JP2003268058A - 官能基を有するイソブチレン系ブロック共重合体及びその製造法 - Google Patents

官能基を有するイソブチレン系ブロック共重合体及びその製造法

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JP2003268058A
JP2003268058A JP2002071667A JP2002071667A JP2003268058A JP 2003268058 A JP2003268058 A JP 2003268058A JP 2002071667 A JP2002071667 A JP 2002071667A JP 2002071667 A JP2002071667 A JP 2002071667A JP 2003268058 A JP2003268058 A JP 2003268058A
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isobutylene
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styrene
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Makoto Tawada
誠 多和田
Takashi Yao
剛史 八尾
Ryuji Fukuda
竜司 福田
Taizo Aoyama
泰三 青山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合成反応が容易であり、主モノマーの重合反応
に影響を与えない変性イソブチレン系ブロック共重合
体、及びその製造法を提供する。 【解決手段】イソブチレンを主成分とするブロック(A
1)とイソブチレンを主成分としないブロック(A2)
を含有するイソブチレン系ブロック共重合体であって、
共重合体分子の末端に下記一般式(1)で表される構成
単位が少なくとも一つ有することを特徴とするイソブチ
レン系ブロック共重合体。 【化1】 [式中、複数のR、Rは、同一または異なって、水
素原子または置換もしくは非置換の有機基である。nは
正の整数であり、好ましくはn=1〜100である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋性を改善した
イソブチレン系ブロック共重合体及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】イソブチレン系ブロック共重合体は、非
架橋でありながら架橋ゴムと同等の強度や弾性を有し、
耐衝撃性および柔軟性に優れ、さらに熱可塑性樹脂と同
等の成形性を示すことから、熱可塑性樹脂の耐衝撃性な
どの物性を向上させる材料として、また、樹脂と動的架
橋することにより新たな物性を有する新規材料としての
利用が検討されている。しかしながら、熱可塑性樹脂の
種類によっては、樹脂とイソブチレン系ブロックの相溶
性が十分でなく、十分な物性向上を発現しない等の問題
があった。
【0003】このような問題点を回避する方法として、
イソブチレン系ブロック共重合体に官能基を導入し架橋
することにより、得られる樹脂組成物の物性を改善する
方法が知られている。例えば、特開平11−34964
0では、β−ピネンに由来するイソブチレン系ブロック
共重合体及びその製造法が開示されている。この方法で
は、イソブチレン及び芳香族ビニル化合物のカチオン重
合反応の途中で、変性反応やその後の架橋反応に用いら
れる二重結合を有するβ−ピネンモノマーを添加するこ
とにより、二重結合を有するイソブチレン系ブロック共
重合体を得ることが出来る。しかし、本来、主モノマー
であるイソブチレンモノマー及び芳香族ビニル化合物
と、コモノマーであるβ−ピネンとはカチオン重合の反
応性が異なることが知られている。そのため、重合反応
の途中に添加したβ−ピネンにより、主反応であるイソ
ブチレンもしくは芳香族ビニル化合物の重合挙動が変わ
り、重合反応の制御が困難になるという問題点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の従来技術の課題に鑑み、合成反応が容易であり、主モ
ノマーの重合反応に影響を与えない変性イソブチレン系
ブロック共重合体、及びその製造法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、イソブチレン系ブロック共重合体を製造
する際に、特定の構成単位を有するイソブチレン系ブロ
ック共重合体及びその製造法が上記問題を解決し得るこ
とを見いだし、本発明を完成した。これにより上記目的
が達成される。
【0006】すなわち、本発明は、イソブチレンを主成
分とするブロック(A1)とイソブチレンを主体としな
いブロック(A2)を含有するイソブチレン系ブロック
共重合体であり、共重合体分子の末端に下記一般式
(1)で表される構成単位を少なくとも一つ以上有する
ことを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関
するものである。
【0007】
【化3】
【0008】[式中、複数のR、Rは、同一または
異なって、水素原子または置換もしくは非置換の有機基
である。nは正の整数であり、好ましくはn=1〜10
0である。]さらに、本発明の製造法は、イソブチレン
を主成分とする重合体ブロック(A1)とイソブチレン
を主成分としない重合体ブロック(A2)からなるイソ
ブチレン系ブロック共重合体の製法であって、イソブチ
レンを主成分とする単量体成分(a1)及びイソブチレ
ンを主成分としない単量体成分(a2)の反応が実質的
に終了した後に、下記一般式(2)で表される化合物を
添加することを特徴とするイソブチレン系ブロック共重
合体の製造法に関するものである。一方、本発明の熱可
塑性エラストマー組成物は、上記したイソブチレン系ブ
ロック共重合体とオレフィン系樹脂を含有する熱可塑性
エラストマー組成物である。
【0009】
【化4】
【0010】[式中、複数のR、Rは、同一または
異なって、水素原子または置換もしくは非置換の有機基
である。]
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、イソブチレンを主成分とするブロック
(A1)とイソブチレンを主成分としないブロック(A
2)を含有するイソブチレン系ブロック共重合体であ
り、共重合体分子の末端に下記一般式(1)で表される
構成単位が少なくとも一つ以上有することを特徴とする
イソブチレン系ブロック共重合体(A)に関するもので
ある。
【0012】
【化5】
【0013】[式中、複数のRは、同一または異なっ
て、水素原子または置換もしくは非置換の有機基であ
る。有機基としては、1〜20個、好ましくは、1〜1
0個、さらに好ましくは1〜4個の炭素原子を有する直
鎖状または分岐状アルキル基が挙げられる。本発明の利
点を損なわない限り、炭化水素基の水素原子の少なくと
も一部は、任意の置換基で置換され得る。有機基のなか
でも、架橋反応時の反応性及び製造時の化合物の入手の
容易さから、R1が水素原子、Rがメチル基である構
成単位が好ましい。nは正の整数である。] イソブチレン系ブロック共重合体(A)分子内の下記一
般式(1)で表される構成単位の割合については特に限
定はしないが、官能基の割合が少なすぎると、架橋物の
生成速度が低下し、強度や圧縮永久歪みなどの物性が十
分に改善されない恐れがある。また、官能基の割合が多
すぎると、必要以上に架橋反応が進行しすぎるため、共
重合体の架橋物や他樹脂と混合した配合物の硬度が必要
以上に高くなる。そのため、イソブチレン系ブロック共
重合体分子中にn=1〜100の下記一般式(1)で表
される構成単位を有するのが好ましく、2〜20がさら
に好ましい。
【0014】イソブチレン系ブロック共重合体中の、一
般式(1)で表される構成単位の導入位置は共重合体分
子の末端とする。例えばイソブチレン系ブロック共重合
体がブロック(A2)−ブロック(A1)−ブロック
(A2)からなるトリブロック体である場合は、ブロッ
ク(A2)よりも末端、すなわち、一般式(1)−ブロ
ック(A2)−ブロック(A1)−ブロック(A2)−
一般式(1)やブロック(A2)−ブロック(A1)−
ブロック(A2)−一般式(1)という構造が挙げられ
る。また、イソブチレン系ブロック共重合体がブロック
(A2)−ブロック(A1)からなるジブロック共重合
体である場合は、一般式(1)−ブロック(A2)−ブ
ロック(A1)またはブロック(A2)−ブロック(A
1)−一般式(1)が挙げられる。この中で、重合の制
御や得られるポリマーの性質から、好ましくは、一般式
(1)−ブロック(A2)−ブロック(A1−ブロック
(A2)−一般式(1)、もしくは、一般式(1)−ブ
ロック(A2)−ブロック(A1)という構造を有する
ブロック共重合体が好ましい。
【0015】本発明のイソブチレンを主成分とするブロ
ック(A1)とは、イソブチレンが50重量%以上、好
ましくは70重量%以上、より好ましくは、90重量%
以上を占めるブロックのことをいう。イソブチレンを主
体とする重合体ブロック中のイソブチレン以外の単量体
は、カチオン重合可能な単量体であれば特に制限はない
が、例えば脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエー
テル類、シラン類、ビニルカルバゾール、アセナフチレ
ン等の単量体が挙げられる。
【0016】脂肪族オレフィン系単量体としては、イソ
ブチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−
ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセ
ン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニ
ルシクロヘキセン、オクテン、ノルボルネン等が挙げら
れる。
【0017】ジエン系単量体としては、ブタジエン、イ
ソプレン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、
ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデン
ノルボルネン等が挙げられる。
【0018】ビニルエーテル系単量体としては、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イ
ソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、te
rt−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニ
ルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられ
る。
【0019】シラン化合物としては、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニル
トリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニル
ジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−
ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0020】これらの中でも好ましくは、脂肪族オレフ
ィン類からなるブロックであり、特に好ましくはイソブ
チレンからなるブロック共重合体である。
【0021】本発明のイソブチレンを主成分としないブ
ロック(A2)を構成する単量体としては、カチオン重
合可能なビニル化合物であれば特に限定されないが、例
えば、芳香族ビニル化合物、ジエン類、ビニルエーテル
類等の単量体が挙げられる。芳香族ビニル系化合物とし
ては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、
α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、2,6−ジメ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル
−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレ
ン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o
−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、
α−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメ
チルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレ
ン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチ
ル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−
ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレ
ン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチ
レン、α−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−
m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレ
ン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m
−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、
2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6
−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロス
チレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−
クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp
−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシス
チレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o
−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置
換されたスチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、イ
ンデン誘導体等が挙げられる。これらのなかでも好まし
いのは、スチレン系単量体からなるブロックであり、特
に好ましくはスチレンからなるブロックである。
【0022】本発明の共重合体の分子量については特に
制限はないが、該分子量が3000未満の場合は、共重
合体から得られる架橋物や他樹脂との混合物の力学物性
が不充分なものとなる。また、該分子量が500000
を超える場合は、共重合体の溶融粘度が極めて高いもの
となり、架橋性や成形性が不充分となる。本発明の共重
合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラムに
おける最大ピークを示す分子量(ピークトップ分子量)
が3000〜500000であることが望ましい。
【0023】本発明のイソブチレン系ブロック体は、イ
ソブチレンを主成分とする重合体ブロック及びイソブチ
レンを主成分としないブロックを有しているものであれ
ば特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状等の構造を
有するブロック共重合体、ジブロック共重合体、トリブ
ロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも
選択可能である。
【0024】本発明のイソブチレン系ブロック共重合体
のブロックのつながり方に特に制限はないが、ブロック
(A2)とブロック(A1)からなるジブロック共重合
体、ブロック(A2)−ブロック(A1)−ブロック
(A2)もしくはブロック(A1)−ブロック(A2)
−ブロック(A1)からなるトリブロック体、さらにブ
ロック(A1)とブロック(A2)が交互に結合してい
るマルチブロック体等、及び、これらの混合物が挙げら
れる。これらの中で、架橋体の物性の観点から、ブロッ
ク(A2)−ブロック(A1)−ブロック(A2)から
なるトリブロック体、及び、ブロック(A2)−ブロッ
ク(A1)からなるジブロック共重合体がより好まし
い。
【0025】本発明により得られた一般式(1)の構成
繰り返し単位を有するイソブチレン系ブロック共重合体
は、従来のイソブチレン系ブロック共重合体と同様の各
種用途に使用され得る。例えば、熱可塑性エラストマー
材料、樹脂やゴム等の改質剤、複合材料として用いるこ
とができる。
【0026】本発明の第二は、一般式(1)で表される
構成単位を有するイソブチレン系ブロック共重合体の製
法に関する。本発明は、イソブチレンを主成分とする重
合体ブロック(A1)とイソブチレンを主成分としない
重合体ブロック(A2)からなるイソブチレン系ブロッ
ク共重合体の製法であって、イソブチレンを主成分とす
る単量体成分(a1)及びイソブチレンを主成分としな
い単量体成分(a2)の反応が実質的に終了した後に、
下記一般式(2)で表される化合物を添加することを特
徴としている。
【0027】
【化6】
【0028】[式中、複数のR、Rは、同一または
異なって、水素原子または置換もしくは非置換の有機基
である。有機基としては、1〜20個、好ましくは、1
〜10個、さらに好ましくは1〜4個の炭素原子を有す
る直鎖状または分岐状アルキル基が挙げられる。本発明
の利点を損なわない限り、炭化水素基の水素原子の少な
くとも一部は、任意の置換基で置換され得る。有機基の
なかでも、架橋反応時の反応性及び製造時の化合物の入
手の容易さから、Rが水素原子、Rがメチル基であ
る構成単位が好ましい。]この場合、一般式(2)とし
ての化合物はβ−ピネンであるが、β−ピネンには2種
類の光学異性体が存在する。すなわち、下記一般式
(3)及び(4)で表される構造の化合物である。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】これらの光学異性体は、本発明で使用する
限りにおいては発現する効果に違いはなく、同様の効果
を示した。従って、本発明で使用するβ−ピネンとして
は、一般式(3)もしくは一般式(4)、もしくはこれ
らの混合物が例示できる。
【0032】一般式(2)で表される化合物の添加量に
ついては特に制限はないが、添加量が少なすぎると、架
橋体の物性の改善効果が十分に発揮されず、架橋物の強
度が低下する。また、添加量が多すぎると、反応途中で
のゲル化などの副反応を誘発したり、架橋物の硬度など
が高くなるため、好ましくない。重合の開始剤に対し
て、好ましくは1倍モル〜1000倍モル、更に好まし
くは、2倍モル〜100倍モルの添加量が良い。
【0033】一般式(2)で表される化合物は、イソブ
チレンを主成分とする単量体成分(a1)および、イソ
ブチレンを主成分としない単量体成分(a2)の重合が
実質的に終了した段階で添加して反応させる。すなわ
ち、イソブチレンを主成分とする単量体成分(a1)及
びイソブチレンを主成分としない単量体成分(a2)の
重合が実質的に終了した段階での分子末端にカチオンを
有するブロック共重合体に、一般式(2)で表される化
合物を所定量添加し、反応させる。
【0034】重合反応及び一般式(2)で表される化合
物の添加時の温度は、炭素カチオンが生成する温度であ
れば特に制限は無いが、冷凍機等の設備上の問題から−
80℃以上が好ましく、また重合末端のカチオンが安定
に存在する必要から25℃以下が好ましい。反応が進行
する実質的な温度として、例えば、−80℃~0℃、好
ましくは−70℃から−20℃が望ましい。
【0035】本発明の組成物で用いるオレフィン系樹脂
とはエチレン、炭素数3〜20のオレフィンの含有量が
50〜100モル%であるオレフィン単独重合体または
共重合体であり、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、
好ましくはポリプロピレンが例示される。イソブチレン
系ブロック共重合体とオレフィン系樹脂からなる熱可塑
性エラストマー組成物は溶融混練時に動的に架橋したも
のが好ましい。
【0036】イソブチレン系ブロック共重合体とオレフ
ィン系樹脂に加えて、成形性や柔軟性を更に向上させる
ため、さらに可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤と
しては、ゴムの加工の際に用いられる鉱物油、または液
状もしくは低分子量の合成軟化剤を用いることができ
る。
【0037】本発明の組成物には、さらには、各用途に
合わせた要求特性に応じて、物性を損なわない範囲で補
強剤、充填剤、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体(SIS)、またそれらを水
素添加したスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロ
ック共重合体(SEBS)やスチレン−エチレンプロピ
レン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などのエ
ラストマー、そのほかにも、ヒンダードフェノール系や
ヒンダードアミン系の酸化防止剤や紫外線吸収剤、光安
定剤、顔料、界面活性剤、難燃剤、充填剤、補強剤等を
適宜配合することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳し
く説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更
実施可能なものである。尚、実施例で使用したβ−ピネ
ンは一般式(3)及び(4)の等量混合物を用いた。
【0039】(実施例1)[分子末端にβ−ピネン由来
の構成単位を有するスチレン−イソブチレン−スチレン
ブロック共重合体] 2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した
後、注射器を用いて、ヘキサン(モレキュラーシーブス
で乾燥したもの)410mL及びノルマルブチルクロリ
ド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)590m
L、p− ジクミルクロライド0.50g(2.2mm
ol)を加えた。重合容器を−70℃のドライアイス/
メタノールバス中につけて冷却した後、ジメチルアセト
アミド0.38g(4.3mmol)を加えた。次にイ
ソブチレンモノマー98.4g(1754mmol)が
入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフ
ロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器
内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。さ
らに四塩化チタン11.5g(60.5mmol)を加
えて重合を開始した。重合開始から3時間後、スチレン
モノマー42.2g(405mmol)を重合容器内に
添加した。添加率の測定のため、一部をサンプリング
し、ガスクロマトグラフィーを用いてスチレンの添加率
を測定したところ、94%であった。該モノマーを添加
してから2時間後にβ−ピネン1.47g(10.8m
mol)を添加し、そのままの温度で1時間反応した
後、約100mLの水を加えて反応を終了させた。反応
溶液を多量の水で2回以上水洗を行った。さらに大量の
メタノール・アセトン混合溶媒(1:1vt/vt)に
ゆっくりと滴下して重合体を沈殿させ、得られた重合体
を80℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロ
ック共重合体を得た。
【0040】得られた重合体のGPC分析から、β−ピ
ネンを添加した1時間後のブロック共重合体のピークト
ップ分子量が70,100、分子量分布Mw/Mnが
3.57であった。
【0041】(実施例2)[分子末端にβ−ピネン由来
の構成単位を有するスチレン−イソブチレン−スチレン
ブロック共重合体] 2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した
後、注射器を用いて、ヘキサン(モレキュラーシーブス
で乾燥したもの)507mL及びノルマルブチルクロリ
ド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)730m
L、p− ジクミルクロライド0.60g(2.6mm
ol)を加えた。重合容器を−70℃のドライアイス/
メタノールバス中につけて冷却した後、ジメチルアセト
アミド0.45g(5.2mmol)を加えた。次にイ
ソブチレンモノマー118.1g(2105mmol)
が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテ
フロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容
器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。
さらに四塩化チタン13.8g(72.7mmol)を
加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間後、ス
チレンモノマー50.6g(486mmol)重合容器
内に添加した。そのままの温度で1時間反応した後、添
加率の測定のため、一部をサンプリングし、ガスクロマ
トグラフィーを用いてスチレンの添加率を測定したとこ
ろ、92%であった。更に、β−ピネン7.07g(5
1.9mmol)を添加し、更に1時間反応させた。約
100mLの水を加えて反応を終了させた。反応溶液を
多量の水で2回以上水洗を行った。さらに大量のメタノ
ール・アセトン混合溶媒(1:1vt/vt)にゆっく
りと滴下して重合体を沈殿させ、得られた重合体を80
℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共
重合体を得た。
【0042】得られた重合体のGPC分析から、スチレ
ン及びβ−ピネンを添加した1時間後のブロック共重合
体のピークトップ分子量が70,200、分子量分布M
w/Mnが1.77であった。
【0043】(実施例3)[分子末端にβ−ピネン由来
の構成単位を有するスチレン−イソブチレン−スチレン
ブロック共重合体] 2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した
後、注射器を用いて、ヘキサン(モレキュラーシーブス
で乾燥したもの)423mL及びノルマルブチルクロリ
ド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)608m
L、p− ジクミルクロライド0.50g(2.2mm
ol)を加えた。重合容器を−70℃のドライアイス/
メタノールバス中につけて冷却した後、ジメチルアセト
アミド0.38g(4.3mmol)を加えた。次にイ
ソブチレンモノマー98.4g(1754mmol)が
入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフ
ロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器
内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。さ
らに四塩化チタン11.5g(60.5mmol)を加
えて重合を開始した。重合開始から1.5時間後、スチ
レンモノマー42.2g(405mmol)を重合容器
内に添加した。そのままの温度で1時間反応した後、添
加率の測定のため、一部をサンプリングし、ガスクロマ
トグラフィーを用いてスチレンの添加率を測定したとこ
ろ、92%であった。更に、β−ピネン29.5g(2
17mmol)を添加し、更に1時間反応させた。約1
00mLの水を加えて反応を終了させた。反応溶液を多
量の水で2回以上水洗を行った。さらに大量のメタノー
ル・アセトン混合溶媒(1:1vt/vt)にゆっくり
と滴下して重合体を沈殿させ、得られた重合体を80℃
で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重
合体を得た。
【0044】得られた重合体のGPC分析から、スチレ
ン及びβ−ピネンを添加した1時間後のブロック共重合
体のピークトップ分子量が68,400、分子量分布M
w/Mnが1.47であった。
【0045】(比較例1)[スチレンブロック中にβ−
ピネン由来の構成単位を有するスチレン−イソブチレン
−スチレンブロック共重合体] 2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した
後、注射器を用いて、ヘキサン(モレキュラーシーブス
で乾燥したもの)423mL及びノルマルブチルクロリ
ド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)608m
L、p− ジクミルクロライド0.50g(2.2mm
ol)を加えた。重合容器を−70℃のドライアイス/
メタノールバス中につけて冷却した後、ジメチルアセト
アミド0.38g(4.3mmol)を加えた。次にイ
ソブチレンモノマー98.4g(1754mmol)が
入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフ
ロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器
内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。さ
らに四塩化チタン11.7g(61.8mmol)を加
えて重合を開始した。重合開始から1.5時間後、スチ
レンモノマー42.2g(405mmol)及びβ−ピ
ネン29.5g(217mmol)を重合容器内に添加
した。添加率の測定のため、一部をサンプリングし、ガ
スクロマトグラフィーを用いてスチレンの添加率を測定
したところ、83%であった。そのままの温度で1時間
反応した後、添加率の測定のため、一部をサンプリング
し、ガスクロマトフィーを用いてスチレンの添加率を測
定したところ、66%であった。約100mLの水を加
えて反応を終了させた。反応溶液を多量の水で2回以上
水洗を行った。さらに大量のメタノール・アセトン混合
溶媒(1:1vt/vt)にゆっくりと滴下して重合体
を沈殿させ、得られた重合体を80℃で24時間真空乾
燥することにより目的のブロック共重合体を得た。
【0046】得られた重合体のGPC分析から、アリル
トリメチルシランを添加した4時間後のブロック共重合
体のピークトップ分子量が65,400、分子量分布M
w/Mnが2.86であった。
【0047】(比較例2)[イソブチレンブロック中に
β−ピネン由来の構成単位を有するスチレン−イソブチ
レン−スチレンブロック共重合体] 2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した
後、注射器を用いて、メチルシクロヘキサン(モレキュ
ラーシーブスで乾燥したもの)490mL及びノルマル
ブチルクロリド(モレキュラーシーブスで乾燥したも
の)704mL、p− ジクミルクロライド0.50g
(2.2mmol)を加えた。重合容器を−70℃のド
ライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、ジ
メチルアセトアミド0.38g(4.3mmol)を加
えた。次にイソブチレンモノマー98.4g(1754
mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化
採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続
し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により
送液した。さらに四塩化チタン16.1g(85.0m
mol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5
時間後、スチレンモノマー42.2g(405mmo
l)及びβ−ピネン29.5g(216mmol)を添
加して、そのままの温度で1時間反応した後、約100
mLの水を加えて反応を終了させた。添加率の測定のた
め、一部をサンプリングし、ガスクロマトグラフィーを
用いてスチレンの添加率を測定したところ、66%であ
った。反応溶液を多量の水で2回以上水洗を行った。さ
らに大量のメタノール・アセトン混合溶媒(1:1vt
/vt)にゆっくりと滴下して重合体を沈殿させ、得ら
れた重合体を80℃で24時間真空乾燥することにより
ブロック共重合体を得た。
【0048】得られた重合体のGPC分析から、スチレ
ン及びβ−ピネンを添加した1時間後のブロック共重合
体のピークトップ分子量が67,000、分子量分布M
w/Mnが3.24であった。
【0049】上記各実施例及び比較例で合成したブロッ
ク共重合体について、スチレンの添加率を見ると、比較
例で挙げたブロック共重合体のスチレンモノマーの添加
率は90%未満であり低い水準にとどまっている。それ
に対し、実施例で挙げたブロック共重合体の添加率は全
て90%以上であり、比較例より高い。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、二重結合を含む構成単
位を有するイソブチレン系ブロック共重合体を、単量体
成分(a1)及び(a2)の反応が実質的に終了した後
に特定のカチオン重合性モノマーを添加することによ
り、簡便な操作で合成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB00X BB02X BB03X BB12X BB15X BP00W BP03X FD02 4J026 HA02 HA25 HA32 HB05 HB06 HB08 HB32 HB45 HC19 HC32 HE04 4J100 AA04P AB02Q AB03Q AB07Q AU22R BA05Q BB01Q BC08R CA04 CA27 CA31 GC02 HA62 HC01 HG01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソブチレンを主成分とするブロック(A
    1)とイソブチレンを主成分としないブロック(A2)
    を含有するイソブチレン系ブロック共重合体であって、
    共重合体分子の末端に下記一般式(1)で表される構成
    単位が少なくとも一つ有することを特徴とするイソブチ
    レン系ブロック共重合体。 【化1】 [式中、複数のR、Rは、同一または異なって、水
    素原子または置換もしくは非置換の有機基である。nは
    正の整数であり、好ましくはn=1〜100である。]
  2. 【請求項2】イソブチレンを主成分としない重合体ブロ
    ック(A2)が芳香族ビニル化合物からなるブロックで
    ある、請求項1記載のイソブチレン系ブロック共重合体
  3. 【請求項3】芳香族ビニル化合物がスチレンである請求
    項2記載のイソブチレン系ブロック共重合体
  4. 【請求項4】イソブチレンを主成分とする重合体ブロッ
    ク(A1)とイソブチレンを主成分としない重合体ブロ
    ック(A2)からなるイソブチレン系ブロック共重合体
    の製造法であって、イソブチレンを主成分とする単量体
    成分(a1)及びイソブチレンを主成分としない単量体
    成分(a2)の反応が実質的に終了した後に、下記一般
    式(2)で表される化合物を添加することを特徴とする
    イソブチレン系ブロック共重合体の製造法。 【化2】 [式中、複数のR、Rは、同一または異なって、水
    素原子または置換もしくは非置換の有機基である。]
  5. 【請求項5】一般式(2)で表される化合物がβ−ピネ
    ンである請求項4記載のイソブチレン系ブロック共重合
    体の製造法。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載のイソブチレン系ブロ
    ック共重合体とオレフィン系樹脂を含有する熱可塑性エ
    ラストマー組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010195864A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Kaneka Corp イソブチレン系ブロック共重合体
JP2010195969A (ja) * 2009-02-26 2010-09-09 Kaneka Corp イソブチレン系ブロック共重合体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010195864A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Kaneka Corp イソブチレン系ブロック共重合体
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