JP2003269256A - 液化ガス燃料供給システム - Google Patents

液化ガス燃料供給システム

Info

Publication number
JP2003269256A
JP2003269256A JP2002075970A JP2002075970A JP2003269256A JP 2003269256 A JP2003269256 A JP 2003269256A JP 2002075970 A JP2002075970 A JP 2002075970A JP 2002075970 A JP2002075970 A JP 2002075970A JP 2003269256 A JP2003269256 A JP 2003269256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
pressure
path
fuel tank
bypass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002075970A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3966749B2 (ja
Inventor
Keiji Iwatsuki
恵司 岩月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Motor Wheel Co Ltd
Original Assignee
Central Motor Wheel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Motor Wheel Co Ltd filed Critical Central Motor Wheel Co Ltd
Priority to JP2002075970A priority Critical patent/JP3966749B2/ja
Publication of JP2003269256A publication Critical patent/JP2003269256A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3966749B2 publication Critical patent/JP3966749B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液化ガス燃料を使用するエンジンにおいて、
エンジン停止時に、各燃料噴射器の噴孔を略大気圧に維
持して、各噴孔からの燃料漏れを防止する。また、燃料
タンク内の圧力が限界値を超えないようにする。 【解決手段】 リターン経路切替弁12に圧力調整器7
をバイパスして燃料リターン経路Rに接続する第1のバ
イパス経路R1を設ける。隔離部分Kと前記燃料リター
ン経路R間に第2のバイパス経路R2を設け、これにバ
イパス経路開閉弁13とコンプレッサ10を設ける。燃
料タンク1と第2のバイパス経路R2とコンプレッサ1
0と冷却器8を循環するガス抜き経路Gを設ける。燃料
タンク1内の圧力が設定値を超えた場合に、燃料タンク
1内のガス燃料をガス抜き経路Gに循環させて冷却器8
で冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガスを燃料と
する液化ガス燃料供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】液化ガス燃料をエンジンシリンダ内に噴
射して燃焼させる場合、液化ガスを加圧して液体の状態
で噴射系に供給する必要があるが、特にディーゼルエン
ジンのような高圧縮エンジンに用いる場合には、液化ガ
スを極めて高い圧力で加圧して燃料噴射系に供給する必
要がある。
【0003】各種の液化ガスのうち、軽油に代わるディ
ーゼル燃料として、セタン価が高く且つPMとNOxの
発生が少なく、とりわけススの発生の極めて少ないジメ
チルエーテル(以下、DMEと言う)が低公害燃料とし
て検討されているが、軽油に比べて粘性が大幅に低いた
め、エンジン停止中に於いて燃料配管内の高い燃料残圧
により、メタルシールの電磁弁を有するインジェクタに
あっても、インジェクタの噴孔からエンジンシリンダ内
へDMEが徐々に漏れて滞留し、エンジンの始動時に異
常燃焼を生じるという問題がある。
【0004】この問題を解決するため、従来より各種の
提案がされているが、代表的なものとしてドイツ特許第
19611434号A1公報が挙げられる。
【0005】前記公報は、エンジン停止中にインジェク
タへ高圧燃料を供給するコモンレールを含む高圧燃料供
給系及びインジェクタへの余剰燃料を燃料タンクに戻す
燃料リターン系の配管内に残留する高圧液状のDME
を、複数の弁装置を開閉制御して低圧の捕集容器(パー
ジタンクとも言う)に回収することにより、インジェク
タの噴孔を大気圧に維持して、噴孔からのDMEの漏れ
を防止するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に開示されているパージタンクは、高圧液状の残留D
MEを低圧のガス状態で回収し貯留するために必然的に
大容量となり、例えば、180リットルもある大型タン
クとなるため、車両への搭載性に特に難点があることに
加え装置コストも高くなるので、実用化に当たっては問
題があった。
【0007】そこで、本出願人は、先に、エンジン停止
時に、インジェクタの噴孔からエンジンのシリンダ内に
粘性の低いジメチルエーテル(DME)のような液化ガ
ス燃料が漏れるのを防止するため、エンジン停止時に於
いて、インジェクタを含む高圧燃料経路の一部を弁手段
により区画隔離し、この隔離された隔離部分に残留する
高圧液状燃料を燃料タンクに冷却器を通して直接に戻
し、次いで隔離部分の圧力が設定値以下に低下した時点
で、隔離部分に未だ残留しているガス状燃料をコンプレ
ッサにより吸引して燃料タンクに戻すようにし、インジ
ェクタの噴孔を大気圧近くに維持して、インジェクタの
噴孔からの燃料漏れを無くすようにしたものを特願20
02−26360号で出願した。
【0008】ところで、エンジン運転中に、圧力調整器
を介して冷却器を通り燃料タンクに戻って来る高圧液状
燃料は、インジェクタから間欠的に噴射される燃料の一
部が間欠的に戻って来るが、この場合は単位時間当たり
の燃料戻り量は小さいので、所定の温度以下に冷却する
冷却器の冷却能力は、それほど大きくなくても良い。そ
のため、燃料タンクに戻って来る燃料の冷却不足によ
り、燃料タンクの圧力が限界値を超えることはエンジン
運転中は無かった。
【0009】しかしながら、前記の先の出願では、エン
ジン停止時に、隔離部分に残留する高圧液状燃料がバイ
パス経路を介して冷却器を通り燃料タンクに一度に戻っ
て来る方式を用いているため、単位時間当たりの燃料戻
り量は大きく、それにより冷却器の冷却能力不足から所
定の温度以下に燃料を冷却することが出来ない場合に
は、燃料タンク内が限界温度を超えてタンク内の圧力が
限界値を超える事態を生じる。また、夏場の大気温度が
高い場合には燃料タンク自身が輻射熱により高温(50
℃)となる。
【0010】すなわち、安全弁の作動圧力は高圧ガス保
安法により各燃料の最高充填圧力から決まるものであ
り、DMEの場合、その設定圧力は1.44MPaであ
る。前記のように、冷却不足の燃料が燃料タンクに戻っ
てその燃料タンク内の温度が、例えば60℃になると、
DMEの燃料タンク内圧力が図11の蒸気圧線図から明
らかなように、1.5MPa弱となり、前記圧力限界値
よりも超える事態が生じる。
【0011】このような事態を解決するためには、冷却
器の冷却能力を適合する能力まで上げれば良いが、その
場合には冷却器が必然的に大型化するため、限定された
車両の搭載スペースに対して、冷却器の大型化は車両へ
の搭載上の問題を新たに抱えることになる。
【0012】そこで本願発明は、前記本出願人が先に出
願した液化ガス燃料供給システムに於いて、エンジンの
停止時に、燃料タンク内の蒸気(ガス)圧を、前記の冷
却器を利用して制御する簡単な圧力制御機構を付加する
ことにより、前記のような燃料タンク内の圧力が限界値
を超える事態と、冷却器の大型化の問題を共に解決する
液化ガス燃料供給システムを提供することを目的とする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の第1の発明は、液化ガスを貯留
する燃料タンクから高圧ポンプを介してエンジンへの燃
料噴射器に燃料を供給する高圧燃料供給経路と、前記高
圧燃料供給路から圧力調整器と冷却器を介して前記燃料
タンクに燃料を戻す燃料リターン経路と、エンジン停止
時に、前記高圧燃料供給路における燃料噴射器部を隔離
して、該隔離部分の残留高圧液状燃料を前記圧力調整器
をバイパスして前記燃料リターン経路における冷却器の
上流側に戻すバイパス経路と、前記隔離部分の残留高圧
液状燃料を燃料タンクへ戻した後に、隔離部分に残留す
るガス状燃料をコンプレッサを介して前記燃料リターン
経路における冷却器の上流側に戻すバイパス経路と、前
記各経路への燃料の流れを制御する制御手段と、前記燃
料タンクから分岐して前記ガス状燃料用のバイパス経路
におけるコンプレッサの上流側に接続されたガス抜き経
路と、エンジン停止時に、前記燃料タンクのガス状燃料
を前記ガス抜き経路を介して前記冷却器を通して前記燃
料タンクに循環させる圧力制御手段と、を備えたことを
特徴とする液化ガス燃料供給システムである。
【0014】上記の発明において、エンジン停止時に
は、高圧燃料供給路における燃料噴射器部を隔離し、隔
離部分に残留する高圧液状燃料をバイパス経路から燃料
タンクに回収する。また、隔離部分に残留するガス状燃
料をコンプレッサによりバイパス経路から燃料タンクに
回収する。これにより、隔離部分の圧力を略大気圧に低
下させることができ、エンジン停止時に於いて、隔離部
分に連通している燃料噴射器の噴孔からエンジンシリン
ダ内への燃料漏れは無くなる。
【0015】また、エンジン停止時に於いて前記のよう
に、隔離部分の燃料が燃料タンクへ戻される際に、燃料
タンク内の圧力が設定値以上になると、圧力制御手段に
よって、ガス抜き経路が開かれるとともにコンプレッサ
が作動し、燃料タンク内のガス状燃料はコンプレッサに
吸引され、冷却器で冷却されてから燃料タンク内に戻る
循環を繰り返す。これにより、燃料タンク内の温度が低
下し、燃料タンク内の圧力は急速に低下する。
【0016】燃料タンク内の圧力が設定値以下になる
と、圧力制御手段によりガス抜き経路が閉ざされる。
【0017】したがって、冷却器の能力を上げることな
く、燃料タンク内の圧力が限界値を超えるような事態に
なることが未然に防止される。
【0018】請求項2記載の第2の発明は、液化ガスを
貯留する燃料タンクから高圧ポンプを介してエンジンへ
の燃料噴射器に燃料を供給し、所定の燃料噴射圧力に調
圧する圧力調整器と冷却器を介して前記燃料タンクに燃
料を戻す液化ガス燃料供給システムであって、前記高圧
ポンプから前記燃料噴射器に接続される高圧燃料供給経
路に設けられ、該高圧燃料供給経路を開閉する高圧経路
開閉弁と、前記圧力調整器を介して燃料タンクに燃料を
戻す燃料リターン経路に設けられ、該燃料リターン経路
を開閉すると共に前記圧力調整器をバイパスして前記燃
料リターン経路に接続される第1のバイパス経路へ切り
替えるリターン経路切替弁と、前記高圧経路開閉弁と前
記リターン経路切替弁とにより区画される隔離部分から
分岐し、前記燃料リターン経路に於ける冷却器の上流側
に接続される第2のバイパス経路と、該第2のバイパス
経路に設けられ、該第2のバイパス経路を開閉するバイ
パス経路開閉弁と、前記バイパス経路開閉弁の下流側に
位置する前記第2のバイパス経路に設けられ、前記隔離
部分のガス状燃料を吸引圧縮して前記冷却器を通して前
記燃料タンクに戻すコンプレッサと、前記各経路への燃
料の流れを制御する制御手段と、前記燃料タンクから分
岐して前記バイパス経路開閉弁と前記コンプレッサの間
の前記第2のバイパス経路に接続されるガス抜き経路
と、エンジン停止時に、前記燃料タンクのガス状燃料を
前記ガス抜き経路を介して前記冷却器を通して前記燃料
タンクに循環させる圧力制御手段と、を備えたことを特
徴とする液化ガス燃料供給システムである。
【0019】上記の発明によれば、前記の高圧経路開閉
弁とリターン経路切替弁とにより区画される隔離部分
は、燃料噴射器の噴孔に連通しており、且つ前記の両弁
により前記の燃料タンクに比べて大幅に小さい容積に区
画設定されている。
【0020】ここで、エンジン停止時には、高圧経路開
閉弁、リターン経路切替弁、バイパス経路開閉弁及びコ
ンプレッサが制御され、隔離部分に残留する高圧液状燃
料は第1のバイパス経路から燃料タンクに回収され、ま
た、隔離部分のガス状の残留燃料は第2のバイパス経路
を通じて、隔離部分の圧力が略大気圧に低下するまでコ
ンプレッサにより吸引されて減圧される。そのため、エ
ンジン停止時に於いて、隔離部分に連通している燃料噴
射器の噴孔からエンジンシリンダ内への燃料漏れは無く
なる。
【0021】また、エンジン停止時に於いて前記のよう
に、第1のバイパス経路から高圧液状燃料が燃料タンク
に戻される際及び第2のバイパス経路からガス状の燃料
が燃料タンクへ戻される際に、燃料タンク内の圧力が設
定値以上になると、圧力制御手段によって、ガス抜き経
路が開かれ、燃料タンク内のガス状燃料はコンプレッサ
に吸引され、冷却器で冷却されてから燃料タンク内に戻
る循環を繰り返す。これにより、燃料タンク内の温度が
低下し、燃料タンク内の圧力は急速に低下する。
【0022】燃料タンク内の圧力が設定値以下になる
と、圧力制御手段によりガス抜き経路が閉ざされる。
【0023】したがって、冷却器の能力を上げることな
く、燃料タンク内の圧力が限界値を超えるような事態に
なることが未然に防止される。
【0024】請求項3記載の第3の発明は、液化ガスを
貯留する燃料タンクから高圧ポンプを介してエンジンへ
の燃料噴射器に燃料を供給し、所定の燃料噴射圧力に調
圧する圧力調整器と冷却器を介して前記燃料タンクに燃
料を戻す液化ガス燃料供給システムであって、前記高圧
ポンプから前記燃料噴射器に接続される高圧燃料供給経
路に設けられ、該高圧燃料供給経路を開閉する高圧経路
開閉弁と、前記圧力調整器を介して燃料タンクに燃料を
戻す燃料リターン経路に設けられ、該燃料リターン経路
を開閉するリターン経路開閉弁と、前記高圧経路開閉弁
と前記リターン経路開閉弁とにより区画される隔離部分
から分岐し、前記燃料リターン経路に於ける冷却器の上
流側に接続される第2のバイパス経路と、該第2のバイ
パス経路に設けられ、該第2のバイパス経路を開閉する
とともに前記圧力調整器をバイパスして前記燃料リター
ン経路に接続される第3のバイパス経路へ切り替えるバ
イパス経路切替弁と、前記バイパス経路切替弁の下流側
に位置する前記第2のバイパス経路に設けられ、前記隔
離部分のガス状燃料を吸引圧縮して前記冷却器を通して
前記燃料タンクに戻すコンプレッサと、前記各経路への
燃料の流れを制御する制御手段と、前記燃料タンクから
分岐して前記バイパス経路切替弁と前記コンプレッサの
間の前記第2のバイパス経路に接続されるガス抜き経路
と、エンジン停止時に、前記燃料タンクのガス状燃料を
前記ガス抜き経路を介して前記冷却器を通して前記燃料
タンクに循環させる圧力制御手段と、を備えたことを特
徴とする液化ガス燃料供給システムである。
【0025】この第3の発明によれば、請求項2に記載
の発明に対して異なる点は、請求項2に記載のリターン
経路切替弁に代えてリターン経路開閉弁を用いた点と、
バイパス経路開閉弁に代えてバイパス経路切替弁を用い
た点であり、それに伴い前記の隔離部分を区画する弁
と、前記の第1のバイパス経路に相当する第3のバイパ
ス経路に切り替える弁とが違っているだけであるので、
前述の請求項2に記載の発明に於いて述べた作用、効果
が得られる。
【0026】請求項4記載の第4の発明は、前記第1又
は第2又は第3の発明において、前記圧力制御手段が、
前記燃料タンク内の圧力を検出する圧力センサと、該圧
力センサの検出値に基づいて前記ガス抜き経路を開閉す
る開閉弁とよりなる液化ガス燃料供給システムである。
【0027】本第4の発明によれば、前記のガス抜き経
路を開閉する圧力制御手段として、燃料タンク内の圧力
を検出する圧力センサの検出値に応じてガス抜き経路を
開閉する開閉弁を用いているので、燃料タンクの圧力制
御が精度良く行われる。
【0028】請求項5記載の第5の発明は、前記第1又
は第2又は第3の発明において、前記圧力制御手段が、
前記燃料タンク内の圧力に応じて前記ガス抜き経路を開
閉する圧力調整弁と、該圧力調整弁の開作動とともにコ
ンプレッサを起動するコンプレッサ起動手段よりなる液
化ガス燃料供給システムである。
【0029】本発明によれば、前記の圧力センサと開閉
弁に代えて、燃料タンクの圧力に応じて前記のガス抜き
経路を開閉する圧力制御弁とコンプレッサ起動手段を用
いているので、前記第1の発明と同等の効果がある。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図1乃至図8に基づいて説明する。
【0031】図1は本発明の第1実施例を示すシステム
構成図で、図中、1は液化ガスを貯留する燃料タンクで
あり、例えば20℃で約0.5MPaの蒸気圧を有する
DMEが貯留されている。この燃料タンク1内には、D
MEを所定圧(例えば約3MPa)に昇圧して圧送する
フィードポンプ2が配設されており、フィードポンプ2
から圧送されたDEMを更に所定圧(例えば25MPa
〜35MPa)の高圧に昇圧する高圧ポンプ3が配設さ
れていて、この高圧ポンプ3から圧送される高圧のDM
Eを蓄圧するコモンレール4を通じ、エンジン6の各シ
リンダ(図示せず)に高圧のDMEを噴射する電磁弁
(図示せず)を内蔵したインジェクタ5が設けられてい
る。
【0032】高圧ポンプ3とコモンレール4を結ぶ高圧
燃料供給経路Sには、該経路Sを開閉する電磁式の二方
弁より成る高圧経路開閉弁11が設けられている。ま
た、コモンレール4からは、圧力調整器7を介して前記
燃料タンク1へ連通する燃料リターン経路Rが設けられ
ており、コモンレール4から高圧の余剰DMEが圧力調
整器7で所定の燃料噴射圧力(例えば25MPa〜35
MPa)に調圧されてから、燃料リターン経路Rを介し
て、例えば熱交換器より成る冷却器8と逆止弁9を通じ
て燃料タンク1に戻されるようになっている。
【0033】なお、冷却器8は燃料タンク1にリターン
して来るDMEを出来るだけ冷却して燃料タンク1に戻
すために用いられるものであり、逆止弁9は燃料タンク
1内の圧力が過大となった場合、燃料リターン経路Rに
DMEが逆流するのを阻止するためのものである。
【0034】ここで、コモンレール4と圧力調整器7と
を結ぶ燃料リターン経路部分には、該燃料リターン経路
部分を開閉すると共に、圧力調整器7をバイパスして燃
料リターン経路Rに接続される第1のバイパス経路R1
に切り替えることができる電磁式の三方弁より成るリタ
ーン経路切替弁12が設けられている。更に、コモンレ
ール4から分岐され、前記圧力調整器7をバイパスして
燃料リターン経路Rに接続される第2のバイパス経路R
2が設けられていて、この第2のバイパス経路R2に
は、上流側に位置して該経路R2を開閉する電磁式の二
方弁より成るバイパス経路開閉弁13と下流側に位置し
てコンプレッサ10が設けられている。
【0035】コモンレール4とインジェクタ5を含む高
圧燃料経路部分には、高圧経路開閉弁11とリターン経
路切替弁12との閉弁によって区画される隔離部分Kが
形成され、隔離部分Kと前記の各インジェクタ5の噴孔
(図示せず)は連通している。この隔離部分Kの容積
は、エンジン停止時に残留DMEを迅速に燃料タンク1
に回収するため、燃料タンク1に比べて遙かに小さい容
積となるように前記の両弁11と12の配設位置が設定
されている。
【0036】また、コモンレール4内には、例えば電極
間のインピーダンスによりガス比率を検出する気液セン
サ21と圧力を検出する圧力センサ22が設けられてい
る。
【0037】前記のフィードポンプ2、高圧ポンプ3、
各インジェクタ5の電磁弁、コンプレッサ10と、高圧
経路開閉弁11、リターン経路切替弁12、バイパス経
路開閉弁13と、気液センサ21、圧力センサ22等
は、制御手段である電子制御装置(以下、ECUと言
う)30に接続されており、エンジンの始動運転と停止
の作動区分及び気液センサ21と圧力センサ22の検出
値に基づいて、フィードポンプ2、高圧ポンプ3、コン
プレッサ10の作動と、各インジェクタ5の電磁弁、高
圧経路開閉弁11、リターン経路切替弁12、バイパス
経路開閉弁13の開閉切り替えが、ECU30によって
制御される。
【0038】前記燃料タンク1にはガス抜き経路Gの一
端が、燃料タンク1内の気相部に開口して設けられてお
り、該ガス抜き経路Gの他端が、前記バイパス経路開閉
弁13とコンプレッサ10との間の第2のバイパス経路
R2に接続されている。更に、該ガス抜き経路Gには、
燃料タンク1側(上流側)に位置して、燃料タンク1方
向へのガスの流れを阻止する逆止弁41が設けられ、第
2のバイパス経路R2側(下流側)に位置して電磁式の
二方向弁よりなるガス抜き用開閉弁42が設けられてい
る。更に、前記燃料タンク1には、該燃料タンク1内の
圧力を検出する圧力センサ43が設けられている。
【0039】前記ガス抜き用開閉弁42と圧力センサ4
3はECU30によって制御されるようになっており、
燃料タンク1内の圧力が設定値以上になると、これを圧
力センサ43により検出してその信号をECU30に入
力し、ECU30からの信号によりガス抜き用開閉弁4
2が開作動し、燃料タンク1内の圧力が設定値以下にな
るとガス抜き用開閉弁42が閉作動するようになってい
る。これらのECU30と、ガス抜き用開閉弁42と圧
力センサ43により圧力制御手段を構成している。
【0040】次に、前記第1実施例の作用について説明
する。
【0041】先ず、先の出願に係る液化ガス燃料の漏れ
防止システムについて説明する。
【0042】エンジン始動及び運転時は、図1に於い
て、ECU30によりフィードポンプ2と高圧ポンプ3
が作動すると共に、各インジェクタ5の電磁弁、高圧経
路開閉弁11、リターン経路切替弁12が開き、且つバ
イパス経路開閉弁13が閉じる。そのため、燃料タンク
1内のDMEは、高圧燃料供給経路Sを通じてコモンレ
ール4に流入して蓄圧され、各インジェクタ5の噴孔か
らエンジン6の各シリンダ(図示せず)内に高圧噴射さ
れてエンジン6が始動する。各シリンダ内に噴射された
DMEの余剰燃料は、圧力調整器7で調圧されてから燃
料リターン経路Rを介して冷却器8と逆止弁9を通り、
燃料タンク1に戻るエンジン始動及び運転時の周知の燃
料循環が行われる。
【0043】ここで、エンジン停止時について、図2と
図3の燃料流れ経路図及び図9の制御フローチャートに
基づいて説明する。
【0044】先ず、エンジン停止時には、図9に示すよ
うに、エンジンスイッチ(図示せず)がOFFされ(ス
テップ101)、このOFF信号がECU30に入力さ
れる。それにより、周知の如くフィードポンプ2と高圧
ポンプ3の作動が停止し、且つ各インジェクタ5の電磁
弁が閉じるが、これに加えて本発明では、高圧経路開閉
弁11が閉じバイパス経路開閉弁13が継続して閉じ
(ステップ102)、リターン経路切替弁12が第1の
バイパス経路R1側に切り替わる(ステップ103)。
【0045】この場合、図2の矢印で示すように、コモ
ンレール4と各インジェクタ5を含む隔離部分Kに残留
する高圧液状のDMEは、リターン経路切替弁12通
じ、第1のバイパス経路R1を介して冷却器8と逆止弁
9を通り、燃料タンク1内へ直接に戻る流れとなる。
【0046】ここで、隔離部分Kは容積が小さいので、
高圧液状のDMEは急速に比較的低圧のガス状DMEに
変化し、隔離部分Kの温度によって決まる蒸気圧でバラ
ンスするが、図9に於いて、気液センサ21により直接
に検出される隔離部分Kのガス比率が設定値以上(例え
ばガス比率90%以上)になると(ステップ104)、
リターン経路切替弁12が閉じて(ステップ105)、
バイパス経路開閉弁13が開き(ステップ106)、コ
ンプレッサ10が作動する(ステップ107)。なお、
ステップ104で気液センサ21の検出値が設定値以下
の場合は、ステップ102に戻り前記のフローを繰り返
す。
【0047】コンプレッサ10の作動により、隔離部分
Kに残留するガス状のDME(例えば図11に示すよう
に、DMEは80℃で約2.2MPaの蒸気圧を有して
いる。)は、図3の矢印で示すように、隔離部分Kから
第2のバイパス経路R2を介してコンプレッサ10によ
り吸引され、冷却器8と逆止弁9を通り、燃料タンク1
に戻る流れとなる。
【0048】ここで、コンプレッサ10の作動により、
隔離部分K内は急速に減圧されていくが、図9に示すよ
うに、圧力センサ22により検出される隔離部分K内の
圧力が設定値以下(例えば圧力0.12MPa以下)に
なると(ステップ108)、バイパス経路開閉弁13が
閉じ(ステップ109)、コンプレッサ10の作動が停
止する(ステップ110)。なお、ステップ108で圧
力センサ22の検出値が設定値以上の場合は、ステップ
105に戻り前記のフローを繰り返す。これにより、各
インジェクタ5の噴孔に通じる隔離部分Kの圧力は大気
圧近くになるので、噴孔からエンジンシリンダ内にDM
Eが漏れることは無くなる。
【0049】次に、前記ガス燃料の漏れ防止システムに
付加したガス抜きシステムの作用について説明する。
【0050】前記のエンジン停止時に於いて、前記図2
に示すように、隔離部分Kに残留する液状のDMEが第
1のバイパス経路R1から燃料タンク1内へ戻される際
に於いて、圧力センサ43とECU30によって燃料タ
ンク1内の圧力値が設定値以上と判断されると、コンプ
レッサ10が作動されるとともにガス抜き用開閉弁42
が開作動してガス抜き経路Gが開かれ、燃料タンク1内
の気相部のガス状燃料は、逆止弁41、ガス抜き用開閉
弁42、第2バイパス経路R2、コンプレッサ10、冷
却器8、逆止弁9を経て燃料タンク1に戻る循環を繰り
返し、燃料タンク1内の温度が低下して燃料タンク1内
の圧力が急速に低下する。
【0051】また、前記のエンジン停止時に於いて、前
記図3に示すように、コンプレッサ10が作動して隔離
部分Kに残留するガス状のDMEが第2のバイパス経路
R2から燃料タンク1内へ戻される際に於いて、圧力セ
ンサ43とECU30によって燃料タンク1内の圧力値
が設定値以上と判断されると、ガス抜き用開閉弁42が
開作動してガス抜き経路Gが開かれ、燃料タンク1内の
気相部のガス状燃料は、逆止弁41、ガス抜き用開閉弁
42、第2バイパス経路R2、コンプレッサ10、冷却
器8、逆止弁9を経て燃料タンク1に戻る循環を繰り返
し、燃料タンク1内の温度が低下して燃料タンク1内の
圧力が急速に低下する。
【0052】以上のように、燃料タンク1内の圧力が設
定値以下に低下すると、その圧力が圧力センサ43によ
り検出され、ECU30によってガス抜き開閉弁42が
閉じ、ガス抜き経路Gが閉ざされる。
【0053】更に詳しくは、燃料タンク1内の気相部の
ガス状燃料の取り出しにより、燃料タンク1内の液相部
の燃料が次々に気化していくため、液相部の燃料の気化
によって蒸発潜熱が奪われ、燃料タンク1内の温度は低
下していく。
【0054】この温度低下に伴い、圧力センサ43の検
出圧力が前記の設定圧力よりも低くなった場合には,E
CU30によりガス抜き用開閉弁42が閉じるので、燃
料タンク1内の気相部のガス状燃料の取り出しが停止す
る。
【0055】図12は、上記の制御による燃料タンク1
内の圧力の推移を模式的に示したものであり、エンジン
の作動状況、外気温度により燃料タンク1内の圧力が設
定圧力より上昇すると、ガス抜き用開閉弁42が開弁
し、燃料タンク1の気相部からガス状燃料が取り出さ
れ、コンプレッサ10、冷却器8を経由して冷却されて
燃料タンク1内に戻されるので、燃料タンク1内の圧力
はPで示す一定の圧力範囲に制御される。
【0056】したがって、前記のようなガス抜き経路G
によるガスの循環により、燃料リターン通路Rに配置さ
れる冷却器8を利用し、且つ、この冷却器8の能力を上
げることなく、燃料タンク1内の圧力が限界値を超える
ような事態になることを未然に防止することができる。
なお、圧力センサ22と43の両者の検知圧力が設定値
以下であることを確認してコンプレッサ10の作動を停
止するとよい。
【0057】なお、前記のように、ガス抜き経路Gを開
閉する圧力制御手段を、燃料タンク1内の圧力を検出す
る圧力センサ43と、該圧力センサ43の検出値に基づ
いて作動するガス抜き開閉弁42を用いて構成したの
で、燃料タンク1の圧力制御が精度良く行われる。
【0058】図4は第2実施例を示す。
【0059】本第2実施例は、前記第1実施例に於ける
ガス抜き開閉弁42と圧力センサ43を排し、この代わ
りに、ガス抜き経路Gに圧力調整弁50と流量計51を
設けたものである。この圧力調整弁50は、設定圧力で
開閉するもので、燃料タンク1内の圧力が設定値以上に
なるとその圧力がガス抜き経路Gを経て圧力調整弁50
に作用して自動的に開弁し、設定値以下になると自動的
に閉弁するものである。また、流量計51は、ガス燃料
が流れてくるとECU30に信号を発し、この信号によ
ってECU30がコンプレッサ10を起動するようにな
っている。したがって、この流量計51はコンプレッサ
起動手段を構成する。
【0060】その他の構造は前記第1実施例と同様であ
るため、同一部分には前記と同一符号を付してその説明
を省略する。
【0061】本第2実施例に於いては、前記のようなエ
ンジン停止時に於いて、前記図2及び図3のような液状
及びガス状燃料の戻りの動作に際し、燃料タンク1内の
温度が上昇して燃料タンク1内の圧力が設定値以上にな
ると、圧力調整弁50が開作動し、流量計51がガスの
流通を検知し、もってコンプレッサ10が起動し、燃料
タンク1内のガスが前記と同様にガス抜き経路Gを循環
し、燃料タンク1内の温度を下げて燃料タンク1内の圧
力を低下させる。
【0062】燃料タンク1内の圧力が設定値以下になる
と、圧力調整弁50が自動的に閉弁するとともに流量計
51の流量が0となり、コンプレッサ10が停止する。
【0063】本第2実施例に於いては、圧力制御手段を
圧力調整弁50と流量計51で構成したので、前記第1
実施例の圧力制御手段とほぼ同様の効果が得られる。な
お、前記流量計51の代りに、圧力センサを燃料タンク
の気相部に設け、この圧力センサが、圧力調整弁50が
開作動する圧力を検知したときにコンプレッサ10を起
動するようにしてもよい。すなわち、この圧力センサに
よりコンプレッサ起動手段を構成してもよい。または、
上記の圧力センサに代えて燃料タンク液相部に温度セン
サを設け、燃料タンク内の温度が設定値以上になったと
きにコンプレッサ10を起動するようにしてコンプレッ
サ起動手段を構成してもよい。
【0064】次に、図5は本発明の第3実施例を示すシ
ステム構成図で、図1の第1実施例と同じ符号を付した
ものは、同一又は同等の部分を示す。
【0065】前述の第1実施例に比べて構成上から異な
る点は、図5に示すように、前記のリターン経路切替弁
12に代えて、電磁式の二方弁より成るリターン経路開
閉弁14を用いた点と、前記のバイパス経路開閉弁13
に代えて、電磁式の三方弁より成るバイパス経路切替弁
15を用いた点である。
【0066】それに伴い、前記の隔離部分Kが前記のリ
ターン経路切替弁12に代わって、リターン経路開閉弁
14によって区画され、且つ前記第1のバイパス経路R
1に代わってバイパス経路切替弁15と燃料リターン経
路Rを連通する第3のバイパス経路R3を設け、調圧弁
7をバイパスする切り替えが前記のリターン経路切替弁
12と第1のバイパス通路R1に代わって、バイパス経
路切替弁15と第3のバイパス経路R3によって切り替
えられる点が違っており、その他の点については図1の
第1実施例と同じである。
【0067】次に、本第3実施例の作用について説明す
る。
【0068】先ず、液化ガス燃料の漏れ防止システムに
ついて説明する。
【0069】エンジン始動及び運転時は、第1実施例の
場合と同じ燃料循環であるので、説明は省略する。
【0070】エンジン停止時については、図6と図7の
燃料流れ経路図及び図10の制御フローチャートに基づ
いて、第1実施例の場合と同じ部分は省略しながら説明
する。
【0071】初めに、エンジン6が停止すると、図10
に示すように、エンジンスイッチのOFF(ステップ2
01)により、高圧経路開閉弁11とリターン経路開閉
弁14が閉じ(ステップ202)、バイパス経路切替弁
15が第3のバイパス経路R3側に切り替わる(ステッ
プ203)。
【0072】この場合、図6の矢印で示すように、隔離
部分Kに残留する高圧液状のDMEは、バイパス経路切
替弁15を通じ、第3のバイパス経路R3を介して冷却
器8と逆止弁9を通り、燃料タンク1内へ直接に戻る流
れとなる。
【0073】次いで、図10に示すように、気液センサ
21により検出される隔離部分Kのガス比率が設定値以
上(例えばガス比率90%以上)になると(ステップ2
04)、バイパス経路切替弁15が第2のバイパス経路
R2側に切り替わり(ステップ205)、コンプレッサ
10が作動する(ステップ206)。
【0074】この場合、隔離部分Kに残留するガス状の
DMEは、図7の矢印で示すように、第2のバイパス経
路R2を介してコンプレッサ10に吸引され、冷却器8
と逆止弁9を通り、燃料タンク1内へ戻る流れとなる。
そして、図10に示すように、圧力センサ22により検
出される隔離部分Kの圧力が設定値以下(例えば圧力
0.12MPa以下)になると(ステップ207)、バ
イパス経路切替弁15が閉じ(ステップ208)、コン
プレッサ10の作動が停止するので(ステップ20
9)、第1実施例の場合と同じく、各インジェクタ5の
噴孔からエンジンの各シリンダ内にDMEが漏れること
は無くなる。
【0075】次に、前記のガス燃料の漏れ防止システム
に付加したガス抜きシステムの作用について説明する。
【0076】本第3実施例においても、図6に示すよう
に、前記高圧経路開閉弁11とリターン経路開閉弁14
の閉弁によりバイパス経路切替弁15が第3のバイパス
経路R3側に切り替って高圧液状のDMEが該経路R3
を介して冷却器8、逆止弁9を経て燃料タンク1へ戻る
流れと、図7に示すように、気液センサ21により検出
される隔離部分Kのガス比率が設定値以上になって、バ
イパス経路切替弁15が第2のバイパス経路R2に切り
替り、コンプレッサ10が作動して隔離部分Kに残留す
るガス状のDMEが第2のバイパス経路R2から燃料タ
ンク1内へ戻される。このとき、圧力センサ43とEC
U30によって燃料タンク1内の圧力値が設定値以上と
判断されると、ガス抜き用開閉弁42が開作動してガス
抜き経路Gが開かれ、燃料タンク1内のガス状燃料は、
逆止弁41、ガス抜き用開閉弁42、第2バイパス経路
R2、コンプレッサ10、冷却器8、逆止弁9を経て燃
料タンク1に戻る循環を繰り返し、燃料タンク1内の温
度が低下して燃料タンク1内の圧力が急速に低下する。
尚、本実施例における燃料タンク1の圧力制御は前記第
1実施例の場合と同じであるので、重複説明は省略す
る。
【0077】したがって、本第3実施例に於いても前記
第1実施例と同様の効果を発揮する。
【0078】図8は第4実施例を示す。
【0079】本第4実施例は、前記図5に示す第3実施
例に於けるガス抜き開閉弁42と圧力センサ43を排
し、この代わりに、ガス抜き経路Gに、前記図4に示す
第2実施例と同様の圧力調整弁50と流量計51を設け
たものである。
【0080】その他の構造は前記第3実施例と同様であ
るため、前記と同一部分には前記と同一符号を付してそ
の説明を省略する。
【0081】したがって、本第4実施例に於いても前記
図4に示す第2実施例と同様の効果を発揮できる。
【0082】なお、前記各実施例では、隔離部分Kのガ
ス比率を気液センサ21で直接に検出する方法を用いた
が、気液センサ21に代えて温度センサを用いることに
より、温度センサで検出される隔離部分Kの温度と、前
記の圧力センサ22で検出される隔離部分Kの圧力とに
より、図11に示すDMEの蒸気圧線図から隔離部分K
のガス比率を間接的に求めることが可能である。
【0083】更に、第1のバイパス経路R1又はR3側
への切り替えから第2のバイパス経路R2側への切り替
えに要する時間を予め実験で求めておけば、この時間を
タイマで制御することにより、隔離部分Kのガス比率を
間接的に検出して制御するのと同じになるので、気液セ
ンサ21は廃止される。なお、本実施例においても、前
記図4の実施例と同様に、流量計51に代えて圧力セン
サ、もしくは温度センサを利用して、これをコンプレッ
サ起動手段としてもよい。
【0084】更に、前記各実施例では、コモンレール式
の燃料噴射装置に適用した場合について述べたが、従来
からあるジャーク式の燃料噴射装置にも適用することが
できる。
【0085】なお、液化ガス燃料としてDMEを取り上
げたが、DMEのように粘性の低い液化ガスならば、本
実施例と同様の効果が得られる。また、燃料リターン経
路やバイパス経路の切替弁として電磁式の三方弁を用い
たが、通常の電磁式の二方弁をそれぞれ2個用いること
により、同様の機能を得ることができる。
【0086】
【発明の効果】本発明は以上述べたように構成されてい
るので、次の効果を奏する。
【0087】隔離部分に連通している各燃料噴射器の各
噴孔は、エンジン停止時に於いて、略大気圧に維持され
るので、各噴孔からエンジンの各シリンダ内への燃料の
漏れが無くなり、それによってエンジン始動時の異常燃
焼の発生が防止される。
【0088】更に、高圧液状の燃料を捕集するための大
型パージタンクを必要としないので、車両への搭載性も
問題が無く、且つシステムが比較的簡単な構成と簡単な
制御で成り立つので、システムの装置コストが安くな
る。
【0089】更に、エンジンの停止中に於ける前記の燃
料の戻し時に、燃料タンク内の圧力が設定値以上になっ
た場合には、燃料タンク内のガス状燃料を、ガス抜き経
路から冷却器を介して燃料タンクに戻すような循環を繰
り返すことができるので、燃料タンク内の圧力を急速に
低下させることができる。そのため、冷却器の能力を上
げることなく、燃料タンク内の圧力が限界値を超えるよ
うな事態になることを未然に防止できる。
【0090】また、請求項4及び5に記載の発明によれ
ば、燃料タンク内の圧力制御が精度良く行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すシステム構成図。
【図2】図1のシステムに於けるエンジン停止当初の燃
料流れを示す経路図。
【図3】図1のシステムに於けるエンジン停止途中から
の燃料流れを示す経路図。
【図4】本発明の第2実施例を示すシステム構成図。
【図5】本発明の第3実施例を示すシステム構成図。
【図6】図5のシステムに於けるエンジン停止当初の燃
料流れを示す経路図。
【図7】図5のシステムに於けるエンジン停止途中から
の燃料流れを示す経路図。
【図8】本発明の第4実施例を示すシステム構成図。
【図9】図1の第1実施例のエンジン停止時の制御フロ
ーチャート。
【図10】図5に示す第3実施例のエンジン停止時の制
御フローチャート。
【図11】DME(ジメチルエーテル)の蒸気圧線図。
【図12】本発明による燃料タンク内の圧力推移を示す
図。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2 フィードポンプ 3 高圧ポンプ 4 コモンレール 5 燃料噴射器(インジェクタ) 6 エンジン 7 圧力調整器 8 冷却器 9 逆止弁 10 コンプレッサ 11 高圧経路開閉弁 12 リターン経路切替弁 13 バイパス経路開閉弁 14 リターン経路開閉弁 15 バイパス経路切替弁 30 電子制御装置(ECU) S 高圧燃料供給経路 R 燃料リターン経路 R1 第1のバイパス経路 R2 第2のバイパス経路 R3 第3のバイパス経路 G ガス抜き経路 41 逆止弁 42 開閉弁 43 圧力センサ 50 圧力調整弁 51 コンプレッサ起動手段である流量計

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化ガスを貯留する燃料タンクから高圧
    ポンプを介してエンジンへの燃料噴射器に燃料を供給す
    る高圧燃料供給経路と、 前記高圧燃料供給路から圧力調整器と冷却器を介して前
    記燃料タンクに燃料を戻す燃料リターン経路と、 エンジン停止時に、前記高圧燃料供給路における燃料噴
    射器部を隔離して、該隔離部分の残留高圧液状燃料を前
    記圧力調整器をバイパスして前記燃料リターン経路にお
    ける冷却器の上流側に戻すバイパス経路と、 前記隔離部分の残留高圧液状燃料を燃料タンクへ戻した
    後に、隔離部分に残留するガス状燃料をコンプレッサを
    介して前記燃料リターン経路における冷却器の上流側に
    戻すバイパス経路と、 前記各経路への燃料の流れを制御する制御手段と、 前記燃料タンクから分岐して前記ガス状燃料用のバイパ
    ス経路におけるコンプレッサの上流側に接続されたガス
    抜き経路と、 エンジン停止時に、前記燃料タンクのガス状燃料を前記
    ガス抜き経路を介して前記冷却器を通して前記燃料タン
    クに循環させる圧力制御手段と、 を備えたことを特徴とする液化ガス燃料供給システム。
  2. 【請求項2】 液化ガスを貯留する燃料タンクから高圧
    ポンプを介してエンジンへの燃料噴射器に燃料を供給
    し、所定の燃料噴射圧力に調圧する圧力調整器と冷却器
    を介して前記燃料タンクに燃料を戻す液化ガス燃料供給
    システムであって、 前記高圧ポンプから前記燃料噴射器に接続される高圧燃
    料供給経路に設けられ、該高圧燃料供給経路を開閉する
    高圧経路開閉弁と、 前記圧力調整器を介して燃料タンクに燃料を戻す燃料リ
    ターン経路に設けられ、該燃料リターン経路を開閉する
    と共に前記圧力調整器をバイパスして前記燃料リターン
    経路に接続される第1のバイパス経路へ切り替えるリタ
    ーン経路切替弁と、 前記高圧経路開閉弁と前記リターン経路切替弁とにより
    区画される隔離部分から分岐し、前記燃料リターン経路
    に於ける冷却器の上流側に接続される第2のバイパス経
    路と、 該第2のバイパス経路に設けられ、該第2のバイパス経
    路を開閉するバイパス経路開閉弁と、 前記バイパス経路開閉弁の下流側に位置する前記第2の
    バイパス経路に設けられ、前記隔離部分のガス状燃料を
    吸引圧縮して前記冷却器を通して前記燃料タンクに戻す
    コンプレッサと、 前記各経路への燃料の流れを制御する制御手段と、 前記燃料タンクから分岐して前記バイパス経路開閉弁と
    前記コンプレッサの間の前記第2のバイパス経路に接続
    されるガス抜き経路と、 エンジン停止時に、前記燃料タンクのガス状燃料を前記
    ガス抜き経路を介して前記冷却器を通して前記燃料タン
    クに循環させる圧力制御手段と、 を備えたことを特徴とする液化ガス燃料供給システム。
  3. 【請求項3】 液化ガスを貯留する燃料タンクから高圧
    ポンプを介してエンジンへの燃料噴射器に燃料を供給
    し、所定の燃料噴射圧力に調圧する圧力調整器と冷却器
    を介して前記燃料タンクに燃料を戻す液化ガス燃料供給
    システムであって、 前記高圧ポンプから前記燃料噴射器に接続される高圧燃
    料供給経路に設けられ、該高圧燃料供給経路を開閉する
    高圧経路開閉弁と、 前記圧力調整器を介して燃料タンクに燃料を戻す燃料リ
    ターン経路に設けられ、該燃料リターン経路を開閉する
    リターン経路開閉弁と、 前記高圧経路開閉弁と前記リターン経路開閉弁とにより
    区画される隔離部分から分岐し、前記燃料リターン経路
    に於ける冷却器の上流側に接続される第2のバイパス経
    路と、 該第2のバイパス経路に設けられ、該第2のバイパス経
    路を開閉するとともに前記圧力調整器をバイパスして前
    記燃料リターン経路に接続される第3のバイパス経路へ
    切り替えるバイパス経路切替弁と、 前記バイパス経路切替弁の下流側に位置する前記第2の
    バイパス経路に設けられ、前記隔離部分のガス状燃料を
    吸引圧縮して前記冷却器を通して前記燃料タンクに戻す
    コンプレッサと、 前記各経路への燃料の流れを制御する制御手段と、 前記燃料タンクから分岐して前記バイパス経路切替弁と
    前記コンプレッサの間の前記第2のバイパス経路に接続
    されるガス抜き経路と、 エンジン停止時に、前記燃料タンクのガス状燃料を前記
    ガス抜き経路を介して前記冷却器を通して前記燃料タン
    クに循環させる圧力制御手段と、 を備えたことを特徴とする液化ガス燃料供給システム。
  4. 【請求項4】 前記圧力制御手段が、前記燃料タンク内
    の圧力を検出する圧力センサと、該圧力センサの検出値
    に基づいて前記ガス抜き経路を開閉する開閉弁とよりな
    る請求項1又は2又は3に記載の液化ガス燃料供給シス
    テム。
  5. 【請求項5】 前記圧力制御手段が、前記燃料タンク内
    の圧力に応じて前記ガス抜き経路を開閉する圧力調整弁
    と、該圧力調整弁の開作動とともにコンプレッサを起動
    するコンプレッサ起動手段よりなる請求項1又は2又は
    3に記載の液化ガス燃料供給システム。
JP2002075970A 2002-03-19 2002-03-19 液化ガス燃料供給システム Expired - Fee Related JP3966749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075970A JP3966749B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 液化ガス燃料供給システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075970A JP3966749B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 液化ガス燃料供給システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003269256A true JP2003269256A (ja) 2003-09-25
JP3966749B2 JP3966749B2 (ja) 2007-08-29

Family

ID=29204896

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002075970A Expired - Fee Related JP3966749B2 (ja) 2002-03-19 2002-03-19 液化ガス燃料供給システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3966749B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100748746B1 (ko) 2005-08-30 2007-08-13 현대자동차주식회사 자동차용 연료의 기화방지시스템 및 이의 제어방법
KR100861754B1 (ko) * 2007-07-10 2008-10-06 자동차부품연구원 차량의 고압 연료펌프용 누설 dme 연료의 재순환 장치
JP2010275879A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Aisan Ind Co Ltd 燃料蒸気圧計測システム
WO2012127743A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 日立造船株式会社 噴射装置
US10174697B2 (en) 2016-07-05 2019-01-08 Hyundai Motor Company Fuel supply device for LPDI engine and start control method of LPDI engine having the fuel supply device

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100748746B1 (ko) 2005-08-30 2007-08-13 현대자동차주식회사 자동차용 연료의 기화방지시스템 및 이의 제어방법
KR100861754B1 (ko) * 2007-07-10 2008-10-06 자동차부품연구원 차량의 고압 연료펌프용 누설 dme 연료의 재순환 장치
JP2010275879A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Aisan Ind Co Ltd 燃料蒸気圧計測システム
WO2012127743A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 日立造船株式会社 噴射装置
JP2012202259A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Hitachi Zosen Corp 噴射装置
US10174697B2 (en) 2016-07-05 2019-01-08 Hyundai Motor Company Fuel supply device for LPDI engine and start control method of LPDI engine having the fuel supply device

Also Published As

Publication number Publication date
JP3966749B2 (ja) 2007-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4793162B2 (ja) 超臨界燃料用燃料噴射装置
US8122871B2 (en) Fuel supply device for internal combustion engine and control device for the fuel supply device
US8985064B2 (en) Fuel supply device
KR100580459B1 (ko) 연료압력 손실 저감을 위한 디젤 엔진 차량의 연료공급시스템
JP5345692B2 (ja) 内燃エンジン用流体アキュムレータ装置
JP2007177697A (ja) 液化ガスエンジンの燃料装置
JP3456689B2 (ja) ジメチルエーテル燃料使用ディーゼルエンジン燃料システム
EP2310660A2 (en) Gas circulation engine
JP2003269256A (ja) 液化ガス燃料供給システム
US6189517B1 (en) Internal combustion engine with low viscosity fuel system
KR20050090134A (ko) 디젤 엔진의 액화 가스 연료 공급 장치
KR101920258B1 (ko) 액화 가스를 사용하여 작동되는 내연기관의 연료 공급을 제어하기 위한 장치 및 방법
JP3796146B2 (ja) Dmeエンジンの燃料供給装置
JP3966733B2 (ja) 液化ガス燃料供給システム
JP3966734B2 (ja) 液化ガス燃料供給システム
KR100802378B1 (ko) 내연 기관용 액상 가스 연료 분사 장치 및 방법
JP3932190B2 (ja) ディーゼルエンジンのdme燃料供給装置
JP2003336557A (ja) ディーゼルエンジンのdme燃料供給装置
JP2003322063A (ja) ディーゼルエンジンのdme燃料供給装置
JP2002514710A (ja) 燃料蒸気処理システム
JP3922695B2 (ja) ディーゼルエンジンのdme燃料供給装置
JP2003328875A (ja) ディーゼルエンジンのdme燃料供給装置
CN112112722B (zh) 具有包括废气再循环冷却器的冷却系统的内燃机
JP2005180193A (ja) ディーゼルエンジンの液化ガス燃料供給装置
JP2004239064A (ja) 内燃機関の燃料供給装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130608

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees