JP2003266481A - 樹脂製中空体の製造方法 - Google Patents
樹脂製中空体の製造方法Info
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Abstract
空体を、後加工なしに効率良く製造することができる樹
脂製中空体の製造方法を提供する。 【解決手段】 中子と金型10の内面との間のキャビテ
ィ15に対し、金型のゲートから外殻体構成用の樹脂材
料を射出する。次に、金型10を脱型し、次いでスライ
ドコア13を引き抜く。これにより、外殻体1内には可
溶性材料(水溶性樹脂材料)よりなる可溶性コア14の
みが残置されるので、この可溶性コア14付きの外殻体
1を温水に浸漬し、可溶性コア14を溶解除去する。
Description
方法に係り、特にロストコア法を利用した樹脂製中空体
の製造方法に関する。
中子を配置し、樹脂材料を射出した後、脱型し、次いで
成形体から中子を除去する方法は周知である。この中子
の中空部の形状が複雑であり、中子を抜き出すことがで
きない場合、中子を可溶性材料にて構成し、中子を溶解
除去するロストコア法が採用されている。
は、中子全体を可溶性材料で構成しているため、可溶性
材料の溶解除去に時間がかかり、生産効率が悪い。ま
た、可溶性材料にて形成された中空体内面は面精度が悪
いので、成形後に後加工が必要となることがある。
樹脂製中空体を効率良く製造することが可能であり、ま
た中空体内面のうち所要部分を面精度の高いものとする
ことができる樹脂製中空体の製造方法を提供することを
目的とする。
製造方法は、成形型内に中子を配置し、樹脂材料を射出
した後、中子を除去する樹脂製中空体の製造方法におい
て、該中子を金属製スライドコアと、該スライドコアに
保持された可溶性材料よりなる可溶性コアとで構成し、
射出後、成形体を成形型から脱型し、該スライドコアを
該成形体から抜き出した後、該可溶性コアを該成形体か
ら溶解除去することを特徴とするものである。
スライドコアと可溶性材料とで構成しており、脱型後に
このスライドコアを抜き出し、その後可溶性材料を溶解
除去するため、溶解させるべき可溶性材料量が少なく、
可溶性材料の溶解時間が短い。
から可溶性材料を溶解除去するので、溶解物がスライド
コアの抜けた跡(空所)を通って成形体外に流出する。
このため、可溶性材料の溶解も速やかに行われ、溶解時
間が著しく短くなる。
よって成形された中空体内面は面精度がきわめて高いも
のとなり、この部分については後加工により面精度を高
めることが不要である。
比較的高い面については該スライドコアで成形し、面精
度が比較的低い面であって且つスライドコアのスライド
方向と交叉方向に凹陥する面については該可溶性コアで
成形することが好ましい。
アに固定用部材によって固定しておき、脱型後、成形体
から該スライドコアを抜き出し、次いで可溶性コアを溶
解除去した後、この固定用部材を成形体から取り出すよ
うにしてもよい。このようにすれば、樹脂材料の射出時
に樹脂材料に押された可溶性コアが動くことがなく、製
品歩留りが向上する。
ル部材が接触する面を有した部品の成形に好適である。
後、この成形型よりも大きな成形型内に配置し、成形体
の外周に被覆層形成用の樹脂材料を射出してもよい。こ
のようにすれば、例えば本体部分は高強度のエンジニア
リングプラスチックで構成し、それを美麗な被覆用樹脂
材料で被覆した中空体を製造できる。
について説明する。図1(a)は実施の形態に係る樹脂
製中空体の製造方法により製造された樹脂製中空体とし
ての水栓金具の外殻体の断面図、図1(b)はこの水栓
金具の外殻体の製造方法を示す断面図、図1(c)は図
1(b)のC部分の拡大図、図2(a),(b),
(c)はこの水栓金具の外殻体の製造工程を説明する断
面図である。
水栓である。この外殻体1は略々円筒形状であり、その
内部にサーモスタット式混合弁ユニット(図示略)が収
容される。このユニットの外周面には複数本のOリング
が装着されている。この外殻体1の内周面には、水の流
入部2と湯の流入部3とが周方向溝として形成されてお
り、外殻体1を肉厚方向に貫くように水の流入口と湯の
流入口(いずれも図示略)が設けられている。これらの
流入部2,3の両側及びそれらの間の外殻体内周面は平
滑な円筒面4,5,6となっている。この円筒面4,
5,6に対し、混合弁ユニットのOリングが水密的に当
接する。
ての金型10は、上金型11と下金型12とからなり、
その内部に金属製スライドコア13と、該スライドコア
13に外嵌した可溶性材料(この実施の形態ではポリビ
ニルアルコール等の水溶性合成樹脂)製の環状の可溶性
コア14とが配置されている。このスライドコア13と
2個の可溶性コア14とにより中子が構成されている。
可溶性コア14の内周側には微小フランジ状フィン14
aが突設されており、このフィン14aがスライドコア
13の外周面に密着している。このフィン14aは、可
溶性コア14の内周面とスライドコア13の外周面との
間に射出樹脂材料が入り込むのを防止する。また、混合
弁ユニットを挿入する時に、装着してあるOリングが切
れたり、はずれたりするのを防止する。(ピン角である
と切れ易いので面取りをする)。
の内面との間のキャビティ15に対し、金型のゲート
(図示略)から外殻体構成用の樹脂材料(例えば、耐熱
性が高く高強度のポリフェニレンサルファイド等のエン
ジニアリングプラスチック)を図2(a)の如く射出す
る。
し、次いでスライドコア13を図2(c)の如く引き抜
く。これにより、外殻体1内には可溶性材料(水溶性合
成樹脂材料)よりなる可溶性コア14のみが残置される
ので、この可溶性コア14付きの外殻体1を温水等の溶
媒に浸漬し、可溶性コア14を溶解除去する。これによ
り、図1(a)に示す外殻体1が得られる。
により流入部2,3が形成される。この可溶性コア14
を溶解させる場合、スライドコア13は既に抜き出され
ているので、温水はスライドコア13が抜け出た後の大
きな空洞部を介して外殻体1内に流入し、可溶性コア1
4と接触するので、可溶性コア14は速やかに溶解除去
される。
ア13の外周面によって形成されるため、極めて平滑で
あり、寸法精度も著しく良好である。流入部2,3は、
これら円筒面4,5,6に比べると面粗さ及び寸法精度
が劣るが、この部分は単に水又は湯が通過するだけであ
り、水栓の特性に影響を与えない。
について説明する。この実施の形態は、金属製スライド
コア16に対し2個の可溶性コア17,17が射出樹脂
の押圧力によっては全く動かないよう改良されたもので
ある。このスライドコア16は、基端体16Aと先端体
16Bとを螺じ込みにより連結して一体化したものであ
る。なお、基端体16Aの先端側の外周面に雄ネジが設
けられ、先端体16Bの基端側に雌ネジが設けられ、両
ネジが螺合している。
端体16Aに外嵌している。基端体16Aには段部16
aが設けられており、一方の可溶性コア17は該段部1
6aに当接している。これらの可溶性コア17,17同
士の間には環状のスペーサ18が介在されている。当然
ながら、このスペーサ18の外径は可溶性コア17,1
7の外径よりも小である。
8と先端体16Bの後端面との間に挟持されている。可
溶性コア17の材料は上記コア14と同様である。図3
〜5のその他の構成は図1〜2と同様であり、同一符号
は同一部分を示している。
るには、まず、図4(a)の通り、キャビティ15に外
殻体1の成形用の樹脂材料を射出する。次に、図4
(b)の通り、金型10を脱型し、次いで図4(c)の
通り基端体16Aを回して先端体16Bとの螺合を解除
して抜き出す。先端体16Bは先細径であり、図4
(b)の左方には抜き出すことができず、外殻体1内に
残置される。
性コア17,17が露出するので、先端体16B、可溶
性コア17,17及びスペーサ18付きの外殻体1を温
水に浸漬し、可溶性コア17,17を溶解除去する。こ
の場合も、温水が基端体16Aの抜け出た後の空所を流
通するので、可溶性コア17,17は速やかに溶解除去
され、図5の状態となる。この外殻体1内からスペーサ
18及び先端体16Bを図5の右方に引き出すことによ
り、図1(a)に示す外殻体1が得られる。この外殻体
1も寸法精度がきわめて良好な平滑面4,5,6を有す
る。
クよりなる外殻体1の外表面に、美麗な熱可塑性樹脂を
射出成形してもよい。例えば、前記図2(b)の如く金
型10から脱型され、且つまだスライドコア13が分離
される前の外殻体1を、スライドコア13及び可溶性コ
ア14と共に金型10よりも一回り大きな金型(図示
略)内に配置し、外殻体1とこの金型内面との間に熱可
塑性樹脂を射出し、図6(a)のように熱可塑性樹脂の
被覆層20を形成する。その後、スライドコア13を抜
き出し、可溶性コア14,14を溶解除去することによ
り、図6(b)に示す美麗な被覆層20付きの外殻体1
が得られる。
から脱型されたスライドコア16、可溶性コア17,1
7及びスペーサ18付きの外殻体1に対しても同様に被
覆層を形成し、その後、前記の如く脱型、基端体16A
の抜き出し、可溶性コア17,17の溶解除去及び先端
体16Bとスペーサ18の取り出しを行うことにより、
図6(b)の被覆層付き外殻体1を成形することができ
る。
てはABS樹脂、ポリプロピレン樹脂などが例示され
る。これらの樹脂は着色性にも優れるため、成形品外面
に美麗な着色を施すことができる。また、特にABS樹
脂は表面にメッキし易く、メッキ調の外観を容易に形成
することができる。
有させることにより成形品に抗菌性を付与することがで
きる。抗菌剤としては銀系のものなど各種のものを用い
ることができ、その添加量は0.1〜1%程度が好適で
あるが、これに限定されない。
脂製中空体の製造方法にも適用できる。
分的に平滑面となっている樹脂製中空体を、後加工なし
に効率良く製造することができる。
造方法により製造された樹脂製中空体としての水栓金具
の外殻体の断面図であり、(b)図はこの水栓金具の外
殻体の製造方法を示す断面図であり、(c)図は(b)
図のC部分の拡大図である。
ある。
(b)図は(a)図のB部の拡大図である。
示す断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 成形型内に中子を配置し、樹脂材料を射
出した後、中子を除去する樹脂製中空体の製造方法にお
いて、 該中子を金属製スライドコアと、該スライドコアに保持
された可溶性材料よりなる可溶性コアとで構成し、 射出後、成形体を成形型から脱型し、該スライドコアを
該成形体から抜き出した後、該可溶性コアを該成形体か
ら溶解除去することを特徴とする樹脂製中空体の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1において、中空体の内面のうち
面精度が比較的高い面については該スライドコアで成形
し、面精度が比較的低い面であって且つスライドコアの
スライド方向と交叉方向に凹陥する面については該可溶
性コアで成形することを特徴とする樹脂製中空体の製造
方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記可溶性コ
アを前記スライドコアに固定用部材によって固定してお
き、 脱型後、成形体から該スライドコアを抜き出し、次いで
可溶性コアを溶解除去した後、この固定用部材を成形体
から取り出すことを特徴とする樹脂製中空体の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、該中空体は水栓の外殻体であり、前記スライドコア
により成形される面はシール部材が接する面であること
を特徴とする樹脂製中空体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
て、 前記成形体を成形型から脱型した後、この成形型よりも
大きな成形型内に配置し、成形体の外周に被覆層形成用
の樹脂材料を射出することを特徴とする樹脂製中空体の
製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009066872A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Onda Seisakusho Seki Kojo:Kk | アンダーカット部を有する樹脂成形体の製造方法 |
CN101852320A (zh) * | 2009-03-31 | 2010-10-06 | 株式会社电装 | 制造连接器的方法 |
JP2010236644A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Denso Corp | 接続継ぎ手およびその製造方法 |
KR102148617B1 (ko) * | 2019-12-23 | 2020-08-27 | 고정훈 | 용해성 중자를 이용한 수전금구용 본체의 제작방법 및 이에 의해 제작된 수전금구용 본체 |
-
2002
- 2002-03-18 JP JP2002074454A patent/JP3894011B2/ja not_active Expired - Fee Related
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