JP2003269138A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2003269138A JP2002070593A JP2002070593A JP2003269138A JP 2003269138 A JP2003269138 A JP 2003269138A JP 2002070593 A JP2002070593 A JP 2002070593A JP 2002070593 A JP2002070593 A JP 2002070593A JP 2003269138 A JP2003269138 A JP 2003269138A
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信也 広田
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Toshisuke Toshioka
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光壱 木村
Koichiro Nakatani
好一郎 中谷
Akira Kenjo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パティキュレートフィルタの圧損が上昇した
ときに、その上昇した圧損を確実に低下させる。 【解決手段】 パティキュレートフィルタ22の通路5
0、51を画成する隔壁54が細孔を内包する多孔質の
材料から形成されている。寄せ集められた隔壁の端部分
同士が部分的に接続され、通路の端部開口が小孔55、
56を残して塞がれている。フィルタの圧損に関連する
パラメータの値と判定値とを比較することによってフィ
ルタを昇温させるための昇温処理を実行すべきであると
判定されたときに昇温処理が実行される。フィルタの圧
損値が大きくなると内燃機関が同一条件において出力可
能な出力が低下し、出力低下度合いとして許容する範囲
を任意に設定した場合において、上記判定値が出力低下
度合いを許容範囲内において最大とする圧損値よりも低
い圧損値に対応するパラメータ値となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の排気浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気通路に配置されるパティ
キュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称す)とし
て、ハニカム構造をなす隔壁によって形成されている複
数の排気流通路を具備するフィルタが公知である。この
ようなフィルタの一つとして、上流開口がテーパ壁によ
って閉鎖された排気流通路と、下流開口がテーパ壁によ
って閉鎖された排気流通路とが交互に配置されているフ
ィルタが、特表平8−508199号公報に開示されて
いる。また、同様のタイプのフィルタとして、各排気流
通路を閉鎖しているテーパ壁の先端に小さな孔(以下、
小孔と称す)を備えたフィルタが検討されている。
【0003】このようにテーパ壁によって排気流通路の
開口が閉鎖され且つテーパ壁の先端に小孔が形成されて
いるフィルタでは、フィルタの両端にテーパ壁があるの
で、排気ガスがフィルタにスムーズに流入し、且つ、フ
ィルタからスムーズに流出する。さらに、排気ガスはテ
ーパ壁の小孔を介してフィルタに流入することができ、
且つ、テーパ壁の小孔を介してフィルタから流出するこ
とができる。したがって、上述したタイプのフィルタに
起因する排気ガスの圧力損失(以下、フィルタの圧損と
称す)は非常に小さい。ところで、フィルタが微粒子を
捕集し続けていると、フィルタ内に捕集されている微粒
子の量が徐々に多くなり、フィルタの圧損が高くなって
内燃機関の運転に悪影響を及ぼしてしまう。そこで、従
来では、フィルタの圧損が内燃機関に悪影響を及ぼすほ
どの値よりも大きくなったときに、フィルタの温度を高
温にまで上昇させる処理(以下、昇温処理と称す)を実
行し、これによって、フィルタ内に捕集されている微粒
子を燃焼除去し、フィルタの圧損を低下させるようにし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したタ
イプのフィルタでは、その圧損がそもそも小さいことか
ら、従来のように、フィルタの圧損が内燃機関に悪影響
を及ぼすほどの値に達したときには、既に、フィルタ内
に多量の微粒子が捕集されている可能性がある。ここ
で、一般的には、フィルタ内に捕集されている微粒子の
量が多くなるほど、これら微粒子を燃焼除去することが
困難になる。したがって、上述したタイプのフィルタに
おいて、フィルタの圧損が内燃機関に悪影響を及ぼすほ
どの値に達したときに昇温処理を実行したとしても、フ
ィルタ内に捕集されている微粒子を燃焼除去しづらくな
っており、したがって、フィルタの圧損を十分に低下さ
せることができなくなっている可能性がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、パティキュレー
トフィルタの圧損が上昇したときに、その上昇した圧損
を確実に低下させることにある。また、上述したタイプ
のフィルタにおいては、小孔が微粒子によって閉塞され
たときにその圧損が急激に上昇する。そして、昇温処理
はこのように圧損を急激に上昇させている微粒子を燃焼
除去することを目的として実行されるので、上述したフ
ィルタにおいて、微粒子によって閉塞されつつあるフィ
ルタの部位を閉塞進行部位として特定し、この部位に応
じて適切な昇温処理を実行することは、フィルタの圧損
を上昇させている微粒子を確実に燃焼除去するという観
点から重要である。
【0006】一般的には、適切な昇温処理を実行すると
きに如何なる昇温処理が適切であるかを決定する場合以
外に、何らかの処理を実行するときに如何なる処理が適
切であるかを決定する場合にも、フィルタの閉塞進行部
位を特定することは重要である。
【0007】そこで、本発明の別の目的は、微粒子によ
って閉塞されつつあるパティキュレートフィルタの部位
を特定することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1の発明では、機関排気通路内に排気ガス中の微
粒子を捕集するためのパティキュレートフィルタを具備
し、該パティキュレートフィルタが通路を画成する隔壁
を有し、該隔壁が予め定められた平均細孔径の細孔を内
包する多孔質の材料から形成されており、上記通路の端
部開口が上記平均径よりも大きいが通路の流路断面積よ
りも狭い流路断面積を有する小孔となるように隔壁の端
部分が寄せ集められて該端部分同士が部分的に接続され
ており、さらに、上記パティキュレートフィルタの圧損
に関連するパラメータの値を検知するための検知手段を
具備し、該検知手段によって検知されたパラメータ値と
予め定められた判定値とを比較することによってパティ
キュレートフィルタを昇温させるための昇温処理を実行
すべきであると判定されたときには該昇温処理を実行す
るようにした排気浄化装置において、パティキュレート
フィルタの圧損値が大きくなると内燃機関が同一条件に
おいて出力可能な出力が低下し、該出力低下度合いとし
て許容する範囲を任意に設定した場合において、上記判
定値が出力低下度合いを該許容範囲内において最大とす
るパティキュレートフィルタの圧損値よりも低い圧損値
に対応するパラメータ値となっている。なお、後述する
実施形態において、パラメータとは、フィルタの圧損自
体、または、フィルタの圧損上昇率である。
【0009】2番目の発明では、1番目の発明におい
て、上記パティキュレートフィルタが捕集した微粒子を
連続的に酸化除去することができ、これにより、通常の
状態では、該パティキュレートフィルタの圧損値はほぼ
一定の値で推移し、上記パラメータとしてパティキュレ
ートフィルタの圧損自体が採用され、上記検知手段によ
って検知されたパティキュレートフィルタの圧損値が上
記判定値を超えた場合に、昇温処理を実行すべきである
と判定される。
【0010】3番目の発明では、1番目の発明におい
て、異なる複数の昇温処理が実施可能であり、パティキ
ュレートフィルタの圧損に関連する第二のパラメータの
値に基づいて微粒子によって閉塞されつつあるパティキ
ュレートフィルタの部位を閉塞進行部位として特定し、
該特定された閉塞進行部位に応じて実行される昇温処理
が選択される。
【0011】4番目の発明では、3番目の発明におい
て、上記第二のパラメータとしてパティキュレートフィ
ルタの圧損上昇率が採用され、該圧損上昇率が閉塞進行
部位特定用の基準上昇率よりも小さいときには閉塞進行
部位が隔壁の細孔であると特定され、圧損上昇率が基準
上昇率よりも大きいときには閉塞進行部位が小孔である
と特定される。
【0012】5番目の発明では、4番目の発明におい
て、圧損上昇率が上記基準上昇率よりも高い閉塞進行部
位特定用の第二の基準上昇率よりも小さいときには閉塞
進行部位がパティキュレートフィルタの下流側の小孔で
あると特定され、この場合には、上記昇温処理として、
パティキュレートフィルタ内において発熱反応を生じさ
せることによる昇温処理が実行され、一方、圧損上昇率
が第二の基準上昇率よりも大きいときには閉塞進行部位
がパティキュレートフィルタの上流側の小孔であると特
定され、この場合には、上記昇温処理として、排気ガス
の温度を上昇させることによる昇温処理が実行される。
【0013】6番目の発明では、3番目の発明におい
て、上記第二のパラメータとして圧損値自体が採用さ
れ、パティキュレートフィルタの圧損値が閉塞進行部位
特定用の基準圧損値よりも小さいときには閉塞進行部位
がパティキュレートフィルタの下流側の小孔であると特
定され、この場合には、上記昇温処理として、パティキ
ュレートフィルタ内において発熱反応を生じさせること
による昇温処理が実行され、一方、パティキュレートフ
ィルタの圧損値が上記基準圧損値よりも大きいときには
パティキュレートフィルタの上流側の小孔であると特定
され、この場合には、上記昇温処理として、排気ガスの
温度を上昇させることによる昇温処理が実行される。
【0014】7番目の発明では、1番目の発明におい
て、パティキュレートフィルタよりも上流の機関排気通
路に切替弁が配置され、切替弁が第一の位置に保持され
るとパティキュレートフィルタの一方の端部から排気ガ
スがパティキュレートフィルタに流入し、切替弁が第二
の位置に保持されるとパティキュレートフィルタの他方
の端部から排気ガスがパティキュレートフィルタに流入
し、パティキュレートフィルタの圧損に関する第二のパ
ラメータの値に基づいて微粒子によって閉塞されつつあ
るパティキュレートフィルタの部位が閉塞進行部位とし
て特定され、該特定された閉塞進行部位に応じた位置に
切替弁の位置が位置決めれた上で昇温処理が実行され
る。
【0015】8番目の発明では、7番目の発明におい
て、上記第二のパラメータとして圧損上昇率が採用さ
れ、現在の切替弁の位置において圧損上昇率が閉塞進行
部位特定用の基準上昇率よりも小さいときには閉塞進行
部位がパティキュレートフィルタの排気ガス流出側の小
孔であると特定され、圧損上昇率が基準上昇率よりも大
きいときには閉塞進行部位がパティキュレートフィルタ
の排気ガス流入側の小孔であると特定され、内燃機関の
運転状態が排気ガスの温度を上昇させるのに適している
場合に小孔の閉塞が進行している側のパティキュレート
フィルタの端部が上流になるように切替弁の位置が選択
された上で、上記昇温処理として、排気ガスの温度を上
昇させることによる昇温処理が実行される。
【0016】9番目の発明では、7番目の発明におい
て、上記第二のパラメータとして圧損値自体が採用さ
れ、現在の切替弁の位置において圧損値が閉塞進行部位
特定用の閾値よりも小さいときには閉塞進行部位がパテ
ィキュレートフィルタの排気ガス流出側の小孔であると
特定され、圧損値が上記閾値よりも大きいときにはパテ
ィキュレートフィルタの排気ガス流入側の小孔であると
特定され、内燃機関の運転状態が排気ガスの温度を上昇
させるのに適している場合に小孔の閉塞が進行している
側のパティキュレートフィルタの端部が上流になるよう
に切替弁の位置が選択された上で、上記昇温処理とし
て、排気ガスの温度を上昇させることによる昇温処理が
実行される。
【0017】上記課題を解決するために、10番目の発
明では、機関排気通路内に排気ガス中の微粒子を捕集す
るためのパティキュレートフィルタを具備し、該パティ
キュレートフィルタが通路を画成する隔壁を有し、該隔
壁が予め定められた平均細孔径の細孔を内包する多孔質
の材料から形成されており、上記通路の端部開口が上記
平均径よりも大きいが通路の流路断面積よりも狭い流路
断面積を有する小孔となるように隔壁の端部分が寄せ集
められて該端部分同士が部分的に接続されており、さら
に、上記パティキュレートフィルタの圧損に関するパラ
メータの値を検出するための検知手段を具備し、該検知
手段によって検知されるパラメータ値に基づいて微粒子
によって閉塞されつつあるパティキュレートフィルタの
部位を特定する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の排
気浄化装置を説明する。図1は本発明の排気浄化装置を
備えた圧縮着火式内燃機関を示す。なお本発明は火花点
火式内燃機関にも適用可能である。
【0019】図1を参照すると、1は機関本体、2はシ
リンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、
5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、
8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々
示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサ
ージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダ
クト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレ
ッサ15に連結される。
【0020】吸気ダクト13内にはステップモータ16
により駆動されるスロットル弁17が配置され、さらに
吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流れる吸入
空気を冷却するための冷却装置18が配置される。図1
に示した内燃機関では冷却装置18内に機関冷却水が導
かれ、この機関冷却水により吸入空気が冷却される。一
方、排気ポート10は排気マニホルド19および排気管
20を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン
21に連結され、排気タービン21の出口は排気管20
aを介してパティキュレートフィルタ(以下、単にフィ
ルタと称す)22を内蔵したケーシング23に連結され
る。フィルタ22の上流側には、排気ガスの圧力を検出
するための上流側圧力センサ39が取り付けられる。一
方、フィルタ22の下流側には、排気ガスの圧力を検出
するための下流側圧力センサ40が取り付けられる。
【0021】排気マニホルド19とサージタンク12と
は排気ガス再循環(以下、EGR)通路24を介して互
いに連結され、EGR通路24内には電気制御式EGR
制御弁25が配置される。またEGR通路24周りには
EGR通路24内を流れるEGRガスを冷却するための
冷却装置26が配置される。図1に示した内燃機関では
冷却装置26内に機関冷却水が導かれ、この機関冷却水
によりEGRガスが冷却される。
【0022】一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを
介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール27に連結
される。このコモンレール27内へは電気制御式の吐出
量可変な燃料ポンプ28から燃料が供給され、コモンレ
ール27内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介し
て燃料噴射弁6に供給される。コモンレール27にはコ
モンレール27内の燃料圧を検出するための燃料圧セン
サ29が取り付けられ、燃料圧センサ29の出力信号に
基づいてコモンレール27内の燃料圧が目標燃料圧とな
るように燃料ポンプ28の吐出量が制御される。
【0023】電子制御ユニット30はデジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス31により互いに接続され
たROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダ
ムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッ
サ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備
する。燃料圧センサ29の出力信号は対応するAD変換
器37を介して入力ポート35に入力される。また、圧
力センサ39、40の出力信号は対応するAD変換器3
7を介して入力ポート35に入力される。電子制御ユニ
ット30は、これら圧力センサ39、40によって検出
される排気ガスの圧力の間の差から、フィルタ22の圧
損を算出する。
【0024】アクセルペダル41にはアクセルペダル4
1の踏込量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ4
2が接続され、負荷センサ42の出力電圧は対応するA
D変換器37を介して入力ポート35に入力される。さ
らに、入力ポート35には、クランクシャフトが例えば
30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角セ
ンサ43が接続される。一方、出力ポート36は、対応
する駆動回路38を介して、燃料噴射弁6、スロットル
弁駆動用ステップモータ16、EGR制御弁25、およ
び、燃料ポンプ28に接続される。
【0025】次に、図2〜図18を参照して本発明のフ
ィルタ22について説明する。図2(A)はフィルタ2
2の端面図であり、図2(B)はフィルタ22の縦断面
図である。図2(A)および図2(B)に示したよう
に、フィルタ22はハニカム構造をなしており、互いに
平行をなして延びる複数個の排気流通路50、51を具
備する。
【0026】これら排気流通路はテーパ壁52、53に
よって部分的に閉鎖されている。すなわち、排気ガス流
入通路50は、当該通路50を画成する隔壁の下流端隔
壁部分を寄せ集めてその一部分同士が接続されることに
より形成されるテーパ壁(以下、下流側テーパ壁と称
す)52によってその流路断面積がその他の領域の排気
流通路の流路断面積よりも小さくされている。したがっ
て、排気ガス流入通路50はその下流端にて下流側テー
パ壁52によりその流路断面積よりも小さい開口面積を
有する小孔55を有する。
【0027】一方、排気ガス流出通路51は、当該通路
51を画成する隔壁の上流端隔壁部分を寄せ集めてその
一部同志が接続されることにより形成されるテーパ壁
(以下、上流側テーパ壁と称す)53によってその流路
断面積がその他の領域の排気流通路の流路断面積よりも
小さくされている。したがって、排気ガス流出通路51
はその上流端にて上流側テーパ壁53によりその流路断
面積よりも小さい開口面積を有する小孔56を有する。
【0028】これら排気ガス流入通路50および排気ガ
ス流出通路51は薄肉の隔壁54を介して交互に配置さ
れる。言い換えると、排気ガス流入通路50および排気
ガス流出通路51は、各排気ガス流入通路50は四つの
排気ガス流出通路51により包囲され、各排気ガス流出
通路51は4つの排気ガス流入通路50により包囲され
る。すなわち、隣接する2つの排気流通路のうち一方の
排気流通路50はその下流端にて下流側テーパ壁52に
よりその流路断面積が小さくされ、他方の排気流通路5
1はその上流端にて上流側テーパ壁53によりその流路
断面積が小さくされている。
【0029】なお、小孔55、56の大きさが変わる
と、フィルタ22の微粒子捕集率と、フィルタ22に起
因する排気ガスの圧力損失(以下、単にフィルタの圧損
と称す)とが変わる。例えば、小孔55、56の大きさ
が大きければ、フィルタ22の微粒子捕集率は小さく、
フィルタ22の圧損が小さい。したがって、小孔55、
56の大きさは、フィルタ22の目標とする微粒子捕集
率と、フィルタ22の目標とする圧損値とに基づいて、
決定される。
【0030】フィルタ22は、予め定められた平均径の
細孔を内包する例えばコージェライトのような多孔質材
料から形成されており、したがって排気ガス流入通路5
0内に流入した排気ガスは、図2(B)において矢印で
示したように、周囲の隔壁54の細孔を通って隣接する
排気ガス流出通路51内に流入する。もちろん、テーパ
壁52、53も隔壁54と同じ材料から形成されている
ので、排気ガスは図3(A)に示したように、上流側テ
ーパ壁53の細孔を通って排気ガス流出通路51内に流
入することができ、また、図3(B)に示したように、
下流側テーパ壁52の細孔を通って流出することができ
る。また、排気ガスは上流側テーパ壁53の先端に形成
された小孔56を介しても排気ガス流出通路51内に流
入することができ、下流側テーパ壁52の先端の小孔5
5を介しても排気ガス流入通路50から流出することが
できる。
【0031】ところで、本発明のフィルタ22の圧損
は、従来の目封じ型のフィルタの圧損よりも格段に小さ
い。すなわち、従来の目封じ型のフィルタが図4に示さ
れているが、この目封じ型のフィルタでは、排気ガス流
出通路の入口が栓72により閉塞されており、排気ガス
流入通路の出口が栓73により閉塞されている。このよ
うに栓72、73によって排気ガス流出通路の入口およ
び排気ガス流入通路の出口が閉塞されていると、71、
74で示したように、排気ガスの流れが排気ガス流入通
路の入口近傍や排気ガス流出通路の出口近傍にて乱流と
なる。このように排気ガスの流れが乱流となると、排気
ガスは排気ガス流入通路に流入しづらく、排気ガス流出
通路から流出しづらい。
【0032】一方、本発明のフィルタ22では、排気ガ
ス流出通路の入口が上流側テーパ壁53によって窄めら
れており、排気ガス流入通路の出口が下流側テーパ壁5
2によって窄められている。このようにテーパ壁52、
53によって排気ガス流出通路の入口および排気ガス流
入通路の出口が窄められていると、図3に示したよう
に、排気ガスの流れは、排気ガス流入通路の入口近傍や
排気ガス流出通路の出口近傍にて乱流となることがほと
んどない。このため、排気ガスは排気ガス流入通路にス
ムーズに流入し、排気ガス流出通路からスムーズに流出
する。
【0033】さらに、本発明のフィルタ22では、排気
ガスが上流側テーパ壁53の先端に形成された小孔56
を介して排気ガス流出通路51内に流入することがで
き、さらに排気ガスが下流側テーパ壁52の先端の小孔
55を介して流出することができる。このように、目封
じ型のフィルタに比べて、全体として、本発明のフィル
タ22には排気ガスが流入しやすく、且つ、本発明のフ
ィルタ22から流出しやすいので、その圧損は比較的低
い。
【0034】ところで、フィルタ22内には排気ガス中
の微粒子が捕集される。したがって、フィルタ22の圧
損は、フィルタ22に排気ガスが流入し続けている限
り、上昇する。ところが、詳細は後述するが、本発明の
フィルタ22はそこに捕集した微粒子を比較的短時間の
うちに酸化除去することができる酸化触媒を担持する。
ここで、このフィルタ22の酸化触媒が単位時間当たり
に酸化除去することができる微粒子の量(以下、酸化除
去可能微粒子量と称す)には限りがあるが、フィルタ2
2に流入する微粒子の量(以下、流入微粒子量と称す)
がフィルタ22が最大限に酸化除去することができる微
粒子の量(以下、酸化除去可能微粒子量と称す)よりも
少ない限り、フィルタ22内に一時的に堆積している微
粒子の量は常にほぼ一定の量となっている。すなわち、
フィルタ22内に堆積している微粒子は、酸化触媒によ
って酸化除去されつつある微粒子のみであることにな
る。したがって、図5に示されているように、フィルタ
22の圧損値はいったんは上昇するものの、やがては、
ほぼ一定の値(以下、安定値と称す)Psで推移するよ
うになる。
【0035】ところが、流入微粒子量がフィルタ22の
酸化除去可能微粒子量よりも多くなると、フィルタ22
内には酸化除去されずに堆積してしまう微粒子の量が多
くなる。この場合、微粒子は積層状に堆積し、微粒子に
よって隔壁54の細孔や小孔55、56が閉塞され始
め、この微粒子による隔壁54の細孔や小孔55、56
の閉塞が進行する。この場合、図5にて破線lで示した
ように、フィルタ22の圧損は安定値Psよりも高くな
る。
【0036】さらに、フィルタ22内にいったん積層状
に堆積してしまった微粒子は、その後、流入微粒子量が
フィルタ22の酸化除去可能微粒子量よりも少なくなっ
たとしても、酸化されづらい。このため、たとえ、流入
微粒子量がフィルタ22の酸化除去可能微粒子量よりも
少なくなったとしても、フィルタ22の圧損は安定値P
sよりも高いままとなってしまう。
【0037】ところが、微粒子がフィルタ22内に積層
状に堆積し始めたときに、フィルタ22の温度が高温と
なれば、フィルタ22内の微粒子は燃焼除去される。そ
こで、第一実施形態では、フィルタ22の圧損が安定値
sよりも高い所定の値Pdを判定値とし、フィルタ22
の圧損が判定値Pdを超えたときに、フィルタ22内に
積層状に堆積している微粒子が燃焼によって除去せしめ
られる温度(以下、燃焼除去温度と称す)にまでフィル
タ22の温度を上昇させるための処理(以下、昇温処理
と称す)を実行する。これによれば、フィルタ22内に
積層状に堆積している微粒子が燃焼除去される。そし
て、昇温処理は、少なくとも、フィルタ22の圧損が所
定値Pdに達するまで実行され、好ましくは、フィルタ
22の圧損が安定値Psよりも低くなるまで実行され
る。
【0038】このように、本発明では、フィルタの圧損
を検出するための圧損検出手段によって検出されたフィ
ルタの圧損に関するパラメータ(第一実施形態では、フ
ィルタの圧損自体)に基づいて、フィルタの圧損を下げ
る必要があるか否かを判断し、フィルタの圧損を下げる
必要があると判断されたときに、昇温処理が実行され
る。
【0039】なお、所定値Pdは、流入微粒子量が酸化
除去可能微粒子量よりも少ない間においては達すること
のない値のうち最も小さい値に設定される。
【0040】ところで、上述したように、フィルタの圧
損値が或る判定値よりも高くなったときに、フィルタ内
に捕集されている微粒子を燃焼除去するための昇温処理
を実行するようにした排気浄化装置は、従来から公知で
ある。すなわち、フィルタの昇温処理の実行の要否を或
る判定値に基づいて判定している点では、本発明の排気
浄化装置と従来の排気浄化装置とは同様である。
【0041】しかしながら、本発明は、昇温処理の実行
の要否を判定するために採用される判定値の設定の仕方
にその特徴がある。次に、本発明における判定値の設定
について説明する。
【0042】従来では、判定値として、内燃機関の運転
に対する悪影響が許容可能である範囲のフィルタの圧損
値のうち、例えば、最も高い値(以下、許容限界値と称
す)が採用される。そこで、従来と同様に本発明におい
ても、判定値として、この許容限界値を採用することは
容易に考えられる。
【0043】しかしながら、上述したように、本発明の
フィルタ22の圧損は元来非常に低い。したがって、本
発明のフィルタ22の圧損値が許容限界値に達したとき
には、フィルタに堆積している微粒子の量は、従来のフ
ィルタにおける量よりも、本発明のフィルタにおける量
のほうが相当に多くなっている。
【0044】一般的に、フィルタに堆積している微粒子
の量が多いほど、これら堆積している微粒子は燃焼除去
されづらくなってしまう。したがって、本発明のフィル
タ22において、その昇温処理の実行の要否を判定する
ための判定値として許容限界値を採用してしまうと、昇
温処理が実行されるときには、フィルタに比較的多量の
微粒子が堆積している。このため、フィルタに堆積して
いる微粒子を完全に燃焼除去するためには、昇温処理を
長時間実行しなければならないか、場合によって、昇温
処理によって微粒子を完全に燃焼除去することができな
い。
【0045】そこで、本発明では、フィルタの昇温処理
の実行の要否を判定するための判定値として、必ず、許
容限界値よりも低い値を採用する。正確には、フィルタ
の圧損が内燃機関の運転に与える影響度合いに基づいて
判定値を設定するのではなく、フィルタの昇温処理を実
行したときにフィルタに堆積している微粒子が所望の時
間内に完全に燃焼除去されるような量だけ、フィルタに
微粒子が堆積しているときの圧損値を判定値として採用
する。これによれば、フィルタの昇温処理を実行したと
きに、堆積微粒子を確実に燃焼除去することができる。
【0046】なお、昇温処理としては、以下の二つの制
御がある。一つ目の昇温処理は、フィルタ22に流入す
る排気ガスの温度を上昇させる処理(以下、排気昇温処
理と称す)である。この排気昇温処理では、具体的に
は、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するタイミングを遅
らせたり、内燃機関の燃焼室に機関駆動用の燃料を噴射
した後に少量の燃料を噴射して燃焼させたり、フィルタ
22上流に電気ヒータやグロープラグを設け、これら電
気ヒータまたはグロープラグを作動させたりすることに
よって、排気ガスの温度が上昇せしめられ、結果的に、
フィルタ22が昇温される。また、燃焼室内に燃料を点
火するための点火栓が設けられている場合には、この点
火栓による燃料の点火タイミングを遅らせることによっ
ても、排気ガスの温度を上昇させることができる。
【0047】二つ目の昇温処理は、フィルタ22内で化
学反応を起こさせて発熱させる処理(以下、発熱昇温処
理と称す)である。この発熱昇温処理では、具体的に
は、内燃機関の燃焼室に機関駆動用の燃料を噴射した後
に少量の燃料を噴射し、その燃料を燃焼させずにそのま
ま燃焼室から排出させたり、フィルタ22上流において
排気ガスに燃料を添加するための装置を設け、この装置
から排気ガスに燃料を添加したりして、燃料がフィルタ
22に供給され、これら燃料がフィルタ22内にて燃焼
せしめられることによって、フィルタ22が昇温され
る。
【0048】なお、発熱昇温処理では、発熱反応がフィ
ルタ22内において局所的に起こり、フィルタ22の局
所的な溶損が生じたり、発熱反応を良好に進行させるた
めにはフィルタ22に流入する排気ガスの量を制御した
りしなければならないので、排気昇温処理を用いること
が好ましい。
【0049】また、上流側圧力センサ39および下流側
圧力センサ40の代わりに、差圧センサを用いて、フィ
ルタ22の圧損を検出するようにしてもよい。差圧セン
サを用いる場合には、一方の端子が上流側圧力センサ3
9の取付け位置に取り付けられ、他方の端子が下流側圧
力センサ40の取付け位置に取り付けられる。また、フ
ィルタ22の圧損の増減によって、内燃機関の燃焼室に
吸入される空気の量も増減することを利用して、フィル
タ22の圧損を検出するようにしてもよい。
【0050】ところで、第一実施形態では、圧力センサ
39、40によって検出される排気ガスの圧力に基づい
て算出されたフィルタ22の圧損値そのものに基づい
て、昇温処理を実行するか否かが決定される。ところ
が、圧損は単位時間当たりに内燃機関から排出される排
気ガスの量(以下、排気ガス量と称す)によっても変化
する。すなわち、たとえフィルタ22内の堆積微粒子量
が同じであっても、排気ガス量が多くなれば、図6に示
されているように、圧損値も大きくなる。すなわち、フ
ィルタ22の圧損値は排気ガス量の関数でもある。
【0051】したがって、フィルタ22の圧損値に基づ
いて微粒子によるフィルタ22の閉塞進行の程度を正確
に判断するためには、排気ガス量を考慮したフィルタ2
2の圧損値が用いられるべきである。そこで、フィルタ
22上流に、単位時間当たりにフィルタ22に達する排
気ガスの量を検出するための排気流量センサ(図示せ
ず)を設け、この排気流量センサによって検出される排
気ガス量に基づいて、検出されたフィルタ22の圧損値
に対する補正係数が算出される。こうした補正係数は、
実験的に予め求められ、ROM32にマップの形で記憶
される。
【0052】図7は第一実施形態の昇温処理制御を実行
するためのフローチャートを示す。図7のフローチャー
トでは、始めに、ステップ100において、フィルタ2
2の圧損値Pが安定値P近傍にある(P≒P)か否
かが判別される。ステップ100において、P≒P
はないと判別されたときには、ステップ100が繰り返
される。一方、ステップ100において、P≒Pであ
ると判別されたときには、ルーチンはステップ101に
進んで、フィルタ22の圧損値Pが安定値Pよりも高
い所定の値Pdを超えた(P>P)か否かが判別され
る。このように、ステップ100以降のステップは、フ
ィルタ22の圧損がいったん安定値P近傍で安定して
から実行される。
【0053】ステップ101において、P≦Pである
と判別されたときには、ステップ101が繰り返され
る。一方、ステップ101において、P>Pであると
判別されたときには、ルーチンはステップ102に進ん
で、フィルタ22の昇温処理が行われ、ルーチンが終了
する。
【0054】ところで、排気昇温処理は、既に高温にな
っている排気ガスの熱によってフィルタ22の温度を上
昇させる制御であるので、これによれば、特に、フィル
タ22の上流側の領域が昇温されやすい。一方、発熱昇
温処理は、フィルタ22に供給された燃料がフィルタ2
2において燃焼するときの燃焼熱によって、フィルタ2
2の温度を上昇させる制御である。こうした燃料の燃焼
はフィルタ22の下流側の領域において行われやすい。
このため、発熱昇温処理によれば、特に、フィルタ22
の下流側の領域が昇温されやすい。
【0055】こうした事情に鑑みると、フィルタ22の
圧損を上昇させる原因となっている微粒子を確実に燃焼
除去するためには、フィルタ22の閉塞進行部位に応じ
て、実行させるべき昇温処理を変えることが好ましい。
すなわち、例えば、フィルタ22の閉塞進行部位が上流
側の小孔56であるときには、フィルタ22の上流側領
域の温度を上昇させやすい排気昇温処理が実行され、一
方、フィルタ22の閉塞進行部位が下流側の小孔55で
あるときには、フィルタ22の下流側領域の温度を上昇
させやすい発熱昇温処理が実行されることが好ましい。
【0056】ここで、様々な研究から、フィルタ22の
閉塞進行部位によって、フィルタ22の圧損の上昇の態
様が異なることが判明した。すなわち、フィルタ22の
閉塞進行部位が隔壁54の細孔である場合と、上流側の
小孔56である場合と、下流側の小孔55である場合と
によって、フィルタ22の圧損の上昇の態様が異なるこ
とが判明した。
【0057】したがって、フィルタ22の圧損の上昇の
態様を監視することによって、フィルタ22のいずれの
部位が微粒子によって閉塞されつつあるかを判定し、こ
のように微粒子によって閉塞されつつある部位に応じ
て、この部位を閉塞しつつある微粒子を燃焼除去するの
に適切な昇温処理を実行すれば、フィルタ22の圧損を
確実に低下させることができる。
【0058】次に、フィルタ22の閉塞進行部位に応じ
たフィルタ22の圧損の上昇の態様の違いについて、図
8を参照して説明する。図8にて実線kで示されている
ように、フィルタ22のいずれの部位においても微粒子
による閉塞が進行していない場合には、フィルタ22の
圧損は安定値Psで推移する。
【0059】ところが、隔壁54の細孔が微粒子によっ
て閉塞され始めると、フィルタ22の圧損は、図8にお
いて実線mで示されているように、安定値Pから比較
的小さな上昇率Rで上昇し続ける。一方、小孔55、
56が微粒子によって閉塞され始めると、フィルタ22
の圧損は、図8の実線nおよび実線oで示されているよ
うに、安定値Pから比較的大きな上昇率R、R
上昇する。
【0060】このように閉塞進行部位によって圧損上昇
率が異なる理由としては以下の理由が考えられる。フィ
ルタ22に流入した排気ガスは隔壁54の細孔および小
孔55、56を通過する。ここで小孔55、56は排気
ガスの流れに対して垂直に開口しているが、隔壁54は
排気ガスの流れに対して平行に開口している。このた
め、排気ガスは、小孔55、56には比較的流入しやす
いが、隔壁54の細孔には流入しづらい。
【0061】さらに、排気ガスが小孔55、56を通過
するときに受ける排気抵抗は比較的小さいが、隔壁54
の細孔を通過するときに受ける排気抵抗は比較的大き
い。このため、排気ガスは、小孔55、56を比較的通
過しやすいが、隔壁54の細孔を通過しづらい。こうし
たことから、単位面積当たりに小孔55、56を通過す
る排気ガスの量は、単位面積当たりに隔壁54を通過す
る排気ガスの量よりも多くなる。
【0062】ここで、小孔55、56が微粒子によって
閉塞され始めると、もともと、通過する排気ガスの量が
多い部位が閉塞されることとなるので、単位時間当たり
にフィルタ22を通過することができる排気ガスの量
が、全体的に、急激に少なくなってしまう。このため、
小孔55、56が微粒子によって閉塞されつつある場合
には、フィルタ22の圧損が急激に上昇する。
【0063】一方、隔壁54が微粒子によって閉塞され
始めると、もともと、通過する排気ガスの量が少ない部
位が閉塞されることとなるので、単位時間当たりにフィ
ルタ22を通過することができる排気ガスの量は、全体
的に、比較的緩やかに少なくなる。このため、隔壁54
の細孔が微粒子によって閉塞されつつある場合には、フ
ィルタ22の圧損は比較的緩やかに上昇する。
【0064】このため、微粒子による隔壁54の細孔の
閉塞が進行する場合よりも、微粒子のよる小孔55、5
6の閉塞が進行する場合の方が、圧損上昇率が大きくな
る。したがって、安定値Psで推移していたフィルタ2
2の圧損値が上昇し始めたときの圧損上昇率に基づい
て、閉塞進行部位が隔壁の細孔であるのか、或いは、小
孔55、56であるのかを判定することができる。
【0065】そこで、第二実施形態によれば、フィルタ
22の圧損が安定値Psから上昇し始めたときの圧損上
昇率が比較的小さいときには、閉塞進行部位は隔壁の細
孔であると特定される。一方、フィルタ22の圧損が安
定値Psから上昇し始めたときの圧損上昇率が比較的大
きいときには、閉塞進行部位は小孔55、56であると
特定される。
【0066】そして、第二実施形態では、閉塞進行部位
が隔壁の細孔であると特定されたときには、排気昇温処
理が実行される。なお、排気昇温処理を実行する代わり
に、発熱昇温処理を実行するようにしてもよいが、上述
したように、発熱昇温処理によってフィルタ22を昇温
する場合に比べて、排気昇温処理によってフィルタ22
を昇温する場合のほうが、よりフィルタ22全体を昇温
することができるので、隔壁の細孔を閉塞しつつある微
粒子を確実に除去するという観点からは、排気昇温処理
を実行するほうが好ましい。
【0067】さらに、上流側の小孔56に到来する排気
ガスは、フィルタ22に到来した直後の排気ガスであ
る。しかしながら、下流側の小孔55に到来する排気ガ
スは、排気ガス流入通路50に流入した排気ガスのう
ち、隔壁54の細孔に流入しなかった排気ガスである。
すなわち、下流側の小孔55に到来する排気ガスは、排
気ガス流入通路50に流入した排気ガスのうちの一部の
排気ガスである。
【0068】このため、上流側の小孔56の流路断面積
と下流側の小孔55の流路断面積とが等しければ、上流
側の小孔56を通過する排気ガスの量は、下流側の小孔
55を通過する排気ガスの量よりも多い。こうしたこと
から、微粒子によって下流側の小孔55が閉塞されてし
まった場合よりも、微粒子によって上流側の小孔56が
閉塞されてしまった場合の方が、フィルタ22の圧損が
より大きくなる。
【0069】すなわち、下流側の小孔55が微粒子によ
って閉塞され始めると、フィルタ22の圧損は、図8の
実線nで示されているように、安定値Pから比較的大
きい上昇率Rでもって上昇し、やがて、圧損上昇率は
小さくなり、最終的には、フィルタ22の圧損は或る値
n近傍で推移する。
【0070】一方、上流側の小孔56が微粒子によって
閉塞され始めると、フィルタ22の圧損は、図8の実線
oで示されているように、安定値Pから比較的大きい
上昇率Rでもって上昇し、やがて、圧損上昇率は小さ
くなり、最終的には、フィルタ22の圧損は或る値Po
近傍で推移する。
【0071】ここで、上流側の小孔56が微粒子によっ
て閉塞されつつある場合に最終的に到達するフィルタ2
2の圧損値Pは、下流側の小孔55が微粒子によって
閉塞されつつある場合に最終的に到達するフィルタ22
の圧損値Pよりも小さい。そこで、第二実施形態で
は、フィルタ22の圧損が安定値Pから上昇し始めて
最終的に到達したフィルタ22の圧損値が、或る値Pn
近傍にあるときには、閉塞進行部位は下流側の小孔55
であると特定される。一方、フィルタ22の圧損が安定
値Pから上昇し始めて最終的に到達したフィルタ22
の圧損値が、或る値Po近傍にあるときには、閉塞進行
部位は上流側の小孔56であると特定される。
【0072】そして、第二実施形態では、閉塞進行部位
が上流側の小孔56であると特定されたときには、排気
昇温処理が実行される。これによれば、主に、フィルタ
22の上流領域が昇温せしめられるので、上流側の小孔
56を閉塞している微粒子が確実に除去される。
【0073】一方、閉塞進行部位が下流側の小孔55で
あると特定されたときには、発熱昇温処理が実行され
る。これによれば、主に、フィルタ22の下流領域が昇
温せしめられるので、下流側の小孔55を閉塞している
微粒子が確実に除去される。
【0074】なお、閉塞進行部位が上流側の小孔56で
あるときの圧損上昇率が、閉塞進行部位が下流側の小孔
55であるときの圧損上昇率よりも大きいことを利用し
て、閉塞進行部位が上流側の小孔56であるのか、或い
は、下流側の小孔55であるのかを判定するようにして
もよい。すなわち、フィルタ22の圧損が安定値P
ら上昇し始めたときの圧損上昇率が比較的大きいときに
は、閉塞進行部位は上流側の小孔56であると判定さ
れ、フィルタ22の圧損が安定値Pから上昇し始めた
ときの圧損上昇率が比較的小さいときには、閉塞進行部
位は下流側の小孔55であると判定される。もちろん、
閉塞進行部位が下流側の小孔55であるときの圧損上昇
率は、閉塞進行部位が隔壁54の細孔であるときの圧損
上昇率よりも大きい。
【0075】ところで、機関負荷および機関回転数が比
較的高いときには、内燃機関から排出される排気ガスの
温度がそもそも高い。したがって、この場合に、排気昇
温処理が実行されれば、排気ガスの温度は比較的高い温
度にまで上昇されやすい。
【0076】一方、機関負荷または機関回転数のいずれ
か一方が比較的低いときには、内燃機関から排出される
排気ガスの温度がそもそも低い。したがって、この場合
に、排気昇温処理が実行されても、排気ガスの温度は比
較的高い温度にまで上昇されにくい。
【0077】そこで、第二実施形態では、フィルタ22
の閉塞進行部位が細孔であると特定されたときには、図
9に示されているように、機関負荷と機関回転数とによ
って機関運転領域を二つの領域に分割し、機関運転状態
が領域IIにあるとき、すなわち、機関負荷または機関回
転数の少なくともいずれか一方が比較的低いときには、
発熱昇温処理を実行する。一方、機関運転状態が領域I
にあるとき、すなわち、機関負荷および機関回転数が比
較的高いときには、排気昇温処理を実行する。このよう
に、機関運転状態によって最適な昇温制御が実行されに
よれば、より確実にフィルタ22の温度を微粒子を燃焼
させることができる温度にまで上昇することができる。
【0078】図10は第二実施形態の昇温処理制御を実
行するためのフローチャートを示す。図10では、始め
に、ステップ201において、フィルタ22の圧損値P
が安定値P近傍にある(P≒P)か否かが判別され
る。ステップ201において、P≒Pでないと判別さ
れたときには、ステップ201が繰り返される。一方、
ステップ201において、P≒Pであると判別された
ときには、ステップ202に進んで、フィルタ22の圧
損上昇率Rが判定値Rよりも大きい(R>R )か否
かが判別される。
【0079】ステップ202において、R≦Rである
と判別されたときには、ステップ206に進んで、図9
に示されている関係に基づいて選択された最適昇温処理
が実行され、ルーチンが終了する。一方、ステップ20
2において、R>Rであると判別されたときには、ス
テップ203に進んで、フィルタ22の圧損値が安定値
から上昇し始めてから一定の時間が経過したときの
フィルタ22の圧損値Pが上述した或る値P近傍にあ
る(P≒P)か否かが判別される。ステップ203に
おいて、P≒Pであると判別されたときには、ステッ
プ204に進んで、発熱昇温処理が実行され、ルーチン
が終了する。一方、ステップ203において、P≒P
ではないと判別されたときには、ステップ205に進ん
で、排気昇温処理が実行され、ルーチンが終了する。
【0080】ところで、第二実施形態では、閉塞進行部
位が隔壁54の細孔であるのか、或いは、小孔55、5
6であるのかを圧損上昇率に基づいて判定している。と
ころが、図8を参照すると判るように、閉塞進行部位が
小孔55、56であるときには、フィルタ22の圧損が
安定値Psから上昇し始めてから一定時間が経過する
と、フィルタ22の圧損はほぼ一定の値P、Pで推
移する。一方、閉塞進行部位が隔壁54の細孔であると
きには、フィルタ22の圧損が安定値Psから上昇し始
めてから一定時間が経過しても、フィルタ22の圧損は
ほぼ一定の値で推移せずに徐々に上昇する。したがっ
て、フィルタ22の圧損が安定値Pから上昇し始めて
から一定時間が経過したときのフィルタ22の圧損値に
基づいて、閉塞進行部位が隔壁54の細孔であるのか、
或いは、上流側の小孔56であるのか、或いは、下流側
の小孔55であるのかを判定することもできる。
【0081】そこで、第三実施形態では、フィルタ22
の圧損が安定値Psから上昇し始めてから一定時間が経
過したときのフィルタ22の圧損が、或る基準となる圧
損値よりも小さいときには、閉塞進行部位が隔壁54の
細孔であると判定する。一方、フィルタ22の圧損が安
定値Psから上昇し始めてから一定時間が経過したとき
のフィルタ22の圧損が上記基準となる値よりも大きい
ときには、閉塞進行部位が小孔55、56であると判定
する。
【0082】さらに、閉塞進行部位が上流側の小孔56
であるのか、或いは、下流側の小孔55であるのかは、
第二実施形態と同様の判定方法によって判定される。も
ちろん、閉塞進行部位が特定された後には、第二実施形
態と同様にして選択される昇温処理が実行される。
【0083】図11は第三実施形態の昇温処理制御を実
行するためのフローチャートを示す。図11のフローチ
ャートのステップ301、303〜306は、それぞ
れ、図10のフローチャートのステップ201、203
〜206と同じであるので、詳細な説明は省略する。し
たがって、ステップ302についてのみ説明すると、ス
テップ302では、フィルタ22の圧損値が安定値P
から上昇し始めてから一定の時間が経過したときのフィ
ルタ22の圧損値Pが基準の値Pよりも大きい(P<
)か否かが判別される。ステップ302において、
P≦Pであると判別されたときには、ステップ306
に進む。一方、ステップ302において、P>Pであ
ると判別されたときには、ステップ303に進む。
【0084】次に、図12を参照して、第四実施形態の
排気浄化装置について説明する。第四実施形態の排気浄
化装置では、図12に示したように、排気管20aが分
岐部81において三つの排気管20b、20c、20d
に分岐せしめられる。これら三つの排気管のうち第一排
気管20bと第二排気管20cとはそれぞれフィルタ8
0の一方の端部と他方の端部とに連結される。残りの第
三排気管20dはより後流側に設けられた装置に連結さ
れるか、大気中に解放される。分岐部81には切替弁8
2が設けられる。切替弁82の角度はステップモータ8
3によって変更せしめられる。ステップモータ83は電
子制御ユニット30の駆動回路38を介して出力ポート
36に接続される。
【0085】第四実施形態では、切替弁82の角度に応
じて排気ガスの流れが変わる。切替弁82が図12
(A)に示した位置(以下、第一の位置と称す)にある
ときには、分岐部81に流入した排気ガスは、まず、第
一排気管20bへと向かい、フィルタ80の第一端部8
0aから第二端部80bへと流れる。第二端部80bか
ら流出した排気ガスは、第二排気管20cを通って再び
分岐部へと戻り、第三排気管20dへと流出する。
【0086】また、切替弁82が図12(B)に示した
位置(以下、第二の位置と称す)にあるときには、排気
ガスは、まず、第二排気管20cへと向かい、フィルタ
80の第二端部80bから第一端部80aへと流れる。
第一端部80aから流出した排気ガスは、第一排気管2
0bを通って再び分岐部へと戻り、第三排気管20dへ
と流出する。このように、第四実施形態の排気浄化装置
では、切替弁82の角度を変更することによってフィル
タ80内において排気ガスが流れる方向を変更すること
ができる。
【0087】次に、第四実施形態の昇温処理について説
明する。なお、以下の説明では、切替弁82が第一の位
置にあるところから説明する。切替弁82が第一の位置
にあるときには、上述したように、排気ガスはフィルタ
80を第一端部80aから第二端部80bへと流れる。
フィルタ80の圧損値が安定値Pから上昇したときに
は、第二実施形態または第三実施形態と同様にして、閉
塞進行部位が特定される。ここで、閉塞進行部位が隔壁
54の細孔であると特定されたときには、図9に示され
ている関係に基づいて、適切な昇温処理が選択され、実
行される。また、閉塞進行部位が上流側の小孔56であ
ると特定されたときには、図9に示されている関係に基
づいて、機関運転状態が領域Iにあれば、排気昇温処理
が実行される。一方、機関運転状態が領域IIにあれば、
発熱昇温処理が実行される。
【0088】さらに、閉塞進行部位が下流側の小孔55
であると特定されたときには、図9に示されている関係
に基づいて、機関運転状態が領域Iにあれば、切替弁8
2の位置が第二の位置(図12(B))に切り替えられ
た上で、排気昇温処理が実行される。このように、切替
弁82の位置が第二の位置に切り替えられることによっ
て、閉塞進行部位である下流側の小孔55が、結果的に
は、上流側の小孔となり、この場合には、発熱昇温処理
よりも好ましい排気昇温処理によって閉塞進行部位の温
度を上昇させることができる。
【0089】図13および図14は第四実施形態の昇温
処理制御を実行するためのフローチャートを示す。図1
3では、始めに、ステップ401において、フィルタ2
2の圧損が安定値P近傍にある(P≒P)か否かが
判別される。ステップ401において、P≒Pではな
いと判別されたときには、ステップ401においてP≒
であると判別されるまで、ステップ401が繰り返
される。
【0090】一方、ステップ401において、P≒P
であると判別されたときには、ルーチンはステップ40
2に進んで、閉塞進行部位が隔壁54の細孔であるか否
かが判別される。ステップ402において、閉塞進行部
位が隔壁54の細孔であると判別されたときには、ルー
チンはステップ403に進んで、機関運転状態が図9の
領域Iにあるか否かが判別される。
【0091】ステップ403において、機関運転状態が
図9の領域Iにあると判別されたときには、ルーチンは
ステップ404に進んで、排気昇温処理が実行される。
一方、機関運転状態が図9の領域Iにはないと判別され
たとき、すなわち、機関運転状態が図9の領域IIにある
と判別されたときには、ルーチンはステップ405に進
んで、発熱昇温処理が実行される。
【0092】ところで、ステップ402において、閉塞
進行部位が隔壁54の細孔ではないと判別されたときに
は、ルーチンは図14のステップ406に進んで、閉塞
進行部位が、現時点で上流側となっている小孔であるか
否かが判別される。ステップ406において、閉塞進行
部位が、現時点で上流側となっている小孔であると判別
されたときには、ルーチンはステップ407に進む。一
方、ステップ406において、閉塞進行部位が、現時点
で上流側となっている小孔ではないと判別されたとき、
すなわち、現時点で下流側となっている小孔であると判
別されたときには、ルーチンはステップ411に進む。
【0093】ステップ407では、機関運転状態が図9
の領域Iにあるか否かが判別される。ステップ407に
おいて、機関運転状態が図9の領域Iにあると判別され
たときには、ルーチンはステップ408に進んで、排気
昇温処理が実行される。一方、ステップ407におい
て、機関運転状態が図9の領域Iにはないと判別された
とき、すなわち、機関運転状態が図9の領域IIにあると
判別されたときには、ルーチンはステップ409に進ん
で、切替弁82の位置が切り替えられ、次いで、ステッ
プ410において、発熱昇温処理が実行される。
【0094】ところで、ステップ411では、機関運転
状態が図9の領域Iにあるか否かが判別される。ステッ
プ411において、機関運転状態が図9の領域Iにある
と判別されたときには、ルーチンはステップ412に進
んで、切替弁82の位置が切り替えられ、次いで、ステ
ップ412において、排気昇温処理が実行される。一
方、ステップ411において、機関運転状態が図9の領
域Iにないと判別されたとき、すなわち、機関運転状態
が図9の領域IIにあると判別されたときには、ルーチン
はステップ414に進んで、発熱昇温処理が実行され
る。
【0095】なお、第四実施形態では、フィルタ22の
閉塞が進行したときに、機関運転状態に応じて、排気昇
温処理と発熱昇温処理とが選択的に実行される。しかし
ながら、上述したように、或る観点からは、発熱昇温処
理よりも排気昇温処理の方が好ましい。
【0096】そこで、第四実施形態において、閉塞進行
部位が隔壁の細孔であると特定されたときに、機関運転
状態が図9の領域IIにあるために排気昇温処理が実行さ
れないときには、機関運転状態が図9の領域Iとなるま
で昇温処理の実行を待機し、機関運転状態が図9の領域
Iとなったときに、排気昇温処理を実行するようにして
もよい。
【0097】また、第四実施形態において、閉塞進行部
位がその時点において上流側となっている小孔であると
特定されたときに、機関運転状態が図9の領域IIにある
ために排気昇温処理が実行されないときには、切替弁8
2の位置を切り替えた上で、機関運転状態が図9の領域
Iとなるまで昇温処理の実行を待機し、機関運転状態が
図9の領域Iとなったときに、再び、切替弁82の位置
を切り替え、排気昇温処理を実行するようにしてもよ
い。なお、機関運転状態が図9の領域Iとなるまで昇温
処理の実行を待機する前に、切替弁82の位置を切り替
え、閉塞進行部位である上流側の小孔が、下流側の小孔
となる。ここで、上述したように、閉塞進行部位が上流
側の小孔である場合よりも、閉塞進行部位が下流側の小
孔である場合のほうが、フィルタ22全体の圧損は低
い。したがって、機関運転状態が図9の領域Iとなるま
で昇温処理の実行を待機している間、フィルタ22全体
の圧損が低く抑えられる。
【0098】図15および図16は、このように排気昇
温処理のみを採用した第五実施形態の昇温処理制御を実
行するためのフローチャートを示す。図15では、始め
に、ステップ501において、フィルタ22の圧損が安
定値P近傍にある(P≒P )か否かが判別される。
ステップ501において、P≒Pではないと判別され
たときには、ステップ501において、P≒Pである
と判別されるまで、ステップ501が繰り返される。
【0099】一方、ステップ501において、P≒P
であると判別されたときには、ルーチンはステップ50
2に進んで、閉塞進行部位が隔壁54の細孔であるか否
かが判別される。ステップ502において、閉塞進行部
位が隔壁54の細孔であると判別されたときには、ルー
チンはステップ503に進んで、機関運転状態が図9の
領域Iにあるか否かが判別される。
【0100】ステップ503において、機関運転状態が
図9の領域Iにあると判別されたときには、ルーチンは
ステップ504に進んで、排気昇温処理が実行される。
一方、ステップ503において、機関運転状態が図9の
領域Iにはないと判別されたとき、すなわち、機関運転
状態が図9の領域IIにあると判別されたときには、ステ
ップ503において機関運転状態が図9の領域Iにある
と判別されるまで、ステップ503が繰り返される。
【0101】ところで、ステップ502において、閉塞
進行部位が隔壁54の細孔ではないと判別されたときに
は、ルーチンは図16のステップ505に進んで、閉塞
進行部位が、現時点で上流側となっている小孔であるか
否かが判別される。ステップ505において、閉塞進行
部位が、現時点で上流側となっている小孔であると判別
されたときには、ルーチンはステップ506に進む。一
方、ステップ505において、閉塞進行部位が、現時点
で上流側となっている小孔ではないと判別されたとき、
すなわち、現時点で下流側となっている小孔であると判
別されたときには、ルーチンはステップ509に進む。
【0102】ステップ506では、機関運転状態が図9
の領域Iにあるか否かが判別される。ステップ506に
おいて、機関運転状態が図9の領域Iにあると判別され
たときには、ルーチンはステップ507に進んで、排気
昇温処理が実行される。一方、ステップ506におい
て、機関運転状態が図9の領域Iにはないと判別された
とき、すなわち、機関運転状態が図9の領域IIにあると
判別されたときには、ルーチンはステップ508に進ん
で、切替弁82の位置が切り替えられた上で、ステップ
509において、機関運転状態が図9の領域Iにあるか
否かが判別される。したがって、この場合、ステップ5
06が実行された時点で上流側となっていた小孔が、ス
テップ508が実行されたことによって、下流側の小孔
とされた上で、ステップ509において機関運転状態が
図9の領域Iとなったと判別されるまで、ステップ50
9が繰り返され、したがって、昇温処理の実行が待機さ
れる。
【0103】ステップ509において、機関運転状態が
図9の領域Iになったと判別されたときには、ルーチン
はステップ510に進んで、切替弁82の位置が切り替
えられ、これによって、ステップ509が実行されてい
る時点において下流側となっていた小孔が、上流側とな
り、次いで、ステップ511において、排気昇温処理が
実行される。
【0104】ところで、ステップ505において、閉塞
進行部位がその時点で上流側となっている小孔ではない
と判別されたとき、すなわち、閉塞進行部位がその時点
で下流側となっている小孔であると判別されたときに
も、ルーチンはステップ509に進み、ステップ509
において機関運転状態が図9の領域Iであると判別され
るまで、ステップ509が繰り返され、したがって、昇
温処理の実行が待機される。
【0105】最後に、フィルタ22、80に担持されて
いる酸化触媒について説明する。酸化触媒は活性酸素生
成剤と貴金属触媒とから構成される。隔壁54の表面
上、並びに、隔壁54の細孔を画成する表面上に、全面
に亘って例えばアルミナからなる担体層が形成される。
そして、この担体層上に周囲に過剰酸素が存在すると酸
素を取り込んで酸素を保持し且つ周囲の酸素濃度が低下
すると保持している酸素を活性酸素の形で放出する活性
酸素生成剤と貴金属触媒とが担持されている。
【0106】貴金属触媒としては白金(Pt)が用いら
れ、活性酸素生成剤としてはカリウム(K)、ナトリウ
ム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、ル
ビジウム(Rb)のようなアルカリ金属、バリウム(B
a)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)の
ようなアルカリ土類金属、ランタン(La)、イットリ
ウム(Y)、セリウム(Ce)のような希土類、鉄(F
e)のような遷移金属、およびスズ(Sn)のような炭
素族元素から選ばれた少なくとも一つが用いられてい
る。
【0107】次に、図17を参照してフィルタ22によ
る排気ガス中の微粒子除去作用について貴金属触媒とし
て白金(Pt)を利用し、活性酸素生成剤としてカリウ
ム(K)を利用した場合を例にとって説明するが、他の
貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、遷
移金属を用いても同様な微粒子除去作用が行われる。
【0108】図17(A)および(B)はフィルタ22
の隔壁の表面上および隔壁の細孔表面上に形成された担
体層の表面の拡大図を模式的に表している。図17
(A)および(B)において60は白金の粒子を示して
おり、61はカリウム等の活性酸素生成剤を含む担体層
を示している。
【0109】圧縮着火式の内燃機関では、通常、過剰空
気のもとで燃焼が行われるので、排気ガス中には過剰な
酸素が含まれている。すなわち、吸気通路および燃焼室
5内に供給された空気と燃料との比を排気ガスの空燃比
と称すると、フィルタ22に流入する排気ガスの空燃比
はリーンである。一方、燃焼室5では、NOX、特にN
OおよびNO2が発生するので、排気ガス中にはNOx
含まれている。このように、フィルタ22には過剰酸
素、および、NOXを含んだ排気ガスが流入する。
【0110】排気ガスがフィルタ22に流入すると、図
17(A)に示したように排気ガス中の酸素はO2 -また
はO2-の形で白金の表面に付着する。一方、排気ガス中
のNOは白金の表面上でO2 -またはO2-と反応し、NO
2となる(2NO+O2→2NO2)。次いで生成された
NO2および排気ガス中のNO2の一部は白金上で酸化さ
れつつ活性酸素生成剤61内に吸収され、Kと結合しな
がら図17(A)に示したように硝酸イオン(NO3 -
の形で活性酸素生成剤61内に拡散し、硝酸塩(KNO
3)を生成する。すなわち、排気ガス中の酸素が硝酸イ
オンの形で活性酸素生成剤に吸収される。
【0111】ところで、燃焼室5内では主にカーボン
(C)からなる微粒子が生成される。したがって、排気
ガス中にはこれら微粒子が含まれる。排気ガス中の微粒
子は、排気ガスがフィルタ22内を流れているときに、
図17(B)に示したように、活性酸素生成剤61の表
面上に接触し、付着する。
【0112】活性酸素生成剤61上に微粒子62が付着
すると、活性酸素生成剤61の表面とその内部との間に
濃度差が生じる。活性酸素生成剤61内には硝酸イオン
の形で酸素が吸蔵されており、この吸蔵されている酸素
が微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向けて
移動しようとする。その結果、活性酸素生成剤61内に
形成されている硝酸塩(KNO3)がKとOとNOとに
分解され、Oが活性酸素生成剤61の表面に向かい、そ
の一方でNOが活性酸素生成剤61から外部に放出され
る。このように外部に放出されたNOは上述したメカニ
ズムで下流側の白金上において酸化され、再び活性酸素
生成剤61内に硝酸イオンの形で吸収される。
【0113】ところで微粒子62と活性酸素生成剤61
との接触面に向かうOは硝酸塩(KNO3)のような化
合物から分解された酸素であるので、不対電子を有し、
極めて高い反応性を有する活性酸素となっている。これ
ら活性酸素が微粒子62に接触すると微粒子62は短時
間(数秒〜数十分)のうちに輝炎を発することなく酸化
せしめられ、微粒子62は完全に消滅する。したがって
微粒子62がフィルタ22上に堆積することはほとんど
ない。
【0114】ところで従来のようにフィルタ上に積層状
に堆積した微粒子が燃焼せしめられるときにはフィルタ
が赤熱し、火炎を伴って燃焼する。このような火炎を伴
う燃焼は高温でないと行うことができないため、強制的
に、フィルタ22を昇温させなければならない。
【0115】これに対して本発明では微粒子62は上述
したように輝炎を発することなく酸化せしめられ、この
ときフィルタ22の表面が赤熱することもない。すなわ
ち云い換えると本発明では従来に比べてかなり低い温度
でもって微粒子62が酸化除去せしめられている。した
がって本発明による輝炎を発しない微粒子62の酸化に
よる微粒子除去作用は火炎を伴う従来の燃焼による微粒
子除去作用と全く異なっている。
【0116】ところで白金および活性酸素生成剤61は
フィルタ22の温度が高くなるほど活性化するのでフィ
ルタ22上において単位時間当りに輝炎を発することな
く酸化除去可能な酸化除去可能微粒子量はフィルタ22
の温度が高くなるほど増大する。また、単位時間当りに
フィルタ22に流入する微粒子の量を流入微粒子量と称
すると酸化除去可能微粒子量がこの流入微粒子量よりも
多いときには、フィルタ22に流入した全ての微粒子が
フィルタ22に接触すると短時間(数秒から数十分)の
うちにフィルタ22上において輝炎を発することなく酸
化除去せしめられる。フィルタ22では酸化除去可能微
粒子量は内燃機関が通常運転を行っているときのフィル
タ22の温度において、通常想定される流入微粒子量よ
りも多い。このように酸化除去可能微粒子量が流入微粒
子量よりも多いと、フィルタ22には微粒子がほとんど
堆積しない。
【0117】ところが、流入微粒子量が酸化除去可能微
粒子量を上回っている場合、全ての微粒子を酸化するに
は活性酸素量が不足している。図18(A)〜(C)は
このような場合の担体層の表面の拡大図を模式的に表し
ている。すなわち全ての微粒子を酸化するには活性酸素
量が不足している場合には図18(A)に示したように
微粒子62が活性酸素生成剤61上に付着すると微粒子
62の一部のみが酸化され、十分に酸化されなかった微
粒子部分が担体層上に残留する。次いで活性酸素量が不
足している状態が継続すると次から次へと酸化されなか
った微粒子部分が担体層上に残留し、その結果、図18
(B)に示したように担体層の表面が残留微粒子部分6
3により覆われるようになる。
【0118】担体層の表面が残留微粒子部分63により
覆われると白金によるNOの酸化作用および活性酸素生
成剤61による活性酸素の放出作用が行われなくなるた
めに残留微粒子部分63は酸化されることなくそのまま
残り、斯くして図18(C)に示したように残留微粒子
部分63の上に別の微粒子64が次から次へと堆積す
る。すなわち微粒子が積層状に堆積することになる。
【0119】このように微粒子が積層状に堆積すると微
粒子64はもはや活性酸素により酸化されることがな
く、したがってこの微粒子64上にさらに別の微粒子が
次から次へと堆積する。すなわち流入微粒子量が酸化除
去可能微粒子量よりも多い状態が継続するとフィルタ2
2には微粒子が積層状に堆積する。
【0120】
【発明の効果】第一の発明によれば、パティキュレート
フィルタの圧損が上昇すると微粒子が酸化除去されるた
め、圧損が上昇した際に圧損が迅速に元の低い値に戻さ
れる。
【0121】第三の発明によれば、温度が上昇する領域
が閉塞進行部位となるようにすることで不必要な領域ま
で昇温してしまうことがなく、より効率的に閉塞進行部
位に堆積する微粒子を酸化除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の排気浄化装置を備えた内燃機関
全体の図である。
【図2】本発明のパティキュレートフィルタを示す図で
ある。
【図3】本発明のパティキュレートフィルタの一部を拡
大して示す図である。
【図4】従来の目封じ型のパティキュレートフィルタの
一部を拡大して示す図である。
【図5】パティキュレートフィルタにおいて閉塞が進行
している時の圧損の推移を示す図である。
【図6】パティキュレートフィルタに流入する流入ガス
流量と圧損との関係を示す図である。
【図7】第一実施形態の昇温処理制御を実行するための
フローチャートである。
【図8】閉塞進行部位毎の圧損の推移を示す図である。
【図9】昇温処理の選択時に用いる内燃機関の運転状態
の図である。
【図10】第二実施形態の昇温処理制御を実行するため
のフローチャートである。
【図11】第三実施形態の昇温処理制御を実行するため
のフローチャートである。
【図12】第四実施形態の排気浄化装置を示す図であ
る。
【図13】第四実施形態の昇温処理制御を実行するため
のフローチャートの一部である。
【図14】第四実施形態の昇温処理制御を実行するため
のフローチャートの一部である。
【図15】第五実施例の昇温処理制御を実行するための
フローチャートの一部である。
【図16】第五実施例の昇温処理制御を実行するための
フローチャートの一部である。
【図17】微粒子の酸化除去作用を説明するための図で
ある。
【図18】微粒子の堆積作用を説明する図である。
【符号の説明】
21…ケーシング 22…パティキュレートフィルタ 39、40…圧力センサ 50…排気ガス流入通路 51…排気ガス流出通路 52…下流側テーパ壁 53…上流側テーパ壁 54…隔壁 55、56…小孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/02 341 F01N 3/02 341C // B01D 46/42 B01D 46/42 B (72)発明者 伊藤 和浩 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 利岡 俊祐 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 木村 光壱 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中谷 好一郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 見上 晃 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G090 AA02 BA01 BA04 CA01 CB02 CB04 CB12 CB23 CB25 CB27 DA04 DA05 4D058 JA32 JB06 MA44 MA52 SA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関排気通路内に排気ガス中の微粒子を
    捕集するためのパティキュレートフィルタを具備し、該
    パティキュレートフィルタが通路を画成する隔壁を有
    し、該隔壁が予め定められた平均細孔径の細孔を内包す
    る多孔質の材料から形成されており、上記通路の端部開
    口が上記平均径よりも大きいが通路の流路断面積よりも
    狭い流路断面積を有する小孔となるように隔壁の端部分
    が寄せ集められて該端部分同士が部分的に接続されてお
    り、さらに、上記パティキュレートフィルタの圧損に関
    連するパラメータの値を検知するための検知手段を具備
    し、該検知手段によって検知されたパラメータ値と予め
    定められた判定値とを比較することによってパティキュ
    レートフィルタを昇温させるための昇温処理を実行すべ
    きであると判定されたときには該昇温処理を実行するよ
    うにした排気浄化装置において、パティキュレートフィ
    ルタの圧損値が大きくなると内燃機関が同一条件におい
    て出力可能な出力が低下し、該出力低下度合いとして許
    容する範囲を任意に設定した場合において、上記判定値
    が出力低下度合いを該許容範囲内において最大とするパ
    ティキュレートフィルタの圧損値よりも低い圧損値に対
    応するパラメータ値となっていることを特徴とする排気
    浄化装置。
  2. 【請求項2】 上記パティキュレートフィルタが捕集し
    た微粒子を連続的に酸化除去することができ、これによ
    り、通常の状態では、該パティキュレートフィルタの圧
    損値はほぼ一定の値で推移し、上記パラメータとしてパ
    ティキュレートフィルタの圧損自体が採用され、上記検
    知手段によって検知されたパティキュレートフィルタの
    圧損値が上記判定値を超えた場合に、昇温処理を実行す
    べきであると判定される請求項1に記載の排気浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 異なる複数の昇温処理が実施可能であ
    り、パティキュレートフィルタの圧損に関連する第二の
    パラメータの値に基づいて微粒子によって閉塞されつつ
    あるパティキュレートフィルタの部位を閉塞進行部位と
    して特定し、該特定された閉塞進行部位に応じて実行さ
    れる昇温処理が選択される請求項1に記載の排気浄化装
    置。
  4. 【請求項4】 上記第二のパラメータとしてパティキュ
    レートフィルタの圧損上昇率が採用され、該圧損上昇率
    が閉塞進行部位特定用の基準上昇率よりも小さいときに
    は閉塞進行部位が隔壁の細孔であると特定され、圧損上
    昇率が基準上昇率よりも大きいときには閉塞進行部位が
    小孔であると特定される請求項3に記載の排気浄化装
    置。
  5. 【請求項5】 圧損上昇率が上記基準上昇率よりも高い
    閉塞進行部位特定用の第二の基準上昇率よりも小さいと
    きには閉塞進行部位がパティキュレートフィルタの下流
    側の小孔であると特定され、この場合には、上記昇温処
    理として、パティキュレートフィルタ内において発熱反
    応を生じさせることによる昇温処理が実行され、一方、
    圧損上昇率が第二の基準上昇率よりも大きいときには閉
    塞進行部位がパティキュレートフィルタの上流側の小孔
    であると特定され、この場合には、上記昇温処理とし
    て、排気ガスの温度を上昇させることによる昇温処理が
    実行される請求項4に記載の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 上記第二のパラメータとして圧損値自体
    が採用され、パティキュレートフィルタの圧損値が閉塞
    進行部位特定用の基準圧損値よりも小さいときには閉塞
    進行部位がパティキュレートフィルタの下流側の小孔で
    あると特定され、この場合には、上記昇温処理として、
    パティキュレートフィルタ内において発熱反応を生じさ
    せることによる昇温処理が実行され、一方、パティキュ
    レートフィルタの圧損値が上記基準圧損値よりも大きい
    ときにはパティキュレートフィルタの上流側の小孔であ
    ると特定され、この場合には、上記昇温処理として、排
    気ガスの温度を上昇させることによる昇温処理が実行さ
    れる請求項3に記載の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 パティキュレートフィルタよりも上流の
    機関排気通路に切替弁が配置され、切替弁が第一の位置
    に保持されるとパティキュレートフィルタの一方の端部
    から排気ガスがパティキュレートフィルタに流入し、切
    替弁が第二の位置に保持されるとパティキュレートフィ
    ルタの他方の端部から排気ガスがパティキュレートフィ
    ルタに流入し、パティキュレートフィルタの圧損に関す
    る第二のパラメータの値に基づいて微粒子によって閉塞
    されつつあるパティキュレートフィルタの部位が閉塞進
    行部位として特定され、該特定された閉塞進行部位に応
    じた位置に切替弁の位置が位置決めれた上で昇温処理が
    実行される請求項1に記載の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】 上記第二のパラメータとして圧損上昇率
    が採用され、現在の切替弁の位置において圧損上昇率が
    閉塞進行部位特定用の基準上昇率よりも小さいときには
    閉塞進行部位がパティキュレートフィルタの排気ガス流
    出側の小孔であると特定され、圧損上昇率が基準上昇率
    よりも大きいときには閉塞進行部位がパティキュレート
    フィルタの排気ガス流入側の小孔であると特定され、内
    燃機関の運転状態が排気ガスの温度を上昇させるのに適
    している場合に小孔の閉塞が進行している側のパティキ
    ュレートフィルタの端部が上流になるように切替弁の位
    置が選択された上で、上記昇温処理として、排気ガスの
    温度を上昇させることによる昇温処理が実行される請求
    項7に記載の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】 上記第二のパラメータとして圧損値自体
    が採用され、現在の切替弁の位置において圧損値が閉塞
    進行部位特定用の閾値よりも小さいときには閉塞進行部
    位がパティキュレートフィルタの排気ガス流出側の小孔
    であると特定され、圧損値が上記閾値よりも大きいとき
    にはパティキュレートフィルタの排気ガス流入側の小孔
    であると特定され、内燃機関の運転状態が排気ガスの温
    度を上昇させるのに適している場合に小孔の閉塞が進行
    している側のパティキュレートフィルタの端部が上流に
    なるように切替弁の位置が選択された上で、上記昇温処
    理として、排気ガスの温度を上昇させることによる昇温
    処理が実行される請求項7に記載の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】 機関排気通路内に排気ガス中の微粒子
    を捕集するためのパティキュレートフィルタを具備し、
    該パティキュレートフィルタが通路を画成する隔壁を有
    し、該隔壁が予め定められた平均細孔径の細孔を内包す
    る多孔質の材料から形成されており、上記通路の端部開
    口が上記平均径よりも大きいが通路の流路断面積よりも
    狭い流路断面積を有する小孔となるように隔壁の端部分
    が寄せ集められて該端部分同士が部分的に接続されてお
    り、さらに、上記パティキュレートフィルタの圧損に関
    するパラメータの値を検出するための検知手段を具備
    し、該検知手段によって検知されるパラメータ値に基づ
    いて微粒子によって閉塞されつつあるパティキュレート
    フィルタの部位を特定することを特徴とする排気浄化装
    置。
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