JP2003268496A - 軸受用鋼 - Google Patents

軸受用鋼

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JP2003268496A
JP2003268496A JP2002069439A JP2002069439A JP2003268496A JP 2003268496 A JP2003268496 A JP 2003268496A JP 2002069439 A JP2002069439 A JP 2002069439A JP 2002069439 A JP2002069439 A JP 2002069439A JP 2003268496 A JP2003268496 A JP 2003268496A
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steel
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Takayuki Katsura
隆之 桂
Kazuhiko Hiraoka
和彦 平岡
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼に含有されるPの含有量の上限を高めるこ
とで、脱Pのための精錬を軽減し、精錬時間の短縮を図
ることで生産性を向上させ、電気炉の電力消費を低減
し、耐火物の使用回数を増加させて、低コストで衝撃値
および転動疲労特性に悪影響を及ぼすことのない軸受用
鋼を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.92〜1.10%、
Si:0.10〜0.70%、Cr:0.90〜1.6
0%、P:0.025超〜0.050%、Mn:≦1.
15%、S:≦0.025%、Ni:≦0.25%、O
≦10ppmを含有し、残部Feおよび不可避不純物か
らなる靱性および図1に見られるように転動疲労寿命に
優れた軸受用鋼。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】不純物元素のPを多く含んで
いながら衝撃値、転動疲労寿命などの特性を劣化しない
軸受用鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸受用鋼あるいはその他の機械構造用鋼
において、不純物として含有されているPは粒界に偏析
し、衝撃値、転動疲労寿命を劣化させると考えられてい
る。そこで、特開平1−168843号公報には、自動
車部品用の快削鋼が紹介されているが、衝撃値の劣化を
押さえるため、Pは0.020%以下に限定されてい
る。また、特開昭62−274052号公報には、軸受
用肌焼鋼が紹介されているが、転動疲労寿命の劣化を抑
えるため、Pは0.006%以下に限定されている。
【0003】1950年に制定され1990年に改正さ
れたJIS SUJ2鋼の規格では、質量%で、Pは
0.025%以下に制限されている。また、ISO、D
INにおいても質量%で、P≦0.030%ただし、こ
の頃のO含有量は質量比で、30ppm以上であり、こ
の大量のOがPの衝撃値、転動疲労寿命への悪影響を助
長していると考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、鋼に含有されるPの含有量を多くすること
で、脱Pのための精錬を軽減し、精錬時間の短縮を図る
ことで生産性を向上させ、電気炉の電力消費を低減し、
耐火物の使用回数を増加させてコスト低減することので
きる衝撃値特性および転動疲労特性に悪影響を及ぼすこ
とのない軸受用鋼を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは鋭意考究して
きたところ、JIS規格のSUJ2鋼では、焼入れ焼戻
し後の結晶粒径が非常に小さいため、粒界面積が大き
く、P等の粒界偏析元素が細かく分散するため、これら
の悪影響を受け難いことが分かった。一方、最近の製鋼
技術の進歩により、SUJ2鋼のOの含有量が5ppm
程度まで抑えられているので、Pの衝撃値や転動疲労寿
命に及ぼす悪影響が小さくなっていると考えられる。た
だし、多く含有しすぎると衝撃値、転動疲労寿命は低下
する。
【0006】課題を解決するための本願発明の手段は、
請求項1の発明では、質量%で、C:0.92〜1.1
0%、Si:0.10〜0.70%、Cr:0.90〜
1.60%、P:0.025超〜0.050%、Mn:
≦1.15%、S:≦0.025%、Ni:≦0.25
%、O≦10ppmを含有し、残部Feおよび不可避不
純物からなることを特徴とする靱性、転動疲労寿命に優
れた軸受用鋼である。
【0007】請求項2の発明では、質量%で、C:0.
92〜1.10%、Si:0.10〜0.70%、C
r:0.90〜1.60%、P:0.030〜0.04
0%、Mo:0.10〜0.25%、Mn:≦1.15
%、S:≦0.025%、Ni:≦0.25%、O≦1
0ppmを含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
ることを特徴とする靱性、転動疲労寿命に優れた軸受用
鋼である。
【0008】含有成分の限定理由について以下に説明す
る。なお、%は質量%である。Cは、焼入硬さが軸受材
料として必要な硬さを保つために、C量を0.92%以
上とし、一方、1.10%を超えると熱間圧延後の冷却
過程で初析セメンタイトの粗大析出を防止することが困
難であるため、Cは0.92〜1.10%とする。
【0009】Siは、鋼の脱酸に有効な元素であり、ま
た、転動疲労寿命向上のためにも非常に有効な元素であ
るが、Siが0.10%未満では上記の効果が発揮でき
ず、0.70%を超えるとマトリックス硬さを増大させ
被削性を劣化させる。そこでSiは0.10〜0.70
%とする。
【0010】Crは、焼入性を向上させるだけでなく、
セメントタイトの球状化を向上させる元素であり、本発
明鋼の組織を作るためには必要不可欠な元素である。そ
の効果を活かすために0.90%以上とし、Crはフェ
ライト強化の効果はほとんどなく、増やしても有害では
ないが、経済性を考慮して上限を1.60%とした。そ
こで0.90%〜1.60%とする。
【0011】Pは、多く含有すると介在物を形成し衝撃
値、転動疲労寿命を劣化させる。しかしながら、Pを
0.025%を超えて含有させても0.050%以下で
あれば、衝撃値、転動疲労寿命などの特性を劣化させる
ことがない。鋼の脱りんおよび精錬時間の短縮など溶製
コストを考慮して0.025%超〜0.050%以下と
する。好ましくは、0.030%〜0.040%以下と
する。
【0012】Oは、Pと非金属介在物を生成し、衝撃
値、転動疲労寿命などの特性を劣化させる。しかし、1
0ppm以下では、このような悪影響は与えない。そこ
でOは10ppm以下とする。好ましくは、7ppm以
下とする。
【0013】Moは、焼入性や炭化物の球状化性を向上
させ、疲労強度、靱性などを向上させる。0.10%未
満ではその効果はなく、多く含有させると加工性を低下
し、コスト的にも不利であるので0.25%以下とす
る。そこで0.10〜0.25%とする。
【0014】Mnは、脱酸、脱硫剤として利用される。
また、焼入性を高める効果が大きく、転動疲労寿命を向
上させる上で非常に有効な元素であるが、被削性を阻害
するので1.15%以下とする。
【0015】Sは、被削性を改善するが、介在物を生成
し脆化するので0.025%以下とする。
【0016】Niは、焼入性を向上させ、疲労強度を向
上させる元素であるが、被削性を阻害するので0.25
%以下とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を以
下の実施例と合わせて説明する。質量%で、C:0.9
2〜1.10%、Si:0.1〜0.7%、Cr:0.
90〜1.60%、P:0.025超〜0.050%、
Mn:≦1.15%、S:≦0.025%、Ni:≦
0.25%、O≦10ppmを含有し、残部Feおよび
不可避不純物からなる鋼成分の鋼、あるいは、さらに他
の実施の形態として、Mo:0.10〜0.25%を上
記成分に含有する鋼を、90tの電気炉で溶解し、次い
で、取鍋精錬し、さらに、RH脱ガスをして溶製し、次
いで連続鋳造によりブルームとし、分解圧延した後、鍛
造によりφ65の鋼材とし、この鋼材を800℃で球状
化焼鈍して製品とする。
【0018】
【実施例】実施例として上記の本発明に係る鋼成分の鋼
と、比較例として鋼成分を得るために、上記のPの含有
範囲を、P:0.016〜0.080%の範囲の9種の
鋼として、上記の方法により溶製し、上記方法で球状化
焼鈍した鋼材を外径60mm、内径20mm、板厚6m
mのスラスト衝撃試験片、および、10mm×10mm
×55mmのシャルピー衝撃試験片にそれぞれ作製し、
835℃→60℃油冷で焼入れし、170℃に焼戻しす
る。
【0019】スラスト寿命試験:研磨加工により上記
の試験片の表面を鏡面状態とする。試験条件は次の通り
である。試験温度:常温で面圧:5300MPaとし、
回転数:1800c.p.m.とし、潤滑油:#60は
スピンドル油とする。各条件についてそれぞれ9個のス
ラスト試験片を対象として試験を行った後、ワイブルプ
ロットを行い、10%破損確立寿命(B10寿命)を求め
た。P:0.016%含有の比較鋼の寿命を1とし、こ
れに対する寿命比でそれぞれの転動疲労寿命を評価し
た。結果を図1に示す。
【0020】シャルピー衝撃試験(10RCノッ
チ):試験片を仕上げ加工後に試験する。P:0.01
6%含有の比較鋼の衝撃値を1とし、これに対する比で
それぞれの衝撃値を評価した。これらの結果を図2に示
す。これらの試験結果の上記した図から、本発明におけ
るPが0.025〜0.050%を含有する軸受用鋼
は、いずれもP:0.016%含有の比較鋼に比して転
動疲労寿命および衝撃値は略同等であることが理解でき
る。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、Pの含
有量をJIS規格に比して、多く含有させた0.025
〜0.050%とすることで、衝撃および転動疲労特性
に悪影響を及ぼすことなく、脱Pのための精錬を軽減
し、精錬時間の短縮で生産性を向上させ、電気炉の電力
消費を低減し、耐火物の使用回数を増加させることがで
きるなど、本発明は、従来にない優れた効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸受用鋼のP含有量と寿命との関係を示すグラ
フである。
【図2】軸受用鋼のP含有量と衝撃値との関係を示すグ
ラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.92〜1.10%、
    Si:0.10〜0.70%、Cr:0.90〜1.6
    0%、P:0.025超〜0.050%、Mn:≦1.
    15%、S:≦0.025%、Ni:≦0.25%、O
    ≦10ppmを含有し、残部Feおよび不可避不純物か
    らなることを特徴とする靱性、転動疲労寿命に優れた軸
    受用鋼。
  2. 【請求項2】 質量%で、C:0.92〜1.10%、
    Si:0.10〜0.70%、Cr:0.90〜1.6
    0%、P:0.030〜0.040%、Mo:0.10
    〜0.25%、Mn:≦1.15%、S:≦0.025
    %、Ni:≦0.25%、O≦10ppmを含有し、残
    部Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする靱
    性、転動疲労寿命に優れた軸受用鋼。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110355203A (zh) * 2019-06-13 2019-10-22 山东钢铁股份有限公司 一种大断面连铸圆坯的棒材轧制成型方法

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