構成され、かつ、加熱部材
    が、上記第1弁体近傍から気泡を発生させた後、上記第
    2弁体に向かって該気泡を成長させるように上記第1お
    よび第2弁体間に配置されて構成されたサーマルポンプ
    と、 上記第1および第2弁体の毛管径の差を利用して上記液
    体が上記ループ状流路内を一方向に還流するように上記
    加熱部材への加熱量および加熱タイミングを制御する制
    御手段とを備えたことを特徴とする薄型ループ状流路デ
    バイス。
  3. 【請求項3】 冷却機構が載置される放熱部と、負荷側
    対象物が載置される受熱部と、上記放熱部と上記受熱部
    との間で液体が循環するように構成されたループ状流路
    と、上記ループ状流路内に液流通方向に並んで配設され
    た複数の弁体とを備えた薄型ループ状流路デバイスにお
    いて、 上記複数の弁体の隣接する2つの弁体が、第1弁体と、
    該第1弁体に対して流路抵抗を大きく、かつ、気液界面
    を生じる毛管径を小さく形成された第2弁体とにより構
    成され、かつ、加熱部材が、上記第1弁体近傍から気泡
    を発生させた後、上記第2弁体に向かって該気泡を成長
    させるように上記第1および第2弁体間に配置されて構
    成されたサーマルポンプと、 上記第1および第2弁体の流路抵抗および毛管径の差を
    利用して上記液体が上記ループ状流路内を一方向に還流
    するように上記加熱部材への加熱量および加熱タイミン
    グを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする薄型
    ループ状流路デバイス。
  4. 【請求項4】 上記第1および第2弁体は、その流路抵
    抗が上記液流通方向の上流側から下流側に向かって大き
    くなるように形成された流路制御弁で構成されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の薄型ループ状流路デバイス。
  5. 【請求項5】 上記第1および第2弁体は、その流路抵
    抗が上記液流通方向に関して一定となるように形成され
    た受動的一方向性弁で構成されていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の薄型ループ状
    流路デバイス。
  6. 【請求項6】 上記第1および第2弁体の一方は、その
    流路抵抗が上記液流通方向の上流側から下流側に向かっ
    て大きくなるように形成された流路制御弁で構成され、
    他方は、その流路抵抗が上記液流通方向に関して一定と
    なるように形成された受動的一方向性弁で構成されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに
    記載の薄型ループ状流路デバイス。
  7. 【請求項7】 上記第1弁体の濡れ性、上記第2弁体の
    濡れ性および上記第1弁体と上記第2弁体との間の濡れ
    性が、上記第2弁体の濡れ性>上記第1弁体の濡れ性>
    上記第1弁体と上記第2弁体との間の濡れ性となるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    6のいずれかに記載の薄型ループ状流路デバイス。
  8. 【請求項8】 上記サーマルポンプが上記ループ状流路
    に直列に複数個構成されていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項7のいずれかに記載の薄型ループ状流路デ
    バイス。
  9. 【請求項9】 上記ループ状流路の一部が複数の分岐流
    路に分岐され、上記サーマルポンプが上記複数の分岐流
    路のそれぞれに構成されていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項7のいずれかに記載の薄型ループ状流路デ
    バイス。
  10. 【請求項10】 上記請求項1乃至請求項9のいずれか
    に記載された薄型ループ状流路デバイスと、上記薄型ル
    ープ状流路デバイスの受熱部に載置される負荷側対象物
    を加熱する加熱機構と、上記薄型ループ状流路デバイス
    の放熱部に載置された放熱機構とを備えたことを特徴と
    する温度制御機器。
JP2002070246A 2002-03-14 2002-03-14 薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用いた温度制御機器 Expired - Fee Related JP3860055B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002070246A JP3860055B2 (ja) 2002-03-14 2002-03-14 薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用いた温度制御機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002070246A JP3860055B2 (ja) 2002-03-14 2002-03-14 薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用いた温度制御機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003269876A true JP2003269876A (ja) 2003-09-25
JP3860055B2 JP3860055B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=29200874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002070246A Expired - Fee Related JP3860055B2 (ja) 2002-03-14 2002-03-14 薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用いた温度制御機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3860055B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015048979A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 富士通株式会社 ループヒートパイプ
WO2019198368A1 (ja) * 2018-04-09 2019-10-17 株式会社デンソー 熱交換器

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6131884A (ja) * 1984-07-24 1986-02-14 Kenji Okayasu 熱伝達装置
JPS63263392A (ja) * 1987-04-22 1988-10-31 Akutoronikusu Kk ル−プ型ヒ−トパイプの受熱部
JPH01127895A (ja) * 1987-11-04 1989-05-19 Akutoronikusu Kk 閉ループ管型熱伝達装置
JPH01179892A (ja) * 1987-12-29 1989-07-17 Showa Alum Corp ヒートパイプ
JPH0420788A (ja) * 1990-05-16 1992-01-24 Toshiba Corp 冷却装置および温度制御装置
JPH0688685A (ja) * 1991-05-24 1994-03-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 逆止め弁のないループ型ヒートパイプを具備する冷却装置
JPH06201281A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Akutoronikusu Kk 非ループ型蛇行細管ヒートパイプ
JPH06257969A (ja) * 1993-03-02 1994-09-16 Toshiba Corp ループ型ヒートパイプ
JPH07127982A (ja) * 1993-11-04 1995-05-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 熱輸送パイプ
JPH07174475A (ja) * 1993-12-17 1995-07-14 Agency Of Ind Science & Technol 熱伝達装置
JPH07286788A (ja) * 1994-04-19 1995-10-31 Hitachi Ltd 熱輸送素子およびそれを用いた電子機器
JP2001263972A (ja) * 2000-03-16 2001-09-26 Hitachi Ltd 熱輸送装置
JP2002168579A (ja) * 2000-09-22 2002-06-14 Mitsubishi Electric Corp 薄型ループ状ヒートパイプおよびこれを用いた温度制御機器

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6131884A (ja) * 1984-07-24 1986-02-14 Kenji Okayasu 熱伝達装置
JPS63263392A (ja) * 1987-04-22 1988-10-31 Akutoronikusu Kk ル−プ型ヒ−トパイプの受熱部
JPH01127895A (ja) * 1987-11-04 1989-05-19 Akutoronikusu Kk 閉ループ管型熱伝達装置
JPH01179892A (ja) * 1987-12-29 1989-07-17 Showa Alum Corp ヒートパイプ
JPH0420788A (ja) * 1990-05-16 1992-01-24 Toshiba Corp 冷却装置および温度制御装置
JPH0688685A (ja) * 1991-05-24 1994-03-29 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 逆止め弁のないループ型ヒートパイプを具備する冷却装置
JPH06201281A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Akutoronikusu Kk 非ループ型蛇行細管ヒートパイプ
JPH06257969A (ja) * 1993-03-02 1994-09-16 Toshiba Corp ループ型ヒートパイプ
JPH07127982A (ja) * 1993-11-04 1995-05-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 熱輸送パイプ
JPH07174475A (ja) * 1993-12-17 1995-07-14 Agency Of Ind Science & Technol 熱伝達装置
JPH07286788A (ja) * 1994-04-19 1995-10-31 Hitachi Ltd 熱輸送素子およびそれを用いた電子機器
JP2001263972A (ja) * 2000-03-16 2001-09-26 Hitachi Ltd 熱輸送装置
JP2002168579A (ja) * 2000-09-22 2002-06-14 Mitsubishi Electric Corp 薄型ループ状ヒートパイプおよびこれを用いた温度制御機器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015048979A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 富士通株式会社 ループヒートパイプ
WO2019198368A1 (ja) * 2018-04-09 2019-10-17 株式会社デンソー 熱交換器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3860055B2 (ja) 2006-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6648824B2 (ja) ループヒートパイプ及びその製造方法並びに電子機器
US20090294117A1 (en) Vapor Chamber-Thermoelectric Module Assemblies
US7156159B2 (en) Multi-level microchannel heat exchangers
US7188662B2 (en) Apparatus and method of efficient fluid delivery for cooling a heat producing device
JP5061911B2 (ja) ループ型ヒートパイプおよび電子機器
US10006720B2 (en) System for using active and passive cooling for high power thermal management
WO2017195254A1 (ja) ループヒートパイプ及びその製造方法並びに電子機器
US20170135247A1 (en) Heat transfer device and electronic device
JP2013004562A (ja) 沸騰冷却システム
JP2009115396A (ja) ループ型ヒートパイプ
JP2007335517A (ja) 冷却器
EP2003944A9 (en) Method of ebullient cooling, ebullient cooling apparatus, flow channel structure and application product thereof
JP4216533B2 (ja) マイクロ冷却装置
US20210392781A1 (en) Wick sheet for vapor chamber, vapor chamber, and electronic apparatus
JP2013245875A (ja) 冷却装置及び電子装置
US20040075181A1 (en) Thermal transport apparatus and method for manufacturing the same
Sahu et al. Experimental investigation of hotspot removal using superlattice cooler
JP2003269876A (ja) 薄型ループ状流路デバイスおよびそれを用いた温度制御機器
JP2023525596A (ja) 熱交換装置および熱交換装置を備えた冷却システム
JP2002168579A (ja) 薄型ループ状ヒートパイプおよびこれを用いた温度制御機器
JP2007333246A (ja) 可変コンダクタンスヒートパイプおよびこれを用いた温度調節装置
JP2004028444A (ja) 冷却装置、電子機器装置及び冷却装置の製造方法
JP2012198019A (ja) ループ型ヒートパイプおよび電子機器
JP2012237491A (ja) 平板型冷却装置、その製造方法及びその使用方法
JP2004353902A (ja) 冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090929

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100929

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110929

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120929

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130929

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees