JP2003268302A - 耐チッピング用塗料組成物 - Google Patents

耐チッピング用塗料組成物

Info

Publication number
JP2003268302A
JP2003268302A JP2002071916A JP2002071916A JP2003268302A JP 2003268302 A JP2003268302 A JP 2003268302A JP 2002071916 A JP2002071916 A JP 2002071916A JP 2002071916 A JP2002071916 A JP 2002071916A JP 2003268302 A JP2003268302 A JP 2003268302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
coating composition
chipping
coating
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002071916A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyasu Shiozaki
範康 塩嵜
Atsuhiko Suzuki
敦彦 鈴木
Tomio Nakada
富雄 中田
Yoshinobu Harada
芳信 原田
Ayumi Takada
あゆみ 高田
Yutaka Ohashi
豊 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Cemedine Automotive Co Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Cemedine Automotive Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Cemedine Automotive Co Ltd filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2002071916A priority Critical patent/JP2003268302A/ja
Publication of JP2003268302A publication Critical patent/JP2003268302A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】塩化ビニル樹脂を含まないため使用済み車両の
焼却による塩化水素の発生がなくなり、また、スプレー
作業時の溶剤発生量が少ないため環境への負荷が少ない
という種々の利点を有する耐チッピング用塗料組成物を
提供する。 【解決手段】加熱によりイソシアネートを再生するブロ
ックドウレタン化合物(A)、化合物(A)と反応する
水酸基及び/又はアミノ基を含有する化合物(B)、及
び充填材(C)とからなる耐チッピング用塗料組成物で
あり、化合物(A)と化合物(B)の当量比が0.5〜
2.0であるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に防錆、防
音を目的に塗布される耐チッピング用塗料に関し、特に
使用済み車両の焼却廃棄時に塩化水素の発生による公害
問題を起こさない耐チッピング用塗料組成物に関する。
【0002】
【関連技術】自動車の床裏、サイドシル、フエールタン
ク、フロントエプロン、タイヤハウス等に防錆、防音を
目的に耐チッピング用塗料が塗布されているが、この塗
料は従来、塩化ビニル樹脂を含有する、いわゆる塩ビゾ
ル塗料が主体であった。
【0003】近年、使用済み車両の焼却廃棄時に塩化水
素発生による公害問題がクローズアップされ、塩化ビニ
ル樹脂を含有しない耐チッピング用塗料の開発が急がれ
ていた。
【0004】その一手段として特開平5−16346
2、特開平6−157938に見られるような水系の耐
チッピング用塗料、また、特開平7−233299、特
開平8−295850に見られるようなアクリル樹脂を
主成分としたアクリルゾル系の耐チッピング用塗料が開
発された。
【0005】しかし、水系塗料はそれを導入する際の塗
装設備を全てステンレス等の錆びない装置に置き換えね
ばならず、多大な投資を必要とした。一方アクリルゾル
塗料はすでに実用化が進みつつあるが、硬化皮膜の強度
が低く薄膜化が困難であった。
【0006】また、従来よりウレタン樹脂を主成分とし
た一液型の耐チッピング用塗料も開発されているが、ス
プレー塗布のため多量の溶剤が含有されていて、安全衛
生上好ましくなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点に鑑みなされたもので、公害問題、安全衛生問題を
低減し、かつ、従来の塗装設備をそのまま使用できる塗
料を提供すべく、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、
微粉末ブロックドウレタンを使用することにより溶剤分
が少なくてもスプレー塗布が容易にでき、また、その焼
却時に塩化水素が発生しない塗料を見出し、本発明を完
成したものである。
【0008】本発明は、塩化ビニル樹脂を含まないため
使用済み車両の焼却による塩化水素の発生がなくなり、
また、スプレー作業時の溶剤発生量が少ないため環境へ
の負荷が少ないという種々の利点を有する耐チッピング
用塗料組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の耐チッピング用
塗料組成物は、加熱によりイソシアネートを再生するブ
ロックドウレタン化合物(A)、化合物(A)と反応す
る水酸基及び/又はアミノ基を含有する化合物(B)、
及び充填材(C)とからなる耐チッピング用塗料組成物
であり、化合物(A)と化合物(B)の当量比が0.5
〜2.0であることを特徴とする。上記当量比は0.8
〜1.2がさらに好ましい。当量比が0.5未満の場合
は硬化不良となる。また、当量比が2.0を超える場合
は化合物(B)が過剰となり、硬化物の物性が低下す
る。
【0010】前記化合物(A)におけるイソシアネート
を再生するための加熱温度が100℃以上であり、かつ
この化合物(A)は融点が100℃〜160℃の粒径5
0μm以下の微粉末であるのが好ましい。化合物(A)
の融点が100℃に達しないと塗料製造時に融着して分
散不良が起こったり、また、出来上がった塗料の保管時
に融着を起こして粘度上昇を起こすなどの不良が発生す
る。また、化合物(A)の融点が160℃を超えると通
常の中塗り炉(130〜150℃、15〜40分)、上
塗り炉(130〜150℃、15〜40分)で焼き付け
た時、溶融不良が発生して反応不足となったり、硬化皮
膜表面が不均一となるなどの不具合が生じる。
【0011】また、化合物(A)の粒径が50μmを超
えると出来上がった塗料をエアレススプレーで吹き付け
塗装する時にチップの詰まりが発生するなどの不具合が
生じる。さらには、この粒径が50μmを超えると通常
の中塗り炉(130〜150℃、15〜40分)、上塗
り炉(130〜150℃、15〜40分)で焼き付けた
時、溶融不良が発生して反応不足となったり、硬化皮膜
表面が不均一になるなどの不具合が生じる。化合物
(A)の粒径の下限値については特別の限定はないが、
例えば、0.01μm程度の粒径であっても使用可能で
ある。
【0012】本発明で使用する加熱再生ブロックドウレ
タン化合物(A)の適当な出発成分は、ジ−又はポリイ
ソシアネート及びこれらの混合物である。但し、これら
の成分は、ブロック化剤と反応して得られるブロックド
ウレタン化合物(A)が常温で固形であることが必要で
ある。
【0013】適当なジ−又はポリイソシアネートとして
は特開平7−278257に見られるような、脂肪族、
脂環式、芳香脂肪族及び好ましくは複素環式のポリイソ
シアネート、例えば、アニリン/ホルムアレデヒド縮合
とその後のホスゲン化とによって得られるポリメチレン
ポリイソシアネートが挙げられる。カルボジイミド基を
含むポリイソシアネート、アロファネート基を含むポリ
イソシアネート、イソシアヌレート基を含むポリイソシ
アネート、ウレタン及び/又は尿素基を含むポリイソシ
アネート、アシル化尿素基を含むポリイソシアネート、
ビウレット基を含むポリイソシアネート、テロ重合反応
によって生成したポリイソシアネート、エステル基を含
むポリイソシアネート、好ましくはウレチジオン基を含
むジイソシアネート及び尿素基を含むジイソシアネート
も適当なものである。
【0014】具体例としては下記のものが挙げられる。
p−キシリレンジイソシアネート、1,5−ジイソシア
ナトメチルナフタレン、1,3−フェニレンジイソシア
ネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メ
チルベンゼン2,5−ジイソシアネート、1,3ジメチ
ルベンゼン4,6−ジイソシアネート、1,4ジメチル
ベンゼン2,5−ジイソシアネート、1−ニトロベンゼ
ン2,5−ジイソシアネート、1−メトキシベンゼン
2,4−ジイソシアネート、1−メトキシベンゼン2,
5−ジイソシアネート、1,3−ジメトキシベンゼン
4,6−ジイソシアネート、アゾベンゼン4,4’−ジ
イソシアネート、ジフェニルエーテル4,4’−ジイソ
シアネート、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネ
ート、ジフェニルジメチルメタン4,4’−ジイソシア
ネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、3,
3’−ジメチルビフェニル4,4’−ジイソシアネー
ト、ジフェニルジスルフィド4,4’−ジイソシアネー
ト、ジフェニルスルホン4,4’−ジイソシアネート、
1−メチルベンゼン2,4,6−トリイソシアネート、
1,3,5−トリメチルベンゼン2,4,6−トリイソ
シアネート、トリフェニルメタン4,4’,4”−トリ
イソシアネート、4,4’ −ジイソシアナト−(1,
2)−ジフェニルエタン、二量体1−メチル−2,4−
フェニレンジイソシアネート、二量体1−イソプロピル
−2,4−フェニレンジイソシアネート、二量体2,
4’ジイソシアナトジフェニルスルフィド、3,3’−
ジイソシアナト−4,4’−ジメチル−N,N’−ジフェ
ニル尿素、3,3’−ジイソシアナト−2,2’−ジメ
チル−N,N’−ジフェニル尿素、3,3’−ジイソシア
ナト−2,4’−ジメチル−N,N’−ジフェニル尿素、
N,N’−ビス[4(4−イソシアナトフェニルメチル)
フェニル]尿素、N,N’−ビス[4(2−イソシアナト
フェニルメチル)フェニル]尿素。
【0015】ブロック化されたウレタン化合物(A)を
得るために使用されるブロック化剤としてはオキシム化
合物(アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メ
チルイソブチルケトオキシムなど)、ラクタム類(ε−
カプロラクタムなど)、活性メチレン化合物(マロン酸
ジエチル、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルな
ど)、フェノール類(フェノール、m−クレゾールな
ど)、アルコール類(メタノール、エタノール、n−ブ
タノールなど)、水酸基含有エーテル(メチルセルソル
ブ、ブチルセルソルブなど)、水酸基含有エステル(乳
酸メチル、乳酸アミルなど)、メルカプタン類(ブチル
メルカプタン、ヘキシルメルカプタンなど)、酸アミド
類(アセトアニリド、アクリルアマイド、ダイマー酸ア
ミドなど)、イミダゾール類(イミダゾール、2−エチ
ルイミダゾールなど)、酸イミド類(コハク酸イミド、
フタル酸イミドなど)、アミン類(ジシクロヘキシルア
ミンなど)及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられ
る。
【0016】これらのうちオキシム化合物、フェノール
類及びアミン類が好ましく、特にメチルエチルケトオキ
シム、フェノール及びジシクロヘキシルアミンが好まし
い。これらはその解離温度が100℃〜140℃と比較
的低いため、耐チッピング用塗料として自動車に適用し
た場合でも充分に反応が進む。
【0017】前記化合物(B)としては、分子量300
〜3000の2官能基以上の水酸基含有ポリエーテルポ
リオール又はポリエステルポリオール、及び/又は分子
量200〜6000の1〜3官能基含有ポリアミンを用
いるのが好適である。2官能基以上の水酸基含有ポリエ
ーテルポリオールまたはポリエステルポリオールの化合
物(B)の分子量が300に達しない場合は硬化物の物
性が低下する。また、分子量が3000を超えると粘度
が高くなり、エアレススプレーによる吹き付け作業性に
支障を来たす。同様に、1〜3官能基含有ボリアミンの
化合物(B)の分子量が200未満であると硬化物の物
性が低下する。また、分子量が6000を超えると粘度
が高くなり、エアレススプレーによる吹き付け作業性に
支障を来たす。
【0018】本発明で使用するポリエーテルポリオール
は2個以上、好ましくは2〜6個の水酸基を有する公知
のものから選択する。
【0019】これらのポリエーテルポリオールとしては
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ヘキサントリオール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シ
ュークローズ、ポリエチエングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール及び3級
窒素含有ポリオールが挙げられる。
【0020】これらのうち好ましくは3級窒素含有ポリ
オールで分子量300〜3000が好ましい。この分子
量が300に達しない場合は硬化物の物性が低下する。
また、分子量が3000を超えると粘度が高くなり、作
業性に支障を来たす。
【0021】ポリエステルポリオールとしては特公昭6
4−11232に見られるように、ポリカルボン酸(た
とえばアジピン酸、マレイン酸、二量化リノール酸など
の脂肪族ポリカルボン酸、たとえばフタル酸などの芳香
族ポリカルボン酸)と低分子ポリオール又はポリエーテ
ルポリオールとの末端ヒドロキシル基含有ポリエステル
ポリオール、ポリカプロラクトンポリオールたとえば開
始剤[グリコール(エチレングリコールなど)、トリオ
ールなど]をベースとしてこれにカプロラクトン(ε−
カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトンな
ど)を有機金属化合物などの触媒の存在下に付加重合さ
せたポリオールが挙げられる。
【0022】本発明で使用し得るポリアミンとしては公
知のポリアルキレンポリアミン、ポリオキシアルキレン
アミンなどが挙げられる。
【0023】具体例としては下記のものが挙げられる。
ポリエチレンテトラミン(ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペン
タエチレンヘキサミン、デカエチレンウンデカアミンな
ど)、ポリプロピレンポリアミン(ジプロピレントリア
ミン、トリプロピレンテトラミン、ノナプロピレンデカ
アミンなど)、ポリブチレンポリアミン(ジブチレント
リアミンなど)、ポリ(ペンタメチレン)ポリアミン
[ビス(ペンタメチレン)トリアミンなど]、ポリ(ヘ
キサメチレン)ポリアミン[ビス(ヘキサメチレン)ト
リアミンなど]、ポリオキシエチレンアミン、ポリオキ
シプロピレンアミン。
【0024】これらのうち好ましいのはポリエーテルポ
リアミンで分子量が約200〜6000、好ましくは4
00〜5000、より好ましくは1000〜5000で
ある。この分子量が200未満であると硬化物の物性が
低下する。また、分子量が6000を超えると粘度が高
くなり、作業性に支障を来たす。
【0025】本発明の耐チッピング用塗料組成物は充填
材(C)を必須成分とし、塗料全重量の5〜50重量
%、好ましくは10〜30重量%使用する。この使用量
が50重量%を超えると塗料が硬化した後の被膜強度が
弱く、耐チッピング塗料としての防錆機能を果たせなく
なる。また、5重量%に満たないと作業性、特に垂れ性
が悪化し規定の塗膜厚みが得られなくなる。
【0026】一般的に、充填材としてはタルク、クレ
ー、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛が挙げられ、1種
又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】本発明の組成物は任意に、公知のアクリル
樹脂、例えば分子量5〜200万のポリメチルメタクリ
レート及び、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ノルマルブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、ターシャリブチルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレー
トから選ばれる、2種以上の共重合体等を適宜1種又は
2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】本発明の組成物は任意に、公知の可塑剤、
例えばフタル酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸、リン酸、スルホン酸、オレイン酸
及びステアリン酸と脂肪族又は芳香族結合したOH基を
含む化合物、例えばアルコール又はフェノールとのエス
テル類等を適宜1種又は2種以上を組み合わせて使用す
ることができる。
【0029】適当なエステルの具体例しては、ベンジル
ブチルフタレート、ビス−(2−エチルヘキシル)フタ
レート、ジ−イソノニルフタレート、トリス−(2−エ
チルヘキシル)トリメリテート、ビス−(2−エチルヘ
キシル)アジペート、トリクレジルホスフェート、ジフ
ェニルオクチルホスフェート、トリス−(2−エチルヘ
キシル)ホスフェート、アルキル−スルホン酸フェニル
エステル等が挙げられる。
【0030】本発明の組成物は任意に、公知の添加剤、
例えば無機難燃剤(水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム)、吸湿剤(酸化カルシウム、ゼオライト、シラ
ン)、着色剤(染料、顔料)、軽量化材(ガラスバルー
ン、セラミックバルーン、シラスバルーン、樹脂バルー
ン)、有機発泡剤(アゾジカルボンアミド、4,4’−
オキスビスベンゼンスルホニルヒドラジド、N,N’−ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラジンカルボ
ンアミド、アゾビスイソブチロニトリル)、加熱膨張性
マイクロバルーン、粘度調整剤(界面活性剤、カップリ
ング剤、脂肪族炭化水素)を使用することができる。
【0031】本発明の組成物は公知の方法で製造するこ
とができる。例えば通常の混合装置、縦型2軸ミキサ
ー、プラネタリーミキサー、ボールミル、ロールミル、
2軸ブレンダー、ニーダー、縦型高速攪拌機などを用い
て混合塗料化することにより得られる。
【0032】本発明の耐チッピング用塗料組成物は自動
車塗装ラインの従来の塗装装置及び塗装条件を何ら変更
無くそのまま使用が可能である。また、その後の焼付け
も従来と同じ条件で可能である。つまり、通常のエアレ
ススプレー装置にて所定の膜厚(0.2mm〜2mm)
に塗布され、その後の中塗り炉(130〜150℃、1
5〜40分)、上塗り炉(130〜150℃、15〜4
0分)を通ることにより加熱され、垂れ、亀裂、フク
レ、縮みなどの外観品質を損ねることの無い硬化塗膜を
得ることができる。
【0033】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもの
で限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもな
い。なお、下記する実施例及び比較例中の部は重量部を
示す。
【0034】(実施例1)メチルエチルケトオキシムと
反応して得られる ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネートのブロックドウレタン 10部 ポリオキシプロピレントリアミン(分子量:5000) 50部 メチルメタクリレート−ブチルメタクリレートの共重合樹脂 (分子量:80万) 20部 炭酸カルシウム 50部 酸化カルシウム 10部 フタル酸ジイソノニル(DINP) 45部 脂肪族炭化水素(沸点範囲:180〜230℃) 15部 を均一に攪拌分散し、耐チッピング塗料組成物を作成し
た。
【0035】この塗料組成物をエアレススプレーポンプ
を用いて電着塗装鋼板に吹き付け0.4mm厚となるよ
うにした。スプレー性は良好でパターン幅も充分広が
り、ミストも少なく均一に塗布することができた。塗布
した電着塗装鋼板を130℃の恒温槽にて20分間保持
し、加熱焼付けしたところ外観の良好な表面皮膜が得ら
れた。
【0036】次に、この塗料組成物の性能について表1
に示した項目について試験を行い、その結果を表1に示
した。表1に示されるように、粘度は70Pa・s、ス
プレー性は良好、固形分は93%、垂れ性は0mm、接
着性は良好、耐チッピング性は50Kg/0.4mmで
あり、総合評価として、優秀な耐チッピング性を有する
塗料組成物であることがわかった。
【0037】(実施例2)実施例1のポリオキシプロピ
レントリアミンをポリオキシエチレン付加3級窒素含有
多官能ポリオール(旭電化工業株式会社製の「EDP−
450」)20部に代え、DINPを55部、脂肪族炭
化水素(沸点範囲:180〜230℃)を20部にし
た。それ以外は実施例1と同様に実施し、耐チッピング
塗料組成物を得た。その性能についても実施例1と同様
に評価し、表1に示した。表1から明らかなように、実
施例1の塗料組成物よりもやや性能的に低いものの、総
合評価として良好な耐チッピング性を有する塗料組成物
であることを確認した。
【0038】(実施例3)実施例1のポリオキシプロピ
レントリアミンをポリオキシプロピレンジアミン(分子
量:2000)に代えた以外は実施例1と同様に実施
し、耐チッピング塗料組成物を得た。その性能について
も実施例1と同様に評価し、表1に示した。表1から明
らかなように、実施例1の塗料組成物よりもやや性能的
に落ちるものの、総合評価として良好な耐チッピング性
を有する塗料組成物であることがわかった。
【0039】(比較例1)実施例1のブロックドウレタ
ンをポリオキシプロピレングリコールのトリレンジイソ
シアネートの付加物とメチルエチルケトオキシムと反応
して得られるブロックドウレタンに代え、脂肪族炭化水
素(沸点範囲:180〜230℃)を25部にした。そ
れ以外は実施例1と同様に実施し、耐チッピング塗料組
成物を得た。その性能についても実施例1と同様に評価
し、表1に示した。表1に示されるように、スプレー性
以外の性能は良好であるものの、スプレー性が極めて不
良なため、総合評価として不良な耐チッピング性塗料組
成物であることが判明した。
【0040】(比較例2)実施例1のブロックドウレタ
ンをε−カプロラクタムと反応して得られるジフェニル
メタン4,4’−ジイソシアネートのブロックドウレタ
ンに代えた以外は実施例1と同様に実施し、耐チッピン
グ塗料組成物を得た。その性能についても実施例1と同
様に評価し、表1に示した。表1に示されるように、耐
チッピング性以外の性能は良好であるものの、耐チッピ
ング性が極めて不良なため、総合評価として不良な耐チ
ッピング性塗料組成物であることがわかった。
【0041】
【表1】
【0042】表1における試験方法は次の通りである。 1.粘度 20℃にてBH型粘度計、ローターNo.7、20rp
mによる。
【0043】2.スプレー性 日本グレイ(株)製エアレスポンプ(キングタイプ)を
用いてガン前圧力9.8MPa、ノズル#527で塗布
した時良好なパターン幅が得られ、テールやミストが少
なく塗布ムラなどないこと。
【0044】スプレー性の評価は次の通りである。 ○:良好なパターン幅、テール、ミストなし、塗布ムラ
なし。 △:パターン幅ややせまい、テール、ミストややあり。 ×:パターン幅広がらない、塗布ムラひどく均一塗布で
きない。
【0045】3.固形分 40×40×0.2mmのアルミシートの質量を測定
し、サンプルを30×30×0.4mm塗布し、秤量す
る。次に、恒温槽にて140℃、30分加熱し、デシケ
ータ内で冷却後質量を測定する。固形分は次式(1)に
て計算する。
【0046】
【数1】 固形分(%)=100×(W3−W1)/(W2−W1).........(1)
【0047】式(1)において、W1:アルミシートの
質量(mg)、W2:アルミシートとサンプルの加熱前
の質量(mg)、W3:アルミシートとサンプルの加熱
後の質量(mg)。
【0048】4.垂れ性 150×70×0.8mmの電着塗装鋼板にサンプルを
半径4mm×長さ100mmの半円ビード状に塗布して
垂直にたてかけ室温で30分放置した後95℃の恒温槽
内に8分間加熱後取り出し、垂れ(mm)を測定する。
【0049】5.接着性 100×25×0.8mmの電着塗装鋼板の端部にサン
プルを塗布し、接着部の厚さが3mmとなるようスペー
サーをはさみ接着、固定して130℃、20分間焼付け
を行う。取り出し後スペーサーを取り除き引張り速度5
0mm/分でせん断接着力を測定する。
【0050】接着性の評価は次の通りである。 ○:破壊状態が凝集破壊。 △:破壊状態が一部界面破壊。 ×:破壊状態が全面破壊。
【0051】6.耐チッピング性 150×70×0.8mmの電着塗装鋼板にサンプルを
0.4mmになるように塗布し、130℃、20分間焼
付けを行う。室温に戻ったらM4黄銅ナットを2mの高
さから内径2cmの塩ビパイプを通して落下させ、塗膜
の素地に達する穴があくまで連続落下させる。試験片の
角度は60°とする。
【0052】7.総合評価 耐チッピング用塗料組成物としての総合的な評価を示
す。総合評価の判断は次の通りである。 ○:優秀。 ○△:良好。 △:使用可能。 ×:不良。
【0053】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の耐チッピン
グ用塗料組成物は、塩化ビニル樹脂を含まないため使用
済み車両の焼却による塩化水素の発生がなくなり、ま
た、スプレー作業時の溶剤発生量が少ないため環境への
負荷が少ないという種々の利点を有する。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 敦彦 東京都品川区東五反田4丁目5番9号 セ メダインヘンケル株式会社内 (72)発明者 中田 富雄 東京都品川区東五反田4丁目5番9号 セ メダインヘンケル株式会社内 (72)発明者 原田 芳信 東京都品川区東五反田4丁目5番9号 セ メダインヘンケル株式会社内 (72)発明者 高田 あゆみ 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大橋 豊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4J034 CA03 CA04 CA05 CA14 CA16 CA17 CB03 CB04 CB05 CB07 CC03 DA01 DB04 DB07 DG03 DG04 DG06 DG23 HA01 HA06 HA07 HA08 HB03 HB05 HB09 HB11 HC06 HC07 HC08 HC12 HC13 HC61 HC63 HC71 HD03 HD04 HD05 HD06 HD07 HD12 HD15 JA24 MA01 MA03 MA04 QA03 QA05 QB03 RA07 4J038 DG061 DG111 DG121 DJ011 NA03 NA11 NA27 PB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱によりイソシアネートを再生するブ
    ロックドウレタン化合物(A)、化合物(A)と反応す
    る水酸基及び/又はアミノ基を含有する化合物(B)、
    及び充填材(C)とからなる耐チッピング用塗料組成物
    であり、化合物(A)と化合物(B)の当量比が0.5
    〜2.0であることを特徴とする耐チッピング用塗料組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記化合物(A)におけるイソシアネー
    トを再生するための加熱温度が100℃以上であり、か
    つこの化合物(A)は融点が100℃〜160℃の粒径
    50μm以下の微粉末であることを特徴とする請求項1
    記載の耐チッピング用塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記化合物(B)は、分子量300〜3
    000の2官能基以上の水酸基含有ポリエーテルポリオ
    ール又はポリエステルポリオール、及び/又は分子量2
    00〜6000の1〜3官能基含有ポリアミンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の耐チッピング用塗料組成
    物。
JP2002071916A 2002-03-15 2002-03-15 耐チッピング用塗料組成物 Pending JP2003268302A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002071916A JP2003268302A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 耐チッピング用塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002071916A JP2003268302A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 耐チッピング用塗料組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008056469A Division JP2008189934A (ja) 2008-03-06 2008-03-06 耐チッピング用塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003268302A true JP2003268302A (ja) 2003-09-25

Family

ID=29202059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002071916A Pending JP2003268302A (ja) 2002-03-15 2002-03-15 耐チッピング用塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003268302A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006007273A2 (en) 2004-06-18 2006-01-19 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Blocked polyurethane prepolymers useful in coating compositions

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006007273A2 (en) 2004-06-18 2006-01-19 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Blocked polyurethane prepolymers useful in coating compositions
US7019102B2 (en) 2004-06-18 2006-03-28 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Blocked polyurethane prepolymers useful in coating compositions

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3913444B2 (ja) 防音アンダーコート用アクリルゾル
CN103254866B (zh) 用于将反应性粘合剂粘接到基底的改进方法
AU2005249940B2 (en) Process for applying multi-component composite coatings to substrates to provide sound damping and print-through resistance
JP5162468B2 (ja) 水性被覆材、その製造方法およびその使用
KR101650965B1 (ko) 큰 중량의 부품을 구조물에 접착시키기에 적합한 접착제 조성물
JPH1160900A (ja) 車体補強用エポキシ樹脂系組成物および車体の補強方法
EP1371674B1 (en) Acrylic resin plastisol coating compound
JP2008189934A (ja) 耐チッピング用塗料組成物
JP2000345027A (ja) ポリウレタンペースト組成物及びシーリング材
JPH0625642A (ja) ポリウレタンをベースとする接着組成物および方法
JP2003268302A (ja) 耐チッピング用塗料組成物
JP3171817B2 (ja) 耐チッピング塗装方法及びその組成物
JPH10158353A (ja) 一液型熱硬化性ウレタン組成物
JP2016130292A (ja) プラスチゾル組成物および耐チッピング塗料
JP3366153B2 (ja) 塩化ビニル系プラスチゾル組成物
JP3871576B2 (ja) 自動車内装用接着剤組成物
JPH11100426A (ja) 水系ポリイソシアネート組成物
JPH11263865A (ja) 発泡性補強材組成物および車体の補強方法
JP2005194352A (ja) 熱硬化型一液塗料組成物
JPS6112779A (ja) 自動車ボデ−のシ−ル工法
CA2106254A1 (en) Atomizable and sprayable lacquer, coating and sealing compositions containing synthetic resin powder as fillers
JP3923353B2 (ja) アクリルゾル
JP2007091845A (ja) 熱硬化型塗料の製造方法
JP2972981B2 (ja) イソシアネート水分散体および硬化性組成物
JP2001181567A (ja) ポリウレタン硬化性組成物、ポリウレタンエラストマーの製造方法及び吹き付け防水工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071219

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080222