JP2003268138A - 合成樹脂製部材 - Google Patents

合成樹脂製部材

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JP2003268138A
JP2003268138A JP2002068172A JP2002068172A JP2003268138A JP 2003268138 A JP2003268138 A JP 2003268138A JP 2002068172 A JP2002068172 A JP 2002068172A JP 2002068172 A JP2002068172 A JP 2002068172A JP 2003268138 A JP2003268138 A JP 2003268138A
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Japan
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synthetic resin
polyolefin
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plating
adhesion
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JP2002068172A
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Hirohisa Okuda
拓央 奥田
Hiroshi Nishijima
浩史 西島
Akira Kobayashi
章 小林
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程数を増やすことなしに強固な密着性をも
つ装飾めっきと十分な接着強度をもつ接着の両方を行う
ことのできる安価なポリオレフィン系合成樹脂及び、そ
れを用いることでABS樹脂部材やPC/ABS樹脂部
材などの代替になりうるポリオレフィン系合成樹脂部材
を提供する。 【解決手段】 複数の合成樹脂部材から構成される合成
樹脂製部材において、少なくとも一つの部材がポリオレ
フィン系合成樹脂で作製された合成樹脂部材であり、ポ
リオレフィン系合成樹脂部材にめっきを施すめっき行程
と、ポリオレフィン系合成樹脂部材と複数の合成樹脂部
材を接着する接着行程との順で工程が進められることに
より作製され、ポリオレフィン系合成樹脂に、表面にア
ミノシラン系カップリング剤を結合させた酸可溶性無機
物質を添加した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、めっき行程と接着
行程の両方を行う合成樹脂製部材の製造方法及び、その
方法により作製された合成樹脂部材に関する。詳しく
は、めっき行程と接着行程の両方を行うポリオレフィン
系合成樹脂製部材の製造方法及び、その方法により作製
されたポリオレフィン系合成樹脂部材に関する。
【従来の技術】
【0002】ポリオレフィン系合成樹脂は非孔性かつ非
極性であるという特性から、めっきを施したり接着を行
うことが非常に困難な材料である。従来、ポリオレフィ
ン系合成樹脂部材にめっきや接着を施す手法として以下
に示すようなものがあった。
【0003】(1)ポリオレフィン系合成樹脂部材にめ
っきを施す手法として、樹脂材料に粒径10μm以下の
炭酸カルシウムを混入する手法(特開平05−0595
87)などが開示されている。この手法では、炭酸カル
シウムが酸性エッチング液に溶解し成形品表面に多数の
アンカー状の孔がひらく。化学めっき工程でその孔にめ
っきが食い込んでめっきが密着する。
【0004】しかしながら、材料が非極性であるという
ことは解決されていないため、そのめっきの密着性は充
分とは言えず、また表面の外観品位についても充分とは
言えなかった。さらに、ポリオレフィン系合成樹脂部材
は難接着材料であるため、接着については困難であっ
た。
【0005】また、従来、ポリオレフィン系合成樹脂部
材に接着を施す手法として、以下に示すような手法があ
った。
【0006】(2)プライマー処理、紫外線照射、コロ
ナ放電、サンドブラスト等の表面処理や表面改質がなさ
れた上で接着剤により接着がなされる方法がある。
【0007】しかし、これら表面処理法は、工程数が増
え、またそれに伴い最終集成体はかなりのコスト増とな
る。さらに、コロナ放電等のある種の表面処理法は薄く
て平坦な表面のみに適用可能であり多くの現存する厚肉
な合成樹脂部材や、用途には使用できないという問題が
あった。
【0008】上述のような処理を施していない未処理の
ポリオレフィン系合成樹脂部材に接着を施す手法とし
て、(3)ホットメルト接着剤により接着がなされる方
法がある。
【0009】しかし、ホットメルト接着剤は接着強度が
充分でないというのが通説であり、ある種のホットメル
ト接着剤は特定の用途の接合に使用できるが、他の用途
には全く不適当であるものもある。
【0010】さらに、(4)ポリオレフィン樹脂材料に
あらかじめ、ある特定の化合物を混ぜ込むことで未処理
のポリオレフィン系合成樹脂部材がα−シアノアクリレ
ート系接着剤により接着できるという方法がある(特開
平7−292127)。
【0011】しかしこの方法では、添加する化合物が高
価であるため樹脂材料自体がかなりのコスト増となる。
【0012】また、(2)、(3)、(4)の手法では
従来よりめっき不可であるということが通説であり、不
適であるという見方が一般的であった。
【0013】さらに、めっきと接着の両方を行うことが
できる手法として(5)ポリオレフィン系合成樹脂部材
にフッ素による表面改質を行う方法(特開平8−302
039)が開示されている。
【0014】しかし、この手法では表面改質を行うため
工程数が増えるうえ、表面は非孔性のままであるため、
めっき密着性が充分とは言えなかった。
【0015】さらに、水回り用品であるシャワーヘッド
は一般にABS樹脂に装飾めっきを施すことで作製され
ていた。
【0016】しかし、シャワーヘッドは温水と冷水が繰
り返しで使われるため、めっきが剥がれるおそれがあっ
た。
【0017】また、水栓のレバーハンドルも一般にAB
S樹脂に装飾めっきを施すことで作製されていた。
【0018】しかし、洗剤等の薬品が内部に入り込む
と、一般に耐薬品性が比較的低いABS樹脂を劣化させ
るおそれがあった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の不具
合を解決するために、工程数を増やすことなしに強固な
密着性をもつ装飾めっきと十分な接着強度をもつ接着の
両方を行うことのできる安価なポリオレフィン系合成樹
脂及び、それを用いることで上述のようなABS樹脂部
材やPC/ABS樹脂部材などの代替になりうるポリオ
レフィン系合成樹脂部材を提供することを目的とするも
のである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め本発明の請求項1においては、複数の合成樹脂部材か
ら構成される合成樹脂製部材において、少なくとも一つ
の部材が、極性を有する添加剤を加えたポリオレフィン
系合成樹脂で作製された合成樹脂部材であり、(1)ポ
リオレフィン系合成樹脂部材にめっきを施すめっき行程
と、(2)ポリオレフィン系合成樹脂部材と複数の合成
樹脂部材を接着する接着行程が、(1)、(2)の順、
もしくは(2)、(1)の順で工程が進められることに
より作製されることを特徴とする合成樹脂製部材とした
ことである。
【0021】このようにすれば、従来、非極性であるた
め難接着性という特性をもち、複数部品化が困難であっ
たポリオレフィン系合成樹脂部材を複数部品化が可能と
なり、さらにめっきを施すことで優れた外観品位を出す
ことができる。このようにすれば、ポリオレフィン系合
成樹脂の優れた特性を失うことなく、様々な合成樹脂製
部材をポリオレフィン系合成樹脂で作製することができ
る。
【0022】請求項2においては、ポリオレフィン系合
成樹脂に、極性を有する添加剤として表面にアミノシラ
ン系カップリング剤を結合させた酸可溶性無機物質を添
加したことを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製部材
としたことである。
【0023】このようにすれば、非孔性で非極性である
ポリオレフィン系合成樹脂に極性をもたせることができ
る上に、通常のABSのめっきの工程の中に含まれる酸
によるエッチング工程により、ポリオレフィン系合成樹
脂の表面にアンカー状の穴を開くことができる。その結
果、従来めっき工程や接着工程を行うために必要であっ
た、極性付与工程や表面処理工程、表面改質工程を行う
ことなく、つまり余分な工程をふむことなく、めっき工
程と接着工程の両方が行えるようになった。
【0024】請求項3においては、ポリオレフィン系合
成樹脂に、極性を有する添加剤として表面にアミノシラ
ン系カップリング剤を結合させた酸可溶性無機物質を1
5〜60重量%添加したことを特徴とする請求項2記載
の合成樹脂製部材としたことである。
【0025】このようにすれば、非孔性で非極性である
ポリオレフィン系合成樹脂に極性をもたせることができ
る上に、通常のABSのめっきの工程の中に含まれる酸
によるエッチング工程により、ポリオレフィン系合成樹
脂の表面にアンカー状の穴を開くことができる。これら
の効果により、より強固にめっき、接着を施すことがで
きる。
【0026】請求項4においては、接着工程でα−シア
ノアクリレート系接着剤が用いられることを特徴とする
請求項1乃至3のいずれかに記載の合成樹脂製部材とし
たことである。
【0027】このようにすれば、合成樹脂部材同士が非
常に強固に接着が可能であり、養生時間を短くすること
ができるため生産効率があがるうえ、このめっき、接着
ともに可能なポリオレフィン系樹脂部材とABSやポリ
カーボネート等異種材料との接着を可能にすることがで
きる。
【0028】請求項5においては、前記ポリオレフィン
系樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする
請求項1乃至4記載の合成樹脂製部材としたことであ
る。
【0029】このように、ポリプロピレン系樹脂を用い
ることでヒンジ特性、耐薬品性に優れる、軽量である等
の特性をポリオレフィン系合成樹脂部材にもたせること
ができる。また、安価に最終集成体を作製することがで
きる。
【0030】請求項6においては、前記のポリオレフィ
ン系合成樹脂で作製された合成樹脂部材がシャワーヘッ
ドで、接着される合成樹脂部材がシャワーヘッドとシャ
ワーホースの継ぎ手であることを特徴とする請求項1乃
至5記載の合成樹脂製部材としたことである。
【0031】これによって、温水と冷水が繰り返しで使
用されても、めっき密着性が非常に優れるため、めっき
にクラックが入ったとしても剥がれ落ちにくくなる。
【0032】請求項7においては、前記のポリオレフィ
ン系合成樹脂で作製された合成樹脂部材がレバーハンド
ルで、接着される合成樹脂部材がレバーハンドルと水栓
カートリッジ先端部を接続するブッシュであることを特
徴とする請求項1乃至5記載の合成樹脂製部材としたこ
とである。
【0033】これによって、万が一洗剤等の薬品が内部
に浸入したとしても、ポリオレフィン系合成樹脂の優れ
た耐薬品性により部材の劣化のおそれがなくなる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、詳
細に説明する。
【0035】図1には、本発明のポリオレフィン系合成
樹脂部材とめっき、接着との関係を表す図を示す。図2
には、本発明のポリオレフィン系合成樹脂部材にめっき
を施す概略行程図を示す。図3には、本発明のポリオレ
フィン系合成樹脂の接着後の引張剪断接着強さ測定の試
験結果を示す。図4には、本発明のポリオレフィン系合
成樹脂部材をシャワーヘッド、接着される合成樹脂部材
がシャワーヘッドとシャワーホースの継ぎ手である合成
樹脂製部材の概略図を示す。図5には、実施例2におい
て作製したシャワーヘッドユニットの湿式熱冷サイクル
試験の試験結果を示す。図6には、本発明のポリオレフ
ィン系合成樹脂部材をレバーハンドル、接着される合成
樹脂部材がレバーハンドルと水栓カートリッジ先端部を
接続するブッシュである合成樹脂製部材の概略図を示
す。図7には、実施例3において作製したレバーハンド
ルの湿式熱冷サイクル試験の試験結果を示す。
【0036】本発明のような合成樹脂製部材は、接着工
程とめっき工程が共に必要な合成樹脂製部材の代替材料
として好適に用いることができ、ポリオレフィン系合成
樹脂の耐薬品性や安価であるなどの特性を部材に付加す
ることができる。本発明の合成樹脂製部材は特に住設分
野、家電製品分野、通信機器分野、OA機器分野、バン
パーやドアハンドル、ランプハウジングなどの自動車部
品分野などに好適に用いられる。
【0037】次に、この合成樹脂製部材の基材となる合
成樹脂について、説明する。合成樹脂製部材を構成する
合成樹脂としては、ポリオレフィン系合成樹脂であれば
特に制限はなく例えば高密度、中密度、低密度ポリエチ
レンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチ
レンなどのポリエチレン類、プロピレン単独重合体、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体やランダム共重合
体、プロピレン−エチレン−ジエン化合物共重合体など
のポリプロピレン類、ポリブテン−1、ポリ4−メチル
ペンテン−1などを挙げることができる。
【0038】本発明では、この合成樹脂に酸可溶性無機
物質を混入することで、めっき密着性をあげている。こ
の酸可溶性無機物質としては特に制限はなく、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが
挙げられる。中でも、安価であり、比表面積が大きく、
酸に溶けやすいため、炭酸カルシウムが好ましい。ま
た、この酸可溶性無機物質の含有量は15〜60重量
%、好ましくは25〜50重量%の範囲である。酸可溶
性無機物質の含有量が15重量%未満であると酸でエッ
チング処理をした場合に表面の穴が形成が不十分なた
め、めっき密着性が不十分となる。また、60重量%を
越えると合成樹脂部材の物性が低下したりエッチング過
多となる場合がある。
【0039】さらに、本発明においてはポリオレフィン
系合成樹脂の接着剤、特にα−シアノアクリレート系接
着剤との接着性を良好にするため、アミノシラン系カッ
プリング剤が混入される。このアミノシラン系カップリ
ング剤は前述の酸可溶性無機物質の表面に結合した形で
混入される。このアミノシラン系カップリング剤として
は特に制限はなく、従来公知のものの中から任意のもの
を選択して用いることができる。アミノシラン系カップ
リング剤の例としてはα−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−α−(アミノエチル)−α−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−α−フェニル−α−アミノ
プロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0040】また、本発明においてめっき処理時の極性
付与工程を省き、めっき処理操作を簡略化する目的で、
合成樹脂にカチオン系界面活性剤を混入している。カチ
オン系界面活性剤としては、従来公知のもの、例えばア
ミン塩や四級アンモニウム塩などを用いることができ
る。
【0041】更に、本発明の目的を損なわない範囲で、
合成樹脂、酸可溶性無機物質、アミノシラン系カップリ
ング剤、カチオン系界面活性剤のほかに樹脂組成物に通
常用いられる難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型
剤、帯電防止剤、発泡剤、染顔料等が含まれても差し支
えない。
【0042】この樹脂組成物の混練方法については特に
制限はなく、従来公知の方法、例えば上記成分を同時
に、または任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、
ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混錬ロール、
押出機等の混合機により混合して製造することができ
る。このようにして、原料となる樹脂材料のペレットを
製造し、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形
などの成形手段により目的のポリオレフィン系合成樹脂
部材を成形する。
【0043】ポリオレフィン系合成樹脂部材にめっきを
施す方法としては、一般的なABS樹脂に対する化学め
っき及び電気めっきの条件と同様である。よって、本発
明のめっき方法は脱脂、化学エッチング、化学めっき処
理及び電気めっき処理により行われ、中和処理、キャタ
リスト処理、アクチベーター処理等の処理を適宜組み合
わせることができる。
【0044】図2には、めっきを施す方法を概略図で説
明する。脱脂には界面活性剤を用い、処理温度は40℃
から60℃、時間は5分から20分程度かけ、脱脂、洗
浄を行うことが好ましい。エッチングには酸化剤と酸の
混合液、例えばクロム酸−硫酸溶液が用いられ、処理温
度は60℃から75℃、時間は5分から30分程度が好
ましい。(図2(A)) エッチングの後に水洗し、親水性にされた表面に吸着力
の強い、還元力のある金属を付加するシンセタイザー処
理を行う。(図2(B)) 水洗(図2(C))後、無電解めっき浴中の銅及びニッ
ケル金属イオンの化学反応(還元作用)を促進する目的
で、触媒を付加するためのアクチベーター処理を行う。
(図2(D)) 水洗後、化学めっき処理を行い樹脂の表面に銅めっき又
はニッケルめっきを行う。図2(E)では、銅めっきを
施した場合を示している。かかる方法により合成樹脂成
形体に化学めっきを施した後、更に銅、ニッケル、クロ
ムなどの電気めっき処理を施して、めっきを施した装飾
性のある合成樹脂製部材を得ることができる。なお、下
記する試験体においては、化学めっきで銅めっきし、そ
の銅めっきの上にニッケルめっきをし、更にクロムめっ
きを行った。なお、ニッケルめっきをして、クロムめっ
きを行ってもよい。
【0045】以下に実施例によりさらに詳しく説明す
る。しかし本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。 (実施例1)実施例1として、本発明におけるポリオレ
フィン系合成樹脂をポリプロピレンとし、通常のポリプ
ロピレンとの接着強度を比較した。
【0046】上述の方法により接着とめっきがともに可
能なポリプロピレンのペレットを製造し、射出成形によ
って厚さ3mmのシートを成形し、これを試験片とし
た。
【0047】上記試験片をあらかじめ常法により清浄
し、接着面の一方にα−シアノアクリレート系接着剤を
1滴滴下し、1.25mmオーバーラップで接着、24
時間養生後、引張剪断接着強さ測定した。
【0048】前記の方法で作製したテストピースをJI
S K−6861−6「引張剪断接着強さ測定方法」に
準ずる方法により測定した。その結果を図3に示した。
通常のPPの接着を比較例として行った。また、α−シ
アノアクリレート系接着剤としては2種類のものを用い
た。
【0049】上記の引張剪断接着強さ測定結果より、本
発明のポリオレフィン系合成樹脂がα−シアノアクリレ
ート系接着剤により非常に強固に接着できることが確認
された。
【0050】(実施例2)実施例2においては、本発明
におけるポリオレフィン系合成樹脂をポリプロピレンと
し、図4に示すようなシャワーヘッドと、シャワーヘッ
ドとシャワーホースの継ぎ手に接着とめっきを行った例
である。
【0051】上述の方法により接着とめっきがともに可
能なポリプロピレンのペレットを製造し、射出成形によ
って図に示すようなシャワーヘッドと継ぎ手を成形し
た。
【0052】次にこの二つの部材をα−シアノアクリレ
ート系接着剤で接着し、さらに、上述の手法によりめっ
きを施した。このようにして作られたシャワーヘッドユ
ニットで湿式熱冷繰り返し試験を行った。
【0053】熱応力によるめっき剥離を調べるため、加
速試験である湿式熱冷繰り返し試験を採用した。この湿
式熱冷繰り返し試験において、低温水槽;10±2℃、
高温水槽;70±2℃、に設定し、低温水槽(5分)→
高温水槽(5分)を1サイクルとし、100サイクル毎
にめっきの剥離の有無を調べた。その結果を図5に示し
た。従来のABSで成形されたシャワーヘッドユニット
を比較例とした。
【0054】上記の湿式熱冷繰り返し試験結果より、本
発明のポリオレフィン系合成樹脂はα−シアノアクリレ
ート系接着剤により接着でき、かつ非常に密着性のよい
めっきを施すことができることが確認された。
【0055】(実施例3)実施例3おいては、本発明に
おけるポリオレフィン系合成樹脂をポリプロピレンと
し、図6に示すようなレバーハンドルと、レバーハンド
ルと水栓カートリッジ先端部を接続するブッシュに接着
とめっきを行った例である。
【0056】上述の方法により接着とめっきがともに可
能なポリプロピレンのペレットを製造し、射出成形によ
って図に示すようなレバーハンドルとブッシュを成形し
た。
【0057】次にこの二つの部材をα−シアノアクリレ
ート系接着剤で接着し、さらに、上述の手法によりめっ
きを施した。このようにして作られたレバーハンドルで
湿式熱冷繰り返し試験を行った。
【0058】熱応力によるめっき剥離を調べるため、加
速試験である湿式熱冷繰り返し試験を採用した。この湿
式熱冷繰り返し試験において、低温水槽;10±2℃、
高温水槽;70±2℃、に設定し、低温水槽(5分)→
高温水槽(5分)を1サイクルとし、100サイクル毎
にめっきの剥離の有無を調べた。その結果を図7に示し
た。従来のABSで成形されたレバーハンドルを比較例
とした。
【0059】上記の湿式熱冷繰り返し試験結果より、本
発明のポリオレフィン系合成樹脂はα−シアノアクリレ
ート系接着剤により接着でき、かつ非常に密着性のよい
めっきを施すことができることが確認された。さらに、
材料を非晶性樹脂であるABSから結晶性樹脂であるポ
リプロピレンに変更していることより、耐薬品性が向上
している。
【0060】以上の実験結果により、アミノシラン系カ
ップリング剤を結合させた酸可溶性無機物質をポリオレ
フィン系合成樹脂に混入することで、従来めっき工程や
接着工程を行うために必要であった、極性付与工程や表
面処理工程、表面改質工程を行うことなく、非常に密着
性のよいめっきと非常に強固な接着強度を有する接着の
両方がポリオレフィン系合成樹脂部材に行えるようにな
った。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によって、アミノシ
ラン系カップリング剤を結合させた酸可溶性無機物質を
ポリオレフィン系合成樹脂に混入することで、従来めっ
き工程や接着工程を行うために必要であった、極性付与
工程や表面処理工程、表面改質工程を行うことなく、非
常に密着性のよいめっきと非常に強固な接着強度を有す
る接着の両方がポリオレフィン系合成樹脂部材に行える
ようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリオレフィン系合成樹脂部材とめっ
き、接着との関係を表す図
【図2】本発明のポリオレフィン系合成樹脂部材にめっ
きを施す概略行程図
【図3】本発明のポリオレフィン系合成樹脂の接着後の
引張剪断接着強さ測定の試験結果
【図4】本発明のポリオレフィン系合成樹脂部材をシャ
ワーヘッド、接着される合成樹脂部材がシャワーヘッド
とシャワーホースの継ぎ手である合成樹脂製部材の概略
【図5】実施例2において作製したシャワーヘッドユニ
ットの湿式熱冷サイクル試験の試験結果
【図6】本発明のポリオレフィン系合成樹脂部材をレバ
ーハンドル、接着される合成樹脂部材がレバーハンドル
と水栓カートリッジ先端部を接続するブッシュである合
成樹脂製部材の概略図
【図7】実施例3において作製したレバーハンドルの湿
式熱冷サイクル試験の試験結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 5/00 C09J 5/00 4K022 C23C 18/16 C23C 18/16 A 4K024 18/22 18/22 C25D 5/56 C25D 5/56 A B // C09J 4/04 C09J 4/04 B29K 23:00 B29K 23:00 (72)発明者 小林 章 福岡県北九州市小倉北区中島二丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA55 AB73 BA15 CA00 DA00 EA03 4F071 AA14 AA20 AB18 AB21 AC16 AH03 CB02 CC06 4F211 AA03 AD33 AH51 TA03 TC01 TH02 TH17 TH21 TN50 4J002 BB111 BB121 BB141 DE076 DE236 FB146 FB206 GC00 GL00 4J040 FA121 LA06 MA11 NA05 PA04 PA07 PA14 4K022 AA19 AA26 BA07 BA08 BA14 CA02 CA05 CA06 CA07 DA01 DA09 4K024 AA02 AA03 AA09 AB03 AB17 BA14 BB17 DA07 DA10 GA01 GA16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の合成樹脂部材から構成される合成樹
    脂製部材において、少なくとも一つの部材が、極性を有
    する添加剤を加えたポリオレフィン系合成樹脂で作製さ
    れた合成樹脂部材であり、(1)ポリオレフィン系合成
    樹脂部材にめっきを施すめっき行程と、(2)ポリオレ
    フィン系合成樹脂部材と複数の合成樹脂部材を接着する
    接着行程が、(1)、(2)の順、もしくは(2)、
    (1)の順で工程が進められることにより作製されるこ
    とを特徴とする合成樹脂製部材。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン系合成樹脂に、極性を有す
    る添加剤として表面にアミノシラン系カップリング剤を
    結合させた酸可溶性無機物質を添加したことを特徴とす
    る請求項1記載の合成樹脂製部材。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン系合成樹脂に、極性を有す
    る添加剤として表面にアミノシラン系カップリング剤を
    結合させた酸可溶性無機物質を15〜60重量%添加し
    たことを特徴とする請求項2記載の合成樹脂製部材。
  4. 【請求項4】接着工程でα−シアノアクリレート系接着
    剤が用いられることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の合成樹脂製部材。
  5. 【請求項5】前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレ
    ン系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4記載の
    合成樹脂製部材。
  6. 【請求項6】前記のポリオレフィン系合成樹脂で作製さ
    れた合成樹脂部材がシャワーヘッドで、接着される合成
    樹脂部材がシャワーヘッドとシャワーホースの継ぎ手で
    あることを特徴とする請求項1乃至5記載の合成樹脂製
    部材。
  7. 【請求項7】前記のポリオレフィン系合成樹脂で作製さ
    れた合成樹脂部材がレバーハンドルで、接着される合成
    樹脂部材がレバーハンドルと水栓カートリッジ先端部を
    接続するブッシュであることを特徴とする請求項1乃至
    5記載の合成樹脂製部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007077335A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 金属メッキ用樹脂組成物、導電性部材及び導電性部材の製造方法

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